説明

シート状方形体

【課題】この発明は、所望する形状に組み立てる作業或いは分解する作業が簡単且つ容易に行えるシート状方形体の提供を目的とする。
【解決手段】一方及び他方のシート状方形体1を互いに直交して、双方の方形体2に形成された切欠き部3を互いに嵌め合わせる。このとき、方形体2の差込み側平面部が、方形体2の切欠き部3に形成された凸部4a及び凹部4bに沿って厚み方向に可撓変形される。また。方形体2の差込み側平面部が、該方形体2自体の復元力によって切欠き部3の凸部4aに対し強く押し付けられる。このため、シート状方形体1に対し差込み方向とは逆の方向へ引っ張り力が付与されても、シート状方形体1が分離されにくく、所望する形状に組み立てられた状態を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば造形や組み立てを楽しむこと、或いは、知能の発達、創造力の開発、機能回復訓練等に用いられるシート状方形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記造形や組み立てに用いられる方形体としては、例えば特許文献1のカード型積み木や特許文献2の幼児用紙製工作カード集合体等が提案されている。
前記特許文献1のカード型積み木は、第1番目のカード状薄板の切り欠き部や小へこみに、第2番目のカード状薄板の左辺突出部や小突起を嵌め込んで組み付けるものである。しかし、各カード状薄板の嵌め込み部分に生じる接触抵抗のみで組み付け状態を維持するため、各カード状薄板に対し嵌め込み方向とは逆の方向へ引っ張り力が付与されると、各カード状薄板が簡単に分離されやすく、組み付け状態を維持することが困難である。
【0003】
また、特許文献2の幼児用紙製工作カード集合体は、各種形状のカード片を切り込み線や折れ線の箇所で差し込む又は折り曲げるか、接着剤で接着する等して組み付けるものである。しかし、各カード片を互いに差し込んで組み付けた際、各カード片の差し込み部分に生じる接触抵抗のみで組み付け状態を維持するため、各カード片に対し差し込み方向とは逆の方向へ引っ張り力が付与されると、各カード片が簡単に分離されやすく、組み付け状態を維持することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−328429号公報
【特許文献2】実用新案登録第3090418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、所望する形状に組み立てる作業或いは分解する作業が簡単且つ容易に行えるシート状方形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、複数の切欠き部を有する方形体を互いに組み付けて所望する形状に組み立てられるシート状方形体であって、前記方形体の外周部に、該方形体の外周部から中心部に向けて切欠き部を複数形成し、前記方形体の切欠き部を、該方形体に形成された切欠き部の閉塞側内端に連続する平面部が厚み方向に挟持される切欠き幅に形成したシート状方形体であることを特徴とする。
これにより、例えば水平に配置されたシート状方形体に対し、他のシート状方形体を前後方向或いは左右方向、斜め方向から組み付ける。或いは、垂直に配置されたシート状方形体に対し、シート状方形体を上下方向或いは左右方向、斜め上下方向から組み付ける等して、所望する形状に組み立てることができる。また、分解する作業が簡単且つ容易に行える。
【0007】
この発明の態様として、前記シート状方形体を、該シート状方形体と同一の大きさ及び形状に形成された方形体を厚み方向に複数枚重ね合わせるとともに、該各方形体の切欠き部が厚み方向に連通するように形状を一致させて一体的に接合することができる。
これにより、例えば透明又は半透明に形成された方形体と、所望する色に着色された方形体とを重ね合わせる。或いは、異なる色に着色された方形体を重ね合わせる等して、色による装飾性を持たせることができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記切欠き部の一側内縁部又は両側内縁部に、該切欠き部に差し込まれる方形体の平面部と対向して該平面部を厚み方向に可撓変形するための凸部を形成することができる。
