説明

シート状パック

【課題】容易に鼻部の皮脂、角栓の除去が可能であり、優れた皮脂除去能を有する鼻用含浸タイプのシート状パックを提供することを課題とする。
【解決手段】 鼻用の含浸シート状パックであって、支持体に、1)多価アルコール50乃至95質量%(そのうち、グリセリン含有量が30乃至70質量%)と、2)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル0.5乃至4質量%とを含有する液体組成物を含浸してなるシート状パックを提供する。前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルにおいて、これを構成する脂肪酸残基は、分岐脂肪酸残基であることが好ましい

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状パックに関し、更に詳細には、鼻用含浸タイプであって皮脂の洗浄、角栓除去効果に優れるシート状パックに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スキンケアによる肌機能の改善、メークアップによる美感向上に加え、通常のスキンケアで行われる角層ケアでは十分対応できない、毛穴の黒ずみを気にする人が増加している。毛穴の黒ずみは毛穴が皮脂や角栓によりつまり、毛穴の大きさを拡大させ、黒ずんで見えるものであり、皮脂分泌の増進、例えば、脂分の多い食生活による皮脂の増加等が原因と考えられる。角栓は皮脂と古い角質が混ざり合うことにより生じる。このような毛穴の目立ちを改善するため、ファンデーション等のメークアップ化粧料で隠蔽方法がとられるが、完全に隠すことが出来ない、厚塗りとなるといった課題が存在していた。
【0003】
かかる課題に対して、皮脂と相溶性のあるポリオール又はポリオールエーテルを含有した角栓除去用剤(例えば、特許文献1参照)、 ポリ酢酸ビニルエマルション及び液状の炭化水素を含有した乳化化粧料を皮膚に塗布し、擦過を重ねることによりゴマージュし角栓を除去する方法(例えば、特許文献2)が報告されている。組成物を皮脂と相溶させ除去したり、擦過して除去する方法の他、最近ではシート状パックによる簡易な角栓除去用シートが汎用されている。シート状パックは粘着力が強いと刺激があったり、皮膚を痛めたりする場合が存し、粘着力が弱いと十分角栓が除去できないといった課題があり、刺激が少なく角栓除去能が高いシート状パックが望まれていた。また、粘着力によっては皮脂を過剰に除去し、乾燥感を感じることがあり、刺激感の改善とともに乾燥感の低減も望まれていた。
【0004】
多価アルコールは水と溶媒和するとき水和熱を発生し、温熱効果を発揮する効果、保湿作用を有し、基剤として幅広く化粧料に含有されている原料である。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルは、非イオン性界面活性剤で乳化剤、可溶化剤として用いられる。しかしながら、かかる多価アルコールとポリエチレングリコール脂肪酸エステルを特定量配合して、更に多価アルコールのうちグリセリンを比較的多く含有させた液状組成物を含浸させたシートが温熱効果を有し、著しい皮脂除去作用、角栓除去機能を有することは知られていなかった。特にかかるポリエチレングリコール脂肪酸エステルのうち、これを構成する脂肪酸残基として、分岐脂肪酸残基が顕著な効果を発揮することは当然知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2008−06329号公報
【特許文献2】特開2008−037826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、容易に鼻部の皮脂の除去が可能であり優れた皮脂除去能、角栓除去効果を示し、乾燥感を低減させる効果を有する鼻用含浸タイプのシート状パックを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な実状に鑑みて、本発明者らは、容易に鼻部の皮脂の除去、角栓除去効果が高く、使用後の乾燥感が少ないシート状パックを求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、多価アルコールとポリエチレングリコール脂肪酸エステルを特定量配合し、多価アルコールのうちグリセリンを比較的多く含有させた液状組成物を含浸させたシート状パックにその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示すとおりである。
<1> 鼻用の含浸シート状パックであって、支持体に、1)多価アルコール50乃至95質量%(そのうち、グリセリン含有量が30乃至70質量%)と、2)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル0.5乃至4質量%とを含有する液体組成物を含浸してなることを特徴とする、シート状パック。
<2> 前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルにおいて、これを構成する脂肪酸残基は、分岐脂肪酸残基であることを特徴とする、<1>に記載のシート状パック。
<3> 前記支持体は、コットンを素材とする不織布であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のシート状パック。
<4> 前記支持体に於ける、前記液体組成物の担持量は支持体1cmあたり0.01〜0.15gであることを特徴とする、<1>〜<3>何れかに記載のシート状パック。
