説明

スキンケアに用いられる繊維芽細胞増殖因子(FGF−1)

【課題】 スキンケア効果を達成でき、単純な組成物を提供する。
【解決手段】 繊維芽細胞増殖因子1(FGF-1)を含むスキンケア用組成物。前記FGF-1は組換え発現ベクターに組込まれ、分子的特性により特徴付けられる。このFGF-1は分裂促進活性を示し、FGF-2およびKGFの両者のシグナル経路を介在して繊維芽細胞および表皮細胞の増殖を促進できる。変異型FGF-1は、その抗酸化能力、またはさらなるタンパク質分解を受けないことによって、野生型よりも長い半減期を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア製品を生産するための、繊維芽細胞増殖因子(FGF-1)を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
人が年をとるにつれて、表皮細胞の複製と剥離、すなわち細胞の代謝回転が減少し、または表皮が老化して、この過程が、活気がなく老けた外見をしばしば引き起こすことはよく知られている。さらに、皮膚の血管分布は時とともに減少し、また、加齢および光害にともなって、下にあるコラーゲン骨格が構造の断片化を起こし、これにより弾力繊維症;結果的にはしわおよびたるみが生じる。
【0003】
細胞レベルでの「老化」は、DNA複製が不十分となって、細胞複製が障害をきたすおよび/またはなくなることに起因する。核-細胞質間物質交換などの核および細胞質内の有糸分裂制御要素の損失、ならびに、微小循環性毛細血管床の持続的な閉塞によって、細胞の局所的な脱落や、細胞膜およびオルガネラ膜の機能喪失が起こる。
【0004】
生涯における有害な影響としては、加齢にともなう皮膚のしわおよび硬化などがある。皮膚は、エラスチンおよびコラーゲンなどの支持物質で形作られている。コラーゲンは、例えば軟骨および骨などの結合組織における膠原繊維の、主要タンパク質成分である。ホワイトエラスチンは、皮膚の大きな血管の結合組織における主要タンパク質であり、これら組織が、伸びてかつ元の形態に戻ることを可能とする。コラーゲンおよびエラスチンはいずれも、イミド結合で連結している繊維を含有する。哺乳類またはヒトの老化には、イミド結合からアミド結合への酸化と、これにともなう弾力性および柔軟性の減少が関わると考えられている。フリーラジカル反応機構は、皮膚のしわ形成に関与し、これは組織の老化を引き起こす酸化生成物の有害な作用に由来する。
【0005】
繊維芽細胞増殖因子ファミリーは、軟部組織の成長および再生に関与する増殖因子の大ファミリーとして明らかにされた。現在のところ、これには、タンパク質レベルで様々な程度で互いにホモロジーを有する構成物質が含まれており、少数の例外を除けば、互いに同様の、幅広い分裂促進性を有するように思われる。すなわち、これらは中胚葉由来および神経外胚葉由来の多様な細胞の増殖を促進し、および/または血管新生を促進する。
【0006】
上記ファミリーの各種構成物質の発現パターンは互いに非常に異なり、発生のある段階における極度に制限的な発現から、様々な組織および器官におけるかなり広範な発現にまで亘る。全ての構成物質は、ヘパリンおよびヘパラン硫酸プロテオグリカンおよびグリコサミノグリカンと結合していて、細胞外マトリックス中に高度に集中しているようである。
【0007】
米国特許第4,695,590号では、特定のヒドロキシジフェニルアルキル誘導体などの合成化学物質を、好ましくは経口投与にて投与することにより、老化を遅らせる方法が記述されている。利便性、および、内部的に投与された合成化学物質の潜在的副作用の回避の両点から、合成化学物質の内部的投与は避けることが好ましい。
【0008】
様々なタンパク質因子が、表皮細胞などの細胞の成長および分化に必須であるとして知られている。組織から抽出された多くのこれらのタンパク質が同定されている。例えば、表皮細胞増殖因子(EGF),インスリン様増殖因子(IGF),血小板由来増殖因子(PDGF),繊維芽細胞増殖因子(FGF)などがある。米国特許第4,959,353号では、角膜損傷の治療のための表皮細胞増殖因子の使用が記述されており、米国特許第5,130,298号では、金属カチオンでの分解に対し安定化され、創傷治療に用いられる表皮細胞増殖因子組成物が記述されている。米国特許第5,104,977号は、損傷した組織の治療のための、TGF-ベータおよびTGF-アルファ両方の使用を開示している。しかしながら、これらの特許が例証するところでは、タンパク型増殖因子が表皮細胞の老化を、擦過傷のないまたは創傷のない皮膚において低減するということは、これまでに示されていない。これまで、増殖因子のような大きなタンパク質は、損傷のないまたは無傷の皮膚を通過して適切な基底細胞層に到達することができず、細胞複製を増大させて皮膚細胞の老化を低減することはできないと考えられてきた。
【0009】
スキンケア効果を達成でき、かつ単純な組成物が提供されることが望ましいであろう。
【特許文献1】米国特許第4,695,590号
【特許文献2】米国特許第4,959,353号
【特許文献2】米国特許第5,130,298号
