説明

スイッチケースおよび押圧操作装置の製造方法

【課題】組立工数や製造コストを抑えながら、プッシュ方式およびシーソー方式の押圧操作装置を択一的に構築する。
【解決手段】シーソーボタン10と押圧ボタン20との何れも択一的に保持することが可能なスイッチケース40。スイッチケース40は、押圧ボタン20の被保持部26を囲んだ状態で保持する枠体42と、この枠体42の対向壁部44bから内向きに延びる一対の軸部46とを備え、これら枠部42と軸部46とが一体に成型されている。枠部42は、押圧ボタン20の被保持部26を中間溝27(中間位置)より両側に外れた位置で保持しつつ押圧操作に応じてその押圧操作の方向にスライドさせることが可能に形成され、軸部46は、枠体42に前記被保持部26が挿入されたときに前記中間溝27に対応する位置に設けられ、かつ、シーソーボタン10の被支持部16(軸孔16a)に挿入されることで、枠体42にシーソーボタン10を回動可能に支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧スイッチを押圧操作するために自動車のパネルユニット等に組み込まれる押圧操作装置に用いられるスイッチケース、及びこのスイッチケースを用いた押圧操作装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、押圧スイッチを押圧操作するための押圧操作装置として、操作ボタンを押し込むことで単一の押圧スイッチを押圧操作するプッシュ方式のものと、操作ボタンを押圧しつつ揺動させることにより一対の押圧スイッチを択一的に押圧操作するシーソー方式のものとが一般に周知である。最近では、特許文献1に開示されるように、プッシュ方式及びシーソー方式の何れの操作方式も択一的に構築できる押圧操作装置も提案されている。
【0003】
この押圧操作装置は、スイッチ素子(押圧スイッチ)が搭載された基板に固定されるスイッチケースと、このスイッチケースに形成される収容部(透孔)に収容された状態で前記スイッチ素子の前方側の位置に配置される操作ボタンとを含み、この操作ボタンとして、プッシュ方式用の操作ボタン(押圧ボタン)とシーソー方式用の操作ボタン(シーソーボタン)とが択一的に使用可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−28947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される従来の押圧操作装置は、押圧ボタンを用いてプッシュ方式の押圧操作装置を構築する場合には、押圧ボタンを直接スイッチケースで支持させるものの、シーソーボタンを用いてシーソー方式の押圧操作装置を構築する場合には、シーソーボタンを支持させるための支持軸を備えたアダプタ(ホルダ)をスイッチケースに組み付け、このアダプタにシーソーボタンを組み付けている。そのため、アダプタ(ホルダ)が必要となる分、組立工数や製造コストの面で不利である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、従来のものに比べて組立工数や製造コストを抑えながら、プッシュ方式およびシーソー方式の押圧操作装置を択一的に構築することが可能な技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、特定方向の両端部が選択的に押圧操作を受けるシーソーボタン操作部と、前記特定方向と直交するボタン幅方向に互いに離間する位置でそれぞれ当該シーソーボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びる一対の回動支持部とを備え、これら回動支持部に当該回動支持部を支持するための支持軸を挿入可能な軸孔が形成されたシーソーボタンと、押圧操作を受ける押圧ボタン操作部と、この押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延び、前記押圧操作の方向と直交する方向における中間位置より両側に外れた位置で前記押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能なスライド支持部とを備える押圧ボタンの何れも択一的に保持することが可能な形状を有し、前記シーソーボタン又は前記押圧ボタンとともに押圧操作装置を構成するスイッチケースであって、前記押圧ボタンの前記スライド支持部を囲んだ状態で保持する枠部と、この枠部の互いに対向する壁部から内向きに延びる一対の支持軸とを備え、これら枠部と一対の支持軸とが一体に成型されており、前記枠部は、その内側に前記押圧ボタンのスライド支持部が挿入されることで、当該スライド支持部の前記中間位置より両側に外れた位置でそれぞれ当該スライド支持部を保持しつつ前記押圧操作に応じてその押圧操作の方向にスライドさせることが可能に形成され、前記一対の支持軸は、前記枠部の壁部上であって前記スライド支持部が当該枠部に挿入されたときに前記中間位置に対応する位置に設けられ、かつ、前記シーソーボタンの前記一対の回動支持部の軸孔にそれぞれ挿入されることで、前記枠部に前記シーソーボタンを回動可能に支持することが可能に形成されているものである。
【0008】
また、本発明は、特定方向の両端部が選択的に押圧操作を受けるシーソーボタン操作部と、前記特定方向と直交するボタン幅方向に互いに離間する位置でそれぞれ当該シーソーボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びる一対の回動支持部とを備え、これら回動支持部に当該回動支持部を支持するための支持軸を挿入可能な軸孔が形成されたシーソーボタンと、押圧操作を受ける押圧ボタン操作部と、この押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延び、かつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能なスライド支持部とを備える押圧ボタンの何れも択一的に保持することが可能な形状を有し、前記シーソーボタン又は前記押圧ボタンとともに押圧操作装置を構成するスイッチケースであって、前記押圧操作に応じてその押圧操作の方向にスライドさせることが可能となるように、前記押圧ボタンのスライド支持部を外側から保持する枠部と、この枠部の互いに対向する壁部から外向きに延びる一対の支持軸とを備え、これら枠部と一対の支持軸とが一体に成型されており、前記一対の支持軸は、前記シーソーボタンの前記一対の回動支持部の軸孔にそれぞれ挿入されることで、前記枠部に前記シーソーボタンを回動可能に支持することが可能に形成されているものである。