<5> 皮脂除去機能を有することを特徴とする、請求項1〜4何れかに記載のシート状パック。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた皮脂除去能、角栓除去能を有する鼻用含浸タイプのシート状パックを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の化粧料は、1)多価アルコール50乃至95質量%(そのうち、グリセリン含有量30乃至70質量%)と、2)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル0.5乃至4質量%とを含有することを特徴とし、かかる組成物を液体組成物として含浸してなることを特徴とするシート状パックである。
<1>多価アルコール
本発明のシート状パックに含有させる液体組成物として、多価アルコール50乃至95質量%を含有し、そのうちグリセリン30乃至70質量%を含有する。グリセリン以外の多価アルコールとしては、通常皮膚外用剤に使用されるものであれば、特段制限はないが、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール及びその2量体であるジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が好ましく例示できる。特にポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール及びその2量体であるジプロピレングリコールが好適に例示できる。これらの多価アルコールは1種又は2種以上組み合わせて含有させることが出来る。多価アルコールは下限未満では効果を発揮せず、上限を超えても効果が頭打ちになるため、前記範囲の含有することが好ましい。
【0010】
<2>本発明の非イオン性界面活性剤
本発明のシート状パックに含有させる液体組成物として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル0.5乃至4質量%を含有することを特徴とする。ポリエチレングリコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸残基としては通常皮膚外用剤として使用されるものであれば制限はないが、特に分岐脂肪酸が好ましい。かかる分岐脂肪酸としては、イソステアリン酸、イソパルミチン酸が例示でき、特にイソステアリン酸が好ましい。液体組成物としての含有量は下限未満では効果を奏さず、上限を超えると効果が頭打ちになり安全性上も問題となることがあるため、かかる範囲での使用が好ましい。
【0011】
<3>支持体
本発明のシート状パックの支持体としては、通常皮膚外用剤の貼付剤、シートとして使用される支持体であれば適用することが出来るが、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ビニロン、レーヨン、アセテート、コットン、パルプなどのセルロースなどを用い、カード機でウェブを形成し、ウェブに高圧の水をノズルから吐出し、水圧により繊維を交絡して、シート状に加工し、該シートをドライヤーで加熱乾燥を行うことにより作製された不織布を用いることが好ましい。かかる支持体のための不織布を構成する繊維としては、これら繊維の中でも、コットンが好ましく例示でき、この様な支持体用の不織布は前記の手順で作成して用いることも出来るが、既に市販されている、同様の特性を有する不織布を購入して利用することも出来る。このような市販品としては、「CO60S/A01」(コットン100%不織布;ユニチカ製)が例示できる。これは肌触りが好ましく、担持した保湿成分の皮膚への移行性に優れるためである。かかる不織布の形状としては、厚さが0.2〜0.6mmで、目的に応じて面積を変えことが出来る。例えば、鼻部で使用する場合は、縦55〜66mm、横65〜85mmに加工して支持体とすることが好ましい。本発明の化粧料の使用時において、かかる支持体には、前記液体組成物が0.5から5g(0.01〜0.15g/cm)、更に好ましくは1.0〜3g(0.02〜0.1g/cm)含浸されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明のシート状パックは、これら上記の成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を含有することができる。任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
【0013】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみに限定されないことは言うまでもない。
<実施例>
【0014】
以下に示す処方に従って、液体組成物1を調製した。イをそれぞれ80℃に加熱し、攪拌下、可溶化し、ロを加え中和し、しかる後に室温まで冷却し液体組成物1を調製した。液体組成物1を支持体である不織布「CO60S/A01」(ユニチカ製)55mm×75mm、厚さ0.4mm)に十分に含浸させてシートへ化粧料の含浸がそれ以上放置していても増加しないのを確認した後、密封し、シート状パックAを調製した(含浸量2.89g 0.07g/cm 実施例1)。同様の方法で、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコールをモノイソパルミチン酸ポリエチレングリコールに置換したシート状パックB(実施例2)、グリセリン含有量を40質量%とし減量した分を水に置換し増量したものをシート状パックC(実施例3)として調製した。また、シート状パックAのモノイソステアリン酸ポリエチレングリコールをモノステアリン酸ポリエチレングリコールに置換したものを実施例4とした。
【0015】
【表1】


