説明

ジオールタイプの化合物の接触式製造方法

本発明は、β−ヒドロキシカルボニル化化合物、特にジアセトンアルコール(DAA)からジオールタイプの化合物、例えば2−メチルペンタン−2,4−ジオール(2,4−ヘキシレングリコール(HGL)とも称される)を工業的規模で製造するための接触式(触媒を使用する)方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−ヒドロキシカルボニル化化合物、特にジアセトンアルコール(DAA)からジオールタイプの化合物、例えば2−メチルペンタン−2,4−ジオール(2,4−ヘキシレングリコール(HGL)とも称される)を工業的規模で製造するための接触式(触媒を使用する)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
HGLは、DAAの接触水素化によって工業的に製造され、ラネーニッケルが特によく用いられる触媒であり、一般的にかなりの割合で、特に水素化されるべきDAAの重量に対して5〜20重量%の割合で用いられる。
【0003】
ラネーニッケル触媒の存在下におけるDAAのHGLへの水素化反応の操作条件は、認識された技術上及び経済上の問題を引き起こし、これらは依然として解決されていない。実際、反応条件において、DAAは逆(戻り)アルドール化によって分解し、アセトンの合成及び続いての水素化によるイソプロパノールの合成をもたらす。DAAはまた、酸性条件においてヘキセノールを生成することもあり、これは次いで水素化されてヘキサノールになる。さらに、これらの酸性条件はこの反応の触媒を失活させる傾向があり、一部溶解させてしまう傾向まである。
【0004】
さらに、ラネーニッケルは一般的に、反応の選択性を高めるために、水素化反応において用いる前に、特に蒸留水や脱塩水で数日間洗浄してその塩基性を低下させなければならない。この工程は時間がかかる上に制約があり、この反応の経済的及び工業的利点のためには、この工程を割愛できるようにすることが強く望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
より一般的には、アルドール化反応によって得られるカルボニル官能基(特にアルデヒド官能基)のβ炭素上にアルコール官能基を有するβ−ヒドロキシカルボニル化化合物を水素化するための工業的方法であって、該接触水素化反応の際にこれらの化合物の逆アルドール化を回避できるものを開発することへの要望がある。
【0006】
本出願人は、上記の欠点を回避しつつ、しかも時間のかかる事前の触媒洗浄工程を必要とすることもなく、β−ヒドロキシカルボニル化化合物に対する水素化反応の優れた選択性が得られる全く予期しなかった方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして、本発明はまず最初に、塩基で触媒されるアルドール化反応によって得られた式(III)の化合物の接触水素化反応によって式(IV)の化合物を製造する方法に関し、
この方法は、前記水素化反応がこの水素化反応を6〜8の範囲のpHに保つことを可能にする少なくとも1種の緩衝剤化合物で前もって処理されたラネー触媒によって触媒されることを特徴とし、
前記式(III)及び式(IV)の化合物は、次の通りである。
【化1】

(ここで、R1は1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
2は水素原子又は1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
3は水素原子又は1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、そして
Xは水素原子、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基である。)
【0008】
かくして、本発明は、式(III)の化合物の接触水素化反応によって式(IV)の化合物を製造する方法であって、特に少なくとも次の工程:
(a)工程(b)の水素化反応の間6〜8の範囲のpHを維持するための少なくとも1種の緩衝剤化合物で前記ラネー触媒を前処理する工程;及び
(b)式(III)の化合物を水素化して式(IV)の化合物を生成させる工程;この水素化反応の間、反応混合物のpHは6〜8の範囲である;及び
(c)随意に式(IV)の化合物を単離する工程:
を含む、前記方法に関する。
【0009】
本発明は、より詳細には、ジアセトンアルコール(DAA)の接触水素化反応によって2−メチルペンタン−2,4−ジオール(HGL)を製造する方法であって、前記反応を6〜8の範囲のpHに保つことを可能にする緩衝剤化合物で前処理されたラネー触媒によって前記反応が触媒されることを特徴とする、前記方法に関する。
【0010】
本発明はまた、前記の方法によって得ることができる式(IV)の化合物にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状、飽和又は不飽和、環状又は非環状、芳香族又は非芳香族であることができる。これはO、F及び/又はNのようなヘテロ原子を含むこともできる。例えば次の基を挙げることができる:メチル、エチル、プロピル、フェニル、トリフルオロメチル、メトキシ及びエトキシ。
【0012】
アルキル基として、特に基Xの定義については、例えばメチル、イソブチル、エチル及びビニル基を用いることができる。
【0013】
アリール基としては、特に基Xの定義については、例えばフェニル、メチルフェニル及びヒドロキシフェニル基を用いることができる。
【0014】
アルコキシ基としては、特に基Xの定義については、例えばメトキシ、エトキシ及びイソブトキシ基を用いることができる。
【0015】
上で説明したように、式(III)の化合物は、アルデヒド、ケトン又はエステル官能基のようなカルボニル官能基のβ炭素上にアルコール官能基を有するβ−ヒドロキシカルボニル化化合物である。本発明の好ましいβ−ヒドロキシカルボニル化化合物としては、次の化合物を挙げることができる:ジアセトンアルコール(DAA)、3−ヒドロキシプロパナール、3−ヒドロキシブタナール、3−ケト−5−ヒドロキシ−5−メチルヘプタン、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキサナール及び3−ヒドロキシジヒドロシンナムアルデヒド。
【0016】
式(III)の化合物は特に、式(I)(R1)(R2)C=Oの化合物と式(II)R3−CH2−COXの化合物との間の塩基で触媒されるアルドール化反応によって得られる。式(II)の化合物は、エステル、ケトン又はアルデヒド;即ち、COのα炭素上に少なくとも1個の水素原子を有する、塩基で触媒されるアルドール化反応においてエノール化可能な化合物であることができる。
