スイッチング電源装置
【課題】3次巻線で出力電圧をフィードバック制御するフライバック型スイッチング電源回路では、軽負荷時や無負荷時、負荷急変等により出力電圧が低下しても高速に電圧低下を抑制できない。
【解決手段】直流出力のPN間に、定常的には電力消費のない直流出力電圧の過渡変動のみを検出する負荷急変検出回路を備え、無負荷時や軽負荷時に1次側の半導体スイッチがオフしている状態でも半導体スイッチをスイッチング開始させて、3次巻線で直流出力電圧を検出可能とし、直流出力電圧の低下を抑制する。
【解決手段】直流出力のPN間に、定常的には電力消費のない直流出力電圧の過渡変動のみを検出する負荷急変検出回路を備え、無負荷時や軽負荷時に1次側の半導体スイッチがオフしている状態でも半導体スイッチをスイッチング開始させて、3次巻線で直流出力電圧を検出可能とし、直流出力電圧の低下を抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の直流電源から半導体スイッチのスイッチング動作によりトランスで絶縁された第2の直流電圧を作り出すフライバック型のスイッチング電源装置に関し、特に補助巻線(3次巻線)を用いてトランス2次側出力電圧を検出し、出力電圧を定電圧制御する制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
充電器用の電源装置やノートパソコンのACアダプタの電源装置として、負荷に一定電圧を供給するためにスイッチング電源装置が利用されている。従来の手法として、図13に示すスイッチング電源装置の2次側に出力電圧Voを絶縁して検出するためのフォトカプラーを用いた電圧検出回路を設け、出力電圧を一定に制御する手法がある。この手法は出力電圧を常時監視しているため、負荷急変が発生し出力電圧が低下した場合においても出力電圧の低下をすばやく検出し、出力電圧を一定に制御することができる。しかしながら、2次側電圧を直接検出することで安定した制御を実現することが可能であるが、フォトカプラーを用いた電圧検出回路は定常的に電力損失が発生することから、省エネ化、高効率化の妨げとなっている。
【0003】
一方、出力電圧の情報をフォトカプラーを用いた電圧検出回路を用いずに得る方法として、1次側のスイッチング電圧波形から出力電圧を等価的に検出することで2次側電圧を直接検出することなく出力電圧を一定に制御する手法がある。図10に、特許文献1や特許文献2に示されているトランスの3次巻線電圧を検出して、直流出力電圧を一定電圧に制御する従来の回路例を示す。特許文献2は特許文献1を改良したもので、電圧検出回路に違いがある。
【0004】
図10に示す回路の構成と動作は以下の通りである。交流入力を整流回路1で直流電圧に変換し、コンデンサ2で平滑された直流電圧Viを得る。この直流電圧Viを入力として、トランス6の1次巻線6−1を半導体スイッチとしてのMOSFET7でオンオフ制御する。トランス6の2次巻線6−2はダイオード3に接続され、整流後、コンデンサ5で平滑されて直流出力Voとなる。抵抗4は無負荷時や軽負荷時の電圧上昇を抑制するためのダミー抵抗である。MOSFET7がオンするとトランス6に励磁エネルギーが蓄積され、オフすると2次巻線6−2からダイオード3を通してコンデンサ5に励磁エネルギーが充電されるいわゆるフライバック型のスイッチング電源回路である。トランス6の3次巻線6−3の電圧はダイオード12とコンデンサ11で整流、平滑されて、制御回路13の電源となる。また、出力電圧Voの定電圧制御は、トランス6の2次巻線電圧相当である3次巻線6−3の電圧Vtを検出して行う。
【0005】
3次巻線を用いた出力電圧の検出の原理を図11と図12を用いて説明する。MOSFET7がオンするとトランス6の1次巻線には電流Ipが流れ上昇する。次にMOSFET7をオフするとこの電流は2次巻線6−2からダイオード3を介して電流Isとなり、コンデンサCoに充電され、出力電圧Voとなる。この時の2次巻線6−2の電圧極性を正とすると、MOSFET7がオンしている時は2次巻線6−2と3次巻線6−3の電圧はいずれも負の極性となる。MOSFET7がオフして2次巻線6−2に接続されたダイオード3に電流Isが流れている時には、2次巻線6−2の電圧Vsは出力電圧Voとダイオード3の順方向降下電圧Vfの和となる。この結果、3次巻線6−3の電圧Vtは2次巻線6−2と3次巻線6−3の巻数比に比例した電圧となり、2次巻線6−2の電圧Vsを検出したのと等価になる。検出した出力電圧Vtと1次側のMOSFET7に流れる電流Ipを検出することにより、出力電圧を一定に制御する。また軽負荷時又は無負荷時にはスイッチング周波数を下げることにより待機電力を抑えるようにスイッチング制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−170731号公報
【特許文献2】特開2010−22121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、フォトカプラーを用いて直流出力電圧を直接検出する出力電圧検出方式を用いずに、トランスの3次巻線電圧を検出するなどの方式により、1次側のスイッチング電圧波形から出力電圧の情報を得る方式では、半導体スイッチがスイッチングしないと出力電圧を検出することができない。そのため、軽負荷時又は無負荷時にスイッチング周波数を下げて消費電力を低減している状態で負荷急変が発生すると、負荷急変により出力電圧が低下しても次にスイッチングするまで出力電圧が低下したことを検出できない。軽負荷時又は無負荷時でスイッチング周波数が低くなっている場合では、スイッチングの間隔が長くなっているため、負荷急変発生からスイッチングまで過渡的に出力電圧が大きく低下するという問題がある。
