説明

スイッチロック装置、携帯用コンピュータ、及び電子機器

本発明はアプリケーションスイッチ等のスイッチの誤操作を確実に防止しうるスイッチロック装置、これを用いた携帯用コンピュータ、及び電子機器に関し、表示部が回転可能に取り付けられたコンピュータ本体に設けられたAPスイッチの動作をロックするロック装置を有する携帯用コンピュータにおいて、ロック装置を、APスイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換えるシート部材と、表示部が閉蓋位置に回転することによりシート部材を駆動してAPスイッチをロック状態に切り換える連動機構とを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明はスイッチロック装置、携帯用コンピュータ、及び電子機器に係り、特に蓋体の閉蓋時においてアプリケーションスイッチ等のロックを行なうスイッチロック装置、これを用いた携帯用コンピュータ、及び電子機器に関する。
【背景技術】
例えば、液晶表示装置を備える携帯用の電子機器においては、この液晶表示装置の保護を図るため、また携帯時におけるコンパクト性を高めるため、液晶表示装置が配設された表示装置を装置本体に対して開閉可能な構成としたものがある。
図1は、この種の携帯用電子機器の一例である携帯用コンピュータ50を示している。携帯用コンピュータ50は、ノートブック型パソコンといわれるものであり、大略するとコンピュータ本体部52と表示部53とにより構成されている。
コンピュータ本体部52は、キーボード54を始めとしてCPU,HDD,メモリ,モデム,バッテリ等の種々の機器・装置が配設されている。また近年では、コンピュータ本体部52には、アプリケーションの起動、オーディオ再生、ビデオ再生等の各種制御用スイッチ、及び電源スイッチが配設されている(以下、これらのスイッチを纏めてアプリケーションスイッチ57という)。
このアプリケーションスイッチ57を設けることにより、アプリケーションの起動等を即時にかつ容易に行なうことができため、携帯型コンピュータ50の操作性を高めることができる。また、アプリケーションスイッチ57はコンピュータ本体部52のキーボード54の近傍位置に配設されており、アプリケーションスイッチ57自体の操作性の向上も図られている。
一方、表示部53は、主として液晶表示装置56が配設されている。この表示部53は、コンピュータ本体部52に対して開閉可能な構成とされている。図1は表示部53が、開いた状態を示している。この状態において操作者は液晶表示装置56の表示に基づき、キーボード54を用いて各種の処理を実施する。
上記構成とされた携帯型コンピュータ50は、不使用時(携帯時)においては表示部53を回転させてコンピュータ本体部52と重なるように折り畳む。これにより、携帯用コンピュータ50はコンパクト化され、スペース効率及び携帯性を高めることができる。
しかしながら、表示部53をコンピュータ本体部52に対して開閉可能な構成とした携帯型コンピュータ50は、上記のようにスペース効率及び携帯性を高めることができるものの、仮にアプリケーションスイッチ57上に異物(紙片やクリップ等)が置かれた状態で表示部53をコンピュータ本体部52と重なるように回転させた場合、アプリケーションスイッチ57が異物を介して表示部53により押されてしまう(即ち、操作されてしまう)。
このようにしてアプリケーションスイッチ57が操作された場合、表示部53が閉じられているにも拘わらず、携帯型コンピュータ50の電源が入った状態となったり、またアプリケーションスイッチ57に対応したアプリケーションが誤起動したりしてしまうという問題点があった。また、携帯型コンピュータ50が起動してしまうことによりバッテリの電力消費量が増大し、また表示部53が閉じられた状態で液晶表示装置56のバックライトが点燈するため、バックライトの放熱性が低下してしまい、表示部53及び本体部52が加熱してしまうという問題点も生じる。
また、上記のように表示部53を閉蓋状態へ操作した時に異物によるアプリケーションスイッチ57の押圧を防止するため、または、操作者によるアプリケーションスイッチ57の誤操作を防止するために、アプリケーションスイッチ57をコンピュータ本体52の表面より陥没させた状態で設けることもある。しかし、このような構造では、操作者がアプリケーションスイッチ57を操作する場合にその押圧操作が難しくなってしまい、操作性が低下するという問題点が生じる。
【発明の開示】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決する、スイッチロック装置、携帯用コンピュータ及び電子機器を提供することを総括的な目的としている。
本発明のより詳細な目的は、いわゆるアプリケーションスイッチ等のスイッチの誤操作を確実に防止しうるスイッチロック装置、携帯用コンピュータ及び電子機器を実現することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明は、蓋体が回転可能に取り付けられた本体部に設けられたスイッチであり、当該スイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構と、前記蓋体が閉蓋位置に回転することに連動して前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記切り換え機構を制御する連動機構とを有する構成としたものである。
上記発明によれば、蓋体が閉蓋位置に回転することにより、駆動手段は切り換え機構を駆動してスイッチをロック状態に切り換えるため、蓋体が閉蓋することによりスイッチが誤って操作されることを防止することができる。
また、上記発明に係るスイッチロック装置において、前記連動機構が、前記蓋体の回転に伴い移動するカム部と、移動することにより前記切り換え機構を駆動するアームと、前記カム部の移動を前記アームの移動に変換する変換機構とを有する構成とすることができる。
