説明

シート材の裁断方法および自動裁断機

【課題】テーブル上に載置された柄入りのシート材を、パーツのパターンに沿って裁断する方法において、シート材の歪に応じて裁断用のデータを修正する。
【解決手段】
シート材2に対応する仮想平面11上に形成されたシート材の理論上の柄パターン12に、パーツのパターン22を配置すると共に、パーツ毎に柄合わせポイント14を設定する。次に、仮想平面11上に柄合わせポイント14を含む基準パターン15を形成する。次にシート材2に、プロジェクタを用いて合わせポイント14と基準パターン15を実寸で投射すると共に、基準パターン15の形状をシート材2の柄の形状に合わせて変形させることにより、基準パターン15の座標データを修正する。修正された基準パターン15の座標データに対応してパーツのパターン22の座標データを修正し、その座標データに基づいてシート材2を裁断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル上に載置された布地などのシート材を所定のパターンのパーツに裁断するシート材の裁断方法、およびその方法を採用した自動裁断機に関する。
【背景技術】
【0002】
布地や織物などを衣料などの製品に仕上げるときには、前身、後ろ身、袖といった各部分を布地等のシート材から裁断する必要がある。通常は、自動裁断機を用い、コントローラから出力された各パーツの形状データに基づいて、テーブル上に載置されたシート材を裁断している。
【0003】
一方、柄入りのシート材を使用して衣料などを作成するときには、各パーツを縫い合わせる工程において柄合わせが必要となる。前身、袖などの各パーツの特徴となる柄が縫製後に一致していないと、衣料としての商品価値が低下する。
【0004】
しかし、柄合わせ作業は縫製工程だけで行うのは困難であり、裁断工程において、各パーツの柄合わせを意識して裁断することが重要である。
【0005】
従来、自動裁断機におけるパーツの柄合わせ方法として、主に2つの方法が採用されている。第1の方法は、例えば特許文献1に記載された方法である。
【0006】
第1の方法では、例えば格子柄の布地を裁断する場合、予め、ディスプレイの画面上に理論上の柄を表す基準線と裁断するパーツのパターン(形状)を表示し、画面上でパーツの配置と柄合わせを行う。その際、パーツ毎に、基準線と重なる位置に柄合わせ用の基準マークを生成する。
【0007】
次に、テーブルに載置された布地の柄をカメラで撮影してディスプレイの画面に表示し、これに基準マークを重ねて表示する。各パーツの位置決めは、基準マークを柄の対応する位置に移動させることにより行う。
【0008】
その後、基準マークの移動により生じた偏差データによって各パーツの裁断用データを修正し、メモリに記憶されている理論上の柄の配置を、延反されたシート材の柄の配置に合わせる。その後、修正されたデータに基づいてシート材を裁断する。
【0009】
第2の方法は、例えば特許文献2に記載された方法である。第2の方法では、テーブルに載置されたシート材に裁断を行うパーツの実寸のパターンを投射し、作業者が目視によってシート材の柄を投射されたパーツのパターンに合わせた後に裁断を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第2538514号公報
【特許文献2】特開平9−279474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の2つの柄合わせ方法は、シート材に歪がない場合には有効である。しかし多くの自動裁断機では、ロール状に巻回されたシート材から一度の裁断で必要な長さのシート材を引き出してテーブル上に延反している。この際、巻回の状態や引き出しの際の張力などに起因して、シート材に歪が生じる場合がある。
【0012】
歪が生じたシート材を裁断して得られるパーツは、裁断によって歪が消失すると本来の裁断パターンと異なる形状になる。このようなパーツを用いて縫製を行うと、他のパーツとの間に柄のずれを生じる。また完成した衣料の寸法が予定していた寸法と異なるため、商品価値が著しく低下する。
【0013】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、シート材の歪に対応したパターンでパーツを裁断でき、結果として歪みの少ないパーツが得られるシート材の裁断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため本発明にかかるシート材の裁断方法は、柄入りシート材を、少なくとも1つのパーツのパターンに沿って裁断する方法であって、以下の各ステップを含むことを特徴とする。
前記シート材に対応する仮想平面上に、シート材の柄の特徴点に対応した理論上の柄のパターンを形成するステップ、
前記仮想平面上に前記パーツのパターンを配置すると共に、パーツ毎に柄合わせポイントを設定するステップ、
前記仮想平面上に前記柄合わせポイントを含む基準パターンを形成するステップ、
