シールド機及び側部地盤変状防止方法
【課題】 トンネルへのアプローチ区間の両側の地盤が崩れるのを容易に防止できるシールド機を提供する。
【解決手段】道路等をアンダーパスするトンネルを構築する際に用いられるシールド機1であって、縦横に所定の配列で組み合わされるとともに、各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールド6と、両側の主シールド6の外側にそれぞれ独立して駆動可能に設けられるとともに、主シールド6よりも小幅の複数の矩形状の側部シールド15とを備える。トンネルへのアプローチ区間を掘進する際に、側部シールド15を主シールド6に先行させて駆動させることにより、アプローチ区間の両側を側部シールド15により掘削し、その掘削した部分によってアプローチ区間の両側が崩壊するのを防止する。
【解決手段】道路等をアンダーパスするトンネルを構築する際に用いられるシールド機1であって、縦横に所定の配列で組み合わされるとともに、各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールド6と、両側の主シールド6の外側にそれぞれ独立して駆動可能に設けられるとともに、主シールド6よりも小幅の複数の矩形状の側部シールド15とを備える。トンネルへのアプローチ区間を掘進する際に、側部シールド15を主シールド6に先行させて駆動させることにより、アプローチ区間の両側を側部シールド15により掘削し、その掘削した部分によってアプローチ区間の両側が崩壊するのを防止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド機及び側部地盤変状防止方法に関し、特に、道路等をアンダーパスするトンネルを構築するのに有効なシールド機及び側部地盤変状防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合、シールド機を用いて地盤を掘進しながら、掘削した部分に順次セグメントを敷設するシールド工法が用いられる。
シールド工法は、道路等を開削することなく、道路等をアンダーパスするトンネルを構築することができるので、工期を短縮することができるとともに、工事費を削減することができるものである。また、交通を遮断する必要がないので、周辺の住宅環境に影響を与えることもないものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−184268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなシールド工法によってトンネルへのアプローチ区間を掘進する場合に、アプローチ区間の両外側の部分は一般の自動車等が走行する工事占用外区間となっているため、掘削によって地盤変状が起こるのを防止する必要がある。このため、通常は、アプローチ区間の両側に矢板等を打設し、両側の地盤が崩壊するのを防止しているが、その作業に非常に手間がかかるため、工期が長くなり、工事費が高くついてしまう。
【0004】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合に、トンネルへのアプローチ区間の両側の地盤が崩れるのを容易に防止でき、これにより、工期を短縮することができて、工事費を安く抑えることができるシールド機及び側部地盤変状防止方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
【0006】
すなわち、請求項1に係る発明は、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する際に用いられるシールド機であって、縦横に所定の配列で組み合わされるとともに、各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールドと、両側の主シールドの外側にそれぞれ独立して駆動可能に設けられるとともに、主シールドよりも小幅の複数の矩形状の側部シールドとを備え、トンネルへのアプローチ区間を掘進する際に、前記側部シールドを前記主シールドに先行させて駆動させ、その後に前記主シールドを駆動させるように構成したことを特徴とする。 本発明によるシールド機によれば、アプローチ区間を掘進する際に、側部シールドによって掘削対象箇所の両側の部分を小幅で掘削することができるので、矢板等を打設することなく、その外側の部分が崩壊するのを防止できることになる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシールド機であって、前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するとともに、前記側部シールド側に移動可能なカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、前記矩形領域を前記側部シールド側に移動することにより、前記側部シールドに対応する部分も前記主シールドにより掘削するように構成したことを特徴とする。
本発明によるシールド機によれば、トンネル区間においては、側部シールドの駆動を停止させた状態で、主シールドのみによって地盤を掘削することができるので、掘削効率を高めることができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のシールド機であって、前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、補助カッターにより前記側部シールドに対応する部分を掘削するように構成したことを特徴とする。
本発明によるシールド機によれば、トンネル区間においては、側部シールドの駆動を停止させた状態で、主シールドのみによって地盤を掘削することができるので、掘削効率を高めることができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のシールド機であって、前記側部シールドは、ケーシングから出没可能に構成され、駆動時にケーシングから突出し、非駆動時にケーシング内に没入するように構成されていることを特徴とする。
