説明

シールド掘進機の攪拌装置

【課題】 シールド掘進機の攪拌装置において、チャンバの前後方向略全幅に亙ってチャンバ内の掘削土を攪拌して、攪拌能力を高めること、攪拌羽根がチャンバ内を移動するカッター支持部材や混練翼等と干渉することを防止し、加泥材をチャンバ内の掘削土の内部に広く行き渡らせるように噴射して掘削土に確実に迅速に混練すること、等である。
【解決手段】 攪拌装置8は、攪拌羽根70を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ6内へ突出させた突出位置とチャンバ6の後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造71と、攪拌羽根70を回転駆動する回転駆動機構72と、攪拌羽根70を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動機構73とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機のチャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌羽根を、前後方向と平行な軸心回りに回転駆動する回転駆動手段と前後方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えた攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シールド掘進機は、胴体と、胴体を推進させる複数のシールドジャッキと、胴体の前端側に設けられたカッターヘッドと、カッターヘッドで掘削された掘削土を収容するチャンバと、チャンバの後端を仕切る隔壁と、チャンバ内の掘削土を排出する排土装置とを備え、更に、チャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌装置を備えたものが広く実用化されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
特許文献1の攪拌装置は、カッターヘッドに後方突出状に固定された第1混練翼と、隔壁に前方突出状に固定された第2混練翼と、カッターヘッドが前端部に取り付けられたヘッド軸部材に固定されたアジテータとを備え、第1混練翼とアジテータがカッターヘッドと一体的に回転する。特許文献2〜5の攪拌装置は、チャンバ内に配設された攪拌羽根と、攪拌羽根を回転駆動する(自転させる)回転駆動機構とを備えている。
【0004】
特許文献2の攪拌装置では、攪拌羽根が回転軸部材の前端部に取り付けられ、隔壁に軸受部材が貫通状に装着され、この軸受部材に回転軸部材が回転自在に支持されて隔壁を挿通し、隔壁の後面側にハウジングが固定され、回転駆動機構が、ハウジングに取り付けられた駆動モータと、この駆動モータの駆動力を回転軸部材に伝達するピニオン・ギヤとを有する。特許文献3,4の攪拌装置では、攪拌羽根を支持して回転駆動する回転駆動機構を有する駆動機が隔壁に固定的に貫通状に設けられている。
【0005】
特許文献5の攪拌装置では、攪拌羽根が回転軸部材の前部に取り付けられ、カッターヘッドとドラムに軸受部材が夫々装着され、回転軸部材の前端部がカッターヘッド側の軸受部材に回転自在に支持され、回転軸部材の後部がドラム側の軸受部材に回転自在に支持されてドラムを挿通し、回転駆動機構が、ドラムの外周近傍部に固定的に設けられたリングギヤと、回転軸部材の後端部に固定されてリングギヤに噛合するピニオンとを有し、カッターヘッド及びドラムと一体的に攪拌羽根が回転すると共に、ドラムの回転により回転駆動機構が作動して攪拌羽根を自転させる。
【0006】
ところで、シールド掘進機において、カッターヘッドが支持され且つ隔壁に沿って少なくとも揺動移動されるカッター支持部材を備え、このカッター支持部材とカッターヘッドを有する掘削装置により、種々の断面形状(例えば、矩形断面)のトンネルを掘削形成することができるものが実用に供されている。
【0007】
また、シールド掘進機において、隔壁に加泥材噴射口を形成し、この加泥材噴射口から前方のチャンバ内に加泥材を噴射して、掘削土の流動性を高く或いは低くして掘削土を改良する技術は一般的に用いられ、この場合、攪拌装置により掘削土を攪拌することにより、チャンバ内に噴射された加泥材が掘削土に混練される。
【0008】
【特許文献1】特開平10−153086号公報
【特許文献2】特開2003−97181号公報
【特許文献3】特開平8−291693号公報
【特許文献4】特開昭62−153494号公報
【特許文献5】特開昭60−105797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の攪拌装置では、カッターヘッドに混練翼とアジテータを固定的に設け、これら混練翼とアジテータがカッターヘッドと一体的に回転してチャンバ内の掘削土を攪拌するため、高い攪拌能力を期待することができず、しかも、カッターヘッドが回転していない場合には、チャンバ内の掘削土を攪拌できない。
