ジョブ監視システム、ジョブ監視方法、プログラムおよび記録媒体
【課題】 ネットワーク負荷および印刷装置の負荷を軽減することが可能なシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】 ジョブ監視システムは、印刷装置へ送信した印刷ジョブを、印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視するシステムであり、ジョブキュー15に印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して印刷装置20、30へ送信するとともに、指定されたデータ量の印刷データを送信したか否かを判断するデータ送信部12と、印刷ジョブの監視のために、印刷装置20、30へ一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を印刷装置20、30から取得するジョブ状態取得部13とを含み、ジョブ状態取得部13は、データ送信部から指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始することを特徴とする。
【解決手段】 ジョブ監視システムは、印刷装置へ送信した印刷ジョブを、印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視するシステムであり、ジョブキュー15に印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して印刷装置20、30へ送信するとともに、指定されたデータ量の印刷データを送信したか否かを判断するデータ送信部12と、印刷ジョブの監視のために、印刷装置20、30へ一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を印刷装置20、30から取得するジョブ状態取得部13とを含み、ジョブ状態取得部13は、データ送信部から指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置へ送信された印刷ジョブの状態を監視するためのジョブ監視システム、そのジョブ監視システムにより行われるジョブ監視方法、その方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムおよびそのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
PCで作成した文書を印刷する場合、その文書データをプリンタドライバによって印刷データへ変換し、その印刷データをプリンタ等の印刷装置へ送信することにより行われる。印刷装置は、1ページ印刷するごとに、あるいは印刷ジョブの全ページを印刷したときに、あるいは印刷中に異常が発生した場合にPCへ通知し、PCがこの通知を受け取ることにより、ユーザは、印刷が終了したこと、印刷中に異常が発生したことを知ることができ、その異常に対して適切な処置をとることができる。
【0003】
印刷データを印刷装置へ送信した後のPCは、印刷ジョブを監視するために、定期的なタイミングで印刷装置へ問い合わせを行う。この監視は、送信要求がないか、1つ1つ相手に聞いてまわるポーリングと呼ばれる方式により行われる。PCは、このポーリングにより、印刷装置から印刷実行待ち、印刷実行中、排紙完了等の印刷ジョブの状態を取得し、そのジョブの進行状況を確認している。
【0004】
PCは、ポーリング間隔を短くすることにより、リアルタイムにジョブ状態を監視することができるが、ネットワーク技術により1台の印刷装置を複数のPCから利用する形態において、複数のPCが同時にポーリングを行うと、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷が増大するという問題がある。反対に、ポーリング間隔を長くすると、それらの負荷を減少させることはできるが、ジョブ状態の更新が遅くなり、ジョブ状態によって処理を行う場合には正しく処理することができない場合がある。
【0005】
そこで、ネットワーク負荷を減らしつつも、印刷ジョブの状態を監視することができる装置や方法として、例えば以下の装置および方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1では、印刷装置に格納されている全てのログ情報のうち、新しいものから所定数だけを取得し、取得したログ情報に基づいて、印刷ジョブの処理結果を判定する装置および方法を提案している。この装置および方法では、ログ取得の個数を絞り込むことで、ログ取得による印刷確認を高速に行い、かつ、ネットワーク負荷および印刷装置の負荷を削減している。
【0007】
特許文献2では、印刷装置が、標準ポーリング間隔に設定されたポーリング間隔で行ったポーリングで、サーバからポーリング間隔短縮要求を受信すると、ポーリング間隔を短縮ポーリング間隔に変更し、サーバは、印刷装置が短縮ポーリング間隔で行ったポーリングに応答して、印刷状況送信要求を印刷装置へ送信する制御方法を提案している。印刷装置は、短縮ポーリング間隔でサーバにポーリングを行ってサーバから印刷状況送信要求を受信すると、印刷ジョブの進行状況を示す印刷状況情報を取得するとともに、取得した印刷状況情報をサーバに送信し、サーバは、送信した印刷状況送信要求に応答して印刷装置から送信された印刷状況情報を受信して取得する。
【0008】
サーバで印刷状況を監視する場合は、印刷状況を監視するために短縮した短縮ポーリング間隔とされるが、それ以外の場合は、標準ポーリング間隔とされるため、実効的にネットワークのトラフィック渋滞の問題を考慮しつつ、時々刻々と変化する印刷状況の監視を十分に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来の技術は、ネットワーク負荷の軽減やジョブ状態のよりリアルタイムに近い取得を可能にするが、1ジョブ毎に異なっているジョブ特性や印刷装置の状態等の時々刻々と変化するイベントにより、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスが生じてしまう。
【0010】
例えば、印刷装置では、少なくとも1ページ分の印刷データの受信が完了しなければ排紙が行われないが、1ページ分の印刷データの受信完了前にPC等からジョブ状態の問い合わせがあれば、ジョブ状態に変化はないため、無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷が発生する。
【0011】
また、パンチやステープルといった印刷属性が設定されている印刷ジョブの場合、印刷装置は、全ページ分の印刷データの受信が完了しなければ排紙を行わないが、全ページの印刷データの受信完了前にPCからジョブ状態の問い合わせがあれば、ジョブ状態に変化はないため、無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷が発生する。
【0012】
これは、集約印刷でも同様で、印刷装置は、少なくとも集約ページ分の印刷データの受信が完了しなければ排紙を行わないが、集約ページ分の印刷データの受信完了前にPCからジョブ状態の問い合わせがあれば、ジョブ状態に変化はないため、無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷が発生する。
【0013】
そこで、こういった無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷の発生を防止することができるシステムや方法の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み、ある特定量の印刷データを印刷装置へ送信完了した後からジョブ状態を監視することができるようにシステム構成を行う。上記例で言えば、印刷データのうち、1ページ分の印刷データを印刷装置に送信完了後からジョブ状態を監視し、パンチやステープル等の印刷属性が設定されている場合には、全ページの印刷データを印刷装置に送信完了後からジョブ状態を監視し、集約印刷の場合は、印刷データのうち、集約ページ分の印刷データを印刷装置に送信完了後からジョブ状態を監視するように構成する。
【0015】
ある特定量の印刷データを印刷装置へ送信完了するまでは、ジョブ状態が変化しないため、それまでの間に問い合わせを行っても無駄になるだけであり、その間に問い合わせを行わないようにすることで、ネットワーク負荷を軽減させることができ、印刷装置の負荷も軽減させることができる。なお、印刷装置への送信が完了すると、印刷装置では排紙、パンチやステープル等を行うため、ジョブ状態が変化し、そのときにはじめて、問い合わせを行うことで、その変化したジョブ状態を取得することができる。
【0016】
また、上記の特定量は、ジョブ特性や印刷装置の状態等によって調整することができるため、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスを最大限減らすことができる。
【0017】
こういったネットワーク負荷や印刷装置の負荷の軽減を可能にするシステムとして、本発明のジョブ監視システムを提供することができる。
【0018】
このジョブ監視システムは、印刷装置へ送信した印刷ジョブを、その印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視するシステムであり、ジョブ蓄積部に印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して印刷装置へ送信するとともに、指定されたデータ量の印刷データを送信したか否かを判断するデータ送信部と、印刷ジョブの監視のために、印刷装置へ一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を印刷装置から取得するジョブ状態取得部とを含み、ジョブ状態取得部は、データ送信部から指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始することを特徴とする。
【0019】
上記の指定されたデータ量の印刷データは、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データとすることができる。この場合、ジョブ状態取得部は、データ送信部から1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0020】
このように1ページ目のデータ送信中のジョブ状態の監視間隔を調整することで、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスを最大限減らすことができる。
【0021】
上記の指定されたデータ量の印刷データは、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データとすることもできる。この場合、ジョブ状態取得部は、データ送信部から1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受ける毎に、印刷ジョブの監視を開始し、また、1ページ分の印刷データが処理され、1ページ排紙される毎に監視を終了する。
【0022】
このように1ページ分のデータ送信中のジョブ状態の監視間隔を調整することで、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスを最大限減らすことができる。
【0023】
ジョブ監視システムは、印刷ジョブとして印刷データを受け付け、ジョブ蓄積部に蓄積させるジョブ受付部をさらに含むことができる。このジョブ受付部は、さらに、印刷データから印刷属性が設定されているか否かを判断し、設定されていると判断した場合、設定されている印刷属性を属性情報として印刷データに付加する。これにより、印刷属性によりジョブ状態の監視間隔を調整することが可能となる。
【0024】
属性情報としては、例えば、両面印刷するとの情報を挙げることができる。この場合、データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、2ページ分の印刷データを印刷装置へ送信し、ジョブ状態取得部は、データ送信部から2ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0025】
パンチまたはステープル止めするとの情報である場合は、データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、全ページの印刷データを印刷装置へ送信し、ジョブ状態取得部は、データ送信部から全ページの印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0026】
