説明

スイッチング制御装置及び半導体集積回路装置

【課題】 インバータ回路に供給される高電位電源電圧に応じて、パワーMOSトランジスタやIGBTなどのスイッチング素子の立ち上がり時間及び立ち下り時間を制御する。
【解決手段】 半導体集積回路装置20はスイッチング制御装置1及びインバータ回路7から構成され、スイッチング制御装置1はゲート駆動回路5a、5b、電源電圧監視回路13、スイッチング制御回路14a、及びスイッチング制御回路14bから構成されている。外部AC電源が所定以上の高電圧の場合、ゲート制御回路から出力されるゲート制御信号Vgaがゲート制御信号傾き調整手段16を介してゲート駆動回路5aに出力される。このため、IGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きが、外部AC電源が所定の電圧の場合のゲート制御信号の傾きよりもなだらかになり、外部AC電源が所定以上の高電圧の場合にIGBT8aの立ち上がり時間及び立ち下がり時間を長くできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング制御装置に係り、特にインバータ回路を構成するパワーMOSトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を制御するスイッチング制御装置及び半導体集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電鉄、発電、及び電気自動車などのAC、DCモータの制御、或いは家庭用電気機器の制御等にインバータ回路が用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。この非特許文献では、インバータ回路にAC電源から整流ダイオードなどのコンバータを介して供給されるP側高電位電源電圧及びN側高電位電源電圧が印加され、インバータ回路のスイッチング制御に用いられるIGBTのゲートに、ゲート制御回路を介してマイコンからの制御信号が入力される。この制御信号によりIGBTはオン・オフ動作をする。
【0003】
ところが、AC電源から供給される高電位電源電圧に応じてこの制御信号の立ち上がり時間及び立ち下り時間の制御を行っていないので、この高電位電源電圧が所定の電圧よりも急激に上昇した場合、IGBTのターンオン時やターンオフ時に発生するサージ電圧や過剰電流などでIGBTやリカバリーダイオードが劣化又は破壊する問題点がある。
【0004】
一方、所定の電圧よりも急激に高電位電源電圧が上昇した場合にIGBTやリカバリーダイオードの劣化又は破壊を防止するために、制御信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を通常よりも長く設定する場合、IGBTのターンオン時間やターンオフ時間が長くなりスイッチングロスが発生する問題点がある。
【非特許文献1】CQ出版社[トランジスタ技術 SPECIAL No.54、特集パワー・エレクトロニクス入門]1996年4月1日発行(P155、図16−4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、インバータ回路に供給される高電位電源電圧に応じて、パワーMOSトランジスタやIGBTなどのスイッチング素子の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を制御するスイッチング制御装置及び半導体集積回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様のスイッチング制御装置は、電源に接続され、前記電源電圧を監視し、前記電源電圧が所定の電圧より大きい場合、所定の電圧値と異なる信号を出力する電源電圧監視回路と、前記電源電圧監視回路から出力される信号及びゲート制御信号を入力し、前記電源電圧が所定の電圧よりも大きい場合、ゲート制御信号傾き調整手段により、前記電源が所定の電圧のときと比較して前記ゲート制御信号の立ち上がり時間若しくは立ち下がり時間を長くして出力するスイッチング制御回路とを具備することを特徴とする。
【0007】
更に、上記目的を達成するために、本発明の一態様の半導体集積回路装置は、請求項1、2、3又は4に記載のスイッチング制御装置と、前記電源電圧が印加され、前記スイッチング制御回路から出力された前記ゲート制御信号が入力され、オン・オフ動作するスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオン時に電力を出力するインバータ回路と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インバータ回路に供給される高電位電源電圧に応じて、パワーMOSトランジスタやIGBTなどのスイッチング素子の立ち上がり時間及び立ち下がり時間を制御するスイッチング制御装置及び半導体集積回路装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、本発明の実施例1に係るスイッチング制御装置及び半導体集積回路装置について、図面を参照して説明する。図1は半導体集積回路装置を示す回路図、図2はスイッチング制御回路を示すブロック図である。本実施例では、インバータ回路から出力された電力は出力端子を介して3相モータに供給されるが、インバータ回路の内U相部分のみ図示及び説明し、V相及びW相部分については説明を省略する。
【0011】