これにより、方形体の差込み側平面部が、該方形体自体の復元力によって切欠き部の凸部に対し強く押し付けられるので、シート状方形体に対し差込み方向とは逆の方向へ引っ張り力が付与されても、シート状方形体が分離されにくくなる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記切欠き部の一側内縁部及び他側内縁部に、該切欠き部に差し込まれる方形体の平面部と対向して該平面部を厚み方向に可撓変形するための凸部を形成するとともに、該凸部を、前記切欠き部の一側内縁部と他側内縁部との異なる位置に配置することができる。
これにより、方形体の差込み側平面部が、切欠き部の一側内縁部及び他側内縁部に形成された凸部によって異なる方向へ可撓変形されるので、一方及び他方のシート状方形体を強固に固定することができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記方形体の対向する位置に形成された切欠き部の閉塞側内端を結ぶ線上に、該線に沿って方形体の折り曲げが許容される折曲げ罫線を形成することができる。
これにより、シート状方形体を折曲げ罫線に沿って直角に折り曲げるか所望する角度に折り曲げて組み付けることができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記方形体を、柔軟性を有するプラスチックシートで構成することができる。
これにより、シート状方形体を真っ直ぐな状態では組み付けることが難しい箇所に組み付ける際に、シート状方形体の一部又は全体を可撓変形して組み付けることができる。また、分解する作業が簡単且つ容易に行える。
【0012】
前記方形体は、例えば正方形、五角形、六角形、八角形、その他の多角形、或いは、丸形、楕円形等で構成することができる。
【0013】
また、方形体は、前記プラスチックシートの他に、例えば、プラスチックプレート、金属板、木板、合板、段ボール紙、厚紙、或いは、射出成形品等で構成することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、一方及び他方のシート状方形体に形成された切欠き部を互いに嵌め合わせて組み付けるので、例えば建物、乗物、動物等に酷似する形状に組み立てること或いは分解を楽しむことができるとともに、所望する形状に組み立てる作業或いは分解する作業が簡単且つ容易に行える。また、従来例のような直線的に嵌め合わせる構造に比べて、大きな接触抵抗が得られるので、シート状方形体を強固に固定することができるとともに、シート状方形体の差込み部分にガタ付きが生じにくく、所望する形状に組み立てられた状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】平面から見て八角形に形成したシート状方形体を示す斜視図。
【図2】図1の八角形に形成したシート状方形体を示す平面図。
【図3】シート状方形体の差込み部分を示す拡大図。
【図4】同一形状の方形体を重ね合せてなるシート状方形体を示す斜視図。
【図5】図4の方形体の分離状態を示す展開斜視図。
【図6】凸部及び凹部を異なる位置に形成したシート状方形体を示す斜視図。
【図7】半透明と縦線を形成したシート状方形体を示す平面図。
【図8】六角形と丸形に形成したシート状方形体を示す平面図。
【図9】鏡面層を形成したシート状方形体を示す断面図。
【図10】シート状方形体を用いて塔形状に組み立てた例を示す斜視図。
【図11】シート状方形体を用いて箱形状に組み立てた例を示す斜視図。
【図12】シート状方形体を用いて花形状に組み立てた例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0016】
図1は、平面から見て八角形に形成したシート状方形体1を示す斜視図、図2は、図1の八角形に形成したシート状方形体1を示す平面図、図3は、シート状方形体1の差込み部分を示す拡大図である。
【0017】
本実施例のシート状方形体1は、図示しないトムソン型打抜き機により透光性及び柔軟性を有するプラスチックシートを厚み方向に打抜いて、平面から見て八角形の方形体2が打抜き形成されている(図2参照)。
【0018】
方形体2の外周部には、該方形体2の外周部に形成された辺部2aの中間部から該方形体2の中心部2bに向けて切欠き部3が形成されている。
また、切欠き部3は、方形体2の中心部2bを中心として周方向に対し等角度(又は等間隔)に隔てて放射状に8本配列されている。
