説明

スタンプ製版用データ作成装置、プログラム及び記録媒体

【課題】捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能なスタンプ製版用データ作成装置、プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】コンピュータ装置2のCPU41は、元画像に含まれる写真等を階調数256の階調画像に変換する。また、この元画像の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、CPU41は、階調数256の階調画像と文字列データとが重ならないように、両者を離して製版領域内に再配置した再配置画像を作成する。そして、CPU41は、この再配置画像の画像データの2値化処理を行い、スタンプ用製版を作成するための製版用画像データ(2値画像)を作成し、スタンプ作成装置3に対して送信する(S11〜S15)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、元画像データから熱可塑性多孔質材料から形成される印材に印判を形成するための製版用データを作成するスタンプ製版用データ作成装置、プログラム及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、元画像データから熱可塑性多孔質材料から形成される印材に印判を形成するための製版用データを作成するスタンプ製版用データ作成装置に関し種々提案されている。
例えば、元画像データから熱可塑性多孔質材料から形成される印材に印判を形成するために作成した製版用データのドットマトリックスに配置されるドットのそれぞれが、穿孔予定ドットおよび非穿孔予定ドットのいずれであるかを順次決定する穿孔予定決定手段と、このドットマトリックスに配置されるドットのうち、1行おきの各行について1列おきに選択される間引き除外ドット以外の間引き候補ドットのそれぞれが、当該間引き候補ドットをそれぞれ取り囲む8つのドットから選択された所定ドットすべてが穿孔予定ドットであるときに、孔形成手段によって穿孔されないように製版用データを作成するスタンプ製版用データ作成装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−43226号公報(段落(0023)〜(0088)、図1〜図25)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のスタンプ製版用データ作成装置では、元画像データが256階調等の階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、階調画像データの滲み防止のための間引き処理によって文字データのドットも間引かれてしまい、捺印された文字が薄くなる等、捺印された文字の見栄えが悪くなるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合に、捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能なスタンプ製版用データ作成装置、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係るスタンプ製版用データ作成装置は、熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段を備えたスタンプ製版用データ作成装置において、前記製版用データ作成・編集手段は、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっているか否かを判定する判定手段と、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていると判定された場合には、該階調画像の画像データと前記文字列データとを離して製版領域内に配置した再配置画像データを作成する再配置画像データ作成手段と、前記再配置画像データに対して2値化処理を行って製版用データを作成する製版用データ作成手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係るスタンプ製版用データ作成装置は、熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段とを備えたスタンプ製版用データ作成装置において、前記製版用データ作成・編集手段は、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっているか否かを判定する判定手段と、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていると判定された場合には、該階調画像の画像データに前記文字列データが重なっていることを報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係るスタンプ製版用データ作成装置は、熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段を備えたスタンプ製版用データ作成装置において、前記製版用データ作成・編集手段は、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっているか否かを判定する判定手段と、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていると判定された場合には、該階調画像の画像データの平均明度を算出する算出手段と、前記平均明度に対応する前記階調画像の画像データの明度とコントラストを変換する変換データを記憶する記憶手段と、前記算出手段によって算出された平均明度と前記変換データとに基づいて前記階調画像の画像データの明度とコントラストを変換した該階調画像の変換画像データを作成する変換画像データ作成手段と、前記階調画像の変換画像データと前記文字列データに対して2値化処理を行って製版用データを作成する製版用データ作成手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
