説明

シート搬送システム及び画像形成装置

【課題】シートの姿勢を変えた場合でも、シート積載装置の積載可能枚数が半減するのを防ぐことのできるシート搬送装置システム及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体1000のシート排出方向下流側に位置するL字搬送ユニット1により、画像形成装置本体1000から短辺と長辺を有するシートが、長辺がシート排出方向に沿う姿勢で搬送された場合でも、短辺がシート排出方向に沿う姿勢で搬送された場合でも、短辺がシート搬送方向に沿う姿勢にしてシートをスタッカ900に搬送することにより、スタッカ900の第1及び第2積載トレイ913,914に、シートを各々積載することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送システム及び画像形成装置に関し、特に搬入されたシートの向きを変えて搬出することが可能なシート搬送装置を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シートに画像を形成する画像形成装置本体に、シート処理装置、シート積載装置等を接続させることにより、冊子等の成果物をインラインで作成する画像形成装置が知られている。そして、このような画像形成装置としては、例えば画像形成装置本体の下流に、表紙等をシート束内にインサートするインサータ、シートに対して穿孔処理を施すパンチユニットを配置するものがある。さらに、このパンチユニットの下流に、画像が形成されたシートを積載収納するシート積載装置、シートに折り処理を施す折り機、シートに対して中綴じ等の綴じ処理を施すシート処理装置を直列に配置するものがある。この画像形成装置によれば、シート積載装置、シート処理装置に積載されるシートに対し、表紙等をシート束内にインサートしたり、穿孔処理や、折り処理を施したりすることにより多様性のある成果物をインラインで効率良く作成することができる。
【0003】
ところで、画像形成装置に組み込まれるシート積載装置として、それぞれ独立してシートを積載できる第1積載トレイ及び第2積載トレイをシート搬送方向に沿って設けるようにしたものがある(特許文献1参照)。そして、このシート積載装置では、シート搬送方向長さが所定長さ以下のシート、例えばA4サイズのシートが横送りで搬送された場合には、シートを第1及び第2積載トレイに積載する。一方、例えばA4サイズのシートでも、シートが縦にした状態で搬送される場合には、第1及び第2積載トレイの高さを合わせることにより、この縦送りされたシート(以下、A4Rサイズのシートという)を第1及び第2積載トレイ上に跨らせて積載する。さらに、このようにA4Rサイズのシートを跨らせて積載した後、第1及び第2積載トレイを同時に上下動させることで、A4Rサイズのシートをスペース効率良く多量に積載することができるようにしている。
【0004】
しかし、画像形成装置本体に、シート処理装置、シート積載装置等を直列に接続させた画像形成装置の場合、設置効率、設置性が低いため、画像形成装置は限られた場所にしか設置できない。そこで、設置効率及び設置性を向上させるため、画像形成装置としては、搬入されたシートの向きを変えて搬出することが可能なシート搬送装置を備えたシート搬送システムを設け、L字型の画像形成装置としたものがある(特許文献2参照)。また、搬送されてきたシートの進行方向を90°変えて積載するスタッカを備えたものもある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−87965号公報
【特許文献2】特開2003−171051号公報
【特許文献3】米国特許第6131900号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のシート搬送システム及びこれを備えた画像形成装置において、シートの進行方向を90°変えるようにした場合、短辺と長辺を有するシートの場合、シートの向き(姿勢)が変わる。例えば、A4サイズのシートを横にした状態で搬送していた場合、シートの進行方向が変わると、シートはA4Rサイズのシートとなって搬送されるようになる。そして、このようにシートの向きが変わると、シート積載装置にシートを積載する場合、シートは第1及び第2積載トレイに跨るように積載されることとなり、積載可能枚数が半減する。
【0007】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シートの向きを変えた場合でも、シート積載装置の積載可能枚数が半減するのを防ぐことのできるシート搬送システム及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、搬入されたシートの向きを変えて搬出することが可能なシート搬送装置と、前記シート搬送装置から搬出されたシートを積載する複数のシート積載部がシート搬出方向に沿って配されたシート積載装置と、を備え、前記シート積載装置の複数のシート積載部は、短辺と長辺を有するシートが、短辺がシート搬出方向に沿う向きで前記シート搬送装置から搬出された場合に、シートを各々積載可能であり、前記シート搬送装置は、シートが、長辺がシート搬入方向に沿う向き及び短辺がシート搬入方向に沿う向きのいずれの向きで搬入された場合でも、シートを短辺がシート搬出方向に沿う向きで前記シート積載装置に搬出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のように、シート搬送装置により、短辺と長辺を有するシートを、短辺がシート搬送方向に沿う向きにしてシート積載装置に搬送することにより、シートの向きを変えた場合でも、シート積載装置の積載可能枚数が半減するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシート搬送システムを備えた画像形成装置の斜視図。