【0019】
実施例では、切欠き部3を、方形体2の辺部2a…に1本ずつ形成しているが、対向する辺部2a,2aの2箇所のみに形成してもよく、実施例の8本に本数が限定されるものではない。つまり、切欠き部3が2箇所或いは2箇所以上あれば、所望する形体に組み立てが可能である。
【0020】
方形体2の切欠き部3は、他の方形体2に形成された切欠き部3の閉塞側内端と連続する平面部の差し込みが許容される切欠き幅Wに形成されている(図2のa部及び図3参照)。例えば切欠き部3の切欠き幅Wを、方形体2の肉厚より0.1mm程度幅広に形成すれば、方形体2の差し込み及び抜き取りが容易に行える。
【0021】
切欠き部3の一側内縁部には、該切欠き部3に差込まれる方形体2の一側平面部と対向して凸部4aが形成されている。また、切欠き部3の他側内縁部には、該切欠き部3に差込まれる方形体2の他側平面部と対向して凹部4bが形成されている。
【0022】
凸部4aと凹部4bは、切欠き部3の開放側外端から閉塞側内端に向けて滑らかな曲面形状に形成されており、方形体2の切欠き部3の閉塞側内端と連続する平面部を厚み方向に可撓変形する。
【0023】
実施例において、方形体2は、例えば1mm以上の厚さで、3mm以下の厚さを有するプラスチックシートで構成されているが、組み付け状態を維持するのに必要な強度や組み付け時の容易性を考慮すると、好ましくは、1.5mmの厚さを有するプラスチックシートで構成するのがよい。
【0024】
例えば厚さ1.5mmの方形体2を挟持する場合、凸部4aの突出寸法Wは、0.1mm〜0.2mmの範囲に含まれる突出寸法に設定される。また、凸部4aと対向する凹部4bの窪み寸法は、凸部4aの突出寸法Wと対応する寸法に形成される。
なお、凸部4aの突出寸法と凹部4bの窪み寸法は、方形体2の厚さと、形状と、大きさとに応じて変更される。
【0025】
また、切欠き部3の長さは、方形体2の辺部2aと中心部2bとを結ぶ半径の1/2の長さに形成されているが、該半径の1/2以下或いは1/2以上の長さに変更してもよい。
【0026】
また、切欠き部3の開放側外端は、該切欠き部3の開放側から閉塞側に向けて徐々に狭くなる滑らかな曲面形状(或いは斜面形状)に形成されている。
つまり、一方の方形体2の切欠き部3の閉塞側内端と連続する平面部が、他の方形体2の切欠き部3に向けて差込みガイドされるので、一方及び他方の方形体2の切欠き部3を互いに差込む作業が容易に行える。
なお、切欠き部3の開放側外端を、該切欠き部3の開放側から閉塞側に向けて徐々に狭くなる滑らかな斜面形状に形成してもよい。
【0027】
また、方形体2の表側中央平面部には、平面から見て十字状に交差して折曲げ罫線5が形成されている。
折曲げ罫線5は、方形体2の対向する位置に形成された切欠き部3,3の閉塞側内端を結ぶ線上に形成され、方形体2の二つ折り曲げが許容される深さ及び長さに形成されている。つまり、図示しないトムソン型打抜き機により方形体2を厚み方向に打抜かず、該折曲げ罫線5の底部が残るような深さに長手側端面から見てV字状の形成されている。
【0028】
実施例では、2本の折曲げ罫線5が十字状に交差して形成されているが、4本の折曲げ罫線5を米字状に交差するように形成してもよい。
【0029】
図示実施例は前記の如く構成するものにして、以下、前記シート状方形体1の組み付け方法を説明する。
【0030】
先ず、一方のシート状方形体1の方形体2と、他方のシート状方形体1の方形体2とを互いに直交して、双方の方形体2に形成された所望する箇所の切欠き部3を互いに嵌め合わせる(図3参照)。
【0031】
一方の方形体2に形成された切欠き部3の閉塞側内端と連続する平面部を、他方の方形体2に形成された切欠き部3に対し開放側外端から直交して差し込む。同時に、他方の方形体2に形成された切欠き部3の閉塞側内端と連続する平面部を、一方の方形体2に形成された切欠き部3に対し開放側外端から差し込む。さらに、方形体2,2の切欠き部3,3の閉塞側内端が互いに当接される深さまで差し込む。
【0032】
双方の方形体2に形成された切欠き部3を互いに嵌め合わせた際、一方の方形体2の切欠き部3に差し込まれた他方の方形体2の差込み側平面部と、他方の方形体2の切欠き部3に差し込まれた一方の方形体2の差込み側平面部とが、方形体2自体の復元力に抗して、双方の方形体2の切欠き部3に形成された凸部4aと凹部4bに沿って厚み方向に対し強制的に可撓変形される。
