説明

シート処理装置及び画像形成装置

【課題】排紙検知系と積載検知系との間の干渉を防止できるようにすると共に、画像形成後の用紙の排紙制御や、その掻き寄せ制御等を精度良く実行できるようにする。
【解決手段】用紙を用紙積載トレイ61へ排紙する排出部35と、発光部及び受光部11bを有して、用紙積載トレイ61に排出される用紙の後端を検知する排紙検知センサ11と、排紙検知信号に基づいて用紙の排出速度を制御する排紙制御部51と、用紙積載トレイ61の幅方向に沿って互いに対向して配置された発光部及び受光部を有して、用紙積載トレイ61に積載された用紙の上端を所定の位置で検知する積載検知センサ12と、ここで得られる積載検知信号に基づいて用紙積載トレイ61を昇降し、用紙排出位置と用紙積載位置との間における用紙の落下行程を所定の距離に調整する積載制御部62とを備え、排紙検知系と積載検知系との間の干渉を除くためのフィルタ40が受光部11bに設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成後の用紙を用紙積載トレイ上に積載したり、その用紙を揃えて用紙積載トレイ上に排紙する後処理機能を備えた白黒用、カラー用のプリンタ、複写機、これらの複合機に適用して好適なシート処理装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の画像形成装置における画像形成処理の高速化に伴い、シート積載装置等の後処理装置における後処理も高速化が要求されている。例えば、高速で画像形成処理された用紙は、用紙搬送速度をなるべく落とさずに後処理され、用紙積載トレイ上に排紙されることが望ましい。
【0003】
ところで、用紙積載トレイに用紙を排出する際に、高速で排紙を行うと、用紙積載トレイから用紙が落ちる等の問題が確認された。この問題を解決するために排紙ローラの直前に、光反射型の光学センサ(以下で排紙検知センサともいう)を設け、排出口から排紙される用紙の後端抜け検知を行って、当該後端抜け検知に基づき、排紙ローラの速度を制御し、当該用紙が用紙積載トレイ内に収まるように排紙速度を制限する工夫がなされている。
【0004】
また、排紙後の用紙を用紙積載トレイ上で整合するために、用紙処理装置には回動可能なグリッパ機構が設けられ、当該グリッパ機構で排紙された用紙を引き寄せて用紙の縦方向を整合するようにした。この用紙処理装置によれば、排紙口近傍に排紙検知センサ(光反射型の光学センサ)が設置され、当該排紙検知センサによる排出用紙の後端抜けを検知した後の引き寄せタイミングでグリッパ機構を動作させ、用紙の整合が行われる場合が多い。
【0005】
更に、用紙積載トレイにはトレイ昇降機構が設けられる。トレイ昇降機構によれば、用紙積載トレイの昇降動作を可能とすると共に、用紙積載トレイの両脇に、発光部と受光部を対向して配置する光透過型の光学センサ(以下で積載検知センサともいう)を使用して、積載された用紙を検知するものが開発されている。
【0006】
大容量印刷時、用紙積載トレイには、引き続き用紙が積載されるために、積載用紙の上面が一定の高さとなるように、積載された用紙上面を積載検知センサで検知して用紙積載トレイの昇降動作を制御する。例えば、用紙が用紙積載トレイに積載されて(貯まって)行くと、一定の高さだけ、用紙積載トレイの降下動作を実行する。その降下動作の後に、用紙積載トレイ上の用紙の最上部の高さが、用紙積載検知位置となるように当該用紙積載トレイの上昇動作を実行して、用紙の落下行程を所定の距離に調整する動作が行われる。
【0007】
更に、近年の後処理装置には、ステープラ処理等を施すためにスタック機構が設けられ、複数枚の用紙をスタック処理するようになされる。スタック処理された用紙束は用紙積載トレイに排紙される。その際に、排紙口を開放し、用紙束を排紙し易くする機構が採られる場合が多い。
【0008】
なお、トレイ昇降機能を備えたシート処理装置に関して、特許文献1に開示された用紙積載装置によれば、積載トレイ、第1光透過型センサ、第2光透過型センサ及び制御部を備えて構成される。積載トレイは、昇降動作が可能な構造を有している。第1光透過型センサは、積載トレイの幅方向に沿って発光部と受光部とが対向して配置されている。第2光透過型センサは第1光透過型センサに対して、光の進路方向が逆向きとなるように発光部と受光部とが対向して配置されている。
【0009】
制御部は第1光透過型センサおよび第2光透過型センサの発光部の発光を制御するとともに、第1光透過型センサまたは第2光透過型センサの出力を受けて積載トレイの状態を検知判定する。これらを前提にして、制御部が第1光透過型センサによる検知判定が必要なときに、第2光透過型センサの発光部を一時的に消灯するようにした。このように用紙積載装置を構成すると、格別なコスト増を招くことなく、かつ、装置の生産性を損なうことなく、第1光透過型センサと第2光透過型センサ光とを近傍に配置した場合であっても、第2光透過型センサの発光光を原因とする誤検知を防止できるというものである。
【0010】
また、用紙積載トレイ及びその検知系に関して、特許文献2に開示されたシート積載装置によれば、積載トレイ及び光透過型センサを備えて構成される。積載トレイは、装置本体に昇降動可能に取り付けられ、シートを積載するシート積載面を有している。光透過型センサは、積載トレイの両脇に位置する装置本体部分に対向して配置された発光部および受光部を有している。光透過型センサは装置本体部分に1つ又は複数個が設けられる。
【0011】
光透過型センサは、発光部および受光部の間の光が当該シートにより遮光されることで、積載トレイのシート積載面に積載されたシートを検知する。これらを前提にして、積載トレイのシート積載面を含む領域であって、光透過型センサの発光部および受光部の間を結ぶ光軸を遮断し得る部位に、そのシート積載面の他の部位に比べて高い突出部を形成するようにした。このようにシート積載装置を構成すると、シート下部側とシート積載面との間に生じた隙間部分による弊害を突出部によって防止でき、シートを正常に検知できるというものである。
【0012】
更に、用紙積載トレイ及びその検知系に関して、特許文献3に開示されたシート処理装置によれば、シート処理装置本体、シート積載手段、昇降手段、第1センサ、第2センサ及び制御手段を備えて構成される。シート積載手段は、シート処理装置本体によって昇降自在に支持されると共に、シート処理装置本体から排出されるシートを下方から支持する。昇降手段は、第1センサと第2センサの間の所定位置に移動するようにシート積載手段を昇降させる。第1センサはシート積載手段上のシートの有無を検知する。第2センサは、第1センサよりも下方に配置され、シート積載手段上のシートの有無を検知する。
【0013】
第1センサ及び第2センサは、発光部と受光部を有する透過型センサから構成され、第1センサ及び第2センサのそれぞれ発光部と受光部とを結ぶ光軸がシート積載手段のシート積載面に対して略平行である。これらを前提にして、制御手段が第1センサと第2センサの間の所定位置にシート積載手段を移動するように昇降手段を制御すると共に、第1センサによってシートが検知されるまで昇降手段によるシート積載手段を昇降させないようにした。このようにシート処理装置を構成すると、少数枚、若しくは、1枚のシートの積載時に積載トレイの動作回数が減り、かつ、適正な位置で積載トレイを停止できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2011−126646号公報 (第6頁 図2)
【特許文献2】特開2004−284790号公報 (第5頁 図1)
【特許文献3】特開2001−335236号公報 (第3頁 図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、従来例に係るシート処理装置によれば、次のような問題がある。
i.特許文献1〜3に見られるようなトレイ昇降機構を備えたシート積載装置等において、光反射型の光学センサから構成される排紙検知センサが排紙口近傍に設置され、光透過型の光学センサから構成される積載検知センサが用紙積載トレイの両脇に配置され、この排紙検知センサ及び積載検知センサの配設位置の関係によって、積載検知センサの発光部から出射した光が排紙検知センサの受光部によって受光される現象が確認された。
【0016】
この現象を原因として、本来の排紙検知センサから得られる排紙時の用紙の検知及び非検知情報以外の誤検知情報に基づいて排紙ローラやグリッパ機構等が誤制御され、排紙ローラやグリッパ機構等が意図しない誤動作を引き起こすという問題がある。
【0017】
ii.また、スタック機構が設けられた後処理装置において、用紙束の排紙時に、排紙口を開放した際に、排紙口近傍に設置された排紙検知センサが積載検知センサの発光部から出射された光を受光し、上記と同様にして、排紙検知センサから出力される誤検知情報に基づいて排紙ローラやグリッパ機構等が誤制御され、排紙ローラやグリッパ機構等が意図しない誤動作を引き起こすという問題がある。
【0018】
iii.上述の2つの誤動作は、例えば、用紙排紙中に、用紙積載トレイに貯まった用紙を複数枚取り除き、積載制御部が用紙積載トレイの高さを積載用紙の最上部に調整するために上昇動作を実行するような場合に、積載検知センサの発光部から出射された光が、何らかの物体に反射して排紙検知センサへ導かれ、不本意に受光されてしまう位置関係となった場合に発生することが確認された。
【0019】
iv.従来例に係るシート処理装置の機能を備えた画像形成装置や、従来例に係るシート処理装置と画像形成装置を組み合わせた画像形成システムにおいて、上述の誤動作を原因として画像形成後のシート積載時の信頼性が低下するという問題がある。
【0020】