図1に示すように、半導体集積回路装置20は、スイッチング制御装置1及びインバータ回路7から構成されている。スイッチング制御装置1は、ゲート駆動回路5a、ゲート駆動回路5b、電源電圧監視回路13、スイッチング制御回路(第1のスイッチング制御回路)14a、及びスイッチング制御回路(第2のスイッチング制御回路)14bから構成されている。そして、半導体集積回路装置20には、外部AC電源から整流ダイオードなどのコンバータを介してP側高電位電源VP、N側高電位電源VNが供給される。
【0012】
インバータ回路7は、IGBT8a、IGBT8b、及びリカバリーダイオード9a、リカバリーダイオード9bから構成されている。IGBT8aは、コレクタがP側高電位電源VPに接続され、エミッタがIGBT8bのコレクタに接続され、ゲートに入力されたゲート制御信号によりオン・オフする。IGBT8bは、エミッタがN側高電位電源VNに接続され、ゲートに入力されたゲート制御信号によりオン・オフする。リカバリーダイオード9aは、カソードがIGBT8aのコレクタに接続され、アノードがIGBT8aのエミッタに接続されている。リカバリーダイオード9bは、カソードがIGBT8bのコレクタに接続され、アノードがIGBT8bのエミッタに接続されている。インバータ回路7の出力信号は、IGBT8aのエミッタとIGBT8bのコレクタの接続ノードから出力端子Outを介して出力される。
【0013】
電源電圧監視回路13は、P側高電位電源VP及びN側高電位電源VNに接続され、P側高電位電源VP及びN側高電位電源VNの電圧値を監視し、電源電圧監視回路から出力される電圧Vw1をスイッチング制御回路14aに出力し、電源電圧監視回路から出力される電圧Vw2をスイッチング制御回路14bに出力する。
【0014】
スイッチング制御回路14aには、ゲート制御回路12を介してマイコン11からゲート制御回路から出力されるゲート制御信号Vgaが入力される。一方、スイッチング制御回路14bには、ゲート制御回路12を介してマイコン11からゲート制御回路から出力されるゲート制御信号Vgbが入力される。
【0015】
図2に示すように、スイッチング制御回路14a、スイッチング制御回路14bは、スイッチ回路15、ゲート制御信号傾き調整手段16、及びインバータ17を有し、スイッチ回路15は、第1のスイッチ15a、第2のスイッチ15bを有している。
【0016】
次に、スイッチング制御回路のゲート制御信号波形について図3を参照して説明する。図3は、スイッチング制御装置のタイミングチャートである。ここでは、P側高電位電源VP側の動作について説明し、N側高電位電源VN側の動作については説明を省略する。
【0017】
図3に示すように、まず、ゲート制御回路から出力されるゲート制御信号Vga及び電源電圧監視回路から出力される電圧Vw1がスイッチング制御回路14aに入力される。ここで、電源電圧監視回路13は、外部AC電源が所定の高電圧(設定電圧)の場合、“Low”レベルの信号をスイッチング制御回路14aに出力し、高電位電源が所定以上の高電圧の場合、“High”レベルの信号をスイッチング制御回路14aに出力する。
【0018】
次に、電源電圧監視回路から出力される電圧Vw1が“Low”レベルの時、第1のスイッチ15aに“High”の信号が入力され、第1のスイッチ15aがオンし、第2のスイッチ15bに“Low”の信号が入力され、第2のスイッチ15bがオフし、ゲート制御回路から出力されるゲート制御信号Vgaをゲート駆動回路5aに出力する。そして、スイッチング制御回路から出力されるゲート制御信号Vga1がゲート駆動回路5aに入力され、ゲート駆動回路5aからIGBTに入力されるゲート制御信号Vg11がIGBT8aのゲートに入力される。このため、IGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きA(ターンオン側)及び傾きB(ターンオフ側)は比較的急峻になる。
【0019】
一方、電源電圧監視回路から出力される電圧Vw1が“High”レベルの時、第1のスイッチ15aに“Low”の信号が入力され、第1のスイッチ15aがオフし、第2のスイッチ15bに“High”の信号が入力され、第2のスイッチ15bがオンし、ゲート制御回路から出力されるゲート制御信号Vgaがゲート制御信号傾き調整手段16を介してゲート駆動回路5aに出力される。そして、スイッチング制御回路から出力されるゲート制御信号Vga1がゲート駆動回路5aに入力され、ゲート駆動回路5aからIGBTに入力されるゲート制御信号Vg11がIGBT8aのゲートに入力される。このため、IGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きC(ターンオン側)及び傾きD(ターンオフ側)はゲート制御信号傾き調整手段16により傾きA及び傾きBと比較してなだらかになる。ここで、ゲート制御信号傾き調整手段16はIGBT8a、IGBT8bの立ち上がり時間(tr)及び立ち下り時間(tf)を長くするために抵抗、容量、或いはCR回路を用いる。なおゲート制御信号傾き調整手段16は通常スイッチング制御装置内に組み込まれているが、スイッチング制御装置外部から例えば抵抗を入れ替えて立ち上がり時間(tr)や立ち下がり時間(tf)を可変させることも可能である。
【0020】