更に、請求項4に係るスタンプ製版用データ作成装置は、熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段を備えたスタンプ製版用データ作成装置において、前記製版用データ作成・編集手段は、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっているか否かを判定する判定手段と、前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていると判定された場合には、前記文字列データを所定の書体に変更した変更文字列データを作成する変更文字列データ作成手段と、前記階調画像の画像データと前記変更文字列データに対して2値化処理を行って製版用データを作成する製版用データ作成手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係るプログラムは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスタンプ製版用データ作成装置の製版用データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0010】
更に、請求項6に係る記録媒体は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスタンプ製版用データ作成装置の製版用データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記録されてコンピュータで読み取り可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係るスタンプ製版用データ作成装置では、階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、該階調画像の画像データと文字列データとが離れて製版領域内に配置される。これにより、階調画像と文字とが重ならない製版用画像データを自動的に作成して、階調画像の押印時の滲みによる捺印された文字の潰れ等を防止することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係るスタンプ製版用データ作成装置では、階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、該階調画像の画像データに文字列データが重なっていることが報知される。これにより、ユーザは、階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生する可能性があることを、製版用画像データの作成前に知ることが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係るスタンプ製版用データ作成装置では、階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、該階調画像の画像データの平均明度を算出する。そして、この平均明度と予め記憶する変換データとに基づいて階調画像の画像データの明度とコントラストを変換して製版用データを作成する。
これにより、階調画像の画像データの算出した平均明度に基づいて、この階調画像の画像データの明度とコントラストを変換することによって、階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等を防止することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能となる。
【0014】
更に、請求項4に係るスタンプ製版用データ作成装置では、階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、この文字列データを所定の書体に変更する。これにより、文字列データを階調画像の押印時の滲みによって潰れ等が発生しにくい所定の書体に変換することによって、この階調画像の押印時の滲みによる捺印された文字の潰れ等を防止することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスタンプ製版用データ作成装置として機能する。このため、階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、この階調画像の押印時の滲みによる捺印された文字の潰れ等を防止することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能となる。
【0016】
更に、請求項6に係る記録媒体では、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスタンプ製版用データ作成装置の機能をコンピュータで実行されるプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、半導体メモリ、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、データカード(ICカード、磁気カード等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、光磁気ディスク(MD等)、相変化ディスク、磁気テープ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMに前記プログラムを記録しておき、このROMやバックアップRAMをコンピュータに組み込んで用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るスタンプ製版用データ作成装置、プログラム及び記録媒体をスタンプ製版システムについて、具体化した実施例1乃至実施例4に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
[スタンプ製版システムの概略構成]
先ず、実施例1に係るスタンプ製版システム1の概略構成について図1乃至図4に基づき説明する。
