シールド電線のアース接続構造
【課題】信号線とシールド層が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良いシールド電線のアース接続構造を提供する。
【解決手段】シールド電線1のシールド層を外被5より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部4Aと、シールド電線1の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部13を有する収容室12にアース線7が収容されたアース用環状部品10と、アース用環状部品10の収容室12に、開口部13よりシールド突出部4Aと共に挿入してシールド突出部4Aとアース線7を密着させる押し込み部材20とを備えた。
【解決手段】シールド電線1のシールド層を外被5より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部4Aと、シールド電線1の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部13を有する収容室12にアース線7が収容されたアース用環状部品10と、アース用環状部品10の収容室12に、開口部13よりシールド突出部4Aと共に挿入してシールド突出部4Aとアース線7を密着させる押し込み部材20とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド電線のアース接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来例のシールド電線のアース接続構造としては、特許文献1に開示されたもの(以下、第1従来例)と特許文献2に開示されたもの(以下、第2従来例)がある。
【0003】
第1従来例の構造が図15に示されている。図15において、シールド電線100の端部は、外被104とシールド層103と絶縁層102が共に剥ぎ取られて信号線101が露出されている。外被104は、最も長い寸法で剥ぎ取られ、露出されたシールド層103が外被104上に折り返されている。シールド層104の折り返し箇所とアース線111の端部にアース用圧着部材112が加締めによって装着されている。
【0004】
第1従来例では、シールド層104とアース線111がアース用圧着部材112によって接続されている。
【0005】
第2従来例が図16及び図17に示されている。図16及び図17において、シールド電線100には、シールド層103を外被104より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部103Aが形成されている。このシールド突出部103Aがアース用挟持部材120の一対の挟持部121で挟持されている。一対の挟持部121の先端部には、それぞれ加締部121aが設けられている。図18に示すように、この双方の加締部121aがアース線111を圧着するよう加締められている(図18参照)。双方の加締部121aによって一対の挟持部121が固定されている。
【0006】
第2従来例では、シールド層103とアース線111がアース用挟持部材120によって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−340615号公報(図4参照)
【特許文献2】特開2006−344487号公報(図5(a)、(b)参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、第1従来例では、アース用圧着部材112の圧着力がシールド電線100の絶縁層102に作用し、絶縁層102が圧縮変形等するため、信号線101とシールド層103が短絡する恐れがある。
【0009】
第2従来例では、絶縁層102に圧縮力が作用しないため、上述のような不具合が発生しないが、アース用挟持部材120を加締め加工する必要があるため、製造作業性が悪いという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、信号線とシールド層が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良いシールド電線のアース接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、シールド電線のシールド層を外被より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部と、前記シールド電線の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部を有する前記収容室にアース線が収容されたアース用環状部品と、前記アース用環状部品の前記収容室に、前記開口部より前記シールド突出部と共に挿入して前記シールド突出部と前記アース線を密着させた押し込み部材とを備えたことを特徴とする。
【0012】
前記アース用環状部品は、前記開口部を広げる方向に弾性変形可能であり、前記押し込み部材は、前記収容室の前記開口部を弾性変形で広げることによって前記収容室に挿入され、前記押し込み部材が前記収容室に挿入された後に前記収容室の前記開口部が元の大きさに戻るようにしても良い。
【0013】
前記アース用環状部品は、前記収容室に突出する係止爪を有し、前記収容室に挿入された前記押し込み部材が前記係止爪に係止されるようにしても良い。
【0014】
前記アース用環状部品及び前記押し込み部材は、環状形状の一部領域が開口された切欠部をそれぞれ有することが好ましい。
【0015】
