説明

スタチンおよびエーテルを用いた炎症および炎症関連疾患の治療方法

炎症および炎症関連疾患の治療および予防を必要とする患者に、ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール−アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換−アルキル、または当該ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール-アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキルの製薬上許容される塩、およびスタチンまたは当該スタチンの製薬上許容される塩を同時投与することによる当該炎症および炎症関連疾患の治療および予防方法が、本明細書中に開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症および炎症関連疾患の治療、および具体的には炎症および炎症関連疾患の治療を必要とする患者に、ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール−アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、置換−アルキル、または当該ジアルキルエーテル、置換アルキル、置換アリール−アルキル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキルの製薬上許容される塩、およびスタチンまたは当該スタチンの製薬上許容される塩を同時投与することによる当該炎症および炎症関連疾患の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症および炎症関連疾患は世界全体に広がっている。例えば世界中で1億人を超える人々が何らかの関節炎(arthritis)、傷害(disabling)、更には肢体不自由(crippling)、関節または脊椎の疾患または損傷(強直性脊椎炎)に苦しめられている。疾患または損傷のタイプによって、関節炎に苦しむ患者は更に別の状態、例えば乾癬(乾癬性関節炎)、自己免疫状態(例えば全身性エリテマトーデス)、痛風、筋損傷(例えば線維筋肉痛)、関節感染(感染性関節炎)、強皮症、1またはそれ以上の以下の状態:尿道炎、前立腺炎、子宮頸管炎、膀胱炎、目の問題または皮膚の問題(ライター症候群)に苦しめられる場合もある。
【0003】
米国単独において、300,000人の子供(例えば若年性リウマチ様関節炎)を含む4200万人を超える人々が現在なんらかの関節炎を有し、そしてその総数は2020年までに6,000万の人々に及ぶと予測される。米国におけるさまざまな関節炎のうち、OAが最も蔓延し、2100万人の人々が苦しんでいる。軟骨損傷に罹患したOA患者は痛みおよび関節硬直を経験し、関節の変形および関節機能の衰えまたは喪失に至る。
【0004】
RAに罹患した患者において、臨床転帰は軟骨および骨の進行した破壊に関連する。RAに罹患した関節において、慢性的に炎症性および増殖性の滑膜組織が隣接する軟骨および骨に侵入し、関節機能の衰えおよび障害をもたらす。
【0005】
アスピリンおよび従来の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、例えばイブプロフェン、ジクロフェナク、およびナプロキセンはRA−関連の炎症またはRA−もしくはOA−関連の痛みを治療するために用いられる典型的な薬剤である。NSAIDsはアラキドン酸からの細胞膜脂質のシクロオキシゲナーゼ−1(COX-1)および/またはシクロオキシゲナーゼ−2(COX-2)により仲介される変換をブロックすることにより、プロスタグランジン放出を阻害する。しかしながら、従来のNSAIDsの治療的使用は、薬物関連およびメカニズム関連の副作用、例えば命にかかわる胃潰瘍形成および腎臓毒性に起因して制限されている。さらに、これらの薬物は、軟骨損傷、リウマチ様関節炎または変形性関節症に関連した二次的症状、例えば痛みを治療するに過ぎない。これらは、軟骨または骨を損傷する基礎的な病理生理学的症状を予防または治療しない。したがって、これらの疾患の新規かつ改善された治療に対する要求が続く。
【0006】
スタチンは、肝臓酵素3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A(EMG-CoA)レダクターゼを競合的に阻害する能力を共有する分子のファミリーである。この酵素はコレステロール合成のためのL−メバロナート経路における速度限定工程を触媒する。結果的に、スタチンはコレステロール合成をブロックし、そして高コレステロール血を治療することに有効である。さらに、最近に発表されたいくつかの大規模な臨床試験の報告は、スタチンによる治療が冠状動脈性心臓病を有するか有しない患者において、心臓血管関連の疾病率および死亡率を低下させることを明らかに示した。
【0007】
最近、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、特にスタチンは抗炎症特性を有することが示されている(例えばShovman他. anti-inflamniatory and immunomodulatory properties of statins, Immunologic Research(2002), 25(3), 271-285;Undas他. Antiinflammatory and antithrombotic effects of statins in the management of coronary artery disease, C1inical Laboratory(Heidelberg, Germany)(2002), 48(5+6), 287-296;Kwak他. statins inhibit leukocyte recruitment: New evidence for their anti-itiflammatory properties, Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology(2001), 21(8), 1256-1258;および米国特許出願公開20020156122を参照のこと)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
炎症および炎症関連疾患は世界中で蔓延していることから、新規かつ改善された治療ならびにこれらの疾患を実際に予防する薬剤を開発する要求が続いている。
【0009】
本発明者らは、炎症および炎症関連疾患、例えば軟骨損傷、リウマチ様関節炎、関節痛および変形性関節症の治療および予防が、例えば有効量の置換ジアルキルエーテル、置換アリールアルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、例えば6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される化合物、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩を同時投与することにより効果を有し得ることをここで発見した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一般的に、本発明は、炎症および炎症関連疾患を、それらを治療および予防する必要のある患者において、有効量の置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、例えば6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される化合物、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩により治療および予防する方法に関する。
【0011】
一実施形態は、このような炎症または炎症関連疾患を有するかまたは罹りやすい患者に、治療的有効量のスタチンまたはその製薬上許容される塩および治療的有効量の式I
【化1】