次に、インバータ回路を構成するIGBTの動作について、図4乃至図6を参照して説明する。図4はIGBTの動作説明図、図5はターンオン時でのIGBTの動作を示す図、図5(a)は従来のターンオン時でのIGBTの動作を示す図、図5(b)は本実施例のターンオン時でのIGBTの動作を示す図、図6はターンオフ時でのIGBTの動作を示す図、図6(a)は従来のターンオフ時でのIGBTの動作を示す図、図6(b)は本実施例のターンオフ時でのIGBTの動作を示す図である。なお、図5及び図6に示す実線は高電圧電源の通常印加時の特性であり、破線は高電圧電源の過電圧印加時の特性であり、従来のIGBTでは高電位電源電圧によらずゲート抵抗は一定な値に設定されている。
【0021】
図4に示すように、IGBT8aのゲートに“High”レベルのゲート制御信号が入力されると、IGBT8aはオンして、電力を出力端子Outを介して外部に出力する。この時IGBT8aのコレクタとエミッタ間電圧Vceは、飽和電圧まで降下する。一方、ゲートに“Low”レベルのゲート制御信号が入力されると、IGBT8aはオフしてコレクタとエミッタ間電圧Vceは、P側高電位電源VPまで上昇する。
【0022】
図5に示すように、従来では、昇圧時や回生時等、高電位電源電圧が上昇してIGBT8aのコレクタとエミッタ間電圧Vceが上昇した場合、ゲートに“High”レベルの制御信号が入力されてIGBT8aがオンすると、高電位電源が所定の電圧の時よりもコレクタ電流Icのオーバーシュートが大きくなる。このため、このオーバーシュート電流とコレクタとエミッタ間電圧Vceの積(過剰な電力)により、リカバリーダイオード9aは劣化又は破壊しやすい。
【0023】
一方、本実施例では、高電位電源電圧が上昇してIGBT8aのコレクタとエミッタ間電圧Vceが上昇した場合、ゲート制御信号傾き調整手段16によりIGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きがなだらかになり、ゲートに“High”レベルのゲート制御信号が入力されてIGBT8aがオンしてもIGBT8aの立ち上がり時間(tr)を長くすることができ、コレクタ電流Icのオーバーシュートを外部AC電源が所定の電圧の時と同等レベルに抑制することができる。このため、リカバリーダイオード9aの劣化又は破壊を抑制することができる。
【0024】
図6に示すように、従来では、昇圧時や回生時等、高電位電源電圧が上昇してIGBT8aのコレクタとエミッタ間電圧Vceが上昇した場合、ゲートに“Low”レベルのゲート制御信号が入力されてIGBT8aがオフすると、コレクタとエミッタ間電圧Vceが過電圧印加時(高電位電源電圧が上昇した時の電圧)よりも更に上昇する。このため、IGBT8aは劣化又は破壊する。一方、本実施例では、高電位電源電圧が上昇してIGBT8aのコレクタとエミッタ間電圧Vceが上昇した場合、ゲート制御信号傾き調整手段16によりIGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きがなだらかになり、ゲートに“Low”レベルのゲート制御信号が入力されてIGBT8aがオフしてもIGBT8aの立ち下がり時間(tf)を長くすることができ、コレクタとエミッタ間電圧Vceの上昇を抑制することができる。このため、IGBT8aの劣化又は破壊を抑制することができる。
【0025】
ここで、P側高電位電源VPが印加されるIGBT8aについて説明したが、N側高電位電源VNが印加されるIGBT8bも同様に、IGBT8b及びリカバリーダイオード9bの劣化又は破壊を抑制することができる。
【0026】
上述したように、本実施例の半導体集積回路装置では、P側高電位電源VP及びN側高電位電源VNに接続され、P側高電位電源VP及びN側高電位電源VNの電圧値を監視する電源電圧監視回路13が設けられ、スイッチ回路15及びゲート制御信号傾き調整手段16を有するスイッチング制御回路14a、スイッチング制御回路15bが設けられている。そして、高電位電源が所定以上の高電圧の場合、電源電圧監視回路13から出力された信号が“High”レベルとなり、第2のスイッチ15bがオンし、ゲート制御回路12から出力された制御信号がゲート制御信号傾き調整手段16を介してゲート駆動回路5a、ゲート駆動回路5bに出力される。このため、外部AC電源が所定以上の高電圧の場合、IGBT8a、IGBT8bの立ち上がり時間(tr)及び立ち下がり時間(tf)を高電位電源が所定の電圧のときと比較して長くすることができ、IGBT8a、IGBT8b及びリカバリーダイオード9a、リカバリーダイオード9bの劣化又は破壊を抑制することができる。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明の実施例2に係るスイッチング制御装置及び半導体集積回路装置について、図面を参照して説明する。図7は半導体集積回路装置を示す回路図である。
【0028】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0029】
図7に示すように、半導体集積回路装置20aは、スイッチング制御装置1a及びインバータ回路7から構成されている。スイッチング制御装置1aは、ゲート駆動回路5a、ゲート駆動回路5b、レベルシフト回路6、Nch MOSトランジスタ(第1のトランジスタ)N1、Nch MOSトランジスタ(第2のトランジスタ)N2、ダイオードD1、ダイオードD2、ゲート抵抗R3乃至ゲート抵抗R6、及び電源電圧監視回路13aから構成されている。そして、半導体集積回路装置20aには、外部AC電源から整流ダイオードなどのコンバータを介してP側高電位電源VP、N側高電位電源VNが供給される。ここで、ゲート抵抗R3乃至ゲート抵抗R6は、ゲート制御信号傾き調整手段として、IGBTの立ち下がり時間(tf)の制御を行う。
【0030】
