説明

スイッチ装置

【課題】スイッチ操作部のロック機構を有したスイッチ装置において、耐久性があり、ロック状態を強制的に解除できる機構を有したスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置は、端子部15dと固定接点部15eを有するウェハ15と、押圧操作を受けて上下動可能であると共に、第1のラチェット歯5eが形成されたスイッチ操作体5と、上下動可能かつ回転可能であり、第2のラチェット歯6eが形成され、第1のカム部6fを有するカムフォロワ6と、固定接点部15eと接離する可動接点12と、回転規制部9dとロック部3cとを備えたケース9と、からなり、スイッチ操作体5をロックしたロック状態とロックが解除された解除状態との切り換え可能なラチェット機構を有するスイッチ装置において、前記ロック状態を、スイッチ操作体5を操作せずに、強制的に解除できる強制ロック解除機構を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器において様々な機能の切り換え等に使用されるスイッチ装置に関し、特に、スイッチ操作部を押圧操作することで接点の接続切り換えと共に、スイッチ操作部のロック状態と解除状態との切り換えができ、スイッチ操作部以外にも強制的にロック状態を解除できる機構を持ったスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本スイッチ装置は、例えば、自動車のコントロールパネルに取り付けられ、車内温度設定や空調の送風箇所選択などの条件設定に用いられる。各種条件を組み合わせる中で、確実にロック状態を解除しなければならない組合せがある場合、その組合せになった時に自動車側で機械的に解除機構を作動させるといったことに用いられる。
その為、スイッチ操作部とは別に、スイッチ操作部がロック状態の場合に操作されると解除状態に切り換え、解除状態の場合に操作するとそのまま解除状態を維持する強制ロック解除機構を持ったスイッチ装置が必要となる。
【0003】
従来の強制的にロック状態を解除できる機構を持ったスイッチ装置としては、特許文献1に記されるスイッチ装置が知られている。それについて図20、図21を用いて簡単に説明する。ロックと解除の動作の詳細な説明はしないが、ハートカム機構を用いてスイッチ操作体100のロックと解除を行なっており、スイッチ操作部100aを押圧操作するたびにスイッチ操作体100のロック状態と解除状態が交互に切り換わると共に、接点の接続状態が切り換わるスイッチ装置である。
【0004】
強制的なロック状態の解除は、駆動体110の押圧部110aを押圧することで行なうことができる。図20(a)はスイッチ操作体100のロック状態を示す図である。このとき、駆動体110の押圧部110aを押圧すると、駆動体110の押圧部110aの反対端に設けられたテーパ部110bとスイッチ操作体100のスライド部100bに設けられたテーパ部100cとが接触し、更に押圧することで図20(b)のようにテーパ部100cは下方に押し込まれ、スイッチ操作体100はスイッチ操作部100aを押圧した場合と同様の動きをし、ロックが解除される。
【0005】
図21(a)は、スイッチ操作体100のロックが解除された状態を示す図である。このとき、駆動体110を押圧すると、図21(b)のようにテーパ部110bはスライド部100bに設けられた窪み部100dに挿入されるが、スイッチ操作体100は駆動体110の動きに連動した動きはせず、スイッチ操作体100の解除状態は保持され、ロック状態になることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−251571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、スイッチ操作部のロックと解除にハートカム機構を用いたスイッチ装置において、ロック状態を強制的に解除できる機構を有したスイッチ装置が記載されている。
【0008】
ここで、特許文献1に記載のロック状態を強制的に解除できる機構は、通常のスイッチ操作部とは別に、強制解除する為の操作部を有している。しかし、実際には強制解除操作を行なうことで、スイッチ操作部を押し込みハートカム機構を駆動させてロックを解除している。
【0009】
ハートカム機構は細い溝の中を細いピンが摺動するため、磨耗や変形など耐久性についての不安があり、動作しなくなることが懸念される。ハートカム機構と同様な効果が得られるラチェット機構は、カムの噛み合わせで駆動するので、ハートカム機構に比べて耐久性がある。しかし、ラチェット機構を用いたスイッチ装置において、特許文献1のように強制的にロック状態を解除できる機構を持ったスイッチ装置は知られていない。
【0010】
特許文献1では、駆動体110を押圧しスイッチ操作体100に当接させ、テーパ部110bとテーパ部100cとを介して、押圧する方向に対して垂直方向にスイッチ操作体100を移動させるため、移動させるために強い力が必要となる。また、スイッチ操作体100の移動方向に対して垂直方向から押圧力が加わるため、スイッチ操作体100が傾いてしまい、スムーズに動作しないことが考えられる。
【0011】