本発明によるシールド機によれば、トンネル区間内を主シールドによって掘削する場合、側部シールドはケーシング内に没入した状態となっているので、シールド機の方向を変えるような場合に、側部シールドが邪魔をするようなことはなく、円滑に方向を変えることができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載のシールド機を用いて、道路等をアンダーパスするトンネルのアプローチ区間を掘進することにより、アプローチ区間の側部地盤変状を防止するように構成したことを特徴とする。
本発明による側部地盤変状防止方法によれば、トンネルへのアプローチ区間を掘削する場合に、矢板等を打設することなく、アプローチ区間の外側が崩壊するのを防止できることになる。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように、本発明のシールド機及び側部地盤変状防止方法によれば、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合に、トンネルへのアプローチ区間において、アプローチ区間の両側に矢板等を打設することになく、側部シールドを主シールドよりも先に駆動させることによって、アプローチ区間の両側からの崩壊を防止することができることになる。従って、アプローチ区間の掘削作業が容易になるので、工期を短縮することができるとともに、工事費を削減することもできる。また、トンネル区間においては、主シールドによって側部シールドの領域まで掘削することができるので、掘削効率を大幅に高めることができ、これによっても工期を短縮でき、工事費を削減することができる。さらに、トンネル区間においては、側部シールドをケーシング内に没入された状態で主シールドを駆動させることができるので、シールド機の方向を変えるような場合に、側部シールドが邪魔になるようなことはなく、円滑にシールド機の方向を変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図14には、本発明によるシールド機及び側部地盤変状防止方法の一実施の形態が示されていて、このシールド機及び側部地盤変状防止方法は、道路等をアンダーパスするトンネルを構築するのに有効なものである。
【0013】
すなわち、この実施の形態によるシールド機1は、図1〜図10、図11〜図14に示すように、地盤を掘削するためのカッター刃9、18を備えた機械本体部2と、機械本体部2を推進させるための動力部25と、機械本体部2と動力部25とを連結する連結手段(図示せず)とから構成されている。
【0014】
機械本体部2は、矩形筒状の前胴体(ケーシング)3と、前胴体3内に縦横に所定の組合せで配列されるとともに、各々が独立して前胴体3から出没可能、かつ各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールド6と、幅方向の両端の主シールド6と前胴体3との間に設けられるとともに、各々が独立して前胴体3から出没可能、かつ各々が独立して駆動可能な複数の主シールド6よりも小幅の矩形状の側部シールド15とを備えている。
【0015】
前胴体3の内部は、各主シールド6及び各側部シールド15がスライド自在に設けられ、前胴体3からその前方に向かって出没可能に構成されている。各シールド6及び各側部シールド15は、独立して前胴体3から出没可能に構成されている。なお、各主シールド6間、及び主シールド6と側部シールド15との間には、前胴体3と一体の隔壁を設けることもできる。
【0016】
主シールド6の配列は、構築するトンネルの掘削断面の形状、大きさ等に応じて適宜の組合せとすることができ、図1〜図10に示すものは、縦×横=2(段)×3(列)とし、図11〜図14に示すものは、縦×横=1(段)×2(列)としている。
【0017】
各主シールド6は、前胴体3内にスライド自在に設けられる矩形状のシールド本体7と、シールド本体7と前胴体3との間に設けられて、シールド本体7を進退させるスライドジャッキ10と、シールド本体7の前面側に主シールド6の矩形領域を掘削するように挙動するとともに、図12に示すように側部シールド15側に向けて直線状または弧を描きつつ水平方向にシフト可能であり、先端部にカッター刃9を有するカッターヘッド(カッター)8と、シールド本体7に設けられる駆動源11と、駆動源11の駆動力をカッターヘッド8に伝達する動力伝達機構12とを備えており、各主シールド6は、独立して駆動可能に構成されている。カッターヘッド8は、主シールド6の矩形領域を掘削するため、例えば、公知のOHM工法(Omni-sectional(あらゆる断面に対応できる)Hedge(取り囲む) tunnelling Method(トンネル工法)の略称で、シールドカッタ部の3本のスポーク駆動軸を偏心逆回転させることで、角形掘進形状を掘削することができる)と同様な機構となっている。ただし、OHM工法に用いられている機構に限定されるものではなく、他の機構を用いても良い。
【0018】
各側部シールド15は、前胴体3内にスライド自在に設けられる矩形状のシールド本体16と、シールド本体16と前胴体3との間に設けられて、シールド本体16を進退させるスライドジャッキ19と、シールド本体16の前面側に回転可能に設けられるとともに、先端部にカッター刃18を有するカッターヘッド17と、シールド本体16に設けられる駆動源20と、駆動源20の駆動力をカッターヘッド17に伝達する動力伝達機構21とを備えており、各側部シールド15は、独立して駆動可能に構成されている。
【0019】
各主シールド6のシールド本体7及び各側部シールド15のシールド本体16には、掘削した土砂を排出するための排出装置(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0020】