電源電圧監視回路13aは、電圧検出部2、コンパレータ3、及び基準電源4から構成されている。なお、ゲート駆動回路5a、ゲート駆動回路5b、レベルシフト回路6、Nch MOSトランジスタN1、Nch MOSトランジスタN2、ダイオードD1、ダイオードD2、及びゲート抵抗R3乃至ゲート抵抗R6はスイッチング制御回路として動作する。
【0031】
電圧検出部2は、電圧検出抵抗R1、R2から構成されている。電圧検出抵抗R1は、一端がP側高電位電源VPに接続され、他端が電圧検出抵抗R2に接続されている。電圧検出抵抗R2は、他端がN側高電位電源VNに接続されている。
【0032】
コンパレータ3は、電圧検出部2で分圧され、電圧検出抵抗R1とR2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrと、N側高電位電源VNとの間に設けられた基準電源4から出力される基準電圧Vrefとを入力し、比較増幅する。そして、比較増幅された信号はレベルシフト回路6及びNch MOSトランジスタN2のゲートに出力される。ここで、高電位電源が所定の電圧の場合、接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrが基準電圧Vrefよりも低電圧になりコンパレータ3は比較増幅した信号を出力し、高電位電源が所定以上の高電圧の場合、接続ノードから出力される電圧が基準電圧Vrefよりも高電圧になり、コンパレータ3は出力信号を出力するのを停止する。
【0033】
ゲート駆動回路5aは、ゲート制御回路12を介してマイコン11からの制御信号が入力され、この制御信号により動作してゲート制御信号Vg1を出力する。一方、ゲート駆動回路5bは、ゲート制御回路12を介してマイコン11からの制御信号が入力され、この制御信号により動作してゲート制御信号Vg2を出力する。
【0034】
レベルシフト回路6は、コンパレータ3から出力された比較増幅した信号を入力し、Nch MOSトランジスタN1の動作に対応する信号レベルにシフトし、その信号(Nch MOSトランジスタゲート電圧Vn1)をNch MOSトランジスタN1のゲートに出力する。
【0035】
Nch MOSトランジスタN1は、レベルシフト回路6から出力された信号を入力し、オンする。そして、レベルシフト回路6から出力された信号が入力されない場合(コンパレータ3が出力信号を出力するのを停止している場合)オフする。一方、Nch MOSトランジスタN2は、コンパレータ3から出力された信号を入力し、オンする。そして、コンパレータ3が出力信号を出力するのを停止し、信号が入力されない場合オフする。
【0036】
ダイオードD1は、カソードがNch MOSトランジスタN1のドレインに接続され、アノードが抵抗R4に接続されている。ダイオードD2は、カソードがNch MOSトランジスタN2のドレインに接続され、アノードが抵抗R4に接続されている。
【0037】
ゲート抵抗R3はゲート駆動回路5aとIBGT8aのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R4はダイオードD1のカソードとIBGT8aのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R5はゲート駆動回路5bとIBGT8bのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R6はダイオードD2のアノードとIBGT8bのゲートの間に設けられている。
【0038】
次に、スイッチング制御装置のゲート制御信号波形について図8を参照して説明する。図8は、スイッチング制御装置のタイミングチャートである。ここでは、P側高電位電源VP側の動作について説明し、N側高電位電源VN側の動作については説明を省略する。
【0039】
図8に示すように、高電位電源が所定の電圧で、P側高電位電源VPが所定電圧(VP)の場合、まず、基準電圧Vrefが分割抵抗電圧Vrよりも高いのでコンパレータ3が動作し、“High”レベルのコンパレータ出力電圧Vcが出力される。次に、コンパレータ出力電圧Vcはレベルシフト回路6により、Nch MOSトランジスタN1をオンさせる“High”レベルのNch MOSトランジスタゲート電圧Vn1にシフトされる。続いて、Nch MOSトランジスタN1のゲートにNch MOSトランジスタゲート電圧Vn1が印加され、Nch MOSトランジスタN1はオンする。このときのIGBT8aのゲート抵抗Rg1は、ターンオン側で、
Rg1(on)≒R3・・・・・・・・・・式(1)
ターンオフ側で、
Rg1(off)≒R3xR4/(R3+R4)・・・・・・・・・・式(2)
と表すことができ、ターンオン側のIGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きAAがターンオフ側のIGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きBBよりもなだらかになる。なお、ターンオン側ではダイオードD1が機能してゲート制御信号をIGBT8aのゲートに入力するのを遮断する。
【0040】
一方、高電位電源が所定以上の電圧で、P側高電位電源VPが所定以上の電圧(VP+)の場合、まず、分割抵抗電圧Vrが基準電圧Vrefよりも高くなりコンパレータ3が動作を停止し、コンパレータ出力電圧Vcが“Low”レベルとなる。次に、レベルシフト回路6から“Low”レベルのNch MOSトランジスタゲート電圧Vn1が出力される。続いて、Nch MOSトランジスタN1のゲートにNch MOSトランジスタゲート電圧Vn1が印加され、Nch MOSトランジスタN1はオフする。このため、IGBT8aのゲート抵抗Rg11は、ターンオン側で、