【0017】
式(IV)の化合物としては、例えば次の化合物を挙げることができる:2−メチルペンタン−2,4−ジオール(HGL)、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、5−メチルヘプタン−3,5−ジオール及び1−フェニルプロパン−1,3−ジオール。
【0018】
従って、本発明は、水素化反応を実施する前に緩衝剤化合物と接触させることによって触媒を処理することから成る。本発明の意味において、緩衝剤とは、水素化反応の間6〜8の範囲のpHを概ね維持することができる化合物を意味する。
【0019】
β−ヒドロキシカルボニル化化合物の水素化反応自体は、当業者によく知られている。
【0020】
本発明の反応は、連続式で又は不連続式で実施することができる。この反応は、70〜150℃の範囲の温度において実施することができる。この反応は、5〜50バールの範囲、特に10〜25バールの範囲の圧力において実施することができる。最適量の式(IV)の化合物を合成するための反応時間は、5分〜5時間の範囲であることができる。
【0021】
水素化反応は、特に液相中で実施することができる。水素は特に式(III)の化合物中に全部又は一部溶解させることができる。
【0022】
この反応は特に、連続式反応器中で、好ましくは液相中で撹拌しながら、実施することができる。気体は、プランジャーチューブ(cannes plongeantes)のシステムによって、又は自動吸引タービン若しくは他の任意の手段(例えば外部循環ループを有するもの)によって、導入することができる。また、ピストンタイプの連続式反応器、例えば気泡塔又はベンチュリイジェクターを有する反応器を使用することも可能である。
【0023】
一般的に、式(III)の化合物の重量に対して0.1〜20重量%の触媒が用いられる。
【0024】
一般的に、式(III)の化合物の重量に対して0.01〜2重量%の緩衝剤化合物が用いられる。一般的に、触媒の重量に対して0.1〜20重量%の緩衝剤化合物が用いられる。
【0025】
本発明に従うラネー触媒は、ラネーニッケル、ラネーコバルト又はラネー銅であることができる。これらの多孔質触媒はよく知られており、一般的に骨格触媒又はスポンジ触媒と称される。ラネーニッケルは、数多くの工業的方法において用いられる固体触媒である。これは特に有機化学における非常に様々な反応用、特に水素化反応用の不均一触媒として用いられる。ラネーニッケルは、ニッケル−アルミニウム合金の粉末を濃ソーダで処理することによって作られる。この処理は「活性化」と称されるものであり、その際に、合金中のアルミニウムのほとんどが溶解し、多量の水素を同時発生する。得られる多孔質構造は、100m2/gの非常に高い比表面積を有し、これが触媒としてのその有効性に寄与する。
【0026】
本発明に従って式(III)の化合物の水素化反応の際に6〜8の範囲のpHを概ね維持するための緩衝剤としては、数多くのものが存在し、単独で又は組合せとして用いられる。緩衝剤化合物とは、本発明に従えば、酸及びその共役塩基を含有する溶液であって、媒体に塩基又は酸を加えてもそのpHがそれほど変化しない特性を持つものを意味する。この溶液は一般的に0.01〜100の酸/塩基の濃度比を有する。特に、次の文献に記載された有機又は無機緩衝剤化合物を挙げることができる:Good, N.E., et al. (1966) Hydrogen Ion Buffers for Biological Research. Biochemistry 5(2), 467-477; CRC Handbook of Chemistry and Physics, CRC Press Inc. David R. Lide, 1992-1993, 73rd edition, pages 8-37 - 8-42。
【0027】
本発明に従う緩衝剤化合物は、以下のものより成る群から選択することができる:
・一塩基性リン酸カリウム、
・一塩基性リン酸ナトリウム、
・一塩基性リン酸リチウム、
・2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸、
・N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸のナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸のナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸のセスキナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸の二ナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸の二カリウム塩、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、
・β−ヒドロキシ−4−モルホリンプロパンスルホン酸、
・3−(N−モルホリニル)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸のナトリウム塩、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸のナトリウム塩、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸のヘミナトリウム塩、
・4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、
・N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン)酸のカリウム塩、
・4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸のヘミナトリウム塩、
・3−(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、
・2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロ−トリエタノール、
・1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、
・2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロ−トリエタノール、
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸のナトリウム塩、
