説明

シート状貼付材

【課題】 湿潤粘着性組成物からなる貼付層上に剥離層を有するシート状貼付材において、当該剥離層が容易に貼付層から剥がれず、しかも繰り返し剥離可能にするとともに、剥離時の痛みを軽減する。
【解決手段】 繊維集合体類、多孔性フィルム、透気性フィルムから選ばれる保持層と、保持層の片面に、水分含有率が15〜22重量%である、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物からなる貼付層を形成し、前記剥離層の前記貼付層との接触面にシリコーン化合物などからなる剥離剤処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート状貼付材に関する。具体的には、湿潤粘着性組成物からなる貼付層上に剥離層が形成されたシート状貼付材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚の角栓除去に適したシート状貼付材が種々開発されており、例えば特開平7−330575号公報や登録実用新案公報第3033044号に開示されている。これらのシート状貼付材は、シート状をした保持層上に、湿潤粘着性組成物からなる貼付層が形成されたものである。
【0003】
湿潤粘着性組成物とは、水又はメチルアルコールやエチルアルコールなどの親水性媒体によって湿潤状態または濡れ状態とされて、粘着性を示すものを示し、当該湿潤粘着性組成物からなる貼付層が形成されたこれらのシート状貼付材は、貼付前に水又は親水性媒体と接触させて湿潤状態または濡れ状態とした後、貼付部位に貼り付けるか、貼付部位に予め水または親水性媒体を塗布した後、貼り付けられる。そして、湿潤若しくは濡れ状態となった貼付層が十分に乾燥した後に、保持層とともに貼付層が貼付部位から剥がされて使用される。
【0004】
これらのシート状貼付材にあっては、貼付層を衛生的に保存できる点や、貼付材を積み重ねたり、ロール状にして保管できる点から、貼付層上に剥離層が積層されることが多い。この剥離層としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのフィルムやシートが用いられ、当該剥離層上に、上記湿潤粘着性組成物を適当な媒体と混合した液状物を塗布した後、乾燥してシート状貼付材を得ることができる。
【特許文献1】特開平7−330575号公報
【特許文献2】登録実用新案公報第3033044号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシート状貼付材にあっては、貼付層に粘着性がないと共に、剥離層に剥離剤処理が施されていないので、貼付層と剥離層とは密着によって貼着している。従って、一度貼付層から剥離すると再び貼付層上に貼り合わせることができず、剥離層が貼付層から剥がれてしまうと元通りにはならなかった。特に、包材から取り出したシート状貼付材を必要量切り取る際などに、未使用部分の剥離層が簡単に剥がれてしまうことが多かった。このため、単に貼付層上に剥離層を重ね合わせた状態で保管することになり、保管衛生上、問題を生じやすかった。また、場合によってはゴミやほこりが付着して使用不可能になってしまい、経済的にもロスが多くなるという問題点があった。さらに、剥離層がない状態では、高湿度下、例えば、75%R.H.以上になると、不用意に置いた場所にくっついてしまうような問題があった。
【0006】
一方、剥離層が貼付層から剥がれずに包材中に保管できたとしても、何等かの不都合によって包材が開封された状態で放置された場合には、保存中の湿度の影響等によって貼付層の粘着力が増し、剥離層が貼付層に強固に貼り付けられた状態となり、剥離層を剥がしにくくなるという問題もあった。
【0007】
さらに、シート状貼付材を鼻部等の貼付部位から剥がす際、上記湿潤粘着性組成物においては、剥離時にかなりの痛みが伴うという問題点もあった。
【0008】
そこで本願発明者らは、鋭意検討の結果、貼付層との接触面が剥離剤処理された剥離層を用いることにより、上記問題点を一挙に解決することを見出し、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の角栓除去用シート状貼付材は、繊維集合体類、多孔性フィルム、透気性フィルムから選ばれる保持層と、保持層の片面に形成された貼付層と、貼付層上に積層されてなる剥離層を有するシート状貼付材において、前記貼付層が15〜22重量%の水分含有率を有し、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物からなると共に、前記剥離層の前記貼付層との接触面に、剥離剤処理が施されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るシート状貼付材は、湿潤粘着性組成物からなる貼付層上に剥離層を有するシート状貼付材において、当該貼付層との接触面に、剥離剤処理が施されているので、繰り返し剥離層を貼付層に貼り付けたり、剥がしたりすることが容易にできる。この結果、一旦剥離層が貼付層から剥がれてしまっても、再び使用可能な状態で再保管することができる。また、衛生面でも好適に保管できる。
【0011】
また、剥離剤が貼付層表面に移行して、移行した剥離剤が易剥離効果を示す。この結果、鼻部等の貼付部位からの剥離時の痛みを軽減できる。
【0012】