Rg11(on)≒R3・・・・・・・・・・式(3)
ターンオフ側で、
Rg11(off)≒R3・・・・・・・・・・式(4)
と表すことができる。したがって、ターンオフ側のゲート抵抗Rg1(off)とゲート抵抗Rg11(off)の関係は、
Rg1(off)<Rg11(off)・・・・・・・・・・式(5)
と表すことができ、ターンオフ側のIGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きDDがターンオフ側のIGBT8aのゲートに入力されるゲート制御信号の傾きBBよりもなだらかになる。
【0041】
なお、IGBT8aに入力されるゲート制御信号が“Low”から“High”に変化する立ち上がり時間(tr)はターンオン側のゲート抵抗が
Rg1(on)=Rg11(off)・・・・・・・・・・式(6)
のため、IGBT8aに入力されるゲート制御信号の傾きに変化は見られない(傾きAAと傾きCCは同じ)。
【0042】
上述したように、本実施例の半導体集積回路装置では、一端がP側高電位電源VPに接続され、他端がN側高電位電源VNに接続された電圧検出部2が設けられ、電圧検出部2で分圧され、電圧検出抵抗R1とR2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrと、基準電源4から出力される基準電圧Vrefとを入力し、比較増幅するコンパレータ3が設けられている。そして、高電位電源が所定以上の高電圧の場合、電圧検出抵抗R1と電圧検出抵抗R2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrが基準電圧Vrefよりも高電圧になり、コンパレータ3は出力信号を出力するのを停止し、Nch MOSトランジスタN1、Nch MOSトランジスタN2がオフするのでIGBT8a、IGBT8bのゲート抵抗を外部AC電源が所定の電圧の場合と比較して大きく設定することができる。このため、外部AC電源が所定以上の高電圧の場合、IGBT8a、IGBT8bの立ち下がり時間(tf)を長くすることができ、立ち上がり時よりも劣化及び破壊が発生しやすい、立ち下がり時のIGBT8a、IGBT8b及びリカバリーダイオード9a、リカバリーダイオード9bの劣化又は破壊を抑制することができる。
【0043】
更に、高電位電源が所定の電圧の通常動作時には、IGBT8a、IGBT8bのゲート抵抗を最適化しているので、ターンオフ時間(tf)が長くならずスイッチングロスを抑制することができる。
【0044】
なお、本実施例では、Nch MOSトランジスタN1、Nch MOSトランジスタN2を用いているが、NPNトランジスタを用いてもよい。更に、ゲート抵抗をIGBTの立ち上がり時間(tr)及び立ち下り時間(tf)を調整するゲート制御信号傾き調整手段として用いているが、ゲート抵抗の代わりに容量やCR回路などを用いてもよい。そして、本実施例では、立ち下がり時間(tf)だけを制御しているが、立ち上がり時間(tr)についても同様の回路を設けることで、高電位電源が所定以上の電圧になった場合、立ち下がり時間(tf)と立ち上がり時間(tr)の両方の傾きを制御することができる。
【実施例3】
【0045】
次に、本発明の実施例3に係るスイッチング制御装置及び半導体集積回路装置について、図面を参照して説明する。図9はスイッチング制御装置を示す回路図である。本実施例では、異なる基準電圧を用いて立ち上がり時間(tr)と立ち下がり時間(tf)の制御を行っている。
【0046】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0047】
図9に示すように、半導体集積回路装置20bはスイッチング制御装置1b及びインバータ回路7から構成されている。スイッチング制御装置1bは、ゲート駆動回路5c、ゲート駆動回路5d、レベルシフト回路6a、レベルシフト回路6b、Nch MOSトランジスタN3乃至Nch MOSトランジスタN6、ダイオードD3乃至ダイオードD6、ゲート抵抗R11乃至ゲート抵抗R18、及び電源電圧監視回路13bから構成されている。
【0048】
電源電圧監視回路13bは、電圧検出部2、コンパレータ(第1のコンパレータ)3a、コンパレータ(第2のコンパレータ)3b、基準電源(第1の基準電源)4a、及び基準電源(第2の基準電源)4bから構成されている。なお、ゲート駆動回路5c、ゲート駆動回路5d、レベルシフト回路6a、レベルシフト回路6b、Nch MOSトランジスタN3乃至Nch MOSトランジスタN6、ダイオードD3乃至ダイオードD6、及びゲート抵抗R11乃至ゲート抵抗R18は、スイッチング制御回路として動作する。
【0049】
コンパレータ3aは、ターンオフ側の制御用として用いられ、電圧検出部2で分圧され、電圧検出抵抗R1とR2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrと、N側高電位電源VNとの間に設けられた基準電源4aから出力される基準電圧Vref1(第1の基準電圧)とを入力し、比較増幅する。そして、比較増幅された信号はレベルシフト回路6b及びNch MOSトランジスタN4のゲートに出力される。
【0050】