前記アース用環状部品は、内周壁に前記開口部に開放するスリットを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アース用環状部品内でシールド突出部とアース線が密着されるため、シールド突出部以外の箇所には何ら外力が作用しないため、信号線とシールド層が短絡するような事態は発生しない。シールド電線の外周にセットしたアース用環状部品に、シールド突出部と共に押し込み部材を挿入すれば良く、面倒な加締め加工を行う必要がない。以上より、信号線とシールド層が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、シールド電線のアース接続構造の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、(a)はアース用環状部品の左側面図、(b)はアース用環状部品の正面図、(c)は(b)のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、(a)は押し込み部材の正面図、(b)は押し込み部材の左側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、(a)〜(d)はそれぞれシールド突出部の形成過程を示す正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示し、シールド電線のアース接続構造の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示し、(a)はアース用環状部品の正面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示し、(a)は押し込み部材の正面図、(b)は押し込み部材の左側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示し、シールド電線のアース接続構造の断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態を示し、(a)はアース用環状部品の左側面図、(b)はアース用環状部品の正面図、(c)は(b)のC−C線断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示し、(a)は押し込み部材の左側面図、(b)は押し込み部材の正面図、(c)は(b)のD−D線断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す断面図である。
【図15】第1従来例を示し、シールド電線のアース接続構造の斜視図である。
【図16】第2従来例を示し、シールド電線のアース接続構造の正面図である。
【図17】第2従来例を示し、図16のE矢視図である。
【図18】第2従来例を示し、双方の加締め部の加締め加工過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1〜図6は、本発明に係るシールド電線1のアース接続構造の第1実施形態を示す。 先ず、シールド電線1の構造を説明する。シールド電線1は、図4に詳しく示すように、導体の信号線2と、この信号線2の外周を被う絶縁層3と、この絶縁層3の外周を被うように配置されたシールド層4と、このシールド層4の外周を被う絶縁性の外被5とから構成されている。シールド層4は、導体の編組線や金属箔より形成されている。
【0020】
このように構成されたシールド電線1の中間箇所には、シールド層4が外被5より外側に突出するシールド突出部4Aが設けられている。図1に示すように、このシールド突出部4Aがアース用環状部品10と押し込み部材20を用いてアース線7に接続されている。以下、詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、アース用環状部品10は、シールド電線1の外周を囲む位置に配置されている。アース用環状部品10は、図2に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部11を有する円環状の部品である。横断面形状は、大略楕円枠形である。アース用環状部品10は、内部に収容室12を有する。この収容室12には、環状形状に沿って開口部13が形成されている。開口部13を構成する外周壁10aの縁部10cは、押し込み部材20をスムーズに挿入できるように、外広がり形状になっている。アース用環状部品10は、開口部13の幅を広げる方向に弾性変形可能である。アース用環状部品10の内周壁10bには、円周方向に間隔を置いて複数のスリット14が形成されている。各スリット14は開口部13に開口している。
【0022】
アース用環状部品10の収容室12には、外被を剥ぎ取ったアース線7の一端側と、シールド突出部4Aと押し込み部材20が密着状態で収容されている。
【0023】
アース線7は、外被が剥ぎ取られた一端側が収容室12に収容されている。アース線7の他端は、シールド電線1が例えば車両に配策される場合には車体に接続される。
【0024】
シールド突出部4Aは、アース用環状部品10の各スリット14より収容室12に進入し、アース線7に密着している。
【0025】
押し込み部材20は、図3(a)、(b)に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部21を有するリング状の部品である。押し込み部材20は、その直径がアース用環状部品10の開口部13の幅寸法よりも若干だけ大きな寸法である。従って、押し込み部材20が収容室12に一旦挿入されると、開口部13の幅が元の寸法に戻るため、収容された押し込み部材20は、開口部13から脱落しない。
【0026】