特に、剥離剤としてシリコーン系材料を用いるのが好ましく、貼付層表面に移行したシリコーンが良好に易剥離効果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に用いられる剥離層としては、広く一般的な貼付材の剥離層として用いられるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルム、アルミ箔などの金属フィルム、その他の各種フィルムやシートなどを用いることができる。また、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙あるいはこれらの剥離紙にポリエチレンなどをラミネートした上質紙などを用いても差し支えない。
【0014】
剥離剤としては、一般的に用いられる剥離剤であれば特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルポリシロキサンに代表されるシリコーン系材料が用いられる。また、シリコーン系剥離剤として、ソルベント型シリコーン若しくはエマルジョン型シリコーンのいずれをも用いることができる。反応型としては、付可型と縮合型があるが、一般には付可型が用いられる。
【0015】
このように剥離剤処理された剥離層を用いることにより、貼付層中の水分率、あるいは液状成分量を調整しながら貼付層への付着性を高めることができ、繰り返して剥離層を剥がしたり、貼り付けたりすることができるようになる。また、置いた場所によっては、高湿度条件の下にくっついてしまい、とれなくなるという問題も解消することができる。
【0016】
また、鼻部等の貼付部位から貼付層を剥がす際の痛みが軽減される。これは、貼付層の表面に剥離剤の一部が移行し、この移行した剥離剤が易剥離効果を示すものと考えられる。したがって、貼付層への移行性の観点より、ポリシロキサンの分子量は低い側の方が望ましく、特にエマルジョン型シリコーンを用いるのがこの好ましい。
【0017】
本発明が適用できる貼付層としては、湿潤粘着性組成物からなるものであれば特に制限されるものではない。本発明において湿潤粘着性組成物とは、ピールオフタイプの化粧料、つまり剥離層上に塗布された組成物が、貼付部位に貼付され、一定時間放置経過後に乾燥した後に被膜が形成される組成物を意味し、使用時に塗布された水や化粧水、メチルアルコールやエチルアルコール等の親水性媒体によって粘着性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリビニルアルコールとその他の高分子と多価アルコールからなる組成物や、アルギン酸ナトリウム及び多価アルコールとからなる組成物等の各種組成物を用いることができる。特に、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する場合に有効である。
【0018】
この場合、A成分としては、ポリビニルピロリドン又はビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体若しくは両者の混合物を用いることができ、貼付乾燥後の貼付層の機械的強度及び剥離残渣の観点から、重量平均分子量5000〜500万のもの、特に2万〜120万のものが好ましい。さらに、貼付時に用いた水や親水性媒体の乾燥時間を短縮するとともに、剥離時の痛みをさらに和らげられるとの観点から、低分子量ポリマーつまり重量平均分子量70万以下、好ましくは5000〜30万のものと、高分子量ポリマーつまり重量平均分子量以下70万以上、好ましくは100万〜500万のものとを混合して用いるのが望ましい。このとき、両者の配合割合は、用いるポリマーの分子量や使用する目的などによっても異なるが、おおよそ、高分子量ポリマーと低分子量ポリマーの比が、重量比で、5:95〜95:5、好ましくは20:80〜70:30の割合で使用でき、角栓の除去効率や剥がす際の痛さの観点から、低分子量ポリマーの配合比が多くなるように混合するのが好ましい。
【0019】
また、B成分としては、A成分に対して相溶性を有し、A成分を溶解して可塑化効果を示す材料が用いられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、その他のポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他のポリプロピレングリコール類、グリセリン、ジグリセリン、その他のポリグリセリン類、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、などのブチレングリコール類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール類、ラノリン、レシチン、オリーブ油などのグリセライド類などが、例示される。また、B成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0020】
C成分としては、A成分とB成分との混合物に対して、難溶性または不溶性の各種の無機又は有機の充填剤が用いられる。無機の充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、クレー、カオリン、硝子などの無機酸化物ないし複合酸化物をはじめ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、セラミックス、カーボンなどのその他の無機化合物類、金属や各種金属の合金等の金属類、などが例示される。無機の充填剤としては、例えば、セルロース、シルク、ポリエステル、ポリオレフィンなどの繊維形成性高分子類、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、その他の有機高分子類、などが例示される。これらの充填剤は、通常粉体状態で用いるのが好ましく、その形状は特に限定されないが、均一な分散性の観点から球形であることが好ましく、その平均粒径は、0.01〜50μm、特に0.1〜10μmのものが好ましい。また、C成分としてこれらの1種若しくは2種以上を併用することができる。