の置換ジアルキルエーテル化合物またはその製薬上許容される塩を同時投与することを含む当該患者における炎症または炎症関連疾患を治療または予防する方法であり、
【0012】
式中:
nおよびmは独立して2〜9の整数であり;
R1、R2、R3およびR4は独立してC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルもしくはC2-C6アルキニルであるか;または
R1およびR2はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、またはR1およびR2はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、かつR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成してもよく;
Y1およびY2は独立してCOOH、CHO、テトラゾールまたはCOOR5であり、ここでR5はC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、またはC2-C6アルキニルであり;そして
ここで当該アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はハロ、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、およびフェニルから選択される1または2つの基で置換されてもよい。
【0013】
本発明者らは、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の同時投与は、炎症および炎症関連疾患の治療および予防に有効であることを発見した。本発明の種々の形態の理解は以下の議論および以下に提供される実施例を通して得られる。
【0014】
本発明の目的に関して、特に示さない限り、用語「炎症」および「炎症関連」は、限定されないが免疫関連応答および/または物理的、化学的または生物学的刺激に対するアレルギー反応を含む任意および全てのそのような炎症反応を意味する。上記炎症関連疾患としては、例えば変形性関節症、リウマチ様関節炎、骨関節炎関節痛、リウマチ様関節炎関節(rheumatoid arthritic joint)、関節痛、炎症性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛および軟骨損傷が挙げられる。
【0015】
用語「用いる」、「利用する」、および「使用する」ならびにそれらの派生語は、本発明の方法、組成物または組み合わせの形態を記載する場合に交換可能に使用される。
【0016】
用語「含む」、「有する」、および「包含する」は、特に示さない限り制限されない。
【0017】
句「混合されて」または「混合で」は、不均質または均質な混合物のいずれかを含むように成分を混合することを意味する。ある状況においては、均質な混合物が好ましい。他の状況において、不均質な混合物が好ましい。
【0018】
スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の使用の定義における組み合わせ治療(または補助療法または同時投与)は、薬物の組み合わせの有利な効果を提供する投薬計画における連続的マナーでの各薬剤の投与を包含することが意図され、そして例えばこれらの活性薬剤の固定比を有する単一の製剤で、または各薬剤についての複数の別個の製剤で、実質的に同時のマナーでのこれらの薬剤の投与を包含することも同様に意図される。
【0019】
用語「ED40」は、治療を受ける患者の少なくとも40%において、炎症および炎症関連疾患を治療または予防するのに十分である活性化合物またはその製薬上許容される塩を含む薬剤の用量を意味する。
【0020】
用語「薬物」は、句「治療剤」、「活性成分」、「活性化合物」および「活性成分」と同意語であり、非毒性治療剤、たとえばスタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩を含む。
【0021】
用語「非毒性」は、有効な用量が、毒性効果が患者集団の10%またはそれ以上で観察される用量の10倍またはそれ以上であることを意味する。
【0022】
用語「患者」は哺乳動物を意味し、そしてこの2つの用語は本明細書中で交換可能に用いられる。
【0023】
本発明の目的のために、用語「哺乳動物」は、ヒト、コンパニオンアニマル、例えばネコおよびイヌ、家畜動物、例えばウマ、ウシ、ブタ、ヤギおよびヒツジ、ならびに実験動物、例えばモルモット、ウサギ、ラット、マウス、ハムスターおよびサル、ならびにそれらのトランスジェニック変異体を含む。ヒト患者が好ましい。また、コンパニオンアニマル、特にイヌ、ネコおよびウマも好ましい。また、実験動物、特にウサギ、ラット、マウスおよびサル、ならびにそれらのトランスジェニック変異体も好ましい。
【0024】
本発明の目的のために、用語「関節炎」は変形性関節症、リウマチ様関節炎、変形性関節疾患、脊椎関節症、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎、および乾癬性関節炎を含む。スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与はまた、変形性関節疾患、脊椎関節症、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、若年性関節炎および乾癬性関節炎を治療するのに有用であり得る。
【0025】
句「軟骨損傷」は、病変の関節中およびその周囲の組織肥大により特徴付けられる関節軟骨および軟骨下骨の疾患を意味し、これは関節軟骨表面の損傷を伴う場合もあるし、伴わない場合もある。本明細書で用いられる句の軟骨損傷は、関節軟骨に対する損傷に関連する。
【0026】
軟骨は関節の裏および例えば鼻を含む体の他の部分にも見られる多細胞性の組織である。軟骨組織は、関節の運動のための摩擦のない表面、ならびに鼻の鼻孔のような体の軟組織の特徴の構造および支持を提供する。軟骨組織が疾患または外傷により損傷を受けた場合、分解生成物が形成され、そして組織の生理学的機能が損なわれる。主として、関節軟骨を含む3つの型の軟骨が体には存在する。
【0027】
句「軟骨損傷を阻害する」は、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与の治療効果を意味し、当該治療効果は、疾患または障害病理の要素として軟骨損傷を有する疾患および障害のいずれかについて観察される軟骨損傷の病理学的に顕著な特徴または症状の任意の1またはそれ以上を、部分的にまたは全体において、排除するか、軽減するか、阻害するかまたはその発症を予防するか、その進行を阻害するか、そのさらなる進行を予防するか、またはその進行を覆す。軟骨損傷を発症する危険を有する患者は、ちょうど軟骨損傷を有する患者が医学的に治療されるように予防的に治療され得る。
【0028】
疾患または障害の病理学的に顕著な特徴は、疾患または障害に罹患した体の直接的または関節的結果である体の構造的変化に関連することが理解されるべきである。このような構造的変化は、罹患した構造の、臨床的観察、生検を行う組織の試験、病理学的試験により、または例えばX線もしくは磁気共鳴画像のような画像技術により同定され得る。病理学的に顕著な特徴の例示的な例は、軟骨に対する組織病理学的損傷、骨が肥厚するか厚くなること、筋肉の肥大、繊維症、靭帯または腱が裂けることなどを含む。
【0029】
用語「変形性関節症」は、関節軟骨損傷の病理学的に顕著な特徴、および場合により関節痛の症状により主として特徴付けられる関節の疾患を含む。変形性関節症患者は、典型的に関節の炎症に苦しむことはないが、その患者らは、典型的に関節の炎症に罹患してはいないが、彼らは一時的な炎症性の痛み(inflammatory flares)をときどき経験し得る。
【0030】
用語「リウマチ様関節炎」は関節炎症(joint inflammation)および場合により関節痛の症状により主に特徴付けられる関節のリウマチ性疾患を含む。リウマチ様関節炎患者は、関節軟骨への損傷もまた最終的に経験する場合がある。
【0031】
用語「治療する」は、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与を意味し、同時投与は、軟骨損傷の病理学的に顕著な特徴ならびに痛みおよび炎症の症状を含むがこれらに限定されない、治療されるべき疾患および障害のいずれか1つの病理学的に顕著な特徴または症状の任意の1つまたはそれ以上を、部分的にまたは全体において、排除するか、軽減するか、阻害するかまたはその発症を予防するか、その進行を阻害するか、そのさらなる進行を予防するか、またはその進行を覆す。疾患または障害を発症する危険のある患者は、ちょうど疾患または障害を有する患者が医学的に治療され得るように予防的に治療され得る。
【0032】
用語「予防する」は、軟骨損傷の病理学的に顕著な特徴ならびに痛みおよび炎症の症状を含むがこれらに限定されない、関連した病理学的に顕著な特徴または症状の発症を阻害するために予防される疾患または障害の危険を有する無症候性患者への、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の予防的同時投与を意味する。さらに、病理学的に顕著な特徴または症状が一旦始まると、予防するとは病理学的に顕著な特徴または症状を、部分的にまたは全体において、そのさらなる進行を予防するか、またはその進行を覆すことを意味する。
【0033】
用語「改善する」は、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与を意味し、当該同時投与はリウマチ様関節炎および変形性関節症を含むがこれらに限定されない、改善される疾患および障害のいずれか1つに苦しむ患者における機能の臨床的基準の任意の1またはそれ以上を、部分的にまたは全体において、その喪失を排除または予防し、さらなるその喪失を阻害するか、または改善する。
【0034】
句「関節機能」は、リウマチ様関節炎および変形性関節症の疾患を含むがこれらに限定されない改善される疾患および障害のいずれか1つに苦しむ患者における、堅さ、可動範囲、柔軟性および運動関連症状(例えば歩き方の変化、痛み、暖かさまたは炎症)を含む関節機能の臨床的評価のいずれか1つまたはそれ以上に関する。Western Ontario and McMaster大学の変形性関節症インデックス(「WOMAC」)は、関節機能を評価する臨床医により用いられ得る。
【0035】
句「痛みを緩和する」は、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与を意味し、当該同時投与は患者における痛みを、排除するか、またはその発症を阻害もしくは予防するか、抑制、減少、予防、ないしは阻害し、これは軟骨損傷、急性疼痛、慢性疼痛、機械的疼痛(mechanical pain)、静的異痛(static allodynia)、動的異痛(dynamic allodynia)、骨肉腫疼痛、頭痛、骨関節炎疼痛、炎症性疼痛および自己免疫疾患または線維筋肉痛に関連した疼痛に起因した痛みの症状の抑制、減少、予防、阻害または排除を含むがこれらに限定されない。
【0036】
句「関節痛」は関節の任意の痛みを意味する。
【0037】
句「骨関節炎疼痛」は骨関節炎関節における関節痛を意味する。
【0038】
句「リウマチ様関節炎疼痛」はリウマチ様関節炎における関節痛を意味する。 句「炎症性疼痛」は炎症性関節痛を含む任意の炎症組織の水腫または腫れに起因した痛みを意味する。炎症性関節痛はリウマチ様関節炎疼痛を含む。
【0039】
句「急性疼痛」は、関節痛、骨関節炎疼痛、リウマチ様関節炎疼痛、炎症性疼痛、火傷の痛み、傷口の痛み、外科手術の痛み、線維筋肉痛の痛み、骨肉腫の痛み、月経痛、背痛、頭痛、静的異痛および動的異痛を含むがこれらに限定されない任意の痛みを意味し、その痛みは、治療しないままの場合1回につき、1分〜91日、1分〜31日、1分〜7日、1分〜5日、1分〜3日、1分〜2日、1時間〜91日、1時間〜31日、1時間〜7日、1時間〜5日、1時間〜3日、1時間〜2日、1時間〜24時間、1時間〜12時間または1時間〜6時間続く。急性疼痛は関節痛、骨関節炎疼痛、リウマチ様関節炎疼痛、炎症性疼痛、火傷の痛み、傷口の痛み、外科手術の痛み、線維筋肉痛の痛み、骨肉腫の痛み、月経痛、背痛、頭痛、静的異痛、動的異痛、急性関節痛、急性骨関節炎疼痛、急性リウマチ様関節炎疼痛、急性炎症性疼痛、急性頭痛、急性月経痛、急性背痛および線維筋肉痛の急性疼痛を含むがこれらに限定されない。急性疼痛は急性関節痛、急性骨関節炎疼痛、急性リウマチ様関節炎疼痛、急性炎症性疼痛、急性頭痛、急性月経痛および急性背痛から選択され得る。急性疼痛は急性関節痛、急性骨関節炎疼痛、急性リウマチ様関節炎疼痛および急性炎症性疼痛から選択され得る。急性疼痛は急性関節痛、急性骨関節炎疼痛、および急性リウマチ様関節炎疼痛から選択され得る。急性疼痛は急性関節痛および急性骨関節炎疼痛から選択され得る。
【0040】
当然のことながら、急性疼痛を緩和するとは、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与後の91、31、7、5、3もしくは2日または24、12、6、3、2、1、0.5、0.25、0.20、0.17もしくは0.10時間内での明らかな痛みを緩和する効果を有することを意味する。
【0041】
句「慢性疼痛」は、関節痛、骨関節炎疼痛、リウマチ様関節炎疼痛、炎症性疼痛、火傷の痛み、傷口の痛み、外科手術の痛み、線維筋肉痛の痛み、骨肉腫の痛み、月経痛、背痛、頭痛、静的異痛、動的異痛、慢性関節痛、慢性骨関節炎疼痛、慢性リウマチ様関節炎疼痛、慢性炎症性疼痛、慢性頭痛、慢性背痛および線維筋肉痛の慢性疼痛を含むがこれらに限定されない任意の痛みを意味し、その痛みは、治療しないままの場合1回につき、91日より長く、6月、1年、5年または10年続く。慢性疼痛は慢性関節痛、慢性骨関節炎疼痛、慢性リウマチ様関節炎疼痛、慢性炎症性疼痛、慢性頭痛、慢性背痛および線維筋肉痛の慢性疼痛から選択され得る。慢性疼痛は慢性関節痛、慢性骨関節炎疼痛、慢性リウマチ様関節炎疼痛、慢性炎症性疼痛、慢性頭痛および慢性背痛から選択され得る。慢性疼痛は慢性関節痛、慢性骨関節炎疼痛、慢性リウマチ様関節炎疼痛および慢性炎症性疼痛から選択され得る。慢性疼痛は慢性関節痛、慢性骨関節炎疼痛および慢性リウマチ様関節炎疼痛から選択され得る。慢性疼痛は慢性関節痛および慢性骨関節炎疼痛から選択され得る。
【0042】
当然のことながら、慢性疼痛を緩和するとは、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の同時投与後の91、60、31、28、21、14、7、3もしくは2日または24、12、6、3、2、1、0.5、0.25、0.20、0.17もしくは0.10時間内での明らかな痛みを緩和する効果を有することを意味する。
【0043】
当然のことながら、器官(例えば、脳、心臓または肝臓)における酸素不足から実質的に(>10%)生じる痛みは、本明細書中に開示される任意の痛みにより包含されない。
【0044】
句「治療的有効量」および「有効量」は同意語であり、そして治療される特定の患者において認められるかまたは疑われるかもしくは予想される疾患または障害の病理学的に顕著な特徴または症状の任意の1またはそれ以上を、部分的にまたは全体において、緩和するか、排除するか、その発症を阻害もしくは予防するか、またはその進行を阻害するか、そのさらなる進行を予防するか、またはその進行を覆すのに十分な、同時投与される、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の量を意味する。
【0045】
当然のことながら、治療的有効量または有効量とは、その量が投与された患者において所望の効果を有するのに十分な量を意味する。例示的な例は、軟骨損傷が阻害される場合、治療的有効量としては軟骨損傷を阻害する有効量を含む。変形性関節症が治療される場合、治療的有効量としては変形性関節症を治療する有効量を含む。痛みが緩和される場合、治療的有効量とは痛みを緩和する有効量を含む。骨関節炎またはリウマチ様関節炎疼痛が緩和される場合、治療的有効量としては骨関節炎またはリウマチ様関節炎疼痛をそれぞれ緩和する有効量を含む。
【0046】
本発明の方法、組成物または組み合わせに有用な、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物は、以下に記載される治療化合物の任意の形態または実施形態を含む:米国特許第3,773,946号;同第3,930,024号;同第4,287,200号;同第4,689,344号;同第4,711,896号;同第5,648,387号;同第5,750,569号;同第5,756,544号;同第5,783,600号;同第6,410,802号;同第6,459,003号;および同第6,506,799号;米国特許出願番号09/976,867;09/976,938;09/976,898;09/976,899;および10/205,939;米国特許出願公開番号US 2002/0077316;US 2003/0018013;US2003/0022865;US 2003/0065195;およびUS 2003/0078239;ならびにPCT国際出願公開番号WO 96/30328;WO 98/30530;WO 00/59855;WO 01/55078;WO 02/30860;WO 02/30863;WO 02/30882;およびWO 02/30884(これらは参照により各々がこれによって本明細書中に加入される)。
【0047】
本発明に有用な置換ジアルキルエーテルの例は、式I
【化2】