【特許文献2】米国特許第5,104,977号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、繊維芽細胞増殖因子1(FGF-1)の有効量を含み、繊維芽細胞または表皮細胞の増殖を促進するための組成物を提供する。さらに本発明は、ヒト細胞の天然タンパク質合成産物の2から15位アミノ酸が欠失した切断型のFGF-1を提供する。さらに本発明は、システイン残基がセリンで置換された、配列番号3および配列番号4で示されるアミノ酸配列を含み、高度の抗酸化性を示すような変異型hFGF-1を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本明細書の他所で定義されていない限り、本明細書で用いられる技術用語および科学用語は全て、本発明の向けられる技術分野における当業者によって通常解される意味と同一の意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書に記載のものと同一または同等のあらゆる方法および材料が用いられ得るが、好ましい方法および材料が以下で記述される。便宜のために、本発明の説明において利用される下記の定義を示す。
【0012】
用語の定義
増殖因子:表皮細胞の老化を低減して皮膚の老化を低減する能力を有する、天然および組換えタンパク型増殖因子の双方、ならびに、生物学的に活性なこれらの断片および誘導体を包含する。このような各種のタンパク型増殖因子(表皮細胞増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)および形質転換増殖因子-アルファ(TGF-α))ならびにこれらの断片または誘導体は、よく知られている。
【0013】
コラーゲン:骨、軟骨およびその他結合組織の主要なタンパク質成分であり、そのサブユニットであるトロポコラーゲンが (グリシン-X-Y)n(ここで、XおよびYはそれぞれプロリンおよびヒドロキシプロリンである場合が多い)のアミノ酸配列のポリペプチド鎖から本質的に構成されている、微小繊維タンパク質である。
【0014】
表皮細胞:皮膚の上皮外側部すなわち角質の細胞。
【0015】
「皮膚(の)」:肌と同義である。
「肌」:ヒトの身体を覆っている膜のこと。肌の層は、表皮および真皮である。
【0016】
スキンケア製品:このような製品は、ヒト皮膚の健康および若々しさを保つために用いられ、またはヒト皮膚の創傷を修復してその統合性を維持するために用いられるもので、化粧品および医薬品を包含する。この製品は、日常用または医療用に応用可能である。医療用途は火傷、熱傷、外傷、または創傷におけるものである。
【0017】
老化低減のための有効量:所望の効果、例えばヒトにおける皮膚の老化の低減を達成するような、繊維芽細胞増殖因子の、またはヒト皮膚に適用する化粧品または医薬品として許容される局所用担体中にこれが存在してなる組成物の分量である。
【0018】
ヒト皮膚の複合構造は、肌を柔らかく、滑らかに、および弾力のあるように維持するようなサイトカイン類によって制御される。しかし、加齢に伴って、サイトカイン類の合成は減少し、あるいはさらに均衡が崩れ、このことにより、肌が乾燥し、縮み、弾力を失い、しわが現れる。シグナル伝達因子は通常、皮膚の細胞間で輸送され、塩基性繊維芽細胞増殖因子(FGF-2またはbFGF)およびケラチノサイト増殖因子(KGFまたはFGF-7)などの場合もそうである。FGF-2の主な作用には、成熟組織の再生、コラーゲンおよびエラスチンの合成、繊維芽細胞の増殖活性化、表皮細胞の増殖および移動の活性化、尿酸合成、ならびに創傷治癒が含まれる。KGFの主な作用には、細胞-細胞密着結合の促進、細胞増殖および分化の活性化、表皮細胞の増殖活性化、ならびに創傷治癒が含まれる。
【0019】
皮膚老化の別の原因は、コラーゲンの喪失である。コラーゲンは動物において非常に重要な構造形成タンパク質であり、全タンパク質の30%を占める。ヒト皮膚の真皮中コラーゲンは、紫外(UV)光照射により発生するフリーラジカルによって破壊される。このフリーラジカルはコラーゲンを壊すだけでなく、コラーゲン産生細胞である繊維芽細胞をも傷害する。さらに、加齢に伴って、コラーゲン合成速度はコラーゲン分解速度よりも遅くなる。
【0020】
皮膚の老化を低減するために一般的に用いられる主な戦略は、コラーゲンの補給である。しかし、コラーゲンの分子量は、ヒト皮膚の表皮層を透過するには大きすぎ、コラーゲンを皮膚上に直接適用しても、供給するコラーゲンに特別な処理がなされていなければ、損失されたコラーゲンを埋め合わせることはできない。別の要注意点は動物由来のコラーゲンの安全性であり、ウシ海綿状脳症(BSE)またはブタの日本脳炎など幾種かの人獣共通感染症が問題となる。さらに、家畜における抗生物質およびホルモンの残留も問題となる。
【0021】
コラーゲンは21タイプに分類される。そのアミノ酸配列およびポリペプチド鎖の構成に依って、異なる組織で異なるタイプのコラーゲンが生成される。コラーゲンは繊維芽細胞によって産生される。コラーゲンを補給するための賢明な戦略は、コラーゲン産生繊維芽細胞の増殖を刺激する増殖因子を供給することである。
【0022】
本発明は、繊維芽細胞増殖因子1(FGF-1)の有効量を含み、繊維芽細胞または表皮細胞の増殖を促進するための新規組成物を提供する。