また、集約印刷するとの情報である場合は、データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、集約ページ分の印刷データを印刷装置へ送信し、ジョブ状態取得部は、データ送信部から集約ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0027】
指定されたデータ量の印刷データは、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データとすることもできる。この場合、ジョブ状態取得部は、データ送信部からそのページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0028】
ジョブ状態取得部は、印刷装置がウォームアップ中である場合、その間の問い合わせはジョブ状態に変化がないことから、印刷ジョブの状態を取得するために行う問い合わせの間隔を長くすることができる。
【0029】
また、ジョブ状態取得部は、印刷装置が異常発生により停止中である場合も、その間の問い合わせはジョブ状態に変化がないことから、印刷ジョブの状態を取得するために行う問い合わせを、印刷装置が復旧するまで中断することができる。
【0030】
本発明では、ジョブ監視システムのほか、このシステムで行われる処理を処理ステップとして含むジョブ監視方法も提供することができる。また、この方法は、ジョブ監視システムを構成する各部により行われる各処理ステップを含むが、これらの処理ステップは、コンピュータ可読なプログラムを実行させることにより実現することができる。このため、本発明では、ジョブ監視方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムを提供することもできる。
【0031】
このプログラムは、記録媒体に記録して提供することができ、本発明では、このプログラムが記録された記録媒体を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ジョブ監視システムとしてのPCと印刷装置としてのプリンタおよびMFPとがネットワークを介して接続されているところを示した図。
【図2】ジョブ監視システムの機能ブロック図。
【図3】ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理の一例を示したフローチャート図。
【図4】ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理の別の例を示したフローチャート図。
【図5】ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理のさらに別の例を示したフローチャート図。
【図6】印刷属性が両面印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図7】印刷属性がパンチあるいはステープル止めするものであるか否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図8】印刷属性が集約印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図9】指定されたデータ量の印刷データが、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データである場合のジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図10】プリンタの状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する1つの処理の流れを示したフローチャート図。
【図11】プリンタの状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する別の処理の流れを示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、ジョブ監視システムとして機能するPCと印刷装置としてのプリンタおよびMFPとがネットワークを介して接続されているところを示した図である。図1では、印刷装置としてのプリンタ20とMFP30の2つが、ネットワーク40に接続され、PC10に利用可能とされているが、これらはPC10と直接接続されていてもよい。また、ネットワーク40には、PC10、プリンタ20、MFP30がそれぞれ1台接続されているが、各機器の数はいかなる数であってもよい。ネットワーク40としては、インターネット、イントラネットを挙げることができる。
【0034】
PC10は、ユーザからの入力を受け付けるために、キーボードやマウス等の入力装置と、入力された文字等を表示するための表示装置と、印刷文書を作成するための文書作成アプリケーション、OS、BIOS、ファームウェア、プリンタドライバ等を格納するROM、RAM、HDD等の記憶装置と、それらのプログラムを実行するCPUと、ネットワーク40へ接続し、ネットワーク40を介した通信を可能にするための通信デバイスとを備えている。記憶装置は、通信デバイスが通信を行う際に使用する通信先のIPアドレスや機器名等も格納する。
【0035】
プリンタ20は、印刷出力するプリンタエンジンと、プリンタエンジンを制御するためのコントローラ、その処理を実現するためのOSやその他のプログラムを記憶するROMやRAM等のメモリ、それらのプログラムを実行するCPU、ネットワーク40を介してPC10やMFP30と通信を行うことを可能にする通信デバイス、印刷枚数等を表示する表示部、各種設定変更等するために入力を受け付けるキー入力装置等を備えている。
【0036】
MFP30は、スキャナ、コピー、FAX、プリンタ、ネットワーク通信、画像変換処理等の複数の機能を有し、コントローラ、エンジン部を備えている。
【0037】
エンジン部は、プリンタエンジン、スキャンエンジン、コピーエンジン、ファクシミリエンジン等を含む。これらのエンジンの各々には、エンジンを制御するための、コントローラが設けられ、それらの機能を実現するためにアプリケーションを実行する。
【0038】
エンジン部の一例として、プリンタエンジンを挙げると、プリンタエンジンは、電子写真方式のプリンタである場合、感光体、感光体を帯電させる帯電ユニット、感光体にレーザー光を照射して画像を書き込む露光装置、感光体に書き込まれた画像を現像する現像ユニット、転写ベルト、その転写ベルトに感光体上に形成された画像を転写する一次転写ユニット、転写ベルトに転写された画像を紙媒体に転写する二次転写ユニット、紙媒体に転写された画像を定着させる定着ユニット等を含んで構成される。
【0039】
このプリンタエンジンを制御するためにプリンタコントローラが設けられるが、このプリンタコントローラは、露光装置から出射されるレーザー光の照射位置や照射時間、感光体に付着させるトナー量等の制御を行う。こういった制御を実現するために、プリンタコントローラは、これらの制御を実行させるプリンタアプリケーションや各設定値等を記憶するメモリ、メモリからそれを読み出して実行するプロセッサ、プリンタエンジンへ信号を出力可能にする入出力デバイス等を備えている。
【0040】
MFP30は、上記のコントローラおよびエンジン部のほか、MFP全体を制御するためのCPU、その処理を実現するためのOSやその他のプログラムを記憶するROMやRAM等のメモリ、ネットワーク40を介してPC10と通信を行うことを可能にする通信デバイス、各種設定変更を受け付け、現在の状態を表示する表示部としての機能を有する操作パネル、キー入力装置等を備えている。
【0041】
PC10は、文書作成アプリケーションを起動し、ユーザが入力装置を使用して入力することにより作成した文書を文書データとして記憶し、プリンタ20あるいはMFP30を指定して印刷指示することにより、その文書を用紙に印字して出力させる。その際、PC10は、文書データをプリンタドライバによって印刷データへ変換し、印刷条件として設定されたパラメータや一連の処理命令を含む印刷ジョブとしてプリンタ20あるいはMFP30へ送信する。
【0042】
その後、PC10は、送信した印刷ジョブを、プリンタ20あるいはMFP30において用紙に印字等して排紙が完了するまで監視し続ける。ジョブの監視は、一定間隔で問い合わせを行い、プリンタ20あるいはMFP30からジョブの状態を取得することにより行うことができる。ジョブの状態としては、ジョブ実行中、ジョブ実行待ち、ジョブ終了等がある。プリンタ20あるいはMFP30は、これらのジョブ状態に関する情報を、問い合わせに含まれるPC10のIPアドレス、機器名、ポート番号を使用して、PC10へ送信する。
【0043】
ジョブ状態の問い合わせは、例えば、プリンタ20やMFP30に1つ1つ聞いて回るポーリングと呼ばれる方式で行うことができる。リアルタイムにジョブ状態を監視するためには、ポーリング間隔を短くしてその頻度を多くする必要がある。しかしながら、これでは、ネットワーク40を流れる問い合わせが多くなり、ネットワーク負荷が高くなり、また、その問い合わせを受けるプリンタ20やMFP30の負荷も高くなる。
【0044】
一方、ポーリング間隔を長くすると、ネットワーク負荷や、プリンタ20およびMFP30の負荷は軽減されるが、ジョブ状態の更新が遅くなり、ジョブ状態によって処理を行う場合、正しく処理できない場合がある。これを解決するために、PC10は、ジョブの監視を、ある特定量の印刷データをプリンタ20やMFP30に送信完了するまで行わず、送信完了後から監視を開始するように構成される。これは、プログラムによって実現することができ、これを実現するためにジョブ監視システムは以下の各部を備える。
【0045】
図2は、ジョブ監視システムの機能ブロック図である。図2に示すジョブ監視システムの構成は一例である。PC10は、ジョブ監視システムとして機能し、ジョブ受付部11とデータ送信部12とジョブ状態取得部13と機器状態取得部14とジョブキュー15とを有するデバイス部16を備える。このデバイス部16は、機器毎に設けられ、機器のMACアドレス、IPアドレス、機器名等を識別情報として用い、各機器と通信することが可能にされている。
【0046】
文書作成アプリケーションにより作成された文書データは、プリンタドライバによって、印刷装置で用いるページ記述言語により記述された印刷データへ変換されるが、この印刷データは、印刷範囲、印刷枚数、カラー印刷するか、集約印刷するか、拡大あるいは縮小印刷するか、拡大あるいは縮小する場合はその倍率等の印刷条件として設定されたパラメータと、印刷出力する機器を指定し、その機器に対して印刷指示を与える一連の処理命令とを含む印刷要求として出力される。ジョブ受付部11は、この印刷ジョブをプリンタドライバから受け付ける。
【0047】
ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブをジョブキュー15へ入れ、ジョブキュー15で実行のために取り出されるまで一時的に蓄積される。このため、ジョブキュー15は、先に入れられたジョブを先に送り出すFIFO構造とされ、印刷ジョブを管理する。データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に蓄積された印刷ジョブを取り出し、指定されたプリンタ20あるいはMFP30へ送信する。以下、印刷装置としてプリンタ20が指定されているものとして説明する。
【0048】
データ送信部12は、データ送信のほか、予め指定されたデータ量の印刷データを送信したか否かを判断し、送信した場合は、その旨の通知を出力する。機器状態取得部14は、プリンタ20の状態、具体的には、プリンタ20がウォームアップ中であるとか、用紙切れやトナー切れ、トナー使用量や残量等を定期的に取得する。
【0049】
ジョブ状態取得部13は、データ送信部12および機器状態取得部14から、上記通知およびプリンタ20の状態を取得し、印刷ジョブ監視の開始時期を判断する。ジョブ状態取得部13は、印刷ジョブの監視を開始すると、プリンタ20が印刷データを使用して用紙に印字等し、その印字等された用紙が排紙されるまで、一定間隔でプリンタ20へ取り合わせを行い、その印刷ジョブの状態の取得を繰り返す。
【0050】
デバイス部16は、これらの各部を備えるものであるが、ジョブ監視処理全体を制御するものとして構成することも可能である。この場合、デバイス部16は、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態取得部13にジョブ状態の監視を開始するように指示することができる。
【0051】
図3〜11を参照して、ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理を詳細に説明する。まず、図3を参照すると、ステップ300からこの処理を開始し、ステップ310で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。
【0052】
次に、ステップ320で、データ送信部12が、ジョブキュー15の最先に入れられた印刷ジョブの印刷データを取り出し、指定された印刷装置であるプリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0053】