【0008】
従って、本発明の課題は3次巻線により出力電圧の情報を取得して、出力電圧を定電圧制御するフライバック型のスイッチング電源装置において、定常的な電力消費が少ない回路で、軽負荷時又は無負荷時の負荷急変時の出力電圧低下を抑制することのできるスイッチング電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、第1の発明においては、1次巻線と2次巻線と3次巻線とを有するトランスと、前記1次巻線に入力される第1の直流電圧をスイッチング動作によりオンオフ制御する半導体スイッチと、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記2次巻線に発生する2次巻線電圧を整流、平滑化して、出力電圧として第2の直流電圧を生成する出力電圧生成部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記3次巻線に発生する3次巻線電圧を整流、平滑化して、第3の直流電圧を生成する電源部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作を制御する制御信号を生成するスイッチング制御部と、3次巻線の電圧情報に基づき出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記半導体スイッチを流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段で検出した電流と出力電圧検出部により検出した電圧とにより前記半導体スイッチのオンオフを制御することにより、前記出力電圧生成部に接続される負荷に一定の出力電圧を供給するスイッチング電源装置であって、前記出力電圧生成部に負荷急変等により出力電圧が低下したことを検出する負荷急変検出回路を有し、検出した負荷急変検出信号によりスイッチングを開始させる。
【0010】
第2の発明においては、第1の発明における負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号をトリガー信号として前記半導体スイッチのゲートパルスを生成し、スイッチングさせることにより出力電圧が低下したことを検出し、出力電圧低下を抑制する。
【0011】
第3の発明においては、第1の発明における負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号によりスイッチング周波数を制御するための電圧を変化させることでスイッチング周波数を高くし、スイッチングさせることで負荷急変等による出力電圧の低下を検出すると共に出力電圧低下を抑制する。
【0012】
第4の発明においては、第1〜第3の発明における負荷急変検出回路は定常状態では動作せず、負荷急変等により出力電圧が低下した時のみ動作することで定常状態での電力損失を抑える構成とする。
【0013】
第5の発明においては、第1〜第4の発明における負荷急変検出回路は、コンデンサとフォトカプラーの1次側ダイオードと抵抗との直列回路を前記出力電圧生成部の正極と負極との間に接続する構成とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、3次巻線電圧を検出して、出力電圧を定電圧制御するフライバック型のススイッチング電源装置において、定常的には電力消費のない直流出力電圧の過渡変動のみを検出する微分回路を用いて負荷急変を検出し、無負荷時や軽負荷時に1次側の半導体スイッチがオフしている状態でも半導体スイッチをスイッチング開始させて、3次巻線で直流出力電圧を検出可能とし、直流出力電圧の低下を抑制する制御としている。
この結果、消費電力の低減と負荷急変時の直流出力電圧の低下の抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示す全体回路図である。
【図2】図1のスイッチング制御部の詳細回路図である。
【図3】本発明の第1の実施例である。
【図4】本発明の第1の実施例の動作波形図である。
【図5】本発明の第2の実施例である。
【図6】本発明の第2の実施例の動作波形図である。
【図7】帰還電圧とスイッチング周波数の関係を示す図である。
【図8】従来の負荷急変時の動作図である。
【図9】本発明の負荷急変時の動作図である。
【図10】従来の3次巻線電圧帰還型の回路図である。
【図11】フライバック型スイッチング電源の動作説明用回路図である。
【図12】図11の各部の動作波形図である。
【図13】直流出力電圧を帰還させる場合の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の要点は、3次巻線電圧を検出して、出力電圧を定電圧制御するフライバック型のスイッチング電源装置において、定常的には電力消費のない直流出力電圧の過渡変動のみを検出する負荷急変検出回路を備え、無負荷時や軽負荷時に1次側の半導体スイッチがオフしている状態でも半導体スイッチをスイッチング開始させて、3次巻線で直流出力電圧を検出可能とし、直流出力電圧の低下を抑制する点である。