・N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、
・N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸のモノナトリウム塩、
・N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、及び
・二塩基性クエン酸ナトリウム。
【0028】
この反応の際に1種以上の緩衝剤を用いることができることに留意されたい。
【0029】
前記前処理は、触媒と緩衝剤化合物とを一般的に1時間〜24時間混合することによって実施することができる。混合は、特に撹拌する必要なく、室温において実施することができる。緩衝剤は液体の形にあることができ、触媒は粉体の形にあることができる。
【0030】
こうして前処理された触媒を次いで本発明の反応混合物と接触させる。
【0031】
水素化反応の終わりに、式(III)の化合物、式(IV)の化合物、触媒及び多少の副生成物を含む混合物が取り出される。触媒は、任意の固液分離手段、例えば濾過やデカンテーションによって、有機物質から分離することができる。得られた液体は特に、式(III)の化合物と式(IV)の化合物とを分離するために、蒸留塔に送ることができる。
【0032】
本明細書においては、本発明の原理の理解を容易にするために特定の言語を用いているが、この特定言語を使用することによって本発明の範囲が限定されることは意図されないということを理解しなければならない。そして、当業者の一般的知識に基づいて変更、補強及び改良を検討することができる。
【0033】
用語「及び/又は」等には、「及び」等の意味、「又は」等の意味及びこの用語に関連した要素のすべての他の可能な組合せの意味が包含される。
【0034】
本発明の他の詳細又は利点は、もっぱら指標として以下に与えた実施例からより一層明らかになるだろう。
【実施例】
【0035】
実験の部
【0036】
例1
【0037】
容量150ミリリットルのオートクレーブ反応器にDAA(80g)、ラネーニッケル(8g)及び任意としての可変量の緩衝剤を装填する。このラネーニッケル触媒は、触媒の塩基性を下げるために1週間蒸留水で洗浄したものであることができる。これは、DAAの水素化反応においてラネーニッケル触媒について慣用的に用いられている手順である。この触媒は、数時間KH2PO4と混合することによって前処理したものであることができる。
【0038】
前記オートクレーブを密閉し、次いで窒素でパージし、水素でパージする。次いでこのオートクレーブを20バールの水素雰囲気下に置いて100℃の温度に加熱する。電磁式撹拌を1500回転/分で実施する。反応の間を通じて、温度、圧力、水素消費量、反応時間及び転化率等の反応のデータを測定する。反応終了時に、反応器を冷却し、サンプルをガスクロマトグラフィーによって測定し、質量分光計を用いて特徴付けする。
【0039】
化学反応の選択性Sは、消費された特定反応成分のモル数に対する生成した所望物質の量を示す。これは、いくつかの反応が並行して起こって望んでいない副生成物ができるかどうか、必要な反応が反応成分を消費する唯一の反応かどうかを示す。
【0040】
結果を下記の表1に示す。
【表1】

【0041】
KH2PO4の百分率は、触媒の重量に対する重量で表わしたものである。
【0042】
試験C1では、触媒を蒸留水で7日間洗浄した。IPAが生成するせいで選択性が不十分であることが観察される。試験C2では、水で洗浄しなかった代わりにpH7を得るために酢酸を含有させた水溶液で前処理した。IPAが多量に生成するせいで観察された選択性は非常に低かった。試験C3では、触媒を洗浄もせず、前処理もしなかった。反応混合物にKH2PO4を添加しただけだった。依然として非常に低い選択性が観察される。
【0043】
試験1では、未洗浄の触媒をKH2PO4で前処理した。非常に良好な選択性が観察される。試験2では、触媒を洗浄し且つ前処理した。同等の選択性が観察された。従って、本発明に従って触媒を緩衝剤で前処理することによって、優れた選択性が得られるだけではなくて、触媒の予洗浄工程をなくすことも可能であることがわかる。
【0044】
例2
【0045】
例1と同じ方法で、但しDAAの重量に対して0.5重量%のラネーニッケルの存在下で、反応を実施する。
【0046】
結果を下記の表2に示す。
【表2】

【0047】
KH2PO4の百分率は、触媒の重量に対する重量で表わしたものである。
【0048】
水素化させるべきDAAに対して5〜20%規模の多量の触媒を使用することは従来技術から周知であるが、少量の触媒の存在下においてさえ、非常に良好な選択性が観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基で触媒されるアルドール化反応によって得られた式(III)の化合物の接触水素化反応によって式(IV)の化合物を製造する方法であって、
前記水素化反応がこの水素化反応を6〜8の範囲のpHに保つことを可能にする少なくとも1種の緩衝剤化合物で前もって処理されたラネー触媒によって触媒されることを特徴とし、
前記式(III)及び式(IV)の化合物が次の通り:
【化1】

1は1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
2は水素原子又は1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
3は水素原子又は1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、そして
Xは水素原子、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基である)
である、前記方法。
【請求項2】
少なくとも次の工程:
(a)工程(b)の水素化反応の間6〜8の範囲のpHを維持するための少なくとも1種の緩衝剤化合物で前記ラネー触媒を前処理する工程;及び
(b)式(III)の化合物を水素化して式(IV)の化合物を生成させる工程;この水素化反応の間、反応混合物のpHは6〜8の範囲である;及び
(c)随意に式(IV)の化合物を単離する工程:
を特に含む、請求項1に記載の式(III)の化合物の接触水素化反応によって式(IV)の化合物を製造する方法。
【請求項3】