ステップ330で、データ送信部12は、印刷データの送信を行うとともに、指定されたデータ量の印刷データをプリンタ20へ送信したか否かを判断する。そして、指定されたデータ量の印刷データを送信したと判断したところで、その旨の通知を出力する。なお、データ送信部12は、指定されたデータ量の印刷データをプリンタ20へ送信し終えるまでは、印刷データの送信と上記判断とを繰り返す。
【0054】
ステップ340で、ジョブ状態取得部13は、その旨の通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。すなわち、その印刷ジョブの監視を開始する。この監視を開始したところで、ステップ350においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0055】
図3に示す処理では、指定されたデータ量の印刷データを送信したところで、ジョブ状態の監視を開始させているが、具体的には、図4に示すように、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信し、その送信が完了した旨の通知を出力し、ジョブ状態取得部13がその通知を受け取ることで、ジョブ状態の監視を開始させることができる。
【0056】
図4は、図3に示す処理とほぼ同様であるが、ステップ430が、1ページ分の印刷データを送信したか否かを判断する点で相違している。
【0057】
図5は、1ページ分の印刷ジョブを送信し終え、ジョブ状態の監視を開始するまでの処理は、図4に示す処理と同様であるが、ステップ550で、全ページの印刷ジョブを送信し終えたかを判断し、全ページ分の印刷データを送信し終えるまで、ステップ520〜540までの処理を繰り返している。
【0058】
図5に示す処理では、1ページ分の印刷が終了し、排紙されると、監視は一旦終了する。データ送信部12は、2ページ目の印刷データを送信し、送信した旨の通知を出力する。ジョブ状態取得部13は、この通知を受け取り、再び監視を開始する。このようにして、全ページの印刷データが送信し終えるまでこれらの処理を繰り返す。
【0059】
データ送信部12が、最後のページの印刷データを送信したと判断し、その旨の通知を出力すると、ステップ560へ進み、ジョブ状態取得部13は、ジョブの監視を開始し、ステップ570で終了する。最後ページの印刷が終了し、排紙されたところで、この印刷ジョブの監視を終了する。このように1ページ分の印刷データを送信するごとに監視を開始し、排紙するごとに監視を終了することで、ネットワーク負荷および印刷装置の負荷を軽減することができる。
【0060】
これまでは、指定されたデータ量として1ページ分の印刷データを送信した旨の通知をジョブ状態取得部13が受け取り、ジョブ状態取得部13がジョブ状態の取得を開始する処理を説明してきたが、ジョブ受付部11が受け付ける印刷ジョブには、両面印刷、集約印刷、パンチやステープル等の印刷属性が設定されたものが存在する。印刷属性によって監視を開始するタイミングを変えることができ、それによってネットワーク負荷や印刷装置の負荷を軽減することができるため、印刷属性の有無、その種類を判断する。
【0061】
この印刷属性は、ユーザが印刷時に設定し、印刷ジョブに含めてプリンタ20へ送るが、プリンタ20へ送る前に、ジョブ受付部11は、印刷ジョブを受け付け、印刷属性の有無を判断し、印刷属性がある場合は、その印刷属性の種類を判断する。
【0062】
図6は、印刷属性が両面印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ600からこの処理を開始し、ステップ610で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付ける。ステップ620で、ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブが両面印刷するものか否かを判断する。判断した結果は、データ送信部12が両面印刷するものであることを検知するために、印刷ジョブに属性情報として付加する。
【0063】
その後、ジョブ受付部11は、このジョブをジョブキュー15に投入する。ステップ630で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。ステップ640で、データ送信部12は、取り出した印刷ジョブに付加された属性情報を確認し、両面印刷するものであるから、2ページ分の印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、2ページ分の印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ630へ戻り、2ページ分の印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0064】
一方、両面印刷するものでない場合、ステップ650へ進み、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始し、ステップ660で、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信したかを判断し、送信した場合は、その送信が完了した旨の通知を出力し、送信していない場合は、ステップ650へ戻り、印刷データの送信を続ける。
【0065】
指定されたページ分の印刷データを送信した後、ステップ670で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ680においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0066】
図7は、印刷属性がパンチあるいはステープル止めするものであるか否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ700からこの処理を開始し、ステップ710で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付ける。ステップ720で、ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブがパンチあるいはステープル止めするものであるか否かを判断する。判断した結果は、データ送信部12がパンチあるいはステープル止めするものであることを検知するために、印刷ジョブに属性情報として付加する。
【0067】
その後、ジョブ受付部11は、このジョブをジョブキュー15に投入する。ステップ730で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。ステップ740で、データ送信部12は、ジョブに付加された属性情報を確認し、パンチあるいはステープル止めするものであるから、全ページの印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、全ページの印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ730へ戻り、全ページの印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0068】
一方、パンチあるいはステープル止めするものでない場合、ステップ750へ進み、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始し、ステップ760で、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信したかを判断し、送信した場合は、その送信が完了した旨の通知を出力し、送信していない場合は、ステップ750へ戻り、印刷データの送信を続ける。
【0069】
指定されたページ分の印刷データを送信した後、ステップ770で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ780においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0070】
図8は、印刷属性が集約印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ800からこの処理を開始し、ステップ810で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付ける。ステップ820で、ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブが集約印刷するものであるか否かを判断する。判断した結果は、データ送信部12が集約印刷するものであることを検知するために、印刷ジョブに属性情報として付加する。
【0071】
その後、ジョブ受付部11は、このジョブをジョブキュー15に投入する。ステップ830で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。ステップ840で、データ送信部12は、ジョブに付加された属性情報を確認し、集約印刷するものであるから、集約ページの印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、集約ページの印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ830へ戻り、集約ページの印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0072】
一方、集約印刷するものでない場合、ステップ850へ進み、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始し、ステップ860で、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信したかを判断し、送信した場合は、その送信が完了した旨の通知を出力し、送信していない場合は、ステップ850へ戻り、印刷データの送信を続ける。
【0073】
指定されたページ分の印刷データを送信した後、ステップ870で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ880においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0074】
図9は、指定されたデータ量の印刷データが、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データである場合のジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ900からこの処理を開始し、予めプリンタ20に登録された排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数という情報を取得し、保持する。
【0075】
ステップ910で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。ステップ920で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0076】
ステップ930で、データ送信部12は、排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数を情報として保持するため、その枚数と同じページ分の印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、そのページ分の印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ920へ戻り、そのページ分の印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0077】
そのページ分の印刷データを送信した後、ステップ940で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ950においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0078】
図10は、プリンタ20の状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ1000からこの処理を開始し、ステップ1010で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。ステップ1020で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0079】