【0023】
FGF-1は酸性繊維芽細胞増殖因子であり、繊維芽細胞に対する分裂促進活性を示す。さらにFGF-1は膨大なタイプの細胞の増殖を刺激し、コラーゲンおよびエラスチンの合成を刺激する。FGF-1は強力な血管新生誘導能を呈し、創傷治癒に応用される。より有利な実施形態はヒトFGF-1(hFGF-1)を含む組成物であり、このhFGF-1には、野生型hFGF-1、組換えhFGF-1、変異型hFGF-1、およびこれらの誘導体が包含される。野生型hFGF-1は、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する。ヒトの身体にhFGF-1を供給することで、安全面での心配はより少なくなる。hFGF-1の供給により繊維芽細胞の増殖が刺激され、さらに繊維芽細胞のコラーゲン産生が活性化する。好ましい実施形態において、FGF-1は(1)塩基性線維芽細胞増殖因子シグナル経路を刺激して、繊維芽細胞の増殖を促進する、および(2)ケラチノサイト増殖因子シグナル経路を刺激して、表皮細胞の増殖を促進する。
【0024】
かくして、本発明の組成物は、スキンケア製品の生産に応用され得る。好ましい実施形態では、前記スキンケア製品はコラーゲンを含み、皮膚細胞の再生、コラーゲン合成の刺激、しわ消し、老化の低減、肌弾性の維持、創傷治癒、または血管新生作用を有する。さらに好ましい実施形態では、前記スキンケア製品は、化粧品としてまたは医薬品として許容される担体をさらに含む。前記製品は、ローション、クリーム、パック、ゲル、乳剤、バルサム、軟膏、液剤、粉剤、またはその他の局所的もしくは内部的に適用可能な物質タイプの形態であり得る。そして、無傷の皮膚、火傷、熱傷および創傷などの組織に投与され得る。
【0025】
本発明におけるhFGF-1は、還元条件下、pH値約7.0でドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)で分析した際の、約17.3kDaという分子量にて特徴付けられる。前記hFGF-1は、繊維芽細胞の増殖だけでなく表皮細胞の増殖も刺激する。繊維芽細胞の増殖および表皮細胞の増殖は、それぞれFGF-2シグナル経路およびKGFシグナル経路を経て介在される。繊維芽細胞の増殖は、ヒト体内におけるコラーゲン産生と正の関係にある。FGF-1の介在による繊維芽細胞の増殖によって、効果的にコラーゲンを供給し、ヒト皮膚の弾性を維持し、そして皮膚の老化を低減することができる。さらに、表皮細胞の増殖により、皮膚細胞の再生が向上する。
【0026】
前記FGF-1は、創傷治癒の別の能力も示す。FGF-1は、新たな毛細血管の形成を誘導する強力な血管新生因子である。FGF-1は、平滑筋細胞および内皮細胞などの間充織細胞の遊走を増進させる。げっ歯類においては、皮膚の外傷をより短い回復期間で治癒させるためのFGF-1の使用が既に知られている。本発明で提供される組成物は、平滑筋細胞および内皮細胞などの間充織細胞の遊走を増進させることができる。このことにより、創傷部での引っ張り強さおよび迅速な血管新生が促進され、同時に治癒プロセスが加速される。前記組成物は、物理的外傷、外科的処置、骨もしくは脊髄の破断、火傷または軟部組織の損傷に対する皮膚、脈管構造、軟部組織または骨の外科的治療、あるいは創傷治癒のために使用される。前記組成物はさらに、中枢神経系組織および末梢神経組織などを含む脈管切除後組織または臓器損傷部位の組織再生治療、心筋梗塞後の心筋における血管新生用にも使用される。
【0027】
本発明はさらに、2から15位のアミノ酸配列が欠失した切断型hFGF-1を提供する。この型のhFGF-1はヒトにおいて見出され得るもので、タンパク質分解の産物である。この切断型hFGF-1は配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する。
【0028】
本発明はさらに、配列番号3および4で示されるアミノ酸配列を含み、高度の抗酸化性を示すような変異型hFGF-1を提供する。この変異型は、野生型hFGF-1のアミノ酸配列中のシステイン残基をセリンで置換することによって得られる。配列番号3は、配列番号1のシステイン131が置換されていることを示し、C131Sと命名される。配列番号4は、30,97および131位の3個のシステインがセリンで置換されていることを示し、CIIISと命名される。この置換により、フリーラジカルによる攻撃が低減され、抗酸化能が向上し、野生型hFGF-1が示すよりも長い半減期を呈する。このことは、上記の変異型タンパク質が、野生型タンパク質よりもゆっくりと分解されることを意味する。上記変異型hFGF-1としては、配列番号3および4を基にした誘導体、または置換の上記原則に基づく誘導体がさらに含まれる。上記変異型hFGF-1を含むスキンケア用組成物は、繊維芽細胞および表皮細胞の増殖について長期間持続の効果を有する。
【0029】
かくして、本発明は、配列番号4で示されるアミノ酸配列(CIIIS)またはその誘導体を含む、hFGF-1のポリペプチドを提供する。配列番号4(CIIIS)またはその誘導体では、配列番号1における30,97および131位の3個のシステイン全てがセリンで置換されており、当該ポリペプチドは高度の抗酸化性を示す。