【実施例1】
【0017】
図1に、本発明の実施例の全体回路を、図2にスイッチング制御部9の詳細回路を、図3に本発明の第1の実施例を、図4に動作波形を、各々示す。
図1は本発明におけるスイッチング電源の主回路構成の全体回路例である。図中において、トランス6は直流入力電圧Vinを入力する1次巻線6−1と出力電圧Voを出力するための2次巻線6−2と2次巻線6−2に発生する電圧を検出すると同時に制御回路13の電源電圧Vccを生成するための3次巻線6−3を有している。1次巻線6−1と2次巻線6−2の極性は逆になっており、本発明のスイッチング電源装置はフライバック型となっている。2次巻線6−2にはダイオード3とコンデンサ5からなる整流平滑及び軽負荷時或いは無負荷時に出力電圧が上昇するのを抑えるためにダミー抵抗4が接続されており、この整流平滑化回路が本発明のスイッチング電源装置の出力電圧生成部となる。
【0018】
出力電圧生成部はスイッチング素子7のスイッチングにより2次側に発生するフライバック電圧を整流平滑化した出力電圧Voを負荷に供給する構成である。同様に3次巻線6−3にはダイオード12とコンデンサ11からなる整流平滑化回路が接続されており、この整流平滑化回路の出力が制御回路13の電源電圧Vccとなる。7は半導体スイッチとしてのMOSFETであり、ドレイン端子D、ゲート端子G、ソース端子Sの3端子から構成され、ゲート端子Gにおいて受信した制御信号に応じて、スイッチをオンオフ動作する。
そしてこのオンオフ動作によりトランス6の1次巻線6−1に流れる電流をスイッチング制御する。スイッチング制御用の制御回路13はMOSFET7をオンオフ制御するための回路であり、3次巻線の電圧Vtを出力電圧検出部10で検出してスイッチング制御部9でスイッチング信号を生成して、MOSFET7をオンオフ制御する。スイッチング制御部9は、出力電圧検出部10からのフィードバック(帰還)電圧Vfbとシャント抵抗8で検出されるトランス6の1次巻線電流Isから、ゲート信号のオン幅及びスイッチング周波数を制御し、OUT端子からMOSFET7のゲートにオンオフ信号を出力する。3次巻線6−3は2次巻線6−2と同じ極性であり、出力電圧検出部10では3次巻線6−3の電圧Vtを入力とし、出力電圧Voに応じたフィードバック電圧Vfbを生成し、スイッチング制御部9へ送る。
【0019】
スイッチング制御部9の回路構成を図2に示す。名部は、可変周波数発振器OSC、フィードバック信号の大きさに応じて発振器の出力信号を制御するコンパレータCP1、フィードバック信号の大きさとトランス6の1次巻線電流Isとを比較して出力パルスをオフさせるための信号を生成するコンパレータCP2、ワンショット回路1shot、フリップフロップFF1などで構成され、1次巻線電流Isとフィードバック電圧Vfbとから負荷量に応じて周波数が可変し、幅制御されたパルスを端子OUTに出力する。ここで、BUFはインピーダンス変換用のバッファゲート、G1は増幅器である。
【0020】
出力電圧生成部の出力端子PoとNo間に接続されるコンデンサ14と抵抗15とフォトカプラー17の1次側ダイオードとの直列回路と、フォトカプラー17の1次側ダイオードと逆並列接続されたダイオード16とで構成される回路は、直流出力電圧の急変を検出するための負荷急変検出回路である。この回路は定常的にはコンデンサ14が充電された状態であり、電力の消費はコンデンサの漏れ電流のよる僅かな量であり、損失は殆ど発生しない。直流出力電圧が負荷急変等により低下すると、コンデンサ14の電荷が負荷を通してコンデンサ14→負荷→フォトカプラー17の1次側ダイオード→抵抗15→コンデンサ14の経路で放電し、フォトカプラー17の1次側ダイオードに電流が流れる。この電流は微分波形であり、この損失も僅かである。ダイオード16は負荷急変検出後、コンデンサ14を充電するためのもので、次回の電圧低下時までにコンデンサ14を充電させれば良いので、高インピーダンスの抵抗でも代用可能である。
【0021】
負荷急変検出回路は出力電圧の微分回路として働く回路で、定常状態では出力電圧が一定のため動作しない。そのため、出力電圧が一定の場合には損失を抑えることができる。軽負荷時又は無負荷時において、待機電力を抑えるために周波数を下げている状態で負荷急変が発生し、出力電圧が低下するとフォトカプラーの発光ダイオード部に電流が流れ、負荷急変検出信号が1次側に伝送される。
【0022】
図3に、負荷急変検出回路の信号を検出して、MOSFET7のスイッチングを開始する実施例を示す。フォトカプラー17のフォトトランジスタと抵抗18の直列回路が制御電源電圧Vccに接続され、出力電圧が低下してフォトカプラー17の発光ダイオード部に電流が流れフォトトランジスタがオンすると、これをコンパレータCP3で検出し、フリップフロップFF2でトリガー信号を出力して、論理和ゲートORを介してMOSFET7のゲート駆動信号を発生させる。図4に動作波形を示す。直流出力電圧Voに電圧低下が発生すると、負荷急変検出回路のフォトカプラー17のフォトトランジスタに微分電流が流れ、フリップフロップFF2の出力にトリガー電圧trigが発生し、半導体スイッチ7がオンオフする。その結果、図11及び図12で説明したように、3次巻線6−3で2次巻線の電圧検出が可能となるので、通常の出力電圧制御により、出力電圧の低下を抑制することが可能となる。
【実施例2】
【0023】