そこで、この発明は上述した課題を解決したものであって、排紙高速性能を損なうことなく、排紙検知系と積載検知系との間の干渉を防止できるようにすると共に、画像形成後の用紙の排紙制御や、その掻き寄せ制御等を精度良く実行できるようにしたシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のシート処理装置は、シート積載部と、所定のシート排出位置に排出口を有して、シートを受け取って前記排出口から前記シート積載部へ排出する排出部と、前記排出部の排出口に配置された発光部及び受光部を有する反射型光学センサから構成され、前記シート積載部に排出される前記シートの後端を検知する第1の検知部と、前記第1の検知部によって得られるシート後端検知信号に基づいて前記シートの排出速度を制御する第1の制御部と、前記シート積載部の幅方向に沿って互いに対向して配置された発光部及び受光部を有する透過型光学センサから構成され、前記第1の制御部によって排出速度が制御され、前記シート積載部に排出され積載された前記シートの上端を所定のシート積載位置で検知する第2の検知部と、前記第2の検知部の上端検知によって得られるシート上端検知信号に基づいて前記シート積載部を昇降し、前記シート排出位置とシート積載位置との間におけるシートの落下行程を所定の距離に調整する第2の制御部とを備え、前記第2の制御部によってシートの落下行程が所定の距離に調整される領域を介して前記第2の検知部から前記第1の検知部へ拡散する光が当該第1の検知部で受光されることで生ずる現象を検知系間干渉としたとき、前記検知系間干渉を除く干渉除去手段が設けられることを特徴とするものである。
【0022】
請求項1に記載のシート処理装置によれば、排出部は、所定のシート排出位置に排出口を有しており、シートを受け取って排出口からシート積載部へ排出する。第1の検知部は、排出部の排出口に配置された発光部及び受光部を有する反射型光学センサから構成される。第1の検知部は、シート積載部に排出されるシートの後端を検知してシート後端検知信号を発生する。第1の制御部は、第1の検知部によって得られるシート後端検知信号に基づいてシートの排出速度を制御する。第2の検知部は、シート積載部の幅方向に沿って互いに対向して配置された発光部及び受光部を有する透過型光学センサから構成される。第2の検知部は、第1の制御部によって排出速度が制御され、シート積載部に排出され積載されたシートの上端を所定のシート積載位置で検知してシート上端検知信号を発生する。第2の制御部は、第2の検知部の上端検知によって得られるシート上端検知信号に基づいてシート積載部を昇降し、シート排出位置とシート積載位置との間におけるシートの落下行程を所定の距離に調整する。これらを前提にして、干渉除去手段が設けられ、検知系間干渉を除くようになる。ここに検知系間干渉とは、第2の制御部によってシートの落下行程が所定の距離に調整される領域を介して第2の検知部から第1の検知部へ拡散する光が当該第1の検知部で受光されることで生ずる現象をいう。
【0023】
この検知系間干渉を除く構成によって、排紙高速性能を損なうことなく、第1の検知部による誤動作を防止でき、第1の検知部によるシート後端検知信号の中から、第2の検知部より第1の検知部へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。
【0024】
請求項2に記載のシート処理装置は、請求項1において、前記干渉除去手段には、前記第2の検知部の発光波長をカットするフィルタが用いられ、前記フィルタは、前記第1の検知部の受光部及び前記第2の検知部の発光部から当該第1の検知部の受光部に至る部分の少なくともいずれか一方に設けられることを特徴とするものである。
【0025】
請求項3に記載のシート処理装置は、請求項2において、前記干渉除去手段は、前記第1の検知部の発光部の発光波長と前記第2の検知部の発光部の受光波長とが異なるように設定されて構成されることを特徴とするものである。
【0026】
請求項4に記載のシート処理装置は、請求項1において、前記干渉除去手段は、前記第1の制御部に設けられ、前記第1の制御部は、前記排出部によってシート排出位置から前記シート積載部へ排出される前記シートの所定の検知時間外に検知された、前記第2の検知部から前記第1の検知部へ拡散する光による短い周期の検知及び非検知を含む不定検知信号を前記シート後端検知信号から除去するフィルタ機能を有することを特徴とするものである。
【0027】
請求項5に記載のシート処理装置は、請求項1において、前記干渉除去手段は、前記第2の制御部に設けられ、前記第2の制御部は、前記排出部によってシート排出位置から前記シート積載部へ排出される前記シートの検知中を示す通過検知信号を前記第1の検知部から受信し、前記第1の検知部から受信した前記通過検知信号に基づくシート検知中に前記第2の検知部の発光部から受光部へ発光して前記シートの上端を所定のシート積載位置で検知するマスク機能を有することを特徴とするものである。
【0028】
請求項6に記載のシート処理装置は、請求項1から請求項5において、前記シート積載部には、シート積載トレイが設けられ、前記第2の制御部は、前記第2の検知部の上端検知によって得られるシート上端検知信号を入力し、シート積載物の上限到達判定を実行し、当該判定結果に基づいて前記シート積載トレイを昇降し、前記シート排出位置とシート積載位置との間におけるシートの落下行程を所定の距離に調整するように前記シート積載トレイを制御することを特徴とするものである。
【0029】
請求項7に記載のシート処理装置は、請求項1から請求項5において、前記排出部の排出口直下には、回動可能なシート掻き寄せ部が設けられ、前記第1の制御部は、前記シートの後端検知によって得られるシート後端検知信号に基づいて当該シートを前記シート載置部における所定の方向に掻き寄せてシート排出方向に整合するように前記シート掻き寄せ部を制御することを特徴とするものである。
【0030】
請求項8に記載のシート処理装置は、請求項1から請求項6において、前記排出部には、シート束ね部が設けられ、前記第1の制御部は、複数枚のシートを受け取って集積したシート束を形成し、当該シート束をシート排出位置から前記シート積載部へ排出するように前記シート束ね部を制御することを特徴とするものである。
【0031】
請求項9に記載のシート処理装置は、請求項8において、前記第1の検知部が排出口に配置された排出部には、第1のローラ部材及び第2のローラ部材を有する排出ローラが設けられ、前記第1のローラ部材は、所定の基板に回動自在に配置され、前記基板には、所定の位置に回動支点が設けられ、前記第1の制御部は、シート束排出時、前記回動支点を基準にして前記第2のローラ部材に対し所定の開口角度を持って開口するように前記基板を駆動制御することを特徴とするものである。
【0032】
請求項10に記載のシート処理装置は、請求項9において、前記第1のローラ部材が回動自在に配置された前記基板に、前記第1の検知部が取り付けられることを特徴とするものである。
【0033】
請求項11に記載の画像形成装置は、所定のシートを供給するシート供給部と、前記シート供給部から供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部から1枚以上のシートを受け取って積載処理する請求項1から請求項10に記載のいずれかの用紙処理装置とを備えることを特徴とするものである。
【0034】
請求項11に記載の画像形成装置によれば、本発明に係るいずれかの用紙処理装置を備え、画像形成部から1枚以上のシートを受け取って積載処理するので、画像形成後のシートを再現性良くシート積載トレイ上に積載できるようになる。
【発明の効果】
【0035】
請求項1に係るシート処理装置によれば、検知系間干渉を除く干渉除去手段が設けられ、干渉除去手段は、第2の制御部によってシートの落下行程が所定の距離に調整される領域を介して第2の検知部から第1の検知部へ拡散する光が当該第1の検知部で受光されることで生ずる検知系間干渉を除くようになされる。
【0036】
この構成によって、排紙高速性能を損なうことなく、第1の検知部による誤動作を防止でき、第1の検知部によるシート後端検知信号の中から、第2の検知部より第1の検知部へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。従って、第1の検知部によるシート後端検知信号に基づいて第1の制御部により排紙制御や、シート掻き寄せ制御等を精度良く実行できるようになる。
【0037】
請求項2に係るシート処理装置によれば、第1の検知部の受光部及び第2の検知部の発光部から当該第1の検知部の受光部に至る部分の少なくともいずれか一方にフィルタが設けられ、第2の検知部の発光波長をカットするようになるので、排紙高速性能を損なうことなく、第1の検知部による誤動作を防止でき、第1の検知部によるシート後端検知信号の中から、第2の検知部より第1の検知部へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。
【0038】
請求項3に係るシート処理装置によれば、第1の検知部の発光部の発光波長と第2の検知部の発光部の受光波長とが異なるように設定されるので、排紙高速性能を損なうことなく、第1の検知部による誤動作を防止でき、第1の検知部によるシート後端検知信号の中から、第2の検知部より第1の検知部へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。
【0039】
請求項4に係るシート処理装置によれば、第1の制御部がフィルタ機能を有し、排出部によってシート排出位置からシート積載部へ排出されるシートの所定の検知時間外に検知された、第2の検知部から第1の検知部へ拡散する光による短い周期の検知及び非検知を含む不定検知信号をシート後端検知信号から除去するので、排紙高速性能を損なうことなく、第1の検知部による誤動作を防止でき、第1の検知部によるシート後端検知信号の中から、第2の検知部より第1の検知部へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。
