シールド導電体
【課題】本発明は、放熱性と可撓性とを備えたシールド導電体を提供する。
【解決手段】接続部材40には、鞘管の各第1収容部16に接続されてシールド層に包囲された状態の電線を個別に収容する複数の第2収容部42と、各第2収容部42と連通して前記シールド層に包囲された電線を一括して収容する第3収容部44とが設けられている。この接続部により、鞘管とコルゲートチューブ41とを容易に接続することができる。この結果、シールド導電体10は、可撓性と放熱性とを備える。
【解決手段】接続部材40には、鞘管の各第1収容部16に接続されてシールド層に包囲された状態の電線を個別に収容する複数の第2収容部42と、各第2収容部42と連通して前記シールド層に包囲された電線を一括して収容する第3収容部44とが設けられている。この接続部により、鞘管とコルゲートチューブ41とを容易に接続することができる。この結果、シールド導電体10は、可撓性と放熱性とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド導電体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気自動車に搭載されて、インバータやモータなどの機器間を電気的に接続するシールド導電体としては、特許文献1に記載のものが知られている。このシールド導電体は、複数の電線と、この電線を包囲する編組線と、電線及び編組線を包囲するコルゲートチューブとを備えてなる。上記の構成により、シールド導電体全体に可撓性を持たせることができる。この結果、シールド導電体を比較的小さな曲率半径で曲げることが可能になるので、エンジンルームのような比較的狭いスペース内でも、容易にシールド導電体を配索することができる。
【特許文献1】特開2004−172476公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記のように電線をコルゲートチューブで包囲する構成の場合、電線からの発熱に対する放熱性が問題となる。すなわち、上記の構成によると、電線と編組線との間、及び編組線とコルゲートチューブとの間には、空気層が存在する。空気は熱伝導率が比較的低いので、この空気層により外部への放熱が阻害される。この結果、電線から発生した熱がコルゲートチューブの内部にこもって、電線が高温となることが懸念される。
【0004】
電線の温度上昇値に上限が定められている場合、電線の直径を大きくすることにより通電時の発熱量を低下させることが考えられる。しかしシールド導電体全体が大型化するため、この手法は採用できない。
【0005】
そこで、複数の電線の外周をシールド層で包囲し、シールド層で包囲された電線を個別に収容可能な収容部を並列状に設けた鞘管に、電線を収容することが考えられる。この構成によれば、鞘管の収容部の内面はシールド層に密着し、且つシールド層の内面は電線に密着するようになっている。これにより、電線から発生した熱は、電線からシールド層を介して鞘管に伝達され、鞘管からシールド導電体の外部へ放散される。これによりシールド導電体の放熱性の向上が期待できる。
【0006】
しかしながら、電線を並列状に収容する鞘管の構造では、シールド導電体に可撓性を持たせることは難しい。そこで、鞘管とコルゲートチューブとを接続して、比較的スペースに余裕のある領域では鞘管を用い、狭いスペースではコルゲートチューブを用いることが考えられる。
【0007】
ところが、電線を収容する収容部が並列状に設けられた鞘管は形状が複雑であるため、かしめリングを用いてコルゲートチューブを固着することは困難である。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放熱性と可撓性とを備えたシールド導電体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シールド導電体であって、複数の電線と、前記電線の外周を包囲し且つ可撓性を有するシールド層と、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第1収容部が前記電線の軸線方向と交差する方向に並んで設けられた鞘管と、前記鞘管の前記各第1収容部に接続されて前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第2収容部が設けられ、且つ前記各第2収容部と連通して前記シールド層に包囲された前記電線を一括して収容する第3収容部が設けられた接続部材と、前記接続部材の前記第3収容部に接続されて、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を一括して収容するコルゲートチューブとを備える。
【0010】
本発明によれば、接続部材を用いることにより、電線を収容する収容部が並列状に設けられた鞘管と、コルゲートチューブとを容易に接続することができる。これにより、比較的広いスペースでは電線及びシールド層を鞘管内に収容して配索し、比較的狭いスペースでは、電線及びシールド層をコルゲートチューブ内に収容して配索できる。この結果、鞘管を用いた部分ではシールド導電体の放熱性を向上させることが可能となり、また、コルゲートチューブを用いた部分ではシールド導電体に可撓性を持たせることができる。
【0011】
本発明の実施形態としては、以下の構成が好ましい。
【0012】
前記接続部材は一対の半割体を合体して構成されてなり、前記各半割体は、前記第2収容部を構成する複数の第1弧状部と、前記第3収容部を構成する第2弧状部とを備えており、前記第1弧状部及び前記第2弧状部の断面形状は半円形状である。
【0013】
上記の構成によれば、接続部材を、同じ形状をなす半割体で形成できるから、製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
前記コルゲートチューブと前記シールド層との間には、可撓性を有する材料からなる中空の袋部材が配設されており、前記袋部材の内部には空気よりも熱伝導率が高い伝熱材料が充填されている。
【0015】
上記の構成によれば、シールド導電体のうち、電線及びシールド層をコルゲートチューブ内に収容した部分の放熱性を向上させることができる。
【0016】
前記コルゲートチューブの内周面は前記袋部材と接触して前記袋部材を前記コルゲートチューブの径方向内方に押圧しており、前記袋部材は前記シールド層と接触して前記シールド層を前記径方向内方に押圧しており、前記シールド層は前記電線の外周面と接触して前記電線の外周面を前記径方向内方に押圧している。
【0017】
袋部材は可撓性を有するから、コルゲートチューブの内周面が袋部材を押圧することで、袋部材は変形し、コルゲートチューブの内周面と袋部材とは密着するようになる。そして、シールド層も可撓性を有するから、袋部材がシールド層を押圧することで、シールド層が変形し、袋部材とシールド層とは密着する。さらに、袋部材から押圧されることで、シールド部材は電線の外周面と密着する。これにより、電線から発生した熱は、電線の外周面、シールド層、袋部材、コルゲートチューブの内周面と順に伝達され、コルゲートチューブの外周からシールド導電体の外部に放散される。この結果、シールド導電体のうちコルゲートチューブに収容された領域の放熱性を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、放熱性及び可撓性を備えたシールド導電体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明をシールド導電体10に適用した一実施形態を図1ないし図20を参照して説明する。本実施形態は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、バッテリ(図示せず)、インバータ装置(図示せず)、モータ(図示せず)などの機器間を電気的に接続する。シールド導電体10は、車両に対して、例えばクランプ等の保持部材(図示せず)により取り付けられる。図1に示すように、本実施形態に係るシールド導電体10は、複数(本実施形態では3本)の電線13の外周を編組線12(シールド層に相当する)で包囲し、編組線12に包囲された状態の電線13を、鞘管11、接続部材40、及びコルゲートチューブ41の内部に収容してなる。
