説明

シート材集積装置及びシート材集積方法

【課題】シート材集積台に集積されたシート材の幅方向の両端面を揃えることができるシート材集積装置及びシート材集積方法を提供する。
【解決手段】ベルトコンベア42から投入された平版印刷版48が集積される集積台102と、集積台102へ搬送方向aに沿って立設され、平版印刷版48の幅方向一方の端面を揃える第1ガイド部材126Aと、第1ガイド部材126Aに対して平行に、しかも集積台102を挟んで相対向するように配置された第2ガイド部材126Bと、第1ガイド部材126Aの少なくとも一部を構成するとともに、第2ガイド部材126Bとの距離が平版印刷版48の幅Dに等しい基準位置と、第2ガイド部材126Bとの距離が平版印刷版48の幅Dよりも大きな離間位置との間で変位するプッシャ226と、プッシャ226を変位させ、前記シート材の幅方向の両端面を揃える駆動手段136とを備えるシート材集積装置、シート材集積方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材集積装置及びシート材集積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平版印刷版を製造するラインでは、アルミニウムウェブの片面または両面を粗面化した支持体ウェブの粗面化面に、感熱性または感光性の製版層を形成し、得られた平版印刷版ウェブを所定の幅にスリットした後、所定の長さに裁断して平版印刷版としている。
【0003】
このようにして得られる平板印刷版や、あるいは記録用紙等のシート材は、製造工程においてシート材集積装置で集積される。
【0004】
シート材集積装置の一例として、一対の板ばね部材を、平版印刷版の幅の+0〜−5mmの間隔となるように搬送方向と平行に配置して側壁とし、板ばね部材の付勢力によって印刷版を中心位置へ位置決めするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
シート材集積装置のもう一つの例として、シート材の集積部に、搬送方向に交差して移動可能な第1及び第2の側部ガイドを設け、第1の側部ガイドを凸状でアーチ形の面を備えたリジッドな位置調整部材とし、第2の側部ガイドをフレキシブルな位置調整部材としたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−308513号公報
【特許文献2】特開平10−120280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載された形態のシート材集積装置では、平版印刷版が蛇行されて搬送されてきた場合に、前記平版印刷版が正規の投入位置から幅方向に沿って偏倚した状態で投入されたり、進行方向に対して傾いた状態で投入されたりすると、前記偏倚や傾きが顕著な場合には、前記ばね部材によって前記平版印刷版の姿勢を修正しきれずに、前記平版印刷版が前記板ばね部材の間に引っ掛かることがあった。
【0007】
また、特許文献2に記載された形態のシート材集積装置では、大量に集積され重くなっているシート束の端面を第1及び第2の側部ガイドで揃えようとしても、片側にフレキシブルな面が形成されているため、押し込みきれずに揃えられない場合があった。
【0008】
本発明は、シート材集積台に集積されたシート材の幅方向の両端面を揃えることができるシート材集積装置及びシート材集積方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に係るシート材集積装置は、シート材を搬送するシート材搬送手段から投入された該シート材が集積されるシート材集積台と、前記シート材集積台へ前記シート材の搬送方向に沿って立設され、前記シート材の幅方向一方の端面を揃える第1ガイド部材と、前記第1ガイド部材に対して平行に、しかも前記シート材集積台を挟んで相対向するように配置された第2ガイド部材と、前記第1ガイド部材の少なくとも一部を構成するとともに、前記第2ガイド部材との距離が前記シート材の幅に等しい基準位置と、前記第1ガイド部材との距離が前記シート材の幅よりも大きな離間位置との間で変位するプッシャと、前記第2ガイド部材におけるプッシャを変位させ、前記シート材の幅方向の両端面を揃える駆動手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、通常、シート材が、シート材搬送手段からシート材集積台に投入されると、シート材の幅方向に偏って積載される。
【0011】
このため、シート材が投入されたとき、駆動手段を駆動して、プッシャをシート材の幅方向の他方の端面と非接触となる離間位置まで変位させる。
【0012】
これにより、シート材は、第1ガイド部材、第2ガイド部材に引っ掛かることなくシート材集積台に集積される。
【0013】
この後、プッシャがシート材の幅方向の他方の端面に接触する基準位置まで変位することで、シート材の幅方向の一方の端面が第2ガイド部材に当り、シート材集積台に集積されたシート材の幅方向の両端面を揃えることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート材集積装置において、前記シート集積台でシート材が集積されて形成されるシート束の上面の高さが前記プッシャの上縁の高さよりも低くなるように高さ制御されるものに関する。
【0015】
前記シート材集積装置によれば、シート集積台に投入されるシート材は、前記プッシャと第1ガイド部材とで確実に位置決めされてからシート束上に載置される。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のシート材集積装置において、前記第1ガイド部材全体がプッシャであるものに関する。
【0017】
前記シート材集積装置によれば、第1ガイド部材全体がプッシャであるから構成が単純である。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のシート材集積装置において、第1ガイド部材は、前記第2ガイド部材との距離が前記シート材の幅よりも大きな離間位置に固定されたガイド部と、前記ガイド部の下方に位置するプッシャとに分かれているものに関する。
【0019】
前記シート材集積装置においては、第1ガイド部材におけるガイド部と、第2ガイド部材とによってシート集積枠が形成されるが、前記シート集積枠の幅は、シート材の幅よりも前記プッシャの移動量分だけ大きくなるから、シート集積枠の幅がシート材の幅と実質的に等しい場合に比較してシート材が蛇行されて投入される場合の蛇行許容範囲が拡大する。
【0020】
したがって、シート材を短い間隔で投入した場合に、前に投入したシート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との間に引っ掛かって落下できず、次に投入されたシート材と干渉することが防止される。
【0021】
しかも、シート集積台に投入されたシート材は前記プッシャによって位置決めされるから、第1ガイド部材または第2ガイド部材全体をプッシャとした場合と同様の幅方向揃い精度が得られる。
【0022】
請求項5に係るシート材集積装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載のシート材集積装置において、前記第1ガイド部材の上部及び前記第2ガイド部材の上部に、前記シート材を前記シート材集積台に案内する傾斜面を形成したものに関する。
【0023】
上記構成によれば、シート材搬送手段からシート材集積台にシート材が投入されたとき、シート材が第1ガイド部材又は第2ガイド部材の上部と接触する場合がある。
【0024】
このとき、第1ガイド部材の上部及び第2ガイド部材の上部に傾斜面が形成されているので、シート材は傾斜面に接触して、シート材集積台へ案内される。
【0025】
これにより、シート材が、第1ガイド部材の上部又は第2ガイド部材の上部で引っ掛かることがなくなり、シート材の幅方向の両端面を揃えることができる。
【0026】
請求項6に記載のシート材集積装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載のシート材集積装置において、前記シート材集積台に投入される前記シート材の先端を検知する検知手段を設け、前記検知手段で検知されたタイミングに同期して、前記駆動手段の駆動を開始し、前記プッシャを前記離間位置へ変位させる制御手段を有するものに関する。
【0027】
上記構成によれば、検知手段が、シート材集積台に投入されるシート材の先端を検知する。
【0028】
制御手段が、検知手段で検知されたタイミングに同期して駆動手段を駆動し、第2ガイド部材を離間位置へ変位させるので、第1ガイド部材と第2ガイド部材の距離が離れた状態でシート材をシート材集積台に投入させることができる。
【0029】
これにより、シート材が途中で引っ掛かることがなくなり、シート材の両端面を揃えることができる。
【0030】
請求項7に記載のシート材集積装置は、請求項6に記載のシート材集積装置において、前記制御手段が、前記シート材の搬送速度に合わせて前記プッシャの変位の周期を選択し、該周期に基づいて前記駆動手段の駆動を制御して、前記プッシャを振動させる物に関する。
【0031】
上記構成によれば、制御手段が、シート材搬送手段におけるシート材の搬送速度に合わせてプッシャの変位の周期を選択し、該周期に基づいて駆動手段の駆動を制御して、プッシャを振動させる。
【0032】
これにより、シート材が連続してシート材集積台に投入されても、第2ガイド部材が離間位置にいるときにシート材を投入させることができるので、シート材が引っ掛かることがなくなり、シート材の両端面をそろえることができる。
