シートベルト装置
【課題】簡単な構造でブーツを安定した状態に確実かつ容易に取り付けることが可能なシートベルト装置を提供する。
【解決手段】シートベルトの一端にワイヤ2を介して連結され、車両に所定以上の衝撃が作用したときにシートベルトを引き込むよう構成されたプリテンショナ機構3と、ワイヤ2の周囲を覆う筒状のブーツ4とを有するシートベルト装置において、プリテンショナ機構3は、プリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定されるとともにプリテンショナ固定用ボルト13による締結位置から離間した位置にブーツ4を係止する爪部9cを有し、ブーツ4は、その下部にプリテンショナ固定用ボルト13が挿通される貫通孔4aと、爪部9cが係止される係合孔4cとを有する。
【解決手段】シートベルトの一端にワイヤ2を介して連結され、車両に所定以上の衝撃が作用したときにシートベルトを引き込むよう構成されたプリテンショナ機構3と、ワイヤ2の周囲を覆う筒状のブーツ4とを有するシートベルト装置において、プリテンショナ機構3は、プリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定されるとともにプリテンショナ固定用ボルト13による締結位置から離間した位置にブーツ4を係止する爪部9cを有し、ブーツ4は、その下部にプリテンショナ固定用ボルト13が挿通される貫通孔4aと、爪部9cが係止される係合孔4cとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に設けられるシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、衝突から乗員を保護するためにシートベルト装置が装備されている。従来、このようなシートベルト装置として、プリテンショナを備え、車両に所定値以上の衝撃が作用したときにこのプリテンショナを作動させてベルトを引き込むようにしたものが公知となっている。
【0003】
通常、プリテンショナは車体のフロアに固定され、ワイヤを介してシートベルトの一端に連結されている。そのため、こうしたシートベルト装置においては、ワイヤが露出することを避けるようにワイヤの周囲を筒状に形成された可塑性を有するブーツで覆い、このブーツの下端をフロアの下部に引き込んで見栄えの向上や危害感の低減を図っている。
【0004】
上述したブーツをワイヤの周囲に取り付ける構造として、ブーツの内部にあってワイヤが挿通されるスリーブに複数の爪部を設けるとともにブーツの上記爪部に対向する位置に係合穴を設け、スリーブの爪部をブーツの係合穴に係合させることによりブーツの下端位置を安定させるようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、上記特許文献1には、プリテンショナを固定するボルトの位置までブーツの下端を下げ、ボルトによって固定される樹脂ブッシュにブーツの下端部を留めるようにした構成も記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−81883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなスリーブの爪部をブーツの係合穴に係合させる構成では、ブーツが引っ張られる等したときに係合穴が広がり、爪部が係合穴から抜けてブーツが外れたり、ブーツが破れて爪部と係合できなくなるおそれがあった。すなわち、ブーツの固定が確実ではなかった。また、ブーツの下端部を樹脂ブッシュに留めるようにした構成では、ブーツが外れることはないが、ブーツを樹脂ブッシュに縫製や溶着により留めなくてはならないため、部品点数および取り付けのための工数が増える。また、プリテンショナを固定する際に、ボルトをブーツの車室側の樹脂ブッシュを通してからプリテンショナに通し、さらに車体側の樹脂ブッシュに通さなければならず、作業性が悪くなるおそれがあった。また、ブーツがボルトによって軸支された状態となるため、ボルトを軸としてブーツが回転し、ブーツがワイヤに接触したり撓んで外観を損ねる等といったおそれがあった。
【0008】
このようなことから本発明は、簡単な構造でブーツを安定した状態に確実かつ容易に取り付けることが可能なシートベルト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための第1の発明に係るシートベルト装置は、シートベルトの一端にワイヤを介して連結され、車両に所定以上の衝撃が作用したときに前記シートベルトを引き込むよう構成されたプリテンショナ機構と、前記ワイヤの周囲を覆う筒状のブーツとを備えるシートベルト装置において、前記プリテンショナ機構は、ボルトによって前記車両の車体に固定されるとともに前記ボルトによる締結位置から離間した位置に前記ブーツを係止する爪部を有し、前記ブーツは、その下部に前記プリテンショナ機構を