次に、シールド電線1のアース接続構造の組み付け手順を簡単に説明する。先ず、シールド電線1の加工を説明する。図4(a)に示すように、シールド電線1の中間箇所で、且つ、アース線7を接続したい位置の外被5に全周に亘って切り込みaを入れる。次に、切り込みaを境としてその両側の外被5を離間させる方向に移動する。これにより、外被5の離間した領域でシールド層4が露出する。次に、移動した外被5を元の位置に移動する。すると、露出したシールド層4が外側方向に膨出する。両側の外被5が近接する位置まで移動し終わると、膨出したシールド層4によってシールド突出部4Aが形成される。
【0027】
次に、図5に示すように、アース用環状部品10の収容室12内に、外被を剥ぎ取ったアース線7の一端部を収容する。
【0028】
次に、図6に示すように、治具30で固定されたシールド電線1の外周に切欠部11を利用してアース用環状部品10を配置し、且つ、アース用環状部品10のスリット14にシールド突出部4Aが進入する位置まで移動する。
【0029】
次に、アース用環状部品10の収容室12に、その開口部13よりシールド突出部4Aの後面から押し込み部材20Bを挿入する。すると、シールド突出部4Aは押し込まれて収容室12に徐々に入り込む。押し込み部材20が収容室12の開口部13の位置まで挿入されると、アース用環状部品10がその開口部13の幅を広げる方向に弾性変形して押し込み部材20の挿入が許容される。押し込み部材20が収容室12に完全に挿入されると、アース用環状部品10がその開口部13の幅を元に戻すよう弾性復帰変形する。これにより、押し込み部材20は、開口部13より脱落することなく収容室12内に保持される。押し込む部材30が完全に収容室12内に収容されると、収容室12内がアース線7とシールド突出部4Aと押し込み部材20でほぼ隙間のない状態となり、アース線7とシールド突出部4Aが確実に密着される。
【0030】
尚、アース用環状部品10をシールド電線1の外周に配置する際に、アース用環状部品10の開口部13がシールド突出部4Aに単に近接対向する位置にセットしても良い。そして、アース用環状部品10の収容室12にシールド突出部4Aと共に押し込み部材20を挿入する過程でシールド突出部4Aをスリット14に進入させるようにしても良い。
【0031】
以上説明したように、シールド電線1のシールド層4を外被5より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部4Aと、シールド電線1の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部13を有する収容室12にアース線7が収容されたアース用環状部品10と、アース用環状部品10の収容室12に、開口部13よりシールド突出部4Aと共に挿入する押し込み部材20とを備えている。従って、アース用環状部品10内でシールド突出部4Aとアース線7が密着されるため、シールド電線1の絶縁層3に何ら圧縮力が作用しないため、信号線2とシールド層4が短絡するような事態は発生しない。又、シールド電線1の外周にセットしたアース用環状部品10に押し込み部材20を挿入すれば良く、面倒な加締め加工を行う必要がない。以上より、信号線2とシールド層4が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良い。
【0032】
アース用環状部品10は、開口部13を広げる方向に弾性変形可能であり、押し込み部材20は、収容室12の開口部13を弾性変形で広げることによって収容室12に挿入され、押し込み部材20が収容室12に挿入された後に収容室12の開口部13が元の大きさに戻る。従って、押し込み部材20が収容室12から脱落する事態を簡単な構成で防止できる。
【0033】
アース用環状部品10は、環状形状の一部領域が開口された切欠部11を有するので、シールド電線1の外周へのセットが容易である。
【0034】
アース用環状部品10は、内周壁10bに開口部13に開放するスリット14を有するので、シールド電線1のシールド突出部4Aがアース用環状部品10の収容室12の奥まで容易に入り込むことができるため、シールド突出部4Aとアース線7の安定した密着状態が得られる。又、アース用環状部品10は、導電性金属製であり、そのスリット14にシールド突出部4Aが食い込むため、アース用環状部品10とシールド突出部4A間が確実に電気的に接触する。以上より、シールド突出部4Aとアース線7間がアース用環状部品10を介しても確実に導通するため、シールド線4を確実にグランド電位に落とすことができる。
【0035】
(第2実施形態)
図7〜図10は、本発明に係るシールド電線1のアース接続構造の第2実施形態を示す。この第2実施形態のアース接続構造は、前記第1実施形態のものと比較するに、アース用環状部品10Aにスリット14が設けられていない点のみが相違し、他の構成は全て同じである。従って、図7〜図10において、前記第1実施形態と同一構成には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0036】
この第2実施形態でも、スリット14の作用・効果を除いて前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0037】
(第3実施形態)
図11〜図14は、本発明に係るシールド電線1のアース接続構造の第3実施形態を示す。図11において、前記第1及び第2実施形態と同様に、シールド電線1のシールド突出部4Aがアース用環状部品10Bと押し込み部材20Bによってアース線7に密着されているが、アース用環状部品10Bと押し込み部材20Bの構成が相違する。以下、説明する。
【0038】
アース用環状部品10Bは、図12に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部11を有する円環状の部品であるが、横断面形状はほぼ四角枠形である。