【0033】
本発明の請求項8に係るシート材集積装置は、請求項1〜7の何れか1項に記載のシート材集積装置において、前記駆動手段が複数箇所に設けられ、前記プッシャを複数箇所で同時に駆動するものに関する。
【0034】
上記構成によれば、プッシャが複数箇所で同時に駆動されることにより、プッシャが撓むことなくシート材の端面に均等に接触するので、シート材の端面が揃えられる。
【0035】
本発明の請求項9に係るシート材集積装置は、請求項2〜8のいずれか1項に記載のシート材集積装置において、前記第1ガイド部材全体がプッシャとして機能するとともに、前記第2ガイド部材が、前記駆動手段によって前記離間位置又は前記基準位置へ変位可能に設けられ、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材が交互に変位するものに関する。
【0036】
上記構成によれば、第1ガイド部材が離間位置へ変位し、シート材がシート材集積台に投入される。
【0037】
続いて、第1ガイド部材が基準位置へ変位し、シート材の一方の端面がそろえられる。
【0038】
続いて、第2ガイド部材が離間位置へ変位してから、基準位置へ変位する。
【0039】
これにより、シート材の幅方向の両端面を揃えることができる。
【0040】
請求項10に記載の発明は、シート材を搬送するシート材搬送手段から投入された該シート材が集積されるシート材集積台と、前記シート材集積台の前記シート材の搬送方向に沿った側縁に対して平行に立設され、前記シート材の幅方向一方の端面を揃える第1ガイド部材と、前記シート材集積台を挟んで前記第1ガイド部材に相対向するように立設され、前記シート材の幅方向他方の端面を揃える第2ガイド部材と、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材とを、下端を中心として互いに閉じる方向または開く方向に揺動させて前記シート材の幅方向の両端面を揃える揺動手段と、を備えることを特徴とするシート材集積装置に関する。
【0041】
前記構成のシート材集積装置によれば、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材との間にシート材を投入する。そして、投入されたシート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との間を落下する間に、第1ガイド部材と第2ガイド部材とを揺動させて、シート材をシート材集積台上の所定位置へと誘導する。これにより、シート材の幅方向の両端面が揃えられる。
【0042】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のシート材集積装置において、前記第1ガイド部材および第2ガイド部材が、何れも、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とが閉じたときに前記シート集積台に対して垂直になるように形成された垂直部と、前記垂直部の上方において外側に向かって傾斜する傾斜部と、を有し、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、互いに閉じたときの垂直部の間隔が、集積されるシート材の幅にシート材の揃い許容幅を加えた寸法になるように配設されていることを特徴とする。
【0043】
前記構成のシート集積装置によれば、第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、何れも垂直部とその上方に延在して外側に開く方向に傾斜した傾斜部とを有している。シート材を、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが互いに閉じた状態のときに投入した場合において、前記シート材の投入位置に、幅方向に沿って多少の誤差があっても、投入されたシート材が第1ガイド部材および第2ガイド部材の何れにも引っ掛かることなく、投入される。
【0044】
そして、投入されたシート材が第1ガイド部材の垂直部および第2ガイド部材の垂直部の間を落下するときに、第1ガイド部材と第2ガイド部材とを互いに閉じる方向に揺動させることにより、前記シート材は、所定の集積位置に誘導されてシート集積台に集積される。ここで、垂直部の間隔は、シート材の幅に揃い許容量を加えた寸法であるから、シート材の幅に多少の誤差があっても垂直部に引っ掛かることなく落下する。
【0045】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のシート材集積装置において、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とが互いに同期して揺動することを特徴とする。
【0046】
前記構成のシート積層装置によれば、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが互いに開く方向に揺動するときは、両者の動きは同期するから、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが同期しない形態のシート材集積装置と比較して、投入されたシートが第1ガイド部材または第2ガイド部材に引っ掛かるのを更に効果的に防止することができる。
【0047】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のシート集積装置において、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とが、シート材が投入される前は互いに閉じた状態にあり、前記シート材が投入されると、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、互いに閉じた状態から前記揺動手段によって互いに開く方向に揺動し、前記シート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との垂直部の間を落下する間に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは前記揺動手段によって再び互いに閉じる方向に揺動することを特徴とする。
【0048】
前記構成のシート材集積装置によれば、投入されたシート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との垂直部の間を落下する間に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とが再び互いに閉じる方向に揺動するから、前記シート材は、第1ガイド部材と第2ガイド部材とで位置決めされた状態で集積台上に集積される。
【0049】
したがって、集積台上におけるシート材の側縁のずれを最小限に抑えた状態でシート材を集積できる。
【0050】
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載のシート材集積装置において、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、シート材が投入される前は互いに開いた状態にあり、前記シート材が投入され、前記シート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との垂直部の間を落下する間に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、互いに開いた状態から前記揺動手段によって互いに閉じる方向に揺動し、次いで再び互いに開く方向に揺動することを特徴とする。
【0051】
前記シート材集積装置によれば、シート材は、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが互いに開いた状態で投入された後に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とで位置決めされる。
【0052】
したがって、請求項13に記載されたシート材集積装置に比較して、シートの幅方向に沿った投入位置のばらつきが大きな場合におけるシート材の第1ガイド部材および第2ガイド部材への引っ掛かりを更に効果的に抑止できる。
【0053】
請求項15に記載の発明は、請求項13または14に記載のシート材集積装置において、シート材搬送手段から投入されたシート材を検出するシート材検出センサを備え、前記揺動手段は、前記シート材検出センサがシート材を検出したタイミングに基いて前記第1ガイド部材および第2ガイド部材を揺動させるタイミングを決定することを特徴とする。
【0054】
前記シート材集積装置によれば、前記揺動手段は、前記シート材検出センサがシート材を検出したタイミングに基いて前記第1ガイド部材および第2ガイド部材を揺動させるタイミングを決定しているから、シート材を投入するタイミングが変動しても、シート材の第1ガイド部材および第2ガイド部材への引っ掛かりを効果的に抑止しつつ、シート材の集積を継続できる。
【0055】
本発明の請求項16に係るシート材集積方法は、請求項1〜9の何れか1項に記載のシート材集積装置を用いてシート材を集積するシート材集積方法であって、前記プッシャを前記離間位置へ変位させ、前記シート材を前記シート材集積台に投入する工程と、前記プッシャを前記基準位置へ変位させ、前記シート材の幅方向の両端面をそろえる工程と、を有することを特徴としている。