【0010】
特許文献2〜4の攪拌装置では、攪拌羽根がチャンバ内の定位置で回転するため、また、特許文献5の攪拌装置では、攪拌羽根はカッターヘッド及びドラムと一体的に回転し且つ自転するが、この攪拌羽根の前後方向位置は定位置となるため、こうした攪拌羽根により、チャンバの前後方向略全幅に亙ってチャンバ内の掘削土を攪拌することが難しく、高い攪拌能力を期待できない虞がある。
【0011】
しかも、シールド掘進機が、カッターヘッドを可動に支持するカッター支持部材やカッターヘッドに後方突出状に設けられた混練翼を有する場合、このカッター支持部材や混練翼に攪拌羽根が干渉する虞があるので、攪拌羽根を設けることができない、或いは、これを回避するように攪拌羽根を設けたとしても、攪拌羽根の配置が大きく制約されるため、高い攪拌能力を得ることが難しい。
【0012】
また、隔壁に形成された加泥材噴射口からチャンバ内に加泥材を噴射する技術では、チャンバ内の掘削土の内部に加泥材を広く行き渡らせるように噴射することが難しく、しかも、前記のように攪拌能力を期待できない攪拌羽根では、チャンバ内に噴射された加泥材を掘削土に確実に迅速に混練できない虞がある。
【0013】
本発明の目的は、シールド掘進機の攪拌装置において、チャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌羽根を、前後方向と平行な軸心回りに回転駆動するとともに、突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動するようにして、チャンバの前後方向略全幅に亙ってチャンバ内の掘削土を攪拌して、攪拌能力を高めること、攪拌羽根がチャンバ内を移動するカッター支持部材や混練翼等と干渉することを防止し、攪拌羽根を所期位置に設けて、高い攪拌能力を発揮させること、加泥材をチャンバ内の掘削土の内部に広く行き渡らせるように噴射して掘削土に確実に迅速に混練すること、等々である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1のシールド掘進機の攪拌装置は、胴体と、胴体の前端側に設けられたカッターヘッドと、カッターヘッドで掘削された掘削土を収容するチャンバと、チャンバの後端を仕切る隔壁と、チャンバ内の掘削土を排出する排土手段とを備えたシールド掘進機において、前記チャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌羽根と、前記攪拌羽根を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ内へ突出させた突出位置とチャンバの後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造と、前記攪拌羽根を回転駆動する回転駆動手段と、前記攪拌羽根を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
この攪拌装置では、攪拌羽根支持構造により、攪拌羽根が前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ内へ突出させた突出位置とチャンバの後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持されている。回転駆動手段により攪拌羽根が回転駆動されて、この攪拌羽根によりチャンバ内の掘削土が攪拌され、移動駆動手段により攪拌羽根が突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動される。ここで、攪拌羽根の前後方向位置に関わらず、回転駆動手段により攪拌羽根を回転駆動可能に構成することが望ましい。
【0016】
攪拌羽根が前後方向へ移動駆動されることで、攪拌羽根によりチャンバの前後方向略全幅に亙ってチャンバ内の掘削土が攪拌されて、攪拌能力が高められる。また、攪拌羽根が前後方向へ移動駆動されることで、シールド掘進機が、チャンバ内を移動するカッター支持部材や混練翼等を有し、突出位置の攪拌羽根がカッター支持部材や混練翼等と干渉する虞がある場合、攪拌羽根が適当なタイミングで退入位置に切り換えられて、攪拌羽根がカッター支持部材や混練翼等に干渉することが防止され、故に、攪拌羽根が所期位置に設けられて、高い攪拌能力が発揮される。
【0017】
ここで、請求項1の発明に次の構成を採用することができる。
前記シールド掘進機は、カッターヘッドが可動に支持され且つ隔壁に沿って少なくとも揺動移動されるカッター支持部材を備え、前記カッター支持部材の移動領域に突出位置の攪拌羽根が進入している(請求項2)。