【図2】上記画像形成装置の概略構成を説明する図。
【図3】上記画像形成装置のスタッカのシート積載動作を説明する第1の図。
【図4】上記スタッカのシート積載動作を説明する第2の図。
【図5】上記シート搬送システムを構成するL字搬送ユニットの構成を示す斜視図。
【図6】上記L字搬送ユニットに設けられた第1及び第2搬送ローラの構成を示す図。
【図7】上記第1及び第2搬送ローラのシート進行方向切換動作を説明する図。
【図8】上記L字搬送ユニットを制御する制御部の構成を示す制御ブロック図。
【図9】上記画像形成装置の画像形成装置本体の制御部の制御ブロック図。
【図10】上記L字搬送ユニットのシート搬送動作制御を示すフローチャート。
【図11】上記L字搬送ユニットのシート搬送動作制御を示すフローチャート。
【図12】上記L字搬送ユニットの第1搬送パスを用いたシート搬送動作の第1工程図。
【図13】上記第1搬送パスを用いたシート搬送動作の第2工程図。
【図14】上記第1搬送パスを用いて搬送されたシートのスタッカ積載動作を示す図。
【図15】上記L字搬送ユニットの第2搬送パスを用いたシート搬送動作の工程図。
【図16】上記L字搬送ユニットの穿孔されたシートの搬送動作を示す工程図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るシート搬送システムを構成するL字搬送ユニットの斜視図。
【図18】本発明の第3の実施の形態に係るシート搬送システムを構成するL字搬送ユニットの上面図。
【図19】上記L字搬送ユニットの第2搬送パスを用いたシート搬送動作の工程図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るシート搬送システムを備えた画像形成装置の斜視図である。図1において、1000は画像形成装置本体であり、この画像形成装置本体1000のシート排出方向下流側にインサータ700、パンチユニット800、シート積載装置であるスタッカ900、折り装置400、フィニッシャ500が順に配置されている。そして、本実施の形態においては、穿孔装置であるパンチユニット800と、スタッカ900との間に、シートの進行方向(シート搬送方向)を90°変えるシート搬送装置であるL字搬送ユニット1が設けられている。このようなL字搬送ユニット1を設けることにより、本実施の形態に係る画像形成装置1000Aは、L字型に形成する。なお、本実施の形態においては、このL字搬送ユニット1とスタッカ900とによりシート搬送システム1000Bが構成される。
【0012】
ここで画像形成装置本体1000は、図2に示すように原稿給送部100、スキャナユニット104を有するイメージリーダ部200、画像形成部300等を備えている。なお、図2においては、L字型の画像形成装置1000Aを、説明上直列に描いているが、既述したように、この画像形成装置1000Aのスタッカ900等はL字搬送ユニット1を介してパンチユニット800に対して直角に配置されている。原稿給送部100には、フェイスアップ状態(画像が形成されている面が上向きの状態)で原稿Dがセットされるようになっており、セットされた原稿Dは、原稿給送部100により先頭頁から順に1枚ずつ左方向に搬送される。
【0013】
そして、原稿Dは、湾曲したパスを通過してプラテンガラス102上を左から右へ搬送され、この後、排紙トレイ112上に排出される。このとき、スキャナユニット104は、所定の原稿読取位置に停止しており、原稿Dはスキャナユニット104の上方を左から右へ通過する。この際、原稿Dは、スキャナユニット104のランプ103により照射され、原稿Dからの反射光はミラー105〜107、レンズ108を介してイメージセンサ109に導かれる。
【0014】
イメージセンサ109により読み取られた原稿Dの画像データは、所定の画像処理が施されて露光制御部110へ送られ、露光制御部110は、画像信号に応じたレーザ光を感光ドラム111に照射する。これにより、感光ドラム111上には静電潜像が形成され、この後、感光ドラム111上に形成された静電潜像は、現像器113により現像され、トナー像として可視化される。一方、記録紙等のシートPは、カセット114,115、手差し給紙部125、両面搬送パス124のいずれかから転写部116へ搬送され、転写部116において、可視化された感光ドラム111上のトナー像がシートPに転写される。転写されたシートPは、定着部117でトナー像が定着される。感光ドラム111、現像器113等は、画像形成部300を構成している。
【0015】
そして、定着部117を通過したシートPは、例えばシートPを反転排出する場合は、切換部材121により一旦パス122に案内され、後端が切換部材121を抜けると、スイッチバック搬送されて切換部材121により排出ローラ118へ案内される。この後、シートPは、排出ローラ118により、トナー像が形成された面を下向きの状態(フェイスダウン)にして下流に配設されるインサータ700に排出される。
【0016】
なお、このようにシートPをフェイスダウン状態で機外に排出すると、先頭頁から順に画像形成処理を行うことができる。例えば、原稿給送部100を使用して画像形成処理を行う場合や、コンピュータからの画像データに対する画像形成処理を行う場合に頁順序を揃えることができる。また、シートPの両面に画像を形成する場合は、シートPを定着部177から真っ直ぐ排出ローラ118へ案内し、シートPの後端が切換部材121を抜けた直後に、シートPをスイッチバック搬送し、切換部材121により両面搬送パス124へと導く。次に、両面搬送パス124から再度、シートPを転写部116に搬送し、シートPの裏面に画像を形成し、この後、排出ローラ118により、シートPはインサータ700に排出される。
【0017】