【0033】
可撓変形時において、一方及び他方の方形体2の差込み側平面部が、該方形体2自体の復元力によって元の真っ直ぐな状態に戻ろうとするので、双方の方形体2の差込み側平面部が切欠き部3の凸部4aに対し強く押し付けられる(図3参照)。
このため、シート状方形体1に対し差込み方向とは逆の方向へ引っ張り力が付与されても、2枚のシート状方形体1が互いに分離されにくく、従来例のような直線的に嵌め合わせる構造に比べて、大きな抜止め抵抗が得られる。
これにより、2枚のシート状方形体1の差込み部分にガタ付きが生じにくく、所望する形状に組み付けられた状態を維持することができる。
【0034】
所望する形状に組み立てる場合、例えば水平に配置されたシート状方形体1に対し、他のシート状方形体1を前後方向或いは左右方向、斜め方向から組み付ける。或いは、垂直に配置されたシート状方形体1に対し、シート状方形体1を上下方向或いは左右方向、斜め上下方向から組み付ける等して、複数枚のシート状方形体1を互いに組み付ける。
これにより、後述する図10に示す塔形状、図11に示す箱形状、図12に示す花形状のような形状に組み立てることができる。
【0035】
また、シート状方形体1の組み付け方を変えれば、図10〜図12に示す形状以外に、使用者が創造する架空の形状や現存する建物、乗物、動物等に酷似するような形状に組み付けることができる。さらにまた、置物や展示、ディスプレー等の用途及び目的にも利用することができる。
【0036】
また、シート状方形体1の切欠き部3を互いに嵌め合わせる方法と、シート状方形体1を折曲げ罫線5に沿って直角に折り曲げるか所望する角度に折り曲げる方法(図10の右上に示す折り曲げ状態参照)とを併用してもよい。これにより、シート状方形体1を用いた組み付け形状のバリエーションが多くなり、様々な形状に組み立てることが可能となる。
【0037】
以上のように、シート状方形体1の辺部2aに形成された切欠き部3を互いに嵌め合わせて複数枚組み付けるので、例えば建物、乗物、動物等に酷似する形状に組み立てること或いは分解を楽しむことができるとともに、所望する形状に組み立てる作業或いは分解する作業が簡単且つ容易に行える。また、従来例のような直線的に嵌め合わせる構造に比べて、大きな接触抵抗が得られるので、シート状方形体1を強固に固定することができるとともに、シート状方形体1の差込み部分にガタ付きが生じにくく、所望する形状に組み立てられた状態を維持することができる。
【0038】
また、シート状方形体1の方形体2を、例えば赤色、青色、黄色、緑色等の所望する色に着色するか、該方形体2の表裏両面のいずれか一方或いは両方の面に模様や文字等を印刷する等してもよい。
【0039】
図4は、同一形状の方形体2X,2Yを2枚重ね合わせてなるシート状方形体1を示す斜視図、図5は、図4の方形体2X,2Yの分離状態を示す展開斜視図である。
【0040】
本例のシート状方形体1は、平面から見て八角形に形成された方形体2を、該方形体2と対応して同一の大きさ及び形状に形成された方形体2X,2Yを厚み方向に重ね合わせる。また、方形体2X,2Yの切欠き部3が厚み方向に連通するように形状を一致させて、方形体2X,2Yの重ね合わせ面を、例えば接着剤で接着するか、高周波溶着装置で溶着する等して一体的に接合してもよい。
【0041】
実施例において、方形体2X,2Yの肉厚は、切欠き部3の切欠き幅Wの1/2の肉厚に形成されている。また、1/2以下の肉厚に形成された方形体2X,2Yを、例えば3枚、4枚等の複数枚重ね合せてシート状方形体1を構成してもよい。
【0042】
また、方形体2Xの対向する位置に形成された切欠き部3の閉塞側内端を結ぶ線上に、該方形体2の二つ折り曲げが許容される折曲げ罫線5が形成されている。
【0043】
つまり、方形体2X,2Yを重ね合せてなる一方のシート状方形体1の方形体2の辺部2aに形成された切欠き部3と、方形体2X,2Yを重ね合せてなる他方のシート状方形体1の方形体2の辺部2aに形成された切欠き部3とを互いに嵌め合わせて組み付ける。また、シート状方形体1を折曲げ罫線5に沿って直角に折り曲げるか所望する角度に折り曲げて組み付ける。これにより、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0044】