【0018】
前記攪拌羽根は、回転軸部材の前端部分に取り付けられて、その後端側が前端側よりも回転方向先行側に位置する螺旋形状を有する複数のスクリュー羽根を有し、前記回転軸部材の前端部分からスクリュー羽根の方へ向けて加泥材を噴射させる加泥材噴射手段を備える(請求項3)。前記攪拌羽根を収容可能に隔壁から後方へ凹むように収容凹部が形成され、前記退入位置は、攪拌羽根を収容凹部に収容させた位置である(請求項4)。
【0019】
前記攪拌羽根支持構造は、収容凹部の後端部から後方へ延びるスリーブと、このスリーブに前後方向へ移動自在に内嵌され且つ回転軸部材が回転自在に支持された可動部材とを有し、前記回転駆動手段は、可動部材の内部に取り付けられ回転軸部材に直結された駆動モータを有し、前記移動駆動手段は、スリーブの後端の支持部材に取り付けられて可動部材を前後方向へ移動駆動する駆動装置を有する(請求項5)。前記加泥材噴射手段は、回転軸部材の前端部分の側部に形成された噴射口と、可動部材に形成された加泥材供給ポートと、これら噴射口と加泥材供給ポートとを連通するように可動部材と回転軸部材の内部に形成された加泥材通路とを有する(請求項6)。
【発明の効果】
【0020】
請求項1のシールド掘進機の攪拌装置によれば、チャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌羽根と、攪拌羽根を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ内へ突出させた突出位置とチャンバの後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造と、攪拌羽根を回転駆動する回転駆動手段と、攪拌羽根を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えたので、攪拌羽根によりチャンバの前後方向略全幅に亙ってチャンバ内の掘削土を攪拌して、攪拌能力を高めることができ、また、シールド掘進機が、チャンバ内を移動するカッター支持部材や混練翼等を有し、突出位置の攪拌羽根がカッター支持部材や混練翼等と干渉する虞がある場合、攪拌羽根を適当なタイミングで退入位置に切り換えて、攪拌羽根がカッター支持部材や混練翼等に干渉することを防止でき、故に、攪拌羽根を所期位置に設けて、高い攪拌能力を発揮させることができる。
【0021】
請求項2のシールド掘進機の攪拌装置によれば、シールド掘進機は、カッターヘッドが可動に支持され且つ隔壁に沿って少なくとも揺動移動されるカッター支持部材を備え、カッター支持部材の移動領域に突出位置の攪拌羽根が進入しているので、このカッター支持部材とカッターヘッドを有する掘削装置により種々の断面形状のトンネルを掘削形成できるシールド掘進機に適用して、攪拌羽根がカッター支持部材に干渉することを防止して、攪拌羽根を所期位置に設けて、高い攪拌能力を発揮させることができる。
【0022】
請求項3のシールド掘進機の攪拌装置によれば、攪拌羽根は、回転軸部材の前端部分に取り付けられて、その後端側が前端側よりも回転方向先行側に位置する螺旋形状を有する複数のスクリュー羽根を有し、回転軸部材の前端部分からスクリュー羽根の方へ向けて加泥材を噴射させる加泥材噴射手段を備えたので、攪拌羽根を前後方向へ移動駆動しつつ、回転軸部材の前端部分からスクリュー羽根に向けて噴射した加泥材を回転するスクリュー羽根で方向変換させ、チャンバ内の掘削土の内部に広く行き渡らせるように後方へ噴射して、攪拌羽根により掘削土に確実に迅速に混練することができる。
【0023】
請求項4のシールド掘進機の攪拌装置によれば、攪拌羽根を収容可能に隔壁から後方へ凹むように収容凹部を形成し、前記退入位置は、攪拌羽根を収容凹部に収容させた位置であるので、攪拌羽根を退入位置に位置させて、攪拌羽根がチャンバ内を移動するカッター支持部材や混練翼等に干渉することを確実に防止することができる。
【0024】
請求項5のシールド掘進機の攪拌装置によれば、攪拌羽根支持構造は、収容凹部の後端部から後方へ延びるスリーブと、このスリーブに前後方向へ移動自在に内嵌され且つ回転軸部材が回転自在に支持された可動部材とを有し、回転駆動手段は、可動部材の内部に取り付けられ回転軸部材に直結された駆動モータを有し、移動駆動手段は、スリーブの後端の支持部材に取り付けられて可動部材を前後方向へ移動駆動する駆動装置を有するので、攪拌羽根支持構造を簡単化すると共に、駆動モータにより攪拌羽根を前後方向と平行な軸心回りに確実に回転駆動し、駆動装置により攪拌羽根を可動部材と一体的に前後方向へ確実に移動駆動することができ、攪拌羽根の前後方向位置に関わらず、攪拌羽根を回転駆動可能に、且つ、回転軸部材の先端部分から加泥材を噴射可能に構成できる。
【0025】