インサータ700は、画像形成装置本体1000で画像が形成されたシートの先頭頁、最終頁、又は途中頁に、通常のシートとは別のシート(インサートシート)を挿入する装置である。インサータ700は、インサートトレイ701〜704上に積載されたシート束を、1枚ずつ順次分離して、所望のタイミングで画像形成装置本体1000を通さずに下流に配設されたパンチユニット800を経てスタッカ900やフィニッシャ500へ送り込む。パンチユニット800は、搬送ローラ対805と搬送ローラ対806の間に設けられた穿孔ユニット801を備えている。そして、この穿孔ユニット801により、必要に応じて、搬送されるシートの先端部を位置決めした後、孔をあける(穿孔処理を行う)。なお、穿孔された屑は屑ボックス802に貯められる。
【0018】
L字搬送ユニット1のシート搬送方向下流側に位置するスタッカ900は、例えば短辺と長辺を有し、後述するようにL字搬送ユニット1により進行方向(搬送方向、又は排紙方向)を90°変えられたシートを積載するものである。このスタッカ900は、それぞれ独立してシートを積載できる2つ(複数)のシート積載部である第1及び第2積載トレイ913,914がシート搬送方向に沿って設けられている。なお、本実施の形態において、スタッカ900は、第1及び第2積載トレイ913,914により、10,000枚のシートが積載可能となっている。
【0019】
そして、このスタッカ900では、図3の(a)、(b)及び図4の(a)のように、シート搬送方向長さが所定長さ以下のシート、例えばA4サイズのシートが横送りで搬送された場合には、シートを第1及び第2積載トレイ913,914に積載する。又、シート搬送方向長さが所定長さ以上のシート、例えばA4Rサイズのシートが搬送される場合には、図4の(b)に示すように、第1及び第2積載トレイ913,914の高さを合わせることにより、第1及び第2積載トレイ上にシートを跨らせて積載する。さらに、このようにシートを跨らせて積載した後、第1及び第2積載トレイ913,914を同時に上下動させることで、シートをスペース効率良く多量に積載することができる。なお、図3及び図4において、906は、エスケープトレイである。
【0020】
スタッカ900の下流に配設された折り装置400はL字搬送ユニット1により進行方向を90°変えられたシートに対して折り処理を行うものである。この折り装置400は、図2に示すように搬送ローラ130により搬送されてきたシートを折りパス136に導く切換部材135を備えている。そして、切換部材135によって折りパス136に導かれたシートは、ストッパ137に先端を突き当てられてループが形成されてから、折りローラ140,141によって折られる。
【0021】
この折り部を、上方のストッパ143に突き当てることで再度形成されるループを、折りローラ141,142により折ることで、シートはZ折りされる。Z折りされたシートは、搬送パス145,131に案内されて、排出ローラ対133によってフィニッシャ500に排出される。なお、折り処理を行わない場合には切換部材135は、シートをフィニッシャ500に案内する側に切り替わり、これにより上流の装置から搬送されてきたシートは、搬送パス131と切換部材135を通過して直接、フィニッシャ500に送り込まれる。
【0022】
フィニッシャ500は、画像形成装置本体1000から折り装置400を介して搬送されてきた複数枚のシートを束ねる処理、シート束をステイプルする処理(綴じ処理)、ソート処理、ノンソート処理等の処理を選択的に行うものである。そして、処理したシートをフィニッシャ本体左側面に沿って昇降するスタックトレイ502とサンプルトレイ501に排出するようになっている。
【0023】
図5は、シートの進行方向を90°変える、即ち搬入されたシートを、シート排出方向と直交する方向に向きを変えて搬送(搬出)するL字搬送ユニット1の構成を示す斜視図である。L字搬送ユニット1は、上流装置であるパンチユニット800から搬送(搬入)されるシートを受け取り、下流側へシートを搬送するための入り口ローラ19と、第1搬送パスPA1と、第2搬送パスPA2を有している。また、L字搬送ユニット1は、入り口ローラ19から搬送されるシートを、第1及び第2搬送パスPA1,PA2のどちらかに切り換えて搬送するための切換部材20を備えている。この切換部材20は、回動軸20aを中心に回動可能に支持され、後述する図8に示す切換部材ソレノイドSLのON/OFF動作によって回動し、シートの搬送方向を切り換える。
【0024】
第1搬送パスPA1は、例えばL字搬送ユニット1に、短辺と長辺を有するシートが、短辺がシート搬送方向に沿って搬送される状態である横送りの状態で搬送されてきたシートを、横送りの状態でスタッカ900に搬送(搬出)するためのパスである。この短辺がシート搬送方向(シート搬入方向)に沿う向きで水平に搬入されたシートを短辺がシート排出方向(シート搬出方向)に沿う向きで搬出する第1搬送パスPA1は、第1搬送ガイド16と、湾曲ガイド21と、第2搬送ガイド18を備えている。
【0025】
ここで、第1搬送ガイド16は、L字搬送ユニット1の画像形成装置本体側に設けられている。そして、第1搬送ガイド16の上端部には、入り口ローラ19から搬送され、案内部材である切換部材20により案内されたシートをシート搬入方向に対して垂直方向である下方向に案内する第1ガイド部16aを備えている。また、この第1搬送ガイド16には、シートを下方向へ搬送する第3搬送部材である第1搬送ローラ4と、第1搬送ローラ4によって送られたシートを、その進行方向を90°変えて搬送する第4搬送部材である第2搬送ローラ10が設けられている。第2ガイド部である湾曲ガイド21は、第2搬送ローラ10により進行方向を90°変えて搬送されるシートを第2搬送ガイド18に案内するものであり、シートを第2搬送ガイド18に搬送する第3搬送ローラ23が設けられている。
【0026】