自動車などに用いられ、自動で操作された場合、操作荷重が重く、スムーズに動作しないと操作ミスが発生することが考えられる。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決して、耐久性があり、ロック状態を強制的に解除できる機構を有したスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、外部と接続可能な端子部と固定接点部を有するウェハと、外部からの押圧操作を受けて、上下動可能であると共に、円状に第1のラチェット歯が形成されたスイッチ操作体と、上下動可能かつ回転可能であり、前記第1のラチェット歯と噛み合うように第2のラチェット歯が形成され、第1のカム部を有するカムフォロワと、前記スイッチ操作体の上下動に伴って、前記固定接点部と接離する可動接点と、前記第1のカム部を案内する回転規制部と前記第1のカム部の移動をロック可能なロック部とを備えたケースと、からなり、前記スイッチ操作体を操作し、前記第1のカム部と前記ロック部とが係合したロック状態と前記第1のカム部と前記ロック部との係合が解除された解除状態に切り換え可能なラチェット機構を有するスイッチ装置において、前記ロック状態を、前記スイッチ操作体を操作せずに、強制的に解除できる強制ロック解除機構を有するという特徴を有する。
【0014】
これにより、カムの噛み合わせで駆動し、磨耗や変形などが起こりにくいラチェット機構を用いてスイッチ操作部をロック状態にすることで、耐久性がありロック状態を強制的に解除できる機構を有したスイッチ装置を提供することができる。
【0015】
また、本発明は、前記ケースには上下移動可能な係止部材が設けられ、前記係止部材は前記ロック部を有するという特徴を有する。
【0016】
これにより、前記ロック部を前記ケースとは別体とすることで、前記ロック部を動かしロックを解除することが可能となり、部品構成を複雑にせず強制ロック解除機構を容易に構成することができる。
【0017】
また、本発明は、前記強制ロック解除機構は、移動可能に配置された解除操作体と、
前記ケースに設けられた第2のカム部と、前記第2のカム部と係合する第3のカム部を有し移動可能に配置された駆動部材と、前記駆動部材に係合し上下移動可能な前記係止部材と、からなり、前記解除操作体を押圧操作すると、前記第2のカム部と前記第3のカム部と前記駆動部材とを介して前記係止部材が上方へ移動し、前記ロック状態が解除されるという特徴を有する。
【0018】
これにより、駆動部材の回動動作により前記係止部材を上方へ移動させてロック状態を解除することで、軽い作動力でロック状態を解除することが可能となり、より確実にロック状態を解除できるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明は、前記強制ロック解除機構には、前記解除操作体の押圧操作による押圧力に抗する向きに付勢する付勢部材が設けられているという特徴を有する。
【0020】
これにより、解除操作体が常に初期位置に配置され、解除操作したときのみロック解除をすることができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明は、前記駆動部材は円環状に形成された基部を有し前記基部の下面側に前記第3のカム部が設けられ、前記係止部材は円環状に形成された基部を有し前記基部の内面側から下方に板状のストッパが延設され、前記ケースには切り欠きを有した円筒部が形成され、前記円筒部の外側面に沿って前記第2のカムが設けられ、前記駆動部材は内側面を前記円筒部に係合し、前記第3のカム部と前記第2のカム部が係合するように配置され、前記係止部材のストッパを前記ケースの切り欠きに挿入し、前記係止部材と前記駆動部材とを係合するように配置されているという特徴を有する。
【0022】
これにより、駆動部材の内側面と円筒部が係合することで、駆動部材はスムーズに回転すると共に上下にもスムーズに移動できる。また、前記係止部材は切り欠きにストッパを挿入することで回転運動が規制されると共に、上下方向にスムーズに移動ができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明は、前記第2のカム部と前記第3のカム部とは、それぞれ同数で3ヶ所以上で等間隔に設けられているという特徴を有する。
【0024】
これにより、駆動部材が傾くことなく水平に上下動することで、強制ロック解除の動きが滑らかになり、より確実に強制ロック解除が行なえるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明は、前記駆動部材は前記ウェハ内に収納されているという特徴を有する。
【0026】
これにより、外部からゴミが入り難く、動作がスムーズで、安定した強制ロック解除を行なえるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0027】
本発明のスイッチ装置は、耐久性があり、ロック状態を強制的に解除できる機構を有したスイッチ装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態のスイッチ装置を示す斜視図である。
【図2】実施形態のスイッチ装置の構成部品を示す分解斜視図である。
【図3】実施形態のスイッチ装置の構造を示す断面略図である。