請求項6のシールド掘進機の攪拌装置によれば、加泥材噴射手段は、回転軸部材の前端部分の側部に形成された噴射口と、可動部材に形成された加泥材供給ポートと、これら噴射口と加泥材供給ポートとを連通するように可動部材と回転軸部材の内部に形成された加泥材通路とを有するので、可動部材の加泥材供給ポートに加泥材を供給することで、その加泥材を加泥材通路により噴射口へ導き、その噴射口からスクリュー羽根の方へ向けて確実に噴射させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
シールド掘進機は、胴体と、胴体の前端側に設けられたカッターヘッドと、カッターヘッドで掘削された掘削土を収容するチャンバと、チャンバの後端を仕切る隔壁と、チャンバ内の掘削土を排出する排土手段とを備え、本発明のシールド掘進機の攪拌装置は、チャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌羽根と、攪拌羽根を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ内へ突出させた突出位置とチャンバの後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造と、攪拌羽根を回転駆動する回転駆動手段と、攪拌羽根を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動手段とを備えたものである。
【実施例】
【0027】
図1〜図3に示すように、シールド掘進機1は、胴体2、胴体2を推進させる複数のシールドジャッキ3、胴体2を中折れさせる複数の中折れジャッキ4、胴体2の前端側に設けられた左右1対のカッターヘッド62を有する掘削装置5、カッターヘッド62で掘削された掘削土を収容するチャンバ6、チャンバ6の後端を仕切る隔壁7、チャンバ6内の掘削土を攪拌する6組の攪拌装置8、チャンバ6内の掘削土を排出する左右1対の排土管80を有する排土装置9、カッターヘッド62で掘削形成されたトンネルTの内面にセグメントSを組付ける左右1対のエレクタ装置11等を備えている。
【0028】
胴体2は前胴20と後胴21とを有し、前胴20の後端部と後胴21の前端部が中折れ部22を介して中折れ可能に連結されている。前胴20の内部に、固定隔壁25と可動隔壁26からなる隔壁7が設けられ、また、環状体30が固定されている。この環状体30は、固定隔壁25を形成する前壁部材31と、前壁部材31に前端部が結合された左右1対の円筒部材32と、1対の円筒部材32の後端部が結合され且つ前胴20の内面に外周部が結合された後壁部材33とを有する。
【0029】
図2に示すように、固定隔壁25には、4つのマンホール40が形成され、4つのマンホール開閉板41が設けられ、12つの薬剤注入口42が形成され、10つの土圧計43が設けられ、6組の攪拌装置8に対応する6つの円形開口44が形成され、1対の排土装置10に対応する左右1対の排土口45が形成されている。6つの円形開口44は、各可動隔壁26の回りに4つの円形開口44が上下左右に対称になるように設けられ、1対の排土口45は、1対の可動隔壁26の下側に設けられている。各可動隔壁26には、1つのマンホール46が形成され、1つのマンホール開閉板47が設けられている。
【0030】
図1〜図3に示すように、後胴21の内面には、その前端部にリングウェブ50が固着され、後端部分にテールシール51が設けられている。後胴21の内部には、リングウェブ50に前端部が連結されて後方へ延びる後部作業デッキ55が配設されている。
【0031】
複数のシールドジャッキ3は、前胴20の後端部分と後胴21の前端部分とに亙って、その内面に沿って周方向に適当間隔(略等間隔)おきに後方向きに配設され、各シールドジャッキ3のジャッキ本体の後部がリングウェブ50に貫通状に固定されている。複数のシールドジャッキ3はエレクタ装置11で組付けられたセグメントSを後方へ押す反力により推進力を発生する。
【0032】
複数の中折れジャッキ4は、前胴20の後端部分と後胴21の前端部(中折れ部22)とに亙って、その内面に沿って複数のシールドジャッキ3と干渉しないように周方向に適当間隔(略等間隔)おきに前方向向きに配設され、各中折れジャッキ4の前端部が、前胴20に結合されたブラケット52に回動可能に連結され、各中折れジャッキ4の後端部が、後胴21に結合されたブラケット53に回動可能に連結されている。
【0033】
左右1対の掘削装置5は同構造であり、各掘削装置5は、前胴20に第1軸心A1の回りに回動自在に支持されたドラム60、ドラム60に第1軸心A1から偏心した第2軸心A2の回りに回動自在に支持された揺動フレーム61、揺動フレーム61に第2軸心A2から偏心した第3軸心A3の回りに回動自在に支持されたカッターヘッド62、ドラム60を回動させる複数の第1油圧モータ63、揺動フレーム61を回動させる複数の第2油圧モータ64、カッターヘッド62を回動させる複数の第3油圧モータ65を有する。カッターヘッド62の表面部には多数のカッタービット62aが取り付けられている。揺動フレーム61が、カッターヘッド62が可動に支持され且つ隔壁7に沿って少なくとも揺動移動されるカッター支持部材に相当する。