【0009】
そして、本発明の押圧操作装置の製造方法は、上記のようなスイッチケースを製造するケース製造工程と、特定方向の両端部が選択的に押圧操作を受けるシーソーボタン操作部と、前記特定方向と直交するボタン幅方向に互いに離間する位置でそれぞれ当該シーソーボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びる一対の回動支持部とを備え、これら回動支持部に当該回動支持部を支持するための支持軸を挿入可能な軸孔が形成されたシーソーボタンを製造するシーソーボタン製造工程と、押圧操作を受ける押圧ボタン操作部と、この押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延び、前記押圧操作の方向と直交する方向における中間位置より両側に外れた位置で前記押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能なスライド支持部とを備える押圧ボタンを製造する押圧ボタン製造工程と、前記シーソーボタンの前記一対の回動支持部の軸孔にそれぞれ前記スイッチケースの一対の支持軸が挿入されることで、前記シーソーボタンが前記スイッチケースに回動可能に支持された第1押圧操作装置を組み立てる第1押圧操作装置組立工程と、前記押圧ボタンの前記スライド支持部が前記スイッチケースの枠部の内側に挿入されることにより、前記押圧ボタンがその押圧操作の方向に変位可能となるように前記スイッチケースに保持された第2押圧操作装置を組み立てる第2押圧操作装置組立工程と、を含むものである。
【0010】
このようなスイッチケースおよび押圧操作装置の製造方法によれば、共通のスイッチケースを用いて、シーソー方式の第1押圧操作装置とプッシュ方式の第2押圧操作装置とを効率良く生産することが可能となる。特に、スイッチケースは、シーソーボタン及び押圧ボタンの何れも直接保持するため、特定のボタンを使用する場合にアダプタを要する従来のものに比べて、押圧操作装置の組立工数や製造コストを抑えることが可能となる。
【0011】
なお、上記のようなスイッチケースにおいては、前記押圧ボタンを単一押圧ボタンとしたときに、これとは別に、押圧操作を受ける第1押圧ボタン操作部とこの第1押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第1スライド支持部と、押圧操作を受ける第2押圧ボタン操作部とこの第2押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第2スライド支持部とを有する第2押圧ボタンとを一組として、これら第1押圧ボタンと第2押圧ボタンとが並列に並べたられた状態でそれらのスライド支持部同士が前記押圧操作の方向にそれぞれスライド可能となるように保持された状態で用いられる押圧ボタン対について、さらに保持することが可能なものであり、前記枠部は、前記第1押圧ボタンおよび前記第2押圧ボタンが並列に並べられた状態でそれらのスライド支持部が一体に挿入されることが可能で、かつ、前記一対の支持軸を挟んでその両外側の位置で各押圧ボタンのスライド支持部をそれぞれスライド可能に保持することが可能に形成されているのが好適である。
【0012】
この場合、押圧操作装置の製造方法においては、前記押圧ボタン製造工程で、前記押圧ボタンを単一押圧ボタンとして当該単一押圧ボタンを製造する。そしてさらに、押圧操作を受ける第1押圧ボタン操作部とこの第1押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第1スライド支持部と、押圧操作を受ける第2押圧ボタン操作部とこの第2押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第2スライド支持部とを有する第2押圧ボタンとを一組として、これら第1押圧ボタンと第2押圧ボタンとが並列に並べたられた状態でそれらのスライド支持部同士が前記押圧操作の方向にそれぞれスライド可能となるように保持された状態で用いられる押圧ボタン対を製造する押圧ボタン対製造工程と、前記押圧ボタン対を構成する前記第1押圧ボタン及び第2押圧ボタンが並列に並べられた状態で当該押圧ボタンの各スライド支持部が前記スイッチケースの枠部の内側に挿入されることにより、前記第1押圧ボタン及び第2押圧ボタンがその押圧操作の方向に個別に変位可能となるように前記スイッチケースに保持された第3押圧操作装置を組み立てる第3押圧操作装置組立工程とを実施する。
【0013】
このようなスイッチケースおよび押圧操作装置の製造方法によれば、上記の第1、第2の押圧操作装置と共通のスイッチケースを用いて、さらに2つの押圧ボタン(第1、第2押圧ボタン)を一組とする押圧ボタン対を備えた第3押圧操作装置を効率良く生産することが可能となる。
【0014】
なお、上記のようなスイッチケースにおいては、前記枠部は、前記一対の支持軸の両側の位置に、前記スライド支持部が挿入される空間から独立して前記押圧操作の方向に延びる中空部をそれぞれ備えているものであるのが好適である。
【0015】
この構成によれば、例えばスイッチケースを基板上に固定して用いる場合などに、当該中空部を用いて、ボタン操作に応じて基板上の押圧スイッチ素子を押圧操作するための軸状部材を支持し、若しくは、基板上に実装される発光素子の光をボタン側に導くための手段として利用することが可能となり、スイッチケースの機能性が向上する。
【0016】
