説明

スクリーン印刷体の製造方法

【課題】大面積の被印刷面を有する大型の被印刷体に対しても精度に優れたスクリーン印刷を行うことができ、印刷精度に優れたスクリーン印刷体を製造可能なスクリーン印刷体の製造方法を提供する。
【解決手段】所定の開口形状の開口部が形成されたマスク材を有する膜状のスクリーン3と、スクリーン3が張設された製版枠4とを備えたスクリーン製版5を、平板状の被印刷体10がその内側に平行に配設された枠状の製版枠ホルダ11上に、被印刷体10と平行に載置し、スクリーン製版5と製版枠ホルダ11の当接部分20の少なくとも一部(可動部分25)を、スクリーン製版5と被印刷体10との相対距離が離隔又は近接する方向に所定距離移動させることにより、開口部を所望の開口形状となるように調整した状態とし、この状態でスクリーン印刷して所定の印刷パターンが形成されたスクリーン印刷体を得るスクリーン印刷体の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷精度に優れたスクリーン印刷体を製造可能なスクリーン印刷体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷用製版(以下、単に「スクリーン製版」又は「製版」ともいう)を使用して、被印刷体の表面上にインクやペースト等からなる印刷膜を形成するスクリーン印刷は、微細パターンの形成が可能であり、また、優れた量産性を有することから幅広い産業分野で利用されている。一般に、スクリーン印刷は、樹脂(例えば感光性乳剤膜)等によってその開口が塞がれたメッシュが版枠に張設されることにより構成されたスクリーンマスクを使用し、このスクリーンマスクの上面にインク材料を載置するとともにスキージを摺動させることによって、スクリーンマスクに形成されている所定の開口部を通じてスクリーンマスクの下面側(基材側)にインク材料を押し出して印刷する方法である。
【0003】
このスクリーン印刷は、スクリーンマスクが柔軟であるとともに印圧が小さいため、紙類、布、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等の幅広い被印刷材への印刷が可能である。また、インク材料により形成されるパターンを厚くすることが可能であるため、厚膜IC(ハイブリッドIC)、プリント配線基板、抵抗体やコンデンサ等の電子部品の製造にも応用されている。ところで、スクリーンマスクは、通常、メッシュ上に塗布された感光性乳剤膜をフォトリソグラフィ技術によりパターン形成することによって製造される。或いは、金属膜をフォトリソグラフィ技術によって選択的にエッチングしてメッシュパターン形成することによっても製造される。
【0004】
スクリーン印刷に用いられる一般的なスクリーン製版は、紗等により構成された支持部材、及びこの支持部材に配設された所定の開口形状の開口部が形成されたマスク材を有する膜状のスクリーンと、このスクリーンがその内側に張設された製版枠とを備えたものである。印刷に際しては、先ずこのスクリーン製版のスクリーンを適当な被印刷体の表面(被印刷面)に配設するとともに、スクリーン上にインクやペースト等を載せる。次いで、スクリーン上でスキージ等を摺動させて開口部からペースト等を押し出せば、被印刷体の被印刷面に、開口部の開口形状、及び開口部が複数形成されている場合には、その配列パターンに対応した印刷パターンを形成することができる。
【0005】
例えば、電子部品製造の分野では、精度及び量産性の面から、上述のスクリーン印刷が取り入れられている。この分野においては、部品サイズの微小化という近年の技術の流れに伴い、より微細な印刷パターンを、更に高精度に形成したいとする要請が高まりつつある。
【0006】
しかしながら、製版枠は若干の歪みを有するものであるため、製版枠に張設したスクリーンを完全にフラットな状態とすることは困難である。更に、製版枠の歪みは製版枠によってそれぞれ異なるため、開口部の配列パターンもそれぞれのスクリーン製版毎に微妙に異なっている。従って、開口部の配列パターンが異なる複数のスクリーン製版を使用してスクリーン印刷を行うと、得られるスクリーン印刷体毎の印刷パターンが微妙に異なってしまうといった不具合が生ずる場合があった。
【0007】
近年、被印刷体となる基板が大型化される傾向にあるため、大型化した基板への印刷に使用するスクリーン(スクリーン製版)も同様に大型化される傾向にある。従って、基板やスクリーン製版の大型化によって、得られるスクリーン印刷体毎の印刷パターンの相違が更に顕著になっていた。
【0008】
スクリーン製版毎の開口パターンの相違の度合いは、印刷により得られる印刷体に応じて許容される一定の公差範囲内であれば、特段の問題を生ずることはない。しかしながら、近年の技術進歩に対応して、印刷精度を更に向上させる必要がある。