【0040】
請求項5に記載のシート処理装置によれば、第2の検知部より第1の検知部へ不本意に拡散した光が当該第1の検知部の受光部においてシートでマスクされる。このシートで第1の検知部の受光部がマスクされる期間に、第2の制御部のマスク機能によって、第2の検知部の発光部から受光部へ発光してシートの上端を所定のシート積載位置で検知できるようになる。
【0041】
請求項6に記載のシート処理装置によれば、シート積載トレイを制御する第2の制御部が、第2の検知部の上端検知によって得られるシート上端検知信号を入力し、シート積載物の上限到達判定を実行し、当該判定結果に基づいてシート積載トレイを昇降し、シート排出位置とシート積載位置との間におけるシートの落下行程を所定の距離に調整するので、シートを再現性良くシート積載トレイ上に積載できるようになる。
【0042】
請求項7に記載のシート処理装置によれば、シート掻き寄せ部を制御する第1の制御部が、シートの後端検知によって得られるシート後端検知信号に基づいて当該シートを前記シート載置部における所定の方向に掻き寄せてシート排出方向に整合するので、シートを再現性良くシート積載トレイ上に積載できるようになる。
【0043】
請求項8に記載のシート処理装置によれば、シート束ね部を制御する第1の制御部が、複数枚のシートを受け取って集積したシート束を形成し、当該シート束をシート排出位置から前記シート積載部へ排出するので、シート束を再現性良くシート積載トレイ上に排出できるようになる。
【0044】
請求項9に記載のシート処理装置によれば、第1のローラ部材が回動自在に配置された基板を駆動制御する第1の制御部が、回動支点を基準にして第2のローラ部材に対し所定の開口角度を持って開口するので、シート束の搬送経路を形成でき、シート束を再現性良くシート積載トレイ上に排出できるようになる。
【0045】
請求項10に記載のシート処理装置によれば、第1のローラ部材が回動自在に配置された基板に、第1の検知部が取り付けられる。従って、シート束排出時、シート束の搬送経路から、第1の検知部も同時に退避できるので、シート束を再現性良くシート積載トレイ上に排出できるようになる。
【0046】
請求項11に記載の画像形成装置によれば、本発明に係るいずれかの用紙処理装置を備え、画像形成部から1枚以上のシートを受け取って積載処理するので、画像形成後のシートを再現性良くシート積載トレイ上に積載できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る第1の実施例としての用紙処理装置100の構成例を示す概念図である。
【図2】排紙検知センサ11及び積載検知センサ12の配置例を示す説明図である。
【図3】用紙処理装置100の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図4】(A)及び(B)はフィルタ挿入/未挿入時の検知比較例を示す説明図である。
【図5】第2の実施例としての用紙処理装置200の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】(A)〜(C)は、用紙処理装置200におけるフィルタ機能例を示す動作タイムチャートである。
【図7】用紙処理装置200のセンサ系の制御例を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施例としての用紙処理装置300の構成例を示す概念図である。
【図9】用紙処理装置300の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図10】用紙処理装置300のスタック動作例を示す説明図である。
【図11】用紙処理装置300のスタック制御例を示すフローチャートである。
【図12】第4の実施例としての用紙処理装置400の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図13】用紙処理装置400のセンサ系の制御例を示すフローチャートである。
【図14】第5の実施例としてのカラー複写機500の構成例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態としてのシート処理装置及び画像形成装置について説明をする。なお、本欄の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や、用語の意味等を限定するものではない。
【実施例1】
【0049】
図1に示す用紙処理装置100は実施の形態としてのシート処理装置の一例を構成し、画像形成後の用紙Pを用紙積載トレイ上へ排紙する白黒用、カラー用のプリンタ、複写機及び、これらの複合機に適用して好適なものである。用紙処理装置100は、排紙検知センサ11、積載検知センサ12、グリップ機構13、トレイ昇降機構16、排出部35、フィルタ40、排紙制御部51及び積載制御部62から構成される。
【0050】
排出部35は、当該装置の所定の位置に排紙口31(排出口)を有して、用紙Pを受け取り、当該用紙Pを排紙口31から用紙積載トレイ61へ排紙する。用紙積載トレイ61はトレイ昇降機構16に設けられる。排出部35は、排紙口31の他に、部品取付用の基板36、排紙ローラ42及びローラ駆動部52を有して構成される。排紙ローラ42は、第1のローラ部材の一例を構成する上部排紙ローラ32及び、第2のローラ部材の一例を構成する下部排紙ローラ34を有している。
【0051】
基板36には上部排紙ローラ32が回動自在に取り付けられ、上部排紙ローラ32には、図2に示すような例えば、4個のゴムローラ32a〜32dを軸部32eに取り付けた従動ローラが用いられる。下部排紙ローラ34は排紙口31の下方の装置本体に取り付けられ、4個のゴムローラ34a〜34dを軸部34eに取り付けた駆動ローラが用いられる。
【0052】
ローラ駆動部52は装置本体に取り付けられ、下部排紙ローラ34に対して、ベルトやギヤ等を介して係合され、当該下部排紙ローラ34を所定の回転方向へ回動するように動作する。上部排紙ローラ32及び下部排紙ローラ34は、用紙Pを挟んでニップが形成され、用紙Pを用紙積載トレイ61へ排紙するように搬送する。以下で上部排紙ローラ32及び下部排紙ローラ34を総称して単に排紙ローラ42という。
【0053】
基板36には上部排紙ローラ32の他に、第1の検知部の一例を構成する排紙検知センサ11が取り付けられる。排紙検知センサ11は、用紙搬送路の上部側に配置され、用紙積載トレイ61に排出される用紙Pの後端を検知して排紙検知信号S1b(図3参照)を発生する。排紙検知センサ11は光反射型の光学系センサ(以下で単に反射型センサという)から構成され、図3に示すように発光部11a及び受光部11bを有して構成される。発光部11a及び受光部11bは、排紙口31に配置された基板36に取り付けられる。
【0054】
トレイ昇降機構16はシート積載部の一例を構成し、用紙積載トレイ61及びトレイ駆動部63を有して構成される。用紙積載トレイ61は装置本体に対して上下動自在に配置され、排紙口31から落下してくる用紙Pを積載するように動作する。トレイ駆動部63は用紙積載トレイ61に係合され、当該用紙積載トレイ61を装置本体に対して上下動自在に駆動するように動作する。
【0055】
積載検知センサ12は、第2の検知部の一例を構成し、排紙制御部51によって排紙(排出)速度が制御され、用紙積載トレイ61に排紙され積載された用紙Pの上端を所定の用紙積載位置p2で検知して、積載検知信号S2b(図3参照)を発生する。積載検知センサ12には発光部12a及び受光部12bを有する光透過型の光学系センサ(以下で単に透過型センサという)が使用される。積載検知センサ12の発光部12a及び受光部12bは、図2に示すように例えば、用紙積載トレイ61の幅方向に沿って互いに対向した位置に配設される。
【0056】
グリップ機構13は、回動可能なシート掻き寄せ部の一例を構成し、排出部35の排紙口直下に設けられる。グリップ機構13は、例えば、図2に示す4個のグリップ部材13a〜13d、1本の軸部13e及び、グリップ駆動部53を有して構成される。グリップ部材13a〜13dの各々は、例えば、「へ」字状を有して軸部13eに固定され、用紙積載トレイ61における所定の方向に用紙Pを掻き寄せて用紙排紙方向に整合するように動作する。軸部13eはグリップ駆動部53及び、図示しないカム機構に係合される。グリップ駆動部53は、所定の期間において、軸部13eを往復半回転動作すると共に、カム機構を動作させて、軸部13eを前後に往復動作させる。
【0057】
この例では、排紙検知センサ11の発光部11aの発光波長と、積載検知センサ12の発光部12aの受光波長とは、排紙/積載の検知系間干渉を避けるために異なる値に設定される。ここに検知系間干渉とは、積載制御部62によって用紙Pの落下行程Hが所定の距離に調整される領域を介して、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ拡散する光が当該排紙検知センサ11で受光されることで生ずる現象をいう。
【0058】
この例では、排紙検知センサ11(反射型センサ)の発光部11aの最大発光波長は950nmであり、その受光部11bの最大感度波長は900nmである。排紙検知センサ11の感度波長範囲は700〜1200nm程度である。積載検知センサ12(透過型センサ)の発光部12aのピーク発光波長は850nm程度である。
【0059】