【0034】
次に、攪拌装置8について詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、6組の攪拌装置8は同構造であり、各可動隔壁26の回りに4組の攪拌装置8が上下左右に対称になるように配設されている。図4、図5に示すように、各攪拌装置8は、チャンバ6内の掘削土を攪拌する攪拌羽根70、攪拌羽根70を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ6内へ突出させた突出位置(図4に仮想線で示す位置)とチャンバ6の後端側へ退入させた退入位置(図4に実線で示す位置)とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造71、攪拌羽根70を回転駆動する回転駆動機構72、攪拌羽根70を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動機構73、チャンバ6内に加泥材を噴射させる加泥材噴射機構74を備えている。
【0035】
隔壁7(固定隔壁25)に形成された円形開口44の周縁部に、前方が開放する断面コ字状の凹部形成部材75の前端部が結合され、この凹部形成部材75により攪拌羽根70を収容可能に隔壁7から後方へ凹むように収容凹部76が形成され、攪拌羽根70は収容凹部76に収容されて退入位置になり、攪拌羽根70が突出位置のときに掘削装置5の揺動フレーム61の移動領域に進入した状態になる。
【0036】
攪拌羽根70は、前後方向に長い回転軸部材77の前端部分に取り付けられており、その後端側が先端側よりも回転方向先行側に位置する螺旋形状を有する複数(例えば、3枚)のスクリュー羽根70aを有する。攪拌羽根70(複数のスクリュー羽根70a)は、その前端が回転軸部材77の前端を含む同一鉛直面内に位置し、攪拌羽根70が退入位置に位置して収容凹部76に収容された状態で、攪拌羽根70及び回転軸部材77の前端と隔壁7の前後方向位置が略一致する。
【0037】
攪拌羽根支持構造71は、収容凹部76の後端部から後方へ延びるスリーブ78と、このスリーブ78に前後方向へ移動自在に内嵌され且つ回転軸部材77が回転自在に支持された可動部材80とを有する。凹部形成部材75の後壁に円形開口75aが形成され、スリーブ78は、その前端部が凹部形成部材75の円形開口75aの周縁部に結合され、長さ方向中央部分が環状体30の後壁部材33に貫通状に結合され支持されている。スリーブ78の内面部には筒状の低摩擦部材78aが固定的に設けられている。
【0038】
可動部材80は、ヘッド部材81と、軸支持部材82と、後部円筒部材83とを有し、ヘッド部材81の後端部と軸支持部材82の前端部とが面接触状に結合されて、これらの間が環状シール部材84aによりシールされ、軸支持部材82の後端部と後部筒状部材83の前端部の内鍔部83aとが面接触状に結合されて、これらの間が環状シール部材84bによりシールされている。
【0039】
ヘッド部材81と軸支持部材82に軸孔81a,82aが夫々形成され、ヘッド部材81の軸孔81aに回転軸部材77の前後方向中央部分が回転摺動自在に挿通されて、この回転軸部材77とヘッド部材81との間が環状シール部材84cによりシールされ、軸支持部材82の軸孔82aに回転軸部材77の後部が挿入され、前後1対の軸受部材85a,85bを介して軸支持部材82に回転自在に支持されている。
【0040】
回転駆動機構72は、可動部材80の内部に取り付けられ回転軸部材77に直結された駆動モータ86を有する。駆動モータ86は可動部材80の軸支持部材82の後端部に前向きに固定されて後部円筒部材83の前部内側に配置されている。
【0041】
移動駆動機構73は、スリーブ78の後端の支持部材に相当する後端壁部材79に取り付けられて可動部材80を前後方向へ移動駆動する駆動装置87(例えば、油圧シリンダ等の流体圧シリンダ)を有する。可動部材80の後部円筒部材83の内部には、駆動モータ86の後側に位置する部位にロッド連結部材88が固定され、後部円筒部材83の後端に後端壁部材89が固定され、スリーブ78の後端の後端壁部材79と後部円筒部材83の後端の後端壁部材89にはシリンダ挿通穴79a,89aが夫々形成されている。
【0042】
例えば、駆動装置87が流体圧シリンダの場合、両後端壁部材79,89のシリンダ挿通穴79a,89aを挿通して前向きに配設され、駆動装置87のシリンダ本体87aがスリーブ78の後端の後端壁部材79にブラケット79bを介して連結され、ロッド87bの前端部が後部円筒部材83の内部のロッド連結部材88に連結されている。駆動装置87には駆動制御ユニット(図示略)から流体圧が供給され、この駆動制御ユニットにより、駆動装置87が駆動制御される。
