説明

シート搬送装置及び画像形成装置

【課題】1個の検知手段によって複数の検知タイミングを実現するシート搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】シートを搬送するための二次転写ローラ対3及び定着ローラ対5と、搬送されるシートによって動作するフラグ50を定着入口センサRにより検知することでシートの状態を検知するシート検知手段と、を有するシート搬送装置において、前記シート検知手段は、フラグ50の画像表示部を切り替えることにより、複数のタイミングでシートを検知可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシートを搬送するに際し、シート検知手段によってシートの状態を検知し得るシート搬送装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成装置にあっては、感光体ドラムに形成したトナー像をシートに転写すし、そのシートを定着ローラ対で構成した定着装置に搬送し、加熱、加圧することでトナー像をシートに定着する。
【0003】
上記のように加熱定着した画像は、定着装置で受ける熱エネルギや圧力エネルギにより変化することは既に知られている。特に、シート上に大量のトナーを付着させて形成されるカラー画像では、トナー付着量の少ない白黒画像に比較して、画質や光沢に影響を受けやすい。
【0004】
また、画像形成動作を連続して実行する場合は、1枚のシートの定着処理により奪われたエネルギが十分に回復せず、定着ローラの温度が低下したまま次のシートの定着処理が開始される場合がある。
【0005】
この対処としては、ヒータへの供給電力を増加(ヒータ容量の増加)させることにより、比較的長時間の間隔でみれば供給エネルギと消費エネルギとを均衡させることができる。しかし、画質を向上させるために定着ローラの表面に耐熱ゴムなど熱応答性の悪い材料が使用されている場合は、一時的に定着ローラの温度が低下してしまう場合がある。
【0006】
このため、定着ローラに発生する温度変化は定着ローラの外径の変化となって現れるため、定着ローラ対を通過するシートの搬送速度が変化することになる。また、シートの熱容量の違い、即ちシートが薄手の紙か厚手の紙か、OHPフイルムか等によっても画質やシートの搬送速度が変化する。
【0007】
したがって、シートに未定着画像を転写する転写部から定着ローラ対までのパスが短い場合は、定着ローラ対の速度変化が大きいと前記短いパス空間の中で安定したシートのループを形成させることが困難となる。
【0008】
すなわち、定着ローラ対のシート搬送速度がトナー像転写部におけるシート搬送速度よりも速い場合には、シートが前記パス間で引っ張り合うことで転写ノイズ(転写時の画像の乱れ)の発生や、画像の搬送方向に倍率のずれが生じる。
【0009】
逆に、定着ローラ対のシート搬送速度がトナー像転写部におけるシート搬送速度よりも遅い場合には、過大なループを形成することによって、シートが搬送ガイドに擦れることによる画像不良や転写ノイズが生じる。
【0010】
そこで、シートの搬送状態を検知するために従来は図9に示すようなループ量の検知手段を採用している。
【0011】
図9において、フラグ150a及びフラグ150bはシートへのトナー像転写部と定着ローラ対の間のシートパスに配置されたループ検知センサフラグである。フラグ150aとフラグ150bは軸を介して一体に構成されており、図9(b)の側面図に示されるように、所定の角度を持たせて構成されている。また、フラグ150a及びフラグ150bには対となるセンサとしてフォトセンサS1及びS2が対向配置されている。フォトセンサS1及びS2にはレーザ光の発光部と受光部とが仕込まれており、フラグ150a及びフラグ150bが回動してレーザ光を遮光することで、センサの回転変位タイミングを検知可能となっている。
【0012】
このループ量検知手段を備えた画像形成装置においては更に、定着装置の駆動手段が、トナー像転写部におけるシート搬送速度よりも速い第1の速度と、転写手段におけるシート搬送速度よりも遅い第2の速度の、2種類の速度で制御可能な制御手段を備えている。
【0013】
以上の構成において、フラグ150a及び150bは、シートがループをつくる際にシートの圧力により回転軸中心に回転する。これにより、シートが所定のループになるフラグの回転角度をセンサS1及びS2によって検知する。フラグ150a及びフラグ150bには前述の通り所定の角度が持たされており、この角度を調整することにより、ループ量の検知タイミングをずらすことができる。
【0014】