図5に、本発明の第2の実施例を、図6に動作波形を、各々示す。第1の発明は、負荷急変検出回路からの信号で、半導体スイッチ用のトリガー信号を作成する構成であるが、第2の発明は、フォトトランジスタと抵抗18との直列回路で検出した負荷急変信号をフィードバック信号としてスイッチング制御部9に入力し、半導体スイッチ7用のゲート信号のスイッチング周波数を高くする構成である。フィードバック電圧Vfbとスイッチング周波数Fswとの関係を図7に示す。フィードバック電圧Vfbを大きくするとスイッチング周波数Fswが高くなることが判る。スイッチング周波数を高くすると、軽負荷時や無負荷時に周波数が低いために半導体スイッチ7がオフ状態であっても、スイッチングを即座に開始することになる。その結果、図11及び図12で説明したように、3次巻線6−3で2次巻線の電圧検出が可能となるので、通常の出力電圧制御により、出力電圧の低下を抑制することが可能となる。
【0024】
図8に従来の制御での出力電圧とスイッチング動作の関係を、図9に本発明(第1の実施例、第2の実施例)を適用した場合の出力電圧とスイッチング動作の関係を、各々示す。従来の制御では負荷急変が発生した場合、次のオンオフ信号が半導体スイッチに与えられてから、出力電圧の制御が行われるが、本発明を適用すると、負荷急変検出回路で負荷急変を検出すると即座に半導体スイッチがオンオフを開始するため、出力電圧の低下は小さく抑制されることが判る。
【0025】
尚、上記実施例には、スイッチング回路としてハードスイッチングのフライバック型の回路を示したが、スイッチング回路としては、半導体スイッチと並列に共振用コンデンサを接続する擬似共振型のスイッチング回路でも実現可能である。また、2次巻線に接続されるダイオードと逆並列にMOSFETを接続する同期整流型の整流回路を用いた場合にも同様に実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、3次巻線で直流出力電圧をフィードバック検出して定電圧制御する場合の直流出力電圧の負荷急変等による過渡電圧低下を抑制する制御技術であり、ACアダプター、充電器、各種機器の制御電源などへの適用が可能である。
【符号の説明】
【0027】
1・・・整流回路 2、5、11、14、Ci、Co・・・コンデンサ
3、12、16・・・ダイオード 4・・・ダミー抵抗
6・・・トランス 7・・・MOSFET(半導体スイッチ)
8・・・シャント抵抗 9・・・スイッチング制御部
10・・・出力電圧検出部 13・・・制御部
15、18、R1・・・抵抗 17・・・フォトカプラー
OSC・・・発振器 CP1、CP2・・・コンパレータ
1shot・・・ワンショット回路 BUF・・・バッファ
G1・・・増幅器 FF1、FF2・・・フリップフロップ
Vr1、Vr2、Vr3・・・基準電圧 OR・・・論理和ゲート
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の直流電源から半導体スイッチのスイッチング動作によりトランスで絶縁された第2の直流電圧を作り出すフライバック型のスイッチング電源装置に関し、特に補助巻線(3次巻線)を用いてトランス2次側出力電圧を検出し、出力電圧を定電圧制御する制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
充電器用の電源装置やノートパソコンのACアダプタの電源装置として、負荷に一定電圧を供給するためにスイッチング電源装置が利用されている。従来の手法として、図13に示すスイッチング電源装置の2次側に出力電圧Voを絶縁して検出するためのフォトカプラーを用いた電圧検出回路を設け、出力電圧を一定に制御する手法がある。この手法は出力電圧を常時監視しているため、負荷急変が発生し出力電圧が低下した場合においても出力電圧の低下をすばやく検出し、出力電圧を一定に制御することができる。しかしながら、2次側電圧を直接検出することで安定した制御を実現することが可能であるが、フォトカプラーを用いた電圧検出回路は定常的に電力損失が発生することから、省エネ化、高効率化の妨げとなっている。
【0003】
一方、出力電圧の情報をフォトカプラーを用いた電圧検出回路を用いずに得る方法として、1次側のスイッチング電圧波形から出力電圧を等価的に検出することで2次側電圧を直接検出することなく出力電圧を一定に制御する手法がある。図10に、特許文献1や特許文献2に示されているトランスの3次巻線電圧を検出して、直流出力電圧を一定電圧に制御する従来の回路例を示す。特許文献2は特許文献1を改良したもので、電圧検出回路に違いがある。
【0004】
図10に示す回路の構成と動作は以下の通りである。交流入力を整流回路1で直流電圧に変換し、コンデンサ2で平滑された直流電圧Viを得る。この直流電圧Viを入力として、トランス6の1次巻線6−1を半導体スイッチとしてのMOSFET7でオンオフ制御する。トランス6の2次巻線6−2はダイオード3に接続され、整流後、コンデンサ5で平滑されて直流出力Voとなる。抵抗4は無負荷時や軽負荷時の電圧上昇を抑制するためのダミー抵抗である。MOSFET7がオンするとトランス6に励磁エネルギーが蓄積され、オフすると2次巻線6−2からダイオード3を通してコンデンサ5に励磁エネルギーが充電されるいわゆるフライバック型のスイッチング電源回路である。トランス6の3次巻線6−3の電圧はダイオード12とコンデンサ11で整流、平滑されて、制御回路13の電源となる。また、出力電圧Voの定電圧制御は、トランス6の2次巻線電圧相当である3次巻線6−3の電圧Vtを検出して行う。