固定するボルトが挿通される貫通孔と、前記爪部が係止される係合孔とを有することを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するための第2の発明に係るシートベルト装置は、前記ブーツの貫通孔は、前記ブーツ下部の前記プリテンショナ機構と前記車体側との間で前記ボルトを挿通するように形成されており、前記ブーツ下部の前記貫通孔と対向する車室側の部分には、前記ボルトと対向する部位を切り欠いた切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するための第3の発明に係るシートベルト装置は、前記ブーツの貫通孔には、前記ボルトがスペーサを介して挿通され、前記スペーサの車室側の端部を外径が前記ブーツの貫通孔より大きい大径部とするとともに、前記スペーサの本体部の外周にワッシャを配し、前記ブーツの貫通孔の周縁を前記大径部と前記ワッシャとによって挟むよう構成したことを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための第4の発明に係るシートベルト装置は、前記係止爪は、前記プリテンショナ機構に設けられて同プリテンショナ機構に接続されるハーネスの一部を支持するハーネス保持部用の板状ブラケットを延長して形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上述した第1の発明に係るシートベルト装置によれば、プリテンショナ機構を車体に固定する際に、ブーツの貫通孔にプリテンショナ固定用のボルトが挿通されてブーツ下部が確実に固定される。さらに、爪部をブーツに設けられた係合孔に係止させることにより、ブーツがボルトによって締結された位置を支点として回転したり捩れたりすることを防止することができ、ブーツの下端部を簡単な構成で確実に安定した状態に維持することができる。
【0014】
また、上述した第2の発明に係るシートベルト装置によれば、ブーツの車室側のボルトに対向する部位を切り欠いて切欠部を形成し、ブーツの車体側のみにボルトが挿通されて固定される構成としたので、ボルトを締結する作業が容易になり、作業性が向上する。
【0015】
また、上述した第3の発明に係るシートベルト装置によれば、ブーツの貫通孔にスペーサを介してボルトを挿通させ、スペーサの車室側の端部を外径がブーツの貫通孔より大きい大径部とするとともにスペーサの本体部の外周にワッシャを配してブーツの貫通孔の周縁を大径部とワッシャとによって挟むようにしたので、ブーツをより確実に保持することができる。
【0016】
また、上述した第4の発明に係るシートベルト装置によれば、プリテンショナ機構に接続されるハーネスの一部を支持するハーネス保持用の板状ブラケットを延長して爪部を形成することで、1つの部材で2つの役目を兼用する構成としたので、部品点数を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を実施例において詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1ないし図5に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本実施例に係るシートベルト装置のブーツ取り付け部の構造を示す平面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は本実施例に係るシートベルト装置のブーツ取り付け部の構造を示す斜視図、図4は本実施例に係るシートベルト装置のブーツ取り付け部の構造を示す他の斜視図、図5は図3のブーツ内部の構造を示す斜視図である。
【0019】
図1ないし図5に示すように、本実施例に係るシートベルト装置は、車体1に固定されて車両に所定値以上の衝撃が作用したときにワイヤ2を介して図示しないシートベルトを引き込むように構成されたプリテンショナ機構3を備えている。そしてこのシートベルト装置において、プリテンショナ機構3に導入されるワイヤ2の周囲にはこのワイヤ2を覆う筒状のブーツ4が設けられている。
【0020】
本実施例において、プリテンショナ機構3は、ワイヤを引き込むためのプリテンショナ本体6と、プリテンショナ本体6が固定されるハウジング5と、ワイヤ2の方向を規制するスリーブ7と、スリーブ7に挿通されたワイヤ2をプリテンショナ本体6側へ案内する第一スペーサ10と、プリテンショナ本体6に接続されるハーネス8を支持するブラケット9とを備えて構成されている。
【0021】
プリテンショナ本体6は、ワイヤ2が連結されたピストン(図示無し)を内蔵した円筒状のシリンダとピストンを作動させる起爆装置とで構成され、車両に所定値以上の衝撃が作用すると起爆装置によりピストンが作動し、ワイヤ2を引き込む仕組みとなっている。
【0022】