動力部25は、機械本体部2の前胴体3の後部に連結手段(図示せず)を介して連結される矩形筒状の後胴体26と、後胴体26内の4隅に設けられてシールド機全体1を推進させる複数のシールドジャッキ27とを備えている。
【0021】
連結手段は、前胴体3と後胴体26とを、上下方向及び左右方向に相対的に屈曲自在に連結する連結継手(図示せず)と、前胴体3と後胴体26との間に設けられて、前胴体3の後胴体26に対する上下方向及び左右方向への相対的な屈曲角度を所定の値に設定する中折れジャッキ28とから構成されている。
【0022】
後胴体26の内側にはセグメント組立装置(図示せず)が設けられ、このセグメント組立装置により、掘削した部分の内面に順次セグメント(図示せず)が組み立てられ、セグメントによる内壁が構築される。
【0023】
そして、上記のように構成したこの実施の形態によるシールド機1を用いてトンネルを構築するには、まず、シールド機1をトンネルへのアプローチ区間の端部に位置する地上発進部に設置し、図1及び図2に示すように、下段の両外側に位置する側部シールド15、15のカッターヘッド17、17を回転駆動させ、スライドジャッキ19、19を作動させて側部シールド15、15を前胴体3から所定の速度で突出させ、側部シールド15、15の前方に位置する地盤をカッターヘッド17、17のカッター刃18、18により掘削する。
【0024】
次に、図3に示すように、下段の両外側に位置する主シールド6、6のカッターヘッド8、8を回転駆動させ、スライドジャッキ10、10を作動させて両主シールド6、6を前胴体3から所定の速度で突出させ、両主シールド6、6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8、8のカッター刃9、9により掘削し、その掘削した部分を側部シールド15、15によって掘削した部分に連通させる。
【0025】
次に、図4に示すように、下端の中央部に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させて主シールド6を前胴体3から所定の速度で突出させ、その主シールド6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削し、その掘削した部分を両側の主シールド6、6により掘削した部分に連通させる。
【0026】
このようにして、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15により、アプローチ区間に対する第1段階の掘削が完了する。
【0027】
次に、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シード15、15を前胴体3から突出させた状態で、動力部25のシールドジャッキ27を作動させることにより、シールド機1全体を前進させ、図5〜図7に示すように、下段の両側の側部シールド15、15のカッターヘッド17、17を回転駆動させ、スライドジャッキ19、19を作動させることにより両側部シールド15、15を前胴体3から所定の速度で突出させ、両側部シールド15、15の前方に位置する地盤をカッターヘッド17、17のカッター刃18、18により掘削し、その掘削した部分を最初に掘削した部分に連通させる。
【0028】
次に、図8に示すように、下段の両外側に位置する主シールド6、6のカッターヘッド8、8を回転駆動させ、スライドジャッキ10、10を作動させて両主シールド6、6を前胴体3から所定の速度で突出させ、両主シールド6、6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8、8のカッター刃9、9により掘削し、その掘削した部分を側部シールド15、15によって掘削した部分に連通させる。
【0029】
次に、図9に示すように、下端の中央部に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、その主シールド6のスライドジャッキ10を作動させることにより、その主シールド6を前胴体3から所定の速度で突出させ、その主シールド6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削し、その掘削した部分を両側の主シールド6、6により掘削した部分に連通させる。
【0030】
このようにして、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15により、アプローチ区間に対する第2段階の掘削が完了する。そして、このような下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15による掘削を繰り返し行うことにより、トンネルへのアプローチ区間の全長を掘削することができる。
【0031】
なお、上記の場合、アプローチ区間の深さが下段の主シールド6、6、6及び側部シールド15、15の高さよりも深い場合には、上段の主シールド6、6、6及び側部シールド15、15を駆動させることにより、そのような深さのアプローチ区間の掘削に対応することができるものである。
【0032】
そして、上記のようなアプローチ区間の掘削が完了した後に、トンネル区間の掘削を継続して行うには、側部シールド15、15を前胴体3内に没入させ、側部シールド15、15を停止させた状態で、下段の3つの主シールド6、6、6、上段の3つの主シールド6、6、6をそれぞれ駆動させれば良いものである。この場合、カッター刃9の回転軸をシフトすることにより、カッター刃9によって掘削される矩形領域を側部シールド15側に移動することができ、側部シールド15に対応する部分も主シールド6,6により掘削することができる。トンネル区間の掘削を実行する際、側部シールド15,15を作動させると、シールド機の方向を変えるような場合に、側部シールドが邪魔をするおそれがあるが、側部シールド15、15を作動させることなく、円滑に方向を変えることができながら、当該側部シールドに対応する部分も掘削することができる。