この条件の下で、排紙検知センサ11の受光部11bには干渉除去手段の一例を構成するフィルタ40が取り付けられる。フィルタ40は排紙/積載の検知系間干渉を更に取り除くために取り付けられる。この例で、フィルタ40には、IR−908(富士フィルム製)が用いられ、900nm以下の発光波長をカットする機能を有しており、積載検知センサ12の発光波長をカットする目的で使用する。フィルタ40は、排紙検知センサ11の受光部11bの直前及び、積載検知センサ12の発光部12aから当該排紙検知センサ11の受光部11bに至る漏洩光の進入部分の少なくともいずれか一方の箇所に配設すればよい。
【0060】
ここで、図3を参照して、用紙処理装置100の制御系の構成例について説明する。図3に示す用紙処理装置100の制御系によれば、排紙制御系A及び積載制御系Bを有している。排紙制御系Aは、排紙検知センサ11、排紙制御部51、ローラ駆動部52、グリップ駆動部53を有して、グリップ機構13及び排紙ローラ42を制御する。
【0061】
排紙検知センサ11は発光部11a及び受光部11bを有している。発光部11aは排紙制御部51に接続される。発光部11aは排紙制御部51から出力される発光制御信号S1aに基づいて発光する。受光部11bは排紙制御部51に接続される。受光部11bは図1に示した用紙積載トレイ61に排出される用紙Pの後端を検知して排紙検知信号S1bを排紙制御部51に出力する。例えば、排紙検知信号S1bは、ハイ・レベルで用紙Pの非検知中を示し、ロー・レベルで用紙Pの検知中(通紙期間)を示す。
【0062】
排紙制御部51は、排紙検知センサ11から得られた排紙検知信号S1bに基づいて用紙Pの排紙速度を制御する。排紙制御部51は、ローラ駆動部52に駆動制御信号S52を出力して排紙ローラ42の回転速度を制御する。例えば、用紙先端の受け入れ時の搬送速度に比べて排紙時の用紙後端の搬送速度が低くなるように排紙ローラ42の回転速度を落とす。ローラ駆動部52は駆動制御信号S52に基づいて排紙ローラ42を高速から低速に移行するように回転する。排紙ローラ42が高速から低速に移行するように回転することで、用紙Pが用紙積載トレイ61から飛び出すことなく、当該用紙積載トレイ61上へ排紙される。
【0063】
また、排紙制御部51は、排紙検知信号S1bの立ち上がりエッジを検出し、この立ち上がりエッジに基づいてグリップ駆動部53にグリップ制御信号S53を出力し、グリップ機構13の掻き寄せ制御を実行する。グリップ駆動部53は、グリップ制御信号S53に基づいてグリップ部材13a〜13dの軸部13eを駆動する。グリップ部材13a〜13dが軸部13eを介して駆動することで、用紙Pが用紙積載トレイ61上で、所定の方向に掻き寄せられる。この掻き寄せ制御によって、用紙Pを用紙排紙方向に沿って整合できるようになり、用紙Pを再現性良く用紙積載トレイ61上に積載できるようになる。
【0064】
積載制御系Bは、積載検知センサ12、積載制御部62及び、トレイ駆動部63を有して、用紙積載トレイ61を制御する。積載検知センサ12は発光部12a及び受光部12bを有している。発光部12aは積載制御部62から出力される発光制御信号S2aに基づいて発光する。受光部12bは積載制御部62に接続される。受光部12bは図1に示した用紙積載トレイ61に排出され積載される用紙Pの上端を検知して、積載検知信号S2bを積載制御部62に出力する。例えば、積載検知信号S2bは、ハイ・レベルで用紙Pが積載位置に到達していない(積載位置未到達)を示し、ロー・レベルで用紙Pが積載位置に到達した(積載位置到達)を示す。
【0065】
積載制御部62は、積載検知センサ12の上端検知によって得られた積載検知信号S2bに基づいて用紙積載トレイ61を昇降し、用紙排紙位置p1と用紙積載位置p2との間における用紙Pの落下行程Hを所定の距離(範囲内)に調整する(用紙積載制御)。落下行程Hを所定の距離又はある程度の範囲内に調整することで、用紙積載速度の均一化、及び、グリップ機構13の均一制御が実行できる。
【0066】
用紙排紙位置p1は例えば、上部排紙ローラ32及び下部排紙ローラ34が圧着した状態のニップから水平方向に延在した用紙積載トレイ61上の位置である。用紙積載位置p2は、例えば、積載検知センサ12の発光部12aと受光部12bと結ぶ線分を含む平面の任意の位置から、鉛直方向に立設する線分であって、用紙排紙位置p1に至る線分が法線となる関係を有する位置である。落下行程Hは、用紙排紙位置p1と用紙積載位置p2との間を結ぶ距離である。
【0067】
この用紙積載制御では、用紙積載物の上限到達判定を実行し、当該判定結果に基づいて用紙積載トレイ61を昇降し、用紙排紙位置p1と用紙積載位置p2との間における用紙Pの落下行程Hを所定の距離に調整するように用紙積載トレイ61を制御する。例えば、積載制御部62は、トレイ駆動部63に駆動制御信号S63を出力して用紙積載トレイ61の上下動制御を実行する。
【0068】
トレイ駆動部63は駆動制御信号S63に基づいて用紙積載トレイ61を一旦、降下し、その後、用紙積載トレイ61を上昇し、所定の位置で停止する。この用紙積載トレイ61の上下動作によって、用紙排紙位置p1と用紙積載位置p2との間における用紙Pの落下行程Hを所定の距離に調整するようになる。このように積載制御部62が用紙積載トレイ61の上下動制御を実行するので、用紙Pを再現性良く用紙積載トレイ61上に積載できるようになる。
【0069】
ここで、図4A及び図4Bを参照して、フィルタ挿入/未挿入時の検知比較例について説明する。この例では、排紙検知センサ11(反射型センサ)の受光部11bの直前にフィルタ40を装着した場合と、それを装着しない場合とで、閾値Sthを越える信号強度の排紙検知信号S1bが検知されるか否かを比較した。
【0070】
図4A及び図4Bにおいて、縦軸は信号強度であり、横軸は時間tである。図中の破線は閾値Sthである。図4Aに示す波形Iは、積載検知センサ12(透過型センサ)の発光部12aから出射された光を一瞬、排紙検知センサ11の受光部11bで受光した場合であって、フィルタ40を装着しない場合の排紙検知センサ11の受光部11bから出力される排紙検知信号S1bのイメージである。
【0071】
これに対して、図4Bに示す波形IIは、積載検知センサ12の発光部12aから出射された光を一瞬、排紙検知センサ11の受光部11bで受光した場合であって、干渉除去手段としてフィルタ40を装着した場合の排紙検知センサ11の受光部11bから出力される排紙検知信号S1bのイメージである。フィルタ40には、発光波長900nm以下の光をカットするIR−908(富士フィルム製)を用いた。
【0072】
図4Aに示す波形Iと図4Bに示す波形IIとを比較すると、フィルタ40を装着しない場合は、積載検知センサ12の発光部12aのピーク発光波長(850nm)の光を受光するので、閾値Sthを越える信号強度の排紙検知信号S1bが検知された(図4A)。これに対して、フィルタ40を装着した場合は、当該フィルタ40が発光波長900nm以下の光、すなわち、積載検知センサ12の発光部12aのピーク発光波長(850nm)をカットするので、閾値Sthを越える信号強度の排紙検知信号S1bが検知されなかった(図4B)。これにより、フィルタ40の挿入効果が実証された。
【0073】
このように第1の実施例としての用紙処理装置100によれば、排紙検知センサ11の受光部11bの直前、及び、積載検知センサ12の発光部12aから当該排紙検知センサ11の受光部11bに至る漏洩光の進入部分の少なくともいずれか一方の箇所にフィルタ40が設けられ、積載検知センサ12の発光波長をカットし、検知系間干渉を除くようになる。
【0074】
この検知系間干渉を除く機能によって、排紙検知センサ11による誤動作を防止でき、排紙検知センサ11による排紙検知信号S1bの中から、積載検知センサ12より排紙検知センサ11へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。従って、排紙検知センサ11による排紙検知信号S1bに基づいて排紙制御部51により排紙制御や用紙掻き寄せ制御等を精度良く実行できるようになる。
【0075】
もちろん、用紙処理装置100において、干渉除去手段としてのフィルタ40の代わりに、排紙検知センサ11の発光部11aの発光波長と積載検知センサ12の発光部12aの受光波長とが極端に異なるように設定してもよい。
【0076】
例えば、排紙検知センサ11の感度波長範囲が700〜1200nm程度であるとすると、積載検知センサ12(透過型センサ)の発光部12aのピーク発光波長が700nmよりも大幅に短いか、ピーク発光波長が1200nmよりも大幅に長いセンサであって、積載検知センサ12の発光部12aから出射された光を一瞬、排紙検知センサ11の受光部11bで受光した場合、閾値Sthに満たない信号強度の排紙検知信号S1bしか得られない発光波長の透過型センサを使用するとよい。
【0077】
このように、排紙検知センサ11の発光部11aの発光波長と積載検知センサ12の発光部12aの受光波長とが大幅に異なるように設定した場合であっても、排紙検知センサ11による誤動作を防止でき、排紙検知センサ11による排紙検知信号S1bの中から、積載検知センサ12より排紙検知センサ11へ不本意に拡散した光による検知誤差を除去できるようになる。
【実施例2】
【0078】
続いて、図5を参照して、第2の実施例としての用紙処理装置200の制御系の構成例について説明する。この実施例では、用紙処理装置200において、干渉除去手段が排紙制御部51に設けられ、排紙検知信号S1bから不定検知信号S1b’を除去するフィルタ機能を備えたものである。ここに不定検知信号S1b’とは、排出部35によって用紙排紙位置p1から用紙積載トレイ61へ排紙される用紙Pの所定の検知時間(通紙期間)外に検知された、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ拡散する光による短い周期の検知及び非検知を含む信号をいう。