【0009】
関連する従来技術として、スクリーンの支持部材を構成するワイヤ(紗)の交差する部分を係止したスクリーン印刷用製版(特許文献1参照)、製版枠の線熱膨張係数を規定したスクリーン印刷用製版(特許文献2参照)、製版枠の所定の辺を凸形状に湾曲させた状態でスクリーン印刷をする方法(特許文献3参照)、並びに内外両方向に変形可能な製版枠を備えたスクリーン印刷用製版、及びこれを用いた印刷体の製造方法(特許文献4参照)が開示されている。しかしながら、これらのスクリーン印刷用製版や、これらを用いた印刷方法であっても、高い印刷精度を確保するという要請には十分に応えられるものではなく、更なる改良を図る必要性がある。
【0010】
【特許文献1】特開平9−136394号公報
【特許文献2】特開平11−34288号公報
【特許文献3】特開2000−318120号公報
【特許文献3】特開2006−62241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、大面積の被印刷面を有する大型の被印刷体に対しても精度に優れたスクリーン印刷を行うことができ、印刷精度に優れたスクリーン印刷体を製造可能なスクリーン印刷体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、スクリーン製版と製版枠ホルダの当接部分を、スクリーン製版と被印刷体との相対距離が離隔又は近接する方向に移動させることにより、スクリーンの開口部を所望の開口形状となるように調整可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち、本発明によれば、以下に示すスクリーン印刷体の製造方法が提供される。
【0014】
[1]一以上の所定の開口形状の開口部が形成されたマスク材を有する膜状のスクリーンと、前記スクリーンが張設された製版枠とを備えたスクリーン製版を、平板状の被印刷体がその下方に平行に配設された枠状の製版枠ホルダ上に、前記被印刷体と平行に載置し、前記スクリーン製版と前記製版枠ホルダの当接する部分の少なくとも一部を可動部分とし、前記可動部分を、前記スクリーン製版と前記被印刷体との相対距離が離隔又は近接する方向に所定距離移動させることにより、前記開口部を所望の開口形状となるように調整した状態とし、この状態でスクリーン印刷して所定の印刷パターンが形成されたスクリーン印刷体を得るスクリーン印刷体の製造方法。
【0015】
[2]前記可動部分の数が1以上であり、前記可動部分を、それぞれ独立に、前記スクリーン製版と前記被印刷体との相対距離が離隔又は近接する方向に所定距離移動させる前記[1]に記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【0016】
[3]前記可動部分が、前記スクリーン製版の少なくとも四隅である前記[1]又は[2]に記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【0017】
[4]前記スクリーンの面積に対する、前記印刷パターンの面積の割合が、25%以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【0018】
[5]前記マスク材が、樹脂又は金属により構成されたものである前記[1]〜[4]のいずれかに記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【0019】
[6]前記被印刷体が、セラミックス基板、樹脂基板、ガラス基板、又は金属基板である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明のスクリーン印刷体の製造方法によれば、大面積の被印刷面を有する大型の被印刷体に対しても精度に優れたスクリーン印刷を行うことができ、印刷精度に優れたスクリーン印刷体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0022】
図1は、本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いるスクリーン製版の一例を示す側面図であり、図4は、スクリーン製版を製版枠ホルダに載置する状態を示す斜視図である。図1及び図4に示すように、本発明のスクリーン印刷体の製造方法の一実施形態においては、先ず、スクリーン製版5を、製版枠ホルダ11上に載置する。スクリーン製版5は、膜状のスクリーン3と、このスクリーン3が張設された製版枠4とを備えたものである。なお、図4中、符号15は製版枠受けネジを示す。