【0005】
3次巻線を用いた出力電圧の検出の原理を図11と図12を用いて説明する。MOSFET7がオンするとトランス6の1次巻線には電流Ipが流れ上昇する。次にMOSFET7をオフするとこの電流は2次巻線6−2からダイオード3を介して電流Isとなり、コンデンサCoに充電され、出力電圧Voとなる。この時の2次巻線6−2の電圧極性を正とすると、MOSFET7がオンしている時は2次巻線6−2と3次巻線6−3の電圧はいずれも負の極性となる。MOSFET7がオフして2次巻線6−2に接続されたダイオード3に電流Isが流れている時には、2次巻線6−2の電圧Vsは出力電圧Voとダイオード3の順方向降下電圧Vfの和となる。この結果、3次巻線6−3の電圧Vtは2次巻線6−2と3次巻線6−3の巻数比に比例した電圧となり、2次巻線6−2の電圧Vsを検出したのと等価になる。検出した出力電圧Vtと1次側のMOSFET7に流れる電流Ipを検出することにより、出力電圧を一定に制御する。また軽負荷時又は無負荷時にはスイッチング周波数を下げることにより待機電力を抑えるようにスイッチング制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−170731号公報
【特許文献2】特開2010−22121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、フォトカプラーを用いて直流出力電圧を直接検出する出力電圧検出方式を用いずに、トランスの3次巻線電圧を検出するなどの方式により、1次側のスイッチング電圧波形から出力電圧の情報を得る方式では、半導体スイッチがスイッチングしないと出力電圧を検出することができない。そのため、軽負荷時又は無負荷時にスイッチング周波数を下げて消費電力を低減している状態で負荷急変が発生すると、負荷急変により出力電圧が低下しても次にスイッチングするまで出力電圧が低下したことを検出できない。軽負荷時又は無負荷時でスイッチング周波数が低くなっている場合では、スイッチングの間隔が長くなっているため、負荷急変発生からスイッチングまで過渡的に出力電圧が大きく低下するという問題がある。
【0008】
従って、本発明の課題は3次巻線により出力電圧の情報を取得して、出力電圧を定電圧制御するフライバック型のスイッチング電源装置において、定常的な電力消費が少ない回路で、軽負荷時又は無負荷時の負荷急変時の出力電圧低下を抑制することのできるスイッチング電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、第1の発明においては、1次巻線と2次巻線と3次巻線とを有するトランスと、前記1次巻線に入力される第1の直流電圧をスイッチング動作によりオンオフ制御する半導体スイッチと、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記2次巻線に発生する2次巻線電圧を整流、平滑化して、出力電圧として第2の直流電圧を生成する出力電圧生成部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記3次巻線に発生する3次巻線電圧を整流、平滑化して、第3の直流電圧を生成する電源部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作を制御する制御信号を生成するスイッチング制御部と、3次巻線の電圧情報に基づき出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記半導体スイッチを流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段で検出した電流と出力電圧検出部により検出した電圧とにより前記半導体スイッチのオンオフを制御することにより、前記出力電圧生成部に接続される負荷に一定の出力電圧を供給するスイッチング電源装置であって、前記出力電圧生成部に負荷急変等により出力電圧が低下したことを検出する負荷急変検出回路を有し、検出した負荷急変検出信号によりスイッチングを開始させる。
【0010】
第2の発明においては、第1の発明における負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号をトリガー信号として前記半導体スイッチのゲートパルスを生成し、スイッチングさせることにより出力電圧が低下したことを検出し、出力電圧低下を抑制する。
【0011】
第3の発明においては、第1の発明における負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号によりスイッチング周波数を制御するための電圧を変化させることでスイッチング周波数を高くし、スイッチングさせることで負荷急変等による出力電圧の低下を検出すると共に出力電圧低下を抑制する。
【0012】
第4の発明においては、第1〜第3の発明における負荷急変検出回路は定常状態では動作せず、負荷急変等により出力電圧が低下した時のみ動作することで定常状態での電力損失を抑える構成とする。
【0013】