図1は実施例1に係るスタンプ製版システム1の概略構成を示す斜視図である。図2は実施例1に係るスタンプ製版システム1のスタンプ作成装置3の制御構成を示すブロック図である。図3は実施例1に係るスタンプ製版システム1のコンピュータ装置2の制御構成を示すブロック図である。図4は実施例1に係るスタンプ製版システム1のコンピュータ装置2のRAM43の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、スタンプ製版システム1は、画像処理装置であるコンピュータ装置2と、このコンピュータ装置2とインターフェースケーブルS1を介して接続されて熱可塑性多孔質材料を印材としたスタンプを製造する公知のスタンプ作成装置3(例えば、本出願人による特開2000−103152号公報、特開2001−177723号公報に開示されている。)とから構成されている。
【0020】
また、コンピュータ装置2は、液晶表示装置(LCD)5、キーボード6、マウス7、イメージスキャナ8等から構成されている。尚、マウス7は、ジョイスティックやトラックボール等に置き換えてもよい。
【0021】
また、スタンプ作成装置3は、装置本体11に対して着脱可能であって透明の原稿フィルムを複数枚収納可能なフィルムマガジン12と、フィルムマガジン12の近傍の装置本体11に設けられた印版識別(ID)ラベル用のカットシートの供給口13と、サーマルヘッド15(図2参照)を備えた印刷部14と、印刷された原稿フィルムに基づいてスタンプ本体(図示せず)の下面に配された印材(図示せず)に印面を形成するためのスタンプ製版部16と、スタンプ製版部16の近傍の装置本体11に設けられたカットシートおよび原稿フィルムの排出口18とを有している。
【0022】
また、スタンプ製版部16下方には、キセノン管(図示せず)を具備した発光ユニット19が着脱自在に設けられている。スタンプ本体が載置されるステージを有する発光ユニット19はスライドレバー21を上方に摺動させることによってスタンプ作成装置3から取り外しが可能である。また、スタンプ製版部16には、スタンプ本体を出し入れする際に開閉される上蓋22が設けられている。
【0023】
そして、このスタンプ作成装置3は、インターフェースケーブルS1を介して接続されるコンピュータ装置2からの制御にしたがって、原稿フィルムに対するポジ原稿の印刷、カットシートへのIDラベルの印刷、ポジ原稿が印刷された原稿フィルムに基づくスタンプの製版といった各種動作を実行するように構成されている。
【0024】
ここで、スタンプ本体の下面に配された印材の構造について説明する。ここで用いられる印材は、例えば本出願人による特開平11−78191号公報に開示されているような、カーボンブラックなどの光エネルギー吸収性物質を分散させた軟質多孔性樹脂(例えば、ウレタン系樹脂)からなる下側層と、インクを貯溜するとともに下側層に均一に圧力が印加されるようにする硬質多孔性樹脂(例えば、ポリビニルホルマール)からなる上側層とを具備した2層構造を有するものである。
【0025】
この印材を圧縮した状態でポジ画像が印刷された透明な原稿フィルム(ポジ原稿)を介して選択的に光を照射すると、原稿の透明部分に対応して光が照射された下側層の部分は、光エネルギー吸収物質の発熱作用によって溶融後固化されるので、シールされてインクを透過しない状態となる。一方、原稿の印刷部分に対応した下側層の部分は、光が照射されないだけでなく原稿の印刷部分からの伝導熱で溶融固化されることもなく、原稿の文字等に対応してシールされないでそのまま残存することとなる。これにより、所望パターンのシール部(非印刷部)と非シール部(印刷部)とが印材の下面に混在した印判が形成される。
【0026】
[スタンプ作成装置の制御回路構成]
次に、スタンプ作成装置3の制御回路構成について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、スタンプ作成装置3には、CPU25と、ROM26と、RAM27と、入出力インタフェース28とが備えられており、これらはバス29によって相互に接続されている。また、入出力インターフェイス28には、インターフェースケーブルS1を介してコンピュータ装置2の通信用インターフェイス(I/F)45(図3参照)が接続されている。
【0027】
これによって、スタンプ作成装置3は、本実施の形態に即して画像処理された印面データをコンピュータ装置2から取り込むことが可能である。さらに、入出力インターフェイス28には、ヘッド駆動回路31およびモータ駆動回路32がそれぞれ接続されている。ヘッド駆動回路31にはサーマルヘッド15が接続されており、モータ駆動回路32にはスタンプ作成装置3の各所に配置されてサーマルヘッド15や各種ローラなどを駆動するモータ類33がそれぞれ接続されている。
【0028】
また、ROM26には、スタンプ作成装置3の全体の作動を制御する制御プログラムが記憶されている。RAM27には、コンピュータ装置2から与えられた画像データを記憶する画像バッファ35が設けられている。
また、CPU25は、ROM26に記憶された制御プログラムおよびRAM27の画像バッファ35に記憶された画像データに基づいて、ヘッド駆動回路31およびモータ駆動回路32を制御する。これにより、原稿フィルム或いはIDラベル用のカットシートにはサーマルヘッド15を介して所望の捺印画像が印刷され、原稿フィルムはその後印材の製版に供される。
【0029】
[コンピュータ装置の制御回路構成]
次に、コンピュータ装置2の制御回路構成について図3及び図4に基づいて説明する。
図3に示すように、コンピュータ装置2は、CPU41、ROM42、RAM43、入出力インターフェース(I/F)44、通信用インターフェース(I/F)45、フロッピー(登録商標)ディスクコントローラ(FDC)46、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)47、ハードディスクコントローラ(HDC)48、ハードディスクドライブ(HDD)49、表示装置コントローラ50、液晶表示装置(LCD)5、キーボード6、モデム51等を備えている。また、CPU41、ROM42、RAM43、入出力インターフェース(I/F)44、通信用インターフェース(I/F)45、及びモデム51は、バス線52により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
【0030】