【0030】
野生型、組換え、変異型および誘導体を包含するhFGF-1は、(a)hFGF-1遺伝子を含む組換えベクターを生産する工程、(b)該組換えベクターを発現させる宿主細胞を調製する工程、および(c)ヘパリン-セファロースカラムにて宿主細胞培養物からhFGF-1を精製する工程を含む方法によって生産される。hFGF-1遺伝子の原料はヒト由来であり、この遺伝子は、FGF-1機能部位を発現している完全または部分遺伝子である。hFGF-1を組換えベクターに挿入する。ここでベクターはプラスミド、ウイルスおよびファージベクターからなる群より選択される。hFGF-1を発現した組換えベクターを、細菌、酵母、昆虫細胞または哺乳類細胞などの適切な宿主細胞に形質転換または形質移入処理する。形質転換/形質移入処理された宿主細胞を、hFGF-1タンパク質を発現するのに適切な条件下で培養する。hFGF-1を、アフィニティーカラムなどのよく知られた処理で単離および精製する。ここでアフィニティーカラムはヘパリン-セファロースカラムである。
【0031】
以上の記述に基づけば、本発明で提供される組成物はFGF-1を含み、これをスキンケア製品に応用することができる。前記スキンケア製品は化粧品または医薬品において、美容処理用の日常使用や創傷治癒処理などに用いられる。前記組成物は、化粧品として許容される担体、または医薬品として許容される担体の群から選択される物をさらに含む。製品タイプには、液体、半固体および固体が含まれ、例えば、ローション、クリーム、パック、ゲル、乳剤、バルサム、軟膏、液剤、粉剤、またはその他の局所的もしくは内部的に適用可能な物質タイプなどである。
【0032】
本発明の方法で広く望まれる効果は、より若々しく好もしい外見であるから、局所用担体は化粧品として/医薬品として許容される局所用担体である。ここで用いられる「化粧品として/医薬品として許容される局所用担体」とは、化粧品または医薬品の局所的投与に通例用いられるものであって、皮膚の表面に直接適用された際に担体中でFGF-1が安定かつ生物が利用可能な状態を保つような、あらゆる非毒性担体を意味する。例えば、FGF-1を、通常の手法で液体中に溶解、溶媒中に分散もしくは乳化して液体製剤を作ることができ、あるいは、半固体(ゲル)または固体担体と混合してペースト、粉剤、軟膏、クリーム、ローションなどを作ることができる。化粧品として/医薬品として許容される適切な担体は、当業者に知られており、化粧品として/医薬品として許容される液体、クリーム、オイル、ローション、軟膏、ゲル、または固体を包含し、例えば、通常の夜用クリーム、ファンデーションクリーム、日焼けローション、日焼け止め、ハンドローション、メイクアップ品およびメイクアップベース、パックその他がある。前記組成物は、医薬において、特に創傷治癒において有用な、EGF、PDGF、またはTGF-αなどのその他成分を含有してもよい。別の手段として、前記組成物は、化粧品において通常用いられるその他成分、例えば、香料、エストロゲン、ビタミンA、CおよびEや、ピルビン酸、乳酸、グリコール酸等のアルファ-ヒドロキシ酸もしくはアルファ-ケト酸、ラノリン、ワセリン、アロエ-ベラ、メチルもしくはプロピルパラベン、顔料などを含有してもよい。
【0033】
化粧品として/医薬品として許容される適切な担体として、ペトロリアムゼリー(ワセリン)、ペトロラタム、ミネラルオイル、植物油、動物油や、マイクロクリスタリン、パラフィンおよびオゾケライトワックスなどの有機および無機ワックス、キサンタン、ゼラチン、セルロース、コラーゲン、澱粉またはアラビアガムなどの天然ポリマー、以下で論じるような合成ポリマー、アルコール、ポリオールなどが挙げられる。担体は好ましくは、その局所用として非毒性の特性により、実質的に水に混和性である水混和性担体組成物である。このような水混和性の、化粧品として/医薬品として許容される局所用担体組成物には、上記で挙げられた1種または複数の材料から作られるものを包含してよく、さらに、含水、水分散可能または水可溶性組成物(例えばリポソーム、マイクロスポンジ、ミクロスフェアもしくはマイクロカプセル、水性ベース軟膏、油中水もしくは水中油型エマルション、ゲル、その他)などの徐放または遅効用担体も包含してよい。
【0034】
望まれる場合は、局所用化粧品組成物中に通常見出される1種または複数の添加剤が担体に含まれてもよい。例えば、保湿剤、湿潤剤(humectant)、脱臭剤、緩衝材、顔料、保存料、ビタミン(A、CおよびEなど)、乳化剤、分散剤、展着剤(wetting agent)、臭気改善剤、ゲル化剤、安定剤、推進剤、抗生剤、日焼け止め、酵素などがある。局所用化粧品製剤分野の当業者であれば、適切な特定の添加剤およびその分量の選択を容易に行うことができる。
【実施例】
【0035】
以下の実施例は、制限のためではなく、例示の手段として提示されるものである。
【0036】
・実施例1
(A)野生型FGF-1発現ベクターの構築
