説明

スキンライトナーとして使用するための局所用組成物

有効量の少なくとも1種の式(I)化合物若しくはこのような化合物の混合物及び/又はその酸付加塩を含むことを特徴とする、特に、皮膚漂白剤として使用するための局所適用組成物[ここで、X=NH又は単結合であり、そしてn=2、3又は4、好ましくは2又は3である]、並びに皮膚を漂白するため、エージマーク(age marks)を色素脱失するため、及び不均一な皮膚の着色を均等化するためのこれらの使用。本発明は更に、少なくとも1種の一般式(I)のジスルフィド及び少なくとも1種の追加のスキンケア剤を含む、皮膚科学的に有効な組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、二硫化アミジノアルキル又はグアニジノアルキルを含む、局所用剤又は組成物、特にスキンライトナー又はスキンライトニング組成物、並びに肌の色を明るくするため、肝斑を色素脱失するため、及び不均一な皮膚の着色を均等化するための、これらの化合物及び本発明の組成物の使用に関する。
【0002】
序文
世界の多くの地域において、美の概念は、明るい肌の色と直接関連している。長い平均寿命や、環境汚染によるUV曝露の増大の結果として、ますます多くの人々に肝斑や色素性母斑ができている。これらのメラニン形成性のメラニン細胞が、ヒトの皮膚に一様に分布しないならば、周りの肌の領域よりも明るいか暗い色の斑点が生成する。この問題を軽減するために、このような色素性母斑を少なくとも部分的に均等化する助けになる、スキンライトナーが市販されている。
【0003】
スキンライトニング物質は、様々に形を変えて、メラニン代謝又は異化に介入する。メラニン類は、普通は色が褐色から黒色であるが、皮膚のメラニン細胞で生成し、角化細胞に移動して、皮膚又は毛髪の着色を引き起こす。哺乳動物では、褐黒色のユーメラニンが主としてL−チロシンやL−DOPAのようなヒドロキシ置換芳香族アミノ酸で形成されており、黄色から赤色のフェオメラニンがシステインのような硫黄含有分子で更に形成されている(Cosmetics & Toiletries 1996, 111(5), 43-51)。銅含有の鍵酵素であるチロシナーゼは、L−チロシンをL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)に変換し、次にこれが再びチロシナーゼにより酸化されて、色が赤褐色のドーパキノンを介してメラニンになる。植物、真菌及び哺乳動物細胞由来のチロシナーゼを比較すると、機序及び基質特異性は、検討した全てのチロシナーゼで同等であることが分かる。
【0004】
スキンライトニング物質は、それ自体既知であるが、利用者の要求を満たしていない。詳細には、ヒドロキノン、アゼライン酸及びコウジ酸は、毒性リスクが高く、幾つかの国では禁止されている。アルブチン及びアルブチン誘導体、並びにビタミン類及びビタミン誘導体は、その安定性に関して充分でない。グラブリジン、ウンデシレノイルフェニルアラニン類、ヘキサペプチド2及びコウゾ(Broussonetia)エキス末は、充分な皮膚漂白を達成するには比較的高用量で使用しなければならない。
【0005】
非毒性活性物質としてのシスタミン[二硫化ビス(2−アミノエチル)]は、ヒト黒色腫細胞、更には正常メラニン細胞を、効果的かつ可逆的に色素脱失できることが知られている(J. Invest. Dermatol. 2000, 21-27)。シスタミンの作用の根拠は、第1段階でこれがシステアミンに還元され、そして次にこれがチロシナーゼ活性を有する生成物との反応を受け、それによってメラニン、特に褐色/黒色のユーメラニンの合成を妨げることである。本発明の目的は、高価でなく、調製が容易で、効果が高くかつ安定であり、そしてチロシナーゼを阻害しない、そしてまたスキンライトナーとして使用することができる、活性物質を見いだすことである。今や、アミジノ及びグアニジノ基でシスタミンのアミノ基を置換することにより、色素脱失作用を驚くべき程度まで増大させられることを見い出した。一般式(I)の化合物は、スキンライトニング及び色素性母斑の処置において新しい基準をうち立てた。
【0006】
説明、一般的セクション
本発明は、特にスキンライトナー又はスキンライトニング組成物として使用するための、並びに肝斑及び色素性母斑を漂白するための、局所用剤又は局所用組成物であって、有効量の少なくとも1種の一般式(I):
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、Xは、NH又は直接結合であり、そしてnは、2、3又は4、好ましくは2又は3である]で示される化合物若しくはこのような化合物の混合物及び/又はその酸付加塩を含むことを特徴とする、同剤又は同組成物に関する。
【0009】
本発明は更に、スキンライトナー又はスキンライトニング組成物としての、肝斑及び色素性母斑を漂白するための、かつ/又は不均一な皮膚の着色を均等化するための、有効量の少なくとも1種の一般式(I)の化合物若しくはこのような化合物の混合物及び/又はこのような化合物の酸付加塩を含む、本発明の局所用剤又は局所用組成物の使用に関する。
【0010】
本発明は更に、特にスキンライトナー又はスキンライトニング組成物として使用するための、肝斑及び色素性母斑を漂白するための、かつ/又は不均一な皮膚の着色を均等化するための、局所用剤又は局所用組成物の製造のための、上記一般式(I)の化合物若しくはこのような化合物の混合物及び/又はその酸付加塩の使用に関する。
【0011】
