説明

スイッチモジュール及びそれを用いた共振型コンバータ装置

【課題】アクティブクランプ回路で問題であったクランプコンデンサの電圧上昇を解決する。
【解決手段】第1端子と第2端子の間にスイッチQ1、スイッチQ2、ダイオードD1の順に直列接続された第1直列回路と、第3端子と第4端子の間にダイオードD2、スイッチQ3、スイッチQ4の順に直列接続された第2直列回路と、スイッチQ1とスイッチQ2の接続点に接続された第5端子と、スイッチQ2とダイオードD1の接続点に接続された第6端子と、ダイオードD2とスイッチQ3の接続点に接続された第7端子と、スイッチQ3とスイッチQ4の接続点に接続された第8端子とを備えたスイッチモジュールを使って、第6端子と第7端子の間に共振コンデンサC1を接続し、第5端子と第8端子の間に共振リアクトルL1を接続し、共振コンデンサC1と共振リアクトルL1による直列共振が形成されるようにし、共振コンデンサC1の電圧を電源電圧にクランプする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチモジュール及びそれを用いた共振型コンバータ装置に係り、特に、負荷急変時の主スイッチに掛かる電圧を低くクランプすることができ、耐圧の低いスイッチ素子を使用することができる回路技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、共振型コンバータ装置などでは、スイッチング時に発生する過電圧をクランプするために、過電圧抑制回路が設けられる。
過電圧抑制回路として、例えば、特開2008−79488号公報(特許文献1)にみられるようなアクティブクランプ回路が有る。特許文献1のアクティブクランプ回路では、主スイッチがスイッチングオフした際のトランスの励磁エネルギーを吸収するために、補助スイッチとクランプコンデンサの直列回路が設けられている。主スイッチに印加される電圧は、電源電圧にクランプコンデンサの電圧が重畳された電圧となっており、クランプコンデンサの電圧が大きくなると主スイッチに大きな電圧が印加される。そこで、このクランプコンデンサの電圧を検出して、負荷の急変時などに所定値を超えないように主スイッチのオン幅を制御している。
また、過電圧抑制回路として特開平11−18426号公報(特許文献2)に開示されたアクティブクランプ回路がある。特許文献2のアクティブクランプ回路は、トランスに中間タップを設け、この中間タップとトランスの一端及び他端の間に補助スイッチとクランプコンデンサの直列回路をそれぞれ設けるようにしたものである。このようにすることによりそれぞれのクランプコンデンサが電圧を分担し補助スイッチの耐圧が低減されるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−79488号公報
【特許文献2】特開平11−18426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のアクティブクランプ回路は、負荷急変時にアクティブクランプ回路のクランプコンデンサが急速充電されて非常に大きな電圧となり、これにより主スイッチの耐圧を超える問題があった。特許文献1では、この問題を解決するため、クランプコンデンサの電圧を検出して、負荷の急変時などに所定値を超えないように主スイッチのオン幅を制御するようにしているが、このための制御回路が必要になり、また、制御遅れによる電圧上昇の問題が完全に解消されたわけではない。
また、特許文献2では、補助スイッチの耐圧は低減することができるが、負荷の急変時に主スイッチに印加される電圧が大きくなる問題は解決していない。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来のアクティブクランプ回路で問題であったクランプコンデンサの電圧上昇を解決し、スイッチの耐圧上昇の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスイッチモジュールは、第1端子と第2端子との間に接続され、前記第1端子から前記第2端子に向かって、第1スイッチ、第2スイッチ、第1ダイオードの順に直列に接続された第1直列回路と、第3端子と第4端子との間に接続され、前記第3端子から前記第4端子に向かって、第2ダイオード、第3スイッチ、第4スイッチの順に直列に接続された第2直列回路と、前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続点に接続された第5端子と、前記第2スイッチと前記第1ダイオードとの接続点に接続された第6端子と、前記第2ダイオードと前記第3スイッチとの接続点に接続された第7端子と、前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続点に接続された第8端子と、を備えたスイッチモジュールであって、前記第6端子と前記第7端子との間には共振用キャパシタンス要素が接続され、前記第5端子と前記第8端子との間には共振用インダクタンス要素が接続され、前記共振用キャパシタンス要素と前記共振用インダクタンス要素とによる直列共振が形成されるように使用されることを特徴とする。
また、本発明の共振型コンバータ装置は、直流電源の正極側端子と負極側端子との間に接続された上記のスイッチモジュールと、前記スイッチモジュールの第6端子と第7端子との間に接続された共振用キャパシタンス要素としての共振コンデンサと、前記スイッチモジュールの第5端子と第8端子との間に接続された共振用インダクタンス要素としてのトランスの一次巻線と、前記トランスの一次巻線に接続された前記スイッチモジュールのスイッチのスイッチングにより、前記トランスの二次巻線に発生した電圧を整流平滑し出力電圧として負荷に供給する整流平滑回路と、を有するフォワードコンバータ又はDC−DCコンバータ又はフライバックコンバータからなる共振型コンバータ装置であって、前記共振コンデンサと前記トランスの一次巻線とによる直列共振が形成される期間における前記共振コンデンサの電圧は、前記スイッチモジュールの第1ダイオード及び第2ダイオードにより、前記直流電源の電圧にクランプされることを特徴とする。
また、本発明の共振型コンバータ装置は、直流電源の正極側端子と負極側端子との間に、昇圧リアクトルを介して接続された上記のスイッチモジュールと、
前記スイッチモジュールの第6端子と第7端子との間に接続された共振用キャパシタンス要素としての共振コンデンサと、前記スイッチモジュールの第5端子と第8端子との間に接続された共振用インダクタンス要素としての共振リアクトルと、前記共振リアクトルに接続された前記スイッチモジュールのスイッチのスイッチングにより、前記昇圧リアクトルに発生した電圧と前記直流電源の電圧とが加算された電圧を整流平滑し出力電圧として負荷に供給する整流平滑回路と、を有する昇圧コンバータからなる共振型コンバータ装置であって、前記共振コンデンサと前記共振リアクトルとによる直列共振が形成される期間における前記共振コンデンサの電圧は、前記スイッチモジュールの第1ダイオード及び第2ダイオードにより、前記整流平滑回路の出力電圧にクランプされることを特徴とする。
また、本発明の共振型コンバータ装置は、直流電源の正極側端子と負極側端子との間に接続された上記のスイッチモジュールと、前記スイッチモジュールの第4端子に一端が接続された降圧リアクトルと、前記スイッチモジュールの第6端子と第7端子との間に接続された共振用キャパシタンス要素としての共振コンデンサと、前記スイッチモジュールの第5端子と第8端子との間に接続された共振用インダクタンス要素としての共振リアクトルと、前記共振リアクトルに接続された前記スイッチモジュールのスイッチのスイッチングにより、前記降圧リアクトルに流れる電流を整流平滑し出力電圧として負荷に供給する整流平滑回路と、を有する降圧コンバータからなる共振型コンバータ装置であって、前記共振コンデンサと前記共振リアクトルとによる直列共振が形成される期間における前記共振コンデンサの電圧は、前記スイッチモジュールの第1ダイオード及び第2ダイオードにより、前記直流電源の電圧にクランプされることを特徴とする。
また、本発明の共振型コンバータ装置は、前記昇圧リアクトルと前記共振リアクトルとが、磁気結合していることを特徴とする。