第5の発明においては、第1〜第4の発明における負荷急変検出回路は、コンデンサとフォトカプラーの1次側ダイオードと抵抗との直列回路を前記出力電圧生成部の正極と負極との間に接続する構成とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、3次巻線電圧を検出して、出力電圧を定電圧制御するフライバック型のススイッチング電源装置において、定常的には電力消費のない直流出力電圧の過渡変動のみを検出する微分回路を用いて負荷急変を検出し、無負荷時や軽負荷時に1次側の半導体スイッチがオフしている状態でも半導体スイッチをスイッチング開始させて、3次巻線で直流出力電圧を検出可能とし、直流出力電圧の低下を抑制する制御としている。
この結果、消費電力の低減と負荷急変時の直流出力電圧の低下の抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示す全体回路図である。
【図2】図1のスイッチング制御部の詳細回路図である。
【図3】本発明の第1の実施例である。
【図4】本発明の第1の実施例の動作波形図である。
【図5】本発明の第2の実施例である。
【図6】本発明の第2の実施例の動作波形図である。
【図7】帰還電圧とスイッチング周波数の関係を示す図である。
【図8】従来の負荷急変時の動作図である。
【図9】本発明の負荷急変時の動作図である。
【図10】従来の3次巻線電圧帰還型の回路図である。
【図11】フライバック型スイッチング電源の動作説明用回路図である。
【図12】図11の各部の動作波形図である。
【図13】直流出力電圧を帰還させる場合の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の要点は、3次巻線電圧を検出して、出力電圧を定電圧制御するフライバック型のスイッチング電源装置において、定常的には電力消費のない直流出力電圧の過渡変動のみを検出する負荷急変検出回路を備え、無負荷時や軽負荷時に1次側の半導体スイッチがオフしている状態でも半導体スイッチをスイッチング開始させて、3次巻線で直流出力電圧を検出可能とし、直流出力電圧の低下を抑制する点である。
【実施例1】
【0017】
図1に、本発明の実施例の全体回路を、図2にスイッチング制御部9の詳細回路を、図3に本発明の第1の実施例を、図4に動作波形を、各々示す。
図1は本発明におけるスイッチング電源の主回路構成の全体回路例である。図中において、トランス6は直流入力電圧Vinを入力する1次巻線6−1と出力電圧Voを出力するための2次巻線6−2と2次巻線6−2に発生する電圧を検出すると同時に制御回路13の電源電圧Vccを生成するための3次巻線6−3を有している。1次巻線6−1と2次巻線6−2の極性は逆になっており、本発明のスイッチング電源装置はフライバック型となっている。2次巻線6−2にはダイオード3とコンデンサ5からなる整流平滑及び軽負荷時或いは無負荷時に出力電圧が上昇するのを抑えるためにダミー抵抗4が接続されており、この整流平滑化回路が本発明のスイッチング電源装置の出力電圧生成部となる。
【0018】
出力電圧生成部はスイッチング素子7のスイッチングにより2次側に発生するフライバック電圧を整流平滑化した出力電圧Voを負荷に供給する構成である。同様に3次巻線6−3にはダイオード12とコンデンサ11からなる整流平滑化回路が接続されており、この整流平滑化回路の出力が制御回路13の電源電圧Vccとなる。7は半導体スイッチとしてのMOSFETであり、ドレイン端子D、ゲート端子G、ソース端子Sの3端子から構成され、ゲート端子Gにおいて受信した制御信号に応じて、スイッチをオンオフ動作する。
そしてこのオンオフ動作によりトランス6の1次巻線6−1に流れる電流をスイッチング制御する。スイッチング制御用の制御回路13はMOSFET7をオンオフ制御するための回路であり、3次巻線の電圧Vtを出力電圧検出部10で検出してスイッチング制御部9でスイッチング信号を生成して、MOSFET7をオンオフ制御する。スイッチング制御部9は、出力電圧検出部10からのフィードバック(帰還)電圧Vfbとシャント抵抗8で検出されるトランス6の1次巻線電流Isから、ゲート信号のオン幅及びスイッチング周波数を制御し、OUT端子からMOSFET7のゲートにオンオフ信号を出力する。3次巻線6−3は2次巻線6−2と同じ極性であり、出力電圧検出部10では3次巻線6−3の電圧Vtを入力とし、出力電圧Voに応じたフィードバック電圧Vfbを生成し、スイッチング制御部9へ送る。
【0019】
スイッチング制御部9の回路構成を図2に示す。名部は、可変周波数発振器OSC、フィードバック信号の大きさに応じて発振器の出力信号を制御するコンパレータCP1、フィードバック信号の大きさとトランス6の1次巻線電流Isとを比較して出力パルスをオフさせるための信号を生成するコンパレータCP2、ワンショット回路1shot、フリップフロップFF1などで構成され、1次巻線電流Isとフィードバック電圧Vfbとから負荷量に応じて周波数が可変し、幅制御されたパルスを端子OUTに出力する。ここで、BUFはインピーダンス変換用のバッファゲート、G1は増幅器である。
【0020】
出力電圧生成部の出力端子PoとNo間に接続されるコンデンサ14と抵抗15とフォトカプラー17の1次側ダイオードとの直列回路と、フォトカプラー17の1次側ダイオードと逆並列接続されたダイオード16とで構成される回路は、直流出力電圧の急変を検出するための負荷急変検出回路である。この回路は定常的にはコンデンサ14が充電された状態であり、電力の消費はコンデンサの漏れ電流のよる僅かな量であり、損失は殆ど発生しない。直流出力電圧が負荷急変等により低下すると、コンデンサ14の電荷が負荷を通してコンデンサ14→負荷→フォトカプラー17の1次側ダイオード→抵抗15→コンデンサ14の経路で放電し、フォトカプラー17の1次側ダイオードに電流が流れる。この電流は微分波形であり、この損失も僅かである。ダイオード16は負荷急変検出後、コンデンサ14を充電するためのもので、次回の電圧低下時までにコンデンサ14を充電させれば良いので、高インピーダンスの抵抗でも代用可能である。