【図4】構成部品のスイッチ操作体5を示す図である。
【図5】カムフォロワ6を示す図である。
【図6】構成部品の抜け止め部材10を示す図である。
【図7】構成部品の作動部材11を示す図である。
【図8】構成部品の可動接点12を示す図である。
【図9】構成部品のケース9を示す図である。
【図10】構成部品のウェハ15を示す図である。
【図11】構成部品の解除操作体13を示す図である。
【図12】構成部品のスペーサ2を示す図である。
【図13】構成部品の係止部材3を示す図である。
【図14】構成部品の駆動部材4を示す図である。
【図15】構成部品の取り付け板1を示す図である。
【図16】ケース9と係止部材3と駆動部材4の係合関係を示す図である。
【図17】第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eと第1のカム部6fの動作を示す図である。
【図18】実施形態のスイッチ装置のロック機構の動作を示す図である。
【図19】実施形態のスイッチ装置の強制ロック解除機構の動作を示す図である。
【図20】従来のスイッチ装置のロック機構の動作を示す図である。
【図21】従来のスイッチ装置の強制ロック解除機構の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下において、本発明の実施形態に係るスイッチ装置を具体的に説明するが、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【0030】
[第1実施形態]
以下、本発明のスイッチ装置を具体化した第1実施形態について図1ないし図18を参照して説明する。図1は、実施形態のスイッチ装置を示す斜視図である。図2は、実施形態のスイッチ装置の分解斜視図である。図3は実施形態のスイッチ装置の断面略図である。
【0031】
本実施形態のスイッチ装置は、図1のように、概して直方体の上に円筒を重ねた形状に形成され、図2で示すように、ウェハ15内には、可動接点12、作動部材11、抜け止め部材10、ケース9、第2のコイルスプリング(復帰バネ)8、第1のコイルスプリング7、カムフォロワ6、スイッチ操作体5、駆動部材4、係止部材3、スペーサ2、解除操作体13、第3のコイルスプリング(付勢部材)14が組み込まれ、取り付け板1によりウェハ15の上面と側面が覆われている。図3で示すように、スイッチ操作体5がウェハ15の上面から突出しており、スイッチ操作体5の下側とウェハ15との間には第1のコイルスプリング7、第2のコイルスプリング8配置されている。また、スイッチ操作体5の一方側(図の左側)には解除操作体13が配置されている。
【0032】
以下、図2および図4から図15を用いて、各構成部品について説明する。
【0033】
スイッチ操作体5は、図4のように、樹脂材からなり、概して円筒に直方体をつけた形状に形成されている。ここで円筒形状のある方向を下方向、直方体形状のある方向を上方向とする。
【0034】
スイッチ操作体5は、底面部を開放し、内部が空洞の外筒部5aと、外筒部5aの上面の中心部から上方に突出する略直方体形状のスイッチ操作部5bと、外筒部5aの内部にスイッチ操作部5bの延長線上に下方へ突出する貫通軸5cと、外筒部5aの下端周縁部から90°毎に外方へL字形に突出した脚部5dを有する。
【0035】
また、外筒部5aの下端面には、円周に沿って等間隔に8つの山部と谷部からなる第1のラチェット歯5eが形成されている。
【0036】
カムフォロワ6は、図5のように、樹脂材で概して円筒状に形成され、一端の周縁部から外方に円環状に突出した形状を有している。ここで、円環状に突出した形状のある方向を下方向、その反対方向を上方向とする。
【0037】
カムフォロワ6は、底面を開放し、内部が中空の外筒部6aと、外筒部6aの上面の中心部から外筒部6a内部に凹形状に形成され、その底面部に円形の開口部6gを有する内筒部6bと、外筒部6a下端周縁部から外方へ円環状に突出した鍔部6cとを有している。
【0038】
また、カムフォロワ6は、鍔部6cの内周面の対向する位置に切り欠き形状の作動部ガイド溝6dを2箇所有している。
【0039】
また、カムフォロワ6は、鍔部6cの上面に、円周に沿って6つの山部と谷部からなる第2のラチェット歯6eを有し、作動部ガイド溝6dを挟んで等間隔にそれぞれ3個ずつ配置されている。
【0040】
また、カムフォロワ6は、鍔部6cの外周面に、上面が傾斜面になっている第1のカム部6fを有し、等間隔に4箇所、外方へ突出して配置されている。
【0041】
第1のコイルスプリング7は、図2のように、金属線材で概して円筒状に形成されたコイルスプリングである。
【0042】
抜け止め部材10は、図6のように、金属板で形成され、円盤状に形成されている。抜け止め部材10は、中心部に貫通穴10aを有する。また、抜け止め部材10の外径はカムフォロワ6の開口部6gの直径よりも大きい。
【0043】
作動部材11は、図7のように、樹脂材によって、概して円盤状に形成されている。作動部材11は、円形の貫通穴11aと、円柱状の2本の可動接点固定部11cと、先端部にT字状の抜け止め部11dが形成された2本の腕部11bとを有する。貫通穴11aは作動部材11の中心部に形成され、貫通穴11aの周辺に可動接点固定部11cと、腕部11bとがそれぞれ面に対して垂直方向に突出している。腕部11b同士を結ぶ直線と、可動接点固定部11c同士を結ぶ直線は貫通穴11aの中心で直角に交わり、腕部11bは可動接点固定部11cを有する面の裏面に形成されている。