また、本発明の共振型コンバータ装置は、前記降圧リアクトルと前記共振リアクトルとが、磁気結合していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、アクティブクランプ回路のクランプコンデンサの電圧上昇を抑えることができ、これにより、スイッチの耐圧を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の原理回路を示した図である。
【図2】本発明の原理回路のスイッチング動作を説明するタイミングチャートである。
【図3】本発明の原理回路をフォワードコンバータに適用した実施例1を示す図である。
【図4】実施例1の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】実施例1において、負荷急変により、共振コンデンサの電圧がクランプされる動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】本発明の原理回路をDC−DCコンバータに適用した変形例1を示す図である。
【図7】本発明の原理回路をフライバックコンバータに適用した変形例2を示す図である。
【図8】本発明の原理回路を昇圧コンバータに適用した実施例2を示す図である。
【図9】実施例2の動作を説明するタイミングチャートである。
【図10】実施例2において、負荷急変により、共振コンデンサの電圧がクランプされる動作を説明するタイミングチャートである。
【図11】本発明の原理回路を昇圧コンバータに適用した変形例3を示す図である。
【図12】本発明の原理回路を降圧コンバータに適用した実施例3を示す図である。
【図13】実施例3の動作を説明するタイミングチャートである。
【図14】実施例3において、負荷急変により、共振コンデンサの電圧がクランプされる動作を説明するタイミングチャートである。
【図15】本発明の原理回路を降圧コンバータに適用した変形例4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0009】
まず、本発明の原理回路を説明し、次に、具体的な共振型コンバータ装置に適用した場合の回路構成について説明する。なお、本発明の原理回路における第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4は、以下の実施例では、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4が主スイッチ、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3がアクティブクランプ回路の補助スイッチとなっている。
【0010】
図1に、本発明の基本となる原理回路1を示す。この原理回路1は、種々のコンバータに適用可能で、しかも、電圧がゼロボルトの点でスイッチングできるソフトスイッチング(ゼロボルトスイッチング(ZVS))が可能なスイッチモジュールを提供することができる。この原理回路1によれば、スイッチモジュールの構成で部分電圧共振を行い、且つ従来のアクティブクランプで問題であった負荷の急変時のクランプコンデンサの電圧を所定値でクランプすることができる。これにより、低い耐圧のスイッチを使用可能にし、従来、高耐圧のスイッチを使用しなければならなかった問題を解決する。
【0011】
次に、原理回路1の回路構成を説明する。原理回路1は、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2、ダイオードD1が直列接続された第1のアーム(第1直列回路)と、ダイオードD2と第3スイッチQ3、第4スイッチQ4が直列接続された第2のアーム(第2直列回路)と、共振リアクトル(共振用インダクタンス要素)L1と、クランプコンデンサとしての共振コンデンサ(共振用キャパシタンス要素)C1とを備える。共振リアクトルL1はトランス、あるいは可飽和リアクトルを使用することもできる。第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4はMOS・FET、IGBTなどを使用することができる(実施形態ではNチャネルのMOS・FETを使用しているが、Pチャネルとすることも可能)。また、第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4には、それぞれのMOS・FETのドレイン端子とソース端子間に寄生ダイオード(内蔵ダイオード)が接続されている。また、MOS・FETのそれぞれのドレイン端子とソース端子間には、図示はしていないが、寄生コンデンサあるいは電圧共振用のコンデンサが接続されている。
【0012】
第1のアームは電位VaとVa'間に設置され、第2のアームは電位VbとVb'間に設置されている。すなわち、第1スイッチQ1のドレイン端子が電位Va、ダイオードD1のアノード端子が電位Va'となり、ダイオードD2のカソード端子が電位Vb、第4スイッチQ4のソース端子が電位Vb'となっている。そして、第1スイッチQ1のソース端子と第2スイッチQ2のドレイン端子と共振リアクトルL1の一方の端子とが接続され、第2スイッチQ2のソース端子とダイオードD1のカソード端子と共振コンデンサC1の一方の端子とが接続されている。また、ダイオードD2のアノード端子と第3スイッチQ3のドレイン端子と共振コンデンサC1の他方の端子とが接続され、第3スイッチQ3のソース端子と第4スイッチQ4のドレイン端子と共振リアクトルL1の他方の端子とが接続されている。
【0013】
なお、スイッチモジュールとして、第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4、ダイオードD1、D2を半導体装置として構成するために、第1スイッチQ1のドレイン端子を第1端子、ダイオードD1のアノード端子を第2端子、ダイオードD2のカソード端子を第3端子、第4スイッチQ4のソース端子を第4端子、第1スイッチQ1のソース端子と第2スイッチQ2のドレイン端子の接続点を第5端子、第2スイッチQ2のソース端子とダイオードD1のカソード端子の接続点を第6端子、ダイオードD2のアノード端子と第3スイッチQ3のドレイン端子の接続点を第7端子、第3スイッチQ3のソース端子と第4スイッチQ4のドレイン端子の接続点を第8端子として取り出し、共振コンデンサC1を第6端子と第7端子間に接続し、共振リアクトルL1を第5端子と第8端子間に接続できるように構成しても良い。
【0014】
上記のように構成された原理回路1は、図2のように、周期Tの期間において、デットタイムtd(第1のアーム、第2のアームにおいて直列接続されたスイッチが共にオフする時間)を挟んで、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4がオンするときは第2スイッチQ2と第3スイッチQ3がオフし、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4がオフするときは第2スイッチQ2と第3スイッチQ3がオンする、というように交互にオン/オフする。
【0015】
図2の第1スイッチQ1と第4スイッチQ4がオンされる期間Taでは、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオンと共に共振リアクトルL1は、Va−Vb'の電圧で励磁される。期間Taの終了時点で第1スイッチQ1と第4スイッチQ4がオフされると、デットタイムtdの期間において、共振リアクトルL1の励磁エネルギーは第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードを経由して共振コンデンサC1を充電し始める。
【0016】
デットタイムtdの期間を経て第2スイッチQ2と第3スイッチQ3がオンし期間Tbが開始すると、共振リアクトルL1と共振コンデンサC1は直列共振動作になり、共振コンデンサC1に流れる電流は期間Tbにおいて向きが反転する。期間Tbにおいて共振リアクトルL1の励磁エネルギーが共振コンデンサC1に充電されるとき、共振コンデンサC1の電圧がVb−Va'の電圧を超えると、ダイオードD1、D2を介して共振コンデンサC1の電圧は放電される。したがって、共振コンデンサC1の電圧はVb−Va'の電圧にクランプされ、Vb−Va'の電圧を超えることはない。ダイオードD1、D2は、共振コンデンサC1の電圧がVb−Va'の電圧を下回っているときには特に機能しない。