【0020】
(電線)
図4に示すように、電線13は、金属製(例えばアルミニウム合金や銅合金など)の芯線14の外周を合成樹脂製の絶縁被覆15で包囲してなる。本実施形態における電線13はノンシールドタイプである。電線13の断面形状については、図2に示すように芯線14と絶縁被覆15の双方が円形状とされる。詳細には図示しないが、芯線14は、複数本の細線を螺旋状に寄り合わせた撚り線、又は棒状の単芯線からなる。
【0021】
(編組線)
図4に示すように、編組線12は、全体として筒状をなしている。この編組線12は金属細線をメッシュ状に編みこんでなる。3本の電線13は、編組線12により一括して包囲されている。編組線12は、金属細線の有する可撓性により、径方向における伸縮及び長さ方向における伸縮が可能となっている。
【0022】
(鞘管)
図1に示すように、鞘管11には、電線13の軸線方向(図4における左手前側から右奥側へ向かう方向)に延びて、3つの第1収容部16が設けられている。各第1収容部16は、電線13の延びる方向と交差する方向(図4における右手前側から左奥方に向かう方向)に間隔を空けて並んで設けられている。各第1収容部16内には、編組線12に包囲された状態の3本の電線13が、個別に収容されている(図2参照)。これにより、各電線13は、鞘管11内に、電線13の軸線方向と交差する方向に間隔を空けて並んで収容される。
【0023】
図5及び図6に示すように、鞘管11は、1枚の合成樹脂製の板材17を折り曲げて形成してなる。合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、PET、PBT、ナイロン等の、比較的剛性を有する材料を用いることができる。板材17は、公知の手法(例えば押出成形)により形成される。図5に示すように、板材17には、図5における右手前側から左奥側に向かって6つの溝部18が並んで形成されている。各溝部18は、図5における左手前側から右奥側に向かって延びて形成されている。図6に示すように、各溝部18は図6における上方にいくらか引っ込んで形成されており、その断面形状は半円形状をなしている。
【0024】
板材17には、図6における左右方向の略中央に、図6における上方に引っ込んで、板材17を折り曲げるための折り曲げ部19が形成されている。この折り曲げ部19は、溝部18の延びる方向(図5における左手前側から右奥側)に沿って延びて形成されている。
【0025】
図8に示すように、各溝部18は、板材17を折り曲げ部19で折り曲げた状態で、互いに対向する位置に形成されている。互いに対向する溝部18の間には、断面形状が円形をなす空間が形成される。この空間内に電線13及び編組線12が収容されて、上述した第1収容部16とされる。溝部18の内周面の半径は、電線13の絶縁被覆15の外周面の半径と、編組線12の厚さ寸法とを足したものよりも僅かに小さい寸法に設定されている。
【0026】
鞘管11には、各第1収容部16の図8における左右方向両側に、互いに対向する対向壁部20が形成されている。対向壁部20のうち、鞘管11の図8における左右両端部寄りの位置に設けられた第1対向壁部20A同士は、上下方向から互いに当接している。また、対向壁部20のうち、鞘管11の図8における左右方向の中央付近の位置に設けられた第2対向壁部20B同士は、編組線12を対向壁部20の間に挟んだ状態で、間隔を空けて対向している。この間隔は、編組線12の厚さ寸法の2倍よりも僅かに小さく設定されている。
【0027】
対向壁部20には、図5に示すように、第1収容部16の延びる方向に沿って、且つ間隔を空けて並ぶ複数の挿通孔21が、対向壁部20を貫通して形成されている。図8に示すように、挿通孔21は、板材17を折り曲げ部19で折り曲げた状態において、上側に位置する対向壁部20に形成された挿通孔21と、下側に位置する対向壁部20に形成された挿通孔21とが対応する位置に形成されている。これにより、板材17を折り曲げ部19で折り曲げた状態では、各挿通孔21は、図8における上下に連通するようになっている。この挿通孔21内には、合成樹脂製のピン22が上下方向に挿通されている。後に詳述するが、このピン22により、第1収容部16の内周が、電線13の外周に向かって押圧されるようになっている。なお、図8における左右方向の中央付近において挿通孔21に挿通されたピン22は、編組線12を構成する金属細線の隙間を貫通している。
【0028】
図9に示すように、ピン22は、図9における上下方向に延びる軸部23と、軸部23の上端に位置して、軸部23よりも径大であって扁平形状をなす扁平部24とを備えてなる。軸部23には、その下端部寄りの位置から、左斜め上方及び右斜め上方に向かって延びる一対の抜け止め片25が設けられている。抜け止め片25は弾性変形可能になっている。
【0029】
図8における鞘管11の左右両端部寄りに位置する挿通孔21に挿通されたピン22の軸部23は、鞘管11の左右方向の中央付近に位置する挿通孔21に挿通されたピン22の軸部23よりも、上下方向の長さ寸法が短く設定されている。
【0030】
図8に示すように、ピン22が挿通孔21に上方から挿通された状態では、対向壁部20同士は、ピン22の扁平部24の下面と、抜け止め片25の上端との間に挟まれて、抜け止め片25の弾発力により上下方向に押圧された状態で固定される。これにより、図8における上側に位置する溝部18は、下方に向かって押圧され、電線13の外周の上半分に対して押し付けられる。一方、図8における下側に位置する溝部18は、上方に向かって押圧され、電線13の外周の下半部に対して押し付けられる。これにより、溝部18により構成される第1収容部16の内周は、電線13の外周に向かって押し付けられるようになっている。これにより、第1収容部16の内周と電線13の外周との間に編組線12が挟み付けられることになり、この結果、第1収容部16の内周と編組線12とが密着すると共に、編組線12と電線13の外周とが密着する。
【0031】
(接続部材)
図1及び図10に示すように、接続部材40は、一方の端部が鞘管11の端部に接続されており、他方の端部がコルゲートチューブ41に接続されている。接続部材40のうち鞘管11側の端部には、鞘管11の3つの第1収容部16に対応する位置に、3つの第2収容部42が形成されている。図2に示すように第2収容部42の内径は、第1収容部16の外径と略同じ寸法に設定されている。各第2収容部42は、対応する各第1収容部16の外周に外嵌されて接続されるようになっている。図2に示すように、各第2収容部42内には、編組線12に包囲された電線13が個別に収容されている。隣り合う第2収容部42の間には2つの連結部43が形成されている。各連結部43には、上述したピン22を挿通するための挿通孔21が、接続部材40を貫通して形成されている。
【0032】
接続部材40のうちコルゲートチューブ41側の端部には、コルゲートチューブ41と接続される第3収容部44が形成されている。図3に示すように、第3収容部44内には、編組線12に包囲された電線13が一括して収容されている。第3収容部44の内径寸法は、コルゲートチューブ41の外周に外嵌可能に設定されている。第3収容部44の内周面には、図13における右端部に、コルゲートチューブ41と嵌合可能な複数(本実施形態では4つ)の嵌合リブ45が、第3収容部44の径方向内方に突出すると共に周方向に延びて設けられている。嵌合リブ45の、第3収容部44の内周面からの突出高さ寸法は、後述するコルゲートチューブ41の、突部46と溝47との間の高さ寸法の差と略同じに設定されている。
