説明

シール部材、組立体及び方法

【課題】タービン機械回転部材を囲む固定部材に対して該回転部材をシールするためのブラシシール組立体(146)及び方法を提供する。
【解決手段】本シール組立体(146)は、回転部材の表面(142)と摩擦接触状態で固定部材の半径方向内側領域に配置された第1のコンプライアントシール部品(136)を含む。本シール組立体(146)はまた、第1のコンプライアントシール部品のキャリヤ(154)と一体形に形成されかつ該第1のコンプライアントシール部品から指定の軸方向距離に設置された1以上の硬質シール要素(162)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的にはターボ機械で使用する形式のダイナミックシールに関する。
【背景技術】
【0002】
ラビリンス型パッキン及びブラシシールは、蒸気タービン並びに航空機及び産業用ガスタービンにおいて広範に使用されており、例えば蒸気タービンのロータ及びダイアフラム内側ウェッブのような回転及び固定タービン部品間でダイナミック(動的)シールを形成している。従来型のラビリンスパッキンは、固定部品の円周部から内向きにかつ回転要素に向かってであるが該回転要素と接触状態にならないように半径方向に突出した一連の(硬質)歯を含み、それによって回転部品の表面に直ぐ隣接して蛇行形軸方向流路を形成した一連の部分的バリヤを形成する。
【0003】
ブラシシールは一般的に、ラビリンスパッキンの歯と同様に、固定部品の円周部から回転部品に向かって半径方向内向きに突出した金属ブリストルを含む。ラビリンスパッキンとは対照的に、ブラシシールは通常、回転部品の隣接する外周表面と摩擦接触状態になって、該回転部品の円周部の周りでの流れに対してほぼ連続形バリヤを形成することを意図している。この点に関して、ブラシシールは、二次流れ損失に対してより有効なバリヤを形成する、すなわち、ラビリンスパッキンと比較してより良好なシール性能をもたらし、従って性能を大幅に改善する潜在能力を有する。
【0004】
航空機及び産業用ガスタービンのロータは、比較的剛性があり、その結果として、それらのダイナミック動作は一般的に、ブラシシールとの摩擦接触によって影響を受けない。対照的に、蒸気タービンのロータは一般的に、それに対してバケットが取付けられた連続形剛性シャフトを含む。衝動型蒸気タービンは一般的に、ロータの第1の曲げ臨界振動数以上で運転され、また多くの場合には第2の曲げ臨界振動数の近くで運転される。蒸気タービンのブラシシール及びロータ間の摩擦接触は、ロータの第1及び第2の臨界速度によるロータ振動を増大させて、許容不能な半径方向ロータ移動を引き起こすおそれがあることを示している。この現象は、ロータが熱的な、動的な又は製造上の状況の結果として湾曲した場合に特に発生する傾向があると思われる。より具体的には、摩擦接触により生じた摩擦は、ロータの表面温度を局所的に上昇させて、その円周部に沿って不均一な表面温度を引き起こす。湾曲したロータの高くなった(盛り上がった)部位は、このように一層激しい摩擦接触による加熱を特に生じ易いので、ブラシシールによって生じた局所加熱は、ロータ円周部の周りでの非均一な熱膨張の結果としてロータの曲りを一層増大させ、それによって振動及びロータダイナミクスの問題を悪化させる可能性がある。
【0005】
その開示を参考文献として本明細書に組入れた、本出願と同一の出願人の米国特許第6821086号には、ターボ機械の回転部材と摩擦接触状態になったシールによって引き起こされた局所加熱の結果として蒸気タービンのようなターボ機械内に生じた振動及びロータダイナミクスの問題を大幅に減少させることができるシール組立体及び方法が、開示されている。
【0006】
‘086特許の構成は、複数の硬質歯が必要とされまた大きなダブテール硬質歯キャリヤのために十分なスペースがある場合に、受入れ可能である。しかしながら、殆ど硬質歯が必要とされずまたスペースが殆どないような場合には、’086特許の大きな硬質歯キャリヤ及びブラシシールキャリヤ構成は使用することができない。従って、より小さい設計が、望ましいことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6821086号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、最新のブラシシールキャリヤは、大きなスペースを必要とし、キャリヤを所定の位置に保持するのに必要な材料の量を増大させ、かつシールを取付けることができる場所を制限している。さらに上述のように、幾つかの硬質歯は、実際にはノズル組立体に機械加工され、従ってシールが摩耗した場合にはそれを交換することができない。