【0023】
図2及び図3は、本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いるスクリーン製版の一例を示す上面図及び側面図である。図2及び図3に示すように、スクリーン製版5を構成するスクリーン3は、所定の開口形状の開口部1が一以上形成されたマスク材2を有するものである。なお、スクリーン3は、通常、膜状の支持部材を備えており、この支持部材の少なくとも一方の膜面上にマスク材が配設されている。
【0024】
マスク材を構成する材料の具体例としては、樹脂や金属等を挙げることができる。このスクリーン3には、所望とする印刷パターンに応じた形状及び数の開口部が形成されている。なお、便宜上、図2においては開口形状が長方形の開口部1が9箇所形成された状態を示している。また、スクリーン製版5は、製版枠4にスクリーン3が張設されることによって構成されており、製版枠4は、一般的には可撓性を有する材質によって形成されている。
【0025】
図1に示すように、枠状の製版枠ホルダ11の内側(又は下方)には、平板状の被印刷体10が、製版枠ホルダ11の枠面と平行となるように印刷ステージ12上に載置されている。被印刷体10の具体例としては、従来のスクリーン印刷で用いられているものを挙げることができる。好適な被印刷体としては、セラミックス基板、樹脂基板、ガラス基板、又は金属基板等を挙げることができる。
【0026】
製版枠ホルダ11上に、被印刷体10(被印刷面)と平行となるようにスクリーン製版5を載置する。このとき、スクリーン製版5と製版枠ホルダ11の当接部分20の少なくとも一部(可動部分25)を、スクリーン製版5と被印刷体11との相対距離が離隔又は近接する方向(図1におけるZ軸方向)に移動させる。可動部分25を移動させる方法としては、例えば図1に示すように、適当な厚みを有するスペーサー7をスクリーン製版5と製版枠ホルダ11の間に配設すること等を挙げることができる。なお、可動部分25のZ軸方向への移動距離は、このスペーサー7の厚みを適当に調整することの他、複数のスペーサー7a,7bを組み合わせること(図5参照)、伸縮自在なスペーサー17(伸縮機構)を配設すること(図6参照))等によって容易に微調整することができる。
【0027】
スクリーン製版5と製版枠ホルダ11の可動部分25を、スペーサー7を用いること等によってZ軸方向に移動させると、エアシリンダ6等によって製版枠ホルダ11上に固定されたスクリーン製版5は凹形状に撓んだ状態となる。この場合、スクリーン製版5を構成するスクリーン3は製版枠4とともに変形するため、スクリーン3の開口部1(図2参照)も、スクリーン3の変形に伴って僅かに変形することとなる。このため、可動部分25のZ軸方向への移動距離を微調整することによって、開口部1(図2参照)の開口形状を所望の形状へと微調整することが可能である。
【0028】
このように可動部分25のZ軸方向への移動距離を微調整し、開口部1(図2参照)を所望の開口形状となるように調整した状態でスクリーン印刷を行う。具体的には、スクリーン3上に所定のインクやペースト等を載せる。次いで、スクリーン3上でスキージ等を(例えばX軸方向に)摺動させて開口部からペースト等を押し出せば、被印刷体10の被印刷面に、開口部の開口形状、及び開口部が複数形成されている場合には、その配列パターンに対応した印刷パターンが形成されたスクリーン印刷体を得ることができる。なお、同一の被印刷面に繰り返し印刷を行なえば、印刷パターンを積層することも可能である。
【0029】
本発明のスクリーン印刷体の製造方法によれば、スクリーン3の開口部を所望の開口形状となるように調整した状態でスクリーン印刷を行うことが可能であるため、極めて精度の高い印刷を行なうことができる。従って、高精度の所定の印刷パターンが形成されたスクリーン印刷体を簡易に製造することができる。また、繰り返し印刷を行いスクリーンメッシュの伸びが発生した場合であっても、開口部の開口形状を調整可能であるために印刷精度が低下し難い。更には、一般的なスクリーン製版とスクリーン印刷機を、特段の改造等をすることなく使用可能であるために汎用性が高く、印刷コストの低減を図ることができる。
【0030】
本発明のスクリーン印刷体の製造方法によれば、開口部の開口形状の微細な変形や歪み、或いはスクリーン製版毎に僅かに異なる開口部の開口形状を、可動部分25をZ軸方向に移動させることによって解消し、所望とする正確で均一な開口形状とすることができる。また、多数回の印刷の繰り返しに伴って開口部の開口形状に変形や歪みが生じた場合であっても、可動部分25をZ軸方向に再度適量移動させることによって、その変形や歪みを解消することが可能である。従って、本発明のスクリーン体の製造方法は、従来に比してより精度に優れた印刷が可能であるとともに、長期間に渡って繰り返し印刷を行う場合に好適である。