のエーテルまたはその製薬上許容される塩を含み、
式中:
nおよびmは独立して2〜9の整数であり;
R1、R2、R3およびR4は独立してC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであるか;または
R1およびR2はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、またはR1およびR2はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、かつR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成してもよく;
Y1およびY2は独立してCOOH、CHO、テトラゾールまたはCOOR5であり、ここでR5はC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルまたはC2-C6アルキニルであり;そして
ここで当該アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はハロ、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシおよびフェニルから選択される1または2つの基で置換されてもよく;
ここでハロはクロロ、ブロモおよびヨードを含み、C1-C6アルコキシは酸素を介して連結されたC1-C6アルキル基である。
【0048】
本発明に有用な置換ジアルキルエーテルのさらなる例は、式Iのエーテルを含み、ここでnおよびmは独立して2〜9の整数であり;R1、R2、R3およびR4は独立してC1-C6アルキルであり;そしてY1およびY2は独立してCOOHまたはCOOR5であり、ここでR5はC1-C6アルキルである。
【0049】
本発明に有用な置換ジアルキルエーテルの他の例は、以下:
【化3】

に示される構造により表される6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸、およびその製薬上許容される塩を含む。
【0050】
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸の有用な塩の例は、以下:
【化4】

に示される構造により表される6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩である。
【0051】
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される置換ジアルキルエーテルは、「6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩」、「6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩」、「6, 6'-オキシビス(2,2-ジメチルヘキサン酸)」、「CI-1027」およびゲムカベンカルシウム(gemcabene calcium)を含む他の名称により公知である。
【0052】
当然のことながら、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される置換ジアルキルエーテルは、結晶形1および結晶形2を含む多数の異なる物理的形態で存在し得る。6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される置換ジアルキルエーテルの結晶形1および結晶形2は、PCT国際特許出願公開番号WO 01/55078に開示された。これらの結晶形の各々の使用は、本発明の方法の範囲内である。
【0053】
結晶形1は、実質的に以下からなる粉末X線回折パターンを有する:
【表1】

【0054】
結晶形2は、実質的に以下からなる粉末X線回折パターンを有する:
【表2】

【0055】
化合物の独特の結晶形および多形相は、x線ディフラクトグラムにおける1またはそれ以上の独特の2θ値により特徴付けられ得ることが周知である。いくつかの2θ値が結晶形1および2について上記で列挙される一方、単一の2θ値は独特の構造を同定するのに十分である。例えば結晶形1は個々にまたは一緒に、2θ値6.760および17.420により特徴付けられ得る。結晶形2は個々にまたは一緒に、2θ値7.259および8.739により特徴付けられ得る。
【0056】
当然のことながら、置換ジアルキルエーテルと称される6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩は水和物としてさらに存在することができ、PCT国際特許出願公開番号WO01/55078において名称6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩水和物として公知である。この水和物または別の水和物形の使用は、本発明の方法の範囲内である。
【0057】
当然のことながら、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される置換ジアルキルエーテルは、エチルアルコール、メタノール、1-プロピルアルコール、2-プロピルアルコールまたは1-ブチルアルコール溶媒和物を含むC1-C12アルコール溶媒和物として更に存在することができ、PCT国際特許出願公開番
号WO 01/55078において、それぞれ名称6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩エチルアルコール溶媒和物、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩メタノール溶媒和物、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩1-プロピルアルコール溶媒和物、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩2-プロピルアルコール溶媒和物、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,一カルシウム塩1-ブチルアルコール溶媒和物として公知である。これらの溶媒和物および他のアルコール溶媒和物形の使用は、本発明の方法の範囲内にある。
【0058】
式Iのジアルキルエーテルの更に別の例としては以下が挙げられる:
7,7'-オキシビス(2,2-ジメチルヘプタン酸);
5,5'-オキシビス(2,2-ジメチルペンタン酸);
4,4'-オキシビス(2,2-ジメチルブタン酸);
8,8'-オキシビス(2,2-ジメチルオクタン酸);
エチル2,2-ジメチル-5-(4-メチル-4-エトキシカルボニルペンチルオキシ)ペンタノエート;
エチル2,2-ジメチル-6-(5-メチル-5-エトキシカルボニルヘキシルオキシ)ヘキサノエート;
メチル2,2-ジメチル-8-(7-メチル-7-メトキシカルボニルオクチルオキシ)オクタノエート;
7-(4-メチル-4-ヒドロキシカルボニルペンチルオキシ)-2,2-ジメチルヘプタン酸;
およびその製薬上許容される塩。
【0059】
式Iのジアルキルエーテルのなおさらに別の例は、以下を含む:
5-(3-カルボキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,2-ジメチル-ペンタン酸;
2,2-ジエチル-5-(4-メトキシカルボニル-4-メチル-ペンチルオキシ)-ペンタン酸;
6-(3-カルボキシ-3-エチル-4-メチル-ペンチルオキシ)-2,2-ジエチル-ヘキサン酸メチルエステル;
2-(3-クロロ-プロピル)-5-(5-ホルミル-7-ヒドロキシ-5-メチル-ヘプチルオキシ)-2-メチル-ペンタン酸;
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸;
6-(5-カルボキシ-5-エチル-ヘプチルオキシ)-2,2-ジエチル-ヘキサン酸,ビスナトリウム塩;
6-(5-ブチル-5-メトキシカルボニル-ノニルオキシ)-2-エチル-2-メチル-ヘキサン酸;
6-(5-エトキシカルボニル-6-ヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ビス-ヒドロキシメチル-ヘキサン酸エチルエステル;
2,2-ジプロピル-6-[5-プロピル-5-(1H-テトラゾール-5-イル)-オクチルオキシ]-ヘキサナール;
1-{4-[4-(1-カルボキシシクロプロパン-1-イル)-ブチルオキシ]-ブチル}-シクロプロパンカルボン酸;
1-[4-(5,5-ジメチル-6-オキソ-ヘキシルオキシ)-ブチル]-シクロペンタンカルバルデヒド;
2-ベンジル-6-(5,5-ジメチル-6-オキソ-ヘキシルオキシ)-2-メチル-ヘキサナール;
6-(6-エチル-6-ホルミル-オクチルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸;
7-(5-カルボキシ-5-エチル-6-メチル-ヘプチルオキシ)-2-エチル-2-イソブチル-ヘプタン酸;
2-[2-(6-カルボキシ-6-ヘキシル-ドデシルオキシ)-エチル]-2-ヘキシル-オクタン酸;
8-(3-カルボキシ-3-イソブチル-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジプロピル-オクタン酸,ビスカリウム塩;
8-(4-カルボキシ-4-メチル-ペンチルオキシ)-2,2-ジエチル-オクタン酸;
2-ブロモメチル-9-(4-カルボキシ-4-クロロメチル-5-ヒドロキシ-ペンチルオキシ)-2-ヨードメチル-ノナン酸;
トリエチルアミンとの9-(5-カルボキシ-5-ペンチル-デシルオキシ)-2,2-ビス-メトキシメチル-ノナン酸,1:1塩;
10-(5,5-ジメチル-6-オキソ-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-デカン酸;
11-(5-ヘキシルオキシカルボニル-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ウンデカン酸エチルエステル;
5-{3-エチル-11-[6-エチル-6-(1H-テトラゾール-5-イル)-オクタン-1-イルオキシ]-ウンデカン-3-イル}-テトラゾール;および
11-(10-ベンジル-10-カルボキシ-11-クロロ-ウンデシルオキシ)-2,2-ジエチル-ウンデカン酸;
ならびにその製薬上許容される塩。
【0060】
式Iの置換ジアルキルエーテルおよびその製薬上許容される塩、例えば6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩と称される化合物は、米国特許第5,648,387号およびその分割番号5,750,569;5,756,544;および5,783,600、ならびにPCT国際出願公開番号WO 96/30328;WO 01/55078に記載される。
【0061】
本発明に有用な置換−アルキル化合物の例は、式II
【化5】

(式中、nは6、7、8、9または10であり;そして
RおよびR1は水素およびC1-C8アルキルからなる群より選択される)
の化合物またはその製薬上許容される塩を含む。
【0062】
式IIの化合物の例としては
2,2,9,9-テトラメチルデカン二酸;
2,2,12,12-テトラメチルトリデカン二酸;
およびその製薬上許容される塩が挙げられる。
【0063】
式IIの置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩は、米国特許第3,773,946号に記載される。
【0064】
本発明に有用な置換−アルキル化合物の例は、式III
【化6】

[式中、nは6,7、8、9または10であり;
RおよびR1は水素、(C1-C12アルキル)-C(=O)-、HO2C(CH2)m-CH2-C(=O)-、フェニル-CH2-C(H)(NH2)-C(=O)-および(HO)2-P(=O)-からなる群より選択され;そして
mは1〜3の整数であり;ここでアルキルは直鎖または分枝鎖である]
の化合物またはその製薬上許容される塩を含む。
【0065】
式IIIの化合物の例は
2,2,9,9-テトラメチル-1,10-デカンジオール;
およびその製薬上許容される塩を含む。
【0066】
式IIIの置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩は米国特許第3,930,024号に記載される。
【0067】
本発明に有用な置換−アリールアルキルエーテル化合物の例は式IV
【化7】

の化合物またはその製薬上許容される塩を含み、
【0068】
式中、
R1はC1-C10アルキル、C3-C7シクロアルキル、フェニル-(C1-C5アルキル)-、フェニル、チエニル、フラニル、チアゾリル、ピリジニル、またはR3R4N-であり;
R3およびR4は同一または異なるC1-C4アルキルであるか、またはR3およびR4は、それらの両方が結合する窒素原子と共に、直接またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子により遮断され、互いに結合して5−または6−員環を形成し、ここで該5−または6−員環はピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルまたはピペラジニルであり;
R2は単結合または-(CH2)m-であり;
L1およびL2は同一または異なるC1-C4アルキルであるか、またはL1およびL2は互いに結合して-(CH2)p-を形成し;
pは2〜6の整数であり;そして
R1がC3-C7シクロアルキル、フェニル-(C1-C5アルキル)-、フェニル、チエニル、フラニル、チアゾリル、ピリジニル、またはR3R4N-である場合、L1およびL2はさらに水素であってもよく;
ここでC3-C7シクロアルキル、フェニル-(C1-C5アルキル)-、フェニル、チエニル、フラニル、チアゾリル、ピリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルおよびピペラジニル基はC1-C4アルキル、(C1-C4アルキル)-O-、F、C1、Br、I、OHおよび式-0-(CH2)m-0-のメチレンジオキシ基(ここでメチレンジオキシ基の酸素原子は隣接炭素原子に結合して5〜7員の環を形成する)から独立して選択される1〜3個の置換基を場合により有してもよく;そして
各mは独立して1〜3の整数である。
【0069】
式IVの化合物の例は、5-[4-(1-メチルシクロヘキシルメチルオキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン;U.S.4,287,200の実施例1〜8、10および11のいずれか1つの化合物;U.S.4,287,200の実施例10の化合物番号1〜54のいずれか1つ;およびU.S.4,287,200の実施例12の化合物番号1〜7のいずれか1つ;およびその製薬上許容される塩を含む。
【0070】
式IVの置換アリール−アルキルエーテルおよびその製薬上許容される塩は米国特許第4,287,200号に記載される。
【0071】
本発明に有用な置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の例は式V
【化8】