【0021】
負荷急変検出回路は出力電圧の微分回路として働く回路で、定常状態では出力電圧が一定のため動作しない。そのため、出力電圧が一定の場合には損失を抑えることができる。軽負荷時又は無負荷時において、待機電力を抑えるために周波数を下げている状態で負荷急変が発生し、出力電圧が低下するとフォトカプラーの発光ダイオード部に電流が流れ、負荷急変検出信号が1次側に伝送される。
【0022】
図3に、負荷急変検出回路の信号を検出して、MOSFET7のスイッチングを開始する実施例を示す。フォトカプラー17のフォトトランジスタと抵抗18の直列回路が制御電源電圧Vccに接続され、出力電圧が低下してフォトカプラー17の発光ダイオード部に電流が流れフォトトランジスタがオンすると、これをコンパレータCP3で検出し、フリップフロップFF2でトリガー信号を出力して、論理和ゲートORを介してMOSFET7のゲート駆動信号を発生させる。図4に動作波形を示す。直流出力電圧Voに電圧低下が発生すると、負荷急変検出回路のフォトカプラー17のフォトトランジスタに微分電流が流れ、フリップフロップFF2の出力にトリガー電圧trigが発生し、半導体スイッチ7がオンオフする。その結果、図11及び図12で説明したように、3次巻線6−3で2次巻線の電圧検出が可能となるので、通常の出力電圧制御により、出力電圧の低下を抑制することが可能となる。
【実施例2】
【0023】
図5に、本発明の第2の実施例を、図6に動作波形を、各々示す。第1の発明は、負荷急変検出回路からの信号で、半導体スイッチ用のトリガー信号を作成する構成であるが、第2の発明は、フォトトランジスタと抵抗18との直列回路で検出した負荷急変信号をフィードバック信号としてスイッチング制御部9に入力し、半導体スイッチ7用のゲート信号のスイッチング周波数を高くする構成である。フィードバック電圧Vfbとスイッチング周波数Fswとの関係を図7に示す。フィードバック電圧Vfbを大きくするとスイッチング周波数Fswが高くなることが判る。スイッチング周波数を高くすると、軽負荷時や無負荷時に周波数が低いために半導体スイッチ7がオフ状態であっても、スイッチングを即座に開始することになる。その結果、図11及び図12で説明したように、3次巻線6−3で2次巻線の電圧検出が可能となるので、通常の出力電圧制御により、出力電圧の低下を抑制することが可能となる。
【0024】
図8に従来の制御での出力電圧とスイッチング動作の関係を、図9に本発明(第1の実施例、第2の実施例)を適用した場合の出力電圧とスイッチング動作の関係を、各々示す。従来の制御では負荷急変が発生した場合、次のオンオフ信号が半導体スイッチに与えられてから、出力電圧の制御が行われるが、本発明を適用すると、負荷急変検出回路で負荷急変を検出すると即座に半導体スイッチがオンオフを開始するため、出力電圧の低下は小さく抑制されることが判る。
【0025】
尚、上記実施例には、スイッチング回路としてハードスイッチングのフライバック型の回路を示したが、スイッチング回路としては、半導体スイッチと並列に共振用コンデンサを接続する擬似共振型のスイッチング回路でも実現可能である。また、2次巻線に接続されるダイオードと逆並列にMOSFETを接続する同期整流型の整流回路を用いた場合にも同様に実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、3次巻線で直流出力電圧をフィードバック検出して定電圧制御する場合の直流出力電圧の負荷急変等による過渡電圧低下を抑制する制御技術であり、ACアダプター、充電器、各種機器の制御電源などへの適用が可能である。
【符号の説明】
【0027】
1・・・整流回路 2、5、11、14、Ci、Co・・・コンデンサ
3、12、16・・・ダイオード 4・・・ダミー抵抗
6・・・トランス 7・・・MOSFET(半導体スイッチ)
8・・・シャント抵抗 9・・・スイッチング制御部
10・・・出力電圧検出部 13・・・制御部
15、18、R1・・・抵抗 17・・・フォトカプラー
OSC・・・発振器 CP1、CP2・・・コンパレータ
1shot・・・ワンショット回路 BUF・・・バッファ
G1・・・増幅器 FF1、FF2・・・フリップフロップ