【0043】
加泥材噴射機構74は、回転軸部材77の前端部分の側部に形成された1つ(又は複数)の噴射口90と、可動部材80に形成された加泥材供給ポート91と、これら噴射口90と加泥材供給ポート91とを連通するように可動部材80と回転軸部材77の内部に形成された加泥材通路92と、管部材93を有する。噴射口90は、回転軸部材77の前端部分の側部のうち攪拌羽根70の隣り合うスクリュー羽根70aの間に形成されている。
【0044】
加泥材通路92は、回転軸部材77に形成された内部通路部92aと側方穴部92bを有し、可動部材80において、ヘッド部材81に形成された環状内溝部92cと通路部92d、軸支持部材82に形成された通路部92e、後部円筒部材83の内鍔部83aに形成された通路部92fを有する。回転軸部材77において、側方穴部92bは回転軸部材77のうちヘッド部材81に内嵌された部分に形成され、通路部92aに噴射口90と側方穴部92bとが接続され、側方穴部92bにヘッド部材81の環状内溝部92cが接続され、これらの接続部の前後両側において、回転軸部材77とヘッド部材81との間が1対の環状シール部材94aによりシールされている。
【0045】
ヘッド部材81の通路部92dと軸支持部材82の通路部92eとが接続され、これら接続部の周囲において、ヘッド部材81と軸支持部材82との間がOリング94bでシールされ、また、軸支持部材82の通路部92eと後部円筒部材83の内鍔部83aの通路部92fとが接続され、これら接続部の周囲において、軸支持部材82と後部円筒部材83の内鍔部83aとの間がOリング94cでシールされている。後部円筒部材83の後端壁部材89に加泥材供給ポート91が形成され、この加泥材供給ポート91と後部円筒部材83の内鍔部83aの通路部92fとが管部材93により接続されている。
【0046】
左右1対の排土装置9は同構造であり、図1〜図3に示すように、各排土装置9は、排土管100、排土管100の内部に回転自在に配設されたスクリューウォーガ101、スクリューウォーガ101を回転駆動するスクリューモータ102を有する。
【0047】
次に、シールド掘進機1の作用について説明する。
このシールド掘進機1では、胴体2が複数のシールドジャッキ3により推進され、その際、前胴20が後胴21に対して複数の中折れジャッキ4により首振りされて、胴体2の推進方向が変えられる。胴体2が推進することで、掘削装置5により胴体2の前方の地山が掘削されて、掘削土がチャンバ6に回収され、6組の攪拌装置8により攪拌され、1対の排土装置9により排出される。こうしてトンネルTが掘削形成されると共に、順次、1対のエレクタ装置7により複数のセグメントSがリング状に組付けられていく。
【0048】
チャンバ6内の掘削土を6組の攪拌装置8により攪拌する場合、各攪拌装置8において、移動駆動機構73により攪拌羽根70が突出位置に切り換えられた状態で、回転駆動機構72により攪拌羽根70が回転駆動されてチャンバ6内の掘削土を攪拌し、更に、移動駆動機構73により攪拌羽根70が前後方向へ移動駆動されて、チャンバ6の前後方向略全幅に亙ってチャンバ6内の掘削土を攪拌する。
【0049】
その際、加泥材噴射機構74により、回転軸部材77の前端部分から攪拌羽根70のスクリュー羽根70aの方へ向けて加泥材が噴射されると、その加泥材が回転するスクリュー羽根70aで方向変換されて前方へ噴射されて、攪拌羽根70により掘削土に混練され、ここで、移動駆動機構73により攪拌羽根70が前後方向へ移動駆動されることで、加泥材がチャンバ6内の掘削土の内部に広く行き渡らせるように噴射されて、攪拌羽根70により掘削土に確実に迅速に混練される。
【0050】
つまり、チャンバ6内の掘削土が確実に且つ迅速に改良されるため、チャンバ6内の掘削土を排出する排土装置9の機能が維持され、また、チャンバ6内の掘削土の土圧が均一化され、上方の地山の不測の崩落が防止される。
【0051】
ところで、掘削装置5の揺動フレーム61の移動領域に突出位置の攪拌羽根70は進入しているため、揺動フレーム61が収容凹部76の前側に位置するとき、攪拌羽根70が突出位置のままでは揺動フレーム61と干渉する。そこで、揺動フレーム61が収容凹部76の前側に位置する前の適当なタイミングで、移動駆動機構73により突出位置の攪拌羽根70が後方へ移動駆動されて、収容凹部76に収容された退入位置に切り換えられ、揺動フレーム61が収容凹部76の前側を通り過ぎた後に、移動駆動機構73により退入位置の攪拌羽根70が前方へ移動駆動されて突出位置に切り換えられる。
【0052】