の化合物もしくはその製薬上許容される塩、またはエステル、アミドもしくは(C1-C5アルキル)-COOHとの無水物から選択されるインビボ加水分解型機能的誘導体を含み;
【0072】
式中、
R1およびR2は各々独立して、場合によりフェニル、OH、(C1-C6アルキル)-O-、F、ClまたはBrで置換されるC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、場合によりOH、(C1-C6アルキル)-O-、C1-C6アルキル、F、ClもしくはBrで置換されるフェニル、またはヘテロシクリルから選択される非置換または置換ヒドロカルビル基を表し;
XおよびYは各々独立して、水素、C1-C6アルキル、F、Cl、Br、COOH、(C1-C6アルキル)-O-C(=O)-、または(C1-C6アルキル)-N(H)-C(=O)-を表し、そしてさらにXおよびYの一つはまた(C1-C6アルキル)-O-、HO、またはNC-であってよく;
Qは8〜14個の炭素原子のアルキレニルジラジカルまたは炭素原子およびS、S(O)、S(O)2、N(H)、N(C1-C6アルキル)、N(CH2-フェニル)およびOから選択されるヘテロ原子を有する8〜14員のヘテロアルキレニルジラジカルからなるジラジカルを表し、ここでアルキレニルまたはヘテロアルキレニルはオキソ(=O)、F、Cl、Br、OH、または(C1-C6アルキル)-O-により場合により置換されてもよく、そしてここでアルキレニルまたはヘテロアルキレニル中の任意の1〜4個の隣接原子はC3-C7シクロアルキルを含んでよく、そしてここでアルキレニルまたはヘテロアルキレニル中の任意の2〜4個の隣接原子はフェニルを含んでよい。
【0073】
式Vの化合物の例は以下を含む:
2,3,3,14,14,15-ヘキサメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジ-カルバモイル-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,14-ジエチル-3,14-ジメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラ-(2-プロペニル)-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラ-シクロヘキシル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジブロモ-3,3,14,14-テトラフェニル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
1,2-シクロプロピリジン-ビス-(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
9,9-ペンタメチレン-3,3-15,15-テトラメチル-ヘプタデカン-1,17-二酸;
1,2-シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1,2-フェニレン-(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
3,3,15,15-テトラメチル-9-チア-ヘプタデカン-1,17-二酸;
9-オキサ-3,3,15,15-テトラメチル-ヘプタデカン-1,17-二酸;
9-アザ-3,3,15,15-テトラメチル-ヘプタデカン-1,17-二酸;
3,3,14,14-テトラメチル-6,11-ジチアヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジフルオロ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,2,15,15-テトラフルオロ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,2,15,15-テトラクロロ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラヒドロキシメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジクロロ-3,14-ジ(クロロメチル)-3,14-ジメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジクロロ-3,3,14,14-テトラ(クロロメチル)-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラ-(4-クロロフェニル)-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラ-(4-メチル-フェニル)-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラ-(4-メトキシ-フェニル)-ヘキサデカン-1,16-二酸;
およびその製薬上許容される塩。
【0074】
式Vの化合物のさらなる例は以下を含む:
1,1,14,14-テトラ(エトキシカルボニル)-2,2,13,13-テトラメチル-テトラデカン;
1,1,16,16-テトラ(エトキシカルボニル)-2,2,15,15-テトラメチル-ヘキサデカン;
1,1,12,12-テトラ(エトキシカルボニル)-2,2,11,11-テトラメチル-ドデカン;
3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,16,16-テトラメチル-オクタデカン-1,18-二酸;
3,3,12,12-テトラメチル-テトラデカン-1,14-二酸;
1,14-ジ-(エトキシカルボニル)-1,14-ジシアノ-2,2,13,13-テトラメチル-テトラデカン;
2,15-ジシアノ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジブロモ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
2,3,3,14,14,15-ヘキサメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
1,14-ジエトキシカルボニル-2,2,13,13-テトラメチル-テトラデカン;
1,14-ジ-(エトキシカルボニル)-1,14-ジブロモ-2,2,13,13-テトラメチル-テトラデカン;
1,14-ビス-カルバモイル-2,2,13,13-テトラメチル-テトラデカン;
2,15-ジクロロ-3,3,14,14-テトラメチルヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジブロモ-3,3,14,14-テトラメチルヘキサデカン-1,16-二酸;
2,15-ジヒドロキシ-3,3,14,14-テトラメチルヘキサデカン-1,16-二酸;
1,14-ジ-(カルボメトキシ)-1,14-ジブロモ-2,2,13,13-テトラメチルテトラデカン;
1,14-ジ-(カルボメトキシ)-1,14-ジクロロ-2,2,13,13-テトラメチルテトラデカン;
2,15-ジメトキシ-3,3,14,14-テトラメチルヘキサデカン-1,16-二酸;
1,1,18,18-テトラ(カルボエトキシ)-2,2,17,17-テトラメチルオクタデカン;
3,3,18,18-テトラメチルエイコサン-1,20-二酸;
3,3,14,14-テトラメチル-8-ヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラフェニル-6,11-ジケトヘキサデカン-1,16-二酸;
3,3,14,14-テトラフェニルヘキサデカン-1,16-二酸;
1,4-フェニレン-ビス-[(1,1-ジメチル-ブタ-4-イル)-ジプロピオン酸 ジメチルエステル];
1,4-フェニレン-ビス-[(1,1-ジメチル-ブタ-4-イル)-ジプロピオン酸];
1,4-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-6-イル-5-ヘキセン酸メチルエステル);
1,3-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-6-イル-5-ヘキセン酸メチルエステル);
1,4-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1,3-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1,4-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1,3-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1,4-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1,3-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸メチルエステル);
1,4-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1,3-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-6-イル-ヘキサン酸);
1,4-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-7-イル-5-ヘプテン酸);
1,3-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-7-イル-5-ヘプテン酸);
1,4-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1,3-フェニレン-ビス(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1,4-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1,3-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-7-イル-ヘプタン酸);
1,4-(シクロヘキシリデン-ビス-(3,3-ジメチル-5-オキソ-7-イル-ヘプタン酸);
およびその製薬上許容される塩。
【0075】
式Vの置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩は米国特許第4,689,344号に記載される。
【0076】
本発明に有用な置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の例は式VI:
【化9】

の化合物またはその製薬上許容される塩、またはエステル、アミド、もしくは(C1-C5アルキル)-COOHとの無水物から選択されるインビボ加水分解型機能的誘導体を含み;
【0077】
式中
R1およびR2は各々独立して、非置換かまたは場合によりOH、(C1-C6アルキル)-O-、F、Cl、Brもしくはフェニルで置換される置換C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、場合によりOH、(C1-C6アルキル)-O-、C1-C6アルキル、F、ClもしくはBrで置換されるフェニル、またはヘテロ環を表し;
XおよびYは各々独立して、水素、C1-C6アルキル、(C1-C6アルキル)-O-、HO、NC-、F、Cl、Br、COOH、(C1-C6アルキル)-O-C(=O)-、または(C1-C6アルキル)-N(H)-C(=O)-を表し;
Qは8〜14個の炭素原子のアルキレニルジラジカルまたは炭素原子およびS、S(O)、S(O)2、N(H)、N(C1-C6アルキル)、N(CH2-フェニル)およびOから選択されるヘテロ原子を有する8〜14員のヘテロアルキレニルジラジカルからなるジラジカルを表し、ここでアルキレニルまたはヘテロアルキレニルはオキソ(=O)、F、Cl、Br、OH、または(C1-C6アルキル)-O-により場合により置換されてもよく、そしてここでアルキレニルまたはヘテロアルキレニル中の任意の1〜4個の隣接原子はC3-C7シクロアルキルを含んでよく、そしてここでアルキレニルまたはヘテロアルキレニル中の任意の2〜4個の隣接原子はフェニルを含んでよい。
【0078】
式VIの化合物の例は以下を含む:
2,15-ジフルオロ-3,3,14,14-テトラメチル-1,16-ヘキサデカン二酸;
2,15-ジクロロ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸ジイソプロピルエステル;
2,2,15,15-テトラクロロ-3,3,14,14-テトラメチル-ヘキサデカン-1,16-二酸;
およびその製薬上許容される塩。
【0079】
式VIの置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンまたは置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩は、米国特許第4,711,896号に記載されている。
【0080】
本発明に有用な置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンまたは置換−アルキル化合物の例は、式VII
【化10】