【0017】
したがって、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2、ダイオードD1は、電圧Va−Va'、あるいは電圧Vb−Va'でクランプされ、第3スイッチQ3、第4スイッチQ4、ダイオードD2は、電圧Vb−Vb'、あるいは電圧Vb−Va'でクランプされる。原理回路1によれば、負荷の急変時であっても、上記のように共振コンデンサC1の電圧をクランプすることができるので、低い耐圧のスイッチを使用可能にし、従来、高耐圧のスイッチを使用しなければならなかった問題を解決する。
【実施例1】
【0018】
次に、原理回路1をフォワードコンバータに適用した例を実施例1として図3に示す。
図3は原理回路1が適用されたフォワードコンバータ2の回路構成を示したものであり、点線枠1aで示した部分が、図1の原理回路1に相当する部分である。図1と同じものには同じ符号を付して示している。図1の原理回路1における共振リアクトルL1のインダクタンスは、図3ではトランスTr1の一次巻線Npの励磁インダクタンスLpと漏洩インダクタンスLrが直列接続されたインダクタンスに相当している。点線枠1a内の、第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4、ダイオードD1、D2、共振コンデンサC1の接続関係は図1と同じなので、その接続関係についての説明は省略する。
【0019】
図1の原理回路1における第1スイッチQ1のドレイン端子とダイオードD2のカソード端子は、直流電源Vinの正極側端子に接続されている。なお、直流電源Vinの電圧に着目するときには、直流電源電圧Vinとして説明する。したがって、図1の原理回路1における電位VaとVbは、本実施例では共通に直流電源Vinの正極側端子の電位になっている。また、図1の原理回路1におけるダイオードD1のアノード端子と第4スイッチQ4のソース端子とは共通に直流電源Vinの負極側端子に接続されている。したがって、図1の原理回路1における電位Va’とVb’は、本実施例では直流電源Vinの負極側端子の電位になっている。
【0020】
トランスTr1の一次巻線Npは、励磁インダクタンスLpと漏洩インダクタンスLrにより等価的に表されている。一次巻線Npと二次巻線Nsの発生電圧極性は●で示す向きになっている。そして、第1スイッチQ1のソース端子と第2スイッチQ2のドレイン端子とが接続された接続点に、トランスTr1の一次巻線Np(等価的に表現された励磁インダクタンスLpと漏洩インダクタンスLrの直列体)の一方の端子が接続され、第3スイッチQ3のソース端子と第4スイッチQ4のドレイン端子とが接続された接続点に、トランスTr1の一次巻線Npの他方の端子が接続されている。
【0021】
トランスTr1の二次巻線Nsの一方の端子は、ダイオードD51のアノード端子に接続され、ダイオードD51のカソード端子はリアクトルL51の一方の端子とダイオードD52のカソード端子に接続されている。リアクトルL51の他方の端子はコンデンサC51の一方の端子に接続されると共に、直流電圧出力端子Vo(正極側端子)に接続されている。また、二次巻線Nsの他方の端子とダイオードD52のアノード端子とコンデンサC51の他方の端子は共通に接続されて直流電圧出力端子O(負極側端子)に接続されている。なお、図3では、共振リアクトルL1をトランスTr1の一次巻線Npで置き換えた例を示したが、共振リアクトルL1とトランスTr1とを別に設け、共振リアクトルL1にトランスTr1の一次巻線Npを直列に接続しても良い。
【0022】
このように接続されたフォワードコンバータ2の動作を、図4のタイミングチャートを参照しながら説明する。図4のタイミングチャートにおける期間T1の先頭に示した時刻t1から、期間T8の末尾に示した時刻t1までの期間が、スイッチング動作の周期Tを示している。
【0023】
(期間T1)
まず、時刻t1において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はオフしている。トランスTr1の一次側では、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t8時点で(Vin+Vc1)/2の電圧が掛かった状態から時刻t1においてゼロボルトに放電されると、トランスTr1の一次巻線Np→第1スイッチQ1(MOS・FETではなく第1スイッチQ1の寄生ダイオードに流れる)→直流電源Vin→第4スイッチQ4(MOS・FETではなく第4スイッチQ4の寄生ダイオードに流れる)→トランスTr1の一次巻線Npの経路で、トランスTr1の励磁エネルギーを放出するように電流が流れる。この期間T1においては、トランスTr1の一次巻線Npの漏洩インダクタンスLr、励磁インダクタンスLpに直流電源Vinの電圧が掛かるので、電流は減少していく。
この期間T1にトランスTr1の一次巻線Npに直流電源Vinの電圧が印加されるので、トランスTr1の二次側ではトランスTr1の二次巻線Nsの●側端子が正電圧となり、これによりトランスTr1の二次巻線Ns→ダイオードD51→リアクトルL51の経路の電流が流れ始め、ダイオードD52→リアクトルL51の経路の電流が減少する(ダイオードD52からリアクトルL51へ流れる電流が、ダイオードD51からリアクトルL51へ流れる電流に移り変わる転流を開始する)。
【0024】
(期間T2)
時刻t2において、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のゲート信号をオン信号にすると、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のMOS・FETは電圧がゼロボルト(第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生ダイオードのオン電圧)の状態でオンする。すなわち、このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
この期間T2は、ダイオードD52→リアクトルL51の経路の電流がトランスTr1の二次巻線Ns→ダイオードD51→リアクトルL51の経路の電流として転流が完了するまで続く。
【0025】
(期間T3)
時刻t3において、ダイオードD52→リアクトルL51の経路の電流がトランスTr1の二次巻線Ns→ダイオードD51→リアクトルL51の経路の電流として転流が完了するとダイオードD52はオフ状態となり、トランスTr1の二次側がダイオードD51とダイオードD52による短絡状態から開放され、トランスTr1の励磁インダクタンスLpが励磁されるようになる。期間T1、T2の共振コンデンサC1と漏洩インダクタンスLrの共振回路が、時刻t3において、共振リアクトルのインダクタンス値が、トランスTr1の一次側巻線のインダクタンスが漏洩インダクタンスLrから励磁インダクタンスLpが加わったインダクタンス値Lr+Lpに切り替わるので、共振周期が長くなり、したがって期間T3では、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の電流が期間T1及び期間T2よりゆっくりと増加する。
【0026】
(期間T4)
時刻t4において第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のゲート信号をオフ信号にすると、期間T4において、不図示の第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t4のゼロボルトから時刻t5における(Vin+Vc1)/2まで充電される。逆に不図示の第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサは、時刻t4の(Vin+Vc1)/2から時刻t5におけるゼロボルトに放電される。