この発明によれば、蓋体の回転に伴い移動するカム部の動作をアームの動作に変換して切り換え機構を駆動するため、開閉検出装置の構成の簡単化及びコンパクト化を図ることができる。
また、上記発明に係るスイッチロック装置において、更に前記カム部を、前記蓋体と一体的に回転する支軸に形成した凹部により構成することができる。
この発明によれば、カム部は蓋体と一体的に回転する支軸に設けられるため、蓋体の開閉検出の精度を高めることができる。また、カム部を支軸に形成した凹部により構成することにより、支軸に対しカム部を容易に形成することができる。
また、上記発明に係るスイッチロック装置において、更に前記スイッチを、ボタン部と、該ボタン部と対向するよう配設されたスイッチ本体部とにより構成し、かつ、前記切り換え機構を、前記ボタン部と前記スイッチ本体部との間に移動可能に配設されると共に、前記ロック解除状態において前記ボタン部及び前記スイッチ本体部に対向するよう形成された貫通孔を有するシート部材により構成することができる。
この発明によれば、スイッチを構成するボタン部とスイッチ本体部との間に移動可能に配設されたシート部材を移動させるだけの動作で、スイッチのロック及びロック解除を行なうことができるため、簡単かつ確実にスイッチの誤操作を防止することができる。
また、上記発明に係るスイッチロック装置において、前記連動機構が、前記蓋体の回転を検出する回転検出スイッチと、前記切り換え機構を駆動するソレノイドと、前記回転検出スイッチにより前記蓋体がスイッチロック位置に回転したことを検出した際、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記ソレノイドを駆動する制御手段とを有する構成とすることができる。
この発明によれば、回転検出スイッチを用いて蓋体の回転を検出し、この検出結果に基づきソレノイドを用いて電気的にスイッチをロック状態に切り換えるため、閉蓋時におけるスイッチのロックを高い信頼性を持って行なうことができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明は、表示部が回転可能に取り付けられると共にスイッチが設けられたコンピュータ本体部を有する携帯用コンピュータであって、前記スイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構と、前記表示部が閉蓋位置に回転することに連動して、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記切り換え機構を制御する連動機構とを有するよう構成したものである。
上記発明によれば、表示部が閉蓋位置に回転することにより、駆動手段は切り換え機構を駆動してスイッチをロック状態に切り換えるため、表示部が閉蓋することによりスイッチが誤って操作されることを防止することができる。
また、上記発明に係る携帯用コンピュータにおいて、前記連動機構が、前記表示部の回転に伴い移動するカム部と、移動することにより、前記切り換え機構を駆動するアームと、前記カム部の移動を前記アームの移動に変換する変換機構とを有する構成とすることができる。
この発明によれば、表示部の回転に伴い移動するカム部の動作をアームの動作に変換して切り換え機構を駆動するため、開閉検出装置の構成の簡単化及びコンパクト化を図ることができる。
また、上記発明に係る携帯用コンピュータにおいて、前記カム部を、前記表示部と一体的に回転する支軸に形成した凹部により構成することができる。
この発明によれば、カム部は表示部と一体的に回転する支軸に設けられるため、表示部の開閉検出の精度を高めることができる。また、カム部を支軸に形成した凹部により構成することにより、支軸に対しカム部を容易に形成することができる。
また、上記発明に係る携帯用コンピュータにおいて、前記スイッチを、ボタン部と、該ボタン部と対向するよう配設されたスイッチ本体部とにより構成し、かつ、前記切り換え機構を、前記ボタン部と前記スイッチ本体部との間に移動可能に配設されると共に、前記ロック解除状態において前記ボタン部及び前記スイッチ本体部に対向するよう形成された貫通孔を有するシート部材により構成することができる。
この発明によれば、スイッチを構成するボタン部とスイッチ本体部との間に移動可能に配設されたシート部材を移動させるだけの動作で、スイッチのロック及びロック解除を行なうことができるため、簡単かつ確実にスイッチの誤操作を防止することができる。
また、上記発明に係る携帯用コンピュータにおいて、前記連動機構が、前記表示部の回転を検出する回転検出スイッチと、前記切り換え機構を駆動するソレノイドと、前記回転検出スイッチにより前記表示部がスイッチロック位置に回転したことを検出した際、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記ソレノイドを駆動する制御手段とを有する構成とすることができる。
この発明によれば、回転検出スイッチを用いて表示部の回転を検出し、この検出結果に基づきソレノイドを用いて電気的にスイッチをロック状態に切り換えるため、表示部の閉蓋時におけるスイッチのロックを高い信頼性を持って行なうことができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明は、第1筐体が回転可能に取り付けられると共にスイッチが設けられた第2筐体を有する電子機器であって、前記スイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構と、前記第1筐体が閉蓋位置に回転することに連動して、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記切り換え機構を制御する連動機構とを有する構成としたものである。