【0033】
3つの第2収容部42は、図12における左右方向の中央付近で1つに連結しており、連結した部分よりも右方は、第3収容部44と連なっている。
【0034】
図12に示すように、接続部材40には、図12における上下両側縁に、上下方向に突出して、一対の耳部48が設けられている。耳部48には、上述したピン22を挿通するための複数の挿通孔21が、接続部材40を貫通して、且つ間隔を空けて並んで形成されている。耳部48には、鞘管11の対向壁部20を収容するための段差部56が形成されている。
【0035】
図11に示すように、接続部材40は、合成樹脂製の1対の半割体49を上下に合体させてなる。半割体49のうち、図12における左端部には、断面形状が半円形状をなす3つの第1弧状部50が、並んで形成されている。半割体49のうち、図12における右端部には、断面形状が半円形状をなす1つの第2弧状部51が形成されている。1対の半割体49を上下に反転させた状態で合体させると、接続部材40が形成される。
【0036】
第1弧状部50同士を合体することで第2収容部42が形成されるようになっている。また、第2弧状部51同士を合体することで第3収容部44が形成されるようになっている。
【0037】
半割体49同士を合体させた状態で挿通孔21にピン22を挿通し、このピン22により半割体49同士を上下方向から押圧することで、半割体49同士を固定する。ピン22により半割体49を固定する態様は、上述した鞘管11を固定する態様と同様なので説明を省略する。
【0038】
3つの第2収容部42内の中空と、1つの第3収容部44内の中空内は、互いに連通しているので、電線13及び編組線12を第2収容部42から第3収容部44に亘って配索できる。
【0039】
(コルゲートチューブ)
コルゲートチューブ41は、合成樹脂製であって、半径方向に張り出すと共に周方向に沿って配される突部46と、半径方向に引っ込むと共に周方向に沿って配される溝47とが交互に連続する蛇腹状の形態とされる。蛇腹状となっていることにより、コルゲートチューブ41は自在に弾性変形させることができるようになっている。コルゲートチューブ41には、その長さ方向に沿った割り溝52が全長に亘って形成されている。コルゲートチューブ41は、その弾性復元力により、割り溝52を閉じた円筒形状を保持できるようになっている。
【0040】
図19に示すように、コルゲートチューブ41内においては、編組線12に包囲された状態の3本の電線13が一括して収容されている。コルゲートチューブ41内においては、3本の電線は、各電線13の中心軸が略正三角形をなすように(俵積み状)に配されている。
【0041】
(袋部材)
図1に示すように、コルゲートチューブ41の内部には、合成樹脂製であって、可撓性を有する袋部材53が収容されている。袋部材53は、編組線12と、コルゲートチューブ41の内周との間に位置して配されている。袋部材53は中空であって、その内部には、空気よりも熱伝導率の高い伝熱材料54が充填されている。伝熱材料54としては、水や冷却油等の液体、シリコングリースやグリセリン等の粘性を有する材料、シリカ粉末やアルミナ粉末等の粉末材料、樹脂ペレット等、空気よりも熱伝導率が高いものであれば任意の材料を用いることができる。
【0042】
図14に示すように、袋部材53は、細長い袋状をなしている。袋部材53のうち図14における左手前側の端部には、袋部材53の内部に伝熱材料54を充填するための注入口55が突出して設けられている。注入口55は、伝熱材料54を充填したのち、例えばヒートシールにより封口されるようになっている。袋部材53は可撓性を有しているので、伝熱材料54が充填された状態で、自在に変形可能になっている。
【0043】
伝熱材料54が充填された状態の袋部材53の体積は、コルゲートチューブ41の内容積から、コルゲートチューブ41内に収容されている編組線12及び電線13の体積を差し引いたものよりも大きく設定されている。
【0044】
図3に示すように、コルゲートチューブ41の外周に接続部材40の第3収容部44が外嵌された状態で、第3収容部44の内周はコルゲートチューブ41をコルゲートチューブ41の径方向内方に押圧する。これによりコルゲートチューブ41の内周は袋部材53をコルゲートチューブ41の径方向内方の押圧する。上述したように袋部材53は可撓性を有しているので、コルゲートチューブ41と編組線12との間の隙間を埋めるように変形する。これにより、袋部材53はコルゲートチューブ41の内周面及び編組線12の外周面と密着する。図1に示すように、袋部材53の長さ寸法は、コルゲートチューブ41の長さ寸法よりも長く設定されている。袋部材53のうち、図1におけるコルゲートチューブ41の左右両端からはみ出した部分は、接続部材40の第3収容部44内に収容される。
【0045】
袋部材53は編組線12をコルゲートチューブ41の径方向内方に押圧している。これにより、可撓性を有する編組線12は、図3に示すように電線13の外周の形状に倣うように変形する。この結果、編組線12は電線13の外周に密着するようになっている。
【0046】
続いて、本実施形態のシールド導電体10の製造方法について説明する。まず、合成樹脂を押出成形することにより、図5に示すように板材17を成形する。対向壁部20に形成される挿通孔21は、押出成形時に形成してもよく、また、板材17を成型した後に、図示しない治具で打抜き加工することにより形成してもよい。
【0047】
続いて、図7に示すように、電線13を編組線12の内部に通す。その後、板材17を折り曲げ部19で折り曲げながら、電線13及び編組線12を板材17で挟み込む。
【0048】
板材17を折り曲げ部19で折り曲げると、板材17に形成された溝部18により第1収容部16が形成される。この第1収容部16内に電線13が個別に収容されるようにして板材17を折り曲げる。
【0049】
その後、図9に示すように、対向壁部20の挿通孔21内にピン22を通す。上下に連通する挿通孔21の上方から、ピン22の扁平部24を上方に向けた姿勢で、ピン22を下方に押し下げる。軸部23の下部が挿通孔21内に挿入されると、軸部23の下端部寄りの位置に設けられた抜け止め片25は挿通孔21の内周面から押圧されて、一対の抜け止め片25が閉じる方向に弾性変形する。さらにピン22を下方に押し下げると、一対の抜け止め片25が開き方向に復帰変形する。すると、ピン22の扁平部24の下面と、上側に位置する対向壁部20の上面とが上下方向から当接し、且つ、抜け止め片25の上端と、下側に位置する対向壁部20の下面とが上下方向から当接する。これにより、ピン22の扁平部24と抜け止め片25との間に、対向壁部20が挟持される。対向壁部20は、抜け止め片25の弾発力により、図8における上下方向に押圧される。これにより、板材17は、上下方向に開き変形することが防止された状態で、固定される。
【0050】
図15に示すように、鞘管11の端部から延出された電線13を、編組線12に包囲された状態で、俵積み状に配置する。
【0051】
一方、袋部材53の注入口55から袋部材53の内部に伝熱材料54を充填し、その後、注入口55を、例えばヒートシールにより封口する。注入口55は、接着剤により封口してもよい。その後、図16及び図17に示すように、袋部材53を電線13及び編組線12の外周を包囲するように配置する。
【0052】