【0033】
ところで、カッター刃9によって掘削される矩形領域を側部シールド15側に移動すると、もとの主シールド6の矩形領域にカッター刃9によっては掘削されない領域が生じる。この領域は、シールド機1全体では内側に位置するため、土質によっては、別途、カッターによって掘削するまでもなく、シールド機1を掘進させることもできるが、例えば、カッターヘッド8の先端から出没可能なコピーカッターを補助的に設け、このコピーカッターにより上記非掘削部分を掘削することもできる。
【0034】
なお、カッター刃9によって掘削される矩形領域を側部シールド15側に移動することに代えて、カッターヘッド8の先端から出没可能に補助的に設けられたコピーカッターその他の補助カッターにより側部シールド15に対応する部分を掘削することもできる。
【0035】
上記のように構成したこの実施の形態によるシールド機及び側部地盤変状防止方法にあっては、トンネルへのアプローチ区間を掘削する場合に、側部シールド15を主シールド6に先行させて駆動させ、側部シールド15によりアプローチ区間の両側を小幅で掘削するように構成したので、アプローチ区間の両側が崩壊するのを防止できることになる。従って、アプローチ区間の両側に崩壊を防止するために矢板等を打設する必要がなくなるので、工期を短縮することができるとともに、工事費を削減することもできる。
【0036】
また、トンネル区間を掘削する場合には、側部シールドを停止させた状態で主シールドを駆動させることにより、トンネル区間を掘削することができるので、効率よくトンネル区間の掘削を行うことができる。
【0037】
さらに、トンネル区間を掘削する場合には、側部シールド15を前胴体3内に没入させた状態とするので、シールド機1全体の方向を変える場合に、側部シールド15が邪魔になるようなことはなく、円滑にシールド機1全体の方向を変えることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるシールド機及びシールド機の発進方法の一実施の形態を示した概略図であって、第1段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図2】図1の側部シールドを更に掘進させた状態を示した説明図である。
【図3】下段の両側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図4】下段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図5】第2段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図6】図5の側部シールドを更に掘進させた状態を示した説明図である。
【図7】図5の側部シールドを更に掘進させた状態を示した説明図である。
【図8】下段の両側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図9】下段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図10】第3段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図11】1段×2列のシールド機を示した正面図である。
【図12】図11のシールド機の主シールドの偏心状態を示した説明図である。
【図13】図11のA−A線断面図である。
【図14】図11のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シールド機
2 機械本体部
3 前胴体
6 主シールド
7 シールド本体
8 カッターヘッド(カッター)
9 カッター刃
10 スライドジャッキ
11 駆動源
12 動力伝達機構
15 側部シールド
16 シールド本体
17 カッターヘッド(カッター)
18 カッター刃
26 後胴体
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド機及び側部地盤変状防止方法に関し、特に、道路等をアンダーパスするトンネルを構築するのに有効なシールド機及び側部地盤変状防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合、シールド機を用いて地盤を掘進しながら、掘削した部分に順次セグメントを敷設するシールド工法が用いられる。
シールド工法は、道路等を開削することなく、道路等をアンダーパスするトンネルを構築することができるので、工期を短縮することができるとともに、工事費を削減することができるものである。また、交通を遮断する必要がないので、周辺の住宅環境に影響を与えることもないものである(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−184268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなシールド工法によってトンネルへのアプローチ区間を掘進する場合に、アプローチ区間の両外側の部分は一般の自動車等が走行する工事占用外区間となっているため、掘削によって地盤変状が起こるのを防止する必要がある。このため、通常は、アプローチ区間の両側に矢板等を打設し、両側の地盤が崩壊するのを防止しているが、その作業に非常に手間がかかるため、工期が長くなり、工事費が高くついてしまう。
【0004】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合に、トンネルへのアプローチ区間の両側の地盤が崩れるのを容易に防止でき、これにより、工期を短縮することができて、工事費を安く抑えることができるシールド機及び側部地盤変状防止方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を採用している。