次に、ステップ1030において、プリンタ20の状態の監視を開始し、その状態を監視する。その状態には、プリンタ20にエラーが発生した、プリンタ20がウォームアップ中、シャットダウン中、省エネモード移行中等を挙げることができる。これらの状態の監視は、機器状態取得部14が定期的にプリンタ20へ問い合わせを行い、プリンタ20から上記の情報を取得することにより行われる。
【0080】
ステップ1040で、データ送信部12は、機器状態取得部14からプリンタ20の状態に関する情報を取得し、プリンタ20がウォームアップ中か否かを判断する。ウォームアップ中である場合、ジョブ状態は変化しないため、ジョブ監視のための問い合わせを行っても無駄になるからである。したがって、ウォームアップ中である場合、監視を停止しても良いが、ステップ1050のように、ジョブ状態の監視間隔を増加することができる。
【0081】
この間隔は、印刷ジョブの状態を取得するために行う通常の問い合わせの間隔より長ければいかなる間隔であってもよい。例えば、2〜10倍といった間隔にすることができる。通常の間隔は、予め設定されているポーリング間隔である。
【0082】
ステップ1050で監視間隔を増加した後、あるいはウォームアップ中ではないと判断された場合、ステップ1060で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ1070においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0083】
データ送信部12が出力する通知は、1ページ分の印刷データを送信し終えた後に出力することもできるが、上記の両面印刷、パンチ等、集約印刷が設定されている場合は、2ページ分、全ページ、集約ページ分の印刷データを送信し終えた後の出力することができる。
【0084】
図11は、プリンタ20の状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する別の処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ1100からこの処理を開始し、ステップ1110で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。ステップ1120で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0085】
次に、ステップ1130において、図3等に示すように処理を行い、ジョブ状態の監視を開始する。そして、ステップ1140において、プリンタ20の状態の監視も開始する。これらの状態の監視は、ジョブ状態取得部13および機器状態取得部14が、一定間隔でプリンタ20へ問い合わせを行い、プリンタ20からジョブ状態および機器状態に関する情報を取得することにより行われる。
【0086】
ステップ1150で、プリンタ20に異常が発生し、印刷を停止しているかを判断する。これは、機器状態取得部14が印刷停止していることを検知し、それをデータ送信部12へ通知することにより、データ送信部12が判断することができる。データ送信部12は、印刷停止していると判断すると、ジョブ状態取得部13に対し、その旨を通知し、ステップ1160で、ジョブ状態取得部13は、ジョブ状態の監視を中断する。これは、機器状態取得部14が定期的に行うプリンタ20の状態に関する情報において、復旧し、印刷を再開するまで続けられる。
【0087】
プリンタ20が印刷停止中でない場合、あるいは復旧した場合、ステップ1170へ進み、ジョブ状態の監視を中断しているかを判断する。中断中である場合には、ステップ1180へ進み、ジョブ状態取得部13が問い合わせを再開し、ジョブ状態の監視を再開し、ステップ1190でこの処理を終了する。
【0088】
中断中でない場合は、ジョブ状態の監視を継続しているため、そのまま監視を継続し、ステップ1190でこの処理を終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0089】
この場合も、データ送信部12が通知を出力するが、その通知は、1ページ分の印刷データを送信し終えた後に出力することもできるし、上記の両面印刷、パンチ等、集約印刷が設定されている場合は、2ページ分、全ページ、集約ページ分の印刷データを送信し終えた後に出力することもできる。
【0090】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
10…PC、11…ジョブ受付部、12…データ送信部、13…ジョブ状態取得部、14…機器状態取得部、15…ジョブキュー、16…デバイス部、20…プリンタ、30…MFP、40…ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2002−91720号公報
【特許文献2】特開2006−227854号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置へ送信された印刷ジョブの状態を監視するためのジョブ監視システム、そのジョブ監視システムにより行われるジョブ監視方法、その方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムおよびそのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
PCで作成した文書を印刷する場合、その文書データをプリンタドライバによって印刷データへ変換し、その印刷データをプリンタ等の印刷装置へ送信することにより行われる。印刷装置は、1ページ印刷するごとに、あるいは印刷ジョブの全ページを印刷したときに、あるいは印刷中に異常が発生した場合にPCへ通知し、PCがこの通知を受け取ることにより、ユーザは、印刷が終了したこと、印刷中に異常が発生したことを知ることができ、その異常に対して適切な処置をとることができる。
【0003】
印刷データを印刷装置へ送信した後のPCは、印刷ジョブを監視するために、定期的なタイミングで印刷装置へ問い合わせを行う。この監視は、送信要求がないか、1つ1つ相手に聞いてまわるポーリングと呼ばれる方式により行われる。PCは、このポーリングにより、印刷装置から印刷実行待ち、印刷実行中、排紙完了等の印刷ジョブの状態を取得し、そのジョブの進行状況を確認している。
【0004】
PCは、ポーリング間隔を短くすることにより、リアルタイムにジョブ状態を監視することができるが、ネットワーク技術により1台の印刷装置を複数のPCから利用する形態において、複数のPCが同時にポーリングを行うと、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷が増大するという問題がある。反対に、ポーリング間隔を長くすると、それらの負荷を減少させることはできるが、ジョブ状態の更新が遅くなり、ジョブ状態によって処理を行う場合には正しく処理することができない場合がある。
【0005】
そこで、ネットワーク負荷を減らしつつも、印刷ジョブの状態を監視することができる装置や方法として、例えば以下の装置および方法が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。
【0006】
特許文献1では、印刷装置に格納されている全てのログ情報のうち、新しいものから所定数だけを取得し、取得したログ情報に基づいて、印刷ジョブの処理結果を判定する装置および方法を提案している。この装置および方法では、ログ取得の個数を絞り込むことで、ログ取得による印刷確認を高速に行い、かつ、ネットワーク負荷および印刷装置の負荷を削減している。
【0007】
特許文献2では、印刷装置が、標準ポーリング間隔に設定されたポーリング間隔で行ったポーリングで、サーバからポーリング間隔短縮要求を受信すると、ポーリング間隔を短縮ポーリング間隔に変更し、サーバは、印刷装置が短縮ポーリング間隔で行ったポーリングに応答して、印刷状況送信要求を印刷装置へ送信する制御方法を提案している。印刷装置は、短縮ポーリング間隔でサーバにポーリングを行ってサーバから印刷状況送信要求を受信すると、印刷ジョブの進行状況を示す印刷状況情報を取得するとともに、取得した印刷状況情報をサーバに送信し、サーバは、送信した印刷状況送信要求に応答して印刷装置から送信された印刷状況情報を受信して取得する。
【0008】
サーバで印刷状況を監視する場合は、印刷状況を監視するために短縮した短縮ポーリング間隔とされるが、それ以外の場合は、標準ポーリング間隔とされるため、実効的にネットワークのトラフィック渋滞の問題を考慮しつつ、時々刻々と変化する印刷状況の監視を十分に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来の技術は、ネットワーク負荷の軽減やジョブ状態のよりリアルタイムに近い取得を可能にするが、1ジョブ毎に異なっているジョブ特性や印刷装置の状態等の時々刻々と変化するイベントにより、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスが生じてしまう。
【0010】
例えば、印刷装置では、少なくとも1ページ分の印刷データの受信が完了しなければ排紙が行われないが、1ページ分の印刷データの受信完了前にPC等からジョブ状態の問い合わせがあれば、ジョブ状態に変化はないため、無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷が発生する。
【0011】
また、パンチやステープルといった印刷属性が設定されている印刷ジョブの場合、印刷装置は、全ページ分の印刷データの受信が完了しなければ排紙を行わないが、全ページの印刷データの受信完了前にPCからジョブ状態の問い合わせがあれば、ジョブ状態に変化はないため、無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷が発生する。
【0012】
これは、集約印刷でも同様で、印刷装置は、少なくとも集約ページ分の印刷データの受信が完了しなければ排紙を行わないが、集約ページ分の印刷データの受信完了前にPCからジョブ状態の問い合わせがあれば、ジョブ状態に変化はないため、無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷が発生する。
【0013】
そこで、こういった無駄なネットワーク負荷や印刷装置の負荷の発生を防止することができるシステムや方法の提供が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題に鑑み、ある特定量の印刷データを印刷装置へ送信完了した後からジョブ状態を監視することができるようにシステム構成を行う。上記例で言えば、印刷データのうち、1ページ分の印刷データを印刷装置に送信完了後からジョブ状態を監視し、パンチやステープル等の印刷属性が設定されている場合には、全ページの印刷データを印刷装置に送信完了後からジョブ状態を監視し、集約印刷の場合は、印刷データのうち、集約ページ分の印刷データを印刷装置に送信完了後からジョブ状態を監視するように構成する。
【0015】
ある特定量の印刷データを印刷装置へ送信完了するまでは、ジョブ状態が変化しないため、それまでの間に問い合わせを行っても無駄になるだけであり、その間に問い合わせを行わないようにすることで、ネットワーク負荷を軽減させることができ、印刷装置の負荷も軽減させることができる。なお、印刷装置への送信が完了すると、印刷装置では排紙、パンチやステープル等を行うため、ジョブ状態が変化し、そのときにはじめて、問い合わせを行うことで、その変化したジョブ状態を取得することができる。
【0016】
また、上記の特定量は、ジョブ特性や印刷装置の状態等によって調整することができるため、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスを最大限減らすことができる。
【0017】
こういったネットワーク負荷や印刷装置の負荷の軽減を可能にするシステムとして、本発明のジョブ監視システムを提供することができる。
【0018】
このジョブ監視システムは、印刷装置へ送信した印刷ジョブを、その印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視するシステムであり、ジョブ蓄積部に印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して印刷装置へ送信するとともに、指定されたデータ量の印刷データを送信したか否かを判断するデータ送信部と、印刷ジョブの監視のために、印刷装置へ一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を印刷装置から取得するジョブ状態取得部とを含み、ジョブ状態取得部は、データ送信部から指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始することを特徴とする。
【0019】
上記の指定されたデータ量の印刷データは、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データとすることができる。この場合、ジョブ状態取得部は、データ送信部から1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0020】