【0031】
被印刷面の面積が200mm×200mm(□200mm、40000mm)のLTCC基板(被印刷体)に対してスクリーン印刷を行う場合において、LTCC基板の積層ズレ抑制の観点から、その印刷パターンには、通常、5μm程度の位置精度が要求される。本発明のスクリーン印刷体の製造方法は、製版枠(スクリーン)のサイズが300mm×300mm(□300mm、90000mm)〜500mm×500mm(□500mm、250000mm)の大型である場合に特に有効である。また、スクリーンの面積に対する、印刷パターンの面積の割合が、好ましくは25%以上、更に好ましくは40%以上である場合に特に有効である。
【0032】
可動部分25の数は特に限定されないが、開口部の開口形状をより厳密に調整するといった観点からは、2以上とすることが好ましく、4〜8とすることが更に好ましく、より具体的には、スクリーン製版5の少なくとも四隅を可動部分25とすることが好ましい。なお、可動部分25の数を8超とすると、調整が複雑化する場合がある。また、可動部分25を、それぞれ独立に、スクリーン製版5と被印刷体10との相対距離が離隔又は近接する方向に所定距離移動させることが、開口部の開口形状を所望の形状へとより精密に微調整することが可能となるために好ましい。
【0033】
それぞれの可動部分25をZ軸方向に移動させる距離は、例えば、いずれの可動部分25についてもZ軸方向に移動させない状態で試し刷りを実施して印刷パターンを確認した後、所望の印刷パターンとなるように決定すればよい。このとき、複数箇所存在する可動部分25のそれぞれについて、独立してZ軸方向への移動距離を設定することが、より精密に開口部の開口形状を制御することが可能であるとともに、得られるスクリーン印刷体の印刷パターンの位置精度のバラツキを減ずることができるために好ましい。
【0034】
本発明のスクリーン印刷体の製造方法によって得られるスクリーン印刷体としては、高精度の印刷パターンが形成された印刷体を簡易に製造することができるといった特性を生かし、少なくとも誘電体若しくは導体により構成される回路を備えたもの、又は受動素子若しくは能動素子を有するパターンを備えたものを挙げることができる。なお、受動素子としては、コンデンサ素子等を挙げることができ、能動素子としては電気機械変換素子等を挙げることができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1(調整(1)))
図1〜図3に示すような、380mm×380mmのスクリーン製版5(ムラカミ社製)を使用してスクリーン印刷を実施し、スクリーン印刷体を製造した。スキージの摺動方向はX軸方向とし、Z軸方向に移動させる可動部分25の位置(スペーサー7の配設位置)は、X軸方向の右奥及び左奥の二箇所とした。また、右奥の可動部分25のZ軸方向移動距離(被印刷体10の印刷面と平行な面を基準とした移動距離であり、印刷面から離隔する方向へ移動した場合を「+」の値とする)を+100μm、左奥の可動部分25のZ軸方向移動距離を+50μmとしてスクリーン印刷を行った。なお、可動部分25のZ軸方向移動距離の調整は、スペーサー7の厚みを選択することにより行った。得られたスクリーン印刷体に形成された印刷パターンの位置精度を測定したところ、2〜3μmであった。なお、印刷パターンの範囲(サイズ=200mm×200mm)内、計20点の場所で印刷位置精度の測定を行った。印刷位置精度は、設計座標からの位置ズレ量で測定・評価した。また、印刷パターンの位置精度の測定結果をプロットしたグラフを図7に示し、図7のA部拡大図及びC部拡大図を、それぞれ図8及び図9に示す。なお、印刷パターンの位置精度の測定点を説明する模式図を図10に示す。図10中、符号30は印刷パターンを示し、符号A〜Hは測定点を示す。
【0037】
(実施例2(調整(2))、比較例1(未調整))
可動部分のZ軸方向移動距離を表1に示す値としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてスクリーン印刷体を製造した。得られたスクリーン印刷体に形成された印刷パターンの位置精度の測定結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