【0006】
すなわち、請求項1に係る発明は、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する際に用いられるシールド機であって、縦横に所定の配列で組み合わされるとともに、各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールドと、両側の主シールドの外側にそれぞれ独立して駆動可能に設けられるとともに、主シールドよりも小幅の複数の矩形状の側部シールドとを備え、トンネルへのアプローチ区間を掘進する際に、前記側部シールドを前記主シールドに先行させて駆動させ、その後に前記主シールドを駆動させるように構成したことを特徴とする。 本発明によるシールド機によれば、アプローチ区間を掘進する際に、側部シールドによって掘削対象箇所の両側の部分を小幅で掘削することができるので、矢板等を打設することなく、その外側の部分が崩壊するのを防止できることになる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のシールド機であって、前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するとともに、前記側部シールド側に移動可能なカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、前記矩形領域を前記側部シールド側に移動することにより、前記側部シールドに対応する部分も前記主シールドにより掘削するように構成したことを特徴とする。
本発明によるシールド機によれば、トンネル区間においては、側部シールドの駆動を停止させた状態で、主シールドのみによって地盤を掘削することができるので、掘削効率を高めることができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のシールド機であって、前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、補助カッターにより前記側部シールドに対応する部分を掘削するように構成したことを特徴とする。
本発明によるシールド機によれば、トンネル区間においては、側部シールドの駆動を停止させた状態で、主シールドのみによって地盤を掘削することができるので、掘削効率を高めることができる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のシールド機であって、前記側部シールドは、ケーシングから出没可能に構成され、駆動時にケーシングから突出し、非駆動時にケーシング内に没入するように構成されていることを特徴とする。
本発明によるシールド機によれば、トンネル区間内を主シールドによって掘削する場合、側部シールドはケーシング内に没入した状態となっているので、シールド機の方向を変えるような場合に、側部シールドが邪魔をするようなことはなく、円滑に方向を変えることができる。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載のシールド機を用いて、道路等をアンダーパスするトンネルのアプローチ区間を掘進することにより、アプローチ区間の側部地盤変状を防止するように構成したことを特徴とする。
本発明による側部地盤変状防止方法によれば、トンネルへのアプローチ区間を掘削する場合に、矢板等を打設することなく、アプローチ区間の外側が崩壊するのを防止できることになる。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように、本発明のシールド機及び側部地盤変状防止方法によれば、道路等をアンダーパスするトンネルを構築する場合に、トンネルへのアプローチ区間において、アプローチ区間の両側に矢板等を打設することになく、側部シールドを主シールドよりも先に駆動させることによって、アプローチ区間の両側からの崩壊を防止することができることになる。従って、アプローチ区間の掘削作業が容易になるので、工期を短縮することができるとともに、工事費を削減することもできる。また、トンネル区間においては、主シールドによって側部シールドの領域まで掘削することができるので、掘削効率を大幅に高めることができ、これによっても工期を短縮でき、工事費を削減することができる。さらに、トンネル区間においては、側部シールドをケーシング内に没入された状態で主シールドを駆動させることができるので、シールド機の方向を変えるような場合に、側部シールドが邪魔になるようなことはなく、円滑にシールド機の方向を変えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図14には、本発明によるシールド機及び側部地盤変状防止方法の一実施の形態が示されていて、このシールド機及び側部地盤変状防止方法は、道路等をアンダーパスするトンネルを構築するのに有効なものである。
【0013】
すなわち、この実施の形態によるシールド機1は、図1〜図10、図11〜図14に示すように、地盤を掘削するためのカッター刃9、18を備えた機械本体部2と、機械本体部2を推進させるための動力部25と、機械本体部2と動力部25とを連結する連結手段(図示せず)とから構成されている。
【0014】
機械本体部2は、矩形筒状の前胴体(ケーシング)3と、前胴体3内に縦横に所定の組合せで配列されるとともに、各々が独立して前胴体3から出没可能、かつ各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールド6と、幅方向の両端の主シールド6と前胴体3との間に設けられるとともに、各々が独立して前胴体3から出没可能、かつ各々が独立して駆動可能な複数の主シールド6よりも小幅の矩形状の側部シールド15とを備えている。