また、前記第1押圧ボタンおよび前記第2押圧ボタンが、前記第1押圧ボタン操作部および前記第2押圧ボタン操作部がそれぞれ前記押圧操作を受ける操作壁とその周囲から押圧操作の方向に延びる周壁とを備えるものである場合には、上記のような押圧操作装置の製造方法では、前記第3押圧操作装置組立工程において、前記第1押圧ボタンとして、その周壁に繋がり、前記両押圧ボタンを並列に並べた状態で前記第2押圧ボタンの周壁の開口側から当該周壁の内側に介在して両押圧ボタンの隙間を塞ぐための延設部を備えるものを用いるのが好適である。
【0017】
この方法によれば、上記第3押圧操作装置として、第1押圧ボタンと第2押圧ボタンとの間の隙間を上記延設部により塞いで、異物の侵入等を防止することが可能な第3押圧操作装置を製造することが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、共通のスイッチケースを用いてプッシュ方式およびシーソー方式の押圧操作装置を択一的に構築しつつ、その組立工数や製造コストを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るスイッチケースが適用されるシーソー方式の押圧操作装置(第1押圧操作装置)を示す図である((a)は斜視図、(b)は側面図である)。
【図2】第1押圧操作装置を示す斜視分解図((a)は装置前方から見た状態、(b)は装置後方から見た状態をそれぞれ示す)。
【図3】第1押圧操作装置の断面図である(図1(b)のIII−III線断面図である)。
【図4】本発明に係るスイッチケースが適用される単一押しボタン方式の押圧操作装置(第2押圧操作装置)を示す図である((a)は斜視図、(b)は側面図である)。
【図5】第2押圧操作装置を示す斜視分解図((a)は装置前方から見た状態、(b)は装置後方から見た状態をそれぞれ示す)。
【図6】第2押圧操作装置の断面図である(図4(b)のVI−VI線断面図である)。
【図7】本発明に係るスイッチケースが適用されるダブル押しボタン方式の押圧操作装置(第3押圧操作装置)を示す図である((a)は斜視図、(b)は側面図である)。
【図8】第3押圧操作装置を示す斜視分解図((a)は装置前方から見た状態、(b)は装置後方から見た状態をそれぞれ示す)。
【図9】第3押圧操作装置の断面図である(図7(b)のIX−IX線断面図である)。
【図10】第1押圧操作装置が適用されたスイッチ装置(第1スイッチ装置)の一例を示す断面図である。
【図11】第2押圧操作装置が適用されたスイッチ装置(第2スイッチ装置)の一例を示す断面図である。
【図12】第3押圧操作装置が適用されたスイッチ装置(第3スイッチ装置)の一例を示す断面図である。
【図13】スイッチケースの変形例を示す第2押圧操作装置の断面図である。
【図14】スイッチケースの変形例を示す第2押圧操作装置の断面図である。
【図15】スイッチケースの変形例を示す第1押圧操作装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
【0021】
図1〜図9は、本発明に係るスイッチケースが適用された押圧操作装置をそれぞれ示しており、図1〜図3は、シーソー方式の押圧操作装置(第1押圧操作装置S1という)を、図4〜図6は、単一の押圧ボタンを備えるプッシュ方式の押圧操作装置(第2押圧操作装置S2という)を、図7〜図9は、一対の押圧ボタンを備えるプッシュ方式の押圧操作装置(第3押圧操作装置S3という)をそれぞれ概略的に示している。これらの押圧操作装置S1〜S3は、回路基板上に固定されて、この回路基板上に実装される押圧スイッチを押圧操作するために用いられるものである。
【0022】
各押圧操作装置S1〜S3は、本発明に係るスイッチケース40を共通部品として、当該スイッチケース40にそれぞれ形状の異なるボタン10、20及び30(30A,30B)が択一的に組み付けられることにより構成される。以下、各押圧操作装置S1〜S3について、詳述する。
【0023】
〈 第1押圧操作装置S1 〉
図1〜図3に示すに示すように、第1押圧操作装置S1は、一対の押圧スイッチを択一的に押圧操作するためのシーソーボタン10と、これを支持するための本発明に係るスイッチケース40とを備えている。
【0024】
前記シーソーボタン10は、一対の押圧スイッチを択一的に押圧操作するためものである。このシーソーボタン10は、押圧操作を受けるボタン本体部12と一対の被支持部16とを有し、これらが例えば合成樹脂により単一部材として一体に成形されている。
【0025】
前記ボタン本体部12は、前壁13と周壁14とを一体に備える。前記前壁13は、本発明のシーソーボタン操作部に相当するもので、この実施の形態では正面から見て特定方向(図1(b)では上から見て左右方向)に細長い矩形状をなしており、前記周壁13はこの前壁13の周縁から後方、すなわち、ボタン本体部12が押圧操作を受ける方向(図1(b)では下方)に延びている。
【0026】
前記一対の被支持部16は、シーソーボタン10をスイッチケース40に回動可能に支持させる部位、すなわち、本発明の回動支持部に相当するものであり、前壁13の裏面に、後方に突出するように形成されている。詳しくは、前壁13の長手方向の中間位置であって当該長手方向と直交するボタン幅方向に離間する位置にそれぞれ形成されている。各被支持部16は、前記ボタン幅方向に厚みを有する板状をなし、それぞれ板厚方向に貫通する軸孔16aを備えている。
【0027】
一方、前記スイッチケース40は、中空の本体枠41と、ボタンを支持するための枠体42(本発明の枠部に相当する)とを有し、これらが例えば合成樹脂材料により単一部材として一体に成形されている。
【0028】
前記本体枠41は、前壁41aと周壁41bとを有する。前記前壁41aは、正面からみて前記シーソーボタン10と同方向に細長い矩形状をなし、前記周壁41bは、前記前壁41aの全周縁から後方に延びている。
【0029】
前記枠体42は、正面からみて前記前壁41aと同方向に細長い矩形筒状をなす。すなわち、前記前壁41aには、枠体42が囲む空間に対応した形状の貫通孔が設けられ、この貫通孔の周縁から枠体42が前後両方(図2(a)では上下両方)へそれぞれ延びている。なお、枠体42の後端と前記周壁41bの後端とはほぼ面一に形成されている。