コンパレータ3bは、ターンオン側の制御用として用いられ、電圧検出部2で分圧され、電圧検出抵抗R1と電圧検出抵抗R2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrと、N側高電位電源VNとの間に設けられた基準電源4bから出力される基準電圧Vref2(第2の基準電圧)とを入力し、比較増幅する。そして、比較増幅された信号はレベルシフト回路6a及びNch MOSトランジスタN6のゲートに出力される。ここで、基準電圧Vref2は基準電圧Vref1よりも高く設定されている(Vref1<Vref2)。
【0051】
ゲート駆動回路5cは、ゲート制御回路12を介してマイコン11からの制御信号が入力され、この制御信号により動作してゲート制御信号Vg1を出力する。一方、ゲート駆動回路5dは、ゲート制御回路12を介してマイコン11からの制御信号が入力され、この制御信号により動作してゲート制御信号Vg2を出力する。
【0052】
レベルシフト回路6aは、コンパレータ3bから出力された比較増幅した信号を入力し、Nch MOSトランジスタN5の動作に対応する信号レベルにシフトし、その信号(Nch MOSトランジスタゲート電圧Vn13)をNch MOSトランジスタN5のゲートに出力する。レベルシフト回路6bは、コンパレータ3aから出力された比較増幅した信号を入力し、Nch MOSトランジスタN3の動作に対応する信号レベルにシフトし、その信号(Nch MOSトランジスタゲート電圧Vn11)をNch MOSトランジスタN3のゲートに出力する。
【0053】
Nch MOSトランジスタN3は、レベルシフト回路6bから出力された信号をNch MOSトランジスタゲート電圧Vn11としてゲートに入力し、オンする。そして、レベルシフト回路6bから出力された信号が入力されない場合(コンパレータ3aが出力信号を出力するのを停止している場合)オフする。Nch MOSトランジスタN4は、コンパレータ3aから出力された信号をNch MOSトランジスタゲート電圧Vn12としてゲートに入力し、オンする。そして、コンパレータ3aから出力された信号が入力されない場合(コンパレータ3aが出力信号を出力するのを停止している場合)オフする。
【0054】
一方、Nch MOSトランジスタN5は、レベルシフト回路6aから出力された信号をNch MOSトランジスタゲート電圧Vn13としてゲートに入力し、オンする。そして、レベルシフト回路6bから出力された信号が入力されない場合(コンパレータ3bが出力信号を出力するのを停止している場合)オフする。Nch MOSトランジスタN6は、コンパレータ3bから出力された信号をNch MOSトランジスタゲート電圧Vn14としてゲートに入力し、オンする。そして、コンパレータ3bから出力された信号が入力されない場合(コンパレータ3bが出力信号を出力するのを停止している場合)オフする。
【0055】
ダイオードD3は、カソードがNch MOSトランジスタN3のドレインに接続され、アノードが抵抗R16に接続されている。ダイオードD4は、カソードがNch MOSトランジスタN4のドレインに接続され、アノードが抵抗R18に接続されている。ダイオードD5は、カソードが抵抗R12に接続され、アノードがNch MOSトランジスタN5のソースに接続されている。ダイオードD6は、カソードが抵抗R14に接続され、アノードがNch MOSトランジスタN6のソースに接続されている。
【0056】
ゲート抵抗R11はゲート駆動回路5cとIBGT8aのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R12はダイオードD5のカノードとIBGT8aのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R13はゲート駆動回路5dとIBGT8bのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R14はダイオードD6のカノードとIBGT8bのゲートの間に設けられている。ゲート抵抗R15はゲート駆動回路5cとIBGT8aのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R16はダイオードD3のアノードとIBGT8aのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R17はゲート駆動回路5dとIBGT8bのゲートの間に設けられ、ゲート抵抗R18はダイオードD4のアノードとIBGT8bのゲートの間に設けられている。
【0057】
次に、スイッチング制御装置のゲート制御信号波形について図10を参照して説明する。図10は、スイッチング制御装置のタイミングチャートである。ここでは、P側高電位電源VP側の動作について説明し、N側高電位電源VN側の動作については説明を省略する。
【0058】
図10に示すように、高電位電源が所定の電圧で、P側高電位電源VPが所定電圧(VP)の場合、まず、基準電圧Vref1及び基準電圧Vref2が分割抵抗電圧Vrよりも高いのでコンパレータ3a及びコンパレータ3bが動作し、“High”レベルのコンパレータ出力電圧Vc1及びコンパレータ出力電圧Vc2が出力される。
【0059】
次に、“High”レベルのコンパレータ出力電圧Vc1が、レベルシフト回路6bを介してNch MOSトランジスタN3のゲート、及びNch MOSトランジスタN4のゲートに入力され、Nch MOSトランジスタN3及びNch MOSトランジスタN4がオンする。一方、“High”レベルのコンパレータ出力電圧Vc2が、レベルシフト回路6aを介してNch MOSトランジスタN5のゲート、及びNch MOSトランジスタN6のゲートに入力され、Nch MOSトランジスタN5及びNch MOSトランジスタN6がオンする。