このプリテンショナ本体6が固定されるハウジング5は板状に形成され、ボルト孔5aを有している。プリテンショナ本体6は、このハウジング5のボルト孔5aに挿通されるプリテンショナ固定用ボルト13により、ハウジング5を介して車体1に固定されている。
【0023】
さらに、このハウジング5の一端にはワイヤ2を挿通可能に設けられて上述したようにワイヤ2の方向を規制するスリーブ7が固定されている。このスリーブ7はプリテンショナ固定用ボルト13の締結位置より上方に配設されている(図1、図2参照)。
【0024】
ワイヤ2を案内する第一スペーサ10は、図2に示すように、プリテンショナ本体6とスリーブ7の間であって、ハウジング5の車体1側の面に隣接して配置されている。
【0025】
この第一スペーサ10は円筒状に形成されており、その中空部にプリテンショナ固定用ボルト13が挿通される。すなわち、第一スペーサ10は、ハウジング5のボルト孔5aに挿通されたプリテンショナ固定用ボルト13が挿通されてハウジング5とともに車体1に固定されている。
【0026】
さらにこの第一スペーサ10は、ハウジング5のボルト孔5aの径よりも外径が大きく形成された本体部10aと、該本体部10aの車体1側の端部に設けられる大径部10b、及び本体部10aの車室側の端部に設けられる小径部10cとから構成されている。第一スペーサ10の大径部10bは本体部10aと比較して外径が大きく、小径部10cは本体部10aと比較して外径が小さく形成されており、さらに小径部10cはハウジング5のボルト孔5aに嵌挿されている。
【0027】
そして、ワイヤ2は、この第一スペーサ10の本体部10aの周面、換言すると、大径部10bとハウジング5との間の下部側の周面に沿ってスリーブ7側からプリテンショナ本体6側へと案内されている。
【0028】
また、第一スペーサ10の車体1側には、第一スペーサ10の大径部10bに隣接してブラケット9が配置されている。
【0029】
ブラケット9は、板状に形成されてプリテンショナ本体6に接続されたハーネス8を保持する部材で、その一部にハーネス8を挿通可能に形成された筒状のハーネス保持部9aを備えている。そして、ハーネス8はこのハーネス保持部9aに挿通されることにより径方向の位置を規制されている。
【0030】
さらにこのブラケット9には、ハウジング5と同様にボルト孔9bが設けられ、このボルト孔9bに挿通されるプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定されている。またこのブラケット9には、その一部を延長して形成された爪部9cが設けられている。この爪部9cは、ボルト孔9bとは所定の距離だけ離間した位置であって、且つボルト孔9bとほぼ同等の高さまたはそれより下方(本実施例ではボルト孔9bとほぼ同じ高さ)において、車体1側に向かって突出しその先端がほぼ直角に屈曲するように形成されている(図1、図5参照)。
【0031】
このように、プリテンショナ機構3は、各構成部材がボルト13によって車体1に固定されることで一体とされている。
【0032】
図1、図2に示すように、ブーツ4は、ワイヤ2に加えてスリーブ7と第一スペーサ10、そしてハウジング5及びブラケット9それぞれの一部を覆うように設けられ、その下端がプリテンショナ固定用ボルト13による締結位置の下方まで延設されている。
【0033】
そしてこのブーツ4には、車体1側の下部に貫通孔4aが形成される一方、この貫通孔4aに対向する車室側の部分に少なくとも下端からプリテンショナ固定用ボルト13の上端までの範囲で切り欠かれた切欠部4b(図4参照)が形成され、さらにブーツ4の上記爪部9cに対向する位置にこの爪部9cに係合する係合孔4cが設けられている。
【0034】
すなわち、本実施例において、ブーツ4は、その下部の車体1側のみがプリテンショナ機構3とともにプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定され、且つ係合孔4cにブラケット9の爪部9cを係止した状態となっている。
【0035】
図2に示すように、本実施例では、プリテンショナ機構3およびブーツ4をプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定する際、ブーツ4内において、車室側から順にハウジング5、第一スペーサ10、ブラケット9を配している。
【0036】
さらに、ブラケット9の車体1側には円筒状に形成された第二スペーサ11が配設されている。第二スペーサ11は、第一スペーサ10と同様、その中空部にプリテンショナ固定用ボルト13が挿通される。第二スペーサ11は、本体部11aがブーツ4の貫通孔4aに挿通可能に形成され、且つ、本体部11aの車室側の端部にブーツ4の貫通孔4aよりも外径が大きい大径部11bを有している。この第二スペーサ11の大径部11bはブラケット9とブーツ4との間に位置してこれらを離間させている。また、第二スペーサ11の外周であってブーツ4の外側(車体1側)にはワッシャ12が設けられ、ブーツ4の貫通孔4aの周縁を第二スペーサ11の外周部において大径部11bとワッシャ12とで挟み込んでいる。このとき、ブーツ4と車体1とは、離間された状態となっている。