【0009】
本発明は、シール組立体を形成するのに必要な材料の量を減少させると同時に、ノズルに如何なる製造又は改良も加えないで必要に応じて全てのシーリング装置を交換することを提案する。
【0010】
本発明の実施例としての実施形態では、ブラシシール組立体及びそのキャリヤの占有面積を減少させると同時に、さらに二次的/冗長/バックアップシールとして硬質歯シールをキャリヤ内に統合した(一体に組入れた)ブラシシールキャリヤを提供する。硬質歯シールをキャリヤ内に統合することにより、交換の容易さが得られると同時に、その小さい占有面積により、より小さい領域内にブラシシールを据付けることが可能になる。硬質歯構造体を統合することはまた、硬質歯を最小支持構造体で使用することを可能にし、なおかつ硬質歯が摩耗した状態になった場合には該硬質歯を交換することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本発明は、ブラシシールキャリヤ組立体として具体化することができ、本ブラシシールキャリヤ組立体は、後方裏当てプレート及び前方プレート間に設置されて、その半径方向内側部分が該後方裏当てプレートを超えて半径方向に突出するようになっているコンプライアントブラシシール部品と、コンプライアントブラシシール部品に対してほぼ平行な状態で延在するように前方プレートと一体形に形成された1以上の硬質歯シール要素とを含み、硬質歯シール要素は、後方裏当てプレートを超えるがコンプライアントブラシシール部品の半径方向手前まで半径方向に延在し、1以上の硬質歯シール要素は、コンプライアントブラシシール部品の幅寸法の少なくとも3倍の距離だけ該コンプライアントブラシシール部品から軸方向に間隔を置いて配置される。
【0012】
本発明はまた、軸線の周りで回転可能なロータ及び該ロータを囲む固定ノズル組立体を有し、ロータがシーリング表面を有しまた固定ノズル組立体がシーリング表面と対向した半径方向向き部分を有するターボ機械用のシール組立体として具体化することができ、本シール組立体は、固定ノズル組立体の半径方向向き部分内に支持され、また裏当てプレート、硬質歯シールプレート、並びに該裏当てプレート及び硬質歯シールプレート間に狭持されかつシーリング表面と摩擦接触状態で配置されたコンプライアントシール部品を備えたシールキャリヤと、硬質歯シールプレートと一つの部品として形成されかつシーリング表面に向かっているが該シーリング表面から間隔を置いた状態で半径方向に突出した1以上の硬質歯シール要素とを含み、硬質歯シール要素は、コンプライアントシール部品の幅寸法の少なくとも3倍に等しい距離だけ該コンプライアントシール部品から軸方向に間隔を置いて配置される。
【0013】
本発明はさらに、外周シーリング表面を有するターボ機械回転部材を該回転部材を囲む固定部材に対してシールする方法として具体化することができ、本方法は、(a)その一部分が回転部材のシーリング表面と摩擦接触状態になっている第1のコンプライアントシール部品及び該第1のコンプライアントシール部品のキャリヤと1つの部品として一体形に形成されているがシーリング表面から半径方向に間隔を置いて配置された第2の硬質シール要素を固定部材の半径方向内側領域に設けるステップと、(b)第1のコンプライアントシール部品の上流において該第1のコンプライアントシール部品の幅寸法の少なくとも3倍の軸方向距離に該第2の硬質シール要素を位置決めするステップとを含む。
【0014】
本発明は、以下に特定する添付図面と関連して行った本発明の現時点で好ましくかつ例示的な実施形態の以下のより詳細な説明を注意深く検討することによって、より完全に理解されかつ評価されることになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術のシーリング組立体を備えた蒸気タービンのダイアフラムパッキン領域の長手方向部分断面図。
【図2】従来技術の別のシーリング組立体の概略図。