【0060】
ここで、高電位電源が所定の電圧で、高電位電源が所定電圧(VP、VN)の場合、コンパレータ3a、3bとも比較増幅した信号を出力しているので、IGBT8aのターンオン側のゲート抵抗Rgo1、IGBT8bのターンオン側のゲート抵抗Rgo2、IGBT8aのターンオフ側のゲート抵抗Rgf1、IGBT8bのターンオフ側のゲート抵抗Rgf2は、それぞれ、
Rgo1≒R11xR12/(R11+R12)・・・・・・・・・・式(7)
Rgo2≒R13xR14/(R13+R14)・・・・・・・・・・式(8)
Rgf1≒R15xR16/(R15+R16)・・・・・・・・・・式(9)
Rgf2≒R17xR18/(R17+R18)・・・・・・・・・・式(10)
と表すことができる。
【0061】
次に、外部AC電源が所定以上の電圧で、高電位電源が所定以上の電圧(VP+、VN+)で、且つVref1<Vr<Vref2の場合、コンパレータ3bは比較増幅した信号を出力するが、コンパレータ3aが出力信号を出力するのを停止するので、IGBT8aのターンオフ側のゲート抵抗Rgf11、IGBT8bのターンオフ側のゲート抵抗Rgf21は、それぞれ、
Rgf11≒R15・・・・・・・・・・式(11)
Rgf21≒R17・・・・・・・・・・式(12)
と表すことができ、高電位電源が所定の電圧のときよりも値が大きくなる。このため、Vref1>Vrの時のゲート制御信号の傾き(図示していない)よりもゲート制御信号の傾きBBBをなだらかにすることができる。
【0062】
そして、高電位電源が所定以上の電圧で、P側高電位電源VPが所定以上の電圧(VP+、VPN+)で、Vref2<Vrの場合、コンパレータ3a、コンパレータ3bとも出力信号を出力するのを停止するので、IGBT8aのターンオン側のゲート抵抗Rgo11、IGBT8bのターンオン側のゲート抵抗Rgo21は、それぞれ、
Rgo11≒R11・・・・・・・・・・式(13)
Rgo21≒R13・・・・・・・・・・式(14)
と表すことができ、高電位電源が所定の電圧のときよりも値が大きくなる。このため、Vref1>Vrの時のゲート制御信号の傾きAAAよりもゲート制御信号の傾きCCCをなだらかにすることができ、ターンオフ側ゲート制御信号の傾きDDDもターンオフ側ゲート制御信号の傾きBBBと同様になだらかにすることができる。
【0063】
したがって、高電位電源が所定以上の電圧になると、IGBT8a、IGBT8bのターンオン側に入力されるゲート制御信号が“Low”から“High”に変化する立ち上がり時間(tr)を長くでき、IGBT8a、IGBT8bのターンオフ側に入力されるゲート制御信号が“High”から“Low”に変化する立ち下がり時間(tf)を長くできる。しかも基準電圧をVref1<Vref2に設定しているので、立ち下がり時間(tf)を立ち上がり時間(tr)よりも早い段階で長くすることができる。
【0064】
上述したように、本実施例の半導体集積回路装置では、一端がP側高電位電源VPに接続され、他端がN側高電位電源VNに接続された電圧検出部2が設けられ、電圧検出部2で分圧され、電圧検出抵抗R1と電圧検出抵抗R2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrと、基準電源4aから出力される基準電圧Vref1とを入力し、比較増幅するコンパレータ3aが設けられ、電圧検出抵抗R1と電圧検出抵抗RR2の接続ノードから出力される分割抵抗電圧Vrと、基準電源4bから出力される基準電圧Vref2とを入力し、比較増幅するコンパレータ3bが設けられている。そして、高電位電源が所定以上の電圧で、且つVref1<Vr<Vref2の場合、コンパレータ3bは比較増幅した信号を出力するが、コンパレータ3aが出力信号を出力するのを停止するので、ターンオフ側のIGBTのゲート抵抗を高電位電源が所定の電圧の場合と比較して大きく設定することができる。高電位電源が所定以上の電圧で、且つVref2<Vrの場合、コンパレータ3a、コンパレータ3bが出力信号を出力するのを停止するので、ターンオフ側、ターンオン側のIGBTのゲート抵抗を高電位電源が所定の電圧の場合と比較して大きく設定することができる。このため、高電位電源が所定以上の高電圧の場合、まず、IGBT8a、IGBT8bの立ち下がり時間(tf)を長くすることができ、次に、IGBT8a、IGBT8bの立ち上がり時間(tr)及び立ち下がり時間(tf)を長くすることができる。したがって、まず、立ち上がり時よりも劣化及び破壊が発生しやすい立ち下り時のIGBT8a、IGBT8b及びリカバリーダイオード9a、リカバリーダイオード9bの劣化又は破壊を抑制することができ、次に、立ち上がり時及び立ち下り時のIGBT8a、IGBT8b及びリカバリーダイオード9a、リカバリーダイオード9bの劣化又は破壊を抑制することができる。
【0065】
更に、高電位電源が所定の電圧の通常動作時には、IGBT8a、IGBT8bのゲート抵抗を最適化しているので、立ち上がり時間(tr)及び立ち下がり時間(tf)が長くならずスイッチングロスを抑制することができる。
【0066】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0067】
例えば、本実施例では、インバータ回路にIGBTを用いているが、パワーMOSトランジスタを用いてもよい。
【0068】