図18に示すように、袋部材53を電線13及び編組線12の外周に配した状態では、編組線12と袋部材53との間には、隙間が生じている。この状態で、コルゲートチューブ41の割り溝52を開いて、コルゲートチューブ41を袋部材53の外周を包囲するようにして組み付ける。すると、コルゲートチューブ41の弾性復元力により、割り溝52が閉じる。これにより、図19に示すように、コルゲートチューブ41の内周面に押圧されて袋部材53が変形し、コルゲートチューブ41の内周面と袋部材53とが密着すると共に、袋部材53と編組線の外周面とが密着する。さらに、編組線12と電線13の外周面とが密着する。
【0053】
その後、図20に示すように、図20におけるコルゲートチューブ41の左右両端部に、一対の半割体49を上下方向から合体させる。このとき、3つの第1弧状部50を、対応する第1収容部16の外周に外嵌する。
【0054】
一方、第2弧状部51をコルゲートチューブ41の外周に外嵌する。このとき、コルゲートチューブ41の溝47部と、接続部材40の嵌合リブ45とが対応するような位置関係とする。
【0055】
半割体49を合体させた状態で、耳部48に形成された挿通孔内にピンを挿通する。このピンにより、半割体49は、図1における上下方向に押圧されて固定される。これにより、シールド導電体が完成する。
【0056】
本発明によれば、接続部材40を用いることにより、電線13を収容する収容部が並列状に設けられた鞘管11と、コルゲートチューブ41とを容易に接続することができる。これにより、比較的広いスペースでは電線13及び編組線12を鞘管11内に収容して配索し、比較的狭いスペースでは、電線13及び編組線12をコルゲートチューブ41内に収容して配索できる。この結果、鞘管11を用いた部分ではシールド導電体10の放熱性を向上させることが可能となり、また、コルゲートチューブ41を用いた部分ではシールド導電体10に可撓性を持たせることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、接続部材40を、同じ形状をなす半割体49で形成できるから、製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、コルゲートチューブ41とシールド層との間には、可撓性を有する材料からなる中空の袋部材53が配設されており、この袋部材53の内部には空気よりも熱伝導率が高い伝熱材料54が充填されている。これにより、シールド導電体10のうち、電線13及び編組線12をコルゲートチューブ41内に収容した部分の放熱性を向上させることができる。
【0059】
さらに、袋部材53は可撓性を有するから、コルゲートチューブ41の内周面が袋部材53を押圧することで、袋部材53は変形し、コルゲートチューブ41の内周面と袋部材53とは密着するようになる。そして、編組線12も可撓性を有するから、袋部材53が編組線12を押圧することで、編組線12が変形し、袋部材53と編組線12とは密着する。さらに、袋部材53から押圧されることで、編組線12は電線13の外周面と密着する。これにより、電線13から発生した熱は、電線13の外周面、編組線12、袋部材53、コルゲートチューブ41の内周面と順に伝達され、コルゲートチューブ41の外周からシールド導電体の外部に放散される。この結果、シールド導電体10のうちコルゲートチューブ41に収容された領域の放熱性を一層向上させることができる。
【0060】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)複数の電線13を一括して包囲する編組線12であったが、各電線13は、編組線12により個別に包囲される構成としてもよい。
(2)本実施形態では、シールド導電体10は3本の電線13を含む構成としたが、これに限られず、2本又は4本以上の複数の電線13を含む構成としてもよい。
(3)接続部材40を構成する一対の半割体49が互いに異なる形状であってもよい。
(4)電線13の発熱量が比較的小さい場合には、袋部材53は省略できる。
(5)本実施形態では、シールド層は編組線12としたが、これに限られず、例えばアルミニウム製のシート材、テープ材等、可撓性及びシールド性を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。
(6)本実施形態においては、鞘管11は、1枚の板材17を折り曲げて形成する構成としたが、これに限られず、1対の板材を重ね合わせて形成する構成としてもよい。この場合、1対の板材は、同じ合成樹脂材料からなるものであってもよく、また、一方は合成樹脂材料からなり、他方は金属材料からなるものであってもよい。
(7)本実施形態においては、接続部材40は、同じ合成樹脂材料からなる1対の半割体49を合体させて形成する構成としたが、これに限られず、一方の半割体49は合成樹脂材料とし、他方の半割体49は金属材料からなるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態に係るシールド導電体の断面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】図1におけるB−B線断面図
【図4】鞘管を示す斜視図
【図5】板部材を示す斜視図
【図6】板部材を示す正面図
【図7】鞘管を製造する過程を示す断面図
【図8】鞘管を示す断面図
【図9】挿通孔にピンを挿通する工程を示す断面図
【図10】鞘管及びコルゲートチューブに接続された状態の接続部材を示す平面図
【図11】半割体を示す分解斜視図
【図12】半割体を示す平面図
【図13】コルゲートチューブと半割体との接続構造を示す断面図
【図14】袋部材を示す斜視図
【図15】シールド導電体の製造工程であって、電線及び編組線に鞘管を組み付けた状態を示す断面図
【図16】袋部材を組み付けた状態を示す断面図
【図17】図16におけるC−C線断面図
【図18】コルゲートチューブを組み付ける過程を示す断面図
【図19】コルゲートチューブが組み付けられた状態を示す断面図
【図20】半割体を組み付ける過程を示す断面図
【符号の説明】
【0062】
10…シールド導電体
11…鞘管
12…編組線(シールド層)
13…電線
16…第1収容部
40…接続部材
41…コルゲートチューブ
42…第2収容部
44…第3収容部
49…半割体
50…第1弧状部
51…第2弧状部
53…袋部材
54…伝熱材料
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド導電体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電気自動車に搭載されて、インバータやモータなどの機器間を電気的に接続するシールド導電体としては、特許文献1に記載のものが知られている。このシールド導電体は、複数の電線と、この電線を包囲する編組線と、電線及び編組線を包囲するコルゲートチューブとを備えてなる。上記の構成により、シールド導電体全体に可撓性を持たせることができる。この結果、シールド導電体を比較的小さな曲率半径で曲げることが可能になるので、エンジンルームのような比較的狭いスペース内でも、容易にシールド導電体を配索することができる。
【特許文献1】特開2004−172476公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記のように電線をコルゲートチューブで包囲する構成の場合、電線からの発熱に対する放熱性が問題となる。すなわち、上記の構成によると、電線と編組線との間、及び編組線とコルゲートチューブとの間には、空気層が存在する。空気は熱伝導率が比較的低いので、この空気層により外部への放熱が阻害される。この結果、電線から発生した熱がコルゲートチューブの内部にこもって、電線が高温となることが懸念される。
【0004】