テーブル上に載置されたシート材に、プロジェクタを用いて前記柄合わせポイントを単独で、もしくは前記基準パターンと共に実寸で投射すると共に、前記柄合わせポイントを前記シート材の対応する位置に移動させるステップ、
前記シート材に投射された前記基準パターンの形状を前記シート材の柄の形状に合わせて変形させると共に、変形に応じて前記基準パターンの座標データを修正するステップ、
修正された前記基準パターンの座標データに対応して前記パーツのパターンの座標データを修正するステップ、
修正された前記パーツのパターンの座標データに基づいて前記シート材を裁断するステップ。
【0015】
ここで、前記柄合わせポイントと共に、前記パーツのパターンを前記テーブル上に載置されたシート材に実寸で投射することが好ましい。また前記シート材の柄が格子状である場合には、前記柄合わせポイントを縦縞と横縞の交点に設定することが好ましい。
【0016】
前記柄入りシート材の柄がストライプ状である場合には、前記柄合わせポイントをストライプ上に設定し、また前記シート材に投射された前記柄合わせポイントを対応する柄に重ねる際、前記柄合わせポイントがストライプの柄と重なるようにストライプと直交する方向に移動させることが好ましい。
【0017】
なお前記基準パターンの座標データを修正する際に、前記シート材の送り方向と平行な座標軸のデータだけを修正するようにしてもよい。
【0018】
また前記基準パターンと共に前記理論上の柄のパターンを前記テーブル上に載置されたシート材に投射し、前記基準パターンと共に前記理論上の柄のパターンを変形させ、得られる座標データの修正値に基づいて、前記パーツのパターンの座標データを修正するようにしてもよい。
【0019】
また本発明にかかる自動裁断機は、柄入りシート材を、少なくとも1つのパーツのパターンに沿って裁断する自動裁断機であって、
上面に柄入りのシート材が載置されるテーブルを備えた裁断機本体と、
前記テーブルに載置されたシート材を、パーツのパターンに沿って裁断する裁断ユニットと、
前記裁断ユニットを駆動する裁断ユニット駆動手段と、
前記裁断ユニット駆動手段の駆動用信号を生成するデータ処理装置と、
作業者が前記データ処理装置に必要なデータを入力するコントローラと、
前記データ処理装置によって作成された画像を前記テーブルに載置されたシート材に投射するプロジェクタと、を備え、
前記データ処理装置は、上述のいずれかのシート材の裁断方法を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明において、基準パターンを変形した後の各パーツの裁断用データは、シート材の歪に対応して修正されているため、切り離されたパーツのパターン(形状)は、歪のない本来のパターンに対応した形状および柄になる。このようにして裁断されたパーツを用いて縫製を行うと、柄および寸法のずれのない衣料を作製できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の裁断方法を実施する自動裁断機の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる裁断方法の処理ステップを説明する図である。
【図3】図1の自動裁断機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1にかかる裁断方法の具体的な処理ステップを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる裁断方法の処理ステップを説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態3にかかる裁断方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態にかかるシート材の裁断方法および自動裁断機について、図面を参照して説明する。
【0023】
(実施の形態1)
<自動裁断機の構成>
図1は、本発明の裁断方法を実施する自動裁断機の全体構成を示す。自動裁断機1は、裁断機本体3、裁断ユニット4、被覆シート送り装置5、データ処理装置6、ディスプレイ7、コントローラ8、プロジェクタ9および裁断ユニット駆動装置10で構成されている。
【0024】
裁断機本体3の上面には、裁断される柄入りのシート材2(図では一部を切欠いて表示)が載置されるテーブル31が設置されている。テーブル31はコンベアで構成されており、図示しない延反装置から繰り出されたシート材2がコンベアによって矢印A方向に搬送され、テーブル31上に広げられる。またテーブル31の表面は、裁断の際にテーブル31が切断されないように剛毛ブラシ32(一部のみ表示)で覆われている。
【0025】
以後の説明では、図1に示すように、テーブル31のシート材載置面をX−Y座標で表し、シート材2の搬送方向Aと平行な方向をX軸、それと直交する方向をY軸とする。またX−Y座標で規定される面に直交する方向をZ軸とする。
【0026】