の化合物またはその製薬上許容される塩、またはC1-C6アルキルエステル、非置換アミド、C1-C6アルキルアミド、ビス(C1-C6アルキル)アミド、C1-C6カルボン酸との無水物およびCOOH基とR5またはR6の任意のOH基との間の脱水閉環により形成されたラクトンから選択されるそのカルボキシル基のインビボ加水分解型誘導体を含み、
【0081】
式中
R1、R2、R3およびR4は各々独立して、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、フェニル、およびフェニル-(C1-C3 アルキレニル)から選択される非置換もしくは置換ヒドロカルビル基、またはヘテロシクリル基を表し;
R5およびR6は独立して、水素、ヒドロキシル、C1-C6アルキル、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、C1-C6アルコキシ、またはCF3を表し;
Qは2〜14個の炭素原子の非置換または置換直鎖からなるジラジカルを表し、その1またはそれ以上がO、S、S(O)、S(O)2、N(H)、N(C1-C6アルキル)およびN(CH2フェニル)から選択されるヘテロ原子により置換されてもよく;
ここで置換基はオキソ(=O)、F、Cl、Br、OHまたは(C1-C6アルキル)-O-から選択され、そしてここで直鎖中の任意の1〜4個の隣接原子はC3-C7シクロアルキルを含んでよく、そしてここで直鎖中の任意の2〜4個の隣接原子はフェニルを含んでもよい。
【0082】
式VIIの化合物のさらなる例は、R1、R2、R3、R4、R5およびR6が各々水素でない化合物を含む。
【0083】
式VIIの化合物のさらに別の例は、
4,4,11,11-テトラメチルテトラデカン二酸;
ジエチル4,4,13,13-テトラメチルヘキサデカ-2,5,11,14-テトラエンジオネート;
4,4,13,13-テトラメチルヘキサデカン二酸;
4,4,15,15-テトラメチルオクタデカン二酸;
2,2,15,15-テトラメチルヘキサデカン二酸;
2,2,17,17-テトラメチルオクタデカン二酸;
およびその製薬上許容される塩を含む。
【0084】
式VIIの置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩はPCT国際特許出願公開番号WO 98/30530に記載される。
【0085】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩は、米国特許出願番号10/205,939;米国特許第6,410,802号;同第6,459,003号;および同第6,506,799号;米国特許出願公開番号US2003/0065195;およびPCT国際特許出願公開番号WO 00/59855に記載される。
【0086】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびその製薬上許容される塩は、米国特許出願番号09/976,867;米国特許出願公開番号US 2003/0018013;およびPCT国際特許出願公開番号WO 02/30863に記載される。
【0087】
置換ジアルキルチオエーテルは、米国特許出願番号09/976,898;および09/976,899;米国特許出願公開番号US 2002/0077316;およびUS 2003/0022865;ならびにPCT国際特許出願公開番号WO 02/30882およびWO 02/30884に記載される。
【0088】
置換ジアルキルケトンは、米国特許出願番号09/976,938;米国特許出願公開番号US 2003/0078239およびPCT国際特許出願公開番号WO 02/30860に記載される。
【0089】
当然のことながら、発明の方法、組成物または組み合わせに利用される化合物は一般的に、参照により本明細書中に加入される上記参考文献に開示される手順を行うことにより製造され得る。
【0090】
当然のことながら、発明の方法、組成物または組み合わせに利用される化合物は、酸付加および/または塩基塩を含むがこれらに限定されない製薬上許容される塩を更に形成し得る。この酸付加塩は塩基性化合物から形成されるが、一方、塩基付加塩は酸性化合物から形成される。これらの形態の全ては、発明の方法、組成物または組み合わせに有用な化合物の範囲内にある。
【0091】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の製薬上許容される酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸等から誘導される非毒性塩、ならびに有機酸、例えば脂肪族モノ−およびジカルボン酸、フェニル−置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸等から誘導される非毒性塩を含む。したがって、このような塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、モノ水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、琥珀酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩等を含む。また、アミノ酸、例えばアルギン酸等の非毒性塩およびグルコン酸塩、ガラクツロン酸塩も検討される(例えばBerge S. M.他,「Pharmaceutical Salts」 J. of Phanria. Sci., 1977;66: 1を参照)。
【0092】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の酸付加塩は、その化合物の遊離塩基形態を十分量の所望の酸と接触させ、従来の方法で非毒性塩を製造することにより製造される。その化合物の遊離塩基形態は、こうして形成された酸付加塩を塩基と接触させ、そして従来の方法で化合物の遊離塩基形態を単離することにより、再生し得る。化合物の遊離塩基形態は、それらのそれぞれの酸付加塩とは、ある物理的特性、例えば可溶性、結晶構造、吸湿性等においていくらか異なるが、その他の点では化合物の遊離塩基形態およびそれらのそれぞれの酸付加塩形態は、発明の方法、組成物または組み合わせに等しく利用され得る。
【0093】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の製薬上許容される塩基付加塩は、化合物の遊離酸形態を、金属カチオン、例えばアルカリまたはアルカリ土類金属カチオン、またはアミン、特に有機アミンと接触させることにより製造され得る。適当な金属カチオンの例は、ナトリウムカチオン(Na+)、カリウムカチオン(K+)、マグネシウムカ
チオン(Mg2+)、カルシウムカチオン(Ca2+)等を含む。適当なアミンの例は、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミンおよびプロカインである(例えばBerge, 前出, 1977を参照)。
【0094】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の塩基付加塩は、その化合物の遊離酸形態を十分量の所望の塩基と接触させ、従来の方法で塩を生成することにより製造され得る。化合物の遊離酸形態は、こうして形成された塩形態を酸と接触させ、そして従来の方法で化合物の遊離酸を単離することにより、再生し得る。化合物の遊離酸形態は、それらのそれぞれの塩とは、ある物理的特性、例えば可溶性、結晶構造、吸湿性等においていくらか異なるが、その他の点ではその塩は、発明の方法、組成物または組み合わせに等しく利用され得る。
【0095】
発明の方法、組成物または組み合わせに有用な化合物は、水和形態を含む溶媒和形態のみならず非溶媒和形態で存在し得る。一般的に、水和形態を含む溶媒和形態は、非溶媒和形態に等しい。発明の方法、組成物または組み合わせは、化合物の水和形態を含む任意の溶媒和形態およびその混合物も利用し得る。
【0096】
発明の方法、組成物または組み合わせに有用な化合物は、1またはそれ以上のキラル中心を含んでよく、そして各中心はRまたはS配置で存在し得る。発明の方法、組成物または組み合わせは、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩の任意のジアステレオマー、エナンチオマー、エピマー形態およびその混合物も利用し得る。
【0097】
発明の方法、組成物または組み合わせに有用な特定の化合物は、2またはそれ以上の互変異性型として存在することができる。置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物の互変異性型は、例えばエノール化/デ−エノール化を介して、1,2−ヒドリド、1,3−ヒドリドまたは1,4−ヒドリドシフト等を交換し得る。発明の方法、組成物または組み合わせは、化合物の任意の互変異性型およびその混合物も利用し得る。
【0098】
発明の方法、組成物または組み合わせに有用ないくつかの化合物はアルケニル基を有し、これはE−体(entgegen)またはZ−体(zusammen)立体配座として存在することができ、この場合において、全てのその幾何学的形、E−体およびZ−体の両方、シスおよびトランスの両方、およびその混合物も、発明の方法、組成物または組み合わせに利用され得る。
【0099】
発明の方法、組成物または組み合わせに有用ないくつかの化合物はシクロアルキル基を有し、これは2つ以上の炭素原子で置換されてよく、この場合において、全てのその幾何学的形、シスおよびトランスの両方、ならびにその混合物は、発明の方法、組成物または組み合わせにおいて用いられ得る。
【0100】
発明の方法、組成物または組み合わせに有用ないくつかの化合物は、非晶質または結晶質固体として存在することができ、この場合において、全てのその物理的形態、例えばそのクラスレートおよびその混合物は、発明の方法、組成物または組み合わせに用いられ得る。
【0101】
発明の方法、組成物または組み合わせはまた、発明の方法、組成物または組み合わせに有用な同位体標識される化合物も利用し、これは、1またはそれ以上の原子が天然に通常見出される原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子により交換される点を除いて、上述の化合物と同一である。発明の方法、組成物または組み合わせに利用される化合物に組み入れられ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clを含む。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む化合物および該化合物の製薬上許容される塩が、発明の方法、組成物または組み合わせに利用され得る。発明の方法、組成物または組み合わせに利用される特定の同位体標識された化合物、例えば放射性同位体、例えば3Hおよび14Cが組み込まれた化合物は、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。トリチウム化された、すなわち3Hおよび炭素−14、すなわち14C、同位体は、製造および検出能の利便性のために公知である。さらに、より重い同位体、例えば重水素、すなわち2Hによる置換は、特定の治療的利点を与え、より大きな代謝安定性を生じることができ、例えばインビボ半減期を増加させるかまたは必要容量を減少させ、そしてしたがっていくつかの状況において利用され得る。発明の方法、組成物または組み合わせにおいて上記の化合物のうちの同位体標識された化合物は、上記および以下の参考文献により組み込まれる手順、またはもしあれば、本明細書中に開示されるスキームおよび/または実施例および製造例に開示される手順を行うことにより、非同位体標識試薬の代わりに容易に利用可能な同位体標識試薬を用いることにより、一般的に製造され得る。
【0102】
当然のことながら、スタチンはまた、HMG CoAレダクターゼ阻害剤としても公知である。HMG CoAレダクターゼは、HMG CoAのメバロナートへの変換を触媒し、これはコレステロールの生合成における早期の、そして速度限定的な工程である。HMG CoAレダクターゼの活性を阻害する化合物は、当該分野で周知のアッセイを用いることにより容易に同定され得る;例えばU.S.特許番号4,231,938、第6欄、および国際特許公開WO 84/02131、第30-33頁に記載または引用されるアッセイを参照のこと。
【0103】
有用なスタチンの例は、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン(U.S.特許番号3,883,140を参照のこと)、ベロスタチン(シンビノリンとも呼ばれる;U.S.特許番号4,448,784および4,450,171を参照のこと)、フルバスタチン、ロバスタチン、ダルバスタチン、ロスバスタチンおよびフルインドスタチン(Sandoz XU-62-320)、ダルバスタチン(EP出願公開番号738510 A2)およびその製薬上許容される塩を含む。
【0104】
アトルバスタチンカルシウムは商標名「LIPITOR(R)」で販売される(米国特許第5,273,995号を参照のこと)。
【0105】
シンバスタチンカルシウムは商標名「ZOCOR(R)」で販売される(米国特許第4,444,784号を参照のこと)。
【0106】
プラバスタチンナトリウムは商標名「PRAVACHOL(R)」で販売される(米国特許第4,346,227号を参照のこと)。
【0107】
セリバスタチンナトリウムは商標名「BAYCHOL(R)」で販売される(リバスタチンとも呼ばれる;米国特許第5,502,199号を参照のこと)。
【0108】
フルバスタチンナトリウムは商標名「LESCOL(R)」で販売される(米国特許第5,354,772号を参照のこと)。
【0109】
ロバスタチンは商標名「MEVACOR(R)」で販売される(米国特許第4,231,938号を参照のこと)。
【0110】
ロスバスタチンは商標名「CRESTOR(R)」で販売される。
【0111】
上述のとおり、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の同時投与は、例えば変形性関節症、リウマチ様関節炎、骨関節炎関節痛、リウマチ様関節炎、関節痛、炎症性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛および軟骨損傷を含む炎症および炎症関連疾患の治療および予防に有効である。
【0112】
抗炎症、鎮痛、抗関節炎または軟骨損傷阻害効果、またはこれらの効果の任意の組み合わせを有する活性化合物は、軟骨損傷、関節炎、炎症または痛みに対する置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチン化合物の効果を測定、決定するためのあらゆる周知のアッセイにおいて、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチンを検定することにより、製薬または医学分野における当業者により容易に同定され得る。これらのアッセイは、軟骨試料を利用するインビトロアッセイおよび軟骨破壊、炎症の阻害、または痛みの緩和を測定するまるごとの動物でのインビボアッセイを含む。
【0113】
例えばインビトロでの軟骨損傷のアッセイに関して、ある量の活性化合物またはコントロールビヒクルが、軟骨損傷剤と共に、軟骨に投与され得、そして両試験における軟骨損傷阻害効果が、軟骨の肉眼的検査もしくは組織病理学的検査により、または軟骨損傷の生物学的指標、例えばプロテオグリカン含量またはヒドロキシプロリン含量の測定により調べられる。さらに、軟骨損傷をアッセイするインビボアッセイは、以下のように実施され得る:ある量の活性化合物またはコントロールビヒクルが、軟骨損傷剤と共に、動物に投与され得、そしてその動物の軟骨においてアッセイされる置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチンの効果が、軟骨の肉眼的検査もしくは組織病理学的検査により、軟骨損傷から生じる罹患した関節の機能制限の急性モデルにおける効果の観察により、または軟骨損傷の生物学的指標、例えばプロテオグリカン含量またはヒドロキシプロリン含量の測定により評価され得る。
【0114】
軟骨損傷阻害特性を有する活性化合物を同定するいくつかの方法が以下に記載される。アッセイにおいて投与されるべき量は、使用される特定のアッセイに依存するが、いずれにしても、特定のアッセイが有効に適応する化合物の周知の最大量を超えることはない。
【0115】
同様に、痛みの緩和特性を有する置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチンは、多数の痛みのインビボ動物モデルのいずれか1つを用いて同定され得る。関節痛の多数のインビボ動物モデルは当該分野で公知であり、そしてエンドセリン−1により仲介される痛みのモデルはPiovezan, Anna P. 他. , British Journal of Pharmacology, 2000;129: 961-968に記載され、参照によって本明細書中に加入される。
【0116】
さらに同様に、抗炎症特性を有する置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチンは、多数の炎症のインビボ動物モデルのいずれか1つを用いて同定され得る。例えば、炎症モデルの例について、米国特許第6,329,429号を参照のこと。そしてこれは参照によって本明細書中に加入される。
【0117】
なお同様に、抗関節炎特性を有する置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチンは、関節炎の多数のインビボ動物モデルのいずれか1つを用いて同定され得る。例えば、関節炎モデルの例について、米国特許第6,329,429号も参照のこと。
【0118】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩、および変形性関節症もしくはリウマチ様関節炎、痛みの緩和、または他の炎症もしくは炎症関連病の治療のための既存の治療剤の同時投与。組み合わせて使用されるべき適当な薬剤は、標準的な非ステロイド系抗炎症剤(以下NSAID's)、例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸、例えばナプロキセン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナメート、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン、例えばフェニルブタゾン、サリチレート、例えばアスピリン、ならびにカルプロフェン鎮痛薬および関節内治療剤、例えばコルチコステロイドおよびヒアルロン酸、例えばヒアルガンおよびシンビスクを含む。
【0119】
本発明の別の形態は、以下の条件下、1またはそれ以上の他の治療活性剤と共に、哺乳動物に、ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびスタチンを同時投与することからなる、炎症または炎症関連疾患を治療または予防する方法に関する:
A.)関節が重篤な炎症を起こしており、同時にバクテリア、菌類、原生動物および/またはウイルスに感染している場合、上記阻害の組み合わせが1またはそれ以上の抗生物質、抗真菌薬、抗原虫薬および/または抗ウイルス治療剤と組み合わされて投与される;
B.)痛みおよび炎症の多重治療が所望される場合、上記阻害の組み合わせは、本質的に以下からなる群より独立して選択される1またはそれ以上のメンバーからなる炎症の他のメディエーターの阻害剤と組み合わせて投与される:
(1) NSAID;
(2) H1-受容体アンタゴニスト;
(3) キニン−B1−およびB2−受容体アンタゴニスト;
(4) PGD−、PGF−PGI2−およびPGE−受容体アンタゴニストからなる群より選択されるプロスタグランジン阻害剤;
(5) トロンボキサンA2(TXA2−)阻害剤;
(6) 5−、12−および15−リポキシゲナーゼ阻害剤;
(7) ロイコトリエンLTC4−、LTD4/LTE4−およびLTB4−阻害剤;
(8) PAF−受容体アンタゴニスト;
(9) 1またはそれ以上の親水性基と一緒になってアウロチオ基の形態をとる金;
(10) シクロスポリン、アザチオプリンおよびメトトレキサートからなる群より選択される免疫抑制剤;
(11) 抗炎症グルココルチコイド;
(12) ペニシラミン;
(13) ヒドロキシクロロキン;
(14) コルヒチンを含む抗痛風剤;アロプリノールを含むキサンチンオキシダーゼ阻害剤;およびプロベネシド、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロンから選択される尿酸排泄剤;
C.)高齢の哺乳動物において見られる疾患状態、症候群および症状について、高齢の哺乳動物を治療している場合、上記阻害の組み合わせは、本質的に以下からなる群より独立して選択される1またはそれ以上のメンバーと組み合わせて投与される:
(1) 記憶の喪失および障害を防ぐ認識治療剤;