【0044】
可動接点12は、図8のように、金属板によって、概して円環状に形成されている。可動接点12は、円形の位置決め穴12aと、半円環状に形成された可動接点部12bとをそれぞれ2ヶ所ずつ形成されている。位置決め穴12aは、可動接点12の中心点に対して点対称の位置に配置され、可動接点部12bは可動接点12の中心点に対して点対称の位置に配置され、位置決め穴12a同士を結ぶ直線と可動接点部12b同士を結ぶ直線は直交する。
【0045】
また、可動接点12は、概して、位置決め穴12a同士を結ぶ直線を中心に、可動接点部12bが突出している方向にそれぞれ少し折り曲げたような形状に成形されており、付勢力を有する。
【0046】
第2のコイルスプリング8は、図2のように、金属線材で概して円筒状に形成されたコイルスプリングである。第2のコイルスプリング8の付勢力は、第1のコイルスプリング7の付勢力よりも大きい。
【0047】
ケース9は、図9のように、樹脂材によって、概して直方体に円筒を重ねた形状に形成されており、円筒形状の円筒部9fから直方体形状の直方体部9gまで貫通した円筒状の中空部9aを有している。ここで、円筒部9fのある方向を上方向、直方体部9gのある方向を下方向とする。
【0048】
中空部9aの内周面には、スイッチ操作体5の上下方向の移動をガイドするスイッチ操作体ガイド溝9bと、係止部材3の上下方向の移動をガイドする係止部材ガイド溝9c(切り欠き)と、カムフォロワ6の上下方向および回転方向の移動をガイドする傾斜面である回転規制部9dとを有している。図9(c)のように、ケース9を下方側から見たときに、時計回りの方向に、スイッチ操作体ガイド溝9b、係止部材ガイド溝9c、回転規制部9dの順に90°の範囲に配置され、中空部9a内部にそれぞれ4箇所形成されている。
【0049】
また、ケース9の直方体部9gの上面の端部四辺の各中央部には、上面に傾斜面を持った第2のカム部9eが形成されている。図9(a)のように、第2のカム部9eの斜面は、ケース9を上面側から見たときに時計回りの方向に行くほど高くなる勾配を持っている。
【0050】
ウェハ15は、図10のように、樹脂材によって、概して直方体形状に形成され、内部は中空で、ある一面を開放している。ここで、開放している面のある方向を上方向、その逆方向を下方向とする。
【0051】
また、一側面には開口部15aを有し、内部底面にはケース位置決め凹部15bを有している。また、開口部15aのある面に接する両側面には、傾斜面を有した突起部15cを各側面2個ずつ有する。
【0052】
また、ウェハ15には、開口部15aを有する側面とそれに対向する側面に金属板でクランク形状に成形された端子部15dがそれぞれ2本ずつ外部へ突出している。
【0053】
また、ケース位置決め凹部15bの底面部には金属板で成形され、端子部15dが延設された固定接点部15eが露出している。
【0054】
解除操作体13は、図11のように、樹脂材によって一体的に形成されている。解除操作体13は、板状の解除操作部13aと、方形の凹部である駆動部13bと、円柱状のコイルスプリング固定部13cとを有する。
【0055】
図11bで示すように、解除操作体13は、駆動部13bの一方側(図の右側)に板状の解除操作部13aが延設されており、駆動部13bの下面側で解除操作部13aの対向する位置にコイルスプリング固定部13cが設けられている。
【0056】
付勢部材である第3のコイルスプリング14は、図2のように、金属線材で概して円筒状に形成されたコイルスプリングである。
【0057】
スペーサ2は、図12のように、金属板にて、概して円環状に形成されている。スペーサ2は、半円柱状に形成された押圧部2aを2ヶ所有する。押圧部2aは、スペーサ2の中心点を中心に点対称の位置に1個ずつ設けられている。また、スペーサ2は、押圧部2a同士をつなぐ直線に直交し、スペーサ2の中心点を通る直線を中心に、押圧部2aが突出している方向に少し折り曲げたような形状に成形されており、付勢力を有している。
【0058】
係止部材3は、図13のように、樹脂材によって、概して円環状に形成されている。係止部材3は、先端部に傾斜面を有する板状のストッパ3aと、円環状の基部3bを有する。ストッパ3aは基部3bの内側面に等間隔に4片配置され、基部3bの平坦面に対して垂直方向に突出している。
【0059】
ストッパ3aは、第1のカム部6fに当接することでカムフォロワ6の動きを停止させることが可能なロック部3cと、第1のカム部6fに当接しカムフォロワ6の動きをガイドする傾斜面3dと、第1のカム部6fに当接しカムフォロワ6の動きをガイドするカムフォロワガイド面3eとを有する。
【0060】
ここでストッパ3aが突出している方向を下方向、基部3bのある方向を上方向とする。ストッパ3aを外周側から見た場合、ロック部3cはストッパ3aの右側面の下側端部にあり、カムフォロワガイド面3eはストッパ3aの左側面である。傾斜面3dは、ストッパ3aの下端にあり、基部3bに対して所定の角度を持った面で右方が左方よりも下がっている。