裁断ユニット4は、一対のキャリッジ41によりX軸方向に移動できるように構成されており、キャリッジ41には、テーブル31を跨ぐようにアーム42が取り付けられている。アーム42には、Y軸方向に移動可能な裁断ヘッド43が取り付けられ、更に裁断ヘッド43の下部に、シート材31を裁断するカッター44が取り付けられている。カッター44はZ軸方向に移動可能であり、シート材2を裁断する際に下方に移動する。
【0027】
キャリッジ41は、裁断機本体3内に収容されたモータおよび無端ベルト(図示せず)によりX軸方向に移動し、また裁断ヘッド43は、キャリッジ41内のモータとアーム42内のベルト(いずれも図示せず)によりY軸方向に移動する。カッター44は、裁断ヘッド43内のモータ(図示せず)によりZ軸方向に移動する。これらのモータは、裁断機本体3に収容された裁断ユニット駆動装置10からの信号により制御される。
【0028】
裁断ヘッド43は、カッター44を上下に往復動させた状態でテーブル31上のBで示す領域を前後左右に移動し、裁断ユニット駆動装置10からの信号に従い、シート材2を指定されたパターンに沿って裁断する。なお、カッター44は、ナイフ状の刃を往復動させてシート材を切断するものの他、円盤状の刃を回転させてシート材を切断するものを用いてもよい。
【0029】
被覆シート送り装置5は、シート材2の表面をポリエチレンなどの透明かつ非通気性の被覆シート51(図では一部を切欠いて表示)で覆うものである。被覆シート51は、裁断の際にシート材2の位置がずれるのを防止するために用いられる。ロールシート52から繰り出された被覆シート51は、テーブル31のコンベアによりシート材2と共に矢印A方向に搬送され、テーブル31の前端部に設けられたスタンド54付近と被覆シート送り装置5との間に広げられる。
【0030】
被覆シート51は、裁断機本体3に内蔵された吸引装置(図示せず)により、テーブル31の表面に形成された通気孔(図示せず)、および裁断機本体3の前端部と後端部の上面に形成された通気孔33を介して吸引され、シート材2および裁断機本体3に押し付けられる。
【0031】
データ処理装置6は、シート材裁断用の各種データの作成と修正、ディスプレイ7の表示用データの生成、プロジェクタ9の投射データの生成および裁断ユニット駆動装置10の駆動用データの生成を行う。データ処理装置6で作成されたシート材裁断用のデータが裁断ユニット駆動装置10に送られて、裁断ユニット4の動作を制御する。データ処理装置6は、市販されているパーソナルコンピュータで構成することができる。
【0032】
データ処理装置6へのデータ入力のうち、パーツのパターンデータは、ネットワークまたはUSBメモリなどの外部メモリを介して入力され、修正用のデータはコントローラ8を介して入力される。その他のデータは作業者がキーボード69もしくは図示しないマウスを用いて入力する。
【0033】
ディスプレイ7は、シート材2へのパーツパターンの配置を決める際に用いられ、ディスプレイ7の画面に、シート材の理論上の柄のパターンとパーツのパターン(形状)が表示される。またコントローラ8は、後述する裁断用データの作成および修正作業において、データを入力するために用いられる。
【0034】
コントローラ8は、市販のゲーム用コントローラと同様の構造を有し、また同様の機能を備えている。コントローラ8は、作業者が裁断用テーブル31の周りを自由に移動できるように、データを無線でデータ処理装置6に送信する方式を採用している。
【0035】
プロジェクタ9は、テーブル31上に載置されたシート材2上に、データ処理装置6で作成された画像を表示するものであり、後述する基準パターンをシート材2に重ねて表示し、コントローラ8と共に、裁断用のデータの修正を行うために用いられる。プロジェクタ9には、市販の液晶プロジェクタやDLPプロジェクタ以外に、種々の投射型表示装置が使用できる。
【0036】
図示しないが、裁断機本体3のシート材搬送方法Aの上流側には延反装置が設置され、ロール状に巻回されたシート材2を繰り出してテーブル31の上に広げる。同様に、裁断機本体3のシート材搬送方法Aの下流側にはピックアップテーブルが設置され、裁断されたシート材2がテーブル上に搬出される。
【0037】
本実施の形態では、テーブル31上に一枚のシート材2を載置して裁断を行う場合について説明するが、延反装置によってシート材2の繰り出しと切断を繰り返して、テーブル31上にシート材2を積層させ、複数枚のシート材を一度に裁断するようにしてもよい。ただしこの場合、積層された各シート材の歪がほとんど同じであることを条件とする。
【0038】
<シート材裁断の処理ステップ>
次に、図2を参照し、図1に示した自動裁断機1を用いて本発明の裁断方法を実施する際の処理ステップを説明する。
【0039】
図2(a)は、格子状の柄21を有するシート材2に、裁断されるパーツのパターン(形状)22aおよび22b(以降、総称して「パターン22」ともいう)を配置したものである。図1に示したように実際に裁断されるシート材は長方形であり、またシート材上にパターンの異なる複数のパーツが配置されるが、図2では、説明を分かり易くするため、正方形のシート材2の上に2つのパーツが配置された場合を示している。