上記発明によれば、第1筐体が閉蓋位置に回転することにより、駆動手段は切り換え機構を駆動してスイッチをロック状態に切り換えるため、第1筐体が閉蓋することによりスイッチが誤って操作されることを防止することができる。
また、上記発明に係る電子機器において、前記連動機構が、前記第1筐体の回転に伴い移動するカム部と、移動することにより、前記切り換え機構を駆動するアームと、前記カム部の移動を前記アームの移動に変換する変換機構とを有する構成とすることができる。
この発明によれば、第1筐体の回転に伴い移動するカム部の動作をアームの動作に変換して切り換え機構を駆動するため、開閉検出装置の構成の簡単化及びコンパクト化を図ることができる。
また、上記発明に係る電子機器において、前記カム部を、前記第1筐体と一体的に回転する支軸に形成した凹部により構成することができる。
この発明によれば、カム部は第1筐体と一体的に回転する支軸に設けられるため、第1筐体の開閉検出の精度を高めることができる。また、カム部を支軸に形成した凹部により構成することにより、支軸に対しカム部を容易に形成することができる。
また、上記発明に係る電子機器において、前記スイッチを、ボタン部と、該ボタン部と対向するよう配設されたスイッチ本体部とにより構成し、かつ、前記切り換え機構を、前記ボタン部と前記スイッチ本体部との間に移動可能に配設されると共に、前記ロック解除状態において前記ボタン部及び前記スイッチ本体部に対向するよう形成された貫通孔を有するシート部材により構成することもできる。
この発明によれば、スイッチを構成するボタン部とスイッチ本体部との間に移動可能に配設されたシート部材を移動させるだけの動作で、スイッチのロック及びロック解除を行なうことができるため、簡単かつ確実にスイッチの誤操作を防止することができる。
また、上記発明に係る電子機器において、連動機構が、前記第1筐体の回転を検出する回転検出スイッチと、前記切り換え機構を駆動するソレノイドと、前記回転検出スイッチにより前記第1筐体がスイッチロック位置に回転したことを検出した際、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記ソレノイドを駆動する制御手段とを有するよう構成することができる。
この発明によれば、回転検出スイッチを用いて第1筐体の回転を検出し、この検出結果に基づきソレノイドを用いて電気的にスイッチをロック状態に切り換えるため、第1筐体の閉蓋時におけるスイッチのロックを高い信頼性を持って行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより一層明瞭となるであろう。
図1は、従来の一例である携帯用コンピュータを示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施例であるスイッチロック装置を搭載した携帯用コンピュータを示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施例であるスイッチロック装置を拡大して示す斜視図である。
図4は、本発明の第1実施例であるスイッチロック装置を拡大して示す平面図であり、ロック解除状態を示す図である。
図5は、本発明の第1実施例であるスイッチロック装置を拡大して示す平面図であり、ロック状態を示す図である。
図6は、APスイッチの分解斜視図である。
図7は、シート部材を拡大して示す平面図である。
図8は、スイッチロック装置を構成する連動機構の構成及び動作を説明するための図であり、表示部が閉じている状態を示す図である。
図9は、スイッチロック装置を構成する連動機構の構成及び動作を説明するための図であり、表示部が開いている状態を示す図である。
図10は、シート部材の移動を説明するための図であり、ロック状態におけるシート部材を示す図である。
図11は、シート部材の移動を説明するための図であり、ロック解除状態におけるシート部材を示す図である。
図12は、本発明の第2実施例であるスイッチロック装置を拡大して示す平面図であり、ロック解除状態を示す図である。
図13は、本発明の第2実施例であるスイッチロック装置を拡大して示す平面図であり、ロック状態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図2は、本発明の第1実施例である携帯用コンピュータ1を示している。携帯用コンピュータ1は、ノートブック型パソコンといわれるものであり、大略するとコンピュータ本体部2(請求項に記載の本体部、第2筐体に相当)と表示部3(請求項に記載の蓋体、第1筐体に相当)とにより構成されている。
コンピュータ本体部2は、CPU,HDD,メモリ,モデム,バッテリ等の種々の機器・装置が内蔵されている。また、コンピュータ本体2のアッパーケース15上には、キーボード4を始めとしてフラットポイント5,アプリケーションスイッチ35(以下、APスイッチと略称する)等が配設されている。更に、後述するロック装置40も、このコンピュータ本体部2の内部に配設されている。
APスイッチ35は、アプリケーションの起動、オーディオ再生、ビデオ再生等の各種制御用スイッチ、及び電源スイッチが含まれている。APスイッチ35は、通常プッシュスイッチ(押すことにより起動するスイッチ)である。このAPスイッチ35を設けることにより、アプリケーションの起動等を即時にかつ容易に行なうことができたため、携帯型コンピュータ1の操作性を高めることができる。
また、APスイッチ35はコンピュータ本体2のキーボード4の近傍位置に配設されており、APスイッチ35自体の操作性の向上も図られている。しかしながら、APスイッチ35の配設位置は、前記したように、仮に異物が置かれたままで表示部3が閉められた場合には押圧操作がされてしまう可能性がある位置である。
一方、表示部3は、主として液晶表示装置6(背部にバックライトを有する)が配設されている。この表示部3は、支軸7を中心としてコンピュータ本体部2に対して開閉可能な構成とされている。本実施例では、支軸7は表示部3の開閉に伴い、表示部3と一体的に回転する構成とされている。