【0037】
以上に説明した本実施例に係るシートベルト装置によれば、ブーツ4に貫通孔4aを設けてブーツ4をプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定する構成とする一方、ブーツ4に係合孔4cを設けるとともにブラケット9に爪部9cを形成し、この爪部9cを係合孔4cに係止させる構成としたので、簡単な構成、かつ容易にブーツ4の下部を固定することができるとともに、貫通孔4aを支点としてブーツ4が捩れたり、回転することを防止し、ブーツ4を安定した状態に維持することができる。
【0038】
また、ブーツ4に切欠部4bを設けたことにより、ブーツ4をプリテンショナ機構3側に固定する際にブーツ4の車体1側の貫通孔4aだけにプリテンショナ固定用ボルト13を挿入させれば良く、ブーツ4の固定が容易に行える。また、切欠部4bによって、ブーツ4の内部の状態を容易に確認することができ、作業性が向上する。
【0039】
さらに、ブーツ4に形成された貫通孔4aに第二スペーサ11を介してプリテンショナ固定用ボルト13を挿通させるとともに、ブーツ4と車体1との間にワッシャ12を設けたので、ブーツ4の貫通孔4aの周縁がプリテンショナ固定用ボルト13によって噛み込まれるおそれがない。
【0040】
さらに加えて、第二スペーサ11の車室側の端部に外径がブーツ4の貫通孔4aより大きい大径部11bを設け、ブーツ4の貫通孔4aの周縁を大径部11bとワッシャ12とによって挟むようにしたので、ブーツ4をより安定した状態で確実に保持することができる。
【0041】
また、ブラケット9にプリテンショナ本体6に接続されるハーネス8の一部を挿通して該ハーネス8の径方向の位置を規制するハーネス保持部9aを設けたので、ハーネス8を安定した状態で保持することができる。
【0042】
しかも、ハーネス8を保持するブラケット9の一部を延長して爪部を設けて1つの部材で2つの役目を兼用する構成としたので、部品点数を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明はシートベルト装置に利用可能であり、特に、シートベルトの一端に連結されたワイヤを覆うブーツを備えるシートベルト装置に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例に係るシートベルト装置のラッププリテンブーツ取り付け部の構造を示す平面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るシートベルト装置のラッププリテンブーツ取り付け部の構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係るシートベルト装置のラッププリテンブーツ取り付け部の構造を示す他の斜視図である。
【図5】図3のブーツ内部の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 車体
2 ワイヤ
3 プリテンショナ機構
4 ブーツ
4a 貫通孔
4b 切欠部
4c 係合孔
5 ハウジング
5a ボルト孔
6 プリテンショナ本体
7 スリーブ
8 ハーネス
9 ブラケット
9a ハーネス保持部
9b ボルト孔
9c 爪部
10 第一スペーサ
10a 本体部
10b 大径部
10c 小径部
11 第二スペーサ
11a 本体部
11b 大径部
12 ワッシャ
13 プリテンショナ固定用ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に設けられるシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両には、衝突から乗員を保護するためにシートベルト装置が装備されている。従来、このようなシートベルト装置として、プリテンショナを備え、車両に所定値以上の衝撃が作用したときにこのプリテンショナを作動させてベルトを引き込むようにしたものが公知となっている。
【0003】
通常、プリテンショナは車体のフロアに固定され、ワイヤを介してシートベルトの一端に連結されている。そのため、こうしたシートベルト装置においては、ワイヤが露出することを避けるようにワイヤの周囲を筒状に形成された可塑性を有するブーツで覆い、このブーツの下端をフロアの下部に引き込んで見栄えの向上や危害感の低減を図っている。
【0004】