このように1ページ目のデータ送信中のジョブ状態の監視間隔を調整することで、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスを最大限減らすことができる。
【0021】
上記の指定されたデータ量の印刷データは、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データとすることもできる。この場合、ジョブ状態取得部は、データ送信部から1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受ける毎に、印刷ジョブの監視を開始し、また、1ページ分の印刷データが処理され、1ページ排紙される毎に監視を終了する。
【0022】
このように1ページ分のデータ送信中のジョブ状態の監視間隔を調整することで、ネットワーク負荷や印刷装置の負荷へのロスを最大限減らすことができる。
【0023】
ジョブ監視システムは、印刷ジョブとして印刷データを受け付け、ジョブ蓄積部に蓄積させるジョブ受付部をさらに含むことができる。このジョブ受付部は、さらに、印刷データから印刷属性が設定されているか否かを判断し、設定されていると判断した場合、設定されている印刷属性を属性情報として印刷データに付加する。これにより、印刷属性によりジョブ状態の監視間隔を調整することが可能となる。
【0024】
属性情報としては、例えば、両面印刷するとの情報を挙げることができる。この場合、データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、2ページ分の印刷データを印刷装置へ送信し、ジョブ状態取得部は、データ送信部から2ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0025】
パンチまたはステープル止めするとの情報である場合は、データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、全ページの印刷データを印刷装置へ送信し、ジョブ状態取得部は、データ送信部から全ページの印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0026】
また、集約印刷するとの情報である場合は、データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、集約ページ分の印刷データを印刷装置へ送信し、ジョブ状態取得部は、データ送信部から集約ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0027】
指定されたデータ量の印刷データは、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データとすることもできる。この場合、ジョブ状態取得部は、データ送信部からそのページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、印刷ジョブの監視を開始する。
【0028】
ジョブ状態取得部は、印刷装置がウォームアップ中である場合、その間の問い合わせはジョブ状態に変化がないことから、印刷ジョブの状態を取得するために行う問い合わせの間隔を長くすることができる。
【0029】
また、ジョブ状態取得部は、印刷装置が異常発生により停止中である場合も、その間の問い合わせはジョブ状態に変化がないことから、印刷ジョブの状態を取得するために行う問い合わせを、印刷装置が復旧するまで中断することができる。
【0030】
本発明では、ジョブ監視システムのほか、このシステムで行われる処理を処理ステップとして含むジョブ監視方法も提供することができる。また、この方法は、ジョブ監視システムを構成する各部により行われる各処理ステップを含むが、これらの処理ステップは、コンピュータ可読なプログラムを実行させることにより実現することができる。このため、本発明では、ジョブ監視方法を実現するためのコンピュータ可読なプログラムを提供することもできる。
【0031】
このプログラムは、記録媒体に記録して提供することができ、本発明では、このプログラムが記録された記録媒体を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】ジョブ監視システムとしてのPCと印刷装置としてのプリンタおよびMFPとがネットワークを介して接続されているところを示した図。
【図2】ジョブ監視システムの機能ブロック図。
【図3】ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理の一例を示したフローチャート図。
【図4】ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理の別の例を示したフローチャート図。
【図5】ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理のさらに別の例を示したフローチャート図。
【図6】印刷属性が両面印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図7】印刷属性がパンチあるいはステープル止めするものであるか否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図8】印刷属性が集約印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図9】指定されたデータ量の印刷データが、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データである場合のジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図。
【図10】プリンタの状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する1つの処理の流れを示したフローチャート図。
【図11】プリンタの状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する別の処理の流れを示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、ジョブ監視システムとして機能するPCと印刷装置としてのプリンタおよびMFPとがネットワークを介して接続されているところを示した図である。図1では、印刷装置としてのプリンタ20とMFP30の2つが、ネットワーク40に接続され、PC10に利用可能とされているが、これらはPC10と直接接続されていてもよい。また、ネットワーク40には、PC10、プリンタ20、MFP30がそれぞれ1台接続されているが、各機器の数はいかなる数であってもよい。ネットワーク40としては、インターネット、イントラネットを挙げることができる。
【0034】
PC10は、ユーザからの入力を受け付けるために、キーボードやマウス等の入力装置と、入力された文字等を表示するための表示装置と、印刷文書を作成するための文書作成アプリケーション、OS、BIOS、ファームウェア、プリンタドライバ等を格納するROM、RAM、HDD等の記憶装置と、それらのプログラムを実行するCPUと、ネットワーク40へ接続し、ネットワーク40を介した通信を可能にするための通信デバイスとを備えている。記憶装置は、通信デバイスが通信を行う際に使用する通信先のIPアドレスや機器名等も格納する。
【0035】
プリンタ20は、印刷出力するプリンタエンジンと、プリンタエンジンを制御するためのコントローラ、その処理を実現するためのOSやその他のプログラムを記憶するROMやRAM等のメモリ、それらのプログラムを実行するCPU、ネットワーク40を介してPC10やMFP30と通信を行うことを可能にする通信デバイス、印刷枚数等を表示する表示部、各種設定変更等するために入力を受け付けるキー入力装置等を備えている。
【0036】
MFP30は、スキャナ、コピー、FAX、プリンタ、ネットワーク通信、画像変換処理等の複数の機能を有し、コントローラ、エンジン部を備えている。
【0037】
エンジン部は、プリンタエンジン、スキャンエンジン、コピーエンジン、ファクシミリエンジン等を含む。これらのエンジンの各々には、エンジンを制御するための、コントローラが設けられ、それらの機能を実現するためにアプリケーションを実行する。
【0038】
エンジン部の一例として、プリンタエンジンを挙げると、プリンタエンジンは、電子写真方式のプリンタである場合、感光体、感光体を帯電させる帯電ユニット、感光体にレーザー光を照射して画像を書き込む露光装置、感光体に書き込まれた画像を現像する現像ユニット、転写ベルト、その転写ベルトに感光体上に形成された画像を転写する一次転写ユニット、転写ベルトに転写された画像を紙媒体に転写する二次転写ユニット、紙媒体に転写された画像を定着させる定着ユニット等を含んで構成される。
【0039】
このプリンタエンジンを制御するためにプリンタコントローラが設けられるが、このプリンタコントローラは、露光装置から出射されるレーザー光の照射位置や照射時間、感光体に付着させるトナー量等の制御を行う。こういった制御を実現するために、プリンタコントローラは、これらの制御を実行させるプリンタアプリケーションや各設定値等を記憶するメモリ、メモリからそれを読み出して実行するプロセッサ、プリンタエンジンへ信号を出力可能にする入出力デバイス等を備えている。
【0040】
MFP30は、上記のコントローラおよびエンジン部のほか、MFP全体を制御するためのCPU、その処理を実現するためのOSやその他のプログラムを記憶するROMやRAM等のメモリ、ネットワーク40を介してPC10と通信を行うことを可能にする通信デバイス、各種設定変更を受け付け、現在の状態を表示する表示部としての機能を有する操作パネル、キー入力装置等を備えている。
【0041】
PC10は、文書作成アプリケーションを起動し、ユーザが入力装置を使用して入力することにより作成した文書を文書データとして記憶し、プリンタ20あるいはMFP30を指定して印刷指示することにより、その文書を用紙に印字して出力させる。その際、PC10は、文書データをプリンタドライバによって印刷データへ変換し、印刷条件として設定されたパラメータや一連の処理命令を含む印刷ジョブとしてプリンタ20あるいはMFP30へ送信する。
【0042】
その後、PC10は、送信した印刷ジョブを、プリンタ20あるいはMFP30において用紙に印字等して排紙が完了するまで監視し続ける。ジョブの監視は、一定間隔で問い合わせを行い、プリンタ20あるいはMFP30からジョブの状態を取得することにより行うことができる。ジョブの状態としては、ジョブ実行中、ジョブ実行待ち、ジョブ終了等がある。プリンタ20あるいはMFP30は、これらのジョブ状態に関する情報を、問い合わせに含まれるPC10のIPアドレス、機器名、ポート番号を使用して、PC10へ送信する。
【0043】
ジョブ状態の問い合わせは、例えば、プリンタ20やMFP30に1つ1つ聞いて回るポーリングと呼ばれる方式で行うことができる。リアルタイムにジョブ状態を監視するためには、ポーリング間隔を短くしてその頻度を多くする必要がある。しかしながら、これでは、ネットワーク40を流れる問い合わせが多くなり、ネットワーク負荷が高くなり、また、その問い合わせを受けるプリンタ20やMFP30の負荷も高くなる。
【0044】
一方、ポーリング間隔を長くすると、ネットワーク負荷や、プリンタ20およびMFP30の負荷は軽減されるが、ジョブ状態の更新が遅くなり、ジョブ状態によって処理を行う場合、正しく処理できない場合がある。これを解決するために、PC10は、ジョブの監視を、ある特定量の印刷データをプリンタ20やMFP30に送信完了するまで行わず、送信完了後から監視を開始するように構成される。これは、プログラムによって実現することができ、これを実現するためにジョブ監視システムは以下の各部を備える。
【0045】
図2は、ジョブ監視システムの機能ブロック図である。図2に示すジョブ監視システムの構成は一例である。PC10は、ジョブ監視システムとして機能し、ジョブ受付部11とデータ送信部12とジョブ状態取得部13と機器状態取得部14とジョブキュー15とを有するデバイス部16を備える。このデバイス部16は、機器毎に設けられ、機器のMACアドレス、IPアドレス、機器名等を識別情報として用い、各機器と通信することが可能にされている。
【0046】
文書作成アプリケーションにより作成された文書データは、プリンタドライバによって、印刷装置で用いるページ記述言語により記述された印刷データへ変換されるが、この印刷データは、印刷範囲、印刷枚数、カラー印刷するか、集約印刷するか、拡大あるいは縮小印刷するか、拡大あるいは縮小する場合はその倍率等の印刷条件として設定されたパラメータと、印刷出力する機器を指定し、その機器に対して印刷指示を与える一連の処理命令とを含む印刷要求として出力される。ジョブ受付部11は、この印刷ジョブをプリンタドライバから受け付ける。