<比較例>
【0016】
シート状パックA(実施例1)のグリセリン含有量を20質量%とし、減量分を水に置換した液体組成物をシート状パックAと同様に含浸させたシート状パックを比較例1、シート状パックAのグリセリン及びポリエチレングリコール400の含有量をそれぞれ80質量%、5質量%とし増減分を水で調製した液体組成物を、シート状パックAと同様に調製したシート状パック(比較例2)を調製した。更に、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコールを0.3質量%又は6質量%とし、増減分を水に置換しシート状パックAと同様に処理したシート状パックを比較例3,4として調製した。また、シート状パックAのモノイソステアリン酸ポリエチレングリコールをモノステアリン酸ポリエチレングリコールに置換したものを実施例4とした。
【0017】
<試験例1>
実施例1及び比較例1を健常女性の鼻部に適用し、適用後5分間放置し、その後鼻部のシート状パックを除去し、ぬるま湯で鼻部を洗い流した。更に鼻部をタオルでおさえ水気をとり、20℃ 湿度50%の条件下で安静状態とし、ビデオマイクロスコープ(レンズVH−Z25、キーエンス社製)を用い、鼻部を25倍にして撮影した。撮影した写真を図1に示した。図に示すように本願発明のシート状パックを使用した場合は毛穴の詰まりが改善され、皮脂が除去されていることがわかる。
【0018】
<試験例2>
実施例1から4比較例1から4について、パネラー1群5名を使用し、角栓の除去効果を調べた。即ち、パネラーの小鼻をビデオマイクロスコープ(レンズVH−Z25、キーエンス社製)で撮影し、1視野あたりの角栓の蓄積数を計数した。しかる後にサンプルを鼻部に適用し、5分間放置後にサンプルを除去し、再び上記ビデオマイクロスコープで撮影し、1視野あたりの角栓の蓄積数を計数した。シート状パック適用後の角栓蓄積数を、適用前の角栓蓄積数で除し、100を乗じて角栓残存率を算出した。結果を表2に示す。この結果より、本発明のシート状パックは角栓及び皮脂除去作用に優れることがわかる。実施例1、実施例4の結果から、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルにおいて、これを構成する脂肪酸残基は、分岐脂肪酸残基である方が分岐していないものより、高い角栓除去効果を示すことが明らかとなった。
【0019】
【表2】

【0020】
<試験例3>
実施例1から4及び比較例1から4について、専門パネラー5名を用いて使用感を下記の基準に従い評価した。評価結果を表3に示す。表3の結果より本願発明は乾燥感がなく使用感に優れていることが明らかとなった。
(適用時使用感の評価)
5点:乾燥感を全く感じず非常に使用感が良好である
4点:乾燥感をほぼ感じず使用感が良好である
3点:乾燥感をやや感じるが使用感は良好である
2点:乾燥感を感じ使用感はやや不良である
1点:乾燥感を非常に感じ使用感は不良である
【0021】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、シート状パックとして応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】シート状パック使用前後のビデオマイクロスコープ画像(実施例1)。
【図2】シート状パック使用前後のビデオマイクロスコープ画像(比較例1)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻用の含浸シート状パックであって、支持体に、1)多価アルコール50乃至95質量%(そのうち、グリセリン含有量が30乃至70質量%)と、2)ポリエチレングリコール脂肪酸エステル0.5乃至4質量%とを含有する液体組成物を含浸してなることを特徴とする、シート状パック。
【請求項2】
前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルにおいて、これを構成する脂肪酸残基は、分岐脂肪酸残基であることを特徴とする、請求項1に記載のシート状パック。
【請求項3】
前記支持体は、コットンを素材とする不織布であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート状パック。
【請求項4】
前記支持体に於ける、前記液体組成物の担持量は支持体1cmあたり0.01〜0.15gであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のシート状パック。
【請求項5】
皮脂除去機能を有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のシート状パック。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−265180(P2010−265180A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115276(P2009−115276)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】