式(I)の化合物は、酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸若しくはリン酸のような無機酸と;適切な有機の飽和若しくは不飽和脂肪族カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、フタル酸、クエン酸、乳酸若しくは酒石酸のような脂肪族モノカルボン酸若しくはジカルボン酸)と;安息香酸若しくはサリチル酸のような芳香族カルボン酸と;マンデル酸若しくはケイ皮酸のような芳香族−脂肪族カルボン酸と;ニコチン酸のような複素芳香族カルボン酸と;メタンスルホン酸若しくはトルエンスルホン酸のような脂肪族若しくは芳香族スルホン酸と;又はアスコルビン酸と、純粋又は混合一塩基性又は二塩基性塩を形成することができる。皮膚科学的に許容しうる塩が好ましい。
【0012】
式(I)の好ましい化合物は、n=2である化合物、及びその純粋な二塩基酸付加塩である。
【0013】
一般式(I)の化合物の製造はそれ自体知られている。よってグアニジノ化合物は、例えば、British Journal of Pharmacology 118, 1659-1668 (1996)に記載されているように、一方では対応するアミノ誘導体のアミド化によって、又は他方ではアミノアルキルイソチオウロニウム塩の転位とこれに続く酸化によって得られる[Chem. Pharm. Bull. 14(11), 1193-1201 (1966)]。アミジノ誘導体は、二硫化シアノアルキルを、例えば、WO-03/072559に記載されているように、及びそこに引用される文献により反応させることによって調製することができる。
【0014】
本発明の局所用剤又は組成物は、式(I)の化合物若しくはこれらの化合物の混合物及び/又はそれらの塩を、同剤又は同組成物の重量に基づいて、0.005〜50重量%の間、好ましくは0.05〜5重量%の間の範囲の濃度で、又はこの範囲内で変動する濃度で含むことができる。
【0015】
本発明の局所用剤又は組成物は、溶液か、分散液か、エマルションか、マクロ−、マイクロ−若しくはナノカプセルのような賦形剤又はリポソーム若しくはカイロミクロンに封入されているか、マクロ−、マイクロ−若しくはナノ粒子又はマイクロスポンジに含まれているか、あるいは粉状の有機ポリマー又はタルク、ベントナイト若しくは他の無機賦形剤のような無機賦形剤に吸収されている形態で使用することができる。
【0016】
本発明の局所用剤又は組成物は、任意の剤形として使用することができる。このような剤形の例は、W/O及びO/Wエマルション、ミルク、ローション、軟膏、ゲル化及び粘性、界面活性及び乳化性ポリマー、ポマード、シャンプー、石鹸、ジェル、粉末、スティック、スプレー、ボディーオイル、フェースマスク並びにプラスターである。
【0017】
本発明の局所用剤又は組成物、特にスキンライトナーは、従来このような処方に使用されているような、組成物を形成するための化粧品の補助剤及び添加剤を含むことができるが、例としては、日焼け防止剤(例えば、有機又は無機光フィルター、好ましくはマイクロピグメント)、保存料、殺菌剤、殺かび剤、殺ウイルス剤、冷却剤、植物エキス、例えば、コガネバナ(Scutellaria)エキス、ユキノシタ(Saxifrage)エキス、ペプチド類及びその誘導体、酵素インヒビター、抗炎症剤、収斂剤、例えば、アルミニウム・クロロハイドレート及びアルミニウム・ジルコニウム・テトラ・クロロハイドレックス・グリシン、創傷治癒を加速する物質(例えば、キチン又はキトサン及びその誘導体)、塗膜形成物質(例えば、ポリビニルピロリドン類又はキトサン若しくはその誘導体)、一般的な酸化防止剤、ビタミン類(例えば、ビタミンC及び誘導体、トコフェロール類及び誘導体、ビタミンA及び誘導体)、2−ヒドロキシカルボン酸類(例えば、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、L−、D−又はdl−乳酸)、香料、消泡剤、染料、着色作用を持つ色素、増粘剤[例えば、アクリル酸/アクリル酸C10-30アルキル架橋ポリマー類、ポリアクリルアミド類、カチオン性ポリマー類、ゴム類(例えば、キサンタンガム、グアガム)及びセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)など]、推進剤ガス(例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル又は二酸化炭素)、浸透改善剤(例えば、エトキシジグリコール)、界面活性剤、乳化剤、可塑剤、保湿剤及び/又は湿潤剤(例えば、グリセロール又は尿素)、脂肪、油、ロウ、不飽和脂肪酸又はその誘導体(例えば、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸又はアラキドン酸及びこれらの各天然又は合成エステル類)、又は化粧品若しくは皮膚科学的処方の他の従来成分、例えば、水、アルコール類又はポリオール類、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、エタノール又はイソプロパノール、ソルビトールエステル類、ブタンジオール、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、肌用保湿剤、例えば、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、ポリグリセロール、エトキシ化及びプロポキシ化グリセロール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール又は1,4−ブチレングリコール、ポリマー類、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体又はキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸及び誘導体)がある。