【0040】
最初に、作業者はデータ処理装置6を用いて、図2(b)に示すような、X軸−Y軸で構成される仮想平面11上にシート材2の理論上の柄のパターン12を形成し、ディスプレイ7の画面に表示する。図中のX軸およびY軸は図1のテーブル31のシート材載置面のX軸およびY軸に対応している。また原点Oは位置合わせ用の目印である。
【0041】
理論上の柄パターン12は、シート材2の実際の柄21の間隔や線の太さに基づいて作成されたものであり、通常は、柄そのものではなく、柄の特徴点がわかるように抽象化して表現されている。図2(b)に示した例では、理論上の柄パターン12は、格子状の柄を構成する縦縞および横縞の中心線だけで構成されている。
【0042】
次に作業者は、図2(c)に示すように、ディスプレイ7の画面に表示された理論上の柄パターン12に、裁断するパーツのパターン22aおよび22bを重ねて表示する。この状態で、作業者は、マウスを操作してパーツパターン22aおよび22bの位置や回転角度を調整し、柄を考慮しながらパーツパターンの配置を決定する。
【0043】
なお、パーツパターン22aおよび22bのデータは、予めCAD(Computer Aided Design)装置等を用いて作成し、そのデータを、LAN等のネットワークを介し、またはUSBメモリなどを用いてデータ処理装置6のRAMに取り込んでおく。
【0044】
引き続いて作業者は、マウスを操作して画面上に位置決め用のマーカ13を表示し、そのマーカを移動させて、パーツ毎に柄合わせポイント14aおよび14b(以降、総称して「柄合わせポイント14」ともいう)を設定する。柄合わせポイント14は柄合わせの際に基準となる点であり、縦縞と横縞の交点のように外観上分かり易く、かつ柄がずれたときの影響の大きな箇所に設定する。パーツのパターンが大きい場合には、柄合わせポイント14を複数設定してもよい。
【0045】
次に、データ処理装置6は作業者の指示に従い、図2(d)に示すように、柄合わせポイント14a,14bを含む基準パターン15を作成して画面に表示する。基準パターン15は、シート材2の歪に合わせて裁断用のデータを修正する際に用いられる。図2(d)の例では、基準パターン15は、理論上の柄パターン12の縦縞および横縞に平行な直線で構成されている。
【0046】
基準パターン15の作成に際しては、理論上の柄パターン12の中から柄合わせポイント14を通る柄のデータをそのまま基準パターンとして用いるか、新たに柄合わせポイント14を通るデータを作成する。
【0047】
次に作業者は、図2(e)に示すように、プロジェクタ9を用い、基準パターン15を、パーツパターン22a,22bと共に、テーブル31上に載置されたシート材2に実寸で投射する。この際、前述の原点Oを併せて投射し、原点Oの位置をシート材2の対応する位置に合わせて、仮想平面11の座標データの原点Oをシート材の座標データの原点と一致させる。基準パターン15およびパーツパターン22a,22bは、分かり易いように赤色、緑色などの彩度の高い色で投射することが好ましい。
【0048】
図2(e)に示すように、テーブル31上に載置されたシート材2は、延反の際に加わった応力などにより歪が生じている。なお、柄21の縦縞および横縞は、実際には図2(a)に示すように複雑な形状をしているが、図2(e)では煩雑さを避けるため、縦縞および横縞を1本の線で表している。以後の図面も同様である。
【0049】
次に作業者は、図2(e)に矢印で示すように、コントローラ8を操作して、投射された基準パターン15を移動させることにより、柄合わせポイント14aおよび14bを、実際の柄の対応する箇所に重ねる。図2(f)に、柄合わせポイント14aおよび14bが、実際の柄の対応する箇所に重なった状態を示す。
【0050】
次に作業者は、コントローラ8を操作して、図2(g)に示すように、プロジェクタ9によって投射された基準パターン15の全てを、柄21に合わせて変形させる。基準パターン15は、柄合わせポイント14a、14bにおいて実際の柄21と重なり合っているため、基準パターン15の変形は、柄の縦縞または横縞の中心線に一致させるだけで済む。
【0051】
データ処理装置6は、作業者がコントローラ8を操作して基準パターン15の変形を行う都度、変位量を算出して座標データを修正し、その値を内蔵のRAMに格納する。なお、変位量の算出については、全ての基準パターンの変形が完了した後に一括して行ってもよい。
【0052】
基準パターン15の全ての線について変形が完了した後、作業者がコントローラ8を用いて作業の完了をデータ処理装置6に通知すると、データ処理装置6はRAMに格納された修正済みの座標データを読み出す。データ処理装置6は、読み出したデータを用いて仮想平面11の座標のずれを算出し、算出した値に基づいてパーツパターン22aおよび22bの座標データを修正する。
【0053】