【0056】
上記構成によれば、シート材がシート材搬送手段からシート材集積台に投入され、プッシャが離間位置へ変位する。これにより、シート材は、第1ガイド部材、プッシャに引っ掛かることなくシート材集積台に集積される。
【0057】
この後、プッシャがシート材の幅方向の他方の端面に接触する基準位置まで変位することで、シート材の幅方向の一方の端面が第1ガイド部材に当り、シート材集積台に集積されたシート材の幅方向の両端面を揃えることができる。
【0058】
本発明の請求項17に係るシート材集積方法は、請求項9に記載のシート材集積装置を用いてシート材を集積するシート材集積方法であって、前記第1ガイド部材を前記離間位置へ変位させ、前記シート材を前記シート材集積台に投入する工程と、前記第1ガイド部材を前記基準位置へ変位させ、前記シート材の一方の端面をそろえる工程と、前記第2ガイド部材を前記離間位置へ変位させる工程と、前記第2ガイド部材を前記基準位置へ変位させ、前記シート材の他方の端面をそろえる工程と、を有することを特徴としている。
【0059】
上記構成によれば、第1ガイド部材が離間位置へ変位し、シート材がシート材集積台に投入される。
【0060】
続いて、第1ガイド部材が基準位置へ変位し、シート材の一方の端面がそろえられる。
【0061】
続いて、第2ガイド部材が離間位置へ変位してから、基準位置へ変位する。
【0062】
これにより、シート材の両端面をそろえることができる。
【0063】
請求項18に記載の発明は、請求項10〜15の何れか1項に記載のシート材集積装置を用いてシート材を集積するシート材集積方法であって、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とを互いに開く方向に揺動させて前記シート材を前記シート材集積台に投入する工程と、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とを互いに閉じる方向に揺動させて前記シート材の幅方向の両端面をそろえる工程と、を有することを特徴とする。
【0064】
前記構成のシート材集積装置によれば、シートが投入されると、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが揺動してシート材の位置決めをする。
【0065】
したがって、前記シート材は、幅方向の投入位置に多少の誤差があっても、第1ガイド部材および第2ガイド部材の何れにも引っ掛かることなく、シート集積台の上方に投入されるとともに、集積台上の所定位置に集積されるから、シート材の幅方向の両端面が揃えられる。
【発明の効果】
【0066】
本発明は、上記構成としたので、シート材集積台に集積されたシート材の幅方向の両端面を揃えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
1.実施形態1
【0068】
以下、本発明のシート材集積装置において、第1ガイド部材全体がプッシャとして機能するものの一例について説明する。
【0069】
図1及び図2に、1実施形態に係る集積装置100が組み込まれた平版印刷版の加工ライン10の構成を示す。
【0070】
図1に示すように、加工ライン10の上流側(図1の右上側)には、ウエブ送出機16が配設されている。
【0071】
ウエブ送出機16は、平版印刷版の素材であるウエブ12がロール状に巻き取られたウエブロール14が着脱可能に装填されている。また、ウエブ送出機16は、加工ライン10のライン速度に対応する速度で、ウエブロール14からウエブ12を連続的に下流側へ送り出すようになっている。
【0072】
ウエブ12は、レベラ18によりカールが矯正された後、下流側に配設された圧着ローラ20に搬送される。
【0073】
圧着ローラ20は、ウエブ12の上面(感光層表面)に合紙送出機22から送られてきた帯状の合紙24を圧着する。このとき、ウエブ12へ圧着された合紙24は帯電装置(図示せず)により帯電されてウエブ12へ静電接着される。圧着ローラ20の下流側にはノッチャー26が配置されている。
【0074】
なお、本実施形態では合紙24を用いた場合について説明しているが、合紙24無しでもよい。
【0075】
ノッチャー26は、ウエブ12のスリット幅を変更する際に、ウエブ12における幅方向に沿った中央部及び両側端部をそれぞれ打抜き、ウエブ12の中央部及び両側端部にそれぞれ所定形状の切欠部(ノッチ)を形成する。これにより、ウエブ12と合紙22とを同時に連続裁断しつつ、ウエブ12の幅変更が可能になる。
【0076】
ノッチャー26の下流側には、ウエブ12を所定のスリット幅に裁断するスリッタ装置28が配設されている。また、スリッタ装置28の下流側には、送り長をカウントする測長装置30が配設されている。
【0077】
ここで、スリッタ装置28によって所定のスリット幅に裁断されたウエブ12は、測長装置30により送り長がカウントされ、予め設定されたカウント値になると、それに同期してカッター32によりウエブ幅方向に沿って切断されるようになっている。これにより、所定サイズの平版印刷版48が製造される。
【0078】
図2に示すように、カッター32の下流側には、複数台のベルトコンベア34,42により構成された搬送装置36が設けられている。
【0079】
ベルトコンベア34は、回転可能に設けられた一対のローラ33にベルトが張架されており、ベルトが矢印F方向に移動可能となっている。ベルトコンベア42も同様に、回転可能に設けられた一対のローラ41にベルトが張架されており、ベルトが矢印F方向に移動可能となっている。
【0080】
このベルトコンベア34、42によって、ウエブ12から切断された平版印刷版48は下流側へ搬送されるようになっている。
【0081】
なお、スリッタ装置28(図1参照)によりウエブ12が幅方向に沿って2分割され、カッター32によって2枚の平版印刷版48が同時に切断される場合がある。この場合、2枚の平版印刷版48は、集積装置100への搬送途中に設置された図示しない振分ゲート等によりそれぞれ異なるベルトコンベア42上に振り分けられ、異なる位置に設置された2台の集積装置100へそれぞれ投入される。
【0082】
一方、ベルトコンベア34とベルトコンベア42との間には、平版印刷版48の搬送先を切替えるための振分ゲート40が設置されている。
【0083】
振分ゲート40は、ウエブ12から切断された平版印刷版48がサンプル品や不良品等である場合に、該当する平版印刷版48をラインアウト用のベルトコンベア38上へ振り分けるようになっている。
【0084】
ベルトコンベア38は、回転可能に設けられた一対のローラ37にベルトが張架された構成となっており、サンプル品や不良品等の平版印刷版48を、下流側に配置された回収箱44へ搬送するようになっている。
【0085】
搬送装置36の終端部には、複数枚の平版印刷版48を集積する集積装置100が設けられている。
【0086】
集積装置100の手前側でベルトコンベア42の上方には、搬送されてきた平版印刷版48の先端部の通過を検知するセンサ45が配設されている。
【0087】
センサ45は、反射式の光学センサであり、受光される反射光量に基づいて平版印刷版48の先端部の通過を検知する。また、センサ45は、センサ45で検知された検知信号に基づいて集積装置100の各部の駆動を制御する制御装置47に接続されている。
【0088】
次に、集積装置100について説明する。
【0089】
図2に示すように、集積装置100は、平板状の集積台102を有している。
【0090】
集積台102の上面は、平版印刷版48が集積される平面状の集積面103となっている。また、集積台102は、リフタ104により支持されている。
【0091】
リフタ104は、集積面103上に集積された最上部の平版印刷版48の高さを検出するレベルセンサ(図示せず)からの検出信号に従って、最上部の平版印刷版48の高さが常に一定となるように、集積台102を平版印刷版48の厚さ方向に沿って昇降するようになっている。
【0092】
集積台102における平版印刷版48の搬送方向下流側には、バックストッパ106が設けられ、上流側には、フロントストッパ146が設けられている。
【0093】
バックストッパ106は、集積面103上に積載された平版印刷版48の端面と対向してストッパ板108が設けられている。
【0094】
ストッパ板108は、金属板もしくはプラスチック板からなるベース部110と、ベース部110に固定されたパッド状のクッション材114とで構成されている。クッション材114が、平版印刷版48の端面と接触するように配置されている。
【0095】
また、ストッパ板108のクッション材114の表面には、平版印刷版48の端部を一時的に受ける受け板112が突設されている。
【0096】
受け板112は、集積台102に向かって下方に傾斜する板状の部材である。受け板112の水平面に対する傾斜角は15〜30度程度が好ましいが、平版印刷版48の性状や投入速度などに応じて任意に設定できる。
【0097】
また、受け板112の材質は、平版印刷版48が接触する側の面がポリアミド樹脂(商品名MCナイロン)、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、弗素樹脂などの軟質材料で被覆されていてもよい。
【0098】
ストッパ板108のベース部110の背面側(クッション材114と反対側)には、ストッパ板108を支持すると共に平版印刷版48からの衝撃を減衰するためのシリンダ116が設けられている。
【0099】