即ち、センサ150aによるループ量検知タイミングを通常のループ量に割り当て、センサ150bによるループ量検知タイミングを転写ノイズを起こす過大ループに割り当てることができる。これにより、センサS1及びS2が検知した信号に基づいて、過大ループを検知(=センサ150bが検知)した際には定着ローラ対を転写部でのシート搬送速度よりも遅い第2の速度とし、シートのループを安定化させている(特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】特開平07−234604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記ループ量検知手段においては、ループ量のタイミングはセンサとセンサを遮光するフラグの配置角度、またセンサの個数により大きく限定される。具体的には、センサが1個しか配置されていなければ検知タイミングは1段階で固定され、センサが2個配置されていれば検知タイミングは2段階もつことになる。
【0017】
ところが、実際に搬送されるシートの挙動は一定ではなく、例えば温暖湿潤な気候下でのループ量と寒冷な気候下でのそれとでは、ループ検知タイミングが変化するということも生じ得る。このような場合、従来の検知手段で最適なタイミングを実現しようとするには、更に検知タイミングを増やす以外に手がなく、あらたに配置角度を変えてフラグを追加すると共に、フォトセンサを配置し直さなければならないという問題があった。
【0018】
また、搬送ガイドの角度や配置によって構成される搬送パスも一意的に決定されるものではなく、多種多様な画像不良や転写ノイズによりガイド角度の変更など、構成変更を余儀なくされることがある。このような場合においても、変更前の搬送パス構成において最適化されていたセンサの検知タイミングが変化してしまうことがある。この場合もセンサやフラグの配置を見直さなければならないという問題があった。
【0019】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1個の検知手段によって複数の検知タイミングを実現するシート搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するための本発明における代表的な手段は、シートを搬送するためのシート搬送手段と、搬送されるシートによって動作する被検知部材を検知部材により検知することでシートの状態を検知するシート検知手段と、を有するシート搬送装置において、前記シート検知手段は、前記被検知部材の被検知部を切り替えることにより、複数のタイミングでシートを検知可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明にあっては、被検知部を切り替えることで複数のタイミングでシート検知が可能となる。また、検知タイミング自体を容易に調整・変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の一実施形態に係るシート搬送装置について、これを備えた画像形成装置を例示して説明する。
【0023】
〔第1実施形態〕
[画像形成装置の全体構成]
まず、図8を参照して画像形成装置の全体構成について説明する。図8は画像形成装置の全体構成を示す断面図であり、本実施形態ではカラー画像を形成する画像形成装置を例示している。
【0024】
図8に示すように、左から順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する4個の感光体ドラムa,b,c,dと、これら感光体ドラムa〜dの上部に配置された中間転写ベルト2が設けられている。これら感光体ドラムa,b,c,dと中間転写ベルト2は図示しないモータにより駆動回転される。
【0025】
また、各感光体ドラムa,b,c,dの周囲には、それぞれ不図示の一次帯電器、現像器、転写帯電器が配置され、それらがプロセスカートリッジ1a,1b,1c,1dとしてユニット化されている。そして、各感光体ドラムa,b,c,dの下方にはポリゴンミラー等で構成される露光装置6が配置されている。
【0026】
画像形成に際しては、まず、感光体ドラムaには、原稿の画像信号によるレーザ光が露光装置6のポリゴンミラー等を介して投射され、感光体ドラムa上に静電潜像が形成され、これに現像器からトナーを供給して現像し、静電潜像がトナー像として可視化される。
【0027】
このトナー像が感光体ドラムaの回転にともなって、感光体ドラムaと中間転写ベルト2とが当接する一次転写部位に到来すると、転写帯電部材2aに印加した一次転写バイアスによって、感光体ドラムa上のトナー像が中間転写ベルト2に一次転写される。
【0028】
中間転写ベルト2が移動するにつれ、同様の手順を経てプロセスカートリッジ1a〜1dにより順次イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像が重ね合わされて転写される。
【0029】
上記画像形成動作と同期して装置本体下部にセットされたカセット4に収容されたシートPがピックアップローラ8により1枚ずつ送り出され、レジストローラ9でタイミングを合わされた後、二次転写部位に搬送される。そして、二次転写ローラ対3に印加した二次転写バイアスによって、中間転写ベルト2上の4色のトナー像がシートP上に一括して二次転写される。
【0030】