【0079】
図5に示す用紙処理装置200の制御系の構成例によれば、図3に示した用紙処理装置100の排紙制御部51の中に、排紙検知信号S1bから不定検知信号S1b’を除去するフィルタ回路55が設けられるものである。フィルタ回路55は、干渉除去手段の他の一例を構成し、排紙/積載の検知系間干渉を取り除くために取り付けられる。
【0080】
フィルタ回路55は、例えば、閾値設定部56、信号監視部57及び信号出力部58を有して構成される。閾値設定部56は、用紙Pの通紙期間を判定するための閾値(以下で判定閾値という)を信号監視部57に設定する。閾値設定部56には信号監視部57が接続される。判定閾値には、例えば、排紙検知センサ11から正常検知時の排紙検知信号S1bONエッジ=200[ms]に対して、その5%程度として、不定検知信号S1b’の最大周期=10[ms]が設定される。
【0081】
信号監視部57は、入力が排紙検知センサ11(反射型センサ)に接続され、出力が信号出力部58に接続される。信号監視部57は、排紙検知センサ11のONエッジを監視し、ONエッジ監視に基づいて信号出力部58を制御する。例えば、信号監視部57は、閾値設定部56によって設定された判定閾値と、排紙検知センサ11から出力される排紙検知信号S1bのON周期とを比較して出力制御信号Scを発生する。
【0082】
出力制御信号Scは排紙検知信号S1bの出力許可又はその出力不許可を制御する信号であって、信号監視部57から信号出力部58へ出力される。信号出力部58はマスク機能を有し、出力制御信号Scに基づいて排紙検知信号S1bの出力及び不定検知信号S1b’の出力を停止する(信号出力イネーブル制御)。この信号出力イネーブル制御は、排紙制御系側でのマスク機能である。
【0083】
信号出力部58にはタイミング発生部59が接続される。タイミング発生部59は、排紙検知信号S1b及び、基準クロック信号(CLK)に基づいて駆動制御信号S52及びグリップ制御信号S53を発生する。駆動制御信号S52は図3に示したローラ駆動部52へ出力され、グリップ制御信号S53は、グリップ駆動部53へ出力される。なお、用紙処理装置200における他の構成要素は、図3に示した用紙処理装置100と同様の構成要素が適用できるので、その説明を省略する。
【0084】
次に、図6A〜図6Cを参照して、用紙処理装置200におけるフィルタ機能例について説明する。図6Aは、排紙検知センサ11の正常検知時の排紙検知信号S1bの波形図である。図6Aに示す排紙検知信号S1bにおいて、ハイ・レベルの期間が用紙Pの非検知中である。ロー・レベル期間は、用紙Pの検知中(通紙期間)である。排紙検知センサ11は、排紙検知信号S1bがハイ・レベルからロー・レベルに遷移することで、ON動作となる。反対に、排紙検知信号S1bがロー・レベルからハイ・レベルに遷移することで、OFF動作となる。ここで、用紙Pの通紙期間をT1とすると、紙サイズにもよるが、例えば、通紙期間T1は200[ms]程度である。
【0085】
図6Bは、排紙検知センサ11の異常検知時の排紙検知信号S1bの波形図である。図6Bに示す異常検知時の排紙検知信号S1bの波形例によれば、通紙無しの条件で、直接、積載検知センサ12の発光部12aからの光を排紙検知センサ11の受光部11bで受光(検知)した場合の不定検知信号Sb1’(異常検知信号)である。ここで、排紙検知信号S1bの通紙期間T1以外であって、排紙検知信号S1bが異常とみなされる不定検知信号Sb1’の周期をT2とすると、周期T2は1[ms]程度である。
【0086】
なお、図6Cは、積載検知センサ12の積載検知時の発光部12aの発光制御信号S2aの波形図である。図6Cに示す積載検知時の発光制御信号S2aの波形例によれば、積載検知条件の下で、積載検知センサ12の発光部12aから受光部12bへ光を出力するタイミングである。
【0087】
このような不定検知信号S1b’が通紙期間T1以外に排紙検知センサ11の受光部11bで検知された場合は、図5に示した信号出力部58が排紙検知センサ11の出力をマスクするようになされる。
【0088】
ここで、図7を参照して、用紙処理装置200のセンサ系の制御例について説明する。
この例では、図5に示したフィルタ回路55が適用され、判定閾値には、例えば、排紙検知センサ11から正常検知時の排紙検知信号S1bのONエッジ=200[ms]に対して、その5%程度として、不定検知信号S1b’を判別するための最大周期=10[ms]が設定される。判定閾値=10[ms]は閾値設定部56から信号監視部57に設定される。
【0089】
これらを前提にして、図7に示すフローチャートのステップST21で、排紙制御部51は排紙検知センサ11(反射型センサ)のONエッジを監視する。このとき、信号監視部57は、閾値設定部56によって設定された判定閾値=10[ms]と、排紙検知センサ11から出力される排紙検知信号S1bのON周期とを比較して出力制御信号Scを発生する。
【0090】
排紙検知センサ11のONエッジを検知した場合は、ステップST22で排紙制御部51は排紙検知センサ11のONエッジが10[ms]以内か否かに基づいて制御を分岐する。排紙検知センサ11が判定閾値=10[ms]を越える、この例では、ONエッジ=200[ms]を検知している場合、ステップST24に移行して排紙制御部51は、「紙有り」、すなわち、通紙期間T1を示す正常通紙と判断される。
【0091】
この判断の結果で、信号監視部57は排紙検知信号S1bの出力を許可するための出力制御信号Scを信号出力部58へ出力する。信号出力部58は出力制御信号Scに基づいて排紙検知信号S1bをタイミング発生部59へ出力する。タイミング発生部59は、排紙検知信号S1b及び、基準クロック信号(CLK)に基づいて駆動制御信号S52及びグリップ制御信号S53を発生する。駆動制御信号S52は図3に示したローラ駆動部52へ出力され、グリップ制御信号S53は、グリップ駆動部53へ出力される。
【0092】
また、ステップST22で、排紙検知センサ11が判定閾値=10[ms]未満の、例えば、ONエッジ=2[ms]を検知している場合は、ステップST23に移行して排紙制御部51は、「紙無し」、すなわち、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ拡散する光による短い周期を示す異常検知と判断される。
【0093】
この判断の結果で、信号監視部57は不定検知信号S1b’の出力を停止するための出力制御信号Scを信号出力部58へ出力する。信号出力部58は出力制御信号Scに基づいてタイミング発生部59への不定検知信号S1b’の出力を停止する。タイミング発生部59では、排紙検知信号S1bが入力されないので、駆動制御信号S52やグリップ制御信号S53等の発生が行われない。
【0094】
このように第2の実施例としての用紙処理装置200によれば、排紙制御部51がフィルタ回路55を有し、排出部35によって用紙排紙位置p1から用紙積載トレイ61へ排紙される用紙Pの所定の通紙期間T1以外に検知された、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ拡散する光による短い周期の検知及び非検知を含む不定検知信号Sb1’を排紙検知信号S1bから除去できるので、排紙検知センサ11による誤動作を防止できるようになる。
【0095】
従って、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ拡散する光による異常検知時には、タイミング発生部59において、排紙検知信号S1bに基づく駆動制御信号S52やグリップ制御信号S53等の発生が行われないので、ローラ駆動部52や、グリップ駆動部53等の停止動作を維持できるようになる。
【実施例3】
【0096】
続いて、図8を参照して、第3の実施例としての用紙処理装置300の構成例について説明する。図8に示す用紙処理装置300は、排紙検知センサ11、積載検知センサ12、トレイ昇降機構16、スタック機構33、フィルタ40及び排出部35を有して構成される。
【0097】
この例でも、排紙検知センサ11が排紙口31に配置された基板36に取り付けられ、排出部35には上部排紙ローラ32及び下部排紙ローラ34を有する排紙ローラ42が設けられる。また、上部排紙ローラ32は、所定の基板36に回動自在に配置されるが、第1の実施例と異なり、基板36には、所定の位置に回動支点19が設けられる。基板36は、用紙束排紙時、回動支点19を基準にして下部排紙ローラ34に対し所定の開口角度θ(図10参照)を持って開口するようになされる。
【0098】
また、排出部35には、用紙束ね部の一例を構成するスタック機構33が設けられる。スタック機構33は、排紙口31の直前の下方に配置され、スタックローラ37、スタック駆動部38及びスタックトレイ39を有して構成される。スタック機構33は、複数枚の用紙Pを受け取って集積し、用紙束P’を形成するように動作する。
【0099】
スタックトレイ39は、排紙口31の直前の下方に配置され、排紙ローラ42へ通じる用紙束P’の搬送経路(以下用紙束搬送経路IIIという)を有している。スタックローラ37は、例えば、スタックトレイ39の所定の位置に配設され、当該スタックトレイ39において、画像形成後の複数枚の用紙Pを受け取って集積する。スタックローラ37はスタック駆動部38に係合される。
【0100】
スタック駆動部38は、所定の期間において、スタックローラ37を回転すると共に、複数枚の用紙Pを受け取って、用紙束P’を形成するようにスタックローラ37を制御する。なお、第1及び第2の実施例と同じ名称及び同じ符号のものは、同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0101】