【0030】
前記枠体42は、詳しくは、長手方向に対向する第1対向壁部44aとこれらの間で前記長手方向に直交する方向に互いに対向する第2対向壁部44bとを有する。各第2対向壁部44bは、その前端が枠体42の長手方向中央部を頂部とした山型の形状を有する。
【0031】
前記枠体42の長手方向中間位置であって各第2対向壁部44bの内側面には、当該内側面から内向きに突出する軸部46(本発明の支持軸に相当する)がそれぞれ形成されている。これら軸部46は、前記シーソーボタン10を支持するものである。すなわち、図3に示すように、これら軸部46が各被支持部16の軸孔16aに外側から挿入されるように、各被支持部16が両長辺壁部45bの内側に嵌め込まれることにより、前記シーソーボタン10Aが前記軸部46を中心として回動可能となるように枠体42(スイッチケース40)に支持されている。
【0032】
前記各第2対向壁部44bの内側面であって、その長手方向における前記軸部46の両外側の位置には、当該内側面からそれぞれ内向きに突出して前後方向に互いに平行に延びるガイドリブ47が形成されている。各第2対向壁部44bのガイドリブ47同士は互い対向する位置に形成されている。これらガイドリブ47は、後に説明する第2、第3の押圧操作装置S2、S3を構成する際に後記押圧ボタン20、30A,30Bをその押圧操作方向にガイドするものである。
【0033】
一方、各第1対向壁部44aには、当該枠体42の内側の空間から独立してそれぞれ前後方向に延びる断面矩形の中空部48が形成されている。各第1対向壁部44aは、この中空部48に対応する部分が枠体42の内側に膨出しており、これにより、各第1対向壁部44aの内側面には、当該膨出部分を利用したガイドレール45が形成されている。これらのガイドレール45も前記ガイドリブ47と同様に、後記押圧ボタン20、30A,30Bをガイドするためのものである。
【0034】
なお、前記シーソーボタン10の前記前壁13の裏面であって各中空部48の前方に対向する位置には、当該裏面から後方に突出する半球状の突起13aが形成されている。この突起13aは、中空部48に挿入される後記操作軸64を押圧するための部位である。
【0035】
図10は、上述した第1押圧操作装置S1を用いて構成された第1スイッチ装置SS1の一例を概略的に示している。同図に示すように、この第1スイッチ装置SS1は、回路基板W1と、この回路基板W1上に固定される上記第1押圧操作装置S1とを備える。
【0036】
前記回路基板W1は、第1押圧スイッチ61、第2押圧スイッチ62及びその他の電子部品が実装されたものであり、前記第1押圧操作装置S1は、前記押圧スイッチ61、62を押圧操作するために、当該回路基板W1の前記押圧スイッチ61、62の実装面側に固定されている。詳しくは、前記押圧スイッチ61、62が前記スイッチケース40の各中空部48の内側に位置するように、前記第1押圧操作装置S1が当該回路基板W1に固定されている。
【0037】
各押圧スイッチ61,62は、スイッチ本体60aと、このスイッチ本体60aに保持される操作部60bとを有する。前記操作部60bは回路基板W1の法線方向と平行な方向に押圧操作されるもので、その押圧操作方向に変位可能となるように前記スイッチ本体60aに保持される。スイッチ本体60aは、前記操作部60bが押圧操作方向に変位するのに伴って操作信号を出力するとともに、前記操作部60bに前記押圧操作方向と逆方向の復帰力を付与する機構(例えばばね機構)を内蔵する。
【0038】
前記スイッチケース40の中空部48には、それぞれ操作軸64が挿入されている。これらの操作軸64は、例えば合成樹脂からなる軽量な軸部材である。各操作軸64は、各押圧スイッチ61,62の操作部60bに連結されており、その上端(同図で上端)は前記枠体42からシーソーボタン10側に突出し、それぞれ前記突起13aに近接している。
【0039】
このような第1スイッチ装置SS1において、前記シーソーボタン10は、押圧操作されていないときは、同図に示されるほぼ中立位置に保持される。そして、この状態から前記ボタン本体部12の両端部131,132のいずれか一方が押圧されると、その押圧端部がその押圧方向に変位するように前記軸部46を支点としてシーソーボタン10全体が回動する。これに伴い、押圧された側の操作軸64が第1押圧スイッチ61又は第2押圧スイッチ62の操作部60bを押圧し、当該第1押圧スイッチ61又は第12圧スイッチ6に操作信号を出力させる。
【0040】
〈 第2押圧操作装置S2 〉
図4〜図6に示すように、第2押圧操作装置S2は、上述した第1押圧操作装置S1のシーソーボタン10に代えて、押圧ボタン20が上記スイッチケース40に保持された構成を有する。
【0041】
前記押圧ボタン20は、一つの押圧スイッチを押圧操作するためものである。この押圧ボタン20は、押圧操作を受けるボタン本体部22と被保持部26とを有し、これらが例えば合成樹脂により単一部材として一体に成形されている。
【0042】
前記ボタン本体部22は、前壁23(本発明の押圧ボタン操作部に相当する)と周壁24とを一体に備えている。このボタン本体部22は、正面から見て特定方向(図4(b)では上からみて左右方向)に細長い矩形状をなしており、上述したシーソーボタン10のボタン本体部12とほぼ同等の形状を有する。
【0043】
前記被保持部26は、スイッチケース40にスライド可能に保持される部位、すなわち本発明のスライド支持部に相当する部位であり、前記周壁24の内側の位置で前記前壁23の裏面から後方に突出するように形成されている。この被保持部26は、断面略矩形の筒状をなす。この被保持部26は、スイッチケース40の前記枠体42によりスライド可能に保持されることが可能な断面形状を有する。詳しくは、図5及び図6に示すように、被保持部26は、前記枠体42の前記一対の第1対向壁部44aに対向する一対の壁部26aと、前記一対の第2対向壁部44bに対向する一対の壁部26bとを有している。前記各壁部26aにはスイッチケース40の前記ガイドリブ47に対応するガイド溝27が形成され、各壁部26bにはガイドレール45に対応するガイド溝29が形成されている。なお、各壁部26bの長手方向中間部には、枠体42の内側面から突出する前記軸部46との干渉回避のための中間溝27が形成されており、これにより被保持部26は、図6に示すように、押圧ボタン20の前記長手方向における中間位置よりも外側の位置で前記枠体42によりスライド可能に保持される。