更に、実施例3では、高電位電源が基準電源4a電圧以上の電圧になった場合、立ち下がり時間の制御を行い、基準電源4b電圧以上の電圧になった場合、立ち下がりの制御を行っているが、必ずしも高電位電源の電圧によって立ち下がりと立ち上がりを分ける必要はなく、例えば、高電位電源が基準電源4a電圧以上の電圧になった場合、立ち下がり時間と立ち上がり時間を、所定の電圧時の1.2倍にし、基準電源4b電圧以上の電圧になった場合、立ち下がり時間と立ち上がり時間を所定の電圧時の1.5倍にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体集積回路装置を示す回路図。
【図2】本発明の実施例1に係るスイッチング制御回路を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例1に係るスイッチング制御装置のゲート制御信号のタイミングチャート。
【図4】本発明の実施例1に係るIGBTの動作説明図。
【図5】本発明の実施例1に係るターンオン時でのIGBTの動作を示す図。
【図6】本発明の実施例1に係るターンオフ時でのIGBTの動作を示す図。
【図7】本発明の実施例2に係る半導体集積回路装置を示す回路図。
【図8】本発明の実施例2に係るスイッチング制御装置のゲート制御信号のタイミングチャート。
【図9】本発明の実施例3に係る半導体集積回路装置を示す回路図。
【図10】本発明の実施例3に係るスイッチング制御装置のゲート制御信号のタイミングチャート。
【符号の説明】
【0070】
1、1a、1b スイッチング制御装置
2 電圧検出部
3、3a、3b コンパレータ
4、4a、4b 基準電源
5a、5b、5c、5d ゲート駆動回路
6、6a、6b レベルシフト回路
7 インバータ回路
8a、8b IGBT
9a、9b リカバリーダイオード
11 マイコン
12 ゲート制御回路
13、13a、13b 電源電圧監視回路
14a、14b スイッチング制御回路
15 スイッチ回路
15a 第1のスイッチ
15b 第2のスイッチ
16 ゲート制御信号傾き調整手段
17 インバータ
D1〜D6 ダイオード
N1〜N6 Nch MOSトランジスタ
Out 出力端子
R1、R2 電圧検出抵抗
R3〜R6、R11〜R18 ゲート抵抗
Vc、Vc1、Vc2 コンパレータ出力電圧
Vg1、Vg2 ゲート駆動回路から出力されるゲート制御信号
Vg11、Vg12 IGBTに入力されるゲート制御信号
Vga、Vgb ゲート制御回路から出力されるゲート制御信号
Vga1、Vgb1 スイッチング制御回路から出力されるゲート制御信号
VN N側高電位電源
Vn1、Vn2、Vn11〜Vn14 Nch MOSトランジスタゲート電圧
VP P側高電位電源
Vr 分割抵抗電圧
Vref、Vref1、Vref2 基準電圧
Vw1、Vw2 電源電圧監視回路から出力される電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に接続され、前記電源電圧を監視し、前記電源電圧が所定の電圧より大きい場合、所定の電圧値と異なる信号を出力する電源電圧監視回路と、
前記電源電圧監視回路から出力される信号及びゲート制御信号を入力し、前記電源電圧が所定の電圧よりも大きい場合、ゲート制御信号傾き調整手段により、前記電源が所定の電圧のときと比較して前記ゲート制御信号の立ち上がり時間若しくは立ち下がり時間を長くして出力するスイッチング制御回路と
を具備することを特徴とするスイッチング制御装置。
【請求項2】
電源に接続され、前記電源電圧を監視し、前記電源電圧が所定の電圧より大きい第1の基準電圧以上の場合と前記電源電圧が所定の電圧より大きい第2の基準電圧以上の場合とでそれぞれ前記所定の電圧値と異なる信号を出力する電源電圧監視回路と、
前記電源電圧監視回路から出力される信号及びゲート制御信号を入力し、前記電源電圧が前記第1の基準電圧以上の場合、ゲート制御信号傾き調整手段により、前記電源が所定の電圧のときと比較して前記ゲート制御信号の立ち下がり時間を長くして出力し、前記電源電圧が前記第2の基準電圧以上の場合、ゲート制御信号傾き調整手段により、前記電源が所定の電圧のときと比較して前記ゲート制御信号の立ち上がり時間を長くして出力するスイッチング制御回路と
を具備することを特徴とするスイッチング制御装置。
【請求項3】
前記第2の基準電圧は、前記第1の基準電圧よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のスイッチング制御装置。
【請求項4】
前記ゲート制御信号傾き調整手段は、抵抗、容量、又は、CR回路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスイッチング制御装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載のスイッチング制御装置と、
前記電源電圧が印加され、前記スイッチング制御回路から出力された前記ゲート制御信号が入力され、オン・オフ動作するスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオン時に電力を出力するインバータ回路と、を具備することを特徴とする半導体集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−129643(P2006−129643A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−316685(P2004−316685)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】