【0039】
アース用環状部品10Bは、内部に収容室12を有する。この収容室12には、環状形状に沿って開口部13が形成されている。アース用環状部品10Bの外周壁10aには、切り起こしによる係止爪15が間隔を置いて複数箇所に設けられている。各係止爪15は、収容室12に突出している。
【0040】
押し込み部材20Bは、図13に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部21を有する円環状の部品である。押し込み部材20Bの横断面形状は、ほぼ四角枠形である。押し込み部材20Bの幅は、アース用環状部品10Bの収容室12の幅より若干だけ小さく、収容室12に嵌り込む寸法に設定されている。押し込み部材20Bにも、収容室22が形成されている。収容室22には、環状形状に沿って開口部23が形成されている。押し込み部材20Bの外周壁20aには、係止孔24が間隔を置いて複数箇所に設けられている。各係止孔24にアース用環状部品10Bの各係止爪15が係止されることによって、押し込み部材20Bがアース用環状部品10Bの収容室12より脱落しない。
【0041】
次に、シールド電線1のアース接続構造の組み付け手順を簡単に説明する。シールド電線1の加工は、前記第1及び第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
シールド電線1の加工が終了すると、アース用環状部品10Bの収容室12内にアース線7の端部を収容する。次に、図14に示すように、アース用環状部品10Bの切欠部11を利用して、治具30で固定されたシールド電線1の外周で、且つ、シールド突出部4Aに開口部13が近接対向する位置にアース用環状部品10Bをセットする。
【0043】
次に、アース用環状部品10Bの収容室12に、開口部13よりシールド突出部4Aの後面から押し込み部材20Bを挿入する。すると、シールド突出部4Aは押し込まれて収容室12に徐々に入り込む。押し込み部材20Bが完全に挿入されると、アース用環状部品10Bの各係止爪15が押し込み部材20Bの係止孔24に係止する。これにより、押し込み部材20Bは、開口部13より脱落することなく収容室12内に保持される。押し込む部材20Bが完全に収容室12内に収容されると、収容室12内がアース線7とシールド突出部4Aと押し込み部材20Bでほぼ隙間のない状態となり(換言すれば、双方の収容室12,22内にアース線7とシールド突出部4Aでほぼ隙間のない状態となり)、アース線7とシールド突出部4Aが密着状態とされる。
【0044】
以上、この第3実施形態においても、前記第1及び第2実施形態と同様に、アース用環状部品10B内でシールド突出部4Aとアース線7が密着されるため、シールド電線1の絶縁層3に何ら圧縮力が作用しないため、信号線2とシールド層4が短絡するような事態は発生しない。又、シールド電線1の外周にセットしたアース用環状部品10Bにシールド突出部4Aと共に押し込み部材20Bを挿入すれば良く、面倒な加締め加工を行う必要がない。以上より、信号線2とシールド層4が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良い。
【0045】
アース用環状部品10Bは、収容室12に突出する係止爪15を有し、前記収容室12に挿入された前記押し込み部材20Bが係止爪15に係止される。従って、押し込み部材20Bが収容室12から脱落する事態を確実に防止できる。
【0046】
アース用環状部品10Bは、環状形状の一部領域が開口された切欠部11を有するので、シールド電線1の外周へのセットが容易である。
【0047】
尚、アース用環状部品10Bの内周壁10bには、前記第1実施形態と同様に、開口部13に開放するスリットを設けても良い。内周壁10bにスリットを設ければ、シールド電線1のシールド突出部4Aがアース用環状部品10Bの収容室12の奥まで容易に入り込むことができるため、シールド突出部4Aとアース線7の安定した密着状態が得られる。
【符号の説明】
【0048】
1 シールド電線
4 シールド層
4A シールド突出部
7 アース線
10,10A,10B アース用環状部品
11,21 切欠部
12 収容室
13 開口部
14 スリット
15 係止爪
20,20B 押し込み部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド電線のアース接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来例のシールド電線のアース接続構造としては、特許文献1に開示されたもの(以下、第1従来例)と特許文献2に開示されたもの(以下、第2従来例)がある。
【0003】
第1従来例の構造が図15に示されている。図15において、シールド電線100の端部は、外被104とシールド層103と絶縁層102が共に剥ぎ取られて信号線101が露出されている。外被104は、最も長い寸法で剥ぎ取られ、露出されたシールド層103が外被104上に折り返されている。シールド層104の折り返し箇所とアース線111の端部にアース用圧着部材112が加締めによって装着されている。
【0004】
第1従来例では、シールド層104とアース線111がアース用圧着部材112によって接続されている。
【0005】
第2従来例が図16及び図17に示されている。図16及び図17において、シールド電線100には、シールド層103を外被104より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部103Aが形成されている。このシールド突出部103Aがアース用挟持部材120の一対の挟持部121で挟持されている。一対の挟持部121の先端部には、それぞれ加締部121aが設けられている。図18に示すように、この双方の加締部121aがアース線111を圧着するよう加締められている(図18参照)。双方の加締部121aによって一対の挟持部121が固定されている。