時刻t4において第1スイッチQ1と第4スイッチQ4をオフすると、トランスTr1の励磁インダクタンスLpが励磁エネルギーを放出開始し、トランスTr1の二次巻線Nsの●側端子が負電圧となり、これにより、トランスTr1の二次巻線Ns→ダイオードD51→リアクトルL51の経路の電流が減少し始め、代わりにダイオードD52→リアクトルL51の経路の電流が増加し始める(ダイオードD51からリアクトルL51へ流れる電流が、ダイオードD52からリアクトルL51へ流れる電流に移り変わる転流を開始する)。このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが漏洩インダクタンスLrの励磁エネルギーによって充電されて第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のドレイン・ソース間の電圧は立ち上がるが、その立ち上がり速度は第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の電流遮断動作より遅く、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトの状態でオフする。すなわち、このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
【0027】
(期間T5)
時刻t5において、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサの電圧がゼロボルトまで放電すると、トランスTr1の励磁インダクタンスLpからの電流は第2スイッチQ2と第3スイッチQ3に流れる(MOS・FETではなく第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードに流れる)ようになる。これにより、トランスTr1の漏洩インダクタンスLrの励磁エネルギーが、漏洩インダクタンスLr→励磁インダクタンスLp→第3スイッチQ3→共振コンデンサC1→第2スイッチQ2→漏洩インダクタンスLrの経路で放出を開始し、共振コンデンサC1を充電する。
【0028】
(期間T6)
時刻t6において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のゲート信号をオン信号にすると、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のMOS・FETは電圧がゼロボルト(第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードのオン電圧)の状態でオンする。すなわち、このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
時刻t7においてダイオードD51の電流が0Aになり、ダイオードD51からダイオードD52への転流が完了するとダイオードD51はオフ状態となり、トランスTr1の二次側がダイオードD51とダイオードD52による短絡状態から開放され、トランスTr1の漏洩インダクタンスLrに励磁インダクタンスLpが加わったインダクタンスLr+Lpの励磁エネルギーが放出を開始する。
【0029】
(期間T7)
期間T5、T6の共振コンデンサC1と漏洩インダクタンスLrの共振回路が、時刻t7において、共振リアクトルのインダクタンス値が、トランスTr1の一次側巻線のインダクタンスが漏洩インダクタンスLrから励磁インダクタンスLpが加わったインダクタンス値Lr+Lpに切り替わるので、共振周期が長くなり、したがって期間T7では、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流が期間T5〜期間T6よりゆっくりと変化する。
期間T7の途中において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流の向きが反転するが、反転する時点で共振コンデンサC1は最も高い電圧に充電される。
【0030】
(期間T8)
時刻t8において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のゲート信号をオフ信号にすると、期間T8において、不図示の第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t8のゼロボルトから時刻t1における(Vin+Vc1)/2まで充電される。逆に不図示の第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサは、時刻t8の(Vin+Vc1)/2から時刻t1におけるゼロボルトに放電される。このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが漏洩インダクタンスLrの励磁エネルギーによって充電されて第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のドレイン・ソース間の電圧立ち上がるが、その立ち上がり速度は第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流遮断動作より遅く、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトの状態でオフする。すなわち、このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
【0031】
上記の図4のタイミングチャートは、共振コンデンサC1の電圧が直流電源電圧Vinまで充電されない場合を示している。これに対し、図5に示したタイミングチャートは、軽負荷から重負荷といった負荷急変により、共振コンデンサC1の電圧が直流電源電圧Vinまで充電された場合を示している。図5のタイミングチャートを図4のタイミングチャートと比較して分かるように、期間T9において、ダイオードD1、D2に電流が流れている。これは、急激な第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオン時間の増大により、トランスの励磁エネルギーが急激に増大し、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオフとともに、励磁エネルギーは第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードを介して共振コンデンサC1を充電したためである。負荷急変により、急激に増えた励磁エネルギーによって共振コンデンサC1の電圧が直流電源電圧Vinを超えようとすると、共振コンデンサC1は直流電源電圧Vinの電圧を超えようとするエネルギーをダイオードD1、D2を介して放電する。これにより、期間T9の間、共振コンデンサC1は直流電源電圧Vinの電圧にクランプされたままとなる。このとき第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4は、(Vin+Vc1)/2=(Vin+Vin)/2=Vinとなり、最大Vinにクランプされる。
【0032】
(変形例1)
図6は、図1に示した実施例1のフォワードコンバータ2において、トランスTr1の二次巻線に第1の二次巻線Ns1と第2の二次巻線Ns2を設けたトランスTr2を使用しDC−DCコンバータ3とした変形例1を示したものである。点線枠1bは、図1に示した原理回路1に相当する部分を示している。この回路は、トランスTr2の二次巻線が第1の二次巻線Ns1と第2の二次巻線Ns2の2つに分離しているが、動作は図1に示した実施例1のフォワードコンバータ2と同様に動作する。したがって、詳細な説明は省略する。この変形例1においても、全てのスイッチは直流電源電圧Vinを超えることはない。
【0033】
(変形例2)
図7は、図1に示した実施例1のフォワードコンバータ2をフライバックコンバータ4とした変形例2を示したもので、トランスTr1の二次巻線の発生電圧の極性(●印)が、実施例1の極性に対し逆極性となったフライバックトランスTr3を使用している。点線枠1cは、図1に示した原理回路1に相当する部分を示している。図1に示した実施例1のフォワードコンバータ2が第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオン期間に負荷に電力を送るのに対し、フライバックコンバータ4は、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオン期間にトランスにエネルギーを蓄積し、蓄積したエネルギーをオフ期間に負荷に送る点が異なるが、原理回路1の共振コンデンサC1の共振動作やクランプ動作については、全く共通に考えることができ、したがって、この変形例2においても、全てのスイッチは直流電源電圧Vinを超えることはない。