【0044】
前記ボタン本体部22は、その長手方向の一端部であって前記被保持部26の外側の位置に導光部材25を備えている。この導光部材25は、押圧スイッチの操作により発光するインジケータを構成するもので、回路基板Wに実装される光素子(例えばLED)等の光をボタン本体部22の表面に導光するものである。この導光部材25は、透明な樹脂材料から形成された断面矩形の軸部材であり、前記被保持部26の一方側のガイド溝29の内側に介在するようにボタン本体部22の前記前壁23に固定されている。詳しくは、前壁23にその厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、この貫通孔に導光部材25が圧入、固定されている。
【0045】
前記押圧ボタン20は、前記被保持部26が前記枠体42の内側に挿入されるとともに、前記導光部材25が前記中空部48に挿入されることにより、押圧ボタン20の押圧操作に伴い押圧操作方向にスライド可能に保持される。この際、前記枠体42の軸部46が前記被保持部26の中間溝27内に介在することで、前記押圧ボタン20の押圧操作に伴い当該押圧ボタン20のスライドが支障無く行われる。
【0046】
図11は、上述した第2押圧操作装置S2を用いて構成された第2スイッチ装置SS2の一例を概略的に示している。同図に示すように、この第2スイッチ装置SS2は、回路基板W2と、この回路基板W2上に固定される上記第2押圧操作装置S2とを備える。
【0047】
前記回路基板W2は、押圧スイッチ66及び発光素子(例えばLED)68等の電子部品が実装されたものであり、前記第2押圧操作装置S2は、前記押圧スイッチ66を押圧操作するために、当該回路基板W2の前記押圧スイッチ66等の実装面側に固定されている。詳しくは、前記スイッチケース40の中空部48のうち前記導光部材25が挿入されていない側の中空部48の内側に押圧スイッチ66が、導光部材25が挿入されている側の中空部48の内側に発光素子68がそれぞれ位置するように、第2押圧操作装置S2が当該回路基板W2に固定されている。
【0048】
前記押圧スイッチ66は、第1スイッチ装置SS1の押圧スイッチ61等と同等のものであり、操作部60bが押圧操作されることで操作信号を出力する。そして前記発光素子68は、例えばこの操作部60bが押圧操作されることにより発光する。
【0049】
また、スイッチケース40の各中空部48のうち押圧スイッチ66が挿入される側の中空部48には、第1スイッチ装置SS1のものと同等の操作軸64が挿入されている。
【0050】
このような第2スイッチ装置SS2では、前記押圧ボタン20が押圧されると、これに伴い操作軸64が押圧スイッチ66の操作部60bを押圧し、当該押圧スイッチ66に操作信号を出力させるとともに、当該操作信号が出力されている間、前記発光素子68が発光する。発光素子68の光は、導光部材25を介して押圧ボタン20のボタン本体部22の前面に導光され、これにより押圧スイッチ66の操作状況が操作者に表示される。
【0051】
〈 第3押圧操作装置S3 〉
図7〜図9に示すように、第3押圧操作装置S3は、上述した第2押圧操作装置S2の単一の押圧ボタン20に代えて押圧ボタン対、すなわち、押圧ボタン20よりもサイズの小さい一対の押圧ボタン30A,30B(第1ボタン30A,第2ボタン30Bと称す)がスイッチケース40の長手方向に並べられた状態で当該スイッチケース40に保持された構成を有する。
【0052】
前記各ボタン30A,30Bは、一対の押圧スイッチを個別に押圧操作するためものである。これらボタン30A,30Bは並び方向に対称な形状を有する以外は、基本的な構成がほぼ共通しているため、以下、第1ボタン30Aの構成について説明しつつ、両押圧ボタン30A,30Bの相違について適宜言及することにする。
【0053】
第1ボタン30Aは、押圧操作を受けるボタン本体部32と、当該第1ボタン30Aを前記スイッチケース40にスライド可能に保持させるため被保持部36とを有し、これらが例えば合成樹脂により単一部材として一体に成形されている。
【0054】
前記ボタン本体部32は、前壁33と周壁34とを一体に備えている。このボタン本体部32は、両押圧ボタン30A,30Bが前記並び方向に並んだ状態で、当該並び方向の寸法が前記第2押圧操作装置S2の押圧ボタン20の長手方向寸法のほぼ二分の一で、これと直交するボタン幅方向の寸法が前記押圧ボタン20と同等に形成されている。つまり、各押圧ボタン30A、30Bのボタン本体部32が全体として前記シーソーボタン10や押圧ボタン20のボタン本体部12,22とほぼ同等の形状を形成する。なお、当実施の形態では、第1ボタン30Aのボタン本体部32及び被保持部36がそれぞれ本発明の第1押圧ボタン操作部および第1スライド支持部に相当し、第2ボタン30Bのボタン本体部32及び被保持部36がそれぞれ本発明の第2押圧ボタン操作部および第2スライド支持部に相当する。
【0055】
図9に示すように、両押圧ボタン30A,30Bの周壁34のうちそれらの並び方向に対向する壁部には、その両端(同図では上下両端)に切欠部34aがそれぞれ形成されている。これら切欠部34aは、スイッチケース40の前記枠体42およびこれに形成される前記軸部46を逃がすためのものである。また、第2ボタン30Bの当該壁部のうち前記切欠部34aより内側の領域には、図12に示すように、周壁34の下端部から第1ボタン30A側に延び、その周壁34と後記被保持部36との間の位置で立ち上がってそれの間に介在する延設部34bが当該周壁34に一体に形成されている。この延設部34bは、両ボタン30A、30Bの間の隙間を塞ぐことで、両押圧ボタン30A,30Bの連続性を保って異物の侵入を防ぐとともに見栄えを保つためのものである。
【0056】