この用紙処理装置300によれば、上部排紙ローラ32が回動自在に配置された基板36に、排紙検知センサ11が取り付けられる。この構造によって、用紙束排紙時、用紙束搬送経路IIIから、排紙検知センサ11も同時に退避できるので、用紙束P’を再現性良く用紙積載トレイ61上に排紙できるようになる。
【0102】
ここで、図9を参照して、用紙処理装置300の制御系の構成例について説明する。図9に示す用紙処理装置300の制御系によれば、排紙制御系A’及び積載制御系Bを有している。排紙制御系A’は、排紙検知センサ11、スタック駆動部38、排紙制御部51及びローラ駆動部52を有して、スタックローラ37及び排紙ローラ42を制御する。
【0103】
排紙制御部51は、複数枚の用紙Pを受け取って集積した用紙束P’を形成し、当該用紙束P’を用紙排紙位置p1から用紙積載トレイ61へ排紙するようにスタックローラ37を制御する。例えば、排紙制御部51は、スタック駆動部38にスタック制御信号S38を出力し、スタック機構33における用紙Pを集積し、用紙束P’の形成制御を実行する。スタック駆動部38は、スタック制御信号S38に基づいてスタックローラ37を駆動する。スタックローラ37が回転することで、用紙Pがスタックトレイ39上で、集積され、用紙束P’が形成される。この用紙束P’の形成制御によって、用紙束P’を再現性良く用紙積載トレイ61上に積載できるようになる。
【0104】
この例で、排紙制御部51は、所定の枚数の用紙Pが集積されて用紙束P’が形成されると、用紙束排紙時、回動支点19を基準にして下部排紙ローラ34に対し、所定の開口角度θ(図10参照)を持って基板36を回転するようになされる。例えば、用紙Pがスタックトレイ39上で集積され、所定の枚数の用紙Pが束ねられると、図示しない用紙束形成完了を示す信号に基づいてローラ駆動部52が基板36を開口角度θだけ回転する。これにより、排紙口31が開放され、用紙束P’が用紙積載トレイ61上に積載される。
【0105】
積載制御系Bは、積載検知センサ12、積載制御部62及びトレイ駆動部63を有して構成され、駆動制御信号S63に基づいて用紙積載トレイ61を制御する。なお、制御内容については、第1の実施例で説明しているので、その説明を省略する。
【0106】
続いて、図10及び図11を参照して、用紙処理装置300のスタック動作例及びそのスタック制御例について説明する。この例では、第1の実施例で説明したフィルタ40が排紙検知センサ11の受光部11bに装着され、用紙束P’の用紙積載トレイ61への排紙時にそのフィルタ機能が働くようになっている。もちろん、第2の実施例で説明したフィルタ回路55を排紙制御部51に設けて、用紙束P’の用紙積載トレイ61への排紙時に、不定検知信号Sib’のマスク機能を働くようにしてもよい。
【0107】
これらを制御条件にして、図11に示すステップST31で排紙制御部51は用紙スタック命令を待機する。用紙スタック命令は、例えば、上位の画像形成装置(図14参照)で設定され、当該画像形成装置から用紙処理装置300へ送信(発行)される。用紙スタック命令の内容は、例えば、用紙Pの積載枚数や、スタック排紙数等である。
【0108】
用紙スタック命令が画像形成装置から用紙処理装置300へ発行されると、ステップST32で排紙制御部51は用紙スタック処理を実行するようにスタック機構33を制御する。このとき、排紙制御部51は、用紙スタック処理を実行するために、スタック駆動部38へスタック制御信号S38を出力する。スタック機構33では、スタック駆動部38がスタック制御信号S38に基づいてスタックローラ37を駆動する。スタックローラ37が回転することで、用紙Pがスタックトレイ39に引き込まれ、当該スタックトレイ39上で集積され、用紙束P’が形成される。
【0109】
その後、ステップST33で排紙制御部51は所定の枚数の用紙Pを束ねたか否かに基づいて制御を分岐する。所定の枚数の用紙Pを束ねたか否かについては、例えば、図示しないカウンタが用紙Pの枚数を計数し、用紙枚数と制御目標の用紙Pの積載枚数とを比較し、所定の枚数に到達したか否かを判断する。
【0110】
所定の枚数の用紙Pを束ねた場合は、ステップST34で排紙制御部51は用紙束P’の用紙積載トレイ61への排出処理を実行する。このとき、排紙制御部51は、用紙枚数が制御目標の積載枚数に到達すると、回動支点19を基準にして下部排紙ローラ34に対し、所定の開口角度θ(図10参照)を持って基板36を時計方向回りに回動するようにローラ駆動部52を制御する。例えば、用紙束形成完了を示す信号に基づいてローラ駆動部52が基板36を開口角度θだけ回転する。これにより、排紙口31が開放され、用紙束P’が用紙積載トレイ61上に積載される。このとき、第1の実施例で説明したフィルタ40のフィルタ機能が働く。
【0111】
そして、ステップST35で排紙制御部51は用紙束P’の用紙積載トレイ61への排出が全部終了したか否かを判別する。このとき、所定のスタック排紙数の用紙束P’を排出したか否かについては、例えば、図示しないカウンタが用紙束P’のスタック排紙数を計数し、用紙束P’のスタック排紙数と制御目標の用紙束P’のスタック排紙数とを比較し、所定のスタック排紙数に到達したか否かを判断する。
【0112】
用紙束P’の用紙積載トレイへの排出が全部終了していない場合は、ステップST32に戻って用紙スタック処理を継続する。用紙束P’の用紙積載トレイ61への排出が全部終了した場合にスタック制御を終了する。
【0113】
このように第3の実施例としての用紙処理装置300によれば、スタック機構33を制御する際に、排紙制御部51が複数枚の用紙Pを受け取って集積した用紙束P’を形成し、当該用紙束P’を用紙排紙位置p1から用紙積載トレイ61上へ排出する。しかも、その用紙束排出時、上部排紙ローラ32が回動自在に配置された基板36を駆動制御する際に、排紙制御部51が、回動支点19を基準にして下部排紙ローラ34に対し、所定の開口角度θを持って開口するので、開放前に比べて用紙束搬送経路IIIの終端部を広く確保できるようになる。
【0114】
このとき、第1の実施例で説明したフィルタ40のフィルタ機能が働くので、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ拡散する光による短い周期の検知及び非検知を含む不定検知信号Sb1’を排紙検知信号S1bから除去できるので、排紙検知センサ11による誤動作を防止できるようになる。従って、用紙束P’を再現性良く用紙積載トレイ61上に排紙(排出)できるようになる。
【0115】
もちろん、第1の実施例で説明したグリップ機構13を排紙制御系A’に設け、排紙検知センサ11から得られた排紙検知信号S1bに基づいてグリップ機構13を制御し、用紙束P’の掻き寄せ制御を実行してもよい。
【実施例4】
【0116】
続いて、図12を参照して、第4の実施例としての用紙処理装置400の制御系の構成例について説明する。図12に示す用紙処理装置400の制御系によれば、排紙制御系A及び積載制御系B’を有している。第1の実施例と異なるのは、排紙制御部51と積載制御部62’との間に通信線Lが接続され、排紙制御系Aと積載制御系B’との間で通信制御がなされる点である。
【0117】
通信制御の内容によれば、排紙検知センサ11が用紙Pを検知している通紙期間T1のみ、積載検知センサ12の発光部12aが発光動作をし、その受光部12bがそこからの光を受光するようにした。この通信制御によって、フィルタ40を省略できるようになる。
【0118】
排紙制御系Aは、排紙検知センサ11、排紙制御部51、ローラ駆動部52、グリップ駆動部53を有して、グリップ機構13及び排紙ローラ42を制御する。なお、第1の実施例で説明した排紙制御系Aの構成要素と同じ名称及び同じ符号の構成要素は、同様な機能を有するので、その説明を省略する。
【0119】
積載制御系B’は、積載検知センサ12、積載制御部62’及び、トレイ駆動部63を有して、用紙積載トレイ61を制御する。この例で積載制御部62’には、干渉除去手段の一例を構成する発光制御部65が設けられ、排紙/積載の検知系間干渉を取り除くために取り付けられる。
【0120】
発光制御部65は、排出部35によって用紙排紙位置p1から用紙積載トレイ61へ排紙される用紙Pの検知中を示すロー・レベルの排紙検知信号S1bを排紙検知センサ11から受信し、排紙検知センサ11から受信したロー・レベルの排紙検知信号S1bに基づく用紙検知中に積載検知センサ12の発光部12aを駆動制御する。
【0121】
この発光駆動制御によって、排紙検知センサ11が用紙Pの検知中に、積載検知センサ12が、発光部12aから受光部12bへ発光して用紙Pの上端を所定の用紙積載位置p2で検知できるようになる。この発光駆動制御は、積載制御系B’側でのマスク機能である。
【0122】
発光制御部65は、排紙検知センサ11のONエッジ、すなわち、排紙検知信号S1bのハイ・レベルからロー・レベルへの立ち下がりを検知して、積載検知センサ12の発光部12aをONして通電する。また、発光制御部65は、排紙検知センサ11のOFFエッジ、すなわち、排紙検知信号S1bのロー・レベルからハイ・レベルへの立ち上がりを検知して、積載検知センサ12の発光部12aをOFFして通電を停止する。
【0123】
上述の排紙検知センサ11のON/OFFエッジの情報(排紙検知信号S1bそのものでもよい)は、通信線Lを介して排紙制御部51から積載制御部62’に転送される。なお、積載制御部62’については、発光制御部65の機能を除き、第1の実施例で説明した積載制御部62と同じ機能を有する。また、積載検知センサ12、トレイ駆動部63及び用紙積載トレイ61については同様な機能を有するので、その説明を省略する。
【0124】