【0015】
前胴体3の内部は、各主シールド6及び各側部シールド15がスライド自在に設けられ、前胴体3からその前方に向かって出没可能に構成されている。各シールド6及び各側部シールド15は、独立して前胴体3から出没可能に構成されている。なお、各主シールド6間、及び主シールド6と側部シールド15との間には、前胴体3と一体の隔壁を設けることもできる。
【0016】
主シールド6の配列は、構築するトンネルの掘削断面の形状、大きさ等に応じて適宜の組合せとすることができ、図1〜図10に示すものは、縦×横=2(段)×3(列)とし、図11〜図14に示すものは、縦×横=1(段)×2(列)としている。
【0017】
各主シールド6は、前胴体3内にスライド自在に設けられる矩形状のシールド本体7と、シールド本体7と前胴体3との間に設けられて、シールド本体7を進退させるスライドジャッキ10と、シールド本体7の前面側に主シールド6の矩形領域を掘削するように挙動するとともに、図12に示すように側部シールド15側に向けて直線状または弧を描きつつ水平方向にシフト可能であり、先端部にカッター刃9を有するカッターヘッド(カッター)8と、シールド本体7に設けられる駆動源11と、駆動源11の駆動力をカッターヘッド8に伝達する動力伝達機構12とを備えており、各主シールド6は、独立して駆動可能に構成されている。カッターヘッド8は、主シールド6の矩形領域を掘削するため、例えば、公知のOHM工法(Omni-sectional(あらゆる断面に対応できる)Hedge(取り囲む) tunnelling Method(トンネル工法)の略称で、シールドカッタ部の3本のスポーク駆動軸を偏心逆回転させることで、角形掘進形状を掘削することができる)と同様な機構となっている。ただし、OHM工法に用いられている機構に限定されるものではなく、他の機構を用いても良い。
【0018】
各側部シールド15は、前胴体3内にスライド自在に設けられる矩形状のシールド本体16と、シールド本体16と前胴体3との間に設けられて、シールド本体16を進退させるスライドジャッキ19と、シールド本体16の前面側に回転可能に設けられるとともに、先端部にカッター刃18を有するカッターヘッド17と、シールド本体16に設けられる駆動源20と、駆動源20の駆動力をカッターヘッド17に伝達する動力伝達機構21とを備えており、各側部シールド15は、独立して駆動可能に構成されている。
【0019】
各主シールド6のシールド本体7及び各側部シールド15のシールド本体16には、掘削した土砂を排出するための排出装置(図示せず)がそれぞれ接続されている。
【0020】
動力部25は、機械本体部2の前胴体3の後部に連結手段(図示せず)を介して連結される矩形筒状の後胴体26と、後胴体26内の4隅に設けられてシールド機全体1を推進させる複数のシールドジャッキ27とを備えている。
【0021】
連結手段は、前胴体3と後胴体26とを、上下方向及び左右方向に相対的に屈曲自在に連結する連結継手(図示せず)と、前胴体3と後胴体26との間に設けられて、前胴体3の後胴体26に対する上下方向及び左右方向への相対的な屈曲角度を所定の値に設定する中折れジャッキ28とから構成されている。
【0022】
後胴体26の内側にはセグメント組立装置(図示せず)が設けられ、このセグメント組立装置により、掘削した部分の内面に順次セグメント(図示せず)が組み立てられ、セグメントによる内壁が構築される。
【0023】
そして、上記のように構成したこの実施の形態によるシールド機1を用いてトンネルを構築するには、まず、シールド機1をトンネルへのアプローチ区間の端部に位置する地上発進部に設置し、図1及び図2に示すように、下段の両外側に位置する側部シールド15、15のカッターヘッド17、17を回転駆動させ、スライドジャッキ19、19を作動させて側部シールド15、15を前胴体3から所定の速度で突出させ、側部シールド15、15の前方に位置する地盤をカッターヘッド17、17のカッター刃18、18により掘削する。
【0024】
次に、図3に示すように、下段の両外側に位置する主シールド6、6のカッターヘッド8、8を回転駆動させ、スライドジャッキ10、10を作動させて両主シールド6、6を前胴体3から所定の速度で突出させ、両主シールド6、6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8、8のカッター刃9、9により掘削し、その掘削した部分を側部シールド15、15によって掘削した部分に連通させる。
【0025】
次に、図4に示すように、下端の中央部に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、スライドジャッキ10を作動させて主シールド6を前胴体3から所定の速度で突出させ、その主シールド6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削し、その掘削した部分を両側の主シールド6、6により掘削した部分に連通させる。
【0026】
このようにして、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15により、アプローチ区間に対する第1段階の掘削が完了する。
【0027】
次に、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シード15、15を前胴体3から突出させた状態で、動力部25のシールドジャッキ27を作動させることにより、シールド機1全体を前進させ、図5〜図7に示すように、下段の両側の側部シールド15、15のカッターヘッド17、17を回転駆動させ、スライドジャッキ19、19を作動させることにより両側部シールド15、15を前胴体3から所定の速度で突出させ、両側部シールド15、15の前方に位置する地盤をカッターヘッド17、17のカッター刃18、18により掘削し、その掘削した部分を最初に掘削した部分に連通させる。