(2) 以下からなる群より選択されるアテローム性動脈硬化症、高血圧、心筋虚血、アンギナ、鬱血性心不全および心筋梗塞の影響を弱めるために意図された抗高血圧薬および他の心臓脈管薬:
a. 利尿薬;
b. 血管拡張薬;
c. β−アドレナリン受容体アンタゴニスト;
d.アンギオテンシン−II変換酵素阻害剤(ACE−阻害剤)、単独または場合により中性エンドペプチダーゼ阻害剤と共に;
e. アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト;
f. レニン阻害剤;
g. カルシウムチャネルブロッカー;
h. 交感神経遮断薬;
i. α2−アドレナリン作用性アゴニスト;
j. α−アドレナリン作用性受容体アンタゴニスト;および
k. HMG−CoA−レダクターゼ阻害剤(抗−高コレステロール薬);
(3) 以下から選択される抗腫瘍薬剤:
a. 以下から選択される細胞分裂抑制薬
i. 以下から選択されるビンカ・アルカロイド
[1] ビンブラスチンおよび
[2] ビンクリスチン;
(4) 成長ホルモン分泌促進薬;
(5) 強い鎮痛剤;
(6) 局所および全身性麻酔剤;ならびに
(7) H2−受容体アンタゴニスト、プロトンポンプ阻害剤および他の胃保護薬。
【0120】
本明細書中に開示される治療方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、スタチンまたはその製薬上許容される塩および炎症の他のメディエーターの阻害剤の同時投与を含み、当該阻害剤は、このような阻害剤のクラスおよびそれらの例、例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、アグレカナーゼ(aggrecanase)阻害剤、TACE阻害剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、IL-1プロセシングおよびリリース阻害剤、ILra、H1-受容体アンタゴニスト;キニン-B1-およびB2-受容体アンタゴニスト;プロスタグランジン阻害剤、例えばPGD-、PGF-PGI2-およびPGE-受容体アンタゴニスト;トロンボキサンA2(TXA2-)阻害剤;5-および12-リポキシゲナーゼ阻害剤;ロイコトリエンLTC4-、LTD4/LTE4-およびLTB4-阻害剤;PAF-受容体アンタゴニスト;MEK阻害剤;IKK阻害剤;MKK阻害剤;種々の親水性基と一緒のアウロチオ基の形態における金;免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、アザチオプリンおよびメトトレキサート;抗炎症グルココルチコイド;ペニシラミン;ヒドロキシクロロキン;抗痛風剤、例えばコルヒチン、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、例えばアロプリノールおよび尿酸排泄剤、例えばプロベネシド、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロンから本質的に成る群より選択される1またはそれ以上のメンバーを含む。
【0121】
本明細書中に開示される治療方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、スタチンまたはその製薬上許容される塩ならびに抗癌剤、例えばエンドスタチンおよびアンギオスタチンまたは細胞毒性薬、例えばアドリアマイシン、ダウノマイシン、シスプラチナ、エトポシド、タクソール、タキソテールおよびアルカロイド、例えばビンクリスチンおよび代謝拮抗剤、例えばメトトレキサートの同時投与を含む。
【0122】
本明細書中に開示される治療方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、スタチンまたはその製薬上許容される塩、ならびに抗高血圧薬および他の心臓脈管薬の同時投与を含み、当該他の心臓脈管薬は、高血圧を含むアテローム性動脈硬化症、アンギナを含む心筋虚血、鬱血性心不全および心筋梗塞の影響を弱めることが意図され、血管拡張薬、例えばヒドララジン、β−アドレナリン作用性受容体アンタゴニスト、例えばプロプラノロール、カルシウムチャネルブロッカー、例えばニフェジピン、α−アドレナリン作用性アゴニスト、例えばクロニジンおよびα−アドレナリン作用性受容体アンタゴニスト、例えばプラゾシンから選択される。
【0123】
本明細書中に開示される治療方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および1またはそれ以上の抗生物質、抗真菌薬、抗原虫薬、抗ウイルス治療剤または類似の治療剤の同時投与を含む。
【0124】
本明細書中に開示される治療方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、スタチンまたはその製薬上許容される塩、ならびにCNS剤、例えば抗うつ剤(例えばセルトラリン)、抗パーキンソン病薬(例えばL−ドーパ、リクイプ(requip)、ミラペックス(mirapex)、MAOB阻害剤、例えばセレギン(selegine)およびラサギリン(rasagiline)、comP阻害剤、例えばTasmar、A-2阻害剤、ドーパミン再摂取阻害剤、NMDAアンタゴニスト、ニコチンアゴニスト、ドーパミンアゴニストおよびニューロン一酸化窒素シンターゼの阻害剤)およびアルツハイマー病薬、例えばドネペジル、タクリン、COX-2阻害剤、プロペントフィリンまたはメトリフォナート(metryfonate)の同時投与を含む。
【0125】
本明細書中に開示される治療方法は、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および骨粗鬆症薬、例えばロロキシフェン(roloxifene)、ラソフォキフェン(lasofoxifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)またはフォソマックス(fosomax)、および免疫抑制剤、例えばFK-506およびラパマイシン(rapamycin)の同時投与を含む。
【0126】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物、およびスタチンの同時投与により治療され得る他の炎症関連疾患は以下を含む:発熱(リウマチ熱ならびにインフルエンザおよび他のウイルス感染と関連した発熱を含む)、風邪、月経困難症、月経の痛み、炎症性腸疾患、クローン病、気腫、急性呼吸障害症候群、喘息、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病、臓器移植毒性、悪液質、アレルギー反応、アレルギー性接触過敏症、癌(例えば結腸癌、乳癌、肺癌および前立腺癌を含む固形腫瘍癌;白血病およびリンパ腫を含む造血系悪性腫瘍;ホジキン病;再生不良性貧血、皮膚癌および家族性大腸腺腫症)、組織潰瘍化、消化性潰瘍、胃炎、限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、憩室炎、再発性胃腸病変、胃腸出血、凝固、貧血症、関節滑膜炎、痛風、強直性脊椎炎、再狭窄、歯周病、表皮水疱症、骨粗鬆症、人工関節移植組織、頭の外傷、脊髄損傷、神経痛、神経変性障害(慢性および急性)、自己免疫疾患、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病、片頭痛、うつ病、末梢性神経障害、疼痛(背痛および頸痛、頭痛および歯痛を含む)、歯肉炎、脳アミロイド血管障害、向知性強化または認識強化、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼性血管形成、角膜怪我、黄斑変性、結膜炎、異常のある創傷治癒、筋肉または関節の捻挫または損傷、腱炎、皮膚障害(例えば乾癬、湿疹、強皮症および皮膚炎)、重症筋無力症、多発性筋炎、筋炎、滑液嚢炎、火傷、腫瘍浸潤、腫瘍増殖、腫瘍転移、角膜の傷、強膜炎、免疫不全症(例えばヒトのAIDSおよびネコのFLV、FIV)、敗血症、早産,低プロトロンビン血症、血友病、甲状腺炎、サルコイドーシス、ベーチェット症候群、過敏症、腎臓病、リケッチア感染症(例えばライム病、エールリヒア症)、原虫感染症(例えばマラリア、ジアルジア、コクシジウム)、生殖障害(例えば家畜における)、癲癇、痙攣および感染性ショック。
【0127】
本方法に従って、痛みを緩和するか、変形性関節症を予防または治療するか、リウマチ様関節炎を予防または治療するか、関節の機能を改善するか、軟骨損傷を予防または阻害するための、治療的有効量の置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の治療有効量の構成の決定において、多数の因子が一般的に、治療される疾患、障害または状態のタイプおよび範囲、ならびにもしあれば患者による他の医薬の使用に加え、医師または獣医師の経験、発表された臨床研究、患者の(すなわち哺乳動物の)年齢、性別、体重および一般条件を考慮して、医師または獣医師により検討される。一般的に、そのような量は患者の体重の約0.1mg/kg〜約300mg/kgである。代表的な用量は、正常な体重の成体患者に対して約10〜約5000mg/日である。臨床設定において、例えば米国におけるFDAのような管理機関は、特に治療的有効量を要求し得る。
【0128】
したがって、投与される用量は、上記に列挙される範囲または量の範囲内にあってもよいし、または個々の患者の要求、治療される状態の重篤度、および使用される特定の治療製剤に依存して上述の範囲外(例えば以下または以上のいずれか)に変更し得る。特定の状況に対する適当な用量の決定は、医学または獣医学分野の範囲内にある。一般的に、治療は、本発明の方法に有用な活性化合物またはその製薬上許容される塩、またはそれらと別の治療剤との組み合わせのより少ない投薬量を使用して開始され得、その投薬量は特定の患者に対して最適な量に満たない。したがって、その投薬量は、その状況下において最適となるまで、少しずつ増やして増加させ得る。便宜上、一日の投薬量の合計は、所望の場合、分割され、そしてその日中に分けて投与され得る。
【0129】
本明細書中に開示される置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の、哺乳動物宿主、例えばヒト患者への同時投与は、投与の選択された経路、すなわち経口または静脈内、筋肉内もしくは皮下経路による非経口に適合させた種々の形態で行い得る。
【0130】
したがって、置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の同時投与は、全身性で、例えば経口で、製薬上許容されるビヒクル、例えば不活性希釈剤または吸収できる可食担体と組み合わせて行われ得る。活性化合物は、ハードまたはソフトシェルゼラチンカプセルに封入されてもよいし、固めて錠剤にしてもよいし、または患者の食事の食物と直接一緒に組み込まれてもよい。経口治療剤の同時投与について、活性化合物は、1またはそれ以上の添加剤と組み合わせてよく、そして摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウエハー等の形態で用いられ得る。同時投与の際に使用される活性化合物の量は、有効用量レベルが得られる量である。
【0131】
錠剤、トローチ、ピル、カプセル等はまた、以下: 結合剤、例えばトラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン;添加剤、例えばリン酸二カルシウム;崩壊剤、例えばコーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸等;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;および甘味剤、例えばショ糖、フルクトース、ラクトースもしくはアスパルテームを含んでもよく、または香料、例えばペパーミント、ウインターグリーンのオイルもしくはチェリー香料を添加してもよい。単位剤形がカプセルの場合、上記タイプの物質に加え、液体担体、例えば植物油またはポリエチレングリコールを含んでもよい。種々の他の物質は、コーティングとして、またはその他に固体単位剤形の物理的形態を変更するために存在し得る。例えば、錠剤、ピルまたはカプセルは、ゼラチン、ワックス、セラックまたは糖等によりコーティングされ得る。シロップまたはエリキシルは活性化合物、甘味剤としてショ糖またはフルクトース、防腐剤としてメチルおよびプロピルパラベン、色素および香料、例えばチェリーまたはオレンジフレーバーを含むことができる。任意の単位剤形の製造において用いられる任意の物質は、使用される量において製薬上許容され、かつ実質的に非毒性であるべきである。さらに、ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびスタチンの組み合わせは、徐放製剤およびデバイスに組み込まれ得る。
【0132】
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の同時投与は、注入または注射により、静脈内または腹膜内になされ得る。活性化合物またはそれらの塩の溶液は水中で調製され得、場合により非毒性界面活性剤と混合され得る。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびその混合物中に、ならびに油中で調製され得る。保存および使用の通常の条件下、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために防腐剤を含む。
【0133】
注入または注射に適当な医薬剤形としては、ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびスタチンの組み合わせを含む、滅菌水溶液もしくは分散液または滅菌粉剤が挙げられ、これは滅菌注入可能または注射可能溶液または分散液の即時の調製に適合され、場合によりリポソームにカプセル化される。全ての場合において、究極の剤形は、製造および貯蔵の条件下で、滅菌され、流体でかつ安定でなければならない。液体担体またはビヒクルは、溶媒または液体分散媒体であることができ、これは例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステルおよびその適当な混合物を含む。適当な流動性が、例えばリポソームの形成により、分散液の場合における要求される粒径の維持により、または界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等によりもたらされ得る。多くの場合において、等張剤、例えば糖、緩衝剤または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物における使用によりもたらされ得る。
【0134】
滅菌注射用溶液は、要求に応じ、上記に列挙される種々の他の成分を含む適当な溶媒中に、必要とされる量のジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびスタチンの組み合わせを組み込み、引き続き濾過滅菌することにより製造される。滅菌注射用溶液の製造のための滅菌粉末の場合、製造の好ましい方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これは上記滅菌濾過溶液に存在する任意の追加の所望の成分を加えた活性成分の粉末を生じる。
【0135】
同時投与に有用な上記組成物中の活性成分の百分率は、広範な制限の範囲内で変動し得るが、実用的目的は、固体組成物中に少なくとも10%および主に液体の組成物中に少なくとも2%から、両方とも最大約95%までの濃度で存在し得る。
【0136】
本発明に有用な活性化合物またはその製薬上許容される塩の同時投与の代表的な経路は、経口または非経口である。例えば、有用な静脈内用量は5〜50mgであり、そして有用な経口投薬量は20〜800mgである。この投薬量は炎症または炎症関連疾患、例えば軟骨損傷、関節機能の喪え、または痛みを生じるもの、例えばリウマチ様関節炎および変形性関節症の治療に用いられる投与範囲内にあるか、または上記患者の要求に従って、医師により決定される。
【0137】
ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトン、または置換−アルキル化合物およびスタチンの組み合わせの同時投与に有用な投薬量が、それらのインビトロ活性および動物モデルにおけるインビボ活性を比較することにより決定できる。治療における使用に必要とされる化合物、またはその活性な塩もしくは誘導体の量は、選択される特定の塩によるだけでなく、投与経路、治療される状態の性質ならびに患者の年齢および状態によってもまた変わり、そして最終的に主治医または臨床医の判断に従う。
【0138】
以下の実施例は本発明の種々の実施形態を例示する。当業者であれば本発明の精神および特許請求の範囲内にある多くの変更を認識するだろう。
【0139】
生物学的アッセイ
置換ジアルキルエーテル、置換アリール−アルキルエーテル、置換ジアルキルチオエーテル、置換ジアルキルケトンもしくは置換−アルキル化合物、またはその製薬上許容される塩、およびスタチンまたはその製薬上許容される塩の同時投与の、炎症または炎症関連疾患を治療または予防する能力を、当業者に周知の薬理学的モデルを用いて、例えば下記の試験のようなモデルを用いて決定する。
【0140】
ヨード酢酸1ナトリウム(「MIA」)−誘導変形性関節症:
雄Wistarラット(175〜200g)を、ソリッド・ボトム・アイソレーターケージに、1ケージ当たりラットは2〜4匹で、トウモロコシの穂軸の寝床と共に、12時間:12時間の明暗周期において収容した。動物には標準的なラットの餌を与え、水は自由に摂らせた。
【0141】
ラットを5%容積/容積(「v/v」)イソフルレンガスで麻酔し、そして2% v/v イソフルレンガスで維持した。麻酔されたラットの右膝の膝蓋下の靭帯(infrapatellar ligament)を通じて、MIA(1mg)の一回の関節内注射をした。MIAを生理的食塩水中に溶解し、そして体積50μLで投与した。反対側の対照となる膝に生理的食塩水50μLを注射した。イソフルレンガスの投与を中止すると、ラットの意識は約5分後に完全に回復した。
【0142】
右(関節炎)および左(反対側の対照)の後肢膝関節を支持する右から左後足の後足重量分布における変化を、関節痛の指数としておよび化合物の有効性の指標として利用した。インキャパシタンステスター(Model 2KG, Linton Instrumentation, UK)を、後足の重量分布の決定のために使用した。各データポイントは、5秒の所要時間の3回のリーディングの平均である。
【0143】
溶液を、この生物学的アッセイの節で化合物Aとして以下で呼ばれる6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸カルシウム塩を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)ビヒクル中のシンバスタチンの存在下または不存在下で溶解することにより製造した(0.05%HPMC+0.2% Tween 80;用いられる化合物Aの量は遊離酸の割合に基づき調整した)。
【0144】
ここで用いられる急性投薬パラダイムは、変形性関節症の徴候、例えば可動性および関節機能ならびに変形性関節症症状、例えば関節痛に関連する。この投薬パラダイムにおいて、後足の重量分布の変化は、上記のとおり、MIA注射後7日目にあらかじめ測定し、基準となる痛みのリーディングを確立した。次いでラットに、10mg/kgの用量の化合物A、シンバスタチン(30mg/kg)、または2つの組み合わせをそれぞれ強制経口投与(PO)により与えた。後足の重量分布の変化を、化合物投与の2、4および6時間後に測定した。
【0145】
急性投与後の関節痛緩和の結果:
化合物A、シンバスタチンおよびその2つの組み合わせを、上記の急性投与パラダイムにおいて、ラットMIAモデルで試験した。MIAを、0日目に全てのラットの右膝に注射し、そして生理食塩水を左膝に注射した。7日目に、ラットをインキャパシティーテスターで評価し、次いで化合物A(10mg/kg, PO)および/またはシンバスタチン(30mg/kg, PO)を与えた。2、4および6時間後、ラットを再評価した。表1に示される結果は、ヨード酢酸1ナトリウム(「MIA」)−誘導された膝関節炎を有するラットにおいて、ラット後足の重量分布の変化(グラムで表される)を示した。表1に示されるように、化合物Aの投与は、投与後2、4および6時間の時点で、統計学的に顕著な様態で、関節炎ラットにおける体重負荷ポテンシャル(関節痛)に変化を生じた。シンバスタチン単独では、上記時点のいずれにおいても後足の重量分布に顕著な変化を生じなかった。化合物Aおよびシンバスタチンの組み合わせの投与もまた、ビヒクルを投与された動物と比較して、2、4および6時間の時点において、統計学的に有意な様態で、後足の重量分布に変化を生じた。
【0146】
統計学的に有意な差は、一方向ANOVA、引き続きDunnett's多重比較手順により測定した。データは平均±SEMとして表した。N=1群当たり6匹のラット。
【表3】