原核細胞発現ベクターpET20b(+)(Novagen)へのクローニングを促進するために組み込まれた制限酵素切断部位を有するオリゴヌクレオチドプライマーを利用して、既存のcDNAクローンから、ヒトおよびウシFGF-1コード領域をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅した。イモリFGF-1のクローニング、発現、および精製については他所で記述されている(Partie et al. Growth factor (1997) 14: 39-57)。センスプライマーBEF1(5’-TGA AGC CAT ATG GCT GAA GGG GA-3’) およびアンチセンスプライマーHBGF605(5’-AGA TCT CTT TAA TCA GAA GAG ACT-3’)を用いて、ヒトFGF-1 cDNA (Chiu et al. Oncogene (1990) 5: 755-762)を増幅した。センスプライマーBEF3 (5’-TGC TGA CAT ATG GCT GAA GGA GA-3’) およびアンチセンスプライマーBER3 (5’-CAA CAG ATC TCT TTA ATC AGA GGA GAC-3’)を用いて、ウシFGF-1 cDNA (Halley et al. Nucleic Acid Res. (1988) 16: 10913)を増幅した。10 mM Tris-HCl中、pH 8.5, 50 mM KCl, 1.5 mM MgCl2, 0.01% Tween 20, 0.01% Triton X-100, 0.25 mM dNTPs,各プライマー10 pmolずつ、およびTaqポリメラーゼ2ユニットにてPCR反応を実施した。反応は、初めに95℃、2分間にて変性、次いで95℃、1分間の変性、42℃で1分間(ヒトFGF-1の場合は50℃)でのアニーリング、72℃、1分間での伸長を30サイクル、そして最後の72℃、7分間の最終伸長反応によって行った。ウシFGF-1 cDNAテンプレートから得られた489 bpの単位複製配列を ゲル精製し、NdeIおよびBglIIで消化し、予めNdeIおよびBamHIで消化されたpET20b(+)にクローニングして、ウシFGF-1発現ベクターであるpETbovFGF-1を得た。ヒトFGF-1 cDNAテンプレート由来のゲル精製された485 bpのアンプリコンを、初めに、予めSmaIで消化されたpBluescriptにクローニングした。次いで、得られたプラスミドをNdeIおよびBglIIで消化し、ヒトFGF-1 cDNA挿入配列をpET20b(+)にクローニングして、ヒトFGF-1発現ベクターであるpEThumFGF-1を得た。
【0037】
(B)変異型FGF-1発現ベクターの構築
Transformer Site-Directed Mutagenesis Kit (Clontech)を用い、製造者によるプロトコルに従って、ヒトFGF-1配列の139位のアミノ酸をチロシンからフェニルアラニンに変異させ(ヒト Y139F)、ウシおよびイモリFGF-1配列におけるこれと相同の配列を、フェニルアラニンからチロシンに変異させた(ウシ F139Yおよびイモリ F139Y)。上述したヒト、ウシ、およびイモリFGF-1発現ベクターに対して、変異誘発の手順(Myers et al. J Biol Chem (1995) 270: 8257-8266)を直接実施した。プラスミドDNAに用いた選択アンチセンスプライマーは、5’-GCA GCC ACT AGT AAC AGG ATT-3’であり、これは、pET20b (+)中のAlwnI制限酵素認識部位をSpeI部位へと変える。ヒト、ウシ、およびイモリFGF-1配列について用いた変異誘発アンチセンスプライマーは、それぞれ、5’-CTT TCT GGC CAA AGT GAG TCC-3’、5’-CTT TCT GGC CGT AGT GAG TCC-3’、および5’-CTT TTT GGC CAT AGT GGG TCC-3’であった。ヒトFGF-1のシステイン-131をセリンに変換する(ヒトC131S)、および、ウシFGF-1のセリン-131をシステインに変換する(ウシS131C)変異誘発反応においても、選択プライマーを用いた。ヒトC131SおよびウシS131C配列について用いた変異誘発プライマーは、それぞれ、5’- GGA CCG CGT TTG GAG CTC CCA TTC-3’および5’-GGA CCG AGT TTA CAC CTT CCG TTC-3’であった。変異したプラスミドの確認を、制限酵素分析およびプラスミドDNAの直接配列決定法によって行った。
【0038】
野生型hFGF-1のアミノ酸配列を配列番号1に示した。しかし、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するようなhFGF-1が、ヒトにおいて見出された。これはタンパク質分解による、野生型hFGF-1の切断型であった。第2から15位アミノ酸が欠如していた。配列番号3は、配列番号1におけるシステイン131の、セリンへの置換を示し、これをC131Sと命名する。配列番号4は、30,97および131位の3個のシステインの、セリンへの置換を示し、これをCIIISと命名する。
【0039】
・実施例2 FGF-1タンパク質の精製
