説明

スイッチ装置

【課題】ハンドル周りの小型化とスイッチ装置のコスト低減を図る。
【解決手段】筒状スリーブ31の一端に可動接点33を備えた可動子32が設けられ、他端に固定接点34,35に導線接続部49を介して接続される導線41,42を有し、ブレーキレバー14を操作することで可動接点33が固定接点34,35に接触するスイッチ装置15において、筒状スリーブ31の一端部内側に筒状スリーブ31内周と可動子32外周との間をシールするシール部材46が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチ装置として、自動二輪車等のハンドルバーにスイッチ装置を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−44520公報
【0003】
特許文献1の図1、図2を以下に説明する。
ハンドルバーには液圧マスターシリンダ3が設けられ、この液圧マスターシリンダ3のシリンダボディ6にクラッチレバー4が揺動自在に取付けられるとともに、シリンダボディ6の下部に、クラッチレバー4を操作してクラッチを切ったときにエンジンの始動を可能にするスタータ制御スイッチ13が取付けられている。
クラッチレバー4を操作すると、スタータ制御スイッチ13の作動子13bがストロークし、スタータ制御スイッチ13がオンになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタータ制御スイッチ13は、雨水等の内部への侵入を防止するためにシール構造が施されるが、スタータ制御スイッチ13の作動子13bを覆うようにケース自体にシール構造を設けると、スタータ制御スイッチ13が大型になり、クラッチレバー4周りが大型になるとともにスタータ制御スイッチ13のコストアップを招く。
本発明の目的は、ハンドル周りの小型化とスイッチ装置のコスト低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、筒状スリーブの一端に可動接点を備えた可動子が設けられ、他端に固定接点にコード接続部を介して接続される接続コードを有し、操作レバーを操作することで可動接点が固定接点に接触するスイッチ装置において、筒状スリーブの一端部内側に筒状スリーブ内周と可動子外周との間をシールするシール部材が設けられることを特徴とする。
【0006】
作用として、可動子をガイドするキャップ部材の内側に筒状スリーブ内周と可動子外周との間をシールするシール部材を設けることで、スイッチ装置の本体側にシール部材を設けるのに比べてスイッチ装置が小型になる。また、スイッチ装置の本体側にシール部材を配置する特別の加工等が無くなる、あるいは少なくなり、スイッチ装置のコストが低減される。
【0007】
請求項2に係る発明は、筒状スリーブの一端部に可動子をガイドするキャップ部材が設けられていることを特徴とする。
作用として、キャップ部材の内側に出来るデッドスペースにシール部材を配置することが可能になる。
【0008】
請求項3に係る発明は、コード接続部が、筒状スリーブの他端部から筒状スリーブ内に挿入され、コード接続部の先端外周部に抜け止め用爪部が形成され、筒状スリーブに設けられた側部貫通穴に係合して抜け止めされるとともに、この側部貫通穴が通気性シール材により覆われることを特徴とする。
【0009】
作用として、コード接続部の先端外周部に形成された抜け止め用爪部を、筒状スリーブに設けられた側部貫通穴に係合することでコード接続部が筒状スリーブに簡単に抜け止めされる。また、側部貫通穴が筒状スリーブ内外の通気口として利用され、通気性シール材によって、筒状スリーブの外部から内部への雨水等の侵入が防止されるとともに、筒状スリーブの内部の湿気が外部に逃がされる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のスイッチ装置では、その可動子が操作レバーの操作により進退することでオンオフされるとともにこの操作レバーが支持される操作レバーホルダー内に設けられた貫通穴に挿入されて位置決めされることを特徴とする。
作用として、筒状のスイッチ装置が、操作レバーホルダー内に設けられた貫通穴に挿入されて、コンパクトに収納されるとともに操作レバーホルダーに周囲を保護される。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項2又は請求項3記載のスイッチ装置では、通気性シール材の取付位置が筒状スリーブの下部になるように操作レバーホルダーと筒状スリーブとに位置決め部が設けられることを特徴とする。
【0012】
作用として、通気性シール材の取付位置が筒状スリーブの下部になるため、筒状スリーブの下部に位置する側部貫通穴を通じて筒状スリーブ内に雨水等が一層侵入しにくくなる。
【0013】