シリンダ116は、ベルトコンベア42に対する位置関係が変位しないようにブラケット(図示せず)を介して加工ライン10のフレーム、フロア等へ固定されている。
【0100】
また、シリンダ116は、ロッド118を搬送方向に沿ってスライド可能に支持しており、ロッド118の先端部は、ベース部110へ連結固定されている。
【0101】
ロッド118の外周側には、圧縮状態のコイルスプリング120が配置されている。コイルスプリング120は、ストッパ板108を搬送方向と逆方向へ付勢している。
【0102】
ここで、シリンダ116は、搬送方向に沿って位置調整可能とされている。これにより、搬送方向におけるストッパ板108の位置が、集積台102上に積載される平版印刷版48の搬送方向に沿った長さに応じて調整可能とされている。
【0103】
一方、図2及び図3に示すように、フロントストッパ146は、略直方体形状で中空となっており、厚さ方向が搬送方向と一致し、長手方向が集積台102の幅方向と一致するように配置されている。
【0104】
フロントストッパ146の上端部は、ベルトコンベア42の上面部よりも若干低く、下流側の端部がR状に加工されている。またフロントストッパ146の下流側の内側面は、集積台102上に投入された平版印刷版48を搬送方向に沿って位置決めしている。
【0105】
フロントストッパ146の内側面上部には、幅方向へ細長いスリット状のノズル穴140が複数形成されている。フロントストッパ146内には、複数のノズル穴140へそれぞれエアー供給するためのエアー配管(図示せず)が設けられており、平版印刷版48の集積時に、複数のノズル穴140からエアーが送風されるようになっている。
【0106】
これにより、ベルトコンベア42からの投入直後には、平版印刷版48と集積面103との間又は平版印刷版48間に空気層が形成され、慣性力により集積面103上を移動(スライド)する平版印刷版48の移動抵抗が抑制される。
【0107】
ノズル穴140の下方には、ベルトコンベア42によって投入された平版印刷版48の端部を下方から一時的に支持する受け板144が立設されている。
【0108】
受け板144は、受け板112と同様に集積台102に向かって下方に傾斜する板状の部材である。受け板144の水平面に対する傾斜角は、受け板112と同様、15〜30度程度が好ましいが、平版印刷版48の性状や投入速度などに応じて任意に設定できる。
【0109】
受け板144も、受け板112と同様に上面がACナイロンや高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、弗素樹脂などの軟質材料で被覆されていてもよく、先端部が下方に向かって湾曲していてもよい。
【0110】
図3及び図4に示すように、集積装置100は、集積台102の両(左右)側端面の外側にそれぞれサイドガイド122A、122Bが設けられている。
【0111】
サイドガイド122Aは、中空部124Aが形成された筐体125Aと、筐体125Aの一方の側壁を形成し、集積された平版印刷版48の左端面と対向配置されるガイド板126Aと、ガイド板126Aを平版印刷版48に当接又は離間させるガイド板駆動部136で構成されている。
【0112】
ガイド板126Aは、鉛直方向に立設され、シート体である平版印刷版48の束49(シート束)の端面と対向する鉛直部130Aと、鉛直部130Aの上端側で鉛直方向に対して角度θで傾斜する傾斜部128Aと、傾斜部128Aの上端側から外側に向けて突設された平坦部132Aとで構成されている。角度θは、鉛直面を基準として0度〜60度が好ましく、更に0度〜40度であることが好ましい。
【0113】
また、ガイド板126Aは、ステンレス鋼板で構成され、平版印刷版48からの衝撃荷重を受けても変形しないように十分な強度を有している。
【0114】
ガイド板駆動部136は、回転体137、第1リンク部材138、第2リンク部材139、支持部材142、保持部材141、及び基台140で構成されている。
【0115】
回転体137は、ブラケット等(図示せず)によって回転可能に支持されており、集積装置100の近傍に配置された制御装置47によって駆動されるモータ(図示せず)によって、矢印R方向に往復回転駆動されるようになっている。なお、制御装置47には、前述のセンサ45(図2参照)が接続されており、センサ45から検知信号が送られると、所定の時間をカウントしてモータを駆動するようになっている。
【0116】
第1リンク部材138は、回転体137に接着又は溶接により固定され、回転体137と一体に往復回転駆動されるようになっている。
【0117】
第2リンク部材139は、一方の端部が第1リンク部材138の端部にピンで回転可能に接続され、他方の端部が支持部材142の端部にピンで回転可能に接続されている。
【0118】
支持部材142は、略L字形状の鋼板で構成されており、鉛直方向に屈曲した部分が、ガイド板126Aの鉛直部130Aの裏側に溶接等により固定されている。
【0119】
保持部材141は、筐体125Aの内側に固定された基台140上に固定されており、所定の間隔を空けて水平に張出した腕部が、支持部材142を水平方向に移動(摺動)可能に保持している。
【0120】
ここで、回転体137及び第1リンク部材138が反時計回りに回転すると、第2リンク部材139の左端部が左斜め上方に移動するとともに、第2リンク部材139の右端部が左側に移動する。これにより、支持部材142が左方向に移動してガイド板126Aが左に移動し、平版印刷版48の左端面から離間するようになっている。
【0121】
また、回転体137及び第1リンク部材138が時計回りに回転すると、第2リンク部材139の左端部が右斜め下方に移動するとともに、第2リンク部材139の右端部が右側に移動する。これにより、支持部材142が右方向に移動してガイド板126Aが右に移動し、平版印刷版48の左端面に当接するようになっている。
【0122】
一方、サイドガイド122Bは、中空部124Bが形成された筐体125Bと、筐体125Bの一方の側壁を形成し、集積された平版印刷版48の右端面と対向配置されるガイド板126Bとで構成されている。
【0123】
ガイド板126Bは、鉛直方向に立設され、平版印刷版48の束の端面と対向する鉛直部130Bと、鉛直部130Bの上端側で鉛直方向に対して角度θで傾斜する傾斜部128Bと、傾斜部128Bの上端側から外側に向けて突設された平坦部132Bとで構成されている。角度θは、前述のガイド板126Aと同様に、鉛直面から0度〜40度であることが好ましい。
【0124】
また、ガイド板126Bは、ステンレス鋼板で構成され、平版印刷版48からの衝撃荷重を受けても変形しないように十分な強度を有している。
【0125】
ガイド板126A、126Bの内側の面、即ち平版印刷版48が当接する側の面には、硬質皮膜が形成されている。
【0126】
硬質皮膜の表面硬度は、ガイド板126A、126Bの母材であるステンレス鋼よりも高く、好ましくは、表面硬度がビッカース硬度2000以上である。また、硬質皮膜と平版印刷版48との摩擦係数は、前記母材と平版印刷版48との摩擦係数よりも低く、具体的には0.2以下であることが好ましい。
【0127】
このような皮膜としては、硬質クロム鍍金皮膜やダイヤモンドライクカーボン皮膜(DLC膜)などがある。ダイヤモンドライクカーボン皮膜(DLC膜)は、例えば、プラズマCVD装置内で、ガイド板126A、126Bを炭化水素系ガスのプラズマで処理することにより形成できる。
【0128】
ここで、本実施形態では、ガイド板126Bは、図示しないボルトにより筐体125Bに固定されている。また、筐体125A、125Bは、図示しないボルト等の固定手段によって固定されている。
【0129】
ガイド板駆動部136は、図5の(a)に示すように、ガイド板126Aの幅方向に沿って2カ所に設けられており、ガイド板126Aは、支持部材142A及び支持部材142Bによって支持されている。このように、ガイド板126Aを複数箇所で支持することによって、ガイド板126Aの撓みを防止し、鉛直部130Aの平面度を保っている。
【0130】
なお、比較例として、図5の(b)には、ガイド板126Aを支持部材135で1ヵ所支持した状態を示している。このような1カ所支持では、ガイド板126Aの端部で撓みが生じる場合があるため、ガイド板126Aは、複数箇所で支持することが好ましい。
【0131】
次に、本発明の実施形態1の作用について説明する。
【0132】
まず、集積台102に投入された平版印刷板48の搬送方向の位置決め(端面揃え)について説明する。
【0133】
図3に示すように、平版印刷版48が、ベルトコンベア42により集積台102上へ投入される。このとき、フロントストッパ146のノズル穴140からエアーが送風され、投入された平版印刷版48と、集積面103又は集積済みの平版印刷版48との摩擦抵抗が抑制される。
【0134】
また、集積面103又は集積済みの平版印刷版48は、リフタ104により一定の高さに位置調整されている。これにより、ベルトコンベア42により順次投入される平版印刷版48は、集積面103上の平版印刷版48の枚数に関係なく略同一位置へ着地する。
【0135】
集積面103上へ投入された平版印刷版48は、先端面がバックストッパ106に接触する。この接触によって平版印刷版48から荷重を受けたストッパ板108は、コイルスプリング120を圧縮変形させつつ搬送方向へ移動すると同時に、シリンダ116からの減衰力を受ける。これにより、平版印刷版48の搬送方向への移動が停止する。
【0136】
バックストッパ106は、コイルスプリング120の復元力によりロッド118を伸長させ、ストッパ板108を介して平版印刷版48をフロントストッパ146へ付勢する。これにより、平版印刷版48の後端面がフロントストッパ146に接触する。