【0061】
駆動部材4は、図14のように、樹脂材にて、概して円環状に形成されている。駆動部材4は、外周面から外方へ突出した棒状の腕部4aと、平坦面に円周に沿って等間隔に4個形成され、斜面を有する第3のカム部4bと、円環状の基部4cを有する。
【0062】
取り付け板1は、図15のように、金属板で、概して長方形の板の両端を同じ方向に90°折り曲げた形状に形成されている。ここで、両端を折り曲げた方向を下方向、その逆方向を上方向とする。取り付け板1は、上面に円形の操作部穴1aと、両側面にそれぞれ一組の矩形状の切り欠き部1bと、を有する。
【0063】
次に、本実施形態のスイッチ装置の各部品の係合について図3および図16を用いて説明する。図16はケース9と係止部材3と駆動部材4の係合関係を示す図であり、係合関係を分かりやすくするため、他の部品は表示していない。
【0064】
第1のコイルスプリング7をカムフォロワ6の内筒部6b内に配置し、スイッチ操作体5の貫通軸5cを第1のコイルスプリング7とカムフォロワ6の開口部6gに挿入し、スイッチ操作体5をカムフォロワ6に被せ、貫通軸5cの先端に抜け止め部材10を固定する。
【0065】
第1のコイルスプリング7の付勢力により、スイッチ操作体5とカムフォロワ6はそれぞれ離れる方向に付勢されるが、抜け止め部材10により抜け落ちず、第1のコイルスプリング7の伸縮方向への移動及び回転運動も可能に保持される。
【0066】
スイッチ操作体5の第1のラチェット歯5eとカムフォロワ6の第2のラチェット歯6eとは対向して配置されている。
【0067】
次に、作動部材11の可動接点固定部11cが可動接点12の位置決め穴12aに挿入され、作動部材11に可動接点12が固定される。これにより、作動部材11と可動接点12とは一体となって動作することが可能となる。
【0068】
次に、第2のコイルスプリング8をカムフォロワ6の外筒部6aと内筒部6bの間に配置し、作動部材11の腕部11bをカムフォロワ6の作動部ガイド溝6dに係合し、第2のコイルスプリング8をカムフォロワ6と作動部材11で狭持する。カムフォロワ6と作動部材11は、第2のコイルスプリング8の付勢力によりそれぞれが離れる方向に付勢されるが、作動部材11の抜け止め部11dがカムフォロワ6の作動部ガイド溝6dに係合することで抜け落ちることなく保持される。また、カムフォロワ6と作動部材11は、第2のコイルスプリング8の伸縮方向にそれぞれ個別に移動することは可能であるが、回転動作は連動して行なう。
【0069】
これにより、スイッチ操作体5、カムフォロワ6、作動部材11はそれぞれ上下方向に自由に移動が可能であると共に、カムフォロワ6、作動部材11は連動して回転動作を行なう。
【0070】
次に、一体化したスイッチ操作体5、カムフォロワ6、第1のコイルスプリング7、第2のコイルスプリング8、作動部材11、可動接点12とを、スイッチ操作体5の脚部5dをケース9のスイッチ操作体ガイド溝9bに挿入して、スイッチ操作体5のスイッチ操作部5bがケース9の円筒部9fから突出する向きに、ケース9の中空部9aに配置する。
【0071】
これにより、スイッチ操作体5は、スイッチ操作体ガイド溝9bによってガイドされ、上下方向の移動は可能だが、回転動作は規制される。また、カムフォロワ6は、第1のカム部6fが回転規制部9dと摺接した場合は、回転規制部9dに沿って上下移動および回転動作が可能に保持される。
【0072】
スイッチ操作体5、カムフォロワ6、第1のコイルスプリング7、第2のコイルスプリング8、作動部材11、可動接点12とを中空部9aに内包したケース9は、可動接点12と固定接点部15eが対向する様にウェハ15のケース位置決め凹部15bに配置される。
【0073】
これにより、可動接点12と固定接点部15eとは当接可能となり、可動接点12の回転運動に伴って、可動接点12と固定接点部15eとの接続状態の切り換えを行う。
【0074】
解除操作体13は、ウェハ15の開口部15aから解除操作部13aを外部に突出させ、ケース9に隣接してウェハ15内に配置される。また、第3のコイルスプリング14はコイルスプリング固定部13cに取り付けられ、ウェハ15の内壁と解除操作体13とに狭持される。
【0075】
第3のコイルスプリング14の付勢力は、解除操作体13の押圧操作による移動に抗する方向に働いており、会場操作体13への押圧操作が解除されると、解除操作体13を押圧操作開始前の元の位置に復帰させるようになっている。
【0076】
駆動部材4は、図16(a)のように、ケース9の円筒部9fを基部4cに貫通させ、腕部4aを解除操作体13の駆動部13bに収め、第3のカム部4bとケース9の第2のカム部9eとが対向する向きにケース9の上に配置される。駆動部材4は回転運動が可能に配置され、回転する際にケース9の第2のカム部9eに駆動部材4の第3のカム部4bが摺接し上下に動作する。第2のカム部9eと第3のカム部4bが円周方向に等間隔で配置されることで、駆動部材4と係止部材3は水平状態を保ち、スムーズに上下に移動が可能となる。
【0077】
係止部材3は、図16(a)のように、ストッパ3aをケース9の係止部材ガイド溝9cに挿入し、ケース9の円筒部9fを基部3bに貫通させ、矢印Aの方向に移動させ駆動部材4の上に配置される。係止部材3は、上下運動は可能であるが、回転運動は係止部材ガイド溝9cによって規制され、駆動部材4の動きに連動して上下方向に移動する。