図2は表示部3が開いた状態を示しており、この状態において操作者は液晶表示装置6の表示に基づきキーボード4を用いて各種の処理を実施する。これに対し、携帯用コンピュータ1の不使用時(携帯時)においては、表示部3を図中矢印Aで示す方向に回転させてコンピュータ本体部2と重なるように折り畳む。これにより、携帯用コンピュータ1はコンパクト化され、スペース効率及び携帯性を高めることができる。
次に、携帯用コンピュータ1に設けられているロック装置40について、図2に加えて図3乃至図11を参照しつつ以下説明する。
ロック装置40は、大略するとAPスイッチ35を動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構を構成するシート部材41と、表示部3が閉蓋位置に回転することによりシート部材41を駆動してAPスイッチ35をロック状態とするロック装置40とにより構成されている。
先ず、ロック装置40及びシート部材41の説明に先立ち、ロック装置40及びシート部材41によりロックが行なわれるAPスイッチ35の構成について説明する。図2,図3,及び図6に示されるように、APスイッチ35はボタン部36とスイッチ本体部37とにより構成されている。
ボタン部36は携帯型コンピュータ1の操作者により操作される部分であり、コンピュータ本体2のアッパーケース15に取り付けられる化粧パネル16に配設されている。ボタン部36は、化粧パネル16に形成された開口16aに上下方向(矢印Z1,Z2方向)に変位可能な構成とされている。また、ボタン部36の下部には、下方に向け突出した突出部38が形成されている。
スイッチ本体部37は、押圧操作されることによりオン/オフ動作を行なうタイプの小型スイッチである。このスイッチ本体部37は、コンピュータ本体2のアッパーケース15に配設される回路基板32に配設されている。前記した化粧パネル16をアッパーケース15に装着した状態で、ボタン部36とスイッチ本体部37は対向するよう構成されている。
具体的には、化粧パネル16をアッパーケース15に装着した状態で、ボタン部36の突出部38は、スイッチ本体部37の操作部37Aと対向するよう構成されている。よって、携帯型コンピュータ1の操作者がボタン部36を押圧操作することにより、突出部38は操作部37Aを押圧し、これによりスイッチ本体部37はオン/オフ動作を行なう構成となっている。
次に、シート部材41について説明する。シート部材41は、例えばアクリル等の樹脂により形成されたシート状の部材である。このシート部材41は、スイッチ本体部37が配設された回路基板32の上部で、かつボタン部36が配設された化粧パネル16の下部に配設されるものである。即ち、シート部材41は、図6に示されるように、ボタン部36とスイッチ本体部37との間に位置するよう配設される(尚、図4及び図5では、シート部材41を一点鎖線で示している)。
このシート部材41は、図7に拡大して示すように、被操作部41A,凹部41B,リブ部41C、及び複数の貫通孔43が形成された構成とされている。被操作部41Aは、後述する連動機構10が係合する部位である。この被操作部41Aを連動機構10により操作されることにより、シート部材41は図中矢印X1,X2方向に移動する構成とされている。また、凹部41Bは、シート部材41がX1,X2方向に移動する際、回路基板32に配設されている回転検出スイッチ14と衝突しないよう設けられている。
また、リブ部41Cはシート部材41の背面側(回路基板32と対向する側)に形成された突起であり、所定の間隔を置いて複数形成されている。このリブ部41Cを設けることにより剛性を高めることができ、よってシート状のシート部材41であってもX1,X2方向に移動させた際に変形することを防止できる。
貫通孔43は、回路基板32上におけるスイッチ本体部37の配設間隔と同間隔で形成されている。この貫通孔43は、本実施例では図6に拡大して示すように、大孔部43Aと小孔部43Bとにより構成されている。大孔部43Aの直径は、ボタン部36に形成された突出部38の直径よりも大きく設定されている。これに対して小孔部43Bは、突出部38よりも小さい形状に設定されている。
従って、シート部材41のX1,X2方向の移動に伴い、ボタン部36の突出部38とスイッチ本体部37の操作部37Aとの間に貫通孔43の小孔部43Bが位置した場合(図10に示す状態)、ボタン部36が押圧操作されても突出部38はシート部材41と当接し、操作部37Aが操作されることはない。即ち、突出部38と操作部37Aとの間に小孔部43Bが位置する場合、APスイッチ35はロックされた状態(ロック状態)となる。
これに対し、シート部材41のX1,X2方向の移動に伴い、突出部38と操作部37Aとの間に貫通孔43の大孔部43Aが位置した場合(図11に示す状態)、大孔部43Aの直径は突出部38の直径よりも大きく設定されているため、ボタン部36が押圧操作されると突出部38は大孔部43Aを挿通して、即ちシート部材41と当接することなく操作部37Aを操作する。即ち、突出部38と操作部37Aとの間に大孔部43Aが位置する場合、APスイッチ35はロックが解除された状態(ロック解除状態)となる。
次に、主に図8及び図9を参照し、ロック装置40を構成する連動機構10について説明する。
図8及び図9は、化粧パネル16,シート部材41,及びカバー板44(図4,図5参照)を取り除いた状態の支軸7近傍を拡大して示す図である。また、図8は表示部3が閉じた状態(APスイッチ35のロック状態)を示しており、図9は表示部3が開いた状態(APスイッチ35のロック解除状態)を示している。