【0021】
組成割合としては、A成分の使用量に対するB成分の使用量が過大であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度が乏しくなり、逆に過小であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しく、貼付部位に良好にフィットし難い。このため、B成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは1〜75重量部、より好ましくは5〜50重量部である。
【0022】
また、A成分の使用量に対するC成分の使用量が過大であると、湿潤粘着性組成物から得られる貼付層の柔軟性が乏しくて、貼付部位に良好にフィットし難く、逆に過小であると、上記湿潤粘着性組成物から得られる貼付層を貼り付けて乾燥した後の機械的強度の改善効果が乏しく、貼付後の乾燥に要する時間が長くなる。このため、C成分の使用量としては、A成分100重量部に対して、好ましくは10〜200重量部、より好ましくは25〜100重量部である。
【0023】
これらの貼付層は、上記したような湿潤粘着性組成物とエチルアルコールやメチルアルコールなどの親水性媒体や水等とからなる塗布液を、剥離層となる上記のシート状物の上に塗布した後、乾燥して製造される。このとき、貼付層の水分含有率は15〜22%に調製される。また、上記の塗布液には、必要に応じて化粧料、香料、防腐剤、着色剤、アルコール、紫外線吸収剤、あるいはその他の貼付材に通常使用される薬剤や添加剤を通常量添加することができる。
【0024】
また、当該貼付層には、一般には保持層が形成される。保持層としては、例えば、貼付後における貼付層の乾燥速度や貼付前後における柔軟性を阻害することなく、機械的強度の向上に寄与できるものであれば、特に限定されるものではなく、種々の材料からなる種々の構造のものを用いることができる。構造に関しては、織布、不織布、編布、紙などの繊維の集合体類、および多孔性フィルム、透気性フィルムなどのフィルム類等のシート状物が例示される。これらのうち、貼付部位の曲面になじみ易い適度の伸縮性を有するものが特に好ましい。また、材料に関しては、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、セルロース、などの合成あるいは天然の有機高分子類が例示される。これらの保持層は、一般には剥離層上に塗布された上記塗布液上に積層されて乾燥するか、乾燥させた貼付層上に積層、加圧される。
【実施例1】
【0025】
次に、本発明に係る各種実施例のシート状貼付材及び比較例のシート状貼付材を作製し、本発明の効果を確認した。なお、以下において、「部」は「重量部」を意味する。また、製造工程中の乾燥条件は、乾燥後の貼付層の水分含有率(75℃、30分間乾燥後の重量変化により算出した。)が実施例では、15〜22%、比較例では7〜15%に調整した。なぜなら、比較例では、水分含有率を高い値に設定すると、貼付層に粘性が生じて、初期の段階で剥離層を貼付層から剥がすことができないからである。
【0026】
(実施例1)
重量平均分子量16万のポリビニルピロリドン50部、グリセリン6部、酸化チタン0.31部、二酸化ケイ素30部及び適量の水を撹拌混合して液状物を得た。この液状物を、表面(貼付層との接触面)がエマルジョン型シリコーン剤処理された厚さ50μmのポリエチレンフィルム上に均一に塗布し、その上に坪量25g/m、JIS P−8117による通気度が1.5秒のポリエステル不織布を積層した。このものを乾燥して3層構造の実施例1のシート状貼付材を得た。
【0027】
(実施例2)
重量平均分子量4万のポリビニルピロリドン58部、プロピレングリコール15部、タルク33部及び酸化チタン2部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2のシート状貼付材を得た。
【0028】
(実施例3)
重量平均分子量4万のビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(ビニルピロリドン/酢酸ビニルの重量比=6/4)60部、1,4−ブタンジオール15部、二酸化ケイ素2.5部及び酸化チタン16部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3のシート状貼付材を得た。
【0029】
(実施例4)
重量平均分子量16万のポリビニルピロリドン6部、重量平均分子量120万のポリビニルピロリドン4部、水16部、グリセリン1.2部、酸化チタン0.31部及び二酸化ケイ素6部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4のシート状貼付材を得た。
【0030】
(実施例5)
重量平均分子量4万のポリビニルピロリドン7部、重量平均分子量150万のポリビニルピロリドン3部、水16部、グリセリン1.2部、酸化チタン0.31部及び二酸化ケイ素6部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例5のシート状貼付材を得た。