【0028】
次に、図8に示すように、下段の両外側に位置する主シールド6、6のカッターヘッド8、8を回転駆動させ、スライドジャッキ10、10を作動させて両主シールド6、6を前胴体3から所定の速度で突出させ、両主シールド6、6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8、8のカッター刃9、9により掘削し、その掘削した部分を側部シールド15、15によって掘削した部分に連通させる。
【0029】
次に、図9に示すように、下端の中央部に位置する主シールド6のカッターヘッド8を回転駆動させ、その主シールド6のスライドジャッキ10を作動させることにより、その主シールド6を前胴体3から所定の速度で突出させ、その主シールド6の前方に位置する地盤をカッターヘッド8のカッター刃9により掘削し、その掘削した部分を両側の主シールド6、6により掘削した部分に連通させる。
【0030】
このようにして、下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15により、アプローチ区間に対する第2段階の掘削が完了する。そして、このような下段の3つの主シールド6、6、6及び2つの側部シールド15、15による掘削を繰り返し行うことにより、トンネルへのアプローチ区間の全長を掘削することができる。
【0031】
なお、上記の場合、アプローチ区間の深さが下段の主シールド6、6、6及び側部シールド15、15の高さよりも深い場合には、上段の主シールド6、6、6及び側部シールド15、15を駆動させることにより、そのような深さのアプローチ区間の掘削に対応することができるものである。
【0032】
そして、上記のようなアプローチ区間の掘削が完了した後に、トンネル区間の掘削を継続して行うには、側部シールド15、15を前胴体3内に没入させ、側部シールド15、15を停止させた状態で、下段の3つの主シールド6、6、6、上段の3つの主シールド6、6、6をそれぞれ駆動させれば良いものである。この場合、カッター刃9の回転軸をシフトすることにより、カッター刃9によって掘削される矩形領域を側部シールド15側に移動することができ、側部シールド15に対応する部分も主シールド6,6により掘削することができる。トンネル区間の掘削を実行する際、側部シールド15,15を作動させると、シールド機の方向を変えるような場合に、側部シールドが邪魔をするおそれがあるが、側部シールド15、15を作動させることなく、円滑に方向を変えることができながら、当該側部シールドに対応する部分も掘削することができる。
【0033】
ところで、カッター刃9によって掘削される矩形領域を側部シールド15側に移動すると、もとの主シールド6の矩形領域にカッター刃9によっては掘削されない領域が生じる。この領域は、シールド機1全体では内側に位置するため、土質によっては、別途、カッターによって掘削するまでもなく、シールド機1を掘進させることもできるが、例えば、カッターヘッド8の先端から出没可能なコピーカッターを補助的に設け、このコピーカッターにより上記非掘削部分を掘削することもできる。
【0034】
なお、カッター刃9によって掘削される矩形領域を側部シールド15側に移動することに代えて、カッターヘッド8の先端から出没可能に補助的に設けられたコピーカッターその他の補助カッターにより側部シールド15に対応する部分を掘削することもできる。
【0035】
上記のように構成したこの実施の形態によるシールド機及び側部地盤変状防止方法にあっては、トンネルへのアプローチ区間を掘削する場合に、側部シールド15を主シールド6に先行させて駆動させ、側部シールド15によりアプローチ区間の両側を小幅で掘削するように構成したので、アプローチ区間の両側が崩壊するのを防止できることになる。従って、アプローチ区間の両側に崩壊を防止するために矢板等を打設する必要がなくなるので、工期を短縮することができるとともに、工事費を削減することもできる。
【0036】
また、トンネル区間を掘削する場合には、側部シールドを停止させた状態で主シールドを駆動させることにより、トンネル区間を掘削することができるので、効率よくトンネル区間の掘削を行うことができる。
【0037】
さらに、トンネル区間を掘削する場合には、側部シールド15を前胴体3内に没入させた状態とするので、シールド機1全体の方向を変える場合に、側部シールド15が邪魔になるようなことはなく、円滑にシールド機1全体の方向を変えることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるシールド機及びシールド機の発進方法の一実施の形態を示した概略図であって、第1段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図2】図1の側部シールドを更に掘進させた状態を示した説明図である。
【図3】下段の両側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図4】下段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図5】第2段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図6】図5の側部シールドを更に掘進させた状態を示した説明図である。
【図7】図5の側部シールドを更に掘進させた状態を示した説明図である。
【図8】下段の両側の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図9】下段の真中の主シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図10】第3段階の掘削における下段の両側の側部シールドの掘進状態を示した説明図である。
【図11】1段×2列のシールド機を示した正面図である。
【図12】図11のシールド機の主シールドの偏心状態を示した説明図である。