連動機構10は表示部3の開閉状態に連動して、前記したAPスイッチ35をロック状態或いはロック解除状態に切り換える処理を行なうものである。また本実施例では、連動機構10に回転検出スイッチ14が設けられているため、この回転検出スイッチ14からの信号に基づき表示部3が閉じられ時に液晶表示装置6をスリープモードとすることが可能となり、これによりバッテリの不要な電力消費の削減及び液晶表示装置6の不使用時における温度上昇を防止する構成とされている。尚、上記のように液晶表示装置6だけでなく、コンピュータ本体部2のハードウェアの一部または全てをスリープモードにすることも可能である。
連動機構10は、大略するとカム部11,第1のアーム12,第2のアーム13,及び回転検出スイッチ14等により構成されている。カム部11は、支軸7に一体的に形成されている凹部である。従って、このカム部11は、表示部3の開閉に伴い回転する支軸7の回転に伴い回転する。即ち、カム部11は表示部3の開閉に対応して回転する構成となっている。尚、カム部11は凹部により形成されているため、支軸7に容易にカム部11を形成することができる。
このカム部11は、後述するように、表示部3が開蓋した状態(図9参照)において、第1のアーム12と係合するよう構成されている。これに対し、表示部3が閉蓋した状態(図8参照)では、カム部11は第1のアーム12から離間し、支軸7の端部7aと係合(摺接)している。
第1のアーム12は、長孔17、摺接部19、及びレバー部20を一体的に形成した構成とされている。長孔17は、図中矢印Y1,Y2方向に延在する孔であり、この長孔17にはアッパーケース15に形成された案内突起部18が係合している。案内突起部18は平面視した状態で、Y1,Y2方向に延出する長楕円形状を有している。このため、第1のアーム12は案内突起部18に案内されることにより、コンピュータ本体部2上をY1,Y2方向に移動可能な構成とされている。
また、摺接部19は、第1のアーム12の矢印Y1方向端部に形成されている。この摺接部19の先端は、支軸7の端部7aの外周と摺接している。更に、レバー部20は、第1のアーム12の移動方向に対して直行する方向(具体的には、矢印X2方向)に突出するよう形成されている。このレバー部20は、後述する第2のアーム13に形成された傾斜レバー24と協働して増幅機構を構成する。
次に、第2のアーム13について説明する。第2のアーム13は、図中矢印X1,X2方向に長く延在するアームである。この第2のアーム13は、長孔21,22、軸部23,傾斜レバー24,アーム本体26,及びスイッチレバー部30を一体的に形成した構成とされている。
長孔21,22はアーム本体26に形成された孔であり、図中矢印X1,X2方向に延在するよう形成されている。この長孔21,22は、コンピュータ本体部2に形成された案内突起部28,29と係合している。また、案内突起部29,29は平面視した状態で、X1,X2方向に延出する長楕円形状を有している。このため、第2のアーム13は案内突起部28,29に案内されることにより、コンピュータ本体部2のアッパーケース15上をX1,X2方向に移動可能な構成とされている。
軸部23は円柱形状を有しており、アーム本体26よりも細い構成とされている。この軸部23は、アーム本体26のX2方向端部から、更にX2方向に延出するよう形成されている。更に、軸部23は、コンピュータ本体部2に形成された支持部31に移動可能に支持されている。即ち、支持部31には挿通孔が形成されており、軸部23はこの挿通孔に挿通されることにより支持部31に支持された構成とされている。
また,軸部23のX2方向端部には、図4及び図5に示されるように、前記したシート部材41に形成された被操作部41Aが接続した構成とされている。よって、第2のアーム13が図中矢印X1,X2方向に移動すると、これに伴いシート部材41もX1,X2方向に移動する。
また、この支持部31とアーム本体26のX2方向端部の間には、コイルスプリング27が介装されている。このコイルスプリング27は軸部23を挿通するよう配設されており、X2方向端部は支持部31と当接し、X1方向端部はアーム本体26と当接した構成(軸部23はアーム本体26よりも細いため)とされている。コイルスプリング27は圧縮状態でアーム本体26の端部と支持部31との間に介装されている。このため、第2のアーム13は、コイルスプリング27の弾性力により常に矢印X1方向に付勢されている。
一方、第2のアーム13のX1方向端部には、傾斜レバー24が形成されている。この傾斜レバー24は、図中θで示される傾斜(X1方向に向うに従いY2方向に延出する傾斜)を有したレバーである。この傾斜レバー24は、前記した第1のアーム12に形成されたレバー部20と係合する構成とされている。
ところで、前記のように第2のアーム13は、コイルスプリング27の弾性力により矢印X1方向に付勢されており、この付勢力は傾斜レバー24がレバー部20と係合することにより摺接部19にも伝えられている。また、傾斜レバー24は、角度θの傾斜を有しているため、矢印X1方向の上記付勢力は分力され、この分力の一方は第1のアーム12をY1方向に移動させる力として作用する。即ち、コイルスプリング27は、第1のアーム12をY1方向に付勢する作用も奏している。よって、第1のアーム12(具体的には、摺接部19)は、常に支軸7と摺接した状態を維持する。
スイッチレバー部30は、図中矢印Y2方向に突出するよう構成されている。このスイッチレバー部30は、第2のアーム13のX1,X2方向の移動に伴い回転検出スイッチ14のスイッチノブ33と係合し、回転検出スイッチ14をオン/オフする機能を奏する。
回転検出スイッチ14は、コンピュータ本体部2に配設された回路基板32に固定されている。この回転検出スイッチ14は、スイッチノブ33を操作されることによりオン/オフするスイッチである。本実施例では、表示部3が閉蓋しているとき(図4,図8に示す状態のとき)には、スイッチノブ33がスイッチレバー部30から離間し、回転検出スイッチ14がオフするよう構成されている。また、表示部3が開蓋したとき(図5,図9に示す状態のとき)には、スイッチノブ33がスイッチレバー部30と係合し回転検出スイッチ14がオンするよう構成されている。