前記被保持部36は、前記周壁34の内側の位置で前記前壁33の裏面から後方に突出するように形成されている。前記被保持部36は、図8及び図9に示すように、前記並び方向に対向する一対の壁部36aとボタン幅方向に対向する一対の壁部36bとをそれぞれ有する断面略矩形の筒状をなす。前記各壁部36aにはスイッチケース40の前記ガイドリブ47に対応するガイド溝27が形成され、各壁部26bにはガイドレール45に対応するガイド溝39が形成されている。なお、各押圧ボタン30A,30Bの被保持部36は、それらの前記壁部36aのうち互いに隣接するもの同士の間に前記スイッチケース40の軸部46が介在可能な隙間が確保されるように形成されている。
【0057】
各押圧ボタン30A,30Bのボタン本体部32は、前記並び方向の一端部、具体的には互いに離反する側の一端部に導光部材35をそれぞれ備えている。これらの導光部材35は、第2押圧操作装置S2の押圧ボタン20に組み込まれたものと同様のものであり、各押圧ボタン30A,30Bの前記被保持部36のガイド溝39の内側に介在するようにそれぞれボタン本体部32の前壁23に固定されている。
【0058】
これらの押圧ボタン30A,30Bは、前記並び方向に並べられた状態で各被保持部36が前記枠体42の内側に挿入されるとともに、前記導光部材35が前記中空部48にそれぞれ挿入されることにより、各押圧ボタン30A,30Bの押圧操作方向にスライド可能に保持される。詳しくは、スイッチケース40の前記枠体42の長手方向の一端側に位置するガイドリブ47及びガイドレール45が第1ボタン30Aのガイド溝38,39に介在するように第1ボタン30Aの被保持部36が前記枠体42に挿入される一方、前記長手方向の他端側に位置するガイドリブ47及びガイドレール45が第2ボタン30Bのガイド溝38,39に介在するように第2ボタン30Bが前記枠体42に挿入される。
【0059】
図12は、上述した第3押圧操作装置S3を用いて構成された第3スイッチ装置SS3の一例を概略的に示している。同図に示すように、この第3スイッチ装置SS3は、回路基板W3と、この回路基板W3上に固定される上記第3押圧操作装置S3とを備える。
【0060】
前記回路基板Wは、第1押圧スイッチ72、第2押圧スイッチ74、第1発光素子76、第2発光素子78及びその他の電子部品が実装されたものであり、前記第3押圧操作装置S3は、前記押圧スイッチ72、74を個別に押圧操作するために、当該回路基板W3の前記押圧スイッチ72等の実装面側に固定されている。詳しくは、第1ボタン30Aの被保持部36の一部が第1押圧スイッチ72の操作部60bに、第2ボタン30Bの被保持部36の一部が第2押圧スイッチ74の操作部60bにそれぞれ当接し、かつ、第1発光素子76が第1ボタン30A側の中空部48の内側に、第2発光素子78が第2ボタン30B側の中空部48の内側にそれぞれ位置するように、第3押圧操作装置S3が当該回路基板W3に固定されている。
【0061】
前記押圧スイッチ72,74及び発光素子76,78は、第2スイッチ装置SS2の押圧スイッチ66及び発光素子68と同等のものであり、例えば第1押圧スイッチ72の操作部60bが押圧操作されることにより第1発光素子76が発光し、第2押圧スイッチ74の操作部60bが押圧操作されることにより第2発光素子78が発光するように回路基板W3上に実装されている。
【0062】
このような第3スイッチ装置SS3では、前記第1ボタン30Aが押圧されると、その被保持部36が第1押圧スイッチ72の操作部60bを押圧し、当該第1押圧スイッチ72に操作信号を出力させるとともに、当該操作信号出力している間、前記第1発光素子76が発光する。この発光素子76の光は、導光部材35を介して第1ボタン30Aのボタン本体部32の前面に導光され、これにより第1ボタン30Aの操作状況が操作者に表示される。同様に、前記第2ボタン30Bが押圧されると、その被保持部36が第2押圧スイッチ74の操作部60bを押圧し、当該第2押圧スイッチ74に操作信号を出力させるとともに、当該操作信号出力している間、前記第2発光素子78が発光する。この第2発光素子78の光は導光部材35を介して第2ボタン30Bのボタン本体部32の前面に導光され、これにより第2ボタン30Bの操作状況が操作者に表示される。
【0063】
以上のような第1〜第3のスイッチ装置SS1〜SS3は、例えば以下のような手順により効率的に生産することが可能である。すなわち、押圧操作装置S1〜S2の構成部品である上記各ボタン10、20、30A、30B、及び前記スイッチケース40をそれぞれ個別に成形しておき(ボタン製造工程)、スイッチケース40を共通部品として、当該スイッチケース40にシーソーボタン10、押圧ボタン20及び押圧ボタン30A,30Bを択一的に組み付けることにより、それぞれ必要数の押圧操作装置S1〜S3を製造する(操作装置組立工程)。また、これとは別に、前記回路基板W1〜W2を製造する。
【0064】
そして、回路基板W1〜W3に対してそれぞれ対応する押圧操作装置S1〜S3を固定することにより、上記の第1〜第3のスイッチ装置SS1〜SS3を製造する。
【0065】
以上のような本発明の上記スイッチケース40によれば、シーソーボタン10、単一の押圧ボタン20及び一対の押圧ボタン30A,30Bをそれぞれ備えた第1〜第3の押圧操作装置S1〜S3を共通のスイッチケース40を用いて効率良く製造することが可能となる。しかも、このスイッチケース40は、上記の通りアダプタ等を付加することなくシーソーボタン10、単一の押圧ボタン20及び一対の押圧ボタン30A,30Bの何れをも直接組み付け可能であるため、特定のボタンの組み付けにアダプタを要する従来の種のスイッチケースに比べると、押圧操作装置の組立工数や製造コストを低減させることができる。
【0066】
なお、以上説明したスイッチケース40、このスイッチケース40を用いた押圧操作装置S1〜S3およびスイッチ装置SS1〜SS3は、本発明に係るスイッチケースおよびその適用例の好ましい例示であって、スイッチケース40、押圧操作装置S1〜S3およびスイッチ装置SS1〜SS3の具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0067】