また、方形体2X,2Yのいずれか一方を透明又は半透明に形成し、他方を所望する色に着色して互いに重ね合わせる。或いは、方形体2X,2Yの両方を異なる色に着色する等して、色による装飾性を持たせることもできる。
なお、方形体2X,2Yの切欠き部3には、凸部4a及び凹部4bが同一箇所に形成されている。
【0045】
図6は、方形体2X,2Yの切欠き部3に対し凸部4a及び凹部4bを異なる位置に形成したシート状方形体1を示す斜視図である。
本例のシート状方形体1は、方形体2Xの切欠き部3に形成された凸部4a及び凹部4bと、方形体2Yの切欠き部3に形成された凸部4a及び凹部4bとが、該切欠き部3の長手方向に対し異なる位置に配置されている。
【0046】
つまり、方形体2Xの切欠き部3の一側内縁部に形成された凸部4aは、該切欠き部3の閉塞側内端寄りに形成されている。また、方形体2Yの切欠き部3の他側内縁部に形成された凸部4aは、該切欠き部3の開放側外端寄りに形成されている。
【0047】
方形体2Xの辺部2aに形成された切欠き部3と、方形体2Yの辺部2aに形成された切欠き部3とを互いに嵌め合わせる。同時に、方形体2Xの切欠き部3に形成された凸部4a及び凹部4bと、方形体2Yの切欠き部3に形成された凸部4a及び凹部4bによって、一方及び他方の方形体2X,2Yの差込み側平面部が異なる方向へ可撓変形される。
【0048】
しかし、方形体2X,2Yの差込み側平面部は、該方形体2X,2Y2自体の復元力によって元の真っ直ぐな状態に戻ろうとするため、切欠き部3の凸部4aに対し強く押し付けられる互いに押し付けられる。
これにより、一方及び他方のシート状方形体1が強固に固定されるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0049】
図7の(a)、(b)は、半透明と縦線を形成したシート状方形体1を示す平面図である。
図中の(a)に示すシート状方形体1は、方形体2の表裏両面のいずれか一方の面に乳白色のフィルムを貼り付けるか、該一方の面に梨地模様を形成する等して半透明に形成している(図7のa参照)。
【0050】
また、図中の(b)に示すシート状方形体1は、方形体2の表裏両面のいずれか一方の面に沿って多数本の縦線(或いは横線)を等間隔に隔てて平行して形成している。
これにより、シート状方形体1の意匠性及び装飾性を高めることができる。
【0051】
図8の(c)、(d)は、六角形と丸形に形成したシート状方形体11,21を示す平面図である。
図8中の(c)に示すシート状方形体11は、六角形に形成された方形体12の外周部に、該方形体12の外周部に形成された辺部12aの中間部から該方形体12の中心部12bに向けて切欠き部3が形成されている。また、切欠き部3は、方形体12の中心部2bを中心として周方向に対し等角度(又は等間隔)に隔てて6本配列されている。
【0052】
また、方形体12の対向する位置に形成された切欠き部3の閉塞側内端を結ぶ線上に、該方形体12の二つ折り曲げが許容される折曲げ罫線5が形成されている。
つまり、複数枚のシート状方形体11を互いに組み付けて、所望する形状に組み立てるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0053】
図8中の(d)に示すシート状方形体21は、丸形に形成された方形体22の外周部22aに、該方形体22の外周部22aから中心部22bに向けて切欠き部3が形成されている。また、切欠き部3は、方形体22の中心部22bを中心として周方向に対し等角度(又は等間隔)に隔てて8本配列されている。
【0054】
また、方形体22の対向する位置に形成された切欠き部3の閉塞側内端を結ぶ線上に、該方形体22の二つ折り曲げが許容される折曲げ罫線5が形成されている。
【0055】
つまり、複数枚のシート状方形体21を互いに組み付けて、所望する形状に組み立てるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0056】
図9は、透光性を有する方形体2の裏面側に鏡面層6を形成したシート状方形体1を示す断面図である。
つまり、方形体2の表面側から入光した光が、該方形体2の裏面側に形成された鏡面層6にて反射される。その反射された光が、方形体2の表面側から出光されるため、シート状方形体1の表面が輝いて見えることになる。