【0078】
矢印A方向に移動された係止部材3のストッパ3aは、図16(b)のように、回転規制部9dに併設して配置されており、ストッパ3aの先端部は、それぞれ回転規制部9dの斜面よりも矢印A方向で突出している。そのため、回転規制部9dにガイドされて移動してきた図5に示すカムフォロワ6の第1のカム部6fと係合し、カムフォロワ6の移動を停止させることが可能となる。
【0079】
スペーサ2は、ケース9の円筒部9fを基部4cに貫通させ、押圧部2aが係止部材3に当接する向きに係止部材3上に配置される。
【0080】
取り付け板1は、操作部穴1aにスイッチ操作部5bを貫通させ、ウェハ15上に配置され、切り欠き部1bを突起部15cにスナップ嵌合して固定される。これにより、スペーサ2は取り付け板1と係止部材3に狭持され、その付勢力により係止部材3は駆動部材4側に付勢される。これにより、ウェハ15内に収納された部品のガタを押さえ、スムーズな動作が可能となる。
【0081】
次にラチェット機構の動作について説明する。
【0082】
スイッチ操作部5bを第2のコイルスプリング8の付勢力に抗する方向に押圧操作し、その後、操作力を解除すると、第2のコイルスプリング8の付勢力によりスイッチ操作部5bは自己復帰の動作をする。ラチェット機構は、スイッチ操作部5bの動作に連動して動く第1のカム部6fの動きを規制することで、スイッチ操作部5bの動作を規制しロックをかける。
【0083】
以下、ラチェット機構の動きの詳細について図17と図18を用いて説明する。
図17はスイッチ操作部5bを押圧操作したときの第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eと第1のカム部6fの動きを示す概略動作図である。
【0084】
図17(a)は、スイッチ操作部5bを押圧操作する前の状態(初期位置)における第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eと第1のカム部6fおよび回転規制部9dとの位置関係を示す位置関係図である。図17(b)は、図17(a)を右側面から見た時の第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eと第1のカム部6fおよび回転規制部9dとの位置関係を示す位置関係図である。
【0085】
図17(c)は、スイッチ操作部5bを動作範囲末端まで押し込んだ状態における第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eと第1のカム部6fおよび回転規制部9dとの位置関係を示す位置関係図である。図17(d)は、図17(c)を右側面から見た時の第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eと第1のカム部6fおよび回転規制部9dとの位置関係を示す位置関係図である。
【0086】
次に、図18(a)は、スイッチ操作部5bの自己復帰の動作に連動して動く第1のカム部6fの動き始めを示す概略図である。図18(b)は、第1のカム部6fが係止部材3のロック部3cに当接したときの概略図である。図18(c)は、ロックを解除する時の第1のカム部6fの動きを示す概略図である。
【0087】
スイッチ操作部5bを押圧操作する前の状態において、図17(a)のように、第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eは、それぞれのラチェット歯の山が接触せず、少しずれた状態で配置されている。
【0088】
スイッチ操作部5bを押圧操作すると、図17(a)のように、第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eとの位置関係を変えずに矢印D1の方向へ移動する。
【0089】
スイッチ操作部5bを動作範囲末端まで押し込むと、図17(c)のように、第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eのそれぞれのラチェット歯の山が少しずれた状態で当接する。当接後は、回転可能なカムフォロワ6が矢印D2方向に、第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eの歯が噛み合うまで回転する。
【0090】
カムフォロワ6の回転に連動して、第1のカム部6fも矢印D2方向に回転し、図17(c)のような位置まで移動する。スイッチ操作部5bに加えた押圧力を開放すると、カムフォロワ6の移動に連動して第1のカム部6fは矢印D3方向へ移動し、ケース9の回転規制部9dに当接が可能となる。
【0091】
スイッチ操作部5bが自己復帰の動作を始めると、第1のカム部6fは図18(a)のように、移動途中でケース9の回転規制部9dに当接し、その後は回転規制部9dに摺接しながら矢印D4の方向に移動を始める。
【0092】
回転規制部9dに摺接しながら矢印D4の方向に移動してきた第1のカム部6fは、図18(b)のように、回転規制部9dに連接している係止部材3のロック部3cに当接し、カムフォロワ6は自己復帰の動作を停止する。カムフォロワ6が動作を停止することで、カムフォロワ6と連動して動くスイッチ操作体5(スイッチ操作部5b)も自己復帰の動作を停止する。この状態がロック状態である。