【0018】
単純な試行錯誤により、当業者であれば、特定の製品のタイプにより各場合に使用すべき、化粧品又は皮膚科学的な補助剤及び添加剤並びに香料の量を容易に決定することができる。
【0019】
好ましくは、本発明の組成物はまた、他のスキンライトニング物質を含むことができる。詳細には、本発明のスキンライトナーはまた、コウジ酸、コウジ酸誘導体、ナイアシン/ナイアシンアミド類、α−ヒドロキシカルボン酸類(乳酸など)、アルブチン、アルブチン誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム及びアスコルビルグルコシドなど)、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、甘草中のグラブリジン、オレアノール酸、硫黄含有分子、例えば、グルタチオン若しくはシステイン、又は他の合成若しくは天然のスキンライトニング物質を含むことができ、また後者は、植物エキス、例えば、クマコケモモ(bearberry)エキス、桑(mulberry)エキス又はコメ(rice)エキスの形で使用することができる。特に好ましくは、本発明の組成物は、無機又は有機の日焼け防止剤又はUVブロッカーを含むことができる。ここで使用することができる無機の日焼け防止剤は、以下の金属酸化物:二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム及び酸化鉄、並びにこれらの混合物を含む。
【0020】
有機の日焼け防止剤の例は、ジカンファースルホン酸(メギゾリル(Mexoryl)SX)、ドロメトリゾールトリシロキサン(メギゾリルXL)、p−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(パラソル(PARSOL)MCXとして市販)、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(パラソル1789として市販)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチル−ジメチル−p−アミノ安息香酸、トリオレイン酸ジガロイル、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−(ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ安息香酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸2−エチルヘキシル、p−アミノ安息香酸グリセリル、サリチル酸3,3,5−トリメチル−シクロヘキシル、アントラニル酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸又はp−ジメチルアミノベンゾアート、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−フェニル−ベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホンベンゾオキサゾイン酸、オクトクリレン、チバSC(Ciba SC)からチノソーブ(TINOSORB)(商標)Mとして入手可能な2,2’−メチレン−ビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、チバSCからチノソーブ(商標)Sとして入手可能な2,4−ビス[(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ)フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、並びにこれらの化合物の混合物である。
【0021】
またこの組成物に特に使用されるのは、1990年6月26日にSabatelliに付与されたUS-A-4,937,370、及び1991年3月12日にSabatelliとSpirnakに付与されたUS-A-4,999,186に開示されたような日焼け防止剤である。該特許文献に開示された日焼け防止剤は、単一分子中に異なる紫外線吸収スペクトルを示す2個の固有の発色団を有する。発色団の一方は、大部分UV−B領域において吸収し、そして他方は、UV−A領域において強力に吸収する。