【0047】
ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブをジョブキュー15へ入れ、ジョブキュー15で実行のために取り出されるまで一時的に蓄積される。このため、ジョブキュー15は、先に入れられたジョブを先に送り出すFIFO構造とされ、印刷ジョブを管理する。データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に蓄積された印刷ジョブを取り出し、指定されたプリンタ20あるいはMFP30へ送信する。以下、印刷装置としてプリンタ20が指定されているものとして説明する。
【0048】
データ送信部12は、データ送信のほか、予め指定されたデータ量の印刷データを送信したか否かを判断し、送信した場合は、その旨の通知を出力する。機器状態取得部14は、プリンタ20の状態、具体的には、プリンタ20がウォームアップ中であるとか、用紙切れやトナー切れ、トナー使用量や残量等を定期的に取得する。
【0049】
ジョブ状態取得部13は、データ送信部12および機器状態取得部14から、上記通知およびプリンタ20の状態を取得し、印刷ジョブ監視の開始時期を判断する。ジョブ状態取得部13は、印刷ジョブの監視を開始すると、プリンタ20が印刷データを使用して用紙に印字等し、その印字等された用紙が排紙されるまで、一定間隔でプリンタ20へ取り合わせを行い、その印刷ジョブの状態の取得を繰り返す。
【0050】
デバイス部16は、これらの各部を備えるものであるが、ジョブ監視処理全体を制御するものとして構成することも可能である。この場合、デバイス部16は、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態取得部13にジョブ状態の監視を開始するように指示することができる。
【0051】
図3〜11を参照して、ジョブ監視システムが行う監視を開始するまでの処理を詳細に説明する。まず、図3を参照すると、ステップ300からこの処理を開始し、ステップ310で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。
【0052】
次に、ステップ320で、データ送信部12が、ジョブキュー15の最先に入れられた印刷ジョブの印刷データを取り出し、指定された印刷装置であるプリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0053】
ステップ330で、データ送信部12は、印刷データの送信を行うとともに、指定されたデータ量の印刷データをプリンタ20へ送信したか否かを判断する。そして、指定されたデータ量の印刷データを送信したと判断したところで、その旨の通知を出力する。なお、データ送信部12は、指定されたデータ量の印刷データをプリンタ20へ送信し終えるまでは、印刷データの送信と上記判断とを繰り返す。
【0054】
ステップ340で、ジョブ状態取得部13は、その旨の通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。すなわち、その印刷ジョブの監視を開始する。この監視を開始したところで、ステップ350においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0055】
図3に示す処理では、指定されたデータ量の印刷データを送信したところで、ジョブ状態の監視を開始させているが、具体的には、図4に示すように、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信し、その送信が完了した旨の通知を出力し、ジョブ状態取得部13がその通知を受け取ることで、ジョブ状態の監視を開始させることができる。
【0056】
図4は、図3に示す処理とほぼ同様であるが、ステップ430が、1ページ分の印刷データを送信したか否かを判断する点で相違している。
【0057】
図5は、1ページ分の印刷ジョブを送信し終え、ジョブ状態の監視を開始するまでの処理は、図4に示す処理と同様であるが、ステップ550で、全ページの印刷ジョブを送信し終えたかを判断し、全ページ分の印刷データを送信し終えるまで、ステップ520〜540までの処理を繰り返している。
【0058】
図5に示す処理では、1ページ分の印刷が終了し、排紙されると、監視は一旦終了する。データ送信部12は、2ページ目の印刷データを送信し、送信した旨の通知を出力する。ジョブ状態取得部13は、この通知を受け取り、再び監視を開始する。このようにして、全ページの印刷データが送信し終えるまでこれらの処理を繰り返す。
【0059】
データ送信部12が、最後のページの印刷データを送信したと判断し、その旨の通知を出力すると、ステップ560へ進み、ジョブ状態取得部13は、ジョブの監視を開始し、ステップ570で終了する。最後ページの印刷が終了し、排紙されたところで、この印刷ジョブの監視を終了する。このように1ページ分の印刷データを送信するごとに監視を開始し、排紙するごとに監視を終了することで、ネットワーク負荷および印刷装置の負荷を軽減することができる。
【0060】
これまでは、指定されたデータ量として1ページ分の印刷データを送信した旨の通知をジョブ状態取得部13が受け取り、ジョブ状態取得部13がジョブ状態の取得を開始する処理を説明してきたが、ジョブ受付部11が受け付ける印刷ジョブには、両面印刷、集約印刷、パンチやステープル等の印刷属性が設定されたものが存在する。印刷属性によって監視を開始するタイミングを変えることができ、それによってネットワーク負荷や印刷装置の負荷を軽減することができるため、印刷属性の有無、その種類を判断する。
【0061】
この印刷属性は、ユーザが印刷時に設定し、印刷ジョブに含めてプリンタ20へ送るが、プリンタ20へ送る前に、ジョブ受付部11は、印刷ジョブを受け付け、印刷属性の有無を判断し、印刷属性がある場合は、その印刷属性の種類を判断する。
【0062】
図6は、印刷属性が両面印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ600からこの処理を開始し、ステップ610で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付ける。ステップ620で、ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブが両面印刷するものか否かを判断する。判断した結果は、データ送信部12が両面印刷するものであることを検知するために、印刷ジョブに属性情報として付加する。
【0063】
その後、ジョブ受付部11は、このジョブをジョブキュー15に投入する。ステップ630で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。ステップ640で、データ送信部12は、取り出した印刷ジョブに付加された属性情報を確認し、両面印刷するものであるから、2ページ分の印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、2ページ分の印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ630へ戻り、2ページ分の印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0064】
一方、両面印刷するものでない場合、ステップ650へ進み、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始し、ステップ660で、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信したかを判断し、送信した場合は、その送信が完了した旨の通知を出力し、送信していない場合は、ステップ650へ戻り、印刷データの送信を続ける。
【0065】
指定されたページ分の印刷データを送信した後、ステップ670で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ680においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0066】
図7は、印刷属性がパンチあるいはステープル止めするものであるか否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ700からこの処理を開始し、ステップ710で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付ける。ステップ720で、ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブがパンチあるいはステープル止めするものであるか否かを判断する。判断した結果は、データ送信部12がパンチあるいはステープル止めするものであることを検知するために、印刷ジョブに属性情報として付加する。
【0067】
その後、ジョブ受付部11は、このジョブをジョブキュー15に投入する。ステップ730で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。ステップ740で、データ送信部12は、ジョブに付加された属性情報を確認し、パンチあるいはステープル止めするものであるから、全ページの印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、全ページの印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ730へ戻り、全ページの印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0068】
一方、パンチあるいはステープル止めするものでない場合、ステップ750へ進み、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始し、ステップ760で、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信したかを判断し、送信した場合は、その送信が完了した旨の通知を出力し、送信していない場合は、ステップ750へ戻り、印刷データの送信を続ける。
【0069】
指定されたページ分の印刷データを送信した後、ステップ770で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ780においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0070】
図8は、印刷属性が集約印刷か否かを判断し、ジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ800からこの処理を開始し、ステップ810で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付ける。ステップ820で、ジョブ受付部11は、受け付けた印刷ジョブが集約印刷するものであるか否かを判断する。判断した結果は、データ送信部12が集約印刷するものであることを検知するために、印刷ジョブに属性情報として付加する。
【0071】
その後、ジョブ受付部11は、このジョブをジョブキュー15に投入する。ステップ830で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。ステップ840で、データ送信部12は、ジョブに付加された属性情報を確認し、集約印刷するものであるから、集約ページの印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、集約ページの印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ830へ戻り、集約ページの印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0072】
一方、集約印刷するものでない場合、ステップ850へ進み、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始し、ステップ860で、データ送信部12が1ページ分の印刷データを送信したかを判断し、送信した場合は、その送信が完了した旨の通知を出力し、送信していない場合は、ステップ850へ戻り、印刷データの送信を続ける。
【0073】
指定されたページ分の印刷データを送信した後、ステップ870で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ880においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0074】