【0093】
ロック状態である時、スイッチ操作部5bを第2のコイルスプリング8の付勢力に抗する方向に再度押圧操作することで、ロック状態の解除を行なうことができる。スイッチ操作部5bを再度押圧操作すると、図18(c)のように、第1のカム部6fはスイッチ操作部5bの動きに連動して、矢印D5の方向に移動し、第1のカム部6fとロック部3cとの係合が外れる。
【0094】
スイッチ操作部5bを動作範囲末端まで押し込むと、図17(c)のように、第1のラチェット歯5eと第2のラチェット歯6eの歯が噛み合い、矢印D6方向に回転しロックが解除される。その後、第1のカム部6fは矢印D7方向に移動し、ストッパ3aに当接し、傾斜面3dおよびカムフォロワガイド面3eに摺接しながら矢印D8の方向へ移動し、カムフォロワ6の動きに連動してスイッチ操作体5(スイッチ操作部5b)も自己復帰を行い、初期位置に戻る。
【0095】
次に強制ロック解除機構について図19を用いて説明する。
【0096】
図19(a)は、強制ロック解除を行なった時の動きを、図1の上面側から見たときの概略動作図である。また、図19(b)は、強制ロック解除を行なった時の動きを、図1の側面側から見たときの概略動作図であり、第1のカム部6fはロック部3cと当接し、ロックされている状態を示す。図19(c)は、駆動部材4が矢印D2方向に回転した後の第1のカム部6fの動きを図1の側面側から見たときの概略の動作図である。
【0097】
強制ロック解除は、図19(a)の様に、解除操作部13aを第3のコイルスプリング14の付勢力に抗する矢印D9の方向に押圧することで行なえる。解除操作部13aを矢印D9の方向に押圧すると解除操作体13は矢印D9方向に移動し、駆動部13bと駆動部材4の腕部4aが当接し、腕部4aが矢印D10方向に押圧され、駆動部材4が図19(a)、図19(b)の矢印D10方向に回転する。
【0098】
駆動部材4が矢印D10方向に回転すると、駆動部材4の第3のカム部4bとケース9の第2のカム部9eは摺接し、駆動部材4は矢印D10方向に回転すると共に、第2のカム部9eの斜面に沿って矢印D11方向にも移動する。
【0099】
駆動部材4が矢印D11方向に移動するのに連動し、係止部材3も矢印D11方向に移動する。係止部材3が矢印D11方向に移動することで、ストッパ3aも矢印D11方向に移動し、ロック部3cと第1のカム部6fの係合が外れ、ロックが解除される。
【0100】
ロック解除後、第1のカム部6fは傾斜面3dに沿って矢印D12方向に移動し、スイッチ操作部5bを操作することなく、スイッチ操作部5bは初期位置に復帰する。
【0101】
また、ロックが解除された状態で強制ロック解除の操作をした場合、前述と同様に解除操作体13の動きに連動して係止部材3が動作するが、可動接点12と端子部材16の接続状態が変わるということは無く、ロックが解除された状態を維持する。
【0102】
これにより、ハートカムを用いたスイッチよりも耐久性があり、ロック状態を強制的に解除できる機構を有したスイッチ装置を提供することが可能となった。
【0103】
また、ロック部3cをケース9とは別体の係止部材3としたことで、ロック部3cを上方に移動させるという動作で容易にロックを解除することが可能となり、部品構成を複雑にせず強制ロック解除機構を容易に構成することができるという効果を奏する。
【0104】
また、解除操作体13の押圧操作の押圧力に抗する向きに付勢する付勢部材として、第3のコイルスプリング14の付勢方向と解除操作体13の押圧操作方向が対向する位置に配置したことで、解除操作体13が移動方向に対して傾きにくく、スムーズに初期位置に配置されるという効果を奏する。
【0105】
また、第2のカム部9eと第3のカム部4bの配置数を4箇所としたことで、配置数を3箇所とした場合よりも、駆動部材4は傾き難い。また、配置数を5箇所以上とした場合に比べて第2のカム部9eと第3のカム部4bの傾斜角はなだらかであり、滑らかに摺接することができる。したがって、強制ロック解除の動きが滑らかになり、より確実に強制ロック解除が行なえるという効果を奏する。
【0106】
また、強制ロック解除操作時以外は、解除操作体13がウェハ15の開口部15aを封止している為、外部からゴミが入り難く、動作がスムーズで、安定した強制ロック解除を行なえるという効果を奏する。
【0107】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
(1)上記実施形態では、カムを使って係止部材3と駆動部材4を上下に回動させたが、駆動部材4の基部4cの内壁とケース9の円筒部9fの外周に螺子加工し、上下に回動させても良い。
(2)上記実施形態では、解除操作部13aを操作し、駆動部材4を介して係止部材3を上下に回動させていたが、駆動部材4を操作する、または直接係止部材3を操作するなどの構造としても良い。
(3)上記実施形態では、駆動部材4の第3のカム部4bとケース9の第2のカム部9eがそれぞれ4箇所設けられているが、スムーズに動作し3箇所以上であれば良い。