続いて、上記構成とされたロック装置40の動作について説明する。
先ず、図5及び図9に示される表示部3が開蓋された状態におけるロック装置40に注目する。表示部3が開蓋された状態では、連動機構10を構成する第1のアーム12の摺接部19は、支軸7に形成されたカム部11内に位置した構成となっている。即ち、第1のアーム12は、図中矢印Y1方向に移動した状態となっている。
また、第2のアーム13も矢印X1方向に移動した状態となっており、これによりスイッチレバー部30は回転検出スイッチ14のスイッチノブ33を押圧操作した状態となっている。即ち、回転検出スイッチ14はオンした状態となっている。
更に、第2のアーム13が矢印X1方向に移動した状態であることにより、第2のアーム13の軸部23に接続されたシート部材41もX1方向に移動した状態となっている。このように、シート部材41がX1方向に移動すると、図11に拡大して示すように、シート部材41に形成された貫通孔43の大孔部43Aが、APスイッチ35を構成するボタン部36(突出部38)とスイッチ本体部37(操作部37A)との間に位置したロック解除状態となる。
前記したように、大孔部43Aの直径は突出部38の直径よりも大きく設定されている。このため、携帯型コンピュータ1の操作者がボタン部36を押圧操作した場合、突出部38は大孔部43Aを挿通して、即ちシート部材41と当接することなく操作部37Aを操作し、よってAPスイッチ35はオンとすることができる。従って、表示部3が開蓋した状態では、自由にAPスイッチ35の操作を行なうことができ、アプリケーション等の起動を操作性よく容易に行なうことができる。
続いて、表示部3が上記した開蓋状態から閉蓋状態に回転するときのロック装置40の動作について説明する。
表示部3が開蓋状態から閉蓋動作を開始すると、この動作に伴い支軸7は回転し、この支軸7の回転に伴いカム部11は第1のアーム12(摺接部19)から離間するように移動する。そして、表示部3が完全に閉蓋する閉蓋直前位置まで回転した状態において、支軸7に形成されたカム部11は第1のアーム12から完全に離間する。
ここで、閉蓋直前位置とは、異物がコンピュータ本体2上に誤って置かれたままの状態で表示部3を閉蓋した際に、表示部3が異物と当接する位置をいう。尚、この閉蓋直前位置は、経験的或いは実験的に予め求められるものである。
上記のように、支軸7の回転に伴いカム部11(凹部である)が第1のガイドレール12から離間することにより、摺接部19は支軸7の外周(カム部11の形成位置以外の外周)と摺接することとなる。これにより、支軸7の回転は第1のアーム12の直線運動に変換され、第1のアーム12は図中矢印Y2方向に移動する。
第1のアーム12がY2方向に移動することにより、第1のアーム12に一体的に形成されているレバー部20もY2方向に直線的に移動する。前記したように、レバー部20には傾斜角θの傾斜レバー24が係合しているため、レバー部20がY2方向に移動することにより、第2のアーム13はコイルスプリング27の弾性力に抗して図中矢印X2方向に移動を行なう。
第2のアーム13がX2方向に移動することにより、第2のアーム13に一体的に形成されているスイッチレバー部30もX2方向に移動し、よってスイッチレバー部30は回転検出スイッチ14のスイッチノブ33から離間する(図8参照)。これにより、回転検出スイッチ14はオフ状態とされ、回転検出スイッチ14の出力より表示部3が閉じられたことを検出することができる。
本実施例では、この回転検出スイッチ14からの信号に基づき表示部3が閉じられ時に液晶表示装置6をスリープモードとする構成としている。これにより、バッテリの不要な電力消費の削減及び液晶表示装置6の不使用時における温度上昇を防止することができる。
尚、第1のアーム12と第2のアーム13が係合する位置、即ちレバー部20と傾斜レバー24との係合位置では、傾斜レバー24に傾斜角θの傾斜が設けられているため、レバー部20がY1,Y1方向に移動すると、第2のアーム13はX1,X2方向に移動を行なう。即ち、レバー部20と傾斜レバー24との係合位置は、第1のアーム12の移動方向(Y1,Y2方向)を、第2のアーム13の移動方向(X1,X2方向)に変換する移動方向変更機構として機能する。
この際、傾斜レバー24の傾斜角θを変化させることにより、第1のアーム12の移動量に対する第2のアーム13の移動量を変化させることができる。具体的には、傾斜レバー24の傾斜角θを小さくすると、第1のアーム12の移動量に対する第2のアーム13の移動量を大きくすることができる。即ち、レバー部20と傾斜レバー24は、第1のアーム12の移動量に対し第2のアーム13の移動量を増幅しうる増幅機構としても機能する。
これにより、カム部11の深さが小さくしか取れず、これに伴い第1のアーム12の変位量が小さいような場合であっても、この増幅機構を利用することにより、第2のアーム13の移動量を大きくすることができる。よって、カム部11による第1のアーム12の移動量が小さくても、確実に回転検出スイッチ14を操作することが可能となり、表示部3の開閉の検出精度を高めることができる。
更に、第2のアーム13が矢印X2方向に移動することにより、第2のアーム13の軸部23に接続されたシート部材41もX2方向に移動する。このように、シート部材41がX2方向に移動すると、図10に拡大して示すように、シート部材41に形成された貫通孔43も移動し、前記の閉蓋直前位置に達した状態において、貫通孔43の小孔部43BはAPスイッチ35を構成するボタン部36(突出部38)とスイッチ本体部37(操作部37A)との間に位置した状態となる。
前記したように、小孔部43Bは突出部38よりも小さいため、ボタン部36が押圧操作された場合であっても、突出部38はシート部材41と当接し操作部37Aを操作することはない。よって、APスイッチ35は、操作者がボタン部36を押圧操作してもオンすることができないロック状態となる。