図9は、指定されたデータ量の印刷データが、印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データである場合のジョブの監視を開始するまでの処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ900からこの処理を開始し、予めプリンタ20に登録された排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数という情報を取得し、保持する。
【0075】
ステップ910で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。ステップ920で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0076】
ステップ930で、データ送信部12は、排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数を情報として保持するため、その枚数と同じページ分の印刷データをプリンタ20へ送信し終えたか否かを判断し、送信し終えた場合には、そのページ分の印刷データを送信し終えた旨の通知を出力する。送信し終えていない場合は、ステップ920へ戻り、そのページ分の印刷データを送信し終えるまでは印刷データの送信を続ける。
【0077】
そのページ分の印刷データを送信した後、ステップ940で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ950においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0078】
図10は、プリンタ20の状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ1000からこの処理を開始し、ステップ1010で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。ステップ1020で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0079】
次に、ステップ1030において、プリンタ20の状態の監視を開始し、その状態を監視する。その状態には、プリンタ20にエラーが発生した、プリンタ20がウォームアップ中、シャットダウン中、省エネモード移行中等を挙げることができる。これらの状態の監視は、機器状態取得部14が定期的にプリンタ20へ問い合わせを行い、プリンタ20から上記の情報を取得することにより行われる。
【0080】
ステップ1040で、データ送信部12は、機器状態取得部14からプリンタ20の状態に関する情報を取得し、プリンタ20がウォームアップ中か否かを判断する。ウォームアップ中である場合、ジョブ状態は変化しないため、ジョブ監視のための問い合わせを行っても無駄になるからである。したがって、ウォームアップ中である場合、監視を停止しても良いが、ステップ1050のように、ジョブ状態の監視間隔を増加することができる。
【0081】
この間隔は、印刷ジョブの状態を取得するために行う通常の問い合わせの間隔より長ければいかなる間隔であってもよい。例えば、2〜10倍といった間隔にすることができる。通常の間隔は、予め設定されているポーリング間隔である。
【0082】
ステップ1050で監視間隔を増加した後、あるいはウォームアップ中ではないと判断された場合、ステップ1060で、ジョブ状態取得部13が、データ送信部12が出力した通知を受け取り、ジョブ状態の監視を開始する。すなわち、ジョブ状態取得部13は、その通知を受け取ると、プリンタ20に対し、一定間隔で問い合わせを行い、印刷ジョブの状態を取得する処理を開始する。この監視を開始したところで、ステップ1070においてこの処理は終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0083】
データ送信部12が出力する通知は、1ページ分の印刷データを送信し終えた後に出力することもできるが、上記の両面印刷、パンチ等、集約印刷が設定されている場合は、2ページ分、全ページ、集約ページ分の印刷データを送信し終えた後の出力することができる。
【0084】
図11は、プリンタ20の状態を確認し、その状態に応じて監視間隔を変更してジョブ監視を開始する別の処理の流れを示したフローチャート図である。ステップ1100からこの処理を開始し、ステップ1110で、このジョブ監視システムに投入された印刷ジョブを、ジョブ受付部11が受け付け、ジョブキュー15に投入する。ステップ1120で、データ送信部12は、ジョブキュー15に最先に投入されたジョブを取り出し、プリンタ20へ印刷データの送信を開始する。
【0085】
次に、ステップ1130において、図3等に示すように処理を行い、ジョブ状態の監視を開始する。そして、ステップ1140において、プリンタ20の状態の監視も開始する。これらの状態の監視は、ジョブ状態取得部13および機器状態取得部14が、一定間隔でプリンタ20へ問い合わせを行い、プリンタ20からジョブ状態および機器状態に関する情報を取得することにより行われる。
【0086】
ステップ1150で、プリンタ20に異常が発生し、印刷を停止しているかを判断する。これは、機器状態取得部14が印刷停止していることを検知し、それをデータ送信部12へ通知することにより、データ送信部12が判断することができる。データ送信部12は、印刷停止していると判断すると、ジョブ状態取得部13に対し、その旨を通知し、ステップ1160で、ジョブ状態取得部13は、ジョブ状態の監視を中断する。これは、機器状態取得部14が定期的に行うプリンタ20の状態に関する情報において、復旧し、印刷を再開するまで続けられる。
【0087】
プリンタ20が印刷停止中でない場合、あるいは復旧した場合、ステップ1170へ進み、ジョブ状態の監視を中断しているかを判断する。中断中である場合には、ステップ1180へ進み、ジョブ状態取得部13が問い合わせを再開し、ジョブ状態の監視を再開し、ステップ1190でこの処理を終了する。
【0088】
中断中でない場合は、ジョブ状態の監視を継続しているため、そのまま監視を継続し、ステップ1190でこの処理を終了する。その後のジョブ監視処理は、プリンタ20が用紙に印字等し、その印字等した用紙を排紙したところで監視を終了する。
【0089】
この場合も、データ送信部12が通知を出力するが、その通知は、1ページ分の印刷データを送信し終えた後に出力することもできるし、上記の両面印刷、パンチ等、集約印刷が設定されている場合は、2ページ分、全ページ、集約ページ分の印刷データを送信し終えた後に出力することもできる。
【0090】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
10…PC、11…ジョブ受付部、12…データ送信部、13…ジョブ状態取得部、14…機器状態取得部、15…ジョブキュー、16…デバイス部、20…プリンタ、30…MFP、40…ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2002−91720号公報
【特許文献2】特開2006−227854号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置へ送信した印刷ジョブを、前記印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視するジョブ監視システムであって、
ジョブ蓄積部に前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して前記印刷装置へ送信するとともに、指定されたデータ量の前記印刷データを送信したか否かを判断するデータ送信部と、
前記印刷ジョブの監視のために、前記印刷装置へ一定間隔で問い合わせを行い、前記印刷ジョブの状態を前記印刷装置から取得するジョブ状態取得部とを含み、
前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始することを特徴とする、ジョブ監視システム。
【請求項2】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項3】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受ける毎に、前記印刷ジョブの監視を開始し、前記1ページ分の印刷データが処理され、1ページ排紙される毎に監視を終了する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項4】
前記印刷ジョブとして前記印刷データを受け付け、前記ジョブ蓄積部に蓄積させるジョブ受付部をさらに含み、前記ジョブ受付部は、前記印刷データから印刷属性が設定されているか否かを判断し、設定されていると判断した場合、設定されている前記印刷属性を属性情報として前記印刷ジョブに付加する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項5】
前記属性情報が両面印刷するとの情報である場合、前記データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、2ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記2ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項4に記載のジョブ監視システム。
【請求項6】
前記属性情報がパンチまたはステープル止めするとの情報である場合、前記データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、全ページの印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記全ページの印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項4に記載のジョブ監視システム。
【請求項7】
前記属性情報が集約印刷するとの情報である場合、前記データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、集約ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記集約ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項4に記載のジョブ監視システム。
【請求項8】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データであり、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項9】
前記ジョブ状態取得部は、前記印刷装置がウォームアップ中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせの間隔を前記一定間隔より長くする、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項10】
前記ジョブ状態取得部は、前記印刷装置が異常発生により停止中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせを、前記印刷装置が復旧するまで中断する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項11】
ジョブ監視システムにより印刷装置へ送信した印刷ジョブを該印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視する方法であって、前記ジョブ監視システムは、データ送信部とジョブ状態取得部とを備えており、
前記データ送信部が、ジョブ蓄積部に前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して前記印刷装置へ送信するとともに、指定されたデータ量の前記印刷データを送信したか否かを判断するステップと、
前記データ送信部が、前記指定されたデータ量の印刷データを送信したと判断した場合、前記ジョブ状態取得部へ前記指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を送信するステップと、
前記ジョブ状態取得部が、前記通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視のために、前記印刷装置へ問い合わせを行い、前記印刷ジョブの状態を前記印刷装置から取得する処理を開始するステップとを含む、ジョブ監視方法。
【請求項12】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項13】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受ける毎に、前記印刷ジョブの監視を開始し、前記ジョブ監視方法は、前記ジョブ状態取得部が、前記1ページ分の印刷データが処理され、1ページ排紙される毎に監視を終了するステップをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項14】