【実施例2】
【0034】
次に、原理回路1を昇圧コンバータに適用した例を実施例2として図8に示した。図8は、原理回路1が適用された昇圧コンバータ5の回路構成を示したものであり、点線枠1dで示した部分が、図1の原理回路1に相当する部分である。図1と同じものには同じ符号を付して示している。点線枠1d内の第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4、ダイオードD1、D2、共振リアクトルL1、共振コンデンサC1の接続関係は図1と同じなので、その接続関係についての説明は省略する。
【0035】
図8の昇圧コンバータ5は、直流電源Vinの正極側端子にリアクトルL51a(昇圧リアクトル)の一方の端子が接続され、他方の端子にダイオードD51aのアノード端子が接続されている。そして、ダイオードD51aのカソード端子は直流電圧出力端子Vo(正極側端子)に接続されている。また、直流電源Vinの負極側端子は直流電圧出力端子O(負極側端子)に接続されている。また、直流電圧出力端子Vo(正極側端子)と直流電圧出力端子O(負極側端子)間にはコンデンサC51が接続され、ダイオードD51aとコンデンサC51とで整流平滑回路を構成している。
【0036】
点線枠1dにおける第1スイッチQ1のドレイン端子は、リアクトルL51aの他方の端子とダイオードD51aのアノード端子が接続された接続点に接続され、ダイオードD2のカソード端子は、ダイオードD51aのカソード端子と直流電圧出力端子Voが接続された接続点に接続されている。したがって、原理回路1における電位Vbは、本実施例では直流電圧出力端子Voの正極側端子の電位(Voとする)になっている。また、ダイオードD1のアノード端子と第4スイッチQ4のソース端子とは共通に接続され、直流電源Vinの負極側端子に接続されている。したがって、原理回路1における電位Va’とVb’は、本実施例では直流電源Vinの負極側端子の電位になっている。
【0037】
このように接続された昇圧コンバータ5の動作を、図9のタイミングチャートを参照しながら説明する。図9のタイミングチャートにおける期間T11の先頭に示した時刻t11から、期間T18の末尾に示した時刻t11までの期間が、スイッチング動作の周期Tを示している。
【0038】
(期間T11)
まず、時刻t11において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はオフしている。第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t18時点で(Vin+Vc1)/2の電圧が掛かった状態から時刻t11においてゼロボルトに放電されると、共振リアクトルL1→第1スイッチQ1(MOS・FETではなく第1スイッチQ1の寄生ダイオードに流れる)→ダイオードD51a→コンデンサC51→第4スイッチQ4(MOS・FETではなく第4スイッチQ4の寄生ダイオードに流れる)→共振リアクトルL1の経路で、共振リアクトルL1の励磁エネルギーを放出するように電流が流れる。このとき、共振リアクトルL1の電圧は直流出力電圧Voであり、共振コンデンサC1の電圧はVc1なので、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3には共振リアクトルL1の電圧Voと共振コンデンサC1の電圧Vc1の和の電圧がそれぞれに分圧されて、(Vo+Vc1)/2の電圧が掛かる。
【0039】
(期間T12)
時刻t12において、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のゲート信号をオン信号にすると、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のMOS・FETは電圧がゼロボルト(第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生ダイオードのオン電圧)の状態でオンする。すなわち、このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。期間T12も期間T11と同様、共振リアクトルL1の電圧は直流出力電圧Voであり、共振コンデンサC1の電圧はVc1なので、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3には共振リアクトルL1の電圧Voと共振コンデンサC1の電圧Vc1の和の電圧がそれぞれに分圧されて、(Vo+Vc1)/2の電圧となる。
【0040】
(期間T13)
時刻t3において、ダイオードD51aの電流がゼロアンペアになると、ダイオードD51aの経路が遮断され、代わって直流電源Vin→リアクトルL51a→第1スイッチQ1→共振リアクトルL1→第4スイッチQ4→直流電源Vinの経路でリアクトルL51aが励磁され始め、この経路の電流が増加する。このとき、不図示の第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが放電する。時刻t14で第2スイッチQ2に印加されている電圧はゼロボルトまで低下し、第3スイッチQ3に印加されている電圧は共振コンデンサC1の電圧Vc1まで低下する。
【0041】
(期間T14)
期間T14は、直流電源Vin→リアクトルL51a→第1スイッチQ1→共振リアクトルL1→第4スイッチQ4→直流電源Vinの経路でリアクトルL51aが励磁されて、この経路の電流は増加していく(リアクトルL51a、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の電流は図9のように増加していく)。
【0042】
(期間T15)
時刻t15において第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のゲート信号がオフ信号になると、励磁されたリアクトルL51aがダイオードD51a→コンデンサC51(又は直流電圧出力端子Voに接続された負荷)→直流電源Vin→リアクトルL51aの経路で励磁エネルギーの放出を開始し、コンデンサC51が直流出力電圧Voまで充電される。また、共振リアクトルL1の励磁電流が共振コンデンサC1を充電し始める。期間T15において、不図示の第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが充電される。このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが共振リアクトルL1の励磁エネルギーによって充電されて第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のドレイン・ソース間の電圧が立ち上がるが、その立ち上がり速度は第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の電流遮断動作より遅く、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトの状態でオフする。すなわち、このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
【0043】
(期間T16)
時刻t16で第3スイッチQ3の電圧がゼロボルトまで下がると、第3スイッチQ3(MOS・FETではなく第3スイッチQ3の寄生ダイオード)に電流が流れることができるようになり、共振リアクトルL1→第3スイッチQ3→共振コンデンサC1→第2スイッチQ2→共振リアクトルL1の経路で共振電流が流れる。
【0044】
(期間T17)
時刻t17において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のゲート信号をオン信号にすると第2スイッチQ2と第3スイッチQ3は電圧がゼロボルト(第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードのオン電圧)の状態でオンとなる。すなわち、このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。期間T17では、共振リアクトルL1→第3スイッチQ3→共振コンデンサC1→第2スイッチQ2→共振リアクトルL1の経路で共振回路が継続して形成されている。期間T17の途中において共振電流が反転し第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流の向きが反転するが、反転する時点で共振コンデンサC1は最も高い電圧に充電される。