上述したブーツをワイヤの周囲に取り付ける構造として、ブーツの内部にあってワイヤが挿通されるスリーブに複数の爪部を設けるとともにブーツの上記爪部に対向する位置に係合穴を設け、スリーブの爪部をブーツの係合穴に係合させることによりブーツの下端位置を安定させるようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、上記特許文献1には、プリテンショナを固定するボルトの位置までブーツの下端を下げ、ボルトによって固定される樹脂ブッシュにブーツの下端部を留めるようにした構成も記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−81883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなスリーブの爪部をブーツの係合穴に係合させる構成では、ブーツが引っ張られる等したときに係合穴が広がり、爪部が係合穴から抜けてブーツが外れたり、ブーツが破れて爪部と係合できなくなるおそれがあった。すなわち、ブーツの固定が確実ではなかった。また、ブーツの下端部を樹脂ブッシュに留めるようにした構成では、ブーツが外れることはないが、ブーツを樹脂ブッシュに縫製や溶着により留めなくてはならないため、部品点数および取り付けのための工数が増える。また、プリテンショナを固定する際に、ボルトをブーツの車室側の樹脂ブッシュを通してからプリテンショナに通し、さらに車体側の樹脂ブッシュに通さなければならず、作業性が悪くなるおそれがあった。また、ブーツがボルトによって軸支された状態となるため、ボルトを軸としてブーツが回転し、ブーツがワイヤに接触したり撓んで外観を損ねる等といったおそれがあった。
【0008】
このようなことから本発明は、簡単な構造でブーツを安定した状態に確実かつ容易に取り付けることが可能なシートベルト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための第1の発明に係るシートベルト装置は、シートベルトの一端にワイヤを介して連結され、車両に所定以上の衝撃が作用したときに前記シートベルトを引き込むよう構成されたプリテンショナ機構と、前記ワイヤの周囲を覆う筒状のブーツとを備えるシートベルト装置において、前記プリテンショナ機構は、ボルトによって前記車両の車体に固定されるとともに前記ボルトによる締結位置から離間した位置に前記ブーツを係止する爪部を有し、前記ブーツは、その下部に前記プリテンショナ機構を固定するボルトが挿通される貫通孔と、前記爪部が係止される係合孔とを有することを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するための第2の発明に係るシートベルト装置は、前記ブーツの貫通孔は、前記ブーツ下部の前記プリテンショナ機構と前記車体側との間で前記ボルトを挿通するように形成されており、前記ブーツ下部の前記貫通孔と対向する車室側の部分には、前記ボルトと対向する部位を切り欠いた切欠部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するための第3の発明に係るシートベルト装置は、前記ブーツの貫通孔には、前記ボルトがスペーサを介して挿通され、前記スペーサの車室側の端部を外径が前記ブーツの貫通孔より大きい大径部とするとともに、前記スペーサの本体部の外周にワッシャを配し、前記ブーツの貫通孔の周縁を前記大径部と前記ワッシャとによって挟むよう構成したことを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための第4の発明に係るシートベルト装置は、前記係止爪は、前記プリテンショナ機構に設けられて同プリテンショナ機構に接続されるハーネスの一部を支持するハーネス保持部用の板状ブラケットを延長して形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上述した第1の発明に係るシートベルト装置によれば、プリテンショナ機構を車体に固定する際に、ブーツの貫通孔にプリテンショナ固定用のボルトが挿通されてブーツ下部が確実に固定される。さらに、爪部をブーツに設けられた係合孔に係止させることにより、ブーツがボルトによって締結された位置を支点として回転したり捩れたりすることを防止することができ、ブーツの下端部を簡単な構成で確実に安定した状態に維持することができる。
【0014】
また、上述した第2の発明に係るシートベルト装置によれば、ブーツの車室側のボルトに対向する部位を切り欠いて切欠部を形成し、ブーツの車体側のみにボルトが挿通されて固定される構成としたので、ボルトを締結する作業が容易になり、作業性が向上する。
【0015】
また、上述した第3の発明に係るシートベルト装置によれば、ブーツの貫通孔にスペーサを介してボルトを挿通させ、スペーサの車室側の端部を外径がブーツの貫通孔より大きい大径部とするとともにスペーサの本体部の外周にワッシャを配してブーツの貫通孔の周縁を大径部とワッシャとによって挟むようにしたので、ブーツをより確実に保持することができる。
【0016】