この分類の日焼け防止剤において好ましい化合物は、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシジベンゾイルメタンのN,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−アミノ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシジベンゾイルメタンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル類、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)ベンゾフェノンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル類、4−(2−ヒドロキシエトキシ)ジベンゾイルメタンの4−N,N−(2−エチルヘキシル)メチルアミノ安息香酸エステル類、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンのN,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−アミノ安息香酸エステル類及び4−(2−ヒドロキシエトキシ)ジベンゾイルメタンのN,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−アミノ安息香酸エステル類、並びにこれらの混合物である。正確な量は、選択された日焼け防止剤、及び望まれる太陽光線保護指数(light protection factor)(LPF)に依存する。
【0022】
本発明の局所用組成物はまた、皮膚科学的に許容しうる賦形剤を含む。「皮膚科学的に許容しうる賦形剤」という表現は、本明細書ではこの賦形剤が、角質組織への局所適用に適しており、良好な美的特性を有しており、本発明の活性物質及び他の任意の成分と適合性であり、そして不都合な安全性又は毒性の検討材料を生み出さないことを意味するものと理解される。
【0023】
賦形剤は、多くの異なる形をとることができる。例えば、本明細書では、水中油型、油中水型、W/O/W複合型及びO/W/シリコーン複合型エマルションを含む、エマルション賦形剤を使用することができる。
A) シリコーン中水型エマルション
シリコーン中水型エマルションは、シリコーン連続相と水分散層を含む。
B) 水中油型エマルション
【0024】
他の好ましい局所賦形剤は、水連続相とそこに分散した疎水性の水不溶層(「油相」)を持つ水中油型エマルションを含む。適切な水中油型エマルション賦形剤の例は、1991年12月17日にD.J. Turnerらに付与されたUS-A-5,073,371、及び1991年12月17日にD.J. Turnerらに付与されたUS-A-5,073,372に記載されている。
【0025】
実験セクション
使用される略語及び用語
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
EDTA エチレンジアミン四酢酸
NaHCO3 炭酸水素ナトリウム
PBS リン酸緩衝生理食塩水
プロテイナーゼK Tritirachium album由来
HCl 塩化水素
HBr 臭化水素
【0026】
実施例1: ローションの調製
以下の処方(重量%の表示)により従来法でローションを調製した:
【0027】
【表1】

【0028】
A及びB相を別々に75℃まで加熱し、撹拌しながらA相をB相に加えて、ホモジェナイズし、室温まで冷却するのを待ち、次にC相によりpHを約5.0〜5.5に調整し、そして撹拌しながらD相を加える。
【0029】
実施例2: クリームの調製
以下の処方(重量%の表示)により従来法でクリームを調製した:
【0030】
【表2】

【0031】
A及びB相を別々に75℃まで加熱し、撹拌しながらB相をA相に加えて、ホモジェナイズし、C相によりpHを約5.5〜6.5に調整し、続いてD相の成分を約65℃で加えて、ホモジェナイズする。続いてE相の成分を約35℃で加え、室温まで冷却し、必要ならば、pHを5.0〜5.5に再調整する。
【0032】
実施例3: 日焼け防止クリームの調製
以下の処方(重量%の表示)により従来法で日焼け防止クリームを調製した:
【0033】
【表3】

【0034】
A及びB相を別々に75℃まで加熱し、撹拌しながらA相をB相に加えて、ホモジェナイズし、C相のpHを約5.5に調整し、40℃まで冷却するのを待ち、次にC相及びD相の成分を続けて加え、E相によりpHを4.5〜5.0に調整する。
【0035】
実施例4: 試験物質による浅黒い肌タイプのメラノダーム(MelanoDerm)組織の処理後のメラニン含量の減少の測定
・ 材料と方法
メラノダームMel−300B ロット6715 キットG
ロングライフ維持培地
10mMトリス、0.05mM EDTA(pH6.8)中1% SDS
プロテイナーゼK 5mg/ml (10mMトリス、0.05mM EDTA(pH6.8)中1% SDS中)
500mM NaHCO3
クロロホルム/メタノール(2:1)
試験物質: 化合物1及び標準としてシスタミン
【0036】
・ 組織の培養及び試験物質の適用
製造業者の取扱説明書により処理した組織を、1ウェルあたり培地3mlを含む6ウェルプレートに移した。組織を膜挿入物(コーニング社(Corning)製のトランスウェル−クリア(Transwell-Clear))に載せた。ピペットにより培地2mlを下部区画に加え、培地1mlを上部区画に加えた。試験物質を水溶液として組織あたり10mMの割合で局所適用した。組織の表面を温PBS500μlで濯ぎ、新鮮な試験物質を適用することにより、48時間毎に培地及び試験物質を更新した。8日後、処理タイプあたり2個の組織から試験物質を除去して、更に8日間、試験物質を含まない通常培地で培養を続けた。処理タイプあたり残りの2個の組織は試験物質と一緒に更にインキュベートした。実験は全部で16日続いた。
【0037】
・ メラニンの抽出