前記ジョブ監視システムは、前記印刷ジョブとして前記印刷データを受け付け、前記ジョブ蓄積部に蓄積させるジョブ受付部をさらに含み、
前記ジョブ監視方法は、前記ジョブ受付部が、前記印刷データから印刷属性が設定されているか否かを判断するステップと、前記印刷属性が設定されていると判断した場合、設定されている前記印刷属性を属性情報として前記印刷ジョブに付加するステップとをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項15】
前記属性情報が両面印刷するとの情報である場合、前記判断するステップでは、指定されたデータ量の印刷データとして、2ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記2ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項14に記載のジョブ監視方法。
【請求項16】
前記属性情報がパンチまたはステープル止めするとの情報である場合、前記判断するステップでは、指定されたデータ量の印刷データとして、全ページの印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記全ページの印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項14に記載のジョブ監視方法。
【請求項17】
前記属性情報が集約印刷するとの情報である場合、前記判断するステップでは、指定されたデータ量の印刷データとして、集約ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記集約ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項14に記載のジョブ監視方法。
【請求項18】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データであり、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項19】
前記ジョブ状態取得部が、前記印刷装置がウォームアップ中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせの間隔を長くするステップをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項20】
前記ジョブ状態取得部が、前記印刷装置が異常発生により停止中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせを、前記印刷装置が復旧するまで中断するステップをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれか1項に記載のジョブ監視方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【請求項1】
印刷装置へ送信した印刷ジョブを、前記印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視するジョブ監視システムであって、
ジョブ蓄積部に前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して前記印刷装置へ送信するとともに、指定されたデータ量の前記印刷データを送信したか否かを判断するデータ送信部と、
前記印刷ジョブの監視のために、前記印刷装置へ一定間隔で問い合わせを行い、前記印刷ジョブの状態を前記印刷装置から取得するジョブ状態取得部とを含み、
前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始することを特徴とする、ジョブ監視システム。
【請求項2】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項3】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受ける毎に、前記印刷ジョブの監視を開始し、前記1ページ分の印刷データが処理され、1ページ排紙される毎に監視を終了する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項4】
前記印刷ジョブとして前記印刷データを受け付け、前記ジョブ蓄積部に蓄積させるジョブ受付部をさらに含み、前記ジョブ受付部は、前記印刷データから印刷属性が設定されているか否かを判断し、設定されていると判断した場合、設定されている前記印刷属性を属性情報として前記印刷ジョブに付加する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項5】
前記属性情報が両面印刷するとの情報である場合、前記データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、2ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記2ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項4に記載のジョブ監視システム。
【請求項6】
前記属性情報がパンチまたはステープル止めするとの情報である場合、前記データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、全ページの印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記全ページの印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項4に記載のジョブ監視システム。
【請求項7】
前記属性情報が集約印刷するとの情報である場合、前記データ送信部は、指定されたデータ量の印刷データとして、集約ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記集約ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項4に記載のジョブ監視システム。
【請求項8】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データであり、前記ジョブ状態取得部は、前記データ送信部から前記ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項9】
前記ジョブ状態取得部は、前記印刷装置がウォームアップ中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせの間隔を前記一定間隔より長くする、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項10】
前記ジョブ状態取得部は、前記印刷装置が異常発生により停止中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせを、前記印刷装置が復旧するまで中断する、請求項1に記載のジョブ監視システム。
【請求項11】
ジョブ監視システムにより印刷装置へ送信した印刷ジョブを該印刷装置が印刷を実行し排紙するまで監視する方法であって、前記ジョブ監視システムは、データ送信部とジョブ状態取得部とを備えており、
前記データ送信部が、ジョブ蓄積部に前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データを取り出して前記印刷装置へ送信するとともに、指定されたデータ量の前記印刷データを送信したか否かを判断するステップと、
前記データ送信部が、前記指定されたデータ量の印刷データを送信したと判断した場合、前記ジョブ状態取得部へ前記指定されたデータ量の印刷データを送信した旨の通知を送信するステップと、
前記ジョブ状態取得部が、前記通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視のために、前記印刷装置へ問い合わせを行い、前記印刷ジョブの状態を前記印刷装置から取得する処理を開始するステップとを含む、ジョブ監視方法。
【請求項12】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項13】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、1ページ分の印刷データであり、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記1ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受ける毎に、前記印刷ジョブの監視を開始し、前記ジョブ監視方法は、前記ジョブ状態取得部が、前記1ページ分の印刷データが処理され、1ページ排紙される毎に監視を終了するステップをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項14】
前記ジョブ監視システムは、前記印刷ジョブとして前記印刷データを受け付け、前記ジョブ蓄積部に蓄積させるジョブ受付部をさらに含み、
前記ジョブ監視方法は、前記ジョブ受付部が、前記印刷データから印刷属性が設定されているか否かを判断するステップと、前記印刷属性が設定されていると判断した場合、設定されている前記印刷属性を属性情報として前記印刷ジョブに付加するステップとをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項15】
前記属性情報が両面印刷するとの情報である場合、前記判断するステップでは、指定されたデータ量の印刷データとして、2ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記2ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項14に記載のジョブ監視方法。
【請求項16】
前記属性情報がパンチまたはステープル止めするとの情報である場合、前記判断するステップでは、指定されたデータ量の印刷データとして、全ページの印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記全ページの印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項14に記載のジョブ監視方法。
【請求項17】
前記属性情報が集約印刷するとの情報である場合、前記判断するステップでは、指定されたデータ量の印刷データとして、集約ページ分の印刷データを前記印刷装置へ送信し、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記集約ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項14に記載のジョブ監視方法。
【請求項18】
前記指定されたデータ量の印刷データは、前記印刷ジョブとして蓄積された印刷データのうち、給紙トレイから排紙トレイまでの排紙パス上に蓄積可能な用紙枚数と同じページ分の印刷データであり、前記開始するステップでは、前記データ送信部から前記ページ分の印刷データを送信した旨の通知を受けた後から、前記印刷ジョブの監視を開始する、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項19】
前記ジョブ状態取得部が、前記印刷装置がウォームアップ中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせの間隔を長くするステップをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項20】
前記ジョブ状態取得部が、前記印刷装置が異常発生により停止中である場合、前記印刷ジョブの状態を取得するために行う前記問い合わせを、前記印刷装置が復旧するまで中断するステップをさらに含む、請求項11に記載のジョブ監視方法。
【請求項21】
請求項11〜20のいずれか1項に記載のジョブ監視方法を実行するためのコンピュータ可読なプログラム。
【請求項22】
請求項21に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−181943(P2010−181943A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22536(P2009−22536)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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