【0137】
このようにして、平版印刷版48が搬送方向に沿って位置決めされる。
【0138】
搬送方向に位置決めされた平版印刷版48は、集積面103に向かって落下する。このとき、平版印刷版48は、受け板112、144によって下方から支持され下方に撓んだ状態で集積面103上に落下する。落下した平版印刷版48は、自重によって腹部が最初に、次いで端部が集積済みの平版印刷版48に接触する。
【0139】
次に、平版印刷版48の幅方向(搬送方向と直交する方向)の位置決め(端面揃え)について説明する。
【0140】
図6の(a)に示すように、平版印刷版48(図3参照)が投入される前は、平版印刷版48の束49の幅方向両端面にガイド板126A、126Bが当接して、平版印刷版48の両端面が揃えられている。この状態は、ガイド板126Aとガイド板126Bの距離が平版印刷版48の幅と同一となっており、これを基準位置とする。ここで、束49は本発明のシート束に相当する。
【0141】
続いて、図2、図4、及び図6の(b)に示すように、センサ45がベルトコンベア42上の平版印刷版48の先端部通過を検知する。この検知信号に基づいて、前述の制御装置47によってガイド板駆動部136が駆動され、ガイド板126Aが矢印−X方向へ移動する。ガイド板126Aが、平版印刷版48の他方の端面(図面左側)と非接触状態にある位置を離間位置とする。
【0142】
ここで、ガイド板126Aの変位の範囲は、基準位置を0として、0〜+10mm以内が好ましい。また、補正代として、−2〜−3mm程度変位できることが好ましい。
【0143】
続いて、ガイド板126Aが、離間位置にあり、束49の端面と距離d1の隙間を空けて配置された状態で、平版印刷版48が投入される。このため、平版印刷版48がガイド板126A、126Bに引っ掛かることがなくなる。
【0144】
ここで、平版印刷版48の中心位置と束49の中心位置が一致した状態で落下すると、平版印刷版48の両端面と束49の両端面が揃う。しかし、これらの中心位置がずれた状態で平版印刷版48が落下すると、図6の(c)に示すように、束49の他方の端面(図面左側)から距離d2だけはみ出して載置されることになる。
【0145】
続いて、図6の(d)に示すように、前述の制御装置47が、平版印刷版48を検知してから所定時間経過後にガイド板駆動部136を駆動して、ガイド板126Aが矢印+X方向に移動する。ガイド板126Aは、平版印刷版48の他方の端面(図面左側)に接触して、平版印刷版48をガイド板126Bへ向けて移動させる。
【0146】
平版印刷版48は、他方の端面(図面左側)がガイド板126Aで付勢され、一方の端面(図面右側)がガイド板126Bに接触する。これにより、束49と平版印刷版48の両端面が揃えられる。
【0147】
なお、ガイド板126AのX方向の移動の周期は、0.1秒〜1秒(振動数換算で10Hz以下)に設定されている。
【0148】
以上説明したように、ベルトコンベア42から平版印刷版48が投入されたとき、ガイド板駆動部136がガイド板126Aを駆動して、ガイド板126Aを離間位置へ変位させる。これにより、平版印刷版48は、ガイド板126A及びガイド板126Bに引っ掛かることなく集積台102上に集積される。
【0149】
この後、ガイド板126Aが平版印刷版48の幅方向の他方の端面(図面左側)に接触する基準位置まで変位することで、集積台102上に集積された平版印刷版48の幅方向の両端面を揃えることができる。
【0150】
また、ガイド板126A及びガイド板126Bに傾斜部128A、128Bが形成されているので、平版印刷版48がガイド板126A又はガイド板126Bに接触するようなことがあったとしても、平版印刷版48は傾斜部128A又は128Bに接触して、集積台102へ案内される。このため、平版印刷版48が途中で引っ掛かることがなくなる。
【0151】
さらに、制御装置47が、センサ45で検知されたタイミングに同期してガイド板駆動部136を駆動し、ガイド板126Aを変位させるので、ガイド板126Aとガイド板126Bの距離が離れた状態で平版印刷版48を集積台102に投入させることができる。
【0152】
また、ガイド板126Aがガイド板駆動部136A、136Bで同時に駆動されることにより、ガイド板126Aが撓むことなく平版印刷版48の端面に均等に接触するので、平版印刷版48の端面が揃えられる。
【0153】
なお、基準ガイド(固定ガイド)であるガイド板126Bの傾斜部128Bに、バイブレータ等により振動を与えて、ガイド板126Bへの平版印刷版48の引っ掛かりを無くすようにしてもよい。
【0154】
2.実施形態2
【0155】
次に、本発明のシート材集積装置において、第1ガイド部材全体がプッシャとして機能するものの別の例について説明する。なお、実施形態1と基本的に同一の部品には、前記実施形態1と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0156】
図7の(a)及び図7の(b)に示すように、ベルトコンベア42の上方には、ベルトコンベア42で搬送されてくる平版印刷版48の速度を検知するセンサ150が配置されている。
【0157】
センサ150は、実施形態1におけるセンサ45(図2参照)と同様の光学式センサであり、平版印刷版48の速度を計測してガイド板126Aを移動させる制御装置152に接続されている。
【0158】
制御装置152は、センサ150からの検知信号に基づいて、平版印刷版48の先端部が通過してから後端部が通過するまでの時間(通過時間)をカウントし、予め設定された平版印刷版48の長さを通過時間で除することによって通過速度(搬送速度)を計測するようになっている。
【0159】
一方、ベルトコンベア42の下流側に集積装置160が配設されている。
【0160】
集積装置160は、平版印刷版48の搬送方向において、前述のバックストッパ106と、フロントストッパ146が設けられている。
【0161】
また、集積装置160は、平版印刷版48の幅方向において、サイドガイド162が設けられている。なお、サイドガイド162は、平版印刷版48の束49の両側に設けられているが、右側は前述のサイドガイド122B(図3参照)と同様の構成のため、説明を省略する。
【0162】
サイドガイド162は、中空部166が形成された筐体164と、前述のガイド板126A(図4参照)と、ガイド板126Aを平版印刷版48に当接又は離間させるガイド板駆動部168で構成されている。
【0163】
ガイド板駆動部168は、ピストン式のエアバイブレータであり、筐体164の内側に固定された基台170と、基台170からガイド板126Aに向けて配置されたピストン部172と、ピストン部172の一端に固定された支持板174とで構成されている。
【0164】
支持板174は、ガイド板126Aの裏側に接着等により固定されている。
【0165】
ピストン部172は、図示しないエア供給部(レギュレータ及び電磁弁を含む)からエア供給可能となっており、前述の制御装置152に接続されている。
【0166】
制御装置152は、センサ150で検知される平版印刷版48の速度に基づいて複数の周期の中から設定すべき周期を選択し、この設定周期に基づいてガイド板126Aを振動させるようになっている。本実施形態では、ガイド板126Aの振動数は50Hz程度に設定されている。
【0167】
なお、平版印刷版48の搬送速度及びガイド板126Aの変位のタイミングからなる速度マトリックスを予め制御装置152に記憶させておき、計測された平版印刷版48の搬送速度から、この速度マトリックスに基づいて、ガイド板126Aの変位のタイミングを決定するようにしてもよい。
【0168】
このようにして、制御装置152がエア供給部を駆動すると、ピストン部172にエアが供給され、ガイド板126Aが矢印X方向に振動するようになっている。
【0169】
次に、本発明の実施形態2の作用について説明する。なお、集積台102に投入された平版印刷板48の搬送方向の位置決め(端面揃え)については、実施形態1と同様のため、説明を省略する。
【0170】
図8の(a)に示すように、平版印刷版48(図3参照)が投入される前は、平版印刷版48の束49の幅方向両端面に、ガイド板126A、126Bが当接して、平版印刷版48の両端面が揃えられている。この状態の位置を基準位置とする。
【0171】
続いて、図7に示すように、センサ150がベルトコンベア42上の平版印刷版48の先端部及び後端部の通過を検知する。この検知信号に基づいて、制御装置152によってガイド板駆動部168が駆動され、ガイド板126Aが振動を開始する。
【0172】
ガイド板126Aは、平版印刷版48の搬送速度に同期して振動しており、図8の(b)に示すように、ガイド板126Aが矢印−X方向に距離d3移動したときに平版印刷版48が投入される。この状態の位置を離間位置とする。なお、距離d3の変位量は、実施形態1における距離d1と同様である。
【0173】
続いて、図8の(c)に示すように、ガイド板126Aが矢印+X方向へ移動する。ガイド板126Aは、平版印刷版48の他方の端面(図面左側)に接触して、平版印刷版48をガイド板126Bへ向けて移動させる。
【0174】
続いて、図8の(d)に示すように、平版印刷版48の他方の端面(図面左側)がガイド板126Aで付勢され、一方の端面(図面右側)がガイド板126Bに接触する。これにより、束49と平版印刷版48の両端面が揃えられる。
【0175】