【実施例】
【0147】
製剤実施例1
錠剤製剤:
成分 量(mg)
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル- 25
ヘキサン酸,カルシウム塩
シンバスタチン 20
ラクトース 50
コーンスターチ(混合用) 10
コーンスターチ(ペースト) 10
ステアリン酸マグネシウム(1%) 5
合計 120
【0148】
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩、シンバスタチン、ラクトースおよびコーンスターチ(混合用)を均一に混合する。コーンスターチ(ペースト用)を水200mLに懸濁し、そして撹拌しながら加熱してペーストを形成する。このペーストを用いて、混合粉末を粒状にする。この湿った顆粒をNo.8ハンドスクリーンに通し、そして80℃で乾燥させる。この乾燥顆粒を1%ステアリン酸マグネシウムで滑らかにし、そして圧入して錠剤とする。このような錠剤は、リウマチ様関節炎を含む上記に列挙された疾患の一つを治療するため、1日に1〜4回でヒトに投与され得る。
【0149】
製剤実施例2
コーティング錠剤:
製剤実施例9の錠剤を、ショ糖、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカント、および着色料のコーティングを用いて、慣例の方法でコートする。
【0150】
製剤実施例3
注射バイアル:
シンバスタチン250g、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩500gおよびリン酸水素2ナトリウム5gの溶液のpHを、2M塩酸を用いて再蒸留水3Lにおいて、pH 6.5に調整する。この溶液を濾過滅菌し、そして濾液を注射バイアルに満たし、滅菌条件下で凍結乾燥させ、そして無菌で密封する。各注射バイアルはシンバスタチン12.5mgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩25mgを含む。
【0151】
製剤実施例4
坐剤:
シンバスタチン50g、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸、カルシウム塩25g、大豆レシチン100gおよびココアバター1400gの混合物を溶解し、型に注ぎ、そして冷やした。各坐剤はシンバスタチン50mgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩25mgを含む。
【0152】
製剤実施例5
溶液:
溶液を、再蒸留水940 mL中においてシンバスタチン0.5g、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩1g、NaH2PO4・12H2O(9.38g)、Na2 H PO4・12H2O(28.48g)および塩化ベンザルコニウム0.1gから製造した。この溶液のpHを、2M塩酸を用いてpH 6.8に調整する。この溶液を再蒸留水で1.0Lに希釈し、そして照射により滅菌する。溶液25mL容量は、シンバスタチン12.5mgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩25mgを含む。
【0153】
製剤実施例6
軟膏:
シンバスタチン100mg、6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩500mgを、無菌条件下でワセリン99.4gと混合する。軟膏5g分は、シンバスタチン5mgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩25mgを含む。
【0154】
製剤実施例7
カプセル:
シンバスタチン2kgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩20kgを、各カプセルがシンバスタチン25mgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩250mgを含むように、慣例の方法でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0155】
製剤実施例8
アンプル:
シンバスタチン2.5kgおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩2.5kgの溶液を、再蒸留水60Lに溶解した。この溶液を濾過滅菌し、そして濾液をアンプルに充填する。このアンプルを滅菌条件下で凍結乾燥し、そして無菌にて密封する。各アンプルはシンバスタチンおよび6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩を各々25mg含む。
【0156】
製剤実施例9
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)- 2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩の錠剤製剤:
成分 量(mg)
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル- 25
ヘキサン酸,カルシウム塩
ラクトース 50
コーンスターチ(混合用) 10
コーンスターチ(ペースト) 10
ステアリン酸マグネシウム(1%) 5
合計 100
【0157】
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩、ラクトースおよびコーンスターチ(混合用)を均一に混合する。コーンスターチ(ペースト用)を水200mLに懸濁し、そして撹拌しながら加熱してペーストを形成する。このペーストを用いて、混合粉末を粒状にする。この湿った顆粒をNo.8ハンドスクリーンに通し、そして80℃で乾燥させる。この乾燥顆粒を1%ステアリン酸マグネシウムで滑らかにし、そして固めて錠剤とする。
【0158】
シンバスタチンの注射バイアル製剤:
シンバスタチン500gおよびリン酸水素2ナトリウム5gの溶液のpHを、2M塩酸を用いて再蒸留水3Lにおいて、pH 6.5に調整する。この溶液を滅菌濾過し、そして濾液を注射バイアルに満たし、滅菌条件下で凍結乾燥させ、そして無菌で密封する。各注射バイアルはシンバスタチン25mgを含む。
【0159】
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチルヘキサン酸,カルシウム塩を含むこのような錠剤は、上記に列挙された疾患の治療のため、1日に1〜4回ヒトに投与され得、そしてシンバスタチンを含む注射溶液は、リウマチ様関節炎を含む上記に列挙された疾患の一つの治療のため、1日当たり1または2回ヒトに投与され得、ここで注射による投与は、場合により、錠剤の投与と同時に、または時間をずらして行われる。
【0160】
製剤実施例10
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩を含むコーティング錠剤:
製剤実施例9の錠剤を、ショ糖、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカント、および着色料のコーティングを用いて、慣例の方法でコートする。
【0161】
シンバスタチンを含むカプセル:
シンバスタチン2kgを、各カプセルがシンバスタチン25mgを含むように、慣例の方法でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0162】
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩を含むこのようなコーティング錠剤は、上記に列挙された疾患の治療のため、1日に1〜4回ヒトに投与され得、そしてシンバスタチンを含むカプセルは、上記に列挙された疾患の一つの治療のため、1日当たり1または2回ヒトに投与され得、ここでカプセルの投与は、場合により、錠剤の投与と同時に、または時間をずらして行われる。
【0163】
上記製剤実施例1〜10のいずれかは、シンバスタチンの代わりに、例えばアトロバスタチンのような別のスタチンと製剤化され得る。
【0164】
本発明は、ある特定の形態およびその実施形態に関して上記に記載および例示されるが、当業者は、手順およびプロトコールの、種々の適応、変更、改変、置換、削除、または付加が本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることを理解する。
【0165】
本明細書中に引用される、全ての特許、特許出願および特許出願公開広報を含む刊行物が、全ての目的のためにそれらの全体が参照によりここで加入される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における炎症または炎症関連疾患の治療または予防のための医薬の製造における、スタチンまたはその製薬上許容される塩、および式I
【化1】