図2(h)に、プロジェクタ9を用いて、修正されたパーツパターン22aおよび22bをシート材2に投射した状態を示す。前述の図2(g)には、データ修正前のパーツパターン22aおよび22bが投影されている。図2(g)と図2(h)を比較するとわかるように、データ修正後のパーツパターン22aおよび22bは、シート材2の歪に合わせて変形されている。従って、修正されたパターンのデータを用いて裁断を行えば、歪の影響がほとんどないパーツが得られる。
【0054】
上述したように、本発明の裁断方法では、シート材2の理論上の柄パターン12に対応して作成した基準パターン15を、テーブル31上に載置されたシート材2に実寸で投射し、基準パターン15を実際の柄のパターン21に合わせて変形させることにより、パーツパターンの裁断用データを修正している。通常、基準パターンはシート材の柄の特徴点(例えば縦縞や横縞)と重なっている。従って、基準パターンの変形は、投射された基準パターンを柄に合わせて変形させるだけで済むため、作業を簡単かつ確実に行うことができる。
【0055】
基準パターンを作成する他の方法として、縦縞および横縞に平行な線を仮想平面上に等間隔に引き、それを基準パターンとして使用することも考えられる。この方法を採用した場合、パターンの間隔が狭ければ座標データ修正の精度が高まるが、データの処理量が膨大になり、作業性が悪くなる。これに対し、パターンの間隔を広げるとデータの処理量が少なくなり、作業性が改善されるが、その反面、パターン間に位置する柄に合わせたパーツは、基準パターンを変形させたときに柄合わせがずれてしまう。その場合、基準パターンの変形後にパーツを移動して柄合わせをし直す必要が生じ、かえって作業性が低下する。これに対し、上述した本発明の方法を採用すれば、基準パターンを柄合わせポイントから作っているため、基準パターンを変形させたときに柄合わせがずれることはない。
【0056】
なお、上述の説明では、テーブル31に載置されたシート材2に、柄合わせポイント14を含む基準パターン15を投射したが、柄合わせポイント14の位置合わせは、柄合わせポイント14だけを用いて行うことができる。従って、当初は柄合わせポイント14だけをマーカ13と共に投射し、位置合わせが終了した後に基準パターン15をシート材2に投射するようにしてもよい。
【0057】
ただしこの場合には、パーツパターン22a,22bを柄合わせポイント14と共に投射することが好ましい。これは、パーツパターン22a,22bが投射されると、シート材2の柄合わせポイントに対応する柄の位置を見つけ易いためである。
【0058】
<自動裁断機の動作>
次に、図3および図4を参照して、自動裁断機1の動作を説明する。図3は自動裁断機1の制御系の構成を示し、図4は自動裁断機1の動作のフローを示す。
【0059】
図3に示すように、自動裁断機1の制御系は、データ処理装置6、ディスプレイ7、コントローラ8、プロジェクタ9および裁断ユニット駆動装置10で構成されている。これらのうちデータ処理装置6を除いた部材については、先に説明しているため、ここでは、データ処理装置6について説明する。
【0060】
データ処理装置6は、CPUからなる演算部61、ROM62およびRAM63で構成されている。演算部61は、ROM62または外部記憶装置であるハードディスク(図示せず)に格納されたソフトウェアを読み出して実行することにより、ブロック内に示した多くの機能を実現している。RAM63はワーキングメモリとしての機能を備え、また演算部61で算出したデータを一時的に格納する。
【0061】
演算部61で実現する機能のうちデータ作成手段64は、図2に示した理論上の柄パターン11、柄合わせポイント15および基準パターン16を作成する。理論上の柄パターン11の作成に必要な柄の間隔、太さ等のデータは、パーツパターン22のデータと共に、USBメモリ等によりRAM63に取り込まれる。柄合わせポイント14および基準パターン15のデータは、マウスから入力されたデータに基づいて作成される。
【0062】
データ修正手段65は、コントローラ8から入力されたデータに基づいて基準パターン15の座標データを修正し、更に修正された基準パターン15の座標データに基づいてパーツパターン22の座標データを修正する。
【0063】
表示データ生成手段66は、データ作成手段64およびデータ修正手段65で作成されたデータに基づいてディスプレイ7に表示されるデータを生成する。同様に投射データ生成手段67は、データ作成手段64およびデータ修正手段65で作成されたデータに基づいてプロジェクタ9に表示されるデータを生成する。
【0064】
裁断データ生成手段68は、データ修正手段65で修正された各パーツのパターン22の座標データに基づいて、裁断ユニット駆動手段10の駆動用データを生成する。
【0065】
次に、図4のフローチャートを参照して自動裁断機1における具体的な処理ステップを説明する。ステップS1において、演算部61のデータ作成手段64は、作業者の指示に従い、RAM63に格納されたシート材の柄に関するデータを読み出して、図2(b)に示す理論上の柄を仮想平面11上に作成する。表示データ生成手段66は、その柄をディスプレイ7の画面に表示する。
【0066】