第2搬送ガイド18は、L字搬送ユニット1のスタッカ側に設けられ、湾曲ガイド21から搬送されたシートを、その進行方向を90°変えて上方に案内するものである。この第2ガイド18には、湾曲ガイド21から搬送されたシートを進行方向に沿って搬送する第5搬送部材である第4搬送ローラ24が設けられている。また、第2搬送ガイド18には、第4搬送ローラ24によって送られたシートを、その進行方向を90°変えて上方に搬送する、すなわち第1搬送ローラ4と逆方向にシートを搬送する第6搬送部材である第5搬送ローラ25が設けられている。
【0027】
さらに、この第2ガイド18の上端部には、第5搬送ローラ25によって上方に送られるシートの搬送方向を、水平方向に変える第3ガイド部である湾曲ガイド26と出口ローラ27が設けられている。そして、この第1搬送パスPA1に設けられた第1ガイド部16a、第1搬送ローラ4、第2搬送ローラ10、湾曲ガイド21、第2搬送ガイド18、第4搬送ローラ24、第5搬送ローラ25、湾曲ガイド26により第2シート搬送部が構成される。
【0028】
一方、第2搬送パスPA2は、例えばL字搬送ユニット1に、長辺がシート搬送方向に沿って搬送される状態である縦送りの状態で搬送されてきたシートを、90°向きを変えて横送りの状態でスタッカ900に搬送するためのパスである。この第2搬送パスPA2は、入り口ローラ19から水平に搬送されるシートを受け取り、受け取ったシートを、受け取った際のシート搬送方向と同一方向に搬送するための第1搬送部材である第6搬送ローラ28と、第3搬送ガイド17を備えている。
【0029】
なお、第3搬送ガイド17には、第6搬送ローラ28によって送られたシートを、その進行方向を90°変えて搬送し、出口ローラ27へシートを搬送する第2搬送部材である第7及び第8搬送ローラ29,30を備えている。そして、この第2搬送パスPA2に設けられた第6搬送ローラ28、第7及び第8搬送ローラ29,30により第1シート搬送部が構成される。なお、図5において、2は入り口ローラ19から搬送されたシートを検知する入り口センサ、33は第6搬送ローラ28により搬送されたシートを検知する第1検知センサ、34は第4搬送ローラ24により搬送されたシートを検知する第2検知センサである。
【0030】
ここで、L字搬送ユニット1は、隅部に接続配置されることが想定されるが、隅部に配置された場合、隣接する装置によりアクセス空間が制限されるため、第1及び第2搬送パスPA1,PA2に紙詰まり等が発生した場合の処理が困難であることが想定される。さらに、第1〜第3ガイド16〜18にアクセスしづらい場合には、処理が困難である。
【0031】
そこで、本実施の形態において、第1搬送ガイド16はL字搬送ユニット1の右側に、第2搬送ガイド18はL字搬送ユニット1の手前側に配設している。さらに、図1及び後述する図15に示すように搬送ガイド16へのアクセス可能なa面部と第2搬送ガイド18へのアクセス可能なb面部をL字搬送ユニット1に設けている。そして、これらa面部及びb面部を、独立もしくは一体で開閉するカバーを設けることにより、各搬送ガイド16,18へのアクセスが容易となり、紙詰まり等のメインテナンス処理が容易になる。又、第2搬送パスPA2での紙詰まり処理においては、上方より第3搬送ガイド17にアクセスできるように上面にカバーを設けるようにする。
【0032】
図6は、第1搬送ガイド16に設けられ、シートの進行方向を90°変える第1搬送ローラ4及び第2搬送ローラ10の構成を示す図である。第1搬送ローラ4は、軸受け4aにより回転可能に支持され、搬送モータ31によって駆動されて回転する。この搬送ローラ4には、バネ9により搬送ローラ方向に付勢されると共に、搬送ローラ方向にスライド可能に設けられた軸受け6により回転可能に支持された従動ローラ5が圧接している。なお、この従動ローラ5には、第1ローラ離間ソレノイド3により、従動ローラ5を、第1搬送ローラ4に対し接離可能となる方向にスライド移動させるリンク部材8が設けられている。
【0033】
そして、第1ローラ離間ソレノイド3がONすると、従動ローラ5が第1搬送ローラ4から離間し、OFFされると従動ローラ5が第1搬送ローラ4に圧接してシートを搬送するのに必要なニップ力が得られるようになっている。同様に、第1搬送ローラ4の軸線に対し直角に配設された第2搬送ローラ10は、軸受け10aにより回転可能に支持され、搬送モータ32によって駆動されて回転する。この第2搬送ローラ10には、バネ14により搬送ローラ方向に付勢されると共に、搬送ローラ方向にスライド可能に設けられた軸受け15により回転可能に支持された従動ローラ11が圧接している。
【0034】
なお、この従動ローラ11には、第2ローラ離間ソレノイド12により、従動ローラ11を、第2搬送ローラ10に対し接離可能となる方向にスライド移動させるリンク部材13が設けられている。そして、第2ローラ離間ソレノイド12がONすると、従動ローラ11が第2搬送ローラ10から離間し、OFFされると従動ローラ11が第2搬送ローラ10に圧接してシートを搬送するのに必要なニップ力が得られるようになっている。なお、第6及び第7搬送ローラ28,29、第4及び第5搬送ローラ24,25についても、不図示のソレノイドのON・OFFにより同一の動作を行う。
【0035】
次に、このように構成された第1搬送ローラ4及び第2搬送ローラ10によるシート進行方向の切換動作について説明する。図7の(a)は、入り口ローラ19からシートが送られてきたときの状態を示しており、従動ローラ5は、第1搬送ローラ4に圧接してニップを形成し、シートを搬送する。なお、このとき従動ローラ11は、第2搬送ローラ10から離間している。そして、入り口センサ2によってシートの先端を検出してからシートが所定量搬送され、やがて進行方向を90°変更するポイントに到達すると、第1搬送ローラ4が停止する。そして、この後、図7の(b)に示すように、第2ローラ離間ソレノイド12がOFFして従動ローラ11が第2搬送ローラ10に圧接してニップを形成すると共に、第1ローラ離間ソレノイド3がONされ、従動ローラ5は第1搬送ローラ4から離間する。この後、モータ32が回転することで第2搬送ローラ10が回転してシートを装置手前方向に搬送する。