【0006】
第2従来例では、シールド層103とアース線111がアース用挟持部材120によって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−340615号公報(図4参照)
【特許文献2】特開2006−344487号公報(図5(a)、(b)参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、第1従来例では、アース用圧着部材112の圧着力がシールド電線100の絶縁層102に作用し、絶縁層102が圧縮変形等するため、信号線101とシールド層103が短絡する恐れがある。
【0009】
第2従来例では、絶縁層102に圧縮力が作用しないため、上述のような不具合が発生しないが、アース用挟持部材120を加締め加工する必要があるため、製造作業性が悪いという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、信号線とシールド層が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良いシールド電線のアース接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、シールド電線のシールド層を外被より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部と、前記シールド電線の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部を有する前記収容室にアース線が収容されたアース用環状部品と、前記アース用環状部品の前記収容室に、前記開口部より前記シールド突出部と共に挿入して前記シールド突出部と前記アース線を密着させた押し込み部材とを備えたことを特徴とする。
【0012】
前記アース用環状部品は、前記開口部を広げる方向に弾性変形可能であり、前記押し込み部材は、前記収容室の前記開口部を弾性変形で広げることによって前記収容室に挿入され、前記押し込み部材が前記収容室に挿入された後に前記収容室の前記開口部が元の大きさに戻るようにしても良い。
【0013】
前記アース用環状部品は、前記収容室に突出する係止爪を有し、前記収容室に挿入された前記押し込み部材が前記係止爪に係止されるようにしても良い。
【0014】
前記アース用環状部品及び前記押し込み部材は、環状形状の一部領域が開口された切欠部をそれぞれ有することが好ましい。
【0015】
前記アース用環状部品は、内周壁に前記開口部に開放するスリットを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アース用環状部品内でシールド突出部とアース線が密着されるため、シールド突出部以外の箇所には何ら外力が作用しないため、信号線とシールド層が短絡するような事態は発生しない。シールド電線の外周にセットしたアース用環状部品に、シールド突出部と共に押し込み部材を挿入すれば良く、面倒な加締め加工を行う必要がない。以上より、信号線とシールド層が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、シールド電線のアース接続構造の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、(a)はアース用環状部品の左側面図、(b)はアース用環状部品の正面図、(c)は(b)のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、(a)は押し込み部材の正面図、(b)は押し込み部材の左側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、(a)〜(d)はそれぞれシールド突出部の形成過程を示す正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示し、シールド電線のアース接続構造の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示し、(a)はアース用環状部品の正面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態を示し、(a)は押し込み部材の正面図、(b)は押し込み部材の左側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示し、シールド電線のアース接続構造の断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態を示し、(a)はアース用環状部品の左側面図、(b)はアース用環状部品の正面図、(c)は(b)のC−C線断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示し、(a)は押し込み部材の左側面図、(b)は押し込み部材の正面図、(c)は(b)のD−D線断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態を示し、アース接続構造の製造過程を示す断面図である。
【図15】第1従来例を示し、シールド電線のアース接続構造の斜視図である。
【図16】第2従来例を示し、シールド電線のアース接続構造の正面図である。
【図17】第2従来例を示し、図16のE矢視図である。