ここで、図13を参照して、用紙処理装置400のセンサ系の制御例について説明する。この例では、排紙検知センサ11が用紙Pを検知している通紙期間T1(図6参照)のみ、積載検知センサ12の発光部12aが発光動作をし、その受光部12bがそこからの光を受光するようにした。なお、排紙検知信号S1bは、ハイ・レベルで用紙Pの非検知中を示し、ロー・レベルで用紙Pの検知中を示す。排紙検知センサ11は、排紙検知信号S1bがハイ・レベルからロー・レベルに遷移することで、ON動作し、排紙検知センサ11は、排紙検知信号S1bがロー・レベルからハイ・レベルに遷移することで、OFF動作する。
【0125】
これらを前提にして、図13に示すステップST41で積載制御部62’は排紙検知センサ11のON動作を監視する。このとき、積載制御部62’の発光制御部65は、例えば、排紙制御部51から通信線Lを介して排紙検知信号S1bを入力し、排紙検知信号S1bの立ち下がりエッジ(ONエッジ)を検出する。
【0126】
発光制御部65は、排紙検知信号S1bが立ち下がって、用紙Pの通過中を認識すると、ステップST42で積載検知センサ12(透過型センサ)の発光を開始する。このとき、発光部12aが通電されることで、受光部12bに向けて発光される。この発光によって、用紙積載トレイ61上の用紙Pの積載到達位置が検知される。
【0127】
その後、ステップST43で積載制御部62’は、排紙検知センサ11のOFF動作を監視する。このとき、発光制御部65は排紙検知信号S1bの立ち上がりエッジ(OFFエッジ)を検出する。排紙検知信号S1bが立ち上がって、用紙Pの通過完了を認識すると、ステップST44で発光制御部65は、積載検知センサ12(透過型センサ)の発光部12aの通電を停止する。
【0128】
このように、第4の実施例としての用紙処理装置400によれば、排紙検知センサ11の受光部11bが用紙Pでマスクされていない期間においては、積載検知センサ12における発光部12aから受光部12bへ発光が停止される(マスク機能)。しかも、積載検知センサ12より排紙検知センサ11へ不本意に拡散した光が、当該排紙検知センサ11の受光部11bにおいて、用紙Pが当該排紙検知センサ11の下方を”通過中”という形態で受光部11bがマスクされる。
【0129】
従って、排紙検知センサ11の受光部11bが用紙Pでマスクされる期間に、積載制御部62’のマスク機能によって、積載検知センサ12の発光部12aから受光部12bへ発光して用紙Pの上端を所定の用紙積載位置p2で検知できるようになる。
【0130】
しかも、積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ不本意に光が拡散しても、排紙検知センサ11の受光部11bが用紙Pでマスクされているので、従来例の拡散光による不定検知信号S1b’に基づく駆動制御信号S52やグリップ制御信号S53等の発生が行われないので、ローラ駆動部52や、グリップ駆動部53等の停止動作を維持できるようになる。
【実施例5】
【0131】
続いて、図14を参照して、第5の実施例としてのカラー複写機500の構成例について説明する。図14に示すカラー複写機500はタンデム型の電子写真方式の画像形成装置の一例を構成し、作像色毎に画像形成ユニットを備えている。カラー複写機500は各々の作像系の光書き込み部から像担持体にレーザービーム光を走査し、像担持体に画像を書き込み、像担持体毎に静電潜像を形成する。その後、当該静電潜像を現像し、現像後の画像を像担持体から中間転写体に転写し、その後、中間転写体から所定の用紙Pに画像を転写するようになされる。
【0132】
このカラー複写機500には後処理装置600が接続され、当該カラー複写機500から1枚以上の用紙Pを受け取って積載処理するようになされる。後処理装置600には、第1の実施例から第4の実施例に記載したいずれかの用紙処理装置100〜400が備えられる。
【0133】
カラー複写機500は中間転写ベルト6、制御部15、定着装置17、操作表示部48、画像形成部60及び画像読取装置102を有して構成される。画像読取装置102は複写機本体101の上部に配置され、原稿台上に載置された原稿が走査露装置の光学系により走査露光され、ラインイメージセンサで画像が読み込まれる。
【0134】
画像読取装置102で光電変換された画像情報信号は、画像処理部(不図示)において、アナログ処理、アナログ/ディジタル(以下A/Dという)変換処理、シューディング補正、画像圧縮処理等を行った後に、画像形成部60の光書き込み部に入力される。
【0135】
画像形成部60は、ベルト素面を有して所定の速度で移動される中間転写ベルト6に所定の濃度のトナー画像を形成する。画像形成部60は、イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色の画像を形成する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色の画像を形成する画像形成ユニット10Kとを備えて構成される。この例では、それぞれ共通する機能名称、例えば、符号10の後ろに形成する色を示すY,M,C,Kを付して表記する。
【0136】
画像形成ユニット10Yは感光体ドラム1Y(像担持体)を有し、その周囲には帯電部2Y、光書き込み部3Y、現像装置4Y及びクリーニング部8Yが配設されている。画像形成ユニット10Mは感光体ドラム1Mを有し、その周囲には帯電部2M、光書き込み部3M、現像装置4M及びクリーニング部8Mが配設されている。画像形成ユニット10Cは感光体ドラム1Cを有し、その周囲には帯電部2C、光書き込み部3C、現像装置4C及びクリーニング部8Cが配設されている。画像形成ユニット10Kは感光体ドラム1Kを有し、その周囲には帯電部2K、光書き込み部3K、現像装置4K及びクリーニング部8Kが配設されている。
【0137】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおけるそれぞれの感光体ドラム1Y,1M,1C,1K、帯電部2Y,2M,2C,2K、光書き込み部3Y,3M,3C,3K、現像装置4Y,4M,4C,4K、クリーニング部8Y,8M,8C,8Kは、それぞれ共通する内容の構成である。以下、特に、区別が必要な場合を除き、Y,M,C,Kを付さずに表記することとする。
【0138】
画像形成ユニット10では、帯電部2が感光体ドラム1を帯電する。光書き込み部3には、例えば、LEDプリントヘッド(LED Print Head:以下でLPHという)方式の露光走査装置が使用される。光書き込み部3は、各作像色用の画像データに基づいて複数のレーザービーム光(以下でマルチビームという)を感光体ドラム1に一斉に走査し、複数ライン毎に情報を一斉に書き込むように動作する。感光体ドラム1には、光書き込み部3によって走査されたマルチビームにより静電潜像が形成される。現像装置4は静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム1上に可視画像であるトナー画像が形成される。
【0139】
画像形成部60では、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kのそれぞれの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び、黒(K)色の画像が形成される。感光体ドラム1のそれぞれに形成された各色のトナー像は、Y,M,C,K色用の感光体ドラム1に対応して一次転写ローラ7Y,7M,C,Kを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。
【0140】
中間転写ベルト6は無終端状のベルトを有している。中間転写ベルト6には感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上のトナー像が転写される。中間転写ベルト6は、複数のローラにより巻回され、走行可能に支持されている。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、二次転写部7Aに向けて搬送される。二次転写部7Aは、画像形成部60の下方であって、中間転写ベルト6の最下方位置に配設される。
【0141】
画像形成部60の下方にはシート供給部の一例を構成する用紙搬送部20が設けられ、画像形成部60へ所定の用紙Pを供給(搬送)する。用紙搬送部20は給紙トレイ291,292,293を有し、所定の紙サイズの用紙Pが収容される。用紙Pは、第1給紙部21により給紙され、搬送ローラ22A,22B,22C、レジストローラ23を経て二次転写部7Aに搬送される。中間転写ベルト6上のトナー画像は、二次転写部7Aで、中間転写ベルト6から用紙Pに一括して転写される(二次転写)。
【0142】
二次転写部7Aの下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理する。定着処理後の用紙Pは、定着搬送ローラ24及び、排紙ローラ25を経て装置外へ排紙される。
【0143】
カラー複写機500は、用紙反転部26を備えており、印刷モードの設定に対応して、定着がなされた用紙Pを定着搬送ローラ24から用紙反転部26に導いて表裏を反転し、排出あるいは用紙Pの裏面に画像を形成する。感光体ドラム1の各々の左側下方には、Y,M,C,K色用の感光体ドラム1に対応してクリーニング部8Y,8M,8C,8Kが設けられ、前回の書き込みで感光体ドラム1に残留したトナー剤を除去(クリーニング)するように動作する。また、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、二次転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。