例えば、上述したスイッチケース40は、枠体42の内周面に内側に突出するガイドリブ47を備えており、押圧ボタン20(被保持部26)のガイド溝28に当該ガイドリブ47が挿入されることにより押圧ボタン20が当該ガイドリブ47により押圧操作方向に案内される構成であるが(図9参照)、この関係を逆にしてもよい。すなわち、図13に示すように、スイッチケース40の枠体42の内側面に外向きに凹む溝部46′を形成、する一方、押圧ボタン20の被保持部26の外側面にガイドリブ28′を形成する。図示を省略するが、この場合には、押圧ボタン30A,30Bについても、被保持部36の外側面に、溝部38の代わりにガイドリブが形成される。このような構成によっても、実施形態のものと同様に、押圧操作に応じて押圧ボタン20、30A,30Bをその押圧操作方向に円滑にスライドさせることができる。
【0068】
また、スイッチケース40の前記ガイドリブ47(押圧ボタン20の溝部28)は、各第2対向壁部44bのうち軸部46を中心として互いに対称な位置に形成されているが、図14に示すように、片側の第2対向壁部44bのガイドリブ47について非対称な位置にガイドリブ47を形成するようにしてもよい。この場合、当該ガイドリブ47に対応するように押圧ボタン20、30A,30Bのガイド溝28,38が形成される。このような構成によれば、スイッチケース40に対する押圧ボタン20等の挿入方向が規制されるため、押圧操作装置S2、S3の誤組み立てを防止する上で有利な構成となる。
【0069】
また、上記実施形態のスイッチケース40では、スイッチケース40の枠体42の内側に軸部46を形成しているが、図15に示すように、枠体42の外側に軸部46を形成してもよい。この場合、シーソーボタン10については、ボタン本体部12の周壁14に直接軸孔16aを形成し、当該軸孔16aに軸部46を挿入することにより、当該シーソーボタン10をスイッチケース40により回動可能に支持する。この構成によれば、シーソーボタン10の周壁14に被支持部16としての機能を持たせることができるため、専用の被支持部16が不要となり、シーソーボタン10の構造が簡素化される。なお、この場合、押圧ボタン20(30A,30B)については、被保持部26(被保持部36)とボタン本体部22の周壁24(ボタン本体部32の周壁34)との間隔を広げることで、ボタン本体部22等と軸部46との干渉を回避することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 シーソーボタン
12 ボタン本体部
16 被支持部
20 押圧ボタン
22 ボタン本体部
26 被保持部
27 中間溝
28、29 ガイド溝
30A 第1ボタン
30B 第2ボタン
32 ボタン本体部
36 被保持部
38、39 ガイド溝
40 スイッチケース
41 本体枠
42 枠体
45 ガイドレール
46 軸部
47 ガイドリブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定方向の両端部が選択的に押圧操作を受けるシーソーボタン操作部と、前記特定方向と直交するボタン幅方向に互いに離間する位置でそれぞれ当該シーソーボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びる一対の回動支持部とを備え、これら回動支持部に当該回動支持部を支持するための支持軸を挿入可能な軸孔が形成されたシーソーボタンと、押圧操作を受ける押圧ボタン操作部と、この押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延び、前記押圧操作の方向と直交する方向における中間位置より両側に外れた位置で前記押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能なスライド支持部とを備える押圧ボタンの何れも択一的に保持することが可能な形状を有し、前記シーソーボタン又は前記押圧ボタンとともに押圧操作装置を構成するスイッチケースであって、
前記押圧ボタンの前記スライド支持部を囲んだ状態で保持する枠部と、
この枠部の互いに対向する壁部から内向きに延びる一対の支持軸とを備え、これら枠部と一対の支持軸とが一体に成型されており、
前記枠部は、その内側に前記押圧ボタンのスライド支持部が挿入されることで、当該スライド支持部の前記中間位置より両側に外れた位置でそれぞれ当該スライド支持部を保持しつつ前記押圧操作に応じてその押圧操作の方向にスライドさせることが可能に形成され、
前記一対の支持軸は、前記枠部の壁部上であって前記スライド支持部が当該枠部に挿入されたときに前記中間位置に対応する位置に設けられ、かつ、前記シーソーボタンの前記一対の回動支持部の軸孔にそれぞれ挿入されることで、前記枠部に前記シーソーボタンを回動可能に支持することが可能に形成されていることを特徴とするスイッチケース。
【請求項2】
特定方向の両端部が選択的に押圧操作を受けるシーソーボタン操作部と、前記特定方向と直交するボタン幅方向に互いに離間する位置でそれぞれ当該シーソーボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びる一対の回動支持部とを備え、これら回動支持部に当該回動支持部を支持するための支持軸を挿入可能な軸孔が形成されたシーソーボタンと、押圧操作を受ける押圧ボタン操作部と、この押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延び、かつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能なスライド支持部とを備える押圧ボタンの何れも択一的に保持することが可能な形状を有し、前記シーソーボタン又は前記押圧ボタンとともに押圧操作装置を構成するスイッチケースであって、
前記押圧操作に応じてその押圧操作の方向にスライドさせることが可能となるように、前記押圧ボタンのスライド支持部を外側から保持する枠部と、
この枠部の互いに対向する壁部から外向きに延びる一対の支持軸とを備え、これら枠部と一対の支持軸とが一体に成型されており、