【図18】第2従来例を示し、双方の加締め部の加締め加工過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1〜図6は、本発明に係るシールド電線1のアース接続構造の第1実施形態を示す。 先ず、シールド電線1の構造を説明する。シールド電線1は、図4に詳しく示すように、導体の信号線2と、この信号線2の外周を被う絶縁層3と、この絶縁層3の外周を被うように配置されたシールド層4と、このシールド層4の外周を被う絶縁性の外被5とから構成されている。シールド層4は、導体の編組線や金属箔より形成されている。
【0020】
このように構成されたシールド電線1の中間箇所には、シールド層4が外被5より外側に突出するシールド突出部4Aが設けられている。図1に示すように、このシールド突出部4Aがアース用環状部品10と押し込み部材20を用いてアース線7に接続されている。以下、詳細に説明する。
【0021】
図1に示すように、アース用環状部品10は、シールド電線1の外周を囲む位置に配置されている。アース用環状部品10は、図2に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部11を有する円環状の部品である。横断面形状は、大略楕円枠形である。アース用環状部品10は、内部に収容室12を有する。この収容室12には、環状形状に沿って開口部13が形成されている。開口部13を構成する外周壁10aの縁部10cは、押し込み部材20をスムーズに挿入できるように、外広がり形状になっている。アース用環状部品10は、開口部13の幅を広げる方向に弾性変形可能である。アース用環状部品10の内周壁10bには、円周方向に間隔を置いて複数のスリット14が形成されている。各スリット14は開口部13に開口している。
【0022】
アース用環状部品10の収容室12には、外被を剥ぎ取ったアース線7の一端側と、シールド突出部4Aと押し込み部材20が密着状態で収容されている。
【0023】
アース線7は、外被が剥ぎ取られた一端側が収容室12に収容されている。アース線7の他端は、シールド電線1が例えば車両に配策される場合には車体に接続される。
【0024】
シールド突出部4Aは、アース用環状部品10の各スリット14より収容室12に進入し、アース線7に密着している。
【0025】
押し込み部材20は、図3(a)、(b)に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部21を有するリング状の部品である。押し込み部材20は、その直径がアース用環状部品10の開口部13の幅寸法よりも若干だけ大きな寸法である。従って、押し込み部材20が収容室12に一旦挿入されると、開口部13の幅が元の寸法に戻るため、収容された押し込み部材20は、開口部13から脱落しない。
【0026】
次に、シールド電線1のアース接続構造の組み付け手順を簡単に説明する。先ず、シールド電線1の加工を説明する。図4(a)に示すように、シールド電線1の中間箇所で、且つ、アース線7を接続したい位置の外被5に全周に亘って切り込みaを入れる。次に、切り込みaを境としてその両側の外被5を離間させる方向に移動する。これにより、外被5の離間した領域でシールド層4が露出する。次に、移動した外被5を元の位置に移動する。すると、露出したシールド層4が外側方向に膨出する。両側の外被5が近接する位置まで移動し終わると、膨出したシールド層4によってシールド突出部4Aが形成される。
【0027】
次に、図5に示すように、アース用環状部品10の収容室12内に、外被を剥ぎ取ったアース線7の一端部を収容する。
【0028】
次に、図6に示すように、治具30で固定されたシールド電線1の外周に切欠部11を利用してアース用環状部品10を配置し、且つ、アース用環状部品10のスリット14にシールド突出部4Aが進入する位置まで移動する。
【0029】
次に、アース用環状部品10の収容室12に、その開口部13よりシールド突出部4Aの後面から押し込み部材20Bを挿入する。すると、シールド突出部4Aは押し込まれて収容室12に徐々に入り込む。押し込み部材20が収容室12の開口部13の位置まで挿入されると、アース用環状部品10がその開口部13の幅を広げる方向に弾性変形して押し込み部材20の挿入が許容される。押し込み部材20が収容室12に完全に挿入されると、アース用環状部品10がその開口部13の幅を元に戻すよう弾性復帰変形する。これにより、押し込み部材20は、開口部13より脱落することなく収容室12内に保持される。押し込む部材30が完全に収容室12内に収容されると、収容室12内がアース線7とシールド突出部4Aと押し込み部材20でほぼ隙間のない状態となり、アース線7とシールド突出部4Aが確実に密着される。
【0030】
尚、アース用環状部品10をシールド電線1の外周に配置する際に、アース用環状部品10の開口部13がシールド突出部4Aに単に近接対向する位置にセットしても良い。そして、アース用環状部品10の収容室12にシールド突出部4Aと共に押し込み部材20を挿入する過程でシールド突出部4Aをスリット14に進入させるようにしても良い。
【0031】
以上説明したように、シールド電線1のシールド層4を外被5より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部4Aと、シールド電線1の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部13を有する収容室12にアース線7が収容されたアース用環状部品10と、アース用環状部品10の収容室12に、開口部13よりシールド突出部4Aと共に挿入する押し込み部材20とを備えている。従って、アース用環状部品10内でシールド突出部4Aとアース線7が密着されるため、シールド電線1の絶縁層3に何ら圧縮力が作用しないため、信号線2とシールド層4が短絡するような事態は発生しない。又、シールド電線1の外周にセットしたアース用環状部品10に押し込み部材20を挿入すれば良く、面倒な加締め加工を行う必要がない。以上より、信号線2とシールド層4が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良い。