電線の温度上昇値に上限が定められている場合、電線の直径を大きくすることにより通電時の発熱量を低下させることが考えられる。しかしシールド導電体全体が大型化するため、この手法は採用できない。
【0005】
そこで、複数の電線の外周をシールド層で包囲し、シールド層で包囲された電線を個別に収容可能な収容部を並列状に設けた鞘管に、電線を収容することが考えられる。この構成によれば、鞘管の収容部の内面はシールド層に密着し、且つシールド層の内面は電線に密着するようになっている。これにより、電線から発生した熱は、電線からシールド層を介して鞘管に伝達され、鞘管からシールド導電体の外部へ放散される。これによりシールド導電体の放熱性の向上が期待できる。
【0006】
しかしながら、電線を並列状に収容する鞘管の構造では、シールド導電体に可撓性を持たせることは難しい。そこで、鞘管とコルゲートチューブとを接続して、比較的スペースに余裕のある領域では鞘管を用い、狭いスペースではコルゲートチューブを用いることが考えられる。
【0007】
ところが、電線を収容する収容部が並列状に設けられた鞘管は形状が複雑であるため、かしめリングを用いてコルゲートチューブを固着することは困難である。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放熱性と可撓性とを備えたシールド導電体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シールド導電体であって、複数の電線と、前記電線の外周を包囲し且つ可撓性を有するシールド層と、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第1収容部が前記電線の軸線方向と交差する方向に並んで設けられた鞘管と、前記鞘管の前記各第1収容部に接続されて前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第2収容部が設けられ、且つ前記各第2収容部と連通して前記シールド層に包囲された前記電線を一括して収容する第3収容部が設けられた接続部材と、前記接続部材の前記第3収容部に接続されて、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を一括して収容するコルゲートチューブとを備える。
【0010】
本発明によれば、接続部材を用いることにより、電線を収容する収容部が並列状に設けられた鞘管と、コルゲートチューブとを容易に接続することができる。これにより、比較的広いスペースでは電線及びシールド層を鞘管内に収容して配索し、比較的狭いスペースでは、電線及びシールド層をコルゲートチューブ内に収容して配索できる。この結果、鞘管を用いた部分ではシールド導電体の放熱性を向上させることが可能となり、また、コルゲートチューブを用いた部分ではシールド導電体に可撓性を持たせることができる。
【0011】
本発明の実施形態としては、以下の構成が好ましい。
【0012】
前記接続部材は一対の半割体を合体して構成されてなり、前記各半割体は、前記第2収容部を構成する複数の第1弧状部と、前記第3収容部を構成する第2弧状部とを備えており、前記第1弧状部及び前記第2弧状部の断面形状は半円形状である。
【0013】
上記の構成によれば、接続部材を、同じ形状をなす半割体で形成できるから、製造コストの低減を図ることができる。
【0014】
前記コルゲートチューブと前記シールド層との間には、可撓性を有する材料からなる中空の袋部材が配設されており、前記袋部材の内部には空気よりも熱伝導率が高い伝熱材料が充填されている。
【0015】
上記の構成によれば、シールド導電体のうち、電線及びシールド層をコルゲートチューブ内に収容した部分の放熱性を向上させることができる。
【0016】
前記コルゲートチューブの内周面は前記袋部材と接触して前記袋部材を前記コルゲートチューブの径方向内方に押圧しており、前記袋部材は前記シールド層と接触して前記シールド層を前記径方向内方に押圧しており、前記シールド層は前記電線の外周面と接触して前記電線の外周面を前記径方向内方に押圧している。
【0017】
袋部材は可撓性を有するから、コルゲートチューブの内周面が袋部材を押圧することで、袋部材は変形し、コルゲートチューブの内周面と袋部材とは密着するようになる。そして、シールド層も可撓性を有するから、袋部材がシールド層を押圧することで、シールド層が変形し、袋部材とシールド層とは密着する。さらに、袋部材から押圧されることで、シールド部材は電線の外周面と密着する。これにより、電線から発生した熱は、電線の外周面、シールド層、袋部材、コルゲートチューブの内周面と順に伝達され、コルゲートチューブの外周からシールド導電体の外部に放散される。この結果、シールド導電体のうちコルゲートチューブに収容された領域の放熱性を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、放熱性及び可撓性を備えたシールド導電体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明をシールド導電体10に適用した一実施形態を図1ないし図20を参照して説明する。本実施形態は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載されて、バッテリ(図示せず)、インバータ装置(図示せず)、モータ(図示せず)などの機器間を電気的に接続する。シールド導電体10は、車両に対して、例えばクランプ等の保持部材(図示せず)により取り付けられる。図1に示すように、本実施形態に係るシールド導電体10は、複数(本実施形態では3本)の電線13の外周を編組線12(シールド層に相当する)で包囲し、編組線12に包囲された状態の電線13を、鞘管11、接続部材40、及びコルゲートチューブ41の内部に収容してなる。
【0020】
(電線)
図4に示すように、電線13は、金属製(例えばアルミニウム合金や銅合金など)の芯線14の外周を合成樹脂製の絶縁被覆15で包囲してなる。本実施形態における電線13はノンシールドタイプである。電線13の断面形状については、図2に示すように芯線14と絶縁被覆15の双方が円形状とされる。詳細には図示しないが、芯線14は、複数本の細線を螺旋状に寄り合わせた撚り線、又は棒状の単芯線からなる。
【0021】
(編組線)
図4に示すように、編組線12は、全体として筒状をなしている。この編組線12は金属細線をメッシュ状に編みこんでなる。3本の電線13は、編組線12により一括して包囲されている。編組線12は、金属細線の有する可撓性により、径方向における伸縮及び長さ方向における伸縮が可能となっている。
【0022】
(鞘管)
図1に示すように、鞘管11には、電線13の軸線方向(図4における左手前側から右奥側へ向かう方向)に延びて、3つの第1収容部16が設けられている。各第1収容部16は、電線13の延びる方向と交差する方向(図4における右手前側から左奥方に向かう方向)に間隔を空けて並んで設けられている。各第1収容部16内には、編組線12に包囲された状態の3本の電線13が、個別に収容されている(図2参照)。これにより、各電線13は、鞘管11内に、電線13の軸線方向と交差する方向に間隔を空けて並んで収容される。
【0023】
図5及び図6に示すように、鞘管11は、1枚の合成樹脂製の板材17を折り曲げて形成してなる。合成樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、PET、PBT、ナイロン等の、比較的剛性を有する材料を用いることができる。板材17は、公知の手法(例えば押出成形)により形成される。図5に示すように、板材17には、図5における右手前側から左奥側に向かって6つの溝部18が並んで形成されている。各溝部18は、図5における左手前側から右奥側に向かって延びて形成されている。図6に示すように、各溝部18は図6における上方にいくらか引っ込んで形成されており、その断面形状は半円形状をなしている。