前記一対の支持軸は、前記シーソーボタンの前記一対の回動支持部の軸孔にそれぞれ挿入されることで、前記枠部に前記シーソーボタンを回動可能に支持することが可能に形成されていることを特徴とするスイッチケース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイッチケースにおいて、
前記押圧ボタンを単一押圧ボタンとしたときに、これとは別に、押圧操作を受ける第1押圧ボタン操作部とこの第1押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第1スライド支持部と、押圧操作を受ける第2押圧ボタン操作部とこの第2押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第2スライド支持部とを有する第2押圧ボタンとを一組として、これら第1押圧ボタンと第2押圧ボタンとが並列に並べたられた状態でそれらのスライド支持部同士が前記押圧操作の方向にそれぞれスライド可能となるように保持された状態で用いられる押圧ボタン対について、さらに保持することが可能なものであり、
前記枠部は、前記第1押圧ボタンおよび前記第2押圧ボタンが並列に並べられた状態でそれらのスライド支持部が一体に挿入されることが可能で、かつ、前記一対の支持軸を挟んでその両外側の位置で各押圧ボタンのスライド支持部をそれぞれスライド可能に保持することが可能に形成されていることを特徴とするスイッチケース。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のスイッチケースにおいて、
前記枠部は、前記一対の支持軸の両側の位置に、前記スライド支持部が挿入される空間から独立して前記押圧操作の方向に延びる中空部をそれぞれ備えていることを特徴とするスイッチケース。
【請求項5】
押圧操作装置を製造する方法であって、
請求項1乃至4に記載されたスイッチケースを製造するケース製造工程と、
特定方向の両端部が選択的に押圧操作を受けるシーソーボタン操作部と、前記特定方向と直交するボタン幅方向に互いに離間する位置でそれぞれ当該シーソーボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びる一対の回動支持部とを備え、これら回動支持部に当該回動支持部を支持するための支持軸を挿入可能な軸孔が形成されたシーソーボタンを製造するシーソーボタン製造工程と、
押圧操作を受ける押圧ボタン操作部と、この押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延び、前記押圧操作の方向と直交する方向における中間位置より両側に外れた位置で前記押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能なスライド支持部とを備える押圧ボタンを製造する押圧ボタン製造工程と、
前記シーソーボタンの前記一対の回動支持部の軸孔にそれぞれ前記スイッチケースの一対の支持軸が挿入されることで、前記シーソーボタンが前記スイッチケースに回動可能に支持された第1押圧操作装置を組み立てる第1押圧操作装置組立工程と、
前記押圧ボタンの前記スライド支持部が前記スイッチケースの枠部の内側に挿入されることにより、前記押圧ボタンがその押圧操作の方向に変位可能となるように前記スイッチケースに保持された第2押圧操作装置を組み立てる第2押圧操作装置組立工程と、を含むことを特徴とする押圧操作装置の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の押圧操作装置の製造方法において、
前記ケース製造工程は、請求項2に記載されたスイッチケースを製造し、前記押圧ボタン製造工程は、前記押圧ボタンを単一押圧ボタンとして当該単一押圧ボタンを製造する工程であり、さらに、
押圧操作を受ける第1押圧ボタン操作部とこの第1押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第1スライド支持部と、押圧操作を受ける第2押圧ボタン操作部とこの第2押圧ボタン操作部から前記押圧操作の方向に延びかつ当該押圧操作の方向にスライド可能となるように保持されることが可能な第2スライド支持部とを有する第2押圧ボタンとを一組として、これら第1押圧ボタンと第2押圧ボタンとが並列に並べたられた状態でそれらのスライド支持部同士が前記押圧操作の方向にそれぞれスライド可能となるように保持された状態で用いられる押圧ボタン対を製造する押圧ボタン対製造工程と、
前記押圧ボタン対を構成する前記第1押圧ボタン及び第2押圧ボタンが並列に並べられた状態で当該押圧ボタンの各スライド支持部が前記スイッチケースの枠部の内側に挿入されることにより、前記第1押圧ボタン及び第2押圧ボタンがその押圧操作の方向に個別に変位可能となるように前記スイッチケースに保持された第3押圧操作装置を組み立てる第3押圧操作装置組立工程とを含むことを特徴とする押圧操作装置の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の押圧操作装置の製造方法において、
前記第1押圧ボタンおよび前記第2押圧ボタンは、前記第1押圧ボタン操作部および前記第2押圧ボタン操作部がそれぞれ前記押圧操作を受ける操作壁とその周囲から押圧操作の方向に延びる周壁とを備えるものであり、
前記第3押圧操作装置組立工程では、前記第1押圧ボタンとして、その周壁に繋がり、前記両押圧ボタンを並列に並べた状態で前記第2押圧ボタンの周壁の開口側から当該周壁の内側に介在して両押圧ボタンの隙間を塞ぐための延設部を備えるものを用いることを特徴とする押圧操作装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−12373(P2013−12373A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143848(P2011−143848)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】