ステップS2において、データ作成手段64は、図2(c)に示すように、RAM63に格納されたパーツパターン22のデータを読み出して理論上の柄パターン12に重ねて表示する。作業者は、マウスを操作して画面に表示されたパーツの位置を移動させ、柄の位置および回転角度を考慮しながらパーツの配置を決める。引き続いてステップS3において、作業者は、画面上にマーカ13を表示し、パーツ毎に柄あわせポイント14を設定する。
【0067】
ステップS4において、データ作成手段64は、作業者の指示に従い、柄あわせポイント14を交点に含む十字状の基準パターン15を作成する。表示データ生成手段66は、その基準パターンを画面に表示する。
【0068】
ステップS5において、作業者は図示しない延反装置および被覆シート送り装置5を操作して、裁断機本体3のテーブル31上にシート材2と被覆シート51を重ねて載置する。その後、裁断機本体3内に設置された吸引装置を動作させ、負圧によりシート材2と被覆シート51をテーブル31にしっかりと固定する。なお、テーブル31上へのシート材2の載置は、ステップS1〜S4のデータ作成処理と並行して行われる。
【0069】
ステップS6において、投射データ生成手段67は、作業者の指示に従い、図2(d)に示す基準パターンとパーツのパターンの投射データを生成し、そのデータをプロジェクタ9に転送する。転送されたデータはプロジェクタ9によりテーブル31上に載置されたシート材2に実寸で投射される。
【0070】
ステップS7において、作業者はコントローラ8を操作して、投射された基準パターン15を移動させ、図2(e)および(f)に示した手順で、柄合わせポイント14を対応するシート材2の柄に重ねる。前述したように、柄合わせポイント15は鮮明な色で表示され、また格子の縦縞と横縞の交点に設定されているため、位置合わせは比較的容易に行える。
【0071】
ステップS8において、作業者はコントローラ8を操作して、図2(g)に示すように、基準パターン16の各直線を対応する柄に合わせて変形させる。基準パターンの変形に伴い、演算部61のデータ修正手段65は、基準パターン15の座標データを修正する。
【0072】
ステップS9において、演算部61により、基準パターン15を構成する全ての線について変形が完了したか否かが判断され、変形が完了した場合にはステップS10の処理に進み、変形が完了していない場合はステップS8の処理に戻る。
【0073】
ステップS10において、データ修正手段65は、修正された基準パターン15の座標データに対応する形で仮想平面11上に配置されたパーツパターン22のデータを修正する。引き続き裁断データ生成手段68は、修正されたパーツパターン22のデータに基づいて裁断用のデータを生成する。
【0074】
パーツパターン22の座標データの修正に際しては、一例として、基準パターンの座標データの変位量に基づいてX−Y座標に格子状に設定した各点の変位量を算出し、その変位量に対応した値をパーツパターンの座標データに付加する。しかしこの方法に限定されず、柄の特性を考慮して最適の方法を採用すればよい。
【0075】
ステップS11において、裁断データ生成手段68で生成された裁断用のデータは裁断ユニット駆動手段10に転送され、裁断ユニットを駆動することによりシート材2の裁断が実行される。
【0076】
裁断が終了したシート材2は、その後、テーブル31のコンベアを駆動して、被覆シート51と共に図示しないピックアップテーブル上に搬送され、裁断作業は終了する。
【0077】
上述の説明は、基準パターンの座標データの位置と回転方向を修正することを前提としている。しかし、図1の自動裁断機の構成から分かるように、シート材2の歪は、主としてシート材2の搬送方向Aと平行なX軸方向に生じ、それと直交するY軸方向には生じにくい。
【0078】
座標データの厳密な修正を行うためには、X軸方向およびY軸方向の両方の座標を修正する必要があるが、Y軸方向の歪を無視できる場合には、X軸方向の修正のみを行うことにより、演算部61における演算量を大幅に削減でき、作業時間の短縮につながる。
【0079】
(実施の形態2)
実施の形態1では格子状の柄を有するシート材の裁断について説明したが、ストライプ状の柄を有するシート材の裁断では、裁断までの処理ステップが若干異なっている。本実施の形態では、図5を参照し、ストライプ状の柄を有するシート材を裁断する場合の処理ステップについて、格子状の柄を有するシート材の裁断と異なる点を中心に説明する。
【0080】
図5(a)は、ストライプ状の縦縞の柄21Aを有するシート材2Aに裁断されるパーツ22aおよび22bのパターンを配置したものである。図2と同様、説明を分かり易くするため、正方形のシート材2Aの上に2つのパーツが配置された状態を示している。
【0081】
格子状の柄と異なり、ストライプ状の柄のシート材を裁断する場合、ストライプと平行する方向の柄合わせについてはほとんど考慮する必要がないため、これに対応してシート材を裁断する際の処理内容が異なってくる。
【0082】