上記各FGF-1発現ベクターを用いて発現宿主細菌BL21(DE3)pLysSを形質転換させた後、以前に記述されているように(Partie et al. Growth factor (1997) 14: 39-57)誘導および精製を行った。さらに、ヘパリン-セファロースカラムの各種溶出画分の試料を15μlずつ、15% SDS-PAGEおよび銀染色で分析して、タンパク質含有画分の同定およびその純度の決定を行った。Protein Sequencer 475A (PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を用いて、イモリ野生型FGF-1の初めの29アミノ酸残基を決定した。決定されたN末端アミノ酸配列は、タンパク質合成の後に分離した開始メチオニン以外は、予測した配列と同一であった。さらに我々は、精製済み組換えタンパク質の分子量を測定するため、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析法も用いた。このような測定には、LASERMAT 2000 Mass Analyzer (Finnigan MAT, San Jose, CA)を使用した。予測された分子量、確認した分子量、および誤差パーセンテージを列挙すると、ヒト野生型FGF-1(17 330.0; 17 331.3; +0.008%)、ヒト変異型FGF-1 C131S (17 314.0; 17 311.2; -0.016%)、およびイモリ変異型FGF-1 F139Y (17 414.8; 17 410.3; -0.026%)である。タンパク質配列分析および質量分析による分子量測定のいずれも、各組換えタンパク質の同一性を立証する助けとなる。ウシ天然FGF-1(R&D Systems, Minneapolis, MN)は、140アミノ酸型のウシFGF-1であった(アミノ酸 16-155)。
【0040】
結果を図1に示す。精製FGF-1の純度は、98%に達した。
【0041】
・実施例3 分裂促進アッセイ
Swiss/3T3細胞を、10%子ウシ血清およびペニシリン/ストレプトマイシン添加のダルベッコ修飾イーグルス培地(DMEM)中で維持した。細胞を24ウェルプレートに2×104 細胞/ウェルの濃度で蒔いた。〜80%コンフルエントになったところで、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、貧血清培地(DMEM, 0.5%子ウシ血清、ペニシリン/ストレプトマイシン) 中に24時間入れておいた。ヘパリン(10 μg/mL)の存在下、組換えヒトFGF-1または組換えシFGF-1で細胞を20時間刺激し、その後、1 μCiの[3H]チミジン(NEN)で6時間、パルス標識した。陽性対照として、子ウシ血清を終濃度10%で用いた。1 mLのPBSで2回、1 mLの5% 冷(4℃)トリクロロ酢酸で2回、および、再び1 mLのPBSで2回、細胞を洗浄することで、標識処理を終結させた。その後、細胞を0.8 mLの0.25 M NaOH中に可溶化して、そのうち0.1 mLをBeckmanシンチレーションカウンターでの計数に供した。
【0042】
上記hFGF-1は、これら試験において用いたウシ組換えFGF-1と同等に、Swiss/3T3マウス繊維芽細胞の分裂応答を十分に励起する能力を有している(図3)。分裂応答を誘起するために使用されるhFGF-1の最適濃度は、10 ng/mlである。
【0043】
・実施例4 FGF-2シグナル経路およびKGFシグナル経路の双方を介在するFGF-1
イモリおよびヒトKGFRを発現しているMM14細胞において、FGF-1は骨格筋分化の阻止を介在したが、FGF-2はKGFRと応答しない。KGF(FGF-7とも呼ばれる)は、イモリおよびヒトKGFRを発現しているMM14細胞において骨格筋分化の阻止を介在した。MM14筋原細胞に、α-心臓アクチン/ルシフェラーゼレポータープラスミド、CMV-LacZプラスミド、およびpBJ5 発現ベクター、イモリKGFR発現プラスミドであるpNKGFRまたはヒトKGFR発現プラスミドであるpHKGFRを形質移入した。形質移入された細胞を、外来的に添加された増殖因子が一切ない条件下、またはFGF-1、FGF-2、もしくはKGFの存在下、のいずれかで培養した。その後、細胞を回収し、ルシフェラーゼおよびβ-ガラクトシダーゼ活性を試験した。レポーター遺伝子活性は、ある所定の細胞抽出物のα-心臓アクチン/ルシフェラーゼ活性を、該抽出物について測定したCMV/β-ガラクトシダーゼ活性で割った値である。
【0044】
各組の形質移入細胞を増殖因子の非存在下で培養した場合に得られた値をそれぞれ1.0と設定した。増殖因子無しで培養したpNKGFRおよびpHKGFR形質移入体での実測値は、pBJ5形質移入体のそれに対して、それぞれ72%および62%であった。増殖しているMM14細胞はKGFを発現していることが示された。MM14細胞の発現していたKGFは、おそらく形質移入された各KGFRを活性化するのに十分量であって、レポーター構築体の活性化を抑制したのであろう。図3に示した結果は、3回個別の試験の代表結果である。
【0045】
FGF-1はKGFレセプターおよびFGF-2レセプターの双方を活性化することが示された。しかし、FGF-2はKGFレセプターを活性化することができず、KGFレセプターはFGF-2レセプターを活性化できなかった。FGF-1はFGF-2およびKGFの双方の作用を呈することができた。