請求項6に係る発明は、通気性シール材の取付部が、筒状スリーブの外周部に沿って操作レバーホルダーの貫通穴の開口部に貫通することを特徴とする。
作用として、通気性シール材の取付部と操作レバーホルダーの貫通穴の開口部とに筒状スリーブの外周部に沿って通気通路が形成され、筒状スリーブの内外が通気可能になる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、筒状スリーブの一端部内側に筒状スリーブ内周と可動子外周との間をシールするシール部材が設けられるので、シール部材によってスイッチ装置の内部への土埃、雨水等の侵入を防止しながら、スイッチ装置の本体側にシール部材を設けなくて済むためにスイッチ装置が小型になるとともにスイッチ装置の本体側への加工等が無くなる、あるいは少なくなり、ハンドル周りの小型化とスイッチ装置のコスト低減とを図ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、筒状スリーブの一端部に可動子をガイドするキャップ部材が設けられているので、シール部材を、キャップ部材の内側に出来るデッドスペースを利用して配置することができ、スイッチ装置の小型化を図ることができるとともに、キャップ部材でシール部材を保護することができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、コード接続部が、筒状スリーブの他端部から筒状スリーブ内に挿入され、コード接続部の先端外周部に抜け止め用爪部が形成され、筒状スリーブに設けられた側部貫通穴に係合して抜け止めされるとともに、この側部貫通穴が通気性シール材により覆われるので、接続コードの組付けが容易に行えるとともに、スイッチ装置の防水性、通気性を向上させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、スイッチ装置は、その可動子が操作レバーの操作により進退することでオンオフされるとともにこの操作レバーが支持される操作レバーホルダー内に設けられた貫通穴に挿入されて位置決めされるので、スイッチ装置が筒状形状であるため、操作レバーホルダー内の貫通穴に容易に配置することができ、操作レバーホルダーを小型にすることができるとともに、操作レバーホルダーによってスイッチ装置を保護することができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、スイッチ装置は、通気性シール材の取付位置が筒状スリーブの下部になるように操作レバーホルダーと筒状スリーブとに位置決め部が設けられるので、筒状スリーブの側部貫通穴が常に下部に配置されるため、側部貫通穴を通じて筒状スリーブ内に雨水等を一層侵入しにくくすることができる。
【0019】
請求項6に係る発明では、通気性シール材の取付部が、筒状スリーブの外周部に沿って操作レバーホルダーの貫通穴の開口部に貫通するので、通気性シール材の取付部と貫通穴の開口部との通気通路を筒状スリーブの外周部に沿って容易に形成するとができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るスイッチ装置を備えた自動二輪車の前部斜視図であり、自動二輪車10は、車体前部に前輪を操舵するバーハンドル11が取付けられ、このバーハンドル11に取付けられたハンドルブラケット12に、支軸13を中心にしてスイング可能な後輪用のブレーキレバー14と、このブレーキレバー14のスイングを検知するスイッチ装置15とが取付けられている。なお、17はブレーキレバー14と後輪用ブレーキ装置とを連結するブレーキケーブル、18はヘッドランプ、21はウインカ、22はメータである。
【0021】
図2は本発明に係るスイッチ装置を説明する断面図(図中の矢印(FRONT)は自動二輪車の前方を表している。)であり、スイッチ装置15は、ハンドルブラケット12のスイッチ挿入穴12aに挿入された樹脂製の筒状スリーブ31と、この筒状スリーブ31内に軸方向移動自在に挿入された可動子32と、この可動子32に設けられた筒状の可動接点33と、この可動接点33に接触可能にされた一対の固定接点34,35と、これらの固定接点34,35を支持するために筒状スリーブ31内に固定された樹脂製の接点支持部37と、可動子32をブレーキレバー14の端面14aに押し付けるために可動接点33及び接点支持部37のそれぞれの間に配置された圧縮コイルばね38と、固定接点34,35にそれぞれ接続された導線41,42と、接点支持部37を筒状スリーブ31内に押し込むために接点支持部37に隣接するように一部が筒状スリーブ31内に挿入された押圧部材43と、可動子32の先端部をガイドするために筒状スリーブ31の先端部に取付けられた樹脂製のキャップ部材44と、筒状スリーブ31及び可動子32のそれぞれの間をシールするためにキャップ部材44の内側、即ち、キャップ部材44よりも筒状スリーブ31内の奥側に配置されたシール部材46とからなる。なお、12bはブレーキレバー14のスイングを規制するハンドルブラケット12側の端面、48は導線41,42を覆う樹脂製のチューブである。