また、入出力I/F44には、FDD47を駆動制御するFDC46を介してFDD47、HDD49を駆動制御するHDC48を介してHDD49、表示装置コントローラ50、文字や記号等を入力するためのキーボード6、及び印字用データや後述の制御プログラム、画像変換パラメータ等をCD−ROM56に書き込み及び読み込むためのCDリード・ライター(CD−R/W)9が接続されている。また、モデム51には電話回線53が接続されている。尚、CD−R/W9は、MO装置、DVD装置等に置き換えてもよい。
【0031】
また、コンピュータ装置2には、入出力I/F44を介して液晶表示装置5の表示画面上の座標を入力するためのマウス7、写真や図面から画像データ等を取り込むためのイメージスキャナ8が接続されている。また、コンピュータ装置2には、通信用I/F45及びインターフェースケーブルS1を介してスタンプ作成装置3が接続される。
【0032】
ここで、CPU41は、コンピュータ装置2全体を制御し、後述のようにハードディスク49に記憶されたプログラムやパラメータデータに基づいて、製版用データ作成処理等の制御動作に関する全てのデータを管理する。また、ROM42には、一般のパーソナルコンピュータと同様に電源投入時にコンピュータ装置2を立ち上げてCPU41を起動させるための起動プログラムが格納されると共に、後述する製版用画像データを作成してスタンプ作成装置3に送信する製版用画像データ作成処理の制御プログラムが記憶格納されている。
また、RAM43は、CPU41が種々の制御を実行する際に、各種データを一時的に記憶するものである。
【0033】
ここで、図4に示すように、RAM43には、イメージスキャナ8や不図示のデジタルカメラ等から入力されたカラー写真等や、このカラー写真等とキーボード6等から入力された文字列データから構成された元画像と、この元画像を階調数256の階調画像に変換した階調画像とを記憶する元画像データ記憶領域43Aが設けられている。また、RAM43には、元画像データ記憶領域43Aに格納される階調画像から作成されたスタンプ製版用の画像データを記憶する製版用画像データ記憶領域43Bが設けられている。また、RAM43には、スタンプ作成装置3に送信するための2値画像データを記憶する2値画像記憶領域43C等が設けられている。
【0034】
また、図3に示すように、通信用I/F45は、例えば、USB(UniversalSerial Bus)等から構成され、スタンプ作成装置3や外部の電子機器(例えば、コンピュータ、レーザプリンタ、デジタルカメラ等)と双方向データ通信が可能になっている。
また、HDD49に装着されるハードディスクには、MS−DOS(登録商標)やウィンドウズ(登録商標)システム等の各種オペレーティングシステム(OS)に加えて、スタンプ作成装置3や外部の電子機器に対してデータの送受信を行うための通信用プロトコル、当該OSにて実行可能なワープロソフトや製版用データ作成ソフト等の各種アプリケーションプログラムが必要に応じて格納されている。
【0035】
また、FDD47に着脱自在に装着されるフロッピー(登録商標)ディスク(FD)55やCD−R/W9に着脱自在に装着される光ディスク(CD−ROM)56には、後述する製版用画像データ等の各種データや、これら各画像データを作成するためにROM42に記憶される各種プログラムや各種変換データ等が格納保存されて、他のスタンプ製版システムに供給される。
また、このRAM43の2値画像記憶領域43Cに格納保存された後述する製版用画像データ等の各種データや、これら各画像データを作成するためにROM42に記憶される各種プログラムや各種変換データ等は、モデム51を介して、他のスタンプ製版システムに供給することが可能に構成されている。
【0036】
[製版用画像データ作成処理]
次に、このように構成されたスタンプ製版システム1のスタンプを作成する際のコンピュータ装置2における製版用画像データの作成処理等の制御処理について図5及び図6に基づいて説明する。図5は実施例1に係るコンピュータ装置における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。図6は作成した製版用データの一例を示す図である。
【0037】
図5に示すように、先ず、ステップ(以下、Sという)11において、CPU41は、元画像データ記憶領域43Aに記憶する元画像を読み出す。そして、CPU41は、元画像に含まれる写真等を階調数256の階調画像に変換して(元画像に含まれる写真等がカラー画像の場合には、グレースケールに変換する。)、再度、元画像データ記憶領域43Aに記憶する。
【0038】
続いて、S12において、CPU41は、元画像データ記憶領域43Aから元画像を読み出し、この元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0039】
そして、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていない場合には(S12:NO)、この階調数256の階調画像等を含む元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、CPU41は、後述のS14の処理に移行する。
【0040】
一方、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には(S12:YES)、CPU41は、S13の処理に移行する。S13において、CPU41は、元画像を構成する階調数256の階調画像と文字列データとが重ならないように、両者を離して製版領域内に再配置した再配置画像を作成し、この再配置画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶する。
【0041】
例えば、図6の上図に示すように、元画像71が犬のカラー画像の上側に、「dog」の文字列データ73の約左半分が重なった画像データの場合には、CPU41は、先ず、犬のカラー画像を階調数256の犬の階調画像72に変換して、再度、元画像データ記憶領域43Aに記憶する。
【0042】
そして、図6の下図に示すように、CPU41は、元画像データ記憶領域43Aから元画像71を読み出し、「dog」の文字列データ73をこの階調数256の犬の階調画像72の上側に重ならないように、製版領域74内を右側方向に移動させて再配置した再配置画像75を作成する。そして、CPU41は、この再配置画像75の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶する。