【0045】
(期間T18)
時刻t18において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のゲート信号をオフ信号にすると、期間T18において、不図示の第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t18のゼロボルトから時刻t11における(Vo+Vc1)/2まで充電される。逆に不図示の第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサは、時刻t18の(Vo+Vc1)/2から時刻t11のゼロボルトまで放電される。このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが共振リアクトルL1の励磁エネルギーによって充電されて第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のドレイン・ソース間の電圧が立ち上がるが、その立ち上がり速度は第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流遮断動作より遅く、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトの状態でオフする。すなわち、このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
【0046】
上記の図9のタイミングチャートは、共振コンデンサC1の電圧が直流出力電圧Voまで充電されない場合を示している。これに対し、図10に示したタイミングチャートは、軽負荷から重負荷といった負荷急変により、共振コンデンサC1の電圧が直流出力電圧Voまで充電された場合を示している。図10のタイミングチャートを図9のタイミングチャートと比較して分かるように、期間T19において、ダイオードD1、D2に電流が流れている点が異なっている。これは、急激な第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオン時間の増大により、共振リアクトルL1の励磁エネルギーが急激に増大し、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオフとともに、励磁エネルギーは第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードを介して共振コンデンサC1を充電したためである。負荷急変により、急激に増えた励磁エネルギーによって共振コンデンサC1の電圧が直流出力電圧Voを超えようとすると、共振コンデンサC1は直流出力電圧Voの電圧を超えようとするエネルギーをダイオードD1、D2を介して放電する。これにより、期間T19の間、共振コンデンサC1は直流出力電圧Voの電圧にクランプされたままとなる。このとき第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4は、(Vo+Vc1)/2=(Vo+Vo)/2=Voとなり、最大Voにクランプされる。その他、期間T13〜期間T14において第3スイッチQ3の電圧がVoに維持されている点が異なっている。
【0047】
(変形例3)
図11は、図8に示した実施例2の昇圧コンバータ5において、共振リアクトルL1とリアクトルL51aを磁気結合させた昇圧コンバータ6とした変形例3を示したものである。点線枠1eは、図1に示した原理回路1に相当する部分を示している。この回路は、共振リアクトルL1をリアクトルL51aと磁気結合した一つのトランスTr4として形成したもので、トランスTr4の一次巻線は、等価的に、リアクトルL51’に磁気結合したインダクタンスL1’と、リアクトルL51’に結合していない漏洩インダクタンスLrからなり、トランスTr4の二次側巻線は励磁巻線L51’からなっていると考えることができる。インダクタンスL1’は、リアクトルL51’に負荷として接続されたインピーダンスを、トランスTr4の巻数比によってトランスTr4の一次側に等化変換したインピーダンスに置き換えて考えることができる。また、リアクトルL51’とインダクタンスL1’に発生する電圧極性は●で示している。このように、リアクトルL51aと共振リアクトルL1を漏洩インダクタンスLrを持つトランスTr4として一つに纏めることができる。この場合も図8の昇圧コンバータ5と同様に共振コンデンサC1は直流出力電圧Voの電圧にクランプされたままとなる。このとき第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4は、(Vo+Vc1)/2=(Vo+Vo)/2=Voにクランプされ、全てのスイッチは直流出力電圧Voを超えることはない。
【実施例3】
【0048】
次に、原理回路1を降圧コンバータに適用した例を実施例3として図12に示した。
図12は原理回路1が適用された降圧コンバータ7の回路構成を示したものであり、点線枠1fで示した部分が、図1の原理回路1に相当する部分である。図1と同じものには同じ符号を付して示している。第4スイッチQ4のソース端子と直流電源Vinの負極側端子間にダイオードD51(還流ダイオードともいう)が接続され、このダイオードD51のカソード端子がリアクトルL51(降圧リアクトル)を介して直流電圧出力端子Vo(正極側端子)が接続され、直流電圧出力端子Voと直流電圧出力端子O(負極側端子)の間にコンデンサC51が接続されている。点線枠1f内の、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4と第2スイッチQ2と第3スイッチQ3、ダイオードD1、D2、共振リアクトルL1、共振コンデンサC1の接続関係は図1と同じなので、その接続関係についての説明は省略する。ダイオードD51とコンデンサC51とで整流平滑回路を構成している。
【0049】
図12において、原理回路1における電位Vaとなる第1スイッチQ1のドレイン端子と、原理回路1における電位VbとなるダイオードD2のカソード端子は共通に接続され、直流電源Vinの正極側端子の電位になっている。
原理回路1における電位Va’となるダイオードD1のアノード端子は、直流電源Vinの負極側端子に接続されている。原理回路1における電位Vb’となる第4スイッチQ4のソース端子はダイオードD51のカソード端子に接続され、ダイオードD51のアノード端子と直流電源Vinの負極側端子とダイオードD1のアノード端子とコンデンサC51の他方の端子と直流電圧出力端子Oとは共通に接続されている。
【0050】
このように接続された降圧コンバータ7の動作を、図13のタイミングチャートを参照しながら説明する。図13のタイミングチャートにおける期間T21の先頭に示した時刻t21から、期間T28の末尾に示した時刻t21までの期間が、スイッチング動作の周期Tを示している。
【0051】
(期間T21)
まず、時刻t21において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はオフしている。また、リアクトルL51→直流電圧出力端子Vo→直流電圧出力端子O→ダイオードD51→リアクトルL51の経路で負荷に電流が流れている。第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t28時点で(Vin+Vc1)/2の電圧が掛かった状態から時刻t21においてゼロボルトに放電されると、共振リアクトルL1→第1スイッチQ1(MOS・FETではなく第1スイッチQ1の寄生ダイオードに流れる)→直流電源Vin→ダイオードD51→第4スイッチQ4→共振リアクトルL1の経路で、共振リアクトルL1の励磁エネルギーを放出するように電流が流れる。この期間T21では、共振リアクトルL1には流れる電流の向きとは逆向きに直流電源Vinの電圧が掛かるので、電流の大きさは減少しながら流れる。