【0032】
アース用環状部品10は、開口部13を広げる方向に弾性変形可能であり、押し込み部材20は、収容室12の開口部13を弾性変形で広げることによって収容室12に挿入され、押し込み部材20が収容室12に挿入された後に収容室12の開口部13が元の大きさに戻る。従って、押し込み部材20が収容室12から脱落する事態を簡単な構成で防止できる。
【0033】
アース用環状部品10は、環状形状の一部領域が開口された切欠部11を有するので、シールド電線1の外周へのセットが容易である。
【0034】
アース用環状部品10は、内周壁10bに開口部13に開放するスリット14を有するので、シールド電線1のシールド突出部4Aがアース用環状部品10の収容室12の奥まで容易に入り込むことができるため、シールド突出部4Aとアース線7の安定した密着状態が得られる。又、アース用環状部品10は、導電性金属製であり、そのスリット14にシールド突出部4Aが食い込むため、アース用環状部品10とシールド突出部4A間が確実に電気的に接触する。以上より、シールド突出部4Aとアース線7間がアース用環状部品10を介しても確実に導通するため、シールド線4を確実にグランド電位に落とすことができる。
【0035】
(第2実施形態)
図7〜図10は、本発明に係るシールド電線1のアース接続構造の第2実施形態を示す。この第2実施形態のアース接続構造は、前記第1実施形態のものと比較するに、アース用環状部品10Aにスリット14が設けられていない点のみが相違し、他の構成は全て同じである。従って、図7〜図10において、前記第1実施形態と同一構成には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0036】
この第2実施形態でも、スリット14の作用・効果を除いて前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0037】
(第3実施形態)
図11〜図14は、本発明に係るシールド電線1のアース接続構造の第3実施形態を示す。図11において、前記第1及び第2実施形態と同様に、シールド電線1のシールド突出部4Aがアース用環状部品10Bと押し込み部材20Bによってアース線7に密着されているが、アース用環状部品10Bと押し込み部材20Bの構成が相違する。以下、説明する。
【0038】
アース用環状部品10Bは、図12に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部11を有する円環状の部品であるが、横断面形状はほぼ四角枠形である。
【0039】
アース用環状部品10Bは、内部に収容室12を有する。この収容室12には、環状形状に沿って開口部13が形成されている。アース用環状部品10Bの外周壁10aには、切り起こしによる係止爪15が間隔を置いて複数箇所に設けられている。各係止爪15は、収容室12に突出している。
【0040】
押し込み部材20Bは、図13に詳しく示すように、導電性の金属製であり、一部領域が開口された切欠部21を有する円環状の部品である。押し込み部材20Bの横断面形状は、ほぼ四角枠形である。押し込み部材20Bの幅は、アース用環状部品10Bの収容室12の幅より若干だけ小さく、収容室12に嵌り込む寸法に設定されている。押し込み部材20Bにも、収容室22が形成されている。収容室22には、環状形状に沿って開口部23が形成されている。押し込み部材20Bの外周壁20aには、係止孔24が間隔を置いて複数箇所に設けられている。各係止孔24にアース用環状部品10Bの各係止爪15が係止されることによって、押し込み部材20Bがアース用環状部品10Bの収容室12より脱落しない。
【0041】
次に、シールド電線1のアース接続構造の組み付け手順を簡単に説明する。シールド電線1の加工は、前記第1及び第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0042】
シールド電線1の加工が終了すると、アース用環状部品10Bの収容室12内にアース線7の端部を収容する。次に、図14に示すように、アース用環状部品10Bの切欠部11を利用して、治具30で固定されたシールド電線1の外周で、且つ、シールド突出部4Aに開口部13が近接対向する位置にアース用環状部品10Bをセットする。
【0043】
次に、アース用環状部品10Bの収容室12に、開口部13よりシールド突出部4Aの後面から押し込み部材20Bを挿入する。すると、シールド突出部4Aは押し込まれて収容室12に徐々に入り込む。押し込み部材20Bが完全に挿入されると、アース用環状部品10Bの各係止爪15が押し込み部材20Bの係止孔24に係止する。これにより、押し込み部材20Bは、開口部13より脱落することなく収容室12内に保持される。押し込む部材20Bが完全に収容室12内に収容されると、収容室12内がアース線7とシールド突出部4Aと押し込み部材20Bでほぼ隙間のない状態となり(換言すれば、双方の収容室12,22内にアース線7とシールド突出部4Aでほぼ隙間のない状態となり)、アース線7とシールド突出部4Aが密着状態とされる。
【0044】
以上、この第3実施形態においても、前記第1及び第2実施形態と同様に、アース用環状部品10B内でシールド突出部4Aとアース線7が密着されるため、シールド電線1の絶縁層3に何ら圧縮力が作用しないため、信号線2とシールド層4が短絡するような事態は発生しない。又、シールド電線1の外周にセットしたアース用環状部品10Bにシールド突出部4Aと共に押し込み部材20Bを挿入すれば良く、面倒な加締め加工を行う必要がない。以上より、信号線2とシールド層4が短絡する恐れがなく、しかも、製造作業性が良い。