表1に示すように、実施例1及び実施例2のスクリーン印刷体の製造方法によれば、比較例1のスクリーン印刷体の製造方法に比して、より位置精度の高い印刷パターンが形成されたスクリーン印刷体を製造可能であることが明らかである。また、図1に示すように、右奥の可動部分のZ軸方向移動距離を0(比較例1(未調整))、100μm(実施例1(調整(1)))、150μm(実施例2(調整(2))と増加させることによって、印刷位置が中心部から外方へとシフトする傾向にあることが明らかである。従って、本発明のスクリーン印刷体の製造方法によれば、可動部分のZ軸方向移動距離を適宜調整することにより、印刷精度に優れたスクリーン印刷体を製造可能であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のスクリーン印刷体の製造方法は、微細パターンの形成が可能であるとともに汎用性が高く、量産にも適していることから、各種電子部品を製造する方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いる印刷機の一例を示す側面図である。
【図2】本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いるスクリーン製版の一例を示す上面図である。
【図3】本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いるスクリーン製版の一例を示す側面図である。
【図4】スクリーン製版を製版枠ホルダに載置する状態を示す斜視図である。
【図5】本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いる印刷機の他の例を示す側面図である。
【図6】本発明のスクリーン印刷体の製造方法で用いる印刷機の更に他の例を示す側面図である。
【図7】印刷パターンの位置精度の測定結果をプロットしたグラフである。
【図8】図7のA部拡大図である。
【図9】図7のC部拡大図である。
【図10】印刷パターンの位置精度の測定点を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1:開口部、2:マスク材、3:スクリーン、4:製版枠、5:スクリーン製版、6:エアシリンダ、7,7a,7b,17:スペーサー、10:被印刷体、11:製版枠ホルダ、12:印刷ステージ、15:製版枠受けネジ、20:当接部分、25:可動部分、30:印刷パターン、A〜H:測定点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の所定の開口形状の開口部が形成されたマスク材を有する膜状のスクリーンと、前記スクリーンが張設された製版枠とを備えたスクリーン製版を、平板状の被印刷体がその内側又は下方に平行に配設された枠状の製版枠ホルダ上に、前記被印刷体と平行に載置し、
前記スクリーン製版と前記製版枠ホルダの当接する部分の少なくとも一部を可動部分とし、前記可動部分を、前記スクリーン製版と前記被印刷体との相対距離が離隔又は近接する方向に所定距離移動させることにより、前記開口部を所望の開口形状となるように調整した状態とし、
この状態でスクリーン印刷して所定の印刷パターンが形成されたスクリーン印刷体を得るスクリーン印刷体の製造方法。
【請求項2】
前記可動部分の数が2以上であり、
前記可動部分を、それぞれ独立に、前記スクリーン製版と前記被印刷体との相対距離が離隔又は近接する方向に所定距離移動させる請求項1に記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【請求項3】
前記可動部分が、前記スクリーン製版の少なくとも四隅である請求項1又は2に記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【請求項4】
前記スクリーンの面積に対する、前記印刷パターンの面積の割合が、25%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【請求項5】
前記マスク材が、樹脂又は金属により構成されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクリーン印刷体の製造方法。
【請求項6】
前記被印刷体が、セラミックス基板、樹脂基板、ガラス基板、又は金属基板である請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクリーン印刷体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−173890(P2008−173890A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−10442(P2007−10442)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【Fターム(参考)】