4色のトナー像が転写されたシートPは、二次転写ローラ対3から搬送ガイドに案内され、ヒータ5aを内蔵した定着ローラ対5に搬送され、そこで熱および圧力を受けてトナー像が定着される。これにより各色のトナーが溶融混色してシートPにフルカラーのプリント画像が形成される。
【0031】
しかる後に、定着ローラ対5の下流に設けられた排出搬送ローラ対10,11によって、シートPが排出トレイ7に排出される。
【0032】
[シート搬送装置]
次に上記二次転写ローラ対3から定着ローラ対5へとシートを搬送し、且つ搬送状態を検知し得る本実施形態のシート搬送装置の構成について、図1乃至図図7を参照して説明する。
【0033】
まず図1において、シート搬送手段を構成する二次転写ローラ対3と定着ローラ対5の間の搬送路20には搬送されるシートの状態を検知するシート検知手段が配置されている。このシート検知手段は、搬送されるシートによって動作する被検知部材としてのフラグ50と、このフラグ50を検知する検知部材としての定着入口センサRによって構成されている。
【0034】
前記フラグ50は、シートPが通過する際に、シートの圧力により回転軸50aを中心に回転運動を行う。このフラグ50に対向する位置に定着入口センサRが取り付けられている。定着入口センサRは、レーザ光の発光部と受光部とを有するフォトセンサであり、受光部に至るレーザ光が遮光されることでON状態となる。
【0035】
図2はフラグ50と定着入口センサRの詳細説明図であり、図3はシート検知制御部のブロック図である。
【0036】
図2に示すように、定着入口センサRによって検知されるフラグ50の被検知部には電子ペーパ90が貼付されている。フラグ50自体は、透明又は光透過率の高い材質で形成されており、定着入口センサRが発光するレーザ光を遮光することはできない。そして、電子ペーパ90に画像を表示することにより、表示された画像が定着入口センサRが発光するレーザ光を遮光し得るようになっている。
【0037】
(電子ペーパ)
ここで、フラグ50に貼付される電子ペーパ90の表示原理について説明する。
【0038】
電子ペーパ90は、例えば樹脂などを基材として構成された薄型表示装置であり、画像表示部(以下、単に「表示部」)が表面の大部分を占めており、表示部に表示する画像を処理する処理部を伴った構成となっている。また薄くフレキシブルであり、非常にハンドリングがよいものである。
【0039】
処理部には表示部を駆動するドライバ、外部と無線又は有線で通信するための通信部、電子データを読み書き自在に保持するメモリ、種々な処理を司るプロセッサ、通信部やプロセッサ等の駆動電力を供給するバッテリ、等が設けられている。
【0040】
電子ペーパ90は、外部の通信機能を有する装置と通信することにより、メモリに記憶する電子データ(画像データ等)を送受信し、また、これら電子データをメモリに保持することができる。更に、電子ペーパ90は、メモリに保持したデータに基づいてドライバが表示部に画像を書き込むことことができ、ドライバの駆動電力を除去しても表示部に画像情報を表示状態で保持し続ける機能を有している。
【0041】
電子ペーパの断面詳細構造としては、表示部に、複写機にトナーとして利用されている微細な着色粒子を少なくとも表面側が透明な表裏一対の電極間に封入し、これを表面が透明な表裏一対のフィルム基板で挟んだ構造となっている。着色粒子が自由に移動できるように電極間は空気層となっており、また、マトリックス状の電極層には着色粒子との接触を防止する絶縁層が設けられている。この構造において、メモリに記憶されたデータに基づいて電極層のマトリックスに電圧を印加することで着色粒子が移動し、表示部に画像情報として表示されることになる。なお、上記断面構造の差から、電子ペーパの方式として粒子移動型方式と電気泳動型方式等に大別できる。本実施形態では電気泳動型方式を用いており、駆動信号の供給切断後も表示状態を維持する不揮発性を有するものである。
【0042】
また、異なるデータに基づいて動作させることにより、表示部に表示される画像情報を切り替えることができ、幾度も再使用することができるという特性を有している。
【0043】
本実施形態においては、電子ペーパ90は、図3に示す電子ペーパ表示切替手段301から制御情報を受けとり、ペーパ表層に設定された画像を自在に表示することができる。この際、画像を表示していない状態の電子ペーパ自体は透過率が高い。このため、定着入口センサRの発するレーザ光を遮光することができない。一方、画像を表示した状態では画像が定着入口センサRのレーザ光を遮光することができる。
【0044】
また、本実施形態の電子ペーパ90の表層は画像領域が回動方向に2分割されており、それぞれの画像領域90a,90bに、独立に画像を表示することができるようになっている。画像領域90a,90bに表示する画像は電子ペーパ表示切替手段301に登録された任意の画像を表示可能だが、本実施形態においては、黒色の単色画像であるとする。従って、電子ペーパに画像を表示した場合、表示領域において、定着入口センサRのレーザ光を遮光することが可能となる。