【0052】
(期間T22)
時刻t22において、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のゲート信号をオン信号にすると、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のMOS・FETは電圧がゼロボルト(第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生ダイオードのオン電圧)の状態でオンする。すなわち、このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。期間T22も期間T21と同様、期間T22において共振リアクトルL1は直流出力電圧Voであり、共振コンデンサC1の電圧はVc1であり、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3には共振リアクトルL1の電圧Voと共振コンデンサC1の電圧Vc1の和の電圧に分圧され、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のそれぞれに(Vo+Vc1)/2の電圧が掛かっている。この期間T22は、ダイオードD51の電流がゼロアンペアになるまで続く。
【0053】
(期間T23)
共振リアクトルL1→第1スイッチQ1→直流電源Vin→ダイオードD51→第4スイッチQ4→共振リアクトルL1の経路で流れていた電流が、時刻t23においてゼロアンペアになると、ダイオードD51はオフ状態となり、直流電源Vinの正極側端子→第1スイッチQ1→共振リアクトルL1→第4スイッチQ4→リアクトルL51→直流電圧出力端子Vo→直流電圧出力端子O→直流電源Vinの負極側端子の経路で電流が流れ、共振リアクトルL1とリアクトルL51は励磁され、電流は増加する。この期間T23、コンデンサC51が充電される。また、不図示の第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが放電する。
【0054】
(期間T24)
期間T24は第1スイッチQ1と第4スイッチQ4がオンしているので、共振リアクトルL1には、共振リアクトルL1とリアクトルL51の分圧により(Vin−Vo)*Lr/(Lr+L51)の電圧が掛かり、また、共振コンデンサC1の電圧はVcなので、第2スイッチQ2の電圧は(Vin−Vo)*Lr/(Lr+L51)+Vcまで低下し、第3スイッチQ3の電圧はゼロボルトまで低下する。
【0055】
(期間T25)
時刻t25において第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のゲート信号をオフ信号にすると、励磁されたリアクトルL51がコンデンサC51を直流出力電圧Voまで充電させ、共振リアクトルL1の励磁電流が共振コンデンサC1を充電し始め、また、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の不図示の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサを充電する。また、第2スイッチQ2の不図示の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサの電圧はゼロボルトまで放電する。このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが共振リアクトルL1の励磁エネルギーによって充電されて第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のドレイン・ソース間の電圧が立ち上がるが、その立ち上がり速度は第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の電流遮断動作より遅く、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトの状態でオフする。すなわち、このとき第1スイッチQ1と第4スイッチQ4はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
【0056】
(期間T26)
時刻t26において、第2スイッチQ2の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサの電圧がゼロボルトまで放電すると、共振リアクトルL1からの電流は第2スイッチQ2と第3スイッチQ3に流れる(MOS・FETではなく第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードに流れる)ようになる。これにより、共振リアクトルL1の励磁エネルギーが、共振リアクトルL1→第3スイッチQ3→共振コンデンサC1→第2スイッチQ2→共振リアクトルL1の経路で放出され、共振コンデンサC1を充電する。
【0057】
(期間T27)
時刻t27において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のゲート信号をオン信号にすると、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のMOS・FETは電圧がゼロボルト(第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードのオン電圧)の状態でオンする。すなわち、このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
期間T27の途中において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流の向きが反転するが、電流が反転する時点で共振コンデンサC1は最も高い電圧に充電される。
【0058】
(期間T28)
時刻t28において第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のゲート信号をオフ信号にすると、期間T28において、不図示の第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが、時刻t28のゼロボルトから時刻t21における(Vin+Vc1)/2まで充電される。逆に不図示の第1スイッチQ1と第4スイッチQ4の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサは、時刻t28の(Vin+Vc1)/2から時刻t21におけるゼロボルトに放電される。このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生コンデンサあるいは電圧共振コンデンサが共振リアクトルL1の励磁エネルギーによって充電されて第2スイッチQ2と第3スイッチQ3のドレイン・ソース間の電圧が立ち上がるが、その立ち上がり速度は第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の電流遮断動作より遅く、第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトの状態でオフする。すなわち、このとき第2スイッチQ2と第3スイッチQ3はゼロボルトスイッチング動作(ZVS)となる。
【0059】
上記の図13のタイミングチャートは、共振コンデンサC1の電圧が直流電源電圧Vinまで充電されない場合を示している。これに対し、図14に示したタイミングチャートは、軽負荷から重負荷といった負荷急変により、共振コンデンサC1の電圧が直流電源電圧Vinまで充電された場合を示している。図14のタイミングチャートを図13のタイミングチャートと比較して分かるように、期間T29において、ダイオードD1、D2に電流が流れている。これは、急激な第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオン時間の増大により、共振リアクトルL1の励磁エネルギーが急激に増大し、第1スイッチQ1と第4スイッチQ4のオフとともに、励磁エネルギーは第2スイッチQ2と第3スイッチQ3の寄生ダイオードを介して共振コンデンサC1を充電したためである。負荷急変により、急激に増えた励磁エネルギーによって共振コンデンサC1の電圧が直流電源電圧Vinを超えようとすると、共振コンデンサC1は直流電源電圧Vinの電圧を超えようとするエネルギーをダイオードD1、D2を介して放電する。これにより、期間T29の間、共振コンデンサC1は直流電源電圧Vinの電圧にクランプされたままとなる。このとき第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4は、(Vin+Vc1)/2=(Vin+Vin)/2=Vinとなり、最大Vinにクランプされる。