【0036】
図8は、L字搬送ユニット1を制御する制御部の構成を示す制御ブロック図である。図8に示すように、L字搬送ユニット制御部90は、マイクロコンピュータシステムで構成され、CPU60、ROM59及びRAM61等を備えている。ROM59にはシート搬送制御プログラム等が予め格納されている。CPU60は各プログラムを実行し、RAM61との間で適宜データのやり取りをしながら入力データ処理を行うことにより、所定の制御信号を作成するようになっている。
【0037】
また、CPU60には、入り口センサ2、第1及び第2検知センサ33,34からの検出信号が入力インタフェース回路57を介して入力データとして入力され、CPU60からは各種の制御信号が出力インタフェース回路58を介して出力される。その出力信号はモータドライバなどの制御機器にむけて送信され、制御機器を制御して搬送モータ31、搬送モータ32、切換部材ソレノイドSL、第1ローラ離間ソレノイド3、第2ローラ離間ソレノイド12を作動させる。また、画像形成装置本体1000の本体側に設けられた後述するCPU回路部150とCPU60との間でデータが送受信される。なお、本実施の形態においては、L字搬送ユニット1の制御をL字搬送ユニット制御部90により行っているが、後述するCPU回路部150が、直接的にL字搬送ユニット1の制御を行うようにしても良い。
【0038】
図9は、画像形成装置本体1000の制御部の制御ブロック図である。図9に示すように、画像形成装置本体1000に設けられた制御部であるCPU回路部150は、CPU(不図示)を有している。CPU回路部150は、ROM151に格納された制御プログラムと操作部1001の設定に基づいて、原稿給送制御部101、イメージリーダ制御部201、画像信号制御部202、プリンタ制御部301を制御する。また、CPU回路部150は、ROM151に格納された制御プログラムと操作部1001の設定に基づき、折り処理制御部401、フィニッシャ制御部515、L字搬送ユニット制御部90、不図示のスタッカ制御部、外部I/F203を制御する。
【0039】
そして、原稿給送制御部101は原稿給送部100を、イメージリーダ制御部201はイメージリーダ部200を、プリンタ制御部301は画像形成装置本体1000を、折り処理制御部401は折り装置400を制御する。フィニッシャ制御部515はフィニッシャ500、インサータ700を夫々制御するようになっている。操作部1001は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー、設定状態を表示するための表示部等を有している。操作部1001は、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部150に出力すると共に、CPU回路部150からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示するようになっている。
【0040】
RAM152は、制御データを一時的に保持するための領域や、制御にともなう演算の作業領域として用いられるようになっている。外部I/F203は、画像形成装置本体1000と外部のコンピュータ204とのインタフェースであり、コンピュータ204からのプリントデータをビットマップ画像に展開して、画像データとして画像信号制御部202へ出力するようになっている。また、イメージリーダ制御部201から画像信号制御部202へは、イメージセンサで読み取った原稿Dの画像が出力されるようになっている。
【0041】
プリンタ制御部301は、画像信号制御部202からの画像データを露光制御部へ出力するようになっている。さらに入力部である操作部1001からユーザの操作でシートの種類(普通紙、コート紙、特殊紙)やシートサイズなどに関するシート情報や条件が入力され、CPU回路部150はそれらシート条件を取得して認識できる。また、操作部1001からCPU回路部150に、シートサイズの他に剛度、厚み、坪量(basis weight)、表面抵抗、平滑性などの物性値(表面性状)、及び後述するシートのシート排出方向に対する向きに関する情報も入力される。
【0042】
ところで、本実施の形態に係る画像形成装置1000Aでは、画像形成装置本体1000において画像を形成したシートをスタッカ900へ積載する積載モードを備えている。なお、例えばシートをフィニッシャ500に搬送するモードが選択された場合は、シートはスタッカ900に積載収納されること無く、スタッカ900を通過してフィニッシャ500に搬送される。
【0043】
次に、図10及び図11に示すフローチャートを用いて積載モードが指定された場合のシートの搬送動作について説明する。まずは、スタッカ900において並列積載可能なサイズ(A4サイズ)のシートが横送りの状態で搬送されてくる場合のシートの搬送動作を説明する。この場合、L字搬送ユニット制御部90は、操作部1001からの情報に基づき、最初に搬送されてくるシートが並列積載可能なサイズ、すなわちA4サイズで横送りされるシートかを判断する(S10)。そして、シートが並列積載可能なサイズであるA4サイズであると判断すると(S10のY)、第1搬送パスPA1へシートを導くように切換部材ソレノイドSLをONすると共に第2ローラ離間ソレノイド12をONする(S11)。これにより、従動ローラ11と第2搬送ローラ10とのニップを解除する。また、第1ローラ離間ソレノイド3をOFFし(S12)、従動ローラ5を第1搬送ローラ4に圧接させてニップを形成する。さらに、入り口ローラ19及び第1搬送ローラ4を回転させる(S13)。
【0044】