【0024】
板材17には、図6における左右方向の略中央に、図6における上方に引っ込んで、板材17を折り曲げるための折り曲げ部19が形成されている。この折り曲げ部19は、溝部18の延びる方向(図5における左手前側から右奥側)に沿って延びて形成されている。
【0025】
図8に示すように、各溝部18は、板材17を折り曲げ部19で折り曲げた状態で、互いに対向する位置に形成されている。互いに対向する溝部18の間には、断面形状が円形をなす空間が形成される。この空間内に電線13及び編組線12が収容されて、上述した第1収容部16とされる。溝部18の内周面の半径は、電線13の絶縁被覆15の外周面の半径と、編組線12の厚さ寸法とを足したものよりも僅かに小さい寸法に設定されている。
【0026】
鞘管11には、各第1収容部16の図8における左右方向両側に、互いに対向する対向壁部20が形成されている。対向壁部20のうち、鞘管11の図8における左右両端部寄りの位置に設けられた第1対向壁部20A同士は、上下方向から互いに当接している。また、対向壁部20のうち、鞘管11の図8における左右方向の中央付近の位置に設けられた第2対向壁部20B同士は、編組線12を対向壁部20の間に挟んだ状態で、間隔を空けて対向している。この間隔は、編組線12の厚さ寸法の2倍よりも僅かに小さく設定されている。
【0027】
対向壁部20には、図5に示すように、第1収容部16の延びる方向に沿って、且つ間隔を空けて並ぶ複数の挿通孔21が、対向壁部20を貫通して形成されている。図8に示すように、挿通孔21は、板材17を折り曲げ部19で折り曲げた状態において、上側に位置する対向壁部20に形成された挿通孔21と、下側に位置する対向壁部20に形成された挿通孔21とが対応する位置に形成されている。これにより、板材17を折り曲げ部19で折り曲げた状態では、各挿通孔21は、図8における上下に連通するようになっている。この挿通孔21内には、合成樹脂製のピン22が上下方向に挿通されている。後に詳述するが、このピン22により、第1収容部16の内周が、電線13の外周に向かって押圧されるようになっている。なお、図8における左右方向の中央付近において挿通孔21に挿通されたピン22は、編組線12を構成する金属細線の隙間を貫通している。
【0028】
図9に示すように、ピン22は、図9における上下方向に延びる軸部23と、軸部23の上端に位置して、軸部23よりも径大であって扁平形状をなす扁平部24とを備えてなる。軸部23には、その下端部寄りの位置から、左斜め上方及び右斜め上方に向かって延びる一対の抜け止め片25が設けられている。抜け止め片25は弾性変形可能になっている。
【0029】
図8における鞘管11の左右両端部寄りに位置する挿通孔21に挿通されたピン22の軸部23は、鞘管11の左右方向の中央付近に位置する挿通孔21に挿通されたピン22の軸部23よりも、上下方向の長さ寸法が短く設定されている。
【0030】
図8に示すように、ピン22が挿通孔21に上方から挿通された状態では、対向壁部20同士は、ピン22の扁平部24の下面と、抜け止め片25の上端との間に挟まれて、抜け止め片25の弾発力により上下方向に押圧された状態で固定される。これにより、図8における上側に位置する溝部18は、下方に向かって押圧され、電線13の外周の上半分に対して押し付けられる。一方、図8における下側に位置する溝部18は、上方に向かって押圧され、電線13の外周の下半部に対して押し付けられる。これにより、溝部18により構成される第1収容部16の内周は、電線13の外周に向かって押し付けられるようになっている。これにより、第1収容部16の内周と電線13の外周との間に編組線12が挟み付けられることになり、この結果、第1収容部16の内周と編組線12とが密着すると共に、編組線12と電線13の外周とが密着する。
【0031】
(接続部材)
図1及び図10に示すように、接続部材40は、一方の端部が鞘管11の端部に接続されており、他方の端部がコルゲートチューブ41に接続されている。接続部材40のうち鞘管11側の端部には、鞘管11の3つの第1収容部16に対応する位置に、3つの第2収容部42が形成されている。図2に示すように第2収容部42の内径は、第1収容部16の外径と略同じ寸法に設定されている。各第2収容部42は、対応する各第1収容部16の外周に外嵌されて接続されるようになっている。図2に示すように、各第2収容部42内には、編組線12に包囲された電線13が個別に収容されている。隣り合う第2収容部42の間には2つの連結部43が形成されている。各連結部43には、上述したピン22を挿通するための挿通孔21が、接続部材40を貫通して形成されている。
【0032】
接続部材40のうちコルゲートチューブ41側の端部には、コルゲートチューブ41と接続される第3収容部44が形成されている。図3に示すように、第3収容部44内には、編組線12に包囲された電線13が一括して収容されている。第3収容部44の内径寸法は、コルゲートチューブ41の外周に外嵌可能に設定されている。第3収容部44の内周面には、図13における右端部に、コルゲートチューブ41と嵌合可能な複数(本実施形態では4つ)の嵌合リブ45が、第3収容部44の径方向内方に突出すると共に周方向に延びて設けられている。嵌合リブ45の、第3収容部44の内周面からの突出高さ寸法は、後述するコルゲートチューブ41の、突部46と溝47との間の高さ寸法の差と略同じに設定されている。
【0033】
3つの第2収容部42は、図12における左右方向の中央付近で1つに連結しており、連結した部分よりも右方は、第3収容部44と連なっている。
【0034】
図12に示すように、接続部材40には、図12における上下両側縁に、上下方向に突出して、一対の耳部48が設けられている。耳部48には、上述したピン22を挿通するための複数の挿通孔21が、接続部材40を貫通して、且つ間隔を空けて並んで形成されている。耳部48には、鞘管11の対向壁部20を収容するための段差部56が形成されている。
【0035】
図11に示すように、接続部材40は、合成樹脂製の1対の半割体49を上下に合体させてなる。半割体49のうち、図12における左端部には、断面形状が半円形状をなす3つの第1弧状部50が、並んで形成されている。半割体49のうち、図12における右端部には、断面形状が半円形状をなす1つの第2弧状部51が形成されている。1対の半割体49を上下に反転させた状態で合体させると、接続部材40が形成される。
【0036】
第1弧状部50同士を合体することで第2収容部42が形成されるようになっている。また、第2弧状部51同士を合体することで第3収容部44が形成されるようになっている。
【0037】
半割体49同士を合体させた状態で挿通孔21にピン22を挿通し、このピン22により半割体49同士を上下方向から押圧することで、半割体49同士を固定する。ピン22により半割体49を固定する態様は、上述した鞘管11を固定する態様と同様なので説明を省略する。
【0038】
3つの第2収容部42内の中空と、1つの第3収容部44内の中空内は、互いに連通しているので、電線13及び編組線12を第2収容部42から第3収容部44に亘って配索できる。
【0039】
(コルゲートチューブ)
コルゲートチューブ41は、合成樹脂製であって、半径方向に張り出すと共に周方向に沿って配される突部46と、半径方向に引っ込むと共に周方向に沿って配される溝47とが交互に連続する蛇腹状の形態とされる。蛇腹状となっていることにより、コルゲートチューブ41は自在に弾性変形させることができるようになっている。コルゲートチューブ41には、その長さ方向に沿った割り溝52が全長に亘って形成されている。コルゲートチューブ41は、その弾性復元力により、割り溝52を閉じた円筒形状を保持できるようになっている。