着色表皮を持つ膜を外科用メスでホルダーから切り取って、ネジ式キャップのエッペンドルフチューブに移した。10mMトリス、0.05mM EDTA(pH6.8)中1% SDS 200μl及びプロテイナーゼK 20μlをピペットにより各チューブに加えた。このエッペンドルフチューブを45℃のサーモミキサー(Thermomixer)中で一晩インキュベートした。翌朝、プロテイナーゼKを更に20μlピペットにより各チューブに加え、インキュベーションを6時間続けた。500mM NaHCO3 25μlの添加により溶解物を塩基性にして、サーモミキサー中で80℃で30分間インキュベートした。メタノール/クロロホルム(2:1)200μlでの処理により、脂肪及びタンパク質を溶解物から除去した。上清3×100μlをピペットにより96ウェルプレートに加え、吸収を450nmで測定した。
【0038】
・ 結果
【0039】
【表4】

【0040】
以下の表は、一般式(I)の好ましい個々の化合物を含む:
【0041】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の少なくとも1種の一般式(I):
【化1】


[式中、Xは、NH又は直接結合であり、そしてnは、2、3又は4、好ましくは2又は3である]で示される化合物若しくはこのような化合物の混合物及び/又はその酸付加塩を含むことを特徴とする、特にスキンライトナーとして使用するための局所用組成物。
【請求項2】
二硫化2−グアニジノエチル又はその酸付加塩を含むことを特徴とする、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
式(I)の化合物若しくはこれらの化合物の混合物及び/又はそれらの塩を、組成物の総重量に基づいて、0.005〜50重量%(w/w)の間、好ましくは0.05〜5重量%(w/w)の間の範囲の濃度で含むことを特徴とする、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
溶液か、分散液か、エマルションか、マクロ−、マイクロ−若しくはナノカプセルのような賦形剤又はリポソーム若しくはカイロミクロンに封入されているか、マクロ−、マイクロ−若しくはナノ粒子又はマイクロスポンジに含まれているか、あるいは粉状の有機ポリマー又は無機賦形剤に吸収されている形態の、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
W/O及びO/Wエマルション、ミルク、ローション、軟膏、ゲル化及び粘性、界面活性及び乳化性ポリマー、ポマード、シャンプー、石鹸、ジェル、粉末、スティック、スプレー、ボディーオイル、フェースマスク又はプラスターの形態の、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
スキンライトナーとしての請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項7】
肝斑の漂白剤としての請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項8】
色素性母斑の漂白剤としての請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項9】
不均一な皮膚の着色の均等化剤としての請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項10】
肌の色を明るくするため、肝斑及び色素性母斑を漂白するため、並びに不均一な皮膚の着色を均等化するためのスキンライトナー、日焼け防止剤、脱臭剤、石鹸又は液体合成洗剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
a) 有効量の少なくとも1種の一般式(I)の化合物若しくはこのような化合物の混合物及び/又はその酸付加塩;
b) 皮膚漂白、色素脱失、日焼け防止及びUVブロッキングのための活性成分よりなる群から選択される、安全かつ有効量の少なくとも1種の追加のスキンケア成分;並びに
c) 場合により皮膚科学的に許容しうる賦形剤
を含むことを特徴とする、請求項1〜5及び10のいずれか1項記載の組成物。
【請求項12】
特に、肌の色を明るくするため、肝斑及び色素性母斑を漂白するため、並びに/又は不均一な皮膚の着色を均等化するためのスキンライトナーとして使用するための局所用組成物の製造のための、請求項1〜3のいずれか1項記載の一般式(I)の化合物若しくはこのような化合物の混合物又はその酸付加塩の使用。
【請求項13】
化粧品及び/又は皮膚科学的配合物の製造のための、請求項12記載の使用。
【請求項14】
日焼け防止剤の製造のための、請求項12記載の使用。
【請求項15】
脱臭剤の製造のための、請求項12記載の使用。
【請求項16】
石鹸及び液体合成洗剤の製造のための、請求項12記載の使用。
【請求項17】
pH3〜11、好ましくは3〜6.5を有する組成物の製造のための、請求項12〜16のいずれか1項記載の使用。

【公表番号】特表2009−511509(P2009−511509A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534846(P2008−534846)
【出願日】平成18年10月9日(2006.10.9)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000555
【国際公開番号】WO2007/041884
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】