図5(b)には、理論上の柄パターン12Aに裁断するパーツのパターン22aおよび22b、ならびに位置決め用のマーカ13を重ねて表示した状態を示す。図2に示す格子状の柄と異なるのは、ストライプに対応して理論上の柄パターン12Aが上下方向に延びる直線で構成されている点である。
【0083】
格子状の柄では、柄21の縦縞と横縞の交点に柄合わせポイント14を設定したが、ストライプ状の柄では交点は存在しないため、理論上の柄パターン12(図では縦縞)と重なり合う直線上のいずれかの点に柄合わせポイント14aおよび14bを設定する。
【0084】
図5(c)に、柄合わせポイント14aおよび14bを含む基準パターン15Aを理論上の柄パターン12Aに重ねて表示した状態を示す。基準パターン15Aは、格子状の柄の場合と異なり、縦縞と平行な直線で表される。
【0085】
図5(d)に、プロジェクタ9により、基準パターン15Aが、テーブル31上に載置されたシート材2Aに実寸で投射された状態を示す。柄合わせポイント14aおよび14bの位置合わせにおいては、格子状の柄と異なり、図5(d)および図5(e)に示すように、柄合わせポイント14aおよび14bを、柄の縦縞と一致する位置まで横方向に移動させる。これは、上述したようにストライプ状の柄では、ストライプと平行する方向の柄合わせを考慮する必要がないためである。
【0086】
その後、図5(f)に示すように、基準パターン15Aを柄の縦縞に合わせて変形させる。このようにして基準パターンのデータおよびパーツパターンのデータを修正し、修正されたデータに基づいて裁断用のデータを生成する。
【0087】
本実施の形態では、縦縞すなわちY軸と平行な柄を有するシート材を裁断する場合について説明したが、上述の裁断方法は、横縞すなわちX軸と平行な柄を有するシート材にも適用できることは言うまでもない。
【0088】
更に、花柄のように明確な縦縞や横縞を有しない柄についても、柄がX軸方向もしくはY軸方向に繰り返し配置されるのが一般的である。従って、花柄の中心部を結ぶ直線を描くことにより、仮の縦縞もしくは横縞、あるいは格子を形成することができ、その仮の縦縞または横縞、あるいは格子に対して上述の裁断方法を適用できる。
【0089】
(実施の形態3)
シート材にパターンの異なる複数のパーツを配置して裁断を行う場合には、シート材上に基準パターンが分散して配置されるため、座標データの修正を行う際に必要となるデータが、仮想平面上に分散している。これに対し、シート材に長尺のパターンのパーツが偏って配置された場合のように、基準パターンの配置に偏りが生じる場合には、場所によって、座標データの修正を行う際の必要となるデータが不足する。
【0090】
このようなデータに基づいて、パーツパターンのデータの修正を行うと、実際の歪との誤差が大きくなり、裁断用データの信頼性が低下する。本実施の形態では、基準パターンの配置に偏りが生じた場合のデータ補完方法について説明する。
【0091】
図6は、長尺状のパーツパターン22c〜22fを、シート材の上下方向に配列した場合において、仮想平面11上に理論上の柄パターン12B、各パーツのパターン22c〜22fおよび基準パターン15Bを配置した状態を示す。
【0092】
パーツパターン22c〜22fが上下方向に整列して配置され、かつ柄合わせポイント14c〜14fが上方に偏って設定されているため、柄合わせポイントを交点として作成された基準パターン15Bもシート材の上半分に偏って存在する。このような基準パターンを変形させて座標データ修正用のデータを作成した場合、シート材の下半分には修正用データの密度が低くなり、特にY軸方向の修正用データは、ほとんど存在しない。
【0093】
このようなデータに基づいてパーツパターンのデータを修正した場合、シート材の下半分の修正データの誤差が大きくなり、結果として、裁断用データの適切な修正が困難となる。
【0094】
本実施の形態では、このような場合に、基準パターンの密度の低い領域を理論上の柄パターンのデータで補完することにより、裁断用データの適切な修正を実現している。
【0095】
具体的には、図6に示す理論上の柄パターン12Bを、プロジェクタ9を用いて、基準データ15Bと共に、テーブル31に載置されたシート材2に投射する。作業者は、投射された柄パターンを構成する線を基準パターン15Bと同様に変形させる。演算部61のデータ修正手段65は、基準パターン15Bと柄パターン12Bの両方の変形データに基づいて仮想平面11上に配置されたパーツパターン22c〜22fのデータを修正する。
【0096】
理論上の柄パターン12Bを構成する線の数が多い場合には、柄パターンの中からデータ修正に使用するパターンを選択し、選択されたパターンのみ変形するようにすれば、データの修正作業を効率的に行える。この場合、選択しなかったパターンは基準パターンとして機能しない。
【0097】
以上説明したように、本発明にかかるシート材の裁断方法を用いれば、裁断テーブル上に載置されたシート材の歪の影響を除去したパターンのパーツを得られる。このパーツを後いて縫製を行うことにより、柄や寸法のずれのない商品価値の高い衣料を作製できる。
【符号の説明】
【0098】
1 自動裁断機
2、2A シート材
3 裁断機本体