【0060】
(変形例4)
図15は、図12に示した実施例3の降圧コンバータ7において、共振リアクトルL1とリアクトルL51を磁気結合させた降圧コンバータ8とした変形例4を示したものである。点線枠1gは、図1に示した原理回路1に相当する部分を示している。この回路は、共振リアクトルL1をリアクトルL51と結合して一つのトランスTr5として形成したもので、トランスTr5の一次巻線は、等価的に、リアクトルL51’に磁気結合したインダクタンスL1’と、リアクトルL51’に結合していない漏洩インダクタンスLrからなっている。また、リアクトルL51’とインダクタンスL1’に発生する電圧極性は●で示している。インダクタンスL1’は、リアクトルL51’に負荷として接続されたインピーダンスを、トランスTr5の巻数比によってトランスTr5の一次側に等化変換したインピーダンスとに置き換えて考えることができる。このように、リアクトルL51と共振リアクトルL1を、漏洩インダクタンスLrを持つトランスTr5として一つに纏めることができる。この場合も図12の降圧コンバータ7と同様に共振コンデンサC1は直流電源電圧Vinの電圧にクランプされる。このとき第1スイッチQ1〜第4スイッチQ4は、(Vin+Vc1)/2=(Vin+Vin)/2=Vinにクランプされ、全てのスイッチは直流電源電圧Vinを超えることはない。
【0061】
以上、具体的な実施例により本発明を説明したが、これは例示であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更して実施できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、共振型のスイッチング電源装置に広く利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1・・・原理回路
2・・・フォワードコンバータ
3・・・DC−DCコンバータ
4・・・フライバックコンバータ
5・・・昇圧コンバータ
6・・・昇圧コンバータ
7・・・降圧コンバータ
8・・・降圧コンバータ
1a〜1g・・・原理回路に相当する部分
Q1・・・第1スイッチ
Q2・・・第2スイッチ
Q3・・・第3スイッチ
Q4・・・第4スイッチ
D1、D2、D51、D52、D51a・・・ダイオード
C1・・・共振コンデンサ(共振用キャパシタンス要素)
C51・・・コンデンサ
L1、L1’・・・共振リアクトル(共振用インダクタンス要素)
Lr・・・漏洩インダクタンス
L51、L51’、L51a・・・リアクトル
Lp・・・励磁インダクタンス
Np・・・一次巻線
Ns、Ns1、Ns2・・・二次巻線
Vin・・・直流電源
Vo、O・・・直流電圧出力端子
Tr1〜Tr5・・・トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と第2端子との間に接続され、前記第1端子から前記第2端子に向かって、第1スイッチ、第2スイッチ、第1ダイオードの順に直列に接続された第1直列回路と、
第3端子と第4端子との間に接続され、前記第3端子から前記第4端子に向かって、第2ダイオード、第3スイッチ、第4スイッチの順に直列に接続された第2直列回路と、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとの接続点に接続された第5端子と、
前記第2スイッチと前記第1ダイオードとの接続点に接続された第6端子と、
前記第2ダイオードと前記第3スイッチとの接続点に接続された第7端子と、
前記第3スイッチと前記第4スイッチとの接続点に接続された第8端子と、
を備えたスイッチモジュールであって、
前記第6端子と前記第7端子との間には共振用キャパシタンス要素が接続され、
前記第5端子と前記第8端子との間には共振用インダクタンス要素が接続され、
前記共振用キャパシタンス要素と前記共振用インダクタンス要素とによる直列共振が形成されるように使用されることを特徴とするスイッチモジュール。
【請求項2】
直流電源の正極側端子と負極側端子との間に接続された請求項1に記載のスイッチモジュールと、
前記スイッチモジュールの第6端子と第7端子との間に接続された共振用キャパシタンス要素としての共振コンデンサと、
前記スイッチモジュールの第5端子と第8端子との間に接続された共振用インダクタンス要素としてのトランスの一次巻線と、
前記トランスの一次巻線に接続された前記スイッチモジュールのスイッチのスイッチングにより、前記トランスの二次巻線に発生した電圧を整流平滑し出力電圧として負荷に供給する整流平滑回路と、
を有するフォワードコンバータ又はDC−DCコンバータ又はフライバックコンバータからなる共振型コンバータ装置であって、
前記共振コンデンサと前記トランスの一次巻線とによる直列共振が形成される期間における前記共振コンデンサの電圧は、前記スイッチモジュールの第1ダイオード及び第2ダイオードにより、前記直流電源の電圧にクランプされることを特徴とする共振型コンバータ装置。
【請求項3】
直流電源の正極側端子と負極側端子との間に、昇圧リアクトルを介して接続された請求項1に記載のスイッチモジュールと、
前記スイッチモジュールの第6端子と第7端子との間に接続された共振用キャパシタンス要素としての共振コンデンサと、
前記スイッチモジュールの第5端子と第8端子との間に接続された共振用インダクタンス要素としての共振リアクトルと、
前記共振リアクトルに接続された前記スイッチモジュールのスイッチのスイッチングにより、前記昇圧リアクトルに発生した電圧と前記直流電源の電圧とが加算された電圧を整流平滑し出力電圧として負荷に供給する整流平滑回路と、
を有する昇圧コンバータからなる共振型コンバータ装置であって、
前記共振コンデンサと前記共振リアクトルとによる直列共振が形成される期間における前記共振コンデンサの電圧は、前記スイッチモジュールの第1ダイオード及び第2ダイオードにより、前記整流平滑回路の出力電圧にクランプされることを特徴とする共振型コンバータ装置。
【請求項4】
直流電源の正極側端子と負極側端子との間に接続された請求項1に記載のスイッチモジュールと、
前記スイッチモジュールの第4端子に一端が接続された降圧リアクトルと、
前記スイッチモジュールの第6端子と第7端子との間に接続された共振用キャパシタンス要素としての共振コンデンサと、
前記スイッチモジュールの第5端子と第8端子との間に接続された共振用インダクタンス要素としての共振リアクトルと、
前記共振リアクトルに接続された前記スイッチモジュールのスイッチのスイッチングにより、前記降圧リアクトルに流れる電流を整流平滑し出力電圧として負荷に供給する整流平滑回路と、
を有する降圧コンバータからなる共振型コンバータ装置であって、
前記共振コンデンサと前記共振リアクトルとによる直列共振が形成される期間における前記共振コンデンサの電圧は、前記スイッチモジュールの第1ダイオード及び第2ダイオードにより、前記直流電源の電圧にクランプされることを特徴とする共振型コンバータ装置。
【請求項5】
前記昇圧リアクトルと前記共振リアクトルとは、磁気結合していることを特徴とする請求項3に記載の共振型コンバータ装置。
【請求項6】
前記降圧リアクトルと前記共振リアクトルとは、磁気結合していることを特徴とする請求項4に記載の共振型コンバータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−205785(P2011−205785A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70348(P2010−70348)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】