Vr1、Vr2、Vr3・・・基準電圧 OR・・・論理和ゲート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次巻線と2次巻線と3次巻線とを有するトランスと、前記1次巻線に入力される第1の直流電圧をスイッチング動作によりオンオフ制御する半導体スイッチと、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記2次巻線に発生する2次巻線電圧を整流、平滑化して、出力電圧として第2の直流電圧を生成する出力電圧生成部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記3次巻線に発生する3次巻線電圧を整流、平滑化して、第3の直流電圧を生成する電源部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作を制御する制御信号を生成するスイッチング制御部と、3次巻線の電圧情報に基づき出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記半導体スイッチを流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段で検出した電流と出力電圧検出部により検出した電圧とにより前記半導体スイッチのオンオフを制御することにより、前記出力電圧生成部に接続される負荷に一定の出力電圧を供給するスイッチング電源装置であって、前記出力電圧生成部に負荷急変等により出力電圧が低下したことを検出する負荷急変検出回路を有し、検出した負荷急変検出信号によりスイッチングを開始させることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号をトリガー信号として前記半導体スイッチのゲートパルスを生成し、スイッチングさせることにより出力電圧が低下したことを検出し、出力電圧低下を抑制することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号によりスイッチング周波数を制御するための電圧を変化させることでスイッチング周波数を高くし、スイッチングさせることで負荷急変等による出力電圧の低下を検出すると共に出力電圧低下を抑制することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記負荷急変検出回路は定常状態では動作せず、負荷急変等により出力電圧が低下したときのみ動作することで定常状態での電力損失を抑える構成とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記負荷急変検出回路は、コンデンサとフォトカプラーの1次側ダイオードと抵抗との直列回路を前記出力電圧生成部の正極と負極との間に接続する構成とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項1】
1次巻線と2次巻線と3次巻線とを有するトランスと、前記1次巻線に入力される第1の直流電圧をスイッチング動作によりオンオフ制御する半導体スイッチと、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記2次巻線に発生する2次巻線電圧を整流、平滑化して、出力電圧として第2の直流電圧を生成する出力電圧生成部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作により前記3次巻線に発生する3次巻線電圧を整流、平滑化して、第3の直流電圧を生成する電源部と、前記半導体スイッチのスイッチング動作を制御する制御信号を生成するスイッチング制御部と、3次巻線の電圧情報に基づき出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記半導体スイッチを流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、前記電流検出手段で検出した電流と出力電圧検出部により検出した電圧とにより前記半導体スイッチのオンオフを制御することにより、前記出力電圧生成部に接続される負荷に一定の出力電圧を供給するスイッチング電源装置であって、前記出力電圧生成部に負荷急変等により出力電圧が低下したことを検出する負荷急変検出回路を有し、検出した負荷急変検出信号によりスイッチングを開始させることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号をトリガー信号として前記半導体スイッチのゲートパルスを生成し、スイッチングさせることにより出力電圧が低下したことを検出し、出力電圧低下を抑制することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記負荷急変検出回路で検出した負荷急変検出信号によりスイッチング周波数を制御するための電圧を変化させることでスイッチング周波数を高くし、スイッチングさせることで負荷急変等による出力電圧の低下を検出すると共に出力電圧低下を抑制することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記負荷急変検出回路は定常状態では動作せず、負荷急変等により出力電圧が低下したときのみ動作することで定常状態での電力損失を抑える構成とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記負荷急変検出回路は、コンデンサとフォトカプラーの1次側ダイオードと抵抗との直列回路を前記出力電圧生成部の正極と負極との間に接続する構成とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−116026(P2013−116026A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263318(P2011−263318)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
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