このように、表示部3が閉蓋直前位置まで回転することにより、ロック装置40はAPスイッチ35をロック解除状態からロック状態に切り換える。これにより、仮にコンピュータ本体2に異物が置かれていたとしても、閉蓋動作に伴い異物を介してAPスイッチ35のボタン部36が押圧されても、APスイッチ35がオンとなるようなことはない。
よって、表示部3の閉蓋時において携帯型コンピュータ1の電源が入ってしまったり、またアプリケーションが誤起動したりしてしまうことを確実に防止することができる。また、携帯型コンピュータ1の誤起動が防止できるため、バッテリの不要電力消費を防止でき、またバックライトの点燈に伴い表示部53及び本体部52が加熱されることも防止できる。
また、本実施例ではAPスイッチ35を構成するボタン部36とスイッチ本体部37との間にシート部材41を配設し、これを連動機構10により駆動する構成であるため、APスイッチ35のロック及びロック解除を簡単な構成で実現することができる。
また、上記のようにシート部材41を移動させるために、本実施例では表示部3の回転に伴い移動するカム部11を利用している。このため、シート部材41をロック位置とロック解除位置との間で移動させる機構の簡単化及びコンパクト化を図ることができる。更に、カム部11は表示部3と一体的に回転する支軸7に設けられるため、表示部3の開閉検出精度を高めることができる。
更に、本発明のロック機構4により、APスイッチ35をコンピュータ本体部2の表面より陥没した状態で設けなくても異物または操作者によるAPスイッチ35の誤操作を防止できるので、APスイッチ35の表面部分をコンピュータ本体部2の表面と同面にすることができ、APスイッチ35の操作性を向上することが可能である。
続いて、本発明の第2実施例について説明する。
図12及び図13は、本発明の第2実施例である携帯型コンピュータを示している。同図では、携帯型コンピュータの内、化粧パネル16等を取り除いた状態におけるロック装置40の近傍位置を拡大して示している。尚、図12及び図13において、先の説明に使用した図2乃至図11と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
前記した第1実施例に係るロック装置40では、シート部材41を駆動する連動機構10として、カム部11,第1のアーム12,及び第2のアーム13等を用いた機械的機構により支軸7の回転を検出し、表示部3が閉蓋直前位置まで回転した時点でシート部材41をロック解除位置からロック位置に移動させる構成としていた。
これに対して本実施例では、回転検出スイッチ14を用いて支軸7の回転状態を検出すると共に、シート部材41をソレノイド45により図中矢印X1,X2方向に移動するよう駆動する構成としたことを特徴とするものである。ソレノイド45は電流を流すことにより、駆動ピン46を図中矢印X1,X2方向に伸縮動作する構成とされている。また、駆動ピン46は、シート部材41のX1方向端部に形成された被操作部41Aに接続された構成となっている。
本実施例においても、表示部3が閉蓋方向に回転することにより、連動機構10を介して第2のアーム13は矢印X2方向に移動する。この第2のアーム13の移動に伴いスイッチレバー部30もX2方向に移動するが、スイッチレバー部30が回転検出スイッチ14のスイッチノブ33から離間するタイミングを、本実施例では表示部3(支軸7)が閉蓋直前位置まで回転した時となるよう設定している。これにより、表示部3が閉蓋直前位置まで回転したことを回転検出スイッチ14により検出することが可能となる。
回転検出スイッチ14及びソレノイド45は、図示しない制御装置に接続されており、この制御装置は回転検出スイッチ14からオフ信号が供給された際、ソレノイド45を駆動制御し、駆動ピン46を伸長(X2方向に移動)させる。これにより、駆動ピン46に接続されたシート部材41もX2方向に移動し、第1実施例と同様に、シート部材41に形成された貫通孔43の小孔部43Bがボタン部36と操作部37Aとの間に位置した状態となる。これにより、APスイッチ35はロック装置40により、ロック解除状態からロック状態に切り換えられる。
従って本実施例においても、仮にコンピュータ本体2に異物が置かれていたとしても、閉蓋動作に伴い異物を介してAPスイッチ35のボタン部36が押圧されても、APスイッチ35がオンとなるようなことはない。
よって、表示部3の閉蓋時において携帯型コンピュータ1の電源が入ってしまったり、またアプリケーションが誤起動したりしてしまうことを確実に防止することができる。また、携帯型コンピュータ1の誤起動が防止できるため、バッテリの不要電力消費を防止でき、またバックライトの点燈に伴い表示部53及び本体部52が加熱されることも防止できる。
更に、本実施例では、回転検出スイッチ14を用いて表示部3の回転を検出し、この検出結果に基づきソレノイド45を用いて電気的にAPスイッチ35をロック状態に切り換えるため、高い信頼性を持ってAPスイッチ35の切り換え処理を行なうことができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体が回転可能に取り付けられた本体部に設けられたスイッチであり、当該スイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構と、
前記蓋体が閉蓋位置に回転することに連動して、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記切り換え機構を制御する連動機構とを有することを特徴とするスイッチロック装置。
【請求項2】
請求項1記載のスイッチロック装置において、
前記連動機構は、
前記蓋体の回転に伴い移動するカム部と、