【0045】
アース用環状部品10Bは、収容室12に突出する係止爪15を有し、前記収容室12に挿入された前記押し込み部材20Bが係止爪15に係止される。従って、押し込み部材20Bが収容室12から脱落する事態を確実に防止できる。
【0046】
アース用環状部品10Bは、環状形状の一部領域が開口された切欠部11を有するので、シールド電線1の外周へのセットが容易である。
【0047】
尚、アース用環状部品10Bの内周壁10bには、前記第1実施形態と同様に、開口部13に開放するスリットを設けても良い。内周壁10bにスリットを設ければ、シールド電線1のシールド突出部4Aがアース用環状部品10Bの収容室12の奥まで容易に入り込むことができるため、シールド突出部4Aとアース線7の安定した密着状態が得られる。
【符号の説明】
【0048】
1 シールド電線
4 シールド層
4A シールド突出部
7 アース線
10,10A,10B アース用環状部品
11,21 切欠部
12 収容室
13 開口部
14 スリット
15 係止爪
20,20B 押し込み部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド電線のシールド層を外被より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部と、
前記シールド電線の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部を有する前記収容室にアース線が収容されたアース用環状部品と、
前記アース用環状部品の前記収容室に、前記開口部より前記シールド突出部と共に挿入して前記シールド突出部と前記アース線を密着させる押し込み部材とを備えたことを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項2】
請求項1記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品は、前記開口部を広げる方向に弾性変形可能であり、前記押し込み部材は、前記収容室の前記開口部を弾性変形で広げることによって前記収容室に挿入され、前記押し込み部材が前記収容室に挿入された後に前記収容室の前記開口部が元の大きさに戻ることを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項3】
請求項1記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品は、前記収容室に突出する係止爪を有し、前記収容室に挿入された前記押し込み部材が前記係止爪に係止されることを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品と前記押し込み部材は、環状形状の一部領域が開口された切欠部をそれぞれ有することを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品は、内周壁に前記開口部に開放するスリットを有することを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項1】
シールド電線のシールド層を外被より外側に突出させた状態で露出したシールド突出部と、
前記シールド電線の外周を囲む位置に配置され、環状形状に沿って開口部を有する前記収容室にアース線が収容されたアース用環状部品と、
前記アース用環状部品の前記収容室に、前記開口部より前記シールド突出部と共に挿入して前記シールド突出部と前記アース線を密着させる押し込み部材とを備えたことを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項2】
請求項1記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品は、前記開口部を広げる方向に弾性変形可能であり、前記押し込み部材は、前記収容室の前記開口部を弾性変形で広げることによって前記収容室に挿入され、前記押し込み部材が前記収容室に挿入された後に前記収容室の前記開口部が元の大きさに戻ることを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項3】
請求項1記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品は、前記収容室に突出する係止爪を有し、前記収容室に挿入された前記押し込み部材が前記係止爪に係止されることを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品と前記押し込み部材は、環状形状の一部領域が開口された切欠部をそれぞれ有することを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシールド電線のアース接続構造であって、
前記アース用環状部品は、内周壁に前記開口部に開放するスリットを有することを特徴とするシールド電線のアース接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−14977(P2012−14977A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150899(P2010−150899)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】
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