4 裁断ユニット
5 被覆シート送り装置
6 データ処理装置
7 ディスプレイ
8 コントローラ
9 プロジェクタ
10 裁断ユニット駆動装置
11 仮想平面
12、12A、12B 理論上の柄パターン
13 マーカ
14a〜14f 柄合わせポイント
15、15A、15B 基準パターン
21 柄
22a〜22f パーツのパターン
31 テーブル
32 剛毛ブラシ
33 通気孔
41 キャリッジ
42 アーム
43 裁断ユニット
44 カッター
51 被覆シート
52 シートロール
53 スタンド
61 演算部
62 ROM
63 RAM
64 データ作成手段
65 データ修正手段
66 表示データ生成手段
67 投射データ生成手段
68 裁断データ生成手段
69 キーボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄入りシート材を、少なくとも1つのパーツのパターンに沿って裁断する方法であって、以下の各ステップを含むことを特徴とするシート材の裁断方法。
前記シート材に対応する仮想平面上に、シート材の柄の特徴点に対応した理論上の柄のパターンを形成するステップ、
前記仮想平面上に前記パーツのパターンを配置すると共に、パーツ毎に柄合わせポイントを設定するステップ、
前記仮想平面上に前記柄合わせポイントを含む基準パターンを形成するステップ、
テーブル上に載置されたシート材に、プロジェクタを用いて前記柄合わせポイントを単独で、もしくは前記基準パターンと共に実寸で投射すると共に、前記柄合わせポイントを前記シート材の対応する位置に移動させるステップ、
前記シート材に投射された前記基準パターンの形状を前記シート材の柄の形状に合わせて変形させると共に、変形に応じて前記基準パターンの座標データを修正するステップ、
修正された前記基準パターンの座標データに対応して前記パーツのパターンの座標データを修正するステップ、
修正された前記パーツのパターンの座標データに基づいて前記シート材を裁断するステップ。
【請求項2】
前記柄合わせポイントと共に、前記パーツのパターンを前記テーブル上に載置されたシート材に実寸で投射することを特徴とする、請求項1に記載のシート材の裁断方法。
【請求項3】
前記シート材の柄が格子状である場合には、前記柄合わせポイントを縦縞と横縞の交点に設定することを特徴とする、請求項1または2に記載のシート材の裁断方法。
【請求項4】
前記柄入りシート材の柄がストライプ状である場合には、前記柄合わせポイントをストライプ上に設定し、
また前記シート材に投射された前記柄合わせポイントを対応する柄に重ねる際、前記柄合わせポイントがストライプの柄と重なるようにストライプと直交する方向に移動させることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のシート材の裁断方法。
【請求項5】
前記基準パターンの座標データを修正する際に、前記シート材の送り方向と平行な座標軸のデータだけを修正することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のシート材の裁断方法。
【請求項6】
前記基準パターンと共に前記理論上の柄のパターンを前記テーブル上に載置されたシート材に投射し、前記基準パターンと共に前記理論上の柄のパターンを変形させ、得られる座標データの修正値に基づいて、前記パーツのパターンの座標データを修正することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載のシート材の裁断方法。
【請求項7】
柄入りシート材を、少なくとも1つのパーツのパターンに沿って裁断する自動裁断機であって、
上面に柄入りのシート材が載置されるテーブルを備えた裁断機本体と、
前記テーブルに載置されたシート材を、パーツのパターンに沿って裁断する裁断ユニットと、
前記裁断ユニットを駆動する裁断ユニット駆動手段と、
前記裁断ユニット駆動手段の駆動用信号を生成するデータ処理装置と、
作業者が前記データ処理装置に必要なデータを入力するコントローラと、
前記データ処理装置によって作成された画像を前記テーブルに載置されたシート材に投射するプロジェクタと、を備え、
前記データ処理装置は、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシート材の裁断方法を実行することを特徴とする自動裁断機。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図2】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−136811(P2012−136811A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291606(P2010−291606)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000151221)株式会社島精機製作所 (357)
【Fターム(参考)】