この工程を繰り返して、ガイド板126Aが基準位置と離間位置の間で継続して振動しているため、平版印刷版48が、ガイド板126Aとガイド板126Bの間で引っ掛かることなく落下する。また、次の平版印刷版48が投入されても、同様に平版印刷版48の両端面が揃えられる。
【0176】
以上説明したように、制御装置152が、ベルトコンベア42における平版印刷版48の搬送速度に合わせてガイド板126Aの変位の周期を選択し、該周期に基づいてガイド板駆動部168の駆動を制御して、ガイド板126Aを振動させる。
【0177】
これにより、平版印刷版48が連続して集積台102に投入されても、ガイド板126Aがガイド板126Bから離れたときに平版印刷版48を投入させることができるので、引っ掛かることがなくなり、平版印刷版48の両端面をそろえることができる。
【0178】
3.実施形態3
【0179】
次に、本発明のシート材集積装置において、第1ガイド部材全体がプッシャとして機能するものの更に別の例について説明する。なお、実施形態1と基本的に同一の部品には、前記実施形態1と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0180】
本実施形態では、図2に示すベルトコンベア42の下流側において、集積装置100に代えて集積装置180が配設される。
【0181】
図9に示すように、集積装置180は、集積台102の両(左右)側端面の外側にそれぞれサイドガイド182A、182Bが設けられている。
【0182】
ここで、サイドガイド182Aとサイドガイド182Bは、同一の部材が対称配置された構成となっているため、右側のサイドガイド182Bについては説明を省略する。なお、右側のサイドガイド182Bについては、必要に応じて符号Bを付与して説明する。
【0183】
サイドガイド182Aは、中空部186Aが形成された筐体184Aと、筐体184Aの一方の側壁を形成し、集積された平版印刷版48の左端面と対向配置される前述のガイド板126Aと、ガイド板126Aを平版印刷版48に当接又は離間させる前述のガイド板駆動部136で構成されている。
【0184】
次に、本発明の実施形態3の作用について説明する。なお、集積台102に投入された平版印刷板48の搬送方向の位置決め(端面揃え)については、実施形態1と同様のため、説明を省略する。
【0185】
平版印刷版48(図3参照)の投入前は、平版印刷版48の束49の幅方向両端面にガイド板126A、126Bが当接して、平版印刷版48の両端面が揃えられている。
【0186】
続いて、図2、図9、及び図10aに示すように、センサ45がベルトコンベア42上の平版印刷版48の先端部通過を検知する。この検知信号に基づいて、前述の制御装置47によってガイド板駆動部136Aが駆動され、ガイド板126Aが矢印−X方向へ距離d4だけ移動する。なお、距離d4は、前述の距離d1と同様である。
【0187】
ガイド板126Aが、束49の端面と距離d4の隙間を空けて配置された状態で、平版印刷版48が投入されるため、平版印刷版48がガイド板126A、126Bに引っ掛かることがなくなる。
【0188】
続いて、図9及び図10bに示すように、前述の制御装置47が、平版印刷版48を検知してから所定時間経過後にガイド板駆動部136Aを駆動して、ガイド板126Aが矢印+X方向へ移動する。ガイド板126Aは、平版印刷版48の他方の端面(図面左側)に接触して、平版印刷版48をガイド板126Bへ向けて移動させる。
【0189】
平版印刷版48は、他方の端面(図面左側)がガイド板126Aで付勢され、一方の端面(図面右側)がガイド板126Bに接触する。これにより、束49と平版印刷版48の両端面が揃えられる。なお、ガイド板126AのX方向の移動の周期は、0.1秒〜1秒(振動数換算で10Hz以下)に設定されている。
【0190】
続いて、図2、図9、及び図10cに示すように、センサ45が、ベルトコンベア42上の次の平版印刷版48の先端部通過を検知する。この検知信号に基づいて、前述の制御装置47によってガイド板駆動部136Bが駆動され、ガイド板126Bが矢印+X方向へ移動する。
【0191】
ガイド板126Bが、束49の一方の端面(図面右側)と距離d4の隙間を空けて配置された状態で、平版印刷版48が投入される。
【0192】
続いて、図9及び図10dに示すように、前述の制御装置47が、平版印刷版48を検知してから所定時間経過後にガイド板駆動部136Bを駆動して、ガイド板126Bが矢印−X方向へ移動する。ガイド板126Bは、平版印刷版48の一方の端面(図面右側)に接触して、平版印刷版48をガイド板126Aへ向けて移動させる。
【0193】
平版印刷版48は、一方の端面(図面右側)がガイド板126Bで付勢され、他方の端面(図面左側)がガイド板126Aに接触する。これにより、束49と平版印刷版48の両端面が揃えられる。
【0194】
平版印刷版48は、記録用紙等のシート材であってもよい。
【0195】
ガイド板駆動部136は、モータで駆動されるカム方式のものであってもよい。
【0196】
ガイド板駆動部168は、タービン式のエアバイブレータであってもよく、この場合、振動数は100〜300Hzとなる。
【0197】
4.実施形態4
【0198】
本発明のシート材集積装置において、第1ガイド部材が離間位置に固定されたガイド部とその下方に位置するプッシャとに分かれた形態のものの例について説明する。なお、実施形態1と基本的に同一の部品には、前記実施形態1と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0199】
図11に示すように、実施形態4に係るシート材集積装置200においては、第1ガイド部材は、本発明のガイド部に相当するガイド板126Aとその下方に位置するプッシャ226とに分かれている。集積台102の高さは、ガイド板126Aの下縁およびプッシャ226の上縁226Aが束49の上面133よりも高くなるように制御される。
【0200】
なお、ガイド板126Aと筐体125Aとの間およびガイド板126Bと筐体125Bとの間には、夫々クッション材127Aおよび127Bが挿入されている。
【0201】
プッシャ226は、筐体125Aの内部に収容されたプッシャ駆動部236によって図11において実線で示す離間位置と二点鎖線で示す基準位置との間を往復動する。プッシャ226と第2ガイド部に相当するガイド板126Bとの距離は、基準位置においては平版印刷版48の幅Dに等しく、離間位置においては平版印刷版48の幅Dにプッシャ226の振幅Aを加えた長さに等しい。
【0202】
プッシャ駆動部236は、実施形態1〜3におけるガイド板駆動部136と同様の構成を有し、制御装置147によって駆動される。制御装置147には、センサ45(図2参照)が接続されており、センサ45から検知信号が送られると、所定の時間をカウントしてプッシャ駆動部236を駆動するためのモータを駆動する。
【0203】
以上の点を除いては、集積装置200は実施形態1の集積装置100と同様の構成を有する。
【0204】
以下、集積装置200の作用について、N−1枚目の平版印刷版48とN枚目の平版印刷版48とN+1枚目の平版印刷版48が投入される場合を例にとって説明する。
【0205】
図12において(a)および(b)に示すように、N−1枚目の平版印刷版48の次の平版印刷版48であるN枚目の平版印刷版48がベルトコンベア42によって搬送方向aに沿って搬送され、先端部がセンサ45によって検出されると、T秒後にモータ137がonになり、回転を開始する。
【0206】
センサ45がN枚目の平版印刷版48の先端部を検出した時点から時間tが経過し、図13において(a)および(b)に示すように、N−1枚目の平版印刷版48がバックストッパ106の備えるクッション材114の表面に当接する。このとき、プッシャ226は基準位置にあり、束49上に投入されるN−1枚目の平版印刷版48を束49の上方に誘導する。なお、時間tは、センサ45がN枚目の平版印刷版48の先端部を検出してからN−1枚目の平版印刷版48の先端がバックストッパ106のクッション材114に当接するまでの時間として先験的に求めることができる。また、前記時間Tは、t=T+tm(但し、tmは、モータ137が半周する時間、即ちプッシャ226が離間位置から基準位置まで移動するのに要する時間である。)が成立するように設定される。
【0207】
モータ137はそのまま回転を続け、図14において(a)および(b)に示すように、プッシャ226は離間位置に戻る。この時点においては、N−1枚目の平版印刷版48は束49上に積層され、N枚目の平版印刷版48は平版印刷版束49に向かって投入されつつあり、次のN+1枚目の平版印刷版48の先端部がセンサ45で検出される。
【0208】
5.実施形態5
【0209】
本発明のシート材集積装置において、第1ガイド部材と第2ガイド部材とが互いに開いた状態、即ち両者が離間した状態、および互いに閉じた状態、即ち両者が近接した状態の何れかをとる形態のものの例について説明する。なお、実施形態2と基本的に同一の部品には、前記実施形態2と同一の符号を付与してその説明を省略した。
【0210】
図15に示すように、実施形態5に係るシート材集積装置202においては、ガイド板126A、126Bは、夫々垂直部131A、131Bと、その上方に外側に開くように連続して設けられている傾斜部128A、128Bとを備える。垂直部131A、131Bと傾斜部128A、128Bとの成す角度θは、10〜60度の範囲が好ましく、更に20〜40度の範囲が好ましい。
【0211】