【0045】
即ち、前述のようにフラグ50自体は定着入口センサRを遮光することがないため、定着入口センサRによりフラグ50が検知可能となるのは、電子ペーパ90に画像表示されていいる場合のみということになる。このとき、画像領域90a,90bはフラグ50の回転方向に対する所定の角度で分割されている。このため、定着入口センサRを同時に遮光することはなく、図2に示すように、搬送されるシートにより矢印方向にフラグ50が回転すると、必ず画像領域90bから画像領域90aの順で定着入口センサRを遮光する配置となっている。
【0046】
なお、本実施形態では電子ペーパ90の表示領域を2分割して構成した。しかし、電子ペーパ90は必ずしも分割されている必要はなく、画像領域90a部分のみが黒の全領域画と、画像領域90b部分のみが黒の全領域画像の、2種類の画像を切り替えて表示される構成であってもよい。
【0047】
定着ローラ対5は前記定着入口センサRによる検知結果に基づき、回転速度を変更し得るように構成されている。そのために、図1に示すように、定着ローラ対5は二次転写ローラ対3を駆動する転写モータM2とは別の駆動源である定着モータM1によって駆動するように構成されている。そして、定着モータM1は搬送制御手段52によって駆動速度が制御され、この搬送制御手段52は定着入口センサRからの信号を受け、CPU17を介して定着モータM1への制御情報を入出力している。
【0048】
(ループ検知動作)
次に、上記構成のシート搬送装置によるシート搬送動作を図4乃至図7を参照して説明する。なお、図4乃至図6は、本実施形態の定着入口センサRによるシート検知タイミングの動作の説明図であり、図7は動作手順を示すフローチャートである。
【0049】
まず、シートPが1枚ずつ送り出された後、二次転写ローラ対3においてシートP上にトナー像が一括して転写され、続いて定着ローラ対5へと搬送される。
【0050】
トナー像が転写されたシートPの先端は、フラグ50に当接すると(図4参照)、フラグ50を回転させる。これによりフラグ50に貼付された電子ペーパ90の部分が定着入口センサRのレーザ発光・受光部間に進入する(図5参照)。
【0051】
なお、電子ペーパ90には、シートの搬送開始をトリガーとして画像領域90bに黒色画像が表示されている。このため、このフラグ50の回転動作によって定着入口センサRが遮光されセンサがON状態となり(ステップS901)、搬送制御手段52のタイマ14(図3参照)がカウントを開始する(ステップS902)。
【0052】
タイマ14のカウント開始とともに、電子ペーパ90に新たな画像情報が送られ、画像領域90aが黒色の画像へと表示が切り替わる(ステップS903)。これにより、定着入口センサRは一端遮光が解除され、OFF状態に戻る。
【0053】
やがて、シートPの先端は、予め二次転写ローラ対3の搬送速度Vtよりも遅い搬送速度Vflに設定された定着ローラ対5の定着ニップに到達する。続いて、定着ローラ対5にシートが挟持され、シートはトナー像を定着されつつ搬送されていくが、Vt>Vflであるため、シートPは次第に二次転写ローラ対3と定着ローラ対5間でループを成長させ、大きく形成していく。やがて、ループが所定の大きさとなったとき、フラグ50が更に回転し(図6参照)、電子ペーパ90の黒色に表示された画像領域90aが定着入口センサRを再び遮光する。これにより定着入口センサRはON状態となる(ステップS904)。
【0054】
この第2のON状態をトリガーとして、定着ローラ対5の搬送速度Vfが二次転写ローラ対3の搬送速度よりも速い速度Vfhへと、一定時間のタイムラグの後に切り替わる(ステップS905)。すると、Vfh>Vtにより、シートPが二次転写ローラ対3と定着ローラ対5間で形成していたループは小さくなり、過剰なループを形成することなく、安定搬送される。
【0055】
その後、シートPの搬送が終了するまでに、ループの減少に伴い再び定着入口センサRがOFF状態となった場合は、ループ量が元に戻ったものと判断し、定着ローラ対5の搬送速度はVfhからVflへと切り替わる(ステップS906、S907)。
【0056】
以下、タイマ14がカウント開始から所定時間を経過し、シートPが定着ローラ対5を通過したと判断され(ステップS908)、搬送が停止される(ステップS909)まで、上記工程を繰り返す。これにより、二次転写ローラ対3から定着ローラ対5間のループ量を一定に保つことができ、シートPの搬送が安定する。
【0057】
なお、本実施形態ではシートPが定着装置を通過したか否かの判断は、カウンタ14のカウント開始のみによるものとして説明した。しかし、実際は定着装置の下流側に配置されたシートセンサの検知信号に基づいて判別するようにすれば、シートPの位置に関する精度がより高まる。
【0058】