また、上述した第4の発明に係るシートベルト装置によれば、プリテンショナ機構に接続されるハーネスの一部を支持するハーネス保持用の板状ブラケットを延長して爪部を形成することで、1つの部材で2つの役目を兼用する構成としたので、部品点数を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を実施例において詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1ないし図5に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本実施例に係るシートベルト装置のブーツ取り付け部の構造を示す平面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は本実施例に係るシートベルト装置のブーツ取り付け部の構造を示す斜視図、図4は本実施例に係るシートベルト装置のブーツ取り付け部の構造を示す他の斜視図、図5は図3のブーツ内部の構造を示す斜視図である。
【0019】
図1ないし図5に示すように、本実施例に係るシートベルト装置は、車体1に固定されて車両に所定値以上の衝撃が作用したときにワイヤ2を介して図示しないシートベルトを引き込むように構成されたプリテンショナ機構3を備えている。そしてこのシートベルト装置において、プリテンショナ機構3に導入されるワイヤ2の周囲にはこのワイヤ2を覆う筒状のブーツ4が設けられている。
【0020】
本実施例において、プリテンショナ機構3は、ワイヤを引き込むためのプリテンショナ本体6と、プリテンショナ本体6が固定されるハウジング5と、ワイヤ2の方向を規制するスリーブ7と、スリーブ7に挿通されたワイヤ2をプリテンショナ本体6側へ案内する第一スペーサ10と、プリテンショナ本体6に接続されるハーネス8を支持するブラケット9とを備えて構成されている。
【0021】
プリテンショナ本体6は、ワイヤ2が連結されたピストン(図示無し)を内蔵した円筒状のシリンダとピストンを作動させる起爆装置とで構成され、車両に所定値以上の衝撃が作用すると起爆装置によりピストンが作動し、ワイヤ2を引き込む仕組みとなっている。
【0022】
このプリテンショナ本体6が固定されるハウジング5は板状に形成され、ボルト孔5aを有している。プリテンショナ本体6は、このハウジング5のボルト孔5aに挿通されるプリテンショナ固定用ボルト13により、ハウジング5を介して車体1に固定されている。
【0023】
さらに、このハウジング5の一端にはワイヤ2を挿通可能に設けられて上述したようにワイヤ2の方向を規制するスリーブ7が固定されている。このスリーブ7はプリテンショナ固定用ボルト13の締結位置より上方に配設されている(図1、図2参照)。
【0024】
ワイヤ2を案内する第一スペーサ10は、図2に示すように、プリテンショナ本体6とスリーブ7の間であって、ハウジング5の車体1側の面に隣接して配置されている。
【0025】
この第一スペーサ10は円筒状に形成されており、その中空部にプリテンショナ固定用ボルト13が挿通される。すなわち、第一スペーサ10は、ハウジング5のボルト孔5aに挿通されたプリテンショナ固定用ボルト13が挿通されてハウジング5とともに車体1に固定されている。
【0026】
さらにこの第一スペーサ10は、ハウジング5のボルト孔5aの径よりも外径が大きく形成された本体部10aと、該本体部10aの車体1側の端部に設けられる大径部10b、及び本体部10aの車室側の端部に設けられる小径部10cとから構成されている。第一スペーサ10の大径部10bは本体部10aと比較して外径が大きく、小径部10cは本体部10aと比較して外径が小さく形成されており、さらに小径部10cはハウジング5のボルト孔5aに嵌挿されている。
【0027】
そして、ワイヤ2は、この第一スペーサ10の本体部10aの周面、換言すると、大径部10bとハウジング5との間の下部側の周面に沿ってスリーブ7側からプリテンショナ本体6側へと案内されている。
【0028】
また、第一スペーサ10の車体1側には、第一スペーサ10の大径部10bに隣接してブラケット9が配置されている。
【0029】
ブラケット9は、板状に形成されてプリテンショナ本体6に接続されたハーネス8を保持する部材で、その一部にハーネス8を挿通可能に形成された筒状のハーネス保持部9aを備えている。そして、ハーネス8はこのハーネス保持部9aに挿通されることにより径方向の位置を規制されている。
【0030】
さらにこのブラケット9には、ハウジング5と同様にボルト孔9bが設けられ、このボルト孔9bに挿通されるプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定されている。またこのブラケット9には、その一部を延長して形成された爪部9cが設けられている。この爪部9cは、ボルト孔9bとは所定の距離だけ離間した位置であって、且つボルト孔9bとほぼ同等の高さまたはそれより下方(本実施例ではボルト孔9bとほぼ同じ高さ)において、車体1側に向かって突出しその先端がほぼ直角に屈曲するように形成されている(図1、図5参照)。