【0040】
図19に示すように、コルゲートチューブ41内においては、編組線12に包囲された状態の3本の電線13が一括して収容されている。コルゲートチューブ41内においては、3本の電線は、各電線13の中心軸が略正三角形をなすように(俵積み状)に配されている。
【0041】
(袋部材)
図1に示すように、コルゲートチューブ41の内部には、合成樹脂製であって、可撓性を有する袋部材53が収容されている。袋部材53は、編組線12と、コルゲートチューブ41の内周との間に位置して配されている。袋部材53は中空であって、その内部には、空気よりも熱伝導率の高い伝熱材料54が充填されている。伝熱材料54としては、水や冷却油等の液体、シリコングリースやグリセリン等の粘性を有する材料、シリカ粉末やアルミナ粉末等の粉末材料、樹脂ペレット等、空気よりも熱伝導率が高いものであれば任意の材料を用いることができる。
【0042】
図14に示すように、袋部材53は、細長い袋状をなしている。袋部材53のうち図14における左手前側の端部には、袋部材53の内部に伝熱材料54を充填するための注入口55が突出して設けられている。注入口55は、伝熱材料54を充填したのち、例えばヒートシールにより封口されるようになっている。袋部材53は可撓性を有しているので、伝熱材料54が充填された状態で、自在に変形可能になっている。
【0043】
伝熱材料54が充填された状態の袋部材53の体積は、コルゲートチューブ41の内容積から、コルゲートチューブ41内に収容されている編組線12及び電線13の体積を差し引いたものよりも大きく設定されている。
【0044】
図3に示すように、コルゲートチューブ41の外周に接続部材40の第3収容部44が外嵌された状態で、第3収容部44の内周はコルゲートチューブ41をコルゲートチューブ41の径方向内方に押圧する。これによりコルゲートチューブ41の内周は袋部材53をコルゲートチューブ41の径方向内方の押圧する。上述したように袋部材53は可撓性を有しているので、コルゲートチューブ41と編組線12との間の隙間を埋めるように変形する。これにより、袋部材53はコルゲートチューブ41の内周面及び編組線12の外周面と密着する。図1に示すように、袋部材53の長さ寸法は、コルゲートチューブ41の長さ寸法よりも長く設定されている。袋部材53のうち、図1におけるコルゲートチューブ41の左右両端からはみ出した部分は、接続部材40の第3収容部44内に収容される。
【0045】
袋部材53は編組線12をコルゲートチューブ41の径方向内方に押圧している。これにより、可撓性を有する編組線12は、図3に示すように電線13の外周の形状に倣うように変形する。この結果、編組線12は電線13の外周に密着するようになっている。
【0046】
続いて、本実施形態のシールド導電体10の製造方法について説明する。まず、合成樹脂を押出成形することにより、図5に示すように板材17を成形する。対向壁部20に形成される挿通孔21は、押出成形時に形成してもよく、また、板材17を成型した後に、図示しない治具で打抜き加工することにより形成してもよい。
【0047】
続いて、図7に示すように、電線13を編組線12の内部に通す。その後、板材17を折り曲げ部19で折り曲げながら、電線13及び編組線12を板材17で挟み込む。
【0048】
板材17を折り曲げ部19で折り曲げると、板材17に形成された溝部18により第1収容部16が形成される。この第1収容部16内に電線13が個別に収容されるようにして板材17を折り曲げる。
【0049】
その後、図9に示すように、対向壁部20の挿通孔21内にピン22を通す。上下に連通する挿通孔21の上方から、ピン22の扁平部24を上方に向けた姿勢で、ピン22を下方に押し下げる。軸部23の下部が挿通孔21内に挿入されると、軸部23の下端部寄りの位置に設けられた抜け止め片25は挿通孔21の内周面から押圧されて、一対の抜け止め片25が閉じる方向に弾性変形する。さらにピン22を下方に押し下げると、一対の抜け止め片25が開き方向に復帰変形する。すると、ピン22の扁平部24の下面と、上側に位置する対向壁部20の上面とが上下方向から当接し、且つ、抜け止め片25の上端と、下側に位置する対向壁部20の下面とが上下方向から当接する。これにより、ピン22の扁平部24と抜け止め片25との間に、対向壁部20が挟持される。対向壁部20は、抜け止め片25の弾発力により、図8における上下方向に押圧される。これにより、板材17は、上下方向に開き変形することが防止された状態で、固定される。
【0050】
図15に示すように、鞘管11の端部から延出された電線13を、編組線12に包囲された状態で、俵積み状に配置する。
【0051】
一方、袋部材53の注入口55から袋部材53の内部に伝熱材料54を充填し、その後、注入口55を、例えばヒートシールにより封口する。注入口55は、接着剤により封口してもよい。その後、図16及び図17に示すように、袋部材53を電線13及び編組線12の外周を包囲するように配置する。
【0052】
図18に示すように、袋部材53を電線13及び編組線12の外周に配した状態では、編組線12と袋部材53との間には、隙間が生じている。この状態で、コルゲートチューブ41の割り溝52を開いて、コルゲートチューブ41を袋部材53の外周を包囲するようにして組み付ける。すると、コルゲートチューブ41の弾性復元力により、割り溝52が閉じる。これにより、図19に示すように、コルゲートチューブ41の内周面に押圧されて袋部材53が変形し、コルゲートチューブ41の内周面と袋部材53とが密着すると共に、袋部材53と編組線の外周面とが密着する。さらに、編組線12と電線13の外周面とが密着する。
【0053】
その後、図20に示すように、図20におけるコルゲートチューブ41の左右両端部に、一対の半割体49を上下方向から合体させる。このとき、3つの第1弧状部50を、対応する第1収容部16の外周に外嵌する。
【0054】
一方、第2弧状部51をコルゲートチューブ41の外周に外嵌する。このとき、コルゲートチューブ41の溝47部と、接続部材40の嵌合リブ45とが対応するような位置関係とする。
【0055】
半割体49を合体させた状態で、耳部48に形成された挿通孔内にピンを挿通する。このピンにより、半割体49は、図1における上下方向に押圧されて固定される。これにより、シールド導電体が完成する。
【0056】
本発明によれば、接続部材40を用いることにより、電線13を収容する収容部が並列状に設けられた鞘管11と、コルゲートチューブ41とを容易に接続することができる。これにより、比較的広いスペースでは電線13及び編組線12を鞘管11内に収容して配索し、比較的狭いスペースでは、電線13及び編組線12をコルゲートチューブ41内に収容して配索できる。この結果、鞘管11を用いた部分ではシールド導電体10の放熱性を向上させることが可能となり、また、コルゲートチューブ41を用いた部分ではシールド導電体10に可撓性を持たせることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、接続部材40を、同じ形状をなす半割体49で形成できるから、製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、コルゲートチューブ41とシールド層との間には、可撓性を有する材料からなる中空の袋部材53が配設されており、この袋部材53の内部には空気よりも熱伝導率が高い伝熱材料54が充填されている。これにより、シールド導電体10のうち、電線13及び編組線12をコルゲートチューブ41内に収容した部分の放熱性を向上させることができる。
【0059】