ガイド板126A、126Bは、垂直部131A、131Bの根元部において、サイドガイド122A、122Bの筐体125A、125Bの内側の面における下端部に揺動可能に取り付けられている。なお、ガイド板126A、126Bは、図15において実線で示すように互いに閉じた状態になるように揺動ときに、垂直部131A、131Bが垂直になるように形成されている。なお、ガイド板126A、126Bは、垂直部131A、131Bの根元部における間隔が、規制幅、即ち平版印刷版48の幅、即ち平版印刷版48を投入方向に直交する方向に沿った寸法に、シート揃い許容幅、即ち平版印刷版48を集積するときに許容される幅方向に沿ったずれの大きさを加えた寸法に設定されている。前記規制幅は、通常は平版印刷版48の幅+1mm程度に設定される。
【0212】
筐体125A、125Bの内部には、ガイド板126A、126Bを揺動させるための揺動機構336A、336Bが設けられている。
【0213】
図15および図16に示すように、揺動機構336A,336Bは、夫々モータ337と、モータ337によって回転するクランク338と、クランク338の従節であるロッカー339,340と、ロッカー340の動きをガイド板126A、126Bに伝達する伝達棒341とを備える。伝達棒341は、ガイド板126A、126Bの傾斜部128A、128Bにおける裏側の面、即ち平版印刷版48が当接する側とは反対側の面に回動自在に取り付けられている。クランク338とロッカー339とはピン342で、ロッカー339とロッカー340とはピン343で、ロッカー340と伝達坊431とはピン344で結合されている。また、ロッカー340は、ピン345によって筐体125Aまたは125Bの内壁に軸支されている。
【0214】
クランク338が矢印aで示すようにモータ337の回転軸337Aの回りに回転すると、ロッカー339は実線と二点鎖線とで示す範囲を往復動する。したがって、ロッカー340はピン345の回りに矢印b、cで示すように揺動するから、伝達棒341は往復動する。これにより、ガイド板126A、126Bは、傾斜部128A、128Bにおいて伝達棒341によって押動または牽引され、図15において実線と二点鎖線とで示すように揺動する。なお、揺動機構336A、336Bにおいては、ガイド板126A、126Bが同期して開閉するように制御装置147によってモータ337が制御される。
【0215】
ガイド板126A、126Bは、図17において(A)に示すように、閉→開→閉の動作順で動作させることができる。即ち、平版印刷版48が、ベルトコンベア42により集積台102上へ投入されたときはガイド板126A、126Bは互いに閉じた状態であり、平版印刷版48が傾斜部128A、128Bの間を落下する間に、ガイド板126A、126Bを互いに開く方向に揺動させ、平版印刷版48が垂直部131A、131Bの間に引っ掛からないようにする。そして、平版印刷版48が垂直部131A、131Bの間を落下するときに、ガイド板126A、126Bを再び閉じる方向に揺動させ、平版印刷版48を集積台102上の所定の位置に誘導する。
【0216】
また、ガイド板126A、126Bは、反対に、図17において(B)に示すように、開→閉→開の動作順で動作させることができる。即ち、平版印刷版48が、ベルトコンベア42により集積台102上へ投入されたときはガイド板126A、126Bは互いに開いた状態とする。平版印刷版48が垂直部313A、131Bの間を落下するときに、ガイド板126A、126Bを互いに閉じる方向に揺動させ、平版印刷版48を集積台102上の所定の位置に誘導する。そして、平版印刷版48が集積台102上に集積されたら、ガイド板126A、126Bを再び開く方向に揺動させる。
【0217】
以上の点を除いては、集積装置202は実施形態3の集積装置180と同様の構成を有する。
【0218】
以下、集積装置202の作用について、N−1枚目の平版印刷版48とN枚目の平版印刷版48とN+1枚目の平版印刷版48が投入される場合を例にとって説明する。先ず、平版印刷版48を投入したときにガイド板126A、126Bを閉→開→閉の動作順で揺動させる場合について説明する。
【0219】
図18および図19において(A)および(B)に示すように、N−1枚目の平版印刷版48の次の平版印刷版48であるN枚目の平版印刷版48がベルトコンベア42によって搬送方向aに沿って搬送され、先端部がセンサ45によって検出されると、タイマ(図示せず。)で設定されたタイミングでモータ337が回転を開始し、ガイド板126A、126Bが互いに開く方向に揺動を開始する。
【0220】
したがって、センサ45がN枚目の平版印刷版48の先端を検出したときは、図18および図19の(A)に示すように、ガイド板126A、126Bは閉じた状態にあるが、N枚目の平版印刷版48が傾斜部128A、128Bの間を落下する間に、図18および図19の(B)に示すようにガイド板126A、126Bは互いに開く方向に揺動する。そして、N枚目の平版印刷版48が垂直部131A,131Bの間を集積束49の近傍まで落下する間に、図18および図19の(C)に示すように、ガイド板126A、126Bは再び揺動して互いに閉じる。これによって前記N枚目の平版印刷版48は集積台102上の所定の位置に誘導され、集積位置が揃えられる。
【0221】
次に、平版印刷版48を投入したときにガイド板126A、126Bを開→閉→開の動作順で揺動させる場合について説明する。
【0222】
図20および図21において(A)および(B)に示すように、N−1枚目の平版印刷版48の次の平版印刷版48であるN枚目の平版印刷版48がベルトコンベア42によって搬送方向aに沿って搬送され、先端部がセンサ45によって検出されると、タイマで設定されたタイミングでモータ337が回転を開始し、ガイド板126A、126Bが互いに閉じる方向に揺動を開始する。
【0223】
したがって、センサ45がN枚目の平版印刷版48の先端を検出したときは、図20および図21の(A)に示すように、ガイド板126A、126Bは開いた状態にあるが、N枚目の平版印刷版48が傾斜部128A、128Bの間を落下する間に、図20および図21の(B)に示すようにガイド板126A、126Bは互いに閉じる方向に揺動し、前記平版印刷版48が垂直部131A,131Bの間を集積束49の近傍まで落下する間に平版印刷版48を集積台102上の所定の位置に誘導する。そして、前記平版印刷版48が集積束49の近傍まで落下したら、図20および図21の(C)に示すように、ガイド板126A、126Bは再び揺動して開く。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る平版印刷版の加工ラインの全体図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態1に係る加工ラインの部分構成図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態1に係る集積装置の構成図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1に係る集積装置の幅方向断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態1に係るガイド板の支持状態を示す説明図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態1に係るガイド板を移動して平版印刷版の端面を揃える手順を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態2に係る加工ラインの部分構成図および集積装置の幅方向断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施形態2に係るガイド板を移動して平版印刷版の端面を揃える手順を示す説明図である。
【図9】図9は、本発明の実施形態3に係る集積装置の幅方向断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態3に係るガイド板を移動して平版印刷版の端面を揃える手順を示す説明図である。
【図11】図11は、本発明の実施形態4に係る集積装置の幅方向断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのプッシャの動作を示す側面図および正面図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのプッシャの動作を示す側面図および正面図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのプッシャの動作を示す側面図および正面図である。
【図15】図15は、本発明の実施形態5に係る集積装置の幅方向断面図である。
【図16】図16は、本発明の実施形態5に係る集積装置の備える揺動機構の詳細な構成を示す拡大断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施形態5に係る集積装置の備えるガイド板の動作手順を示す説明図である。
【図18】図18は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのガイド板の動作を示す側面図である。
【図19】図19は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのガイド板の動作を示す正面図である。
【図20】図20は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのガイド板の動作を示す側面図である。