【0031】
このように、プリテンショナ機構3は、各構成部材がボルト13によって車体1に固定されることで一体とされている。
【0032】
図1、図2に示すように、ブーツ4は、ワイヤ2に加えてスリーブ7と第一スペーサ10、そしてハウジング5及びブラケット9それぞれの一部を覆うように設けられ、その下端がプリテンショナ固定用ボルト13による締結位置の下方まで延設されている。
【0033】
そしてこのブーツ4には、車体1側の下部に貫通孔4aが形成される一方、この貫通孔4aに対向する車室側の部分に少なくとも下端からプリテンショナ固定用ボルト13の上端までの範囲で切り欠かれた切欠部4b(図4参照)が形成され、さらにブーツ4の上記爪部9cに対向する位置にこの爪部9cに係合する係合孔4cが設けられている。
【0034】
すなわち、本実施例において、ブーツ4は、その下部の車体1側のみがプリテンショナ機構3とともにプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定され、且つ係合孔4cにブラケット9の爪部9cを係止した状態となっている。
【0035】
図2に示すように、本実施例では、プリテンショナ機構3およびブーツ4をプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定する際、ブーツ4内において、車室側から順にハウジング5、第一スペーサ10、ブラケット9を配している。
【0036】
さらに、ブラケット9の車体1側には円筒状に形成された第二スペーサ11が配設されている。第二スペーサ11は、第一スペーサ10と同様、その中空部にプリテンショナ固定用ボルト13が挿通される。第二スペーサ11は、本体部11aがブーツ4の貫通孔4aに挿通可能に形成され、且つ、本体部11aの車室側の端部にブーツ4の貫通孔4aよりも外径が大きい大径部11bを有している。この第二スペーサ11の大径部11bはブラケット9とブーツ4との間に位置してこれらを離間させている。また、第二スペーサ11の外周であってブーツ4の外側(車体1側)にはワッシャ12が設けられ、ブーツ4の貫通孔4aの周縁を第二スペーサ11の外周部において大径部11bとワッシャ12とで挟み込んでいる。このとき、ブーツ4と車体1とは、離間された状態となっている。
【0037】
以上に説明した本実施例に係るシートベルト装置によれば、ブーツ4に貫通孔4aを設けてブーツ4をプリテンショナ固定用ボルト13によって車体1に固定する構成とする一方、ブーツ4に係合孔4cを設けるとともにブラケット9に爪部9cを形成し、この爪部9cを係合孔4cに係止させる構成としたので、簡単な構成、かつ容易にブーツ4の下部を固定することができるとともに、貫通孔4aを支点としてブーツ4が捩れたり、回転することを防止し、ブーツ4を安定した状態に維持することができる。
【0038】
また、ブーツ4に切欠部4bを設けたことにより、ブーツ4をプリテンショナ機構3側に固定する際にブーツ4の車体1側の貫通孔4aだけにプリテンショナ固定用ボルト13を挿入させれば良く、ブーツ4の固定が容易に行える。また、切欠部4bによって、ブーツ4の内部の状態を容易に確認することができ、作業性が向上する。
【0039】
さらに、ブーツ4に形成された貫通孔4aに第二スペーサ11を介してプリテンショナ固定用ボルト13を挿通させるとともに、ブーツ4と車体1との間にワッシャ12を設けたので、ブーツ4の貫通孔4aの周縁がプリテンショナ固定用ボルト13によって噛み込まれるおそれがない。
【0040】
さらに加えて、第二スペーサ11の車室側の端部に外径がブーツ4の貫通孔4aより大きい大径部11bを設け、ブーツ4の貫通孔4aの周縁を大径部11bとワッシャ12とによって挟むようにしたので、ブーツ4をより安定した状態で確実に保持することができる。
【0041】
また、ブラケット9にプリテンショナ本体6に接続されるハーネス8の一部を挿通して該ハーネス8の径方向の位置を規制するハーネス保持部9aを設けたので、ハーネス8を安定した状態で保持することができる。
【0042】
しかも、ハーネス8を保持するブラケット9の一部を延長して爪部を設けて1つの部材で2つの役目を兼用する構成としたので、部品点数を削減することができ、コストの低減を図ることができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明はシートベルト装置に利用可能であり、特に、シートベルトの一端に連結されたワイヤを覆うブーツを備えるシートベルト装置に適用して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例に係るシートベルト装置のラッププリテンブーツ取り付け部の構造を示す平面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るシートベルト装置のラッププリテンブーツ取り付け部の構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係るシートベルト装置のラッププリテンブーツ取り付け部の構造を示す他の斜視図である。