【図3】本発明の実施例としての実施形態によるシーリング組立体の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、‘086特許によるシーリング組立体を備えた蒸気タービンのダイアフラムパッキン領域を示している。蒸気タービンは、その上に軸方向に間隔を置いて配置されたホイール12が形成されるか又は取付けられ、またそれに対してバケット14が取付けられたロータ10を有する。ロータ10、ホイール12及びバケット14は、ロータ軸線の周りで回転し、従ってタービンの回転部分の一部を形成する。ダイアフラム(ノズル)内側リング(ウェッブ)16が、ホイール12間で半径方向内向きに延在して、タービンの別個の段を形成する。ケーシング18が、ロータ10を囲みかつノズル内側リング16と共にノズル仕切壁20を支持する。リング16、仕切壁20及びケーシング18は共に、ロータ軸線に対して垂直な平面内に配置されかつロータ10の外周領域を囲むタービンの固定部分の一部を形成する。図1の流れ矢印で示すように、蒸気は、バケット14及びノズル仕切壁20間を横切って軸方向に流れる。
【0017】
図1に示すタービンには、ラビリンスパッキン22、24及び26が設けられている。ラビリンスパッキン22及び24は、パッキンリングセグメント又は硬質歯キャリヤ28に取付けられ、またラビリンスパッキン26は、パッキンリングセグメント30に取付けられる。従来と同様に、各パッキンリングセグメント28、30は、それぞれノズル内側リング16又はケーシング18に対して円周方向に組立てられた複数の弓形セグメントの1つである。ラビリンスパッキン22、24及び26は、回転及び固定部品間、より具体的にはロータ10及びノズル内側リング16間並びにバケット14及びケーシング18間の二次流れ損失を減少させる。有効ではあるが、ラビリンスパッキン22、24及び26は、それぞれのラビリンスパッキンの硬質歯32、33及び該硬質歯32、33がシールする対向する表面間でのギャップのために、ブラシシールで可能である程度までには二次流れ損失を減少させることができない。従って、‘086特許によると、ノズル内側リング16に取付けられたパッキンリングセグメント又は硬質歯キャリヤ28はさらに、ラビリンスパッキン22及び24の組間で軸方向に配置したブラシシール34を含む。従って、ラビリンスパッキン22及び24は、ブラシシール34に対するバックアップシールとしての働きをする。ラビリンスパッキン22及び24とは対照的に、ブラシシール34は、シールしようとする表面と連続的に接触し、それによってラビリンスパッキン22及び24で可能であるよりも良好なシールを行なうようになる。従来と同様に、ブラシシール34にはブリストル36が設けられ、また上述したように、ラビリンスパッキン22及び24には、ロータ10に向かって半径方向に突出した硬質歯32が設けられる。
【0018】
分かるように、ブラシシール34及びロータ10間に生じる摩擦接触は、本質的に摩擦加熱を発生させる。‘086特許では、熱のより良好な分散及び消失が、軸方向に隣接した表面領域40を超えて半径方向外向きに突出してプラットフォーム42を形成した隆起セクション38をロータ上に設けることによって達成される。隆起セクション38には、完全に密封された空洞44が形成され、この密封空洞は、例えばその形成時に捕捉された空気のみを含むようになる。
【0019】
別の従来の構成では、図2に示すように、ノズル構造体47自体に、硬質シール歯45が機械加工される。しかしながら、そのようなシール構造体が摩擦により摩耗した場合には、硬質歯シール構造体は、ノズルも交換しない状態では交換することができない。
【0020】
図3は、図1に示したものと同様なタービンを表しているが、ここでは、本発明の実施例としての実施形態によりシール組立体を改良しかつ再配置して、ブラシシールキャリヤ又はキャリヤ組立体146の占有面積を減少させると同時に、硬質歯シール122を統合してブラシシールに対するバックアップシールとしての働きをさせるようにしている。図3に概略的に示す本発明の実施例としての実施形態をより具体的に参照すると、ブラシシールキャリヤ組立体146は、回転部材又はタービンロータ110に向かって半径方向に延在しかつロータの対向面(又はシーリング表面)と緊密シールを形成したコンプライアントブリストル136(本明細書では、コンプライアントブラシシール部品又は「ブリストルパック」とも呼ぶことがある)を含む。タービン構造体の残り部分は一般的に、図1に実施例として示すような部分に対応しており、従って図3に再度は示していないが、開示した例示的な実施形態は、特定の関連設計変更を可能にすることを理解されたい。例えば、図3に示す実施例のロータは、バケット143の根元部分に隣接した環状ランディング部142を含み、この環状ランディング部142は、下記でさらに詳細に説明するように、少ない占有面積のシールのためのシーリング表面としての働きをする。