【0022】
筒状スリーブ31は、先端部の後部に、ハンドルブラケット12のスイッチ挿入穴12aの開口部12kに形成された係合凹部12cに係合する係合凸部31aを備える。
係合凹部12cと係合凸部31aとの係合により、ハンドルブラケット12に対してスイッチ装置15が回り止めされ、また、開口部12kの近傍の筒状スリーブ31には、キャップ部材44を固定するための複数のキャップ係合穴31bが形成されている。
【0023】
ここで、符号31cはシール部材46の一端の位置を規制するために筒状スリーブ31の先端部寄りの位置の内周面に一体に形成された環状凸部、31dは押圧部材43の抜け止めを行うために押圧部材43の段部43aに掛けた端部加締め部、31eは筒状スリーブ31をスイッチ挿入穴12aのブレーキレバー14側から挿入したときに、スイッチ挿入穴12aから筒状スリーブ31が抜けるのを防止する外周凸部である。
【0024】
可動子32は、中間部にフランジ32aが形成されたロッド部32bと、筒状の可動接点33を嵌合するためにロッド部32bの端部に一体に形成された小径部32cと、この小径部32cの端部に一体に形成されたおすテーパ部32dとからなる。
【0025】
フランジ32aは、環状凸部31cに当たって可動子32が筒状スリーブ31から外部へ飛び出さないように設けられた部分である。
おすテーパ部32dは、接点支持部37に形成されためすテーパ部37aと隙間をもって嵌合し、可動子32が大きく傾くのを防ぐ部分である。
【0026】
可動接点33は、その外径がロッド部32bと同一、又はロッド部32bとほぼ同一に形成された部品である。
固定接点34,35は、弾性部材であり、図の状態では、ロッド部32bの外周面に先端部34a,35aが押し付けられている。なお、34b,35bは導線41,42の各芯線を加締めて接続するために端部に一体に設けられた加締め部である。
【0027】
接点支持部37は、外周面に、固定接点34,35を配置するために形成された固定接点用溝37b,37bと、固定接点34,35の加締め部34b,35bを配置するために形成された加締め部用凹部37c,37cとを備え、更に、圧縮コイルばね38の一端を支持するために一端面に形成された円形溝37dと、前述のめすテーパ部37aとを備える。
上記の固定接点34,35及び接点支持部37は、導線接続部49を構成する部品である。
【0028】
キャップ部材44は、筒状スリーブ31の開口を塞ぐ円板状部44aと、この円板状部44aに直交するように一体に形成された複数の爪部44bとからなり、これらの複数の爪部44bをそれぞれ筒状スリーブ31のキャップ係合穴31bに係合させることで筒状スリーブ31にキャップ部材44を取付ける。
符号44cは、可動子32をガイドするために円板状部44aに開けられたガイド穴である。
【0029】
図示したように、筒状スリーブ31のキャップ部材44より内側、即ち、筒状スリーブ31のスイッチ挿入穴12aの開口部12kより奥側でキャップ部材44と筒状スリーブ31の環状凸部31cとで挟まれる空間50Aにシール部材46を配置したことで、シール部材46によって外部から筒状スリーブ31内の可動接点33及び固定接点34,35の先端部34a,35aが配置された空間50Bに土埃、雨水等が侵入するのを防止することができる。
【0030】
また、シール部材44の一端の位置を、筒状スリーブ31の一端に取付けられるキャップ部材44の複数の爪部44bの先端で規制することができ、筒状スリーブ31にはシール部材44の他端の位置を規制する環状凸部31cを設けるだけでよく、筒状スリーブ31の大径化、形状の複雑化を防止してより簡素な形状にすることができて、筒状スリーブ31のコストを低減することができる。
【0031】
図3は図2の3−3線断面図であり、筒状スリーブ31の下部に、単一の側部貫通穴31fと、この側部貫通穴31fを含むように筒状スリーブの外周面に位置する通気用凹部31gとが形成され、接点支持部37の先端外周部に筒状スリーブ31の側部貫通穴31fに係合する抜け止め用爪部37eが形成されている。
【0032】
側部貫通穴31fは、雨水等が筒状スリーブ31内に入り込まないように筒状スリーブ31の下部に位置するように形成され、この側部貫通穴31fを覆うように通気用凹部31g内に通気性シール材51が設けられている。
【0033】
通気性シール材51は、雨水等を遮断するとともに空気等を透過させる材料からなる。