これにより、鏡面層6が形成されたシート状方形体1を用いて、所望する形状に組み立てられた造形物の意匠性及び装飾性を高めることができる。
【0057】
また、鏡面層6の反射面に凹凸を形成するか、ドット状又はスリット状のレンズを形成すれば、方形体2を通過した光が鏡面層6にて乱反射されることになり、高い装飾効果が得られる。なお、方形体2の表面側或いは中間部に鏡面層6を形成してもよい。
【0058】
前記図4〜図9に示す他の実施例に於いて、図1〜図3に示す実施例のシート状方形体1と同一構成の部分は同一の符号を記してその詳細な説明を省略する。
【0059】
図10は、前記シート状方形体1を階層状に組み付けて、図に示すような塔形状に組み立てた例を示す斜視図である。
図11は、前記シート状方形体1を立体正方形に組み付けて、図に示すような箱形状に組み立てた例を示す斜視図である。
図12は、前記シート状方形体1を花びら状に組み付けて、図に示すような花形状に組み立てた例を示す斜視図である。
つまり、水平に配置されたシート状方形体1に対し、他のシート状方形体1を前後方向或いは左右方向、斜め方向から組み付ける。或いは、垂直に配置されたシート状方形体1に対し、シート状方形体1を上下方向或いは左右方向、斜め上下方向から組み付ければ、図10〜図12に示すような所望する形状に簡単且つ容易に組み立てることができる。
【0060】
なお、前記シート状方形体11,21のいずれか一つを用いるか、前記シート状方形体1,11,21の複数種を組み合わせる等して組み立ててもよい。
【0061】
本発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0062】
実施例のプラスチックシートの代わりに、例えばプラスチックプレート、金属板、木板、合板、段ボール紙、厚紙、或いは、射出成形品等でシート状方形体1を構成してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…シート状方形体
2,2X,2Y…方形体
3…切欠き部
4a…凸部
4b…凹部
5…折曲げ罫線
6…鏡面層
11,22…シート状方形体
21,22…方形体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の切欠き部を有するシート状の方形体を互いに組み付けて所望する形状に組み立てられるシート状方形体であって、
前記方形体の外周部に、該方形体の外周部から中心部に向けて切欠き部を複数形成し、
前記方形体の切欠き部を、該方形体に形成された切欠き部の閉塞側内端に連続する平面部が厚み方向に挟持される切欠き幅に形成した
シート状方形体。
【請求項2】
前記シート状方形体を、
該シート状方形体と同一の大きさ及び形状に形成された方形体を厚み方向に複数枚重ね合わせるとともに、該各方形体の切欠き部が厚み方向に連通するように形状を一致させて一体的に接合した
請求項1に記載のシート状方形体。
【請求項3】
前記切欠き部の一側内縁部又は両側内縁部に、該切欠き部に差し込まれる方形体の平面部と対向して該平面部を厚み方向に可撓変形するための凸部を形成した
請求項1又は2に記載のシート状方形体。
【請求項4】
前記切欠き部の一側内縁部及び他側内縁部に、該切欠き部に差し込まれる方形体の平面部と対向して該平面部を厚み方向に可撓変形するための凸部を形成するとともに、該凸部を、前記切欠き部の一側内縁部と他側内縁部との異なる位置に配置した
請求項1又は2に記載のシート状方形体。
【請求項5】
前記方形体の対向する位置に形成された切欠き部の閉塞側内端を結ぶ線上に、該線に沿って方形体の折り曲げが許容される折曲げ罫線を形成した
請求項1〜4のいずれか一つに記載のシート状方形体。
【請求項6】
前記方形体を、柔軟性を有するプラスチックシートで構成した
請求項1〜5のいずれか一つに記載のシート状方形体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−125622(P2011−125622A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289377(P2009−289377)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(504069901)株式会社開伸 (7)
【Fターム(参考)】