【0021】
この図示した実施形態では、ダブテールグルーブ内に受けるようにダブテールを設けるのではなくて、キャリヤ146は、単一の係合フック又はフランジ148を有する。キャリヤ146は、その単一のフック148がグルーブ150のチャネル部分152内に受けられた状態で、ダイアフラム(又は、ノズル)内側リング又はウェッブ116に直接形成された成形グルーブ150内に受けられる(従って、図1に示すキャリヤ28の必要性を排除する)ものとして示している。さらに、この図示した実施例では、ブラシシールキャリヤ146は、硬質歯シール122及び裏当てプレート156間に狭持されたコンプライアントブリストル136を含むラミネート構造体となっている。硬質歯シール122は、スペーサ部分158が形成された前方統合型硬質歯シールプレート154を含み、スペーサ部分158は、コンプライアントブリストル136を硬質歯シールプレート154の残部から間隔を置いて配置して、それによって従来通りの方法でコンプライアントブリストル136の前方軸方向撓みを可能にする。一方、裏当てプレート156は、コンプライアントブリストル136の後方軸方向撓みを制限する突出支持体160を含む。
【0022】
本発明の実施例としての実施形態では、1以上の硬質歯シール要素162が、コンプライアントブリストル136に対してほぼ平行に延在する状態で、硬質歯シールプレート154の半径方向内側端部において該硬質歯シールプレート154内に統合される(例えば、機械加工される)。硬質歯シール要素162は、コンプライアントブリストル136と同程度までには半径方向内向きに延在しておらず、従ってブリストルに対するバックアップシールとしての働きをする。
【0023】
コンプライアントブリストル136及び硬質シール122は、以下の空間的相互関係が認められる時に最も有効であることが判明した。統合型硬質歯シール要素162の先端及びロータランド142間の半径方向間隙は、少なくとも2Wでなければならず、ここで、Wは、図3に示すように、ブリストルパック136の幅である。また、硬質歯要素162を、少なくとも3Wに等しい距離だけブリストルパック136の上流(流れ方向矢印Fに対して)に設置しなければならない。さらに、ブリストルパックの下流に、後方硬質歯シール要素を用いる場合には、硬質歯シール要素は、少なくとも2.5Wだけブリストルパック136の下流に設置しなければならない。一般的な構成では、ブリストルパック136の幅は、約0.05〜0.07インチの範囲内とすることができる。このような構成により、ブラシシール及び硬質歯シールの両方が他からの妨害がない状態で個別に機能することが可能になり、同時に、図1のブラシシールセグメントキャリヤ28とは対照的にブラシシールキャリヤ146の占有面積における全体的な減少が可能になる。
【0024】
この図示した実施例では、統合型硬質歯シールプレート154は、金属から機械加工されかつ1以上の硬質歯シール要素162を備える。ブラシシールブリストルパック136は、統合型硬質歯シールプレート154及び裏当てプレート156とラミネートされかつ該プレート154及び裏当てプレート156間に溶接され、従ってキャリヤ組立体を形成する。分かるように、硬質歯の統合により、シールキャリヤの寸法の減少が可能になるだけでなく、ロータに対する摩擦の結果として硬質歯が損傷した場合に該硬質歯の交換が可能になる。
【0025】
上記したように、図1の構成には、複数の硬質歯のための硬質歯キャリヤ28内に据付けられた大きなブラシシールキャリヤ34が含まれる。このことは、組立体のための材料及び空間要件を増加させる。また、ブラシシールのシーリング効力のために、必要となる可能性があるよりも多くの硬質歯32を使用することが指示される。本明細書で上記に提案しかつ図3に概略的に示した統合型構成により、キャリヤ146が1つの硬質歯162と同程度に少数を有するように設計することが可能になる。さらに、明らかなように、例えばノズルウェッブ116に直接取付けたプレート及びブリストルのラミネート組立体としてブラシシールキャリヤ146を構成することにより、例えば図1に示すシールキャリヤ28と比較してシールキャリヤ146の軸方向寸法がさらに大幅に減少する。