さらに、袋部材53は可撓性を有するから、コルゲートチューブ41の内周面が袋部材53を押圧することで、袋部材53は変形し、コルゲートチューブ41の内周面と袋部材53とは密着するようになる。そして、編組線12も可撓性を有するから、袋部材53が編組線12を押圧することで、編組線12が変形し、袋部材53と編組線12とは密着する。さらに、袋部材53から押圧されることで、編組線12は電線13の外周面と密着する。これにより、電線13から発生した熱は、電線13の外周面、編組線12、袋部材53、コルゲートチューブ41の内周面と順に伝達され、コルゲートチューブ41の外周からシールド導電体の外部に放散される。この結果、シールド導電体10のうちコルゲートチューブ41に収容された領域の放熱性を一層向上させることができる。
【0060】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)複数の電線13を一括して包囲する編組線12であったが、各電線13は、編組線12により個別に包囲される構成としてもよい。
(2)本実施形態では、シールド導電体10は3本の電線13を含む構成としたが、これに限られず、2本又は4本以上の複数の電線13を含む構成としてもよい。
(3)接続部材40を構成する一対の半割体49が互いに異なる形状であってもよい。
(4)電線13の発熱量が比較的小さい場合には、袋部材53は省略できる。
(5)本実施形態では、シールド層は編組線12としたが、これに限られず、例えばアルミニウム製のシート材、テープ材等、可撓性及びシールド性を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。
(6)本実施形態においては、鞘管11は、1枚の板材17を折り曲げて形成する構成としたが、これに限られず、1対の板材を重ね合わせて形成する構成としてもよい。この場合、1対の板材は、同じ合成樹脂材料からなるものであってもよく、また、一方は合成樹脂材料からなり、他方は金属材料からなるものであってもよい。
(7)本実施形態においては、接続部材40は、同じ合成樹脂材料からなる1対の半割体49を合体させて形成する構成としたが、これに限られず、一方の半割体49は合成樹脂材料とし、他方の半割体49は金属材料からなるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態に係るシールド導電体の断面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】図1におけるB−B線断面図
【図4】鞘管を示す斜視図
【図5】板部材を示す斜視図
【図6】板部材を示す正面図
【図7】鞘管を製造する過程を示す断面図
【図8】鞘管を示す断面図
【図9】挿通孔にピンを挿通する工程を示す断面図
【図10】鞘管及びコルゲートチューブに接続された状態の接続部材を示す平面図
【図11】半割体を示す分解斜視図
【図12】半割体を示す平面図
【図13】コルゲートチューブと半割体との接続構造を示す断面図
【図14】袋部材を示す斜視図
【図15】シールド導電体の製造工程であって、電線及び編組線に鞘管を組み付けた状態を示す断面図
【図16】袋部材を組み付けた状態を示す断面図
【図17】図16におけるC−C線断面図
【図18】コルゲートチューブを組み付ける過程を示す断面図
【図19】コルゲートチューブが組み付けられた状態を示す断面図
【図20】半割体を組み付ける過程を示す断面図
【符号の説明】
【0062】
10…シールド導電体
11…鞘管
12…編組線(シールド層)
13…電線
16…第1収容部
40…接続部材
41…コルゲートチューブ
42…第2収容部
44…第3収容部
49…半割体
50…第1弧状部
51…第2弧状部
53…袋部材
54…伝熱材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線と、前記電線の外周を包囲し且つ可撓性を有するシールド層と、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第1収容部が前記電線の軸線方向と交差する方向に並んで設けられた鞘管と、前記鞘管の前記各第1収容部に接続されて前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第2収容部が設けられ、且つ前記各第2収容部と連通して前記シールド層に包囲された前記電線を一括して収容する第3収容部が設けられた接続部材と、前記接続部材の前記第3収容部に接続されて、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を一括して収容するコルゲートチューブとを備えるシールド導電体。
【請求項2】
前記接続部材は一対の半割体を合体して構成されてなり、前記各半割体は、前記第2収容部を構成する複数の第1弧状部と、前記第3収容部を構成する第2弧状部とを備えており、前記第1弧状部及び前記第2弧状部の断面形状は半円形状である請求項1記載のシールド導電体。
【請求項3】
前記コルゲートチューブと前記シールド層との間には、可撓性を有する材料からなる中空の袋部材が配設されており、前記袋部材の内部には空気よりも熱伝導率が高い伝熱材料が充填されている請求項1または請求項2に記載のシールド導電体。
【請求項4】
前記コルゲートチューブの内周面は前記袋部材と接触して前記袋部材を前記コルゲートチューブの径方向内方に押圧しており、前記袋部材は前記シールド層と接触して前記シールド層を前記径方向内方に押圧しており、前記シールド層は前記電線の外周面と接触して前記電線の外周面を前記径方向内方に押圧している請求項3に記載のシールド導電体。
【請求項1】
複数の電線と、前記電線の外周を包囲し且つ可撓性を有するシールド層と、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第1収容部が前記電線の軸線方向と交差する方向に並んで設けられた鞘管と、前記鞘管の前記各第1収容部に接続されて前記シールド層に包囲された状態の前記電線を個別に収容する複数の第2収容部が設けられ、且つ前記各第2収容部と連通して前記シールド層に包囲された前記電線を一括して収容する第3収容部が設けられた接続部材と、前記接続部材の前記第3収容部に接続されて、前記シールド層に包囲された状態の前記電線を一括して収容するコルゲートチューブとを備えるシールド導電体。
【請求項2】
前記接続部材は一対の半割体を合体して構成されてなり、前記各半割体は、前記第2収容部を構成する複数の第1弧状部と、前記第3収容部を構成する第2弧状部とを備えており、前記第1弧状部及び前記第2弧状部の断面形状は半円形状である請求項1記載のシールド導電体。
【請求項3】
前記コルゲートチューブと前記シールド層との間には、可撓性を有する材料からなる中空の袋部材が配設されており、前記袋部材の内部には空気よりも熱伝導率が高い伝熱材料が充填されている請求項1または請求項2に記載のシールド導電体。
【請求項4】
前記コルゲートチューブの内周面は前記袋部材と接触して前記袋部材を前記コルゲートチューブの径方向内方に押圧しており、前記袋部材は前記シールド層と接触して前記シールド層を前記径方向内方に押圧しており、前記シールド層は前記電線の外周面と接触して前記電線の外周面を前記径方向内方に押圧している請求項3に記載のシールド導電体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−59505(P2009−59505A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223841(P2007−223841)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]