(4)上記実施形態では、解除操作体13を押圧して強制ロック解除機構を初期位置に復帰させているが、例えば、駆動部材4に付勢部材を組み込んで初期位置に復帰させる方法でも良い。
【符号の説明】
【0108】
1 取り付け板
1a 操作部穴
1b 切り欠き部
2 スペーサ
2a 押圧部
2b 中空部
3 係止部材
3a ストッパ
3b 基部
3c ロック部
3d 傾斜面
3e カムフォロワガイド面
4 駆動部材
4a 腕部
4b 第3のカム部
4c 基部
5 スイッチ操作体
5a 外筒部
5b スイッチ操作部
5c 貫通軸
5d 脚部
5e 第1のラチェット歯
6 カムフォロワ
6a 外筒部
6b 内筒部
6c 鍔部
6d 作動部ガイド溝
6e 第2のラチェット歯
6f 第1のカム部
6g 開口部
7 第1のコイルスプリング
8 第2のコイルスプリング
9 ケース
9a 中空部
9b スイッチ操作体ガイド溝
9c 係止部材ガイド溝(切り欠き)
9d 回転規制部
9e 第2のカム部
9f 円筒部
9g 直方体部
10 抜け止め部材
10a 貫通穴
11 作動部材
11a 貫通穴
11b 腕部
11c 可動接点固定部
11d 抜け止め部
12 可動接点
12a 位置決め穴
12b 可動接点部
13 解除操作体
13a 解除操作部
13b 駆動部
13c コイルスプリング固定部
14 第3のコイルスプリング
15 ウェハ
15a 開口部
15b ケース位置決め凹部
15c 突起部
15d 端子部
15e 固定接点部
100 スイッチ操作体
100a スイッチ操作部
100b スライド部
100c テーパ部
100d 窪み部
110 駆動体
110a 押圧部
110b テーパ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と接続可能な端子部と固定接点部を有するウェハと、
外部からの押圧操作を受けて、上下動可能であると共に、円状に第1のラチェット歯が形成されたスイッチ操作体と、
上下動可能かつ回転可能であり、前記第1のラチェット歯と噛み合うように第2のラチェット歯が形成され、第1のカム部を有するカムフォロワと、
前記スイッチ操作体の上下動に伴って、前記固定接点部と接離する可動接点と、
前記第1のカム部を案内する回転規制部と前記第1のカム部の移動をロック可能なロック部とを備えたケースと、からなり、
前記スイッチ操作体を操作し、前記第1のカム部と前記ロック部とが係合したロック状態と前記第1のカム部と前記ロック部との係合が解除された解除状態に切り換え可能なラチェット機構を有するスイッチ装置において、
前記ロック状態を、前記スイッチ操作体を操作せずに、強制的に解除できる強制ロック解除機構を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記ケースには上下移動可能な係止部材が設けられ、前記係止部材は前記ロック部を有することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記強制ロック解除機構は、
移動可能に配置された解除操作体と、
前記ケースに設けられた第2のカム部と、
前記第2のカム部と係合する第3のカム部を有し移動可能に配置された駆動部材と、
前記駆動部材に係合し上下移動可能な係止部材と、からなり、
前記解除操作体を押圧操作すると、
前記第2のカム部と前記第3のカム部と前記駆動部材とを介して前記係止部材が上方へ移動し、前記ロック状態が解除されることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記強制ロック解除機構には、前記解除操作体の押圧操作による押圧力に抗する向きに付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記駆動部材は円環状に形成された基部を有し前記基部の下面側に前記第3のカム部が設けられ、
前記係止部材は円環状に形成された基部を有し前記基部の内面側から下方に板状のストッパが延設され、
前記ケースには切り欠きを有した円筒部が形成され、前記円筒部の外側面に沿って前記第2のカムが設けられ、
前記駆動部材は内側面を前記円筒部に係合し、前記第3のカム部と前記第2のカム部が係合するように配置され、
前記係止部材のストッパを前記ケースの切り欠きに挿入し、前記係止部材と前記駆動部材とを係合するように配置されていることを特徴とする請求項3および請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記第2のカム部と前記第3のカム部とは、それぞれ同数で3ヶ所以上で等間隔に設けられていることを特徴とする請求項3ないし請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記駆動部材は前記ウェハ内に収納されていることを特徴とする請求項3ないし請求項6に記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−89253(P2012−89253A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232440(P2010−232440)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】