【図21】図21は、本発明の実施形態4に係る集積装置においてN−1〜N+1枚目の平版印刷版を投入するときのガイド板の動作を示す正面図である。
【符号の説明】
【0225】
10 加工ライン
42 ベルトコンベア(シート材搬送手段)
45 センサ(検知手段、シート材検出センサ)
47 制御装置(制御手段)
48 平版印刷版(シート材)
100 集積装置(シート材集積装置)
102 集積台(シート材集積台)
126A ガイド板(第1ガイド部材)
126B ガイド板(第2ガイド部材)
128A 傾斜部(傾斜面)
128B 傾斜部(傾斜面)
131A 垂直部
131B 垂直部
136 ガイド板駆動部(駆動手段)
150 センサ(検知手段)
152 制御装置(制御手段)
160 集積装置(シート材集積装置)
168 ガイド板駆動部(駆動手段)
180 集積装置(シート材集積装置)
200 集積装置(シート材集積装置)
202 集積装置(シート材集積装置)
226 プッシャ
236 プッシャ駆動部(駆動手段)
336 揺動機構(揺動手段)
337 モータ
338 クランク
339 ロッカー
340 ロッカー
341 伝達棒
342 ピン
343 ピン
344 ピン
345 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材を搬送するシート材搬送手段から投入された該シート材が集積されるシート材集積台と、
前記シート材集積台へ前記シート材の搬送方向に沿って立設され、前記シート材の幅方向一方の端面を揃える第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材に対して平行に、しかも前記シート材集積台を挟んで相対向するように配置された第2ガイド部材と、
前記第1ガイド部材の少なくとも一部を構成するとともに、前記第2ガイド部材との距離が前記シート材の幅に等しい基準位置と、前記第2ガイド部材との距離が前記シート材の幅よりも大きな離間位置との間で変位するプッシャと、
前記プッシャを変位させ、前記シート材の幅方向の両端面を揃える駆動手段と
を備えることを特徴とするシート材集積装置。
【請求項2】
前記シート材集積台は、前記シート集積台でシート材が集積されて形成されるシート束の上面の高さが前記プッシャの上縁の高さよりも低くなるように高さ制御される請求項1に記載のシート材集積装置。
【請求項3】
前記第1ガイド部材全体がプッシャである請求項1または2に記載のシート材集積装置。
【請求項4】
第1ガイド部材は、前記第2ガイド部材との距離が前記シート材の幅よりも大きな離間位置に固定されたガイド部と、前記ガイド部の下方に位置するプッシャとに分かれている請求項1または2に記載のシート材集積装置。
【請求項5】
前記第1ガイド部材の上部及び前記第2ガイド部材の上部に、前記シート材を前記シート材集積台に案内する傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシート材集積装置。
【請求項6】
前記シート材集積台に投入される前記シート材の先端を検知する検知手段を設け、
前記検知手段で検知されたタイミングに同期して、前記駆動手段の駆動を開始し、前記プッシャを前記離間位置へ変位させる制御手段を有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のシート材集積装置。
【請求項7】
前記制御手段が、前記シート材の搬送速度に合わせて前記プッシャの変位の周期を選択し、該周期に基づいて前記駆動手段の駆動を制御して、前記プッシャを振動させることを特徴とする請求項6に記載のシート材集積装置。
【請求項8】
前記駆動手段が複数箇所に設けられ、前記プッシャを複数箇所で同時に駆動することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のシート材集積装置。
【請求項9】
前記第1ガイド部材全体がプッシャとして機能するとともに、前記第2ガイド部材が、前記駆動手段によって前記離間位置又は前記基準位置へ変位可能に設けられ、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材が交互に変位することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のシート材集積装置。
【請求項10】
シート材を搬送するシート材搬送手段から投入された該シート材が集積されるシート材集積台と、
前記シート材集積台の前記シート材の搬送方向に沿った側縁に対して平行に立設され、前記シート材の幅方向一方の端面を揃える第1ガイド部材と、
前記シート材集積台を挟んで前記第1ガイド部材に相対向するように立設され、前記シート材の幅方向他方の端面を揃える第2ガイド部材と、
前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材とを、下端を中心として互いに閉じる方向または開く方向に揺動させて前記シート材の幅方向の両端面を揃える揺動手段と、
を備えることを特徴とするシート材集積装置。
【請求項11】
前記第1ガイド部材および第2ガイド部材は、何れも、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とが閉じたときに前記シート集積台に対して垂直になるように形成された垂直部と、前記垂直部の上方において外側に向かって傾斜する傾斜部と、を有し、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、互いに閉じたときの垂直部の間隔が、集積されるシート材の幅にシート材の揃い許容幅を加えた寸法になるように配設されている請求項10に記載のシート材集積装置。
【請求項12】
前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは互いに同期して揺動する請求項11に記載のシート材集積装置。
【請求項13】
前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、シート材が投入される前は互いに閉じた状態にあり、
前記シート材が投入されると、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、互いに閉じた状態から前記揺動手段によって互いに開く方向に揺動し、前記シート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との垂直部の間を落下する間に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは前記揺動手段によって再び互いに閉じる方向に揺動する請求項12に記載のシート材集積装置。
【請求項14】
前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、シート材が投入される前は互いに開いた状態にあり、
前記シート材が投入され、前記シート材が第1ガイド部材と第2ガイド部材との垂直部の間を落下する間に、前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とは、互いに開いた状態から前記揺動手段によって互いに閉じる方向に揺動し、次いで再び互いに開く方向に揺動する請求項12に記載のシート材集積装置。
【請求項15】
シート材搬送手段から投入されたシート材を検出するシート材検出センサを備え、前記揺動手段は、前記シート材検出センサがシート材を検出したタイミングに基いて前記第1ガイド部材および第2ガイド部材を揺動させるタイミングを決定する請求項13または14に記載のシート材集積装置。
【請求項16】
請求項1〜9の何れか1項に記載のシート材集積装置を用いてシート材を集積するシート材集積方法であって、
前記プッシャを前記離間位置へ変位させ、前記シート材を前記シート材集積台に投入する工程と
前記プッシャを前記基準位置へ変位させ、前記シート材の幅方向の両端面をそろえる工程と
を有することを特徴とするシート材集積方法。
【請求項17】
請求項9に記載のシート材集積装置を用いてシート材を集積するシート材集積方法であって、
前記第1ガイド部材を前記離間位置へ変位させ、前記シート材を前記シート材集積台に投入する工程と、
前記第1ガイド部材を前記基準位置へ変位させ、前記シート材の一方の端面をそろえる工程と、
前記第2ガイド部材を前記離間位置へ変位させる工程と、
前記第2ガイド部材を前記基準位置へ変位させ、前記シート材の他方の端面をそろえる工程と
を有することを特徴とするシート材集積方法。
【請求項18】
請求項10〜15の何れか1項に記載のシート材集積装置を用いてシート材を集積するシート材集積方法であって、
前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とを互いに開く方向に揺動させて前記シート材を前記シート材集積台に投入する工程と、
前記第1ガイド部材と第2ガイド部材とを互いに閉じる方向に揺動させて前記シート材の幅方向の両端面をそろえる工程と、
を有することを特徴とするシート材集積方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−91153(P2009−91153A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48337(P2008−48337)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】