【0026】
実施例としてのキャリヤ146は、上記したようにプレート154、156を含むが、キャリヤ部品は、この図示した実施例とは異なる構成及び形状細部を有することができる。例えば、裏当てプレート156は、ノズルウェッブ/ダイアフラム内側リング116内のグルーブ150のチャネル152と係合するフック148を含むものとして示してきたが、統合型硬質歯シールプレート154はまた、ダイアフラム内側リング/ノズルウェッブ構造体内のそれぞれのチャネルと係合するフック148の代わりに又は該フック148に加えてそのようなフックを含むことができる。さらに、硬質歯162はプレート154内に統合したものとして図示してきたが、それに加えて又はそれに代えて、プレート154又は裏当てプレート156のいずれか或いはその両方が、それ又はそれらと統合した硬質歯を有することができることを理解されたい。さらに、単一の硬質歯のみを図示してきたが、それぞれのプレートの軸方向厚さは、様々な数の硬質歯に適応するように調整することができることを理解されたい。その上さらに、シールの実施例としての実施形態は、ダイアフラム(ノズル)内側リング(ウェッブ)内に直接装着したものとして図示しかつ説明してきたが、さらに、新規なシール組立体を、バケット先端上方でステータのグルーブ内に直接装着しかつそこにシールを形成することができる。これは、ケーシングの一部又はダイアフラム外側リングの一部とすることができる。必要に応じて、その他の場所に、同様のシール構成を設けることができる。
【0027】
従って、現時点で最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は開示した実施形態に限定されるものではなく、逆に特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内に含まれる様々な変更及び均等な構成を保護しようとするものであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0028】
10 ロータ
12 ホイール
14 バケット
16 ダイアフラム内側リング又はウェッブ
18 ケーシング
20 ノズル仕切壁
22、24、26 ラビリンスパッキン
28 歯キャリヤ
30 パッキンリングセグメント
32、33 歯
34 ブラシシール
36 ブリストル
38 ロータの隆起セクション
40 表面領域
42 プラットフォーム
44 空洞
45 硬質シール歯
47 ノズル構造体
122 硬質歯シール
136 コンプライアントブリストル又はブリストルパック
142 環状ランディング部
143 バケット
146 キャリヤ組立体
148 フック又はフランジ
150 グルーブ
152 チャネル部分
154 硬質歯シールプレート
156 裏当てプレート
158 スペーサ部分
160 支持体
162 硬質歯シール要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシシールキャリヤ組立体(146)であって、
後方裏当てプレート(156)及び前方プレート(154)間に設置されて、その半径方向内側部分が該後方裏当てプレートを超えて半径方向に突出するようになっているコンプライアントブラシシール部品(136)と、
前記コンプライアントブラシシール部品(136)に対してほぼ平行な状態で延在するように前記前方プレート(154)と一体形に形成された1以上の硬質歯シール要素(162)と
を備えており、前記硬質歯シール要素(162)が、前記後方裏当てプレート(156)を超えるが前記コンプライアントブラシシール部品(136)の半径方向手前まで半径方向に延在し、前記1以上の硬質歯シール要素(162)が、前記コンプライアントブラシシール部品(136)の幅寸法の少なくとも3倍の距離だけ該コンプライアントブラシシール部品から軸方向に間隔を置いて配置される、ブラシシールキャリヤ組立体。
【請求項2】
前記1以上の硬質歯シール要素(162)及び隣接するタービンロータ表面(142)間の半径方向間隙寸法が、前記コンプライアントブラシシール部品の幅寸法の少なくとも2倍である、請求項1記載のブラシシールキャリヤ組立体。