上述のように、電子ペーパ90の画像情報を切り替えるのみで、1つのセンサで複数のシート検知タイミングを容易に実現することができる。また、シート検知タイミングの変更は、電子ペーパ90に送られる画像情報を切り替えるのみで可能であるため、検知タイミング自体を容易に調整・変化させることができる。これにより、シート検知タイミングを追加することで、より精度の高い制御を実現させることも可能となる。
【0059】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態ではフラグ50を検知する定着入口センサRはレーザ光の発光部と受光部とが仕込まれ、受光部に至るレーザ光が遮光されることでON状態となるフォトセンサとしている。しかし、例えば、同じくレーザ発光部と受光部とを備えるが、レーザ光の反射率を検知することでON状態となる構成のセンサであってもよい。この場合、フラグ50は透過率の高い材質で構成する必要はなく、また電子ペーパ90に表示する画像も黒色に限定されることがなく、構成の自由度を高めることが可能となる。
【0060】
また、フラグ50の画像表示部の画像を検知する検知部材はフォトセンサに限定しなくてもよい。例えば、検知部材としてフラグ50の画像表示部に表示された表示情報を画像処理して信号検知を行う画像センサで構成してもよい。このように画像センサを用いることにより、画像情報に応じてより多段のタイミングでシートを検知することが可能となる。
【0061】
またフラグ50の形状も、図2に示すような円弧形状である必要はなく、ホイールのような形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】シート搬送装置の断面説明図である。
【図2】センサ構成の斜視図である。
【図3】シート検知制御構成のブロック図である。
【図4】シート検知タイミングの動作を説明する断面図である。
【図5】シート検知タイミングの動作を説明する断面図である。
【図6】シート検知タイミングの動作を説明する断面図である。
【図7】シート検知タイミングの動作手順のフローチャートである。
【図8】画像形成装置の全体構成説明図である。
【図9】従来の画像形成装置におけるセンサ構成の斜視図である。
【符号の説明】
【0063】
M1 …定着モータ
M2 …転写モータ
P …シート
R …定着入口センサ
a,b,c,d …感光体ドラム
1a,1b,1c,1d …プロセスカートリッジ
2 …中間転写ベルト
3 …二次転写ローラ対
4 …カセット
5 …定着ローラ対
6 …露光装置
7 …排出トレイ
8 …ピックアップローラ
9 …レジストローラ
10,11 …排出搬送ローラ対
14 …タイマ
17 …CPU
20 …搬送路
50 …フラグ
50a …回転軸
52 …搬送制御手段
90 …電子ペーパ
90a,90b …画像領域
301 …電子ペーパ表示切替手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するためのシート搬送手段と、
搬送されるシートによって動作する被検知部材を検知部材により検知することでシートの状態を検知するシート検知手段と、
を有するシート搬送装置において、
前記シート検知手段は、前記被検知部材の被検知部を切り替えることにより、複数のタイミングでシートを検知可能であることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記シート搬送手段は、前記シート検知手段により検知した結果により、シート搬送速度を制御することを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記被検知部材は前記被検知部として表示する像を切り替え可能な像表示部を有し、
前記検知部材は前記像表示部に表示された像を検知してシートを検知し、前記像の切り替えにより複数のタイミングでシートを検知可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記像表示部は粒子を移動させて維持することで像の切り替えを行い、
前記検知部材は前記像を透過又は反射する光を検知するフォトセンサである
ことを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記検知部材は前記像表示部に表示された表示情報を画像処理して信号検知を行う画像センサであることを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項6】
シートを搬送して画像形成を行う画像形成装置において、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
シートを搬送する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−190879(P2009−190879A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35735(P2008−35735)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】