次に、上流側装置によるシートの搬送動作により(S14)、図12に示すように、矢印A方向からシートPが搬送されてくると、切り換えられた切換部材20によりシートPを矢印C方向へ搬送する。なお、この後、シートが入り口センサ2をONする(S15)。そして、このようにシートが入り口センサ2をONした後も、入り口ローラ19及び第1搬送ローラ4によるシートの搬送動作を継続し(S16)、シートを所定距離搬送すると(S17のY)、第1搬送ローラ4を停止させる(S18)。これにより、シートはシートの搬送方向を変更する第2方向変更位置で停止する。なお、図12において、P5は、このような第2方向変更位置で停止した状態のシートを示している。次に、第2ローラ離間ソレノイド12をOFFし(S19)、従動ローラ11を第2搬送ローラ10に圧接させてニップを形成した後、第1ローラ離間ソレノイド3をONし(S20)、従動ローラ5と第1搬送ローラ4とのニップを解除する。
【0045】
次に、第2〜第4搬送ローラ10,23,24を回転させ(S21)、第2〜第4搬送ローラ10,23,24によるシートの搬送動作を行い(S22)、シートを矢印D方向へ搬送する。なお、P2は、このように矢印D方向へ搬送された状態のシートを示している。そして、シートが第2搬送ガイド18に設けられた第2検知センサ34をONする(S23)。ここで、このようにシートが第2検知センサ34をONした後も、第2〜第4搬送ローラ10,23,24によるシートの搬送動作を継続する(S24)。
そして、この後、シートを所定距離搬送すると(S25のY)、第4搬送ローラ24を停止させる(S26)。これにより、シートはシートの搬送方向を変更する第3方向変更位置で停止する。次に、ソレノイドをOFFさせて第5搬送ローラ25によりシートをニップした後(S27)、ソレノイドをONさせて第4搬送ローラ24を離間させてニップを解除し(S28)、第5搬送ローラ25及び出口ローラ27を回転させる(S29)。この後、シートは、湾曲ガイド26によりスタッカ900の方向に向かい、出口ローラ27によりスタッカ900へ排出される(S30)。なお、P1は、このように出口ローラ27により、矢印Bで示すスタッカ900の方向に搬送されるシートを示している。
【0046】
次に、スタッカ900でのシートの積載が開始され(S31)、このシートが最終シートでない場合、すなわち最終シートの積載が終了していない場合は(S32のN)、上記の動作を図13に示すように繰り返す。そして、この後、最終シートの積載が終了すると(S32のY)、jobが終了する。このように、並列積載可能なサイズのシートをスタッカ900に搬送する場合は、第1搬送パスPA1へシートを搬送することにより、A4サイズのシートを横送り方向のままスタッカ900に搬送する。これにより、図14に示すように、各トレイ931,914にシートPを並列積載させることができ、多量積載が可能となる。
【0047】
一方、シートが並列積載可能なA4サイズのシートでない場合は、すなわちシートがA4Rサイズのシートの場合(S10のN)、第2搬送パスPA2へシートを導くように切換部材ソレノイドSL1をOFFする(S40)。また、ソレノイドをONさせて第7搬送ローラ29のニップを解除し(S41)、さらにソレノイドをOFFさせて第6搬送ローラ28のニップを形成し(S42)、入り口ローラ19及び第6搬送ローラ28を回転させる(S43)。
【0048】
次に、上流側装置によるシートの搬送動作により(S44)、図15に示すように、矢印A方向からシートPが搬送されてくると、シートPは切換部材20により同一方向へ搬送される。この後、シートPが第1検知センサ33をONする(S45)。ここで、このようにシートが第1検知センサ33をONした後も、入り口ローラ19及び第6搬送ローラ28によるシートの搬送動作を継続する(S46)。そして、シートPを所定距離搬送すると(S47のY)、第6搬送ローラ28を停止させる(S48)。これにより、シートはシートの搬送方向を変更する第1方向変更位置で停止する。
【0049】
次に、ソレノイドをOFFさせて第7搬送ローラ29によりシートをニップした後(S49)、ソレノイドをONさせて第6搬送ローラ28を離間させてニップを解除し(S50)、第7及び第8搬送ローラ29,30及び出口ローラ27を回転させる(S51)。この後、出口ローラ27により、シートをスタッカ900へ排出する(S30)。このように、並列積載が可能ではないA4Rサイズのシートをスタッカ900に搬送する場合は、第2搬送パスPA2へシートを搬送することにより、シートの進行方向を90°変更し、シートを横送り状態にしてスタッカ900に搬送する。これにより、図15に示すように各トレイ931,914にシートPを並列積載させることができ、多量積載が可能となる。
【0050】
以上説明したように、L字搬送ユニット1により、A4Rサイズのシートの向きを変えてA4サイズのシートとしてスタッカ900に搬送することにより、シートの向きを変えた場合でも、スタッカ900の積載可能枚数が半減するのを防ぐことができる。つまり、短辺と長辺を有するシートを、短辺がシート搬送方向に沿う姿勢にしてスタッカ900に搬送することにより、シートの向き(姿勢)を変えた場合でも、スタッカ900の積載可能枚数が半減するのを防ぐことができる。この結果、積載効率、設置効率の高いシート搬送装置システム及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、図1に示すようにL字搬送ユニット1の上流にパンチユニット800を配設し、下流にスタッカ900を配設している。ここで、図16に示すようにA4Rサイズのシートにおいて先端側に穿孔したい場合、パンチユニット800とスタッカ900が直列で配列されていると、スタッカ900ではシートサイズがA4Rのままとなるため並列積載が不可能となってしまう。
【0052】