移動することにより、前記切り換え機構を駆動するアームと、
前記カム部の移動を前記アームの移動に変換する変換機構とを有することを特徴とするスイッチロック装置。
【請求項3】
請求項2記載のスイッチロック装置において、
前記カム部を、前記蓋体と一体的に回転する支軸に形成した凹部により構成したことを特徴とするスイッチロック装置。
【請求項4】
請求項1記載のスイッチロック装置において、
前記スイッチを、ボタン部と、該ボタン部と対向するよう配設されたスイッチ本体部とにより構成し、
かつ、前記切り換え機構を、前記ボタン部と前記スイッチ本体部との間に移動可能に配設されると共に、前記ロック解除状態において前記ボタン部及び前記スイッチ本体部に対向するよう形成された貫通孔を有するシート部材により構成したことを特徴とするスイッチロック装置。
【請求項5】
請求項1記載のスイッチロック装置において、
前記連動機構は、
前記蓋体の回転を検出する回転検出スイッチと、
前記切り換え機構を駆動するソレノイドと、
前記回転検出スイッチにより前記蓋体がスイッチロック位置に回転したことを検出した際、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記ソレノイドを駆動する制御手段とを有することを特徴とするスイッチロック装置。
【請求項6】
表示部が回転可能に取り付けられると共にスイッチが設けられたコンピュータ本体部を有する携帯用コンピュータであって、
前記スイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構と、
前記表示部が閉蓋位置に回転することに連動して、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記切り換え機構を制御する連動機構とを有することを特徴とする携帯用コンピュータ。
【請求項7】
請求項6記載の携帯用コンピュータにおいて、
前記連動機構は、
前記表示部の回転に伴い移動するカム部と、
移動することにより、前記切り換え機構を駆動するアームと、
前記カム部の移動を前記アームの移動に変換する変換機構とを有することを特徴とする携帯用コンピュータ装置。
【請求項8】
請求項7記載の携帯用コンピュータにおいて、
前記カム部を、前記表示部と一体的に回転する支軸に形成した凹部により構成したことを特徴とする携帯用コンピュータ。
【請求項9】
請求項6記載の携帯用コンピュータにおいて、
前記スイッチを、ボタン部と、該ボタン部と対向するよう配設されたスイッチ本体部とにより構成し、
かつ、前記切り換え機構を、前記ボタン部と前記スイッチ本体部との間に移動可能に配設されると共に、前記ロック解除状態において前記ボタン部及び前記スイッチ本体部に対向するよう形成された貫通孔を有するシート部材により構成したことを特徴とする携帯用コンピュータ。
【請求項10】
請求項6記載の携帯用コンピュータにおいて、
前記連動機構は、
前記表示部の回転を検出する回転検出スイッチと、
前記切り換え機構を駆動するソレノイドと、
前記回転検出スイッチにより前記表示部がスイッチロック位置に回転したことを検出した際、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記ソレノイドを駆動する制御手段とを有することを特徴とする携帯用コンピュータ。
【請求項11】
第1筐体が回転可能に取り付けられると共にスイッチが設けられた第2筐体を有する電子機器であって、
前記スイッチを動作可能なロック解除状態と動作不能なロック状態とに切り換える切り換え機構と、
前記第1筐体が閉蓋位置に回転することに連動して、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記切り換え機構を制御する連動機構とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項12】
請求項11記載の電子機器において、
前記連動機構は、
前記第1筐体の回転に伴い移動するカム部と、
移動することにより、前記切り換え機構を駆動するアームと、
前記カム部の移動を前記アームの移動に変換する変換機構とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項13】
請求項12記載の電子機器において、
前記カム部を、前記第1筐体と一体的に回転する支軸に形成した凹部により構成したことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項11記載の電子機器において、
前記スイッチを、ボタン部と、該ボタン部と対向するよう配設されたスイッチ本体部とにより構成し、
かつ、前記切り換え機構を、前記ボタン部と前記スイッチ本体部との間に移動可能に配設されると共に、前記ロック解除状態において前記ボタン部及び前記スイッチ本体部に対向するよう形成された貫通孔を有するシート部材により構成したことを特徴とする電子機器。
【請求項15】
請求項11記載の電子機器において、
前記連動機構は、
前記第1筐体の回転を検出する回転検出スイッチと、
前記切り換え機構を駆動するソレノイドと、
前記回転検出スイッチにより前記第1筐体がスイッチロック位置に回転したことを検出した際、前記スイッチを前記ロック状態に切り換えるよう前記ソレノイドを駆動する制御手段とを有することを特徴とする電子機器。

【国際公開番号】WO2005/017725
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【発行日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507759(P2005−507759)
【国際出願番号】PCT/JP2003/010379
【国際出願日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】