【0046】
・実施例5 野生型および変異型FGF-1に対するCuCl2処理
2マイクログラムのFGF-1を、Tris-HCl(pH 7.4,終濃度20 mM)およびCuCl2(終濃度10 mM)と共に、総容量20μL 、30分間、室温でインキュベーションした。10 mM EDTA含有の非還元2×SDSサンプルバッファーを添加して反応を停止させ、試料を煮沸せずに直接、15 % SDS-PAGEゲル上に載せた。得られたゲルを上述のようにウェスタン-ブロッティングに供して、タンパク質を可視化した。タンパク質試料をCuCl2で処理した一部試験では、終濃度100mMのジチオスレイトールも添加し、そしてSDS-PAGEおよびウェスタン-ブロッティングの前に試料を煮沸した。
【0047】
結果を図4に示した。ヒトFGF-1の二量体形成を誘導することが以前に示されているCuCl2(Engleka et al. J Biol Chem (1992) 267:11307-11315)で各々を処理することによって、ヒト野生型およびウシFGF-1タンパク質、ならびにヒトC131SおよびウシS131C変異型タンパク質の二量体形成能を試験した。ヒト野生型FGF-1は、予測通り、CuCl2の非存在下では予測サイズまで移動し、一方で、存在下では、大部分が二量体に相当するサイズへと劇的に変化した(図4、レーン1および2)。興味深いことに、ヒトC131S変異体をCuCl2で処理した場合(レーン3および4)では、観察された二量体ははるかに少なかった。よって、CuCl2で誘導される二量体の大部分の形成について、システイン-131が原因であることが示唆される。一方、このことにより、保存された2個のシステイン残基、つまりシステイン-30およびシステイン-97は、二量体形成にさほど寄与しないことが示唆される。この観察と一致して、61位に別のシステインを有する野生型およびS131C型ウシFGF-1タンパク質は、CuCl2の存在下でヒト野生型FGF-1と同程度に二量体を形成した(レーン5から8)。CuCl2処理されたFGF-1タンパク質を、続いてジチオスレイトールで還元した結果、上記の二量体形成は可逆反応であることが示された(レーン9から12)。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】組換えFGF-1のSDS-PAGE解析およびイムノブロットを示す像である。(A)順次濃度を上げた各濃度(100,250,および500ng)のイモリ、ウシおよびヒト FGF-1を、予め同量のウシ血清アルブミンと混合し、15%SDSポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、これを銀染色したもの。(B)(A)における2連のゲルをニトロセルロース膜に移し、これをウシFGF-1由来のペプチドに対するポリクローナル抗体(1:1000, Promega)と免疫反応させた。西洋ワサビペルオキシダーゼ接合2次抗体を用いて標的タンパク質の検出を行った。矢印は、移動の遅かったイモリおよびヒトFGF-1タンパク質を示し、矢頭印はウシFGF-1を示す。左側に分子量を示した。
【図2】ウシおよびヒトFGF-1に対する、Swiss/3T3繊維芽細胞の分裂促進応答を示すグラフである。Swiss/3T3細胞を24ウェルプレート中で〜80%コンフルエントまで成育させた後、血清を24時間欠乏させた。この欠乏培地に直接、表示された濃度でウシ(黒丸)またはヒト(白丸) 組換えFGF-1を添加して、細胞を20時間インキュベーションした後1 μCiの[3H]チミジンで6時間パルス標識して、放射活性量を測定した。値は2連の試料の平均cpm値(±SE)である。
【図3】FGF-1はKGFRを発現しているMM14細胞において骨格筋分化の阻止を介在するが、FGF-2はKGFRと応答しないことを示すグラフである。形質移入された細胞を、外来的に添加された増殖因子が一切ない条件下(黒棒)、またはFGF-1(白棒)、FGF-2(点模様棒)、もしくはFGF-7(ハッチング棒)の存在下、のいずれかで培養した。各組の形質移入細胞を増殖因子の非存在下で培養した場合に得られた値をそれぞれ1.0と設定した。
【図4】ヒトおよびウシの野生型および変異型FGF-1タンパク質に対するCuCl2処理について示す像である。ヒト野生型(レーン1,2,および9)、ヒトC131S変異型(レーン3,4,および10)、ウシ野生型(レーン5,6,および11)およびウシS131C変異型(レーン7,8,および12)を、CuCl2の非存在下(レーン1,3,5,および7)または存在下(2,4,6,および8-12)でインキュベーションした。反応は、ジチオスレイトール(DTT)添加無し(レーン1-8)または有り(9-12)のいずれかで行った。反応生成物を15%非還元SDS-PAGEで分離した。タンパク質をニトロセルロール膜に移し、抗FGF-1抗体と反応させ、ECLで可視化した。分子量マーカーをkDaで表示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維芽細胞増殖因子1(FGF-1)の有効量を含み、繊維芽細胞または表皮細胞の増殖を促進するための組成物。