(式中、nおよびmは独立して2〜9の整数であり;
R1、R2、R3およびR4は独立してC1-C6アルキル、C2-C6アルケニルもしくはC2-C6アルキニルであるか;または
R1およびR2はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、またはR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、またはR1およびR2はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、かつR3およびR4はそれらが結合する炭素原子と一緒になって、3〜6個の炭素を有する炭素環式環を形成することができ;
Y1およびY2は独立してCOOH、CHO、テトラゾールまたはCOOR5であり、ここでR5はC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、またはC2-C6アルキニルであり;そして
ここで該アルキル、アルケニルおよびアルキニル基はハロ、ヒドロキシ、C1-C6アルコキシ、およびフェニルから選択される1または2つの基で置換されてもよい)
の置換ジアルキルエーテル化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項2】
スタチンが、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ダルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチン、またはその製薬上許容される塩である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
スタチンがアトルバスタチンまたはその製薬上許容される塩である、請求項1記載の使用。
【請求項4】
スタチンがアトルバスタチンカルシウム塩である、請求項1記載の使用。
【請求項5】
ジアルキルエーテルが、式I
【化2】

(式中、nおよびmは独立して2〜9の整数であり;
R1、R2、R3およびR4は独立してC1-C6アルキルであり;そして
Y1およびY2は独立してCOOHまたはCOOR5であり、ここでR5はC1-C6アルキルである)
の化合物またはその製薬上許容される塩である、請求項1記載の使用。
【請求項6】
ジアルキルエーテルが6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸、またはその製薬上許容される塩である、請求項1記載の使用。
【請求項7】
ジアルキルエーテルが6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩である、請求項1記載の使用。
【請求項8】
ジアルキルエーテルが
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩水和物;
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩の結晶形1;または
6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩の結晶形2
である、請求項1記載の使用。
【請求項9】
ジアルキルエーテルが6-(5-カルボキシ-5-メチル-ヘキシルオキシ)-2,2-ジメチル-ヘキサン酸,カルシウム塩であり、そしてスタチンがアトルバスタチンカルシウムである、請求項1記載の使用。
【請求項10】
炎症関連疾患が関節痛である、請求項1記載の使用。
【請求項11】
関節痛が骨関節炎関節痛またはリウマチ様関節炎関節である、請求項12記載の使用。
【請求項12】
炎症関連疾患が関節炎である、請求項1記載の使用。
【請求項13】
炎症関連疾患が関節炎症である、請求項1記載の使用。

【公表番号】特表2007−500690(P2007−500690A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521701(P2006−521701)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002451
【国際公開番号】WO2005/009431
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミティド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】