【図13】図11のA−A線断面図である。
【図14】図11のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シールド機
2 機械本体部
3 前胴体
6 主シールド
7 シールド本体
8 カッターヘッド(カッター)
9 カッター刃
10 スライドジャッキ
11 駆動源
12 動力伝達機構
15 側部シールド
16 シールド本体
17 カッターヘッド(カッター)
18 カッター刃
26 後胴体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路等をアンダーパスするトンネルを構築する際に用いられるシールド機であって、
縦横に所定の配列で組み合わされるとともに、各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールドと、両側の主シールドの外側にそれぞれ独立して駆動可能に設けられるとともに、主シールドよりも小幅の複数の矩形状の側部シールドとを備え、トンネルへのアプローチ区間を掘進する際に、前記側部シールドを前記主シールドに先行させて駆動させ、その後に前記主シールドを駆動させるように構成したことを特徴とするシールド機。
【請求項2】
前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するとともに、前記側部シールド側に移動可能なカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、前記矩形領域を前記側部シールド側に移動することにより、前記側部シールドに対応する部分も前記主シールドにより掘削するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシールド機。
【請求項3】
前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、補助カッターにより前記側部シールドに対応する部分を掘削するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシールド機。
【請求項4】
前記側部シールドは、ケーシングから出没可能に構成され、駆動時にケーシングから突出し、非駆動時にケーシング内に没入するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシールド機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のシールド機を用いて、道路等をアンダーパスするトンネルのアプローチ区間を掘進することにより、アプローチ区間の側部地盤変状を防止するように構成したことを特徴とする側部地盤変状防止方法。
【請求項1】
道路等をアンダーパスするトンネルを構築する際に用いられるシールド機であって、
縦横に所定の配列で組み合わされるとともに、各々が独立して駆動可能な複数の矩形状の主シールドと、両側の主シールドの外側にそれぞれ独立して駆動可能に設けられるとともに、主シールドよりも小幅の複数の矩形状の側部シールドとを備え、トンネルへのアプローチ区間を掘進する際に、前記側部シールドを前記主シールドに先行させて駆動させ、その後に前記主シールドを駆動させるように構成したことを特徴とするシールド機。
【請求項2】
前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するとともに、前記側部シールド側に移動可能なカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、前記矩形領域を前記側部シールド側に移動することにより、前記側部シールドに対応する部分も前記主シールドにより掘削するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシールド機。
【請求項3】
前記主シールドは、当該主シールドの矩形領域を掘削するように挙動するカッターを有し、トンネル区間を掘進する際に、前記側部シールドの駆動を停止させた状態で、補助カッターにより前記側部シールドに対応する部分を掘削するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のシールド機。
【請求項4】
前記側部シールドは、ケーシングから出没可能に構成され、駆動時にケーシングから突出し、非駆動時にケーシング内に没入するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のシールド機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のシールド機を用いて、道路等をアンダーパスするトンネルのアプローチ区間を掘進することにより、アプローチ区間の側部地盤変状を防止するように構成したことを特徴とする側部地盤変状防止方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−16961(P2006−16961A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−176768(P2005−176768)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【分割の表示】特願2004−197171(P2004−197171)の分割
【原出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【分割の表示】特願2004−197171(P2004−197171)の分割
【原出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】
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