【図5】図3のブーツ内部の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 車体
2 ワイヤ
3 プリテンショナ機構
4 ブーツ
4a 貫通孔
4b 切欠部
4c 係合孔
5 ハウジング
5a ボルト孔
6 プリテンショナ本体
7 スリーブ
8 ハーネス
9 ブラケット
9a ハーネス保持部
9b ボルト孔
9c 爪部
10 第一スペーサ
10a 本体部
10b 大径部
10c 小径部
11 第二スペーサ
11a 本体部
11b 大径部
12 ワッシャ
13 プリテンショナ固定用ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートベルトの一端にワイヤを介して連結され、車両に所定以上の衝撃が作用したときに前記シートベルトを引き込むよう構成されたプリテンショナ機構と、前記ワイヤの周囲を覆う筒状のブーツとを備えるシートベルト装置において、
前記プリテンショナ機構は、ボルトによって前記車両の車体に固定されるとともに前記ボルトによる締結位置から離間した位置に前記ブーツを係止する爪部を有し、
前記ブーツは、その下部に前記プリテンショナ機構を固定するボルトが挿通される貫通孔と、前記爪部が係止される係合孔とを有する
ことを特徴とするシートベルト装置。
【請求項2】
前記ブーツの貫通孔は、前記ブーツ下部の前記プリテンショナ機構と前記車体側との間で前記ボルトを挿通するように形成されており、前記ブーツ下部の前記貫通孔と対向する車室側の部分には、前記ボルトと対向する部位を切り欠いた切欠部が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置。
【請求項3】
前記ブーツの貫通孔には、前記ボルトがスペーサを介して挿通されており、前記スペーサの車室側の端部を外径が前記ブーツの貫通孔より大きい大径部とするとともに、前記スペーサの本体部の外周にワッシャを配し、前記ブーツの貫通孔の周縁を前記大径部と前記ワッシャとによって挟むようにした
ことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
【請求項4】
前記係止爪は、前記プリテンショナ機構に設けられて同プリテンショナ機構に接続されるハーネスの一部を支持するハーネス保持部用の板状ブラケットを延長して形成される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
【請求項1】
シートベルトの一端にワイヤを介して連結され、車両に所定以上の衝撃が作用したときに前記シートベルトを引き込むよう構成されたプリテンショナ機構と、前記ワイヤの周囲を覆う筒状のブーツとを備えるシートベルト装置において、
前記プリテンショナ機構は、ボルトによって前記車両の車体に固定されるとともに前記ボルトによる締結位置から離間した位置に前記ブーツを係止する爪部を有し、
前記ブーツは、その下部に前記プリテンショナ機構を固定するボルトが挿通される貫通孔と、前記爪部が係止される係合孔とを有する
ことを特徴とするシートベルト装置。
【請求項2】
前記ブーツの貫通孔は、前記ブーツ下部の前記プリテンショナ機構と前記車体側との間で前記ボルトを挿通するように形成されており、前記ブーツ下部の前記貫通孔と対向する車室側の部分には、前記ボルトと対向する部位を切り欠いた切欠部が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のシートベルト装置。
【請求項3】
前記ブーツの貫通孔には、前記ボルトがスペーサを介して挿通されており、前記スペーサの車室側の端部を外径が前記ブーツの貫通孔より大きい大径部とするとともに、前記スペーサの本体部の外周にワッシャを配し、前記ブーツの貫通孔の周縁を前記大径部と前記ワッシャとによって挟むようにした
ことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
【請求項4】
前記係止爪は、前記プリテンショナ機構に設けられて同プリテンショナ機構に接続されるハーネスの一部を支持するハーネス保持部用の板状ブラケットを延長して形成される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2010−64537(P2010−64537A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230461(P2008−230461)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]