以上説明した攪拌装置8によれば、チャンバ6内の掘削土を攪拌する攪拌羽根70と、攪拌羽根70を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ6内へ突出させた突出位置とチャンバ6の後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造71と、攪拌羽根70を回転駆動する回転駆動機構72と、攪拌羽根70を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動機構手73とを備えた。
【0053】
従って、攪拌羽根70によりチャンバ6の前後方向略全幅に亙ってチャンバ6内の掘削土を攪拌して、攪拌能力を高めることができ、また、突出位置の攪拌羽根70が掘削装置5の揺動フレーム61と干渉する虞がある場合、攪拌羽根70を適当なタイミングで退入位置に切り換えて、攪拌羽根70が揺動フレーム61に干渉することを防止でき、故に、攪拌羽根70を所期位置に設けて、高い攪拌能力を発揮させることができる。
【0054】
攪拌羽根70は、回転軸部材77の前端部分に取り付けられて、その後端側が前端側よりも回転方向先行側に位置する螺旋形状を有する複数のスクリュー羽根70aを有し、回転軸部材77の前端部分からスクリュー羽根70aの方へ向けて加泥材を噴射させる加泥材噴射機構74を備えたので、攪拌羽根70を前後方向へ移動駆動しつつ、回転軸部材77の前端部分からスクリュー羽根70aに向けて噴射した加泥材を回転するスクリュー羽根70aで方向変換させ、チャンバ6内の掘削土の内部に広く行き渡らせるように後方へ噴射して、攪拌羽根70により掘削土に確実に迅速に混練することができる。
【0055】
攪拌羽根70を収容可能に隔壁7から後方へ凹むように収容凹部76を形成し、前記退入位置は、攪拌羽根70を収容凹部76に収容させた位置であるので、攪拌羽根70を退入位置に位置させて、攪拌羽根70がチャンバ6内を移動する揺動フレーム61に干渉することを確実に防止することができる。
【0056】
攪拌羽根支持構造71は、収容凹部76の後端部から後方へ延びるスリーブ78と、このスリーブ78に前後方向へ移動自在に内嵌され且つ回転軸部材77が回転自在に支持された可動部材80とを有し、回転駆動機構72は、可動部材80の内部に取り付けられ回転軸部材77に直結された駆動モータ86を有し、移動駆動機構73は、スリーブ78の後端の後端壁部材79に取り付けられて可動部材80を前後方向へ移動駆動する駆動装置87を有するので、攪拌羽根支持構造71を簡単化すると共に、駆動モータ86により攪拌羽根70を前後方向と平行な軸心回りに確実に回転駆動し、駆動装置87により攪拌羽根70を可動部材80と一体的に前後方向へ確実に移動駆動することができ、攪拌羽根70の前後方向位置に関わらず、攪拌羽根70を回転駆動可能に、且つ、回転軸部材77の先端部分から加泥材を噴射可能に構成できる。
【0057】
加泥材噴射機構74は、回転軸部材77の前端部分の側部に形成された噴射口90と、可動部材80に形成された加泥材供給ポート91と、これら噴射口90と加泥材供給ポート91とを連通するように可動部材80と回転軸部材77の内部に形成された加泥材通路92とを有するので、可動部材80の加泥材供給ポート91に加泥材を供給することで、その加泥材を加泥材通路92により噴射口90へ導き、その噴射口90からスクリュー羽根90aの方へ向けて確実に噴射させることができる。
【0058】
尚、攪拌装置8においては、前記のようなスクリュー羽根70aに限らず、種々の形状の複数の羽根を有する攪拌羽根、例えば、前端側が後端側よりも回転方向先行側に位置する螺旋形状を有する複数のスクリュー羽根を有する攪拌羽根を採用する、回転軸部材77の前端部分から加泥材を前方の掘削土へ直接噴射するように加泥材噴射機構を構成する、回転駆動機構72において、攪拌羽根70の前記と逆方向に回転させて掘削土を攪拌する、等の種々の変更を付加して実施可能である。
【0059】
また、種々のシールド掘進機に本発明の攪拌装置8を適用可能である。例えば、図6のシールド掘進機1Aは、矩形断面のトンネルを掘進するものであり、それ用の胴体2A、カッターヘッド62Aを有する掘削装置5A、チャンバ6A、隔壁7A等を備え、この胴体2Aの前部の4隅付近に4組の攪拌装置8が設けられている。
【0060】
また、例えば、図7のシールド掘進機1Bは、円形断面のトンネルを掘進するものであり、それ用の胴体2B、カッターヘッド62Bを有する掘削装置5B、チャンバ6B、隔壁7B等を備え、この胴体2Bの前部の外周付近に6組の攪拌装置8が周方向等間隔おきに設けられている。
【0061】
こうしたシールド掘進機1A,1Bに適用した攪拌装置8においても、前記実施例と同様の作用・効果を奏する。但し、シールド掘進機1A,1Bでは、掘削装置5A,5Bの構成上、カッターヘッド62A,62Bが可動に支持され且つ隔壁7A,7Bに沿って少なくとも揺動移動されるカッター支持部材のような部材は存在しない。故に、攪拌羽根70が退入位置のときに、隔壁7A,7Bよりも後方へ位置させる必要はない。