【0031】
(比較例1)
重量平均分子量16万のポリビニルピロリドン50部、グリセリン6部、酸化チタン0.31部、二酸化ケイ素30部及び適量の水を撹拌混合して液状物を得た。この液状物を、表面(貼付層との接触面)がエマルジョン型シリコーン剤処理された厚さ50μmのポリエチレンフィルム上に均一に塗布し、その上に坪量25g/m、JIS P−8117による通気度が1.5秒のポリエステル不織布を積層した。このものを乾燥して3層構造の比較例1のシート状貼付材を得た。
【0032】
(比較例2)
重量平均分子量4万のポリビニルピロリドン58部、プロピレングリコール15部、タルク33部及び酸化チタン2部を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例2のシート状貼付材を得た。
【0033】
(比較例3)
重量平均分子量4万のビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(ビニルピロリドン/酢酸ビニルの重量比=6/4)60部、1,4−ブタンジオール15部、二酸化ケイ素2.5部及び酸化チタン16部を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例3のシート状貼付材を得た。
【0034】
(比較例4)
重量平均分子量16万のポリビニルピロリドン6部、重量平均分子量120万のポリビニルピロリドン4部、水16部、グリセリン1.2部、酸化チタン0.31部及び二酸化ケイ素6部を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例4のシート状貼付材を得た。
【0035】
(比較例5)
重量平均分子量4万のポリビニルピロリドン7部、重量平均分子量150万のポリビニルピロリドン3部、水16部、グリセリン1.2部、酸化チタン0.31部及び二酸化ケイ素6部を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例5のシート状貼付材を得た。
【0036】
〔比較試験〕
(繰り返し剥離試験)
以上実施例1〜5の各実施例ともに、剥離層を繰り返し剥がしたり貼り付けたりすることが可能であった。一方、比較例1〜5のいずれのシート状貼付材にあっても、一度剥離すると、再び剥離層を貼付層に貼り付けることができなかった。
【0037】
(保存試験)
また、25℃75%R.H.の条件で、24時間保存して、その後の剥離性について評価したところ、比較例1〜5のシート状貼付材にあっては、剥離しにくいものがあったが、実施例1〜5のシート状貼付材にあっては、いずれも容易に剥離層を剥離することができた。
【0038】
(貼付試験)
20名のパネラーに、洗顔後あるいは化粧をしていない状態で、鼻筋を境にして左右いずれか一方の鼻部に実施例の貼付材を、残る一方の鼻部に比較例の貼付材を貼付してもらい、使用感について評価してもらった。各貼付材は、3cm×4cmの大きさに裁断して用い、鼻の貼付部位にたっぷりの水で濡らした後に貼付した。この状態で15分間放置した後、貼付材を剥がし、剥離時の痛みについて、次の評価基準に基づいて評価点を求め、全パネラーの平均点を求めた。また、試験は実施例1と比較例1について行ない、日を改めて実施例2と比較例2、さらに日を改め実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例5と比較例5とそれぞれ同様に行なった。
【0039】
〈評価基準〉
・痛みなく剥がせた :4点
・少し痛いが問題なく剥がせた :3点
・やや痛かった :2点
・かなり痛みを伴った :1点
【0040】
この結果、比較例1〜5のシート状貼付材の全平均評価点が2.5点であったのに対し、実施例1〜5のシート状貼付材における全平均評価点が2.1であり、剥離時の痛みが和らげられることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維集合体類、多孔性フィルム、透気性フィルムから選ばれる保持層と、保持層の片面に形成された貼付層と、貼付層上に積層されてなる剥離層を有するシート状貼付材において、
前記貼付層が15〜22重量%の水分含有率を有し、A成分としてポリビニルピロリドン又は/及びビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、B成分としてA成分と相溶性のある液状可塑剤、及びC成分として充填剤を含有する湿潤粘着性組成物からなると共に、前記剥離層の前記貼付層との接触面に、剥離剤処理が施されていることを特徴とする角栓除去用シート状貼付材。
【請求項2】
前記剥離剤は、シリコーン系材料である請求項1に記載の角栓除去用シート状貼付材。

【公開番号】特開2008−260780(P2008−260780A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151131(P2008−151131)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【分割の表示】特願平9−113407の分割
【原出願日】平成9年4月14日(1997.4.14)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】