【請求項2】
前記FGF-1がヒトFGF-1(hFGF-1)である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記hFGF-1が、野生型hFGF-1、組換えhFGF-1、変異型hFGF-1、およびこれらの誘導体からなる群より選択される請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記野生型hFGF-1が、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
hFGF-1が、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有する、配列番号1における2から15位アミノ酸が欠失した、野生型hFGF-1の切断型である請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
hFGF-1が、配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する、配列番号1の131位のシステインがセリンで置換されておりC131Sと命名される変異型hFGF-1である請求項3に記載の組成物。
【請求項7】
前記hFGF-1が、還元条件下でのドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析した際の分子量約17.3kDaにて特徴付けられる、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記FGF-1が、繊維芽細胞に対する分裂促進活性を示す請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記FGF-1が、塩基性線維芽細胞増殖因子シグナル経路を刺激して、繊維芽細胞の増殖を促進する請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記FGF-1が、ケラチノサイト増殖因子シグナル経路を刺激して表皮細胞の増殖を促進する請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
スキンケア製品に応用される請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記スキンケア製品がコラーゲンを含む請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記製品が、皮膚細胞の再生、コラーゲン合成の刺激、しわ消し、老化の低減、肌弾性の維持、創傷治癒、または血管新生作用を有する請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記製品が化粧品としてまたは医薬品として許容される担体をさらに含む請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
前記製品のタイプに、ローション、クリーム、パック、ゲル、乳剤、バルサム、軟膏、液剤、粉剤、またはその他の局所的もしくは内部的に適用可能な物質タイプが含まれる請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
前記製品が、無傷皮膚、火傷、熱傷または創傷に投与される請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
hFGF-1が、(a)hFGF-1遺伝子を含む組換えベクターを生産する工程、(b)該組換えベクターを発現させる宿主細胞を調製する工程、および(c)宿主細胞培養物からhFGF-1を精製する工程を含む方法で生産される請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
組換えベクターがプラスミド、ウイルスおよびファージベクターからなる群より選択される請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
宿主細胞が細菌、酵母、昆虫細胞、または哺乳類細胞からなる群より選択される請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
配列番号1における30,97および131位の3個のシステイン全てがセリンで置換されておりCIIISと命名される、配列番号4で示されるアミノ酸配列またはその誘導体を含み、高度の抗酸化性を示す、hFGF-1のポリペプチド。
【請求項21】
請求項4に記載の野生型hFGF-1よりも長い半減期を呈する、請求項20に記載のポリペプチド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−265221(P2006−265221A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175746(P2005−175746)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(505226758)
【Fターム(参考)】