前記炭化水素基がメチル、エチル、プロピル、フェニル、トリフルオロメチル、メトキシ及びエトキシより成る群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルキル基がメチル、イソブチル、エチル及びビニル基より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記アリール基がメチルフェニル及びヒドロキシフェニルより成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記アルコキシ基がメトキシ、エトキシ及びイソブトキシ基より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記の式(III)の化合物がジアセトンアルコール(DAA)、3−ヒドロキシプロパナール、3−ヒドロキシブタナール、3−ケト−5−ヒドロキシ−5−メチルヘプタン、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキサナール及び3−ヒドロキシジヒドロシンナムアルデヒドより成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記の式(IV)の化合物が2−メチルペンタン−2,4−ジオール (HGL)、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、5−メチルヘプタン−3,5−ジオール及び1−フェニルプロパン−1,3−ジオールより成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記水素化反応を液相中で実施し、前記水素を式(III)の化合物中に全部又は一部溶解させることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
式(III)の化合物の重量に対して0.1〜20重量%の触媒を用いることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
式(III)の化合物の重量に対して0.01〜2重量%の緩衝剤化合物を用いることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
触媒の重量に対して0.1〜20重量%の緩衝剤化合物を用いることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記ラネー触媒がラネーニッケル、ラネーコバルト又はラネー銅であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記緩衝剤化合物が
・一塩基性リン酸カリウム、
・一塩基性リン酸ナトリウム、
・一塩基性リン酸リチウム、
・2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸、
・N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸のナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸のナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸のセスキナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸の二ナトリウム塩、
・1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸の二カリウム塩、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、
・β−ヒドロキシ−4−モルホリンプロパンスルホン酸、
・3−(N−モルホリニル)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸のナトリウム塩、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸のナトリウム塩、
・3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸のヘミナトリウム塩、
・4−(N−モルホリノ)ブタンスルホン酸、
・N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンスルホン)酸のカリウム塩、
・4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸のヘミナトリウム塩、
・3−(N,N−ビス[2−ヒドロキシエチル]アミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、
・2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロ−トリエタノール、
・1,3−ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン、
・2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロ−トリエタノール、
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、
・N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸のナトリウム塩、
・N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸、
・N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸のモノナトリウム塩、
・N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、及び
・二塩基性クエン酸ナトリウム
より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2012−512263(P2012−512263A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546974(P2011−546974)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007760
【国際公開番号】WO2011/077176
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(509221319)ロディア・ポリアミダ・エ・エスペシアリダデス・リミターダ (9)
【氏名又は名称原語表記】RHODIA POLIAMIDA E ESPECIALIDADES LTDA
【住所又は居所原語表記】Av.Maria Coelho Aguiar,215,Bloco B−1 andar,Parte 1−Jardim Sao Luiz,Sao Paulo−SP BRAZIL
【Fターム(参考)】