ハンドルブラケット12は、スイッチ挿入穴12aの内周面の下部に、一端部が通気用凹部31g、他端部がスイッチ挿入穴12aの開口部12kに連通するようにブラケット側通気溝12eが形成されている。
【0034】
前述の係合凹部12c(図2参照)と係合凸部31a(図2参照)との係合位置を適宜設定することにより、側部貫通穴31fが筒状スリーブ31の下部に位置するようになる。
【0035】
図4(a)〜(c)は本発明に係る通気性シール材の取付状態を示す説明図であり、(a)はスイッチ装置15の要部断面図、(b)は通気用凹部31g及び通気性シール材51の正面図、(c)は接点支持部37の抜け止め用爪部37e及びその周囲を示す正面図である。
(a),(b)において、筒状スリーブ31は、外周面に側部貫通穴31fを含み且つ側部貫通穴31fの外形よりも大きな円形凹部31hと、この円形凹部31hに連結された直線状のスリーブ側通気溝31jとが形成され、円形凹部31hに嵌るように通気性シール材51が円形凹部31hの底面31kに貼り付けられている。
上記の円形凹部31h及びスリーブ側通気溝31jが、通気用凹部31gを構成する部分である。
【0036】
(a),(c)において、接点支持部37の抜け止め用爪部37eに隣接する部分(抜け止め用爪部37eよりも接点支持部37の先端側の部分)には、筒状スリーブ31内と側部貫通穴31fとの通気を促すための細溝37gが、接点支持部37の長手方向に延びるように形成されている。
【0037】
図3に戻って、通気性シール材51で側部貫通穴31fを覆い、通気用凹部31g及びブラケット側通気溝12eを設けることで、側部貫通穴31fから筒状スリーブ31内への雨水等の侵入をより一層防止することができるとともに、筒状スリーブ31内の湿気を外部に排出することができる。
【0038】
以上に述べたスイッチ装置15の作用を次に説明する。
図5は本発明に係るスイッチ装置の作用を示す作用図である。
ブレーキレバー14を操作して支軸13を中心に矢印のようにスイングさせると、ブレーキレバー14の端面14aの移動に伴って可動子32が圧縮コイルばね38の弾性力で図の左方に白抜き矢印で示すように移動する。
【0039】
この結果、可動子32に設けられた可動接点33が移動して固定接点34,35に接触し、固定接点34,35間を導通させる。即ち、スイッチ装置15がオンになり、電流が導線41,42を流れるようになる。また、ブレーキレバー14を図2の状態に戻せば、可動子32がスイッチ装置15内に押し込まれ、可動接点33が移動して固定接点34,35と接触しなくなり、固定接点34,35間の導通がなくなる。即ち、スイッチ装置15がオフになる。
【0040】
以上の図2、図3、図5に示されるように、筒状スリーブ31の一端に可動接点33を備えた可動子32が設けられ、他端に固定接点34,35にコード接続部としての導線接続部49を介して接続される接続コードとしての導線41,42を有し、操作レバーとしてのブレーキレバー14を操作することで可動接点33が固定接点34,35に接触するスイッチ装置15において、筒状スリーブ31の一端部内側に筒状スリーブ31内周と可動子32外周との間をシールするシール部材46が設けられるので、シール部材46によってスイッチ装置15の内部への土埃、雨水等の侵入を防止しながら、スイッチ装置15の本体側にシール部材を設けなくて済むためにスイッチ装置15が小型になるとともにスイッチ装置15の本体側への加工等が無くなる、あるいは少なくなり、バーハンドル11周りの小型化とスイッチ装置15のコスト低減とを図ることができる。
【0041】
上記した筒状スリーブ31の一端部には、可動子32をガイドするキャップ部材44が設けられているので、シール部材46をキャップ部材44の内側に出来るデッドスペースを利用して配置することができ、スイッチ装置15の小型化を図ることができるとともに、キャップ部材44でシール部材46を保護することができる。
【0042】
また、導線接続部49が、筒状スリーブ31の他端部から筒状スリーブ31内に挿入され、導線接続部49の先端外周部に抜け止め用爪部37eが形成され、筒状スリーブ31に設けられた側部貫通穴31fに係合して抜け止めされるとともに、この側部貫通穴31fが通気性シール材51により覆われるので、導線41,42の組付けが容易に行えるとともに、スイッチ装置15の防水性及び通気性を向上させることができる。
【0043】
更に、スイッチ装置15は、その可動子32がブレーキレバー14の操作により進退することでオンオフされるとともにこのブレーキレバー14が支持される操作レバーホルダーとしてのハンドルブラケット12内に設けられた貫通穴としてのスイッチ挿入穴12aに挿入されて位置決めされるので、スイッチ装置15が筒状形状であるため、ハンドルブラケット12内のスイッチ挿入穴12aに容易に配置することができ、ハンドルブラケット12を小型にすることができるとともに、ハンドルブラケット12によってスイッチ装置15を保護することができる。