しかし、本実施の形態によれば、A4Rのシートに穿孔した場合でも、A4RのシートをL字搬送ユニット1の第2パスPA2を通過させ、シートの進行方向を90°変えることにより、スタッカ900において、2つのトレイにおける並列積載が可能となる。又、A4サイズのシートに穿孔した場合は、L字搬送ユニット1の第1パスPA1を搬送させることにより、スタッカ900での並列積載が可能となる。又、上流にパンチユニットだけでなくシートに一方向の筋付けをおこなうシート処理装置などを配設した場合も、同様な効果を得ることができる。
【0053】
また、A3のようなラージサイズのシートをスタッカ900に搬送する場合、A3サイズのシートが横送りで搬送されてくると、受け取る間口が大きくなるばかりでなく、トレイの前奥方向の長さも必要となるため、装置が大型化しまう。また、A3のようなラージサイズのシートは、縦送りにしてもスタッカ900において多量積載できない。このため、本実施の形態においては、ラージサイズのシートがL字搬送ユニット1に送られてきた場合は、第1搬送パスPA1を通してシートを搬送するようにしている。これにより、シートを受け取る間口を狭くすることができ、L字搬送ユニット1の大型化を防止でき、省スペース化を図ることができる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図17は、本実施の形態に係るシート搬送システムを構成するL字搬送ユニット1の斜視図である。なお、図17において、既述した図5と同一符号は、同一又は相当部分を示している。図17において、40は第1パスPA1と第2パスPA2との合流部に設けられ、シートを反転して排出する反転パス部であり、この反転部である反転パス部40には、湾曲ガイド41、第1切換部材42及び第2切換部材43が設けられている。
【0055】
湾曲ガイド41は、第5搬送ローラ25により第2搬送ガイド18から第3搬送ガイド17にシートを案内するためのガイドであり、この湾曲ガイド41は第3搬送ガイド17から第2搬送ガイド18にシートを案内することもできる。なお、本実施の形態において、第5搬送ローラ25、第7及び第8搬送ローラ29,30は、正逆回転可能であり、例えば第7及び第8搬送ローラ29,30によりシートを矢印Bのように両方向へ搬送できる。
【0056】
ここで、シートを、第1パスPA1を通過させると、シートの表裏は反転しないが、前後の向きが画像形成装置本体1000から排出されたときと反対になる。このように前後の向きが反対となったシートを、元の状態で搬送する場合には、例えば画像形成装置本体1000から排出されてくるシートを、反転パス部を通す等の処理により予め反転させた後、L字搬送ユニット1に搬送することにより対処できる。これに対し、インサータ700から送られるシートを、例えばJOBごとに反転させたり、表面にしたりする場合には、ユーザ(人手)を介してインサートトレイ701〜704に入れたシート束をひっくり返す等をすることになり、手間と労力が必要となる。このことから、シートを、ユーザの要望に対して表面にしたり、裏面にしたり、前後の向きを自由に変えられることが望ましい。
【0057】
そこで、本実施の形態においては、このような反転パス部40を設け、前後の向きが反対となったシートを反転させて、あるいは表裏を反転させて搬送するようにしている。次に、このようなL字搬送ユニット1に設けられた反転パス部40による、シートの反転動作について説明する。第1搬送パスPA1を通過したシートを反転させる場合、まず第2切換部材43を切り換えることにより、第5搬送ローラ25により搬送されたシートP2を湾曲ガイド41により、矢印D方向へ案内する。これにより、シートP2は、第3搬送ガイド17に搬送され、この後、第7及び第8搬送ローラ29,30により搬送される。
【0058】
なお、このとき第6搬送ローラ28は、ニップが解除された状態となっている。次に、第1検知センサ33によりシートが検知されると、第7及び第8搬送ローラ29,30が停止し、シートは所定の位置で停止する。この後、第7及び第8搬送ローラ29,30が逆回転し、この第7及び第8搬送ローラ29,30と出口ローラ27とにより、シートP2をスタッカ方向へ搬送する。
【0059】
なお、このような反転パス部40を設けた場合、第2搬送パスPA2を搬送されたシートを表裏及び前後が反転した状態で搬送することができる。ここで、第2搬送パスPA2を搬送されたシートを反転させる場合は、まず第7及び第8搬送ローラ29,30により搬送されるシートを、第1切換部材42の切り換えにより、第3搬送ガイド17から湾曲ガイド41を経て第2搬送ガイド18へ案内する。この後、このシートは第5搬送ローラ25の逆転により搬送され、やがて第2検知センサ34により検知されると、第5搬送ローラ25が停止し、シートは所定の位置で停止する。
【0060】
なお、このとき第4搬送ローラ24のニップは解除されている。次に、第2切換部材43の切り換えと、第5搬送ローラ25の正回転により、シートはスタッカ方向へ表裏及び前後が反転した状態で搬送される。このように、反転パス部40を設けることにより、L字搬送ユニット1は、第1及び第2搬送パスPA1,PA2を通過したシートを反転させてスタッカ側に搬送することができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図18は、本実施の形態に係るシート搬送システムを構成するL字搬送ユニット1の上面図である。なお、図18において、既述した図16と同一符号は、同一又は相当部分を示している。ここで、本実施の形態に係るL字搬送ユニット1は、スタッカ900に積載するシート束の識別を容易にするためシートをオフセットしてスタッカ900に搬送するようにしている。
【0062】