【0144】
なお、カラー複写機500において、制御部15は操作表示部48に接続される。操作表示部48では、例えば、画像形成枚数や、カラー画像形成後の用紙Pの積載枚数や、スタック排紙数等が設定される。当該カラー複写機500の制御部15は、図示しない通信ケーブルを介して後処理装置600の排紙制御部51や、積載制御部62等に接続される。操作表示部48で設定された、カラー画像形成後の用紙Pの積載枚数や、スタック排紙数等の用紙スタック命令は、制御部15から排紙制御部51や、積載制御部62等に設定される。
【0145】
これらにより、カラー複写機500を構成し、操作表示部48で設定された画像形成条件に基づいて、用紙搬送部20から給紙される用紙Pに画像を形成するようになる。後処理装置600では、用紙スタック命令に対応して、用紙スタック処理や、用紙積載処理等を実行するようになる。
【0146】
このように、第5の実施例としてのカラー複写機500によれば、後処理装置600が接続され、当該後処理装置600には、本発明に係るいずれかの用紙処理装置100〜400を備えられる。後処理装置600で、画像形成部60から画像形成後の1枚以上の用紙Pを受け取って積載処理する際に、図1〜3、図8、図9、図10及び図12等に示した積載検知センサ12から排紙検知センサ11へ不本意に光が拡散しても、排紙検知センサ11の受光部11bがフィルタ40でマスクされ、又は、フィルタ回路55でマスクされ、又は、受光部11bが用紙Pでマスクされている期間に、積載制御系B等で用紙Pの上端の到達検知がなされる。
【0147】
この結果、従来例の拡散光による不定検知信号S1b’に基づく駆動制御信号S52やグリップ制御信号S53等の発生が行われないので、ローラ駆動部52や、グリップ駆動部53等の停止動作を維持できるようになり、画像形成後の用紙Pを再現性良く用紙積載トレイ61上に積載できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
この発明は、画像形成後の用紙を用紙積載トレイ上に積載したり、その用紙を揃えて用紙積載トレイ上に排紙する後処理機能を備えた白黒用、カラー用のプリンタ、複写機、これらの複合機に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0149】
1Y,1M,1C,1K 感光体ドラム(画像形成部)
2Y,2M,2C,2K 帯電部(画像形成部)
3Y,3M,3C,3K 光書き込み部(画像形成部)
4Y,4M,4C,4K 現像装置(画像形成部)
6 中間転写ベルト
8A,8Y,8M,8C,8K クリーニング部
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット(画像形成部)
11 排紙検知センサ(第1の検知部:反射型センサ)
12 積載検知センサ(第2の検知部:透過型センサ)
13 グリップ機構
15 制御部
16 トレイ昇降機構
17 定着装置
20 用紙搬送部(シート供給部)
21 第1給紙部
22A〜22C 搬送ローラ
23 レジストローラ
24 定着搬送ローラ
25 排紙ローラ
26 用紙反転部
32 上部排紙ローラ
33 スタック機構
34 下部排紙ローラ
36 基板
37 スタックローラ
38 スタック駆動部
39 スタックトレイ
40 フィルタ(干渉除去手段)
42 排紙ローラ
48 操作表示部
51 排紙制御部(第1制御部)
52 ローラ駆動部
53 グリップ駆動部
55 フィルタ回路(干渉除去手段)
56 閾値設定部
57 信号監視部
58 信号出力部
59 タイミング発生部
60 画像形成部
61 用紙積載トレイ
62 積載制御部(第2制御部)
63 トレイ駆動部
65 発光制御部(干渉除去手段)
90 ADU反転ユニット
100〜400 用紙処理装置
101 装置本体部
102 露光走査装置
500 カラー複写機
600 後処理装置(用紙処理装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載部と
所定のシート排出位置に排出口を有して、シートを受け取って前記排出口から前記シート積載部へ排出する排出部と、
前記排出部の排出口に配置された発光部及び受光部を有する反射型光学センサから構成され、前記シート積載部に排出される前記シートの後端を検知する第1の検知部と、
前記第1の検知部によって得られるシート後端検知信号に基づいて前記シートの排出速度を制御する第1の制御部と、
前記シート積載部の幅方向に沿って互いに対向して配置された発光部及び受光部を有する透過型光学センサから構成され、前記第1の制御部によって排出速度が制御され、前記シート積載部に排出され積載された前記シートの上端を所定のシート積載位置で検知する第2の検知部と、
前記第2の検知部の上端検知によって得られるシート上端検知信号に基づいて前記シート積載部を昇降し、前記シート排出位置とシート積載位置との間におけるシートの落下行程を所定の距離に調整する第2の制御部とを備え、
前記第2の制御部によってシートの落下行程が所定の距離に調整される領域を介して前記第2の検知部から前記第1の検知部へ拡散する光が当該第1の検知部で受光されることで生ずる現象を検知系間干渉としたとき、前記検知系間干渉を除く干渉除去手段が設けられることを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記干渉除去手段には、
前記第2の検知部の発光波長をカットするフィルタが用いられ、
前記フィルタは、
前記第1の検知部の受光部及び前記第2の検知部の発光部から当該第1の検知部の受光部に至る部分の少なくともいずれか一方に設けられることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記干渉除去手段は、
前記第1の検知部の発光部の発光波長と前記第2の検知部の発光部の受光波長とが異なるように設定されて構成されることを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記干渉除去手段は、
前記第1の制御部に設けられ、
前記第1の制御部は、
前記排出部によってシート排出位置から前記シート積載部へ排出される前記シートの所定の検知時間外に検知された、前記第2の検知部から前記第1の検知部へ拡散する光による短い周期の検知及び非検知を含む不定検知信号を前記シート後端検知信号から除去するフィルタ機能を有することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記干渉除去手段は、
前記第2の制御部に設けられ、
前記第2の制御部は、
前記排出部によってシート排出位置から前記シート積載部へ排出される前記シートの検知中を示す通過検知信号を前記第1の検知部から受信し、
前記第1の検知部から受信した前記通過検知信号に基づくシート検知中に前記第2の検知部の発光部から受光部へ発光して前記シートの上端を所定のシート積載位置で検知するマスク機能を有することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記シート積載部には、
シート積載トレイが設けられ、
前記第2の制御部は、
前記第2の検知部の上端検知によって得られるシート上端検知信号を入力し、シート積載物の上限到達判定を実行し、当該判定結果に基づいて前記シート積載トレイを昇降し、前記シート排出位置とシート積載位置との間におけるシートの落下行程を所定の距離に調整するように前記シート積載トレイを制御することを特徴とする請求項1から請求項5に記載のいずれかのシート処理装置。
【請求項7】
前記排出部の排出口直下には、回動可能なシート掻き寄せ部が設けられ、
前記第1の制御部は、
前記シートの後端検知によって得られるシート後端検知信号に基づいて当該シートを前記シート載置部における所定の方向に掻き寄せてシート排出方向に整合するように前記シート掻き寄せ部を制御することを特徴とする請求項1から請求項6に記載のいずれかのシート処理装置。
【請求項8】
前記排出部には、
シート束ね部が設けられ、
前記第1の制御部は、
複数枚のシートを受け取って集積したシート束を形成し、当該シート束をシート排出位置から前記シート積載部へ排出するように前記シート束ね部を制御することを特徴とする請求項1から請求項6に記載のいずれかのシート処理装置。
【請求項9】
前記第1の検知部が排出口に配置された排出部には、
第1のローラ部材及び第2のローラ部材を有する排出ローラが設けられ、
前記第1のローラ部材は、所定の基板に回動自在に配置され、
前記基板には、所定の位置に回動支点が設けられ、
前記第1の制御部は、
シート束排出時、
前記回動支点を基準にして前記第2のローラ部材に対し所定の開口角度を持って開口するように前記基板を駆動制御することを特徴とする請求項8に記載のシート処理装置。
【請求項10】
前記第1のローラ部材が回動自在に配置された前記基板に、前記第1の検知部が取り付けられることを特徴とする請求項9に記載のシート処理装置。
【請求項11】
所定のシートを供給するシート供給部と、
前記シート供給部から供給されるシートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部から1枚以上のシートを受け取って積載処理する請求項1から請求項10に記載のいずれかのシート処理装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−75752(P2013−75752A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217456(P2011−217456)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】