【0044】
また更に、スイッチ装置15は、通気性シール材51の取付位置が筒状スリーブ31の下部になるようにハンドルブラケット12と筒状スリーブ31とに、位置決め部としてハンドルブラケット12側の係合凹部12c、筒状スリーブ31側の係合凸部31aが設けられるので、筒状スリーブ31の側部貫通穴31fが常に下部に配置されるため、側部貫通穴31fを通じて筒状スリーブ31内に雨水等を一層侵入しにくくすることができる。
【0045】
更に、通気性シール材51の取付部、即ち、通気用凹部31gが、筒状スリーブ31の外周部に沿ってハンドルブラケット12のスイッチ挿入穴12aの開口部12kに貫通するので、通気用凹部31gとスイッチ挿入穴12aの開口部12kとの通気通路を筒状スリーブ31の外周部に沿って容易に形成するとができる。
【0046】
尚、本実施形態では、図3に示したように、通気用凹部31gを、ブラケット側通気溝12eを介して外部と連通させたが、これに限らず、通気用凹部31gを外周凸部31e側に延ばしてスイッチ挿入穴12aの開口部12kとは反対側の開口部から外部に連通させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のスイッチ装置は、二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るスイッチ装置を備えた自動二輪車の前部斜視図である。
【図2】本発明に係るスイッチ装置を説明する断面図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】本発明に係る通気性シール材の取付状態を示す説明図である。
【図5】本発明に係るスイッチ装置の作用を示す作用図である。
【符号の説明】
【0049】
10…自動二輪車、12…操作レバーホルダー(ハンドルブラケット)、12a…貫通穴(スイッチ挿入穴)、12c,31a…位置決め部(係合凹部、係合凸部)、14…操作レバー(ブレーキレバー)、15…スイッチ装置、31…筒状スリーブ、31f…側部貫通穴、32…可動子、33…可動接点、34,35…固定接点、37e…抜け止め用爪部、41,42…接続コード(導線)、44…キャップ部材、46…シール部材、49…コード接続部(導線接続部)、51…通気性シール材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状スリーブの一端に可動接点を備えた可動子が設けられ、他端に固定接点にコード接続部を介して接続される接続コードを有し、操作レバーを操作することで前記可動接点が前記固定接点に接触する形式のスイッチ装置において、
前記筒状スリーブの一端部内側に筒状スリーブ内周と可動子外周との間をシールするシール部材が設けられることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記筒状スリーブの一端部に前記可動子をガイドするキャップ部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記コード接続部は、前記筒状スリーブの他端部から筒状スリーブ内に挿入され、コード接続部の先端外周部に抜け止め用爪部が形成され、筒状スリーブに設けられた側部貫通穴に係合して抜け止めされるとともに、この側部貫通穴が通気性シール材により覆われることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のスイッチ装置は、前記可動子が前記操作レバーの操作により進退することでオンオフされるとともにこの操作レバーが支持される操作レバーホルダー内に設けられた貫通穴に挿入されて位置決めされることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4記載のスイッチ装置は、前記通気性シール材の取付位置が前記筒状スリーブの下部になるように前記操作レバーホルダーと前記筒状スリーブとに位置決め部が設けられることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項6】
前記通気性シール材の取付部は、前記筒状スリーブの外周部に沿って前記操作レバーホルダーの前記貫通穴の開口部に貫通することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−238472(P2009−238472A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80920(P2008−80920)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】