具体的には、本実施の形態において、第1検知センサ33で検出された後のシート停止位置を任意に変更可能とすることで達成している。例えば、図18に示すように、シートP12を破線で示す第1停止位置Gで停止させてスタッカに搬送するようにすれば、図19に示すように奥側にオフセットしてスタッカ900に積載することができる。また、実線で示す第2停止位置Hで停止させてスタッカに搬送すれば、図19に示すように手前側にオフセットさせてスタッカ900に積載することができる。そして、このようにシートをスタッカにオフセットさせて積載することにより、別途シートのシフトユニット部を設ける必要がなくなり、下流の装置の省スペース化を計ることができる。
【符号の説明】
【0063】
1…L字搬送ユニット、4…第1搬送ローラ、10…第2搬送ローラ、20…切換部材、24…第4搬送ローラ、25…第5搬送ローラ、28…第6搬送ローラ、29…第7搬送ローラ,30…第8搬送ローラ、40…反転パス部、90…L字搬送ユニット制御部、150…CPU回路部、800…パンチユニット、900…スタッカ、913,914…第1及び第2積載トレイ、1000…画像形成装置本体、1000A…画像形成装置、1000B…シート搬送システム、PA1…第1搬送パス、PA2…第2搬送パス、P…シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入されたシートの向きを変えて搬出することが可能なシート搬送装置と、
前記シート搬送装置から搬出されたシートを積載する複数のシート積載部がシート搬出方向に沿って配されたシート積載装置と、を備え、
前記シート積載装置の複数のシート積載部は、短辺と長辺を有するシートが、短辺がシート搬出方向に沿う向きで前記シート搬送装置から搬出された場合に、シートを各々積載可能であり、
前記シート搬送装置は、シートが、長辺がシート搬入方向に沿う向き及び短辺がシート搬入方向に沿う向きのいずれの向きで搬入された場合でも、シートを短辺がシート搬出方向に沿う向きで前記シート積載装置に搬出することを特徴とするシート搬送システム。
【請求項2】
前記シート搬送装置は、長辺がシート搬入方向に沿う向きでシートが搬入された場合には、短辺がシート搬出方向に沿う向きでシートを前記シート積載装置に搬出する第1シート搬送部と、短辺がシート搬入方向に沿う向きでシートが搬入された場合には、短辺がシート搬出方向に沿う向きでシートを前記シート積載装置に搬出する第2シート搬送部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のシート搬送システム。
【請求項3】
前記第1シート搬送部は、長辺がシート搬入方向に沿う向きで搬入されたシートをシート搬入方向に沿って第1方向変更位置まで搬送する第1搬送部材及び前記第1方向変更位置まで搬送されたシートをシート搬入方向と直交する方向に向きを変えて搬送する第2搬送部材を有し、
前記第2シート搬送部は、短辺がシート搬入方向に沿う向きで水平に搬送されたシートを水平方向に対して垂直方向に案内する第1ガイド部、前記第1ガイド部により案内されたシートを第2方向変更位置まで搬送する第3搬送部材、前記第2方向変更位置まで搬送されたシートを前記第3搬送部材によるシート搬送方向と直交する方向に搬送する第4搬送部材、前記第4搬送部材により搬送されたシートをシート搬送方向と直交する方向に案内する第2ガイド部、前記第2ガイド部により案内されたシートを、第3方向変更位置まで搬送する第5搬送部材、前記第3方向変更位置まで搬送されたシートを前記第3搬送部材と逆方向に搬送する第6搬送部材及び前記第6搬送部材により搬送されたシートを前記シート積載装置の方向に向かわせる第3ガイド部とを有することを特徴とする請求項2記載のシート搬送システム。
【請求項4】
搬入されたシートを選択的に前記第1シート搬送部又は前記第2シート搬送部に案内する案内部材と、
シートのシート搬入方向に対する向きに関する情報を入力する入力部と、
前記入力部からの情報に基づき、前記案内部材による案内の方向を切り換える制御部を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載のシート搬送システム。
【請求項5】
前記第1シート搬送部のシート搬送方向下流側及び前記第2シート搬送部のシート搬送方向下流側に、前記第1シート搬送部及び前記第2シート搬送部からのシートを反転させて前記シート積載装置に搬送する反転部を設けたことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のシート搬送システム。
【請求項6】
前記第1搬送部の前記第1方向変更位置をシート搬入方向に変更可能としたことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載のシート搬送システム。
【請求項7】
シートに画像を形成して排出する画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体から排出されたシートを搬入し、搬入されたシートの向きを変えて搬出する請求項1ないし6のいずれか1項に記載のシート搬送システムと、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置本体と前記シート搬送装置の間に画像形成されたシートに対し処理を施すシート処理装置を設けたことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記シート処理装置は、画像形成されたシートに対し穿孔処理を施す穿孔装置であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2011−105490(P2011−105490A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264313(P2009−264313)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】