【0062】
尚、シールド掘進機1,1A,1Bにおいて、カッターヘッド62,62A,62Bに後方突出状に複数の混練翼を設けることができ、これにより、攪拌能力が一層向上するが、この混練翼に攪拌羽根70が干渉しないように、移動駆動機構73により適当なタイミングで攪拌羽根70を退入位置に切り換えるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例に係るシールド掘進機の縦断面図である。
【図2】シールド掘進機の正面図である。
【図3】左半部が図1のA−A線断面図、右半部が図1のB−B線断面図である。
【図4】シールド掘進機の攪拌装置を含む要部の断面図である。
【図5】攪拌装置の断面図である。
【図6】変更形態のシールド掘進機の正面図である。
【図7】別の変更形態のシールド掘進機の正面図である。
【符号の説明】
【0064】
1,1A,1B シールド掘進機
2,2A、2B 胴体
6,6A,6B チャンバ
7,7A,7B 隔壁
8 攪拌装置
61 揺動フレーム
62,62A,62B カッターヘッド
70 攪拌羽根
70a スクリュー羽根
71 攪拌羽根支持構造
72 回転駆動機構
73 移動駆動機構
74 加泥材噴射機構
76 収容凹部
77 回転軸部材
78 スリーブ
79 後端壁部材
80 可動部材
86 駆動モータ
87 駆動装置
90 噴射口
91 加泥材供給ポート
92 加泥材通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、胴体の前端側に設けられたカッターヘッドと、カッターヘッドで掘削された掘削土を収容するチャンバと、チャンバの後端を仕切る隔壁と、チャンバ内の掘削土を排出する排土手段とを備えたシールド掘進機において、
前記チャンバ内の掘削土を攪拌する攪拌羽根と、
前記攪拌羽根を前後方向と平行な軸心回りに回転自在に且つチャンバ内へ突出させた突出位置とチャンバの後端側へ退入させた退入位置とに亙って前後方向へ移動自在に支持する攪拌羽根支持構造と、
前記攪拌羽根を回転駆動する回転駆動手段と、
前記攪拌羽根を突出位置と退入位置とに亙って位置切り換え可能に前後方向へ移動駆動する移動駆動手段と、
を備えたことを特徴とするシールド掘進機の攪拌装置。
【請求項2】
前記シールド掘進機は、カッターヘッドが可動に支持され且つ隔壁に沿って少なくとも揺動移動されるカッター支持部材を備え、
前記カッター支持部材の移動領域に突出位置の攪拌羽根が進入していることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機の攪拌装置。
【請求項3】
前記攪拌羽根は、回転軸部材の前端部分に取り付けられて、その後端側が前端側よりも回転方向先行側に位置する螺旋形状を有する複数のスクリュー羽根を有し、
前記回転軸部材の前端部分からスクリュー羽根の方へ向けて加泥材を噴射させる加泥材噴射手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシールド掘進機の攪拌装置。
【請求項4】
前記攪拌羽根を収容可能に隔壁から後方へ凹むように収容凹部が形成され、
前記退入位置は、攪拌羽根を収容凹部に収容させた位置であることを特徴とする請求項3に記載のシールド掘進機の攪拌装置。
【請求項5】
前記攪拌羽根支持構造は、収容凹部の後端部から後方へ延びるスリーブと、このスリーブに前後方向へ移動自在に内嵌され且つ回転軸部材が回転自在に支持された可動部材とを有し、
前記回転駆動手段は、可動部材の内部に取り付けられ回転軸部材に直結された駆動モータを有し、前記移動駆動手段は、スリーブの後端の支持部材に取り付けられて可動部材を前後方向へ移動駆動する駆動装置を有することを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機の攪拌装置。
【請求項6】
前記加泥材噴射手段は、回転軸部材の前端部分の側部に形成された噴射口と、可動部材に形成された加泥材供給ポートと、これら噴射口と加泥材供給ポートとを連通するように可動部材と回転軸部材の内部に形成された加泥材通路とを有することを特徴とする請求項5に記載のシールド掘進機の攪拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−303064(P2007−303064A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129250(P2006−129250)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】