【0043】
尚、製版領域74内の犬の階調画像72の右側の領域が狭い場合には、「dog」の文字列データ73をこの階調数256の犬の階調画像72の上側に重ならないように、製版領域74内を右側方向に移動させた後、更に、この「dog」の文字列データ73が製版領域内74に入るように縮小して再配置した再配置画像を作成するようにしてもよい。また、この「dog」の文字列データ73の文字の大きさが、予め定められた最小文字の大きさ(例えば、10ポイントの大きさである。)よりも小さくなる場合には、犬の階調画像72も縮小して製版領域74内を左側方向に移動させるようにしてもよい。
【0044】
そして、S14において、CPU41は、製版用画像データ記憶領域43Bに記憶されている画像データを読み込んで、2値化処理を行いスタンプ用製版を作成するための製版用画像データ(2値画像)を作成する。そして、CPU41は、この製版用画像データ(2値画像)を2値画像記憶領域43Cに格納する。
続いて、S15において、CPU41は、2値画像記憶領域43Cに記憶される2値画像を読み出し、スタンプ作成装置3に対して、透明な原稿フィルムに該2値画像の画像データを製版する旨の指示指令と、当該2値画像の画像データとを送信して当該処理を終了する。
【0045】
ここで、CPU41、ROM42、RAM43は、製版用データ作成・編集手段、判定手段、再配置画像データ作成手段、製版用データ作成手段を構成する。
【0046】
以上詳細に説明した通り、実施例1に係るスタンプ製版システム1では、コンピュータ装置2のCPU41は、元画像に含まれる写真等を階調数256の階調画像に変換する。また、この元画像の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、CPU41は、階調数256の階調画像と文字列データとが重ならないように、両者を離して製版領域内に再配置した再配置画像を作成する。そして、CPU41は、この再配置画像の画像データの2値化処理を行いスタンプ用製版を作成するための製版用画像データ(2値画像)を作成し、スタンプ作成装置3に対して送信する(S11〜S15)。
【0047】
これにより、CPU41は、元画像から作成された階調画像と文字とが重ならない製版用画像データを自動的に作成して、階調画像の押印時の滲みによる捺印された文字の潰れ等を防止することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用画像データを作成することが可能となる。
【実施例2】
【0048】
次に、実施例2に係るスタンプ製版システム101について説明する。尚、上記実施例1に係るスタンプ製版システム1と同一符号は、上記実施例1に係るスタンプ製版システム1と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0049】
この実施例2に係るスタンプ製版システム101の各全体構成は、実施例1に係るスタンプ製版システム1とほぼ同じ構成である。また、実施例2に係るスタンプ製版システム101の制御構成及び制御処理は、実施例1に係るスタンプ製版システム1の制御構成及び制御処理と同じ制御処理である。
但し、実施例2に係るスタンプ製版システム101は、スタンプを作成する際のコンピュータ装置2における製版用画像データの作成処理が、実施例1に係るスタンプ製版システム1と異なっている。
【0050】
[製版用画像データ作成処理]
ここで、実施例2に係るコンピュータ装置2のスタンプを作成する際の製版用画像データの作成処理について図7及び図8に基づいて説明する。図7は実施例2に係るコンピュータ装置2における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。図8は警告報知の一例を示す図である。
【0051】
図7に示すように、S111及びS112において、CPU41は、上記S11及びS12の処理を実行する。
そして、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていない場合には(S112:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0052】
一方、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には(S112:YES)、CPU41は、S113の処理に移行する。S113において、CPU41は、元画像から作成された階調画像と文字とが重なっている旨を液晶表示装置5に表示して、ユーザに階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生する可能性がある旨を報知後、当該処理を終了する。
【0053】
例えば、図8の上図に示すように、元画像71が犬のカラー画像の上側に、「dog」の文字列データ73の約左半分が重なった画像データの場合には、CPU41は、先ず、犬のカラー画像を階調数256の犬の階調画像72に変換して、再度、元画像データ記憶領域43Aに記憶する。
そして、犬の階調画像72の上側に、「dog」の文字列データ73の約左半分が重なっているため、CPU41は、図8の下図に示すように、液晶表示装置5の表示画面に、「イメージとテキストが重なっています。」と警告文77を表示すると共に、その下側に、この警告文77の表示終了を指示する確認ボタン78を表示する。
【0054】
従って、ユーザは、マウス7またはキーボード6を介してカーソル79を確認ボタン78の上側に移動させて、クリックすることにより、この警告文77の表示を終了させることができる。つまり、ユーザは、元画像71の階調画像72の上側に文字列データ73の一部又は全部が重なっている旨を確実に確認することが可能となる。
【0055】
ここで、CPU41、ROM42、RAM43は、製版用データ作成・編集手段、判定手段を構成する。また、CPU41、液晶表示装置5は、報知手段を構成する。
【0056】
以上詳細に説明した通り、実施例2に係るスタンプ製版システム101では、コンピュータ装置2のCPU41は、元画像に含まれる写真等を階調数256の階調画像に変