【請求項3】
前記前方プレート(154)が、前記コンプライアントブラシシール部品(136)を該前方プレート(154)の残り部分から間隔を置いて配置して該コンプライアントブラシシール部品の前方軸方向撓みを可能にするスペーサ部分(158)を含む、請求項1記載のブラシシールキャリヤ組立体。
【請求項4】
前記前方プレート(154)及び裏当てプレート(156)の1以上が、それに対して該ブラシシールキャリヤ組立体を取付けるようになっている支持構造体(116)の対応するチャネル(152)と係合するフック部分(148)を形成する、請求項1記載のブラシシールキャリヤ組立体。
【請求項5】
前記幅寸法が0.05〜0.07インチの範囲内にある、請求項1記載のブラシシールキャリヤ組立体。
【請求項6】
軸線の周りで回転可能なロータ(110)及び該ロータを囲む固定ノズル組立体を有し、前記ロータがシーリング表面(142)を有しまた前記固定ノズル組立体が前記シーリング表面と対向した半径方向向き部分(116)を有するターボ機械用のシール組立体であって、
前記固定ノズル組立体の半径方向向き部分内に支持され、また裏当てプレート(156)、硬質歯シールプレート(154)、並びに前記裏当てプレート及び硬質歯シールプレート間に狭持されかつ前記シーリング表面(142)と摩擦接触状態で配置されたコンプライアントシール部品(136)を備えたシールキャリヤ(146)と、
前記硬質歯シールプレート(154)と一つの部品として形成されかつ前記シーリング表面(142)に向かっているが該シーリング表面(142)から間隔を置いた状態で半径方向に突出した1以上の硬質歯シール要素(162)と
を備えており、前記硬質歯シール要素(162)が、前記コンプライアントシール部品(136)の幅寸法の少なくとも3倍に等しい距離だけ該コンプライアントシール部品から軸方向に間隔を置いて配置される、シール組立体。
【請求項7】
前記硬質歯シールプレート(154)が、前記コンプライアントシール部品(136)を該硬質歯シールプレート(154)の残り部分から間隔を置いて配置して該コンプライアントシール部品(136)の前方軸方向撓みを可能にするスペーサ部分(158)を含む、請求項6記載のシール組立体。
【請求項8】
前記硬質歯シール要素(162)が、その長さに沿った任意の部位における前記硬質歯シールプレート(154)の残り部分の横断面よりも大幅に小さいその長さに沿った任意の部位における横断面を有する、請求項7記載のシール組立体。
【請求項9】
前記コンプライアントシール部品(136)がコンプライアントブラシシールブリストルパックを含む、請求項6記載のシール組立体。
【請求項10】
前記硬質歯シール要素(162)が前記コンプライアントシール部品(136)に対してほぼ平行に延在する、請求項6記載のシール組立体。
【請求項11】
前記シールキャリヤ(146)が、前記固定ノズル組立体とは別個に形成されかつ該固定ノズル組立体に対して取外し可能に固定される、請求項6記載のシール組立体。
【請求項12】
前記1以上の硬質歯シール要素(162)及びシーリング表面(142)間の半径方向間隙寸法が、前記コンプライアントシール部品の幅寸法の少なくとも2倍である、請求項6記載のシール組立体。
【請求項13】
前記裏当てプレート(156)が、前記コンプライアントシール部品の後方撓みを抑制するように、前記裏当てプレートのほぼ全長に沿って前記コンプライアントシール部品(136)と係合する、請求項6記載のシール組立体。
【請求項14】
前記硬質歯シールプレート(154)及び裏当てプレート(156)の1以上が、前記固定ノズル組立体内の対応するチャネル(152)と係合するフック部分(148)を形成する、請求項6記載のシール組立体。
【請求項15】
前記シール部品(136)の幅寸法が0.05〜0.07インチの範囲内にある、請求項6記載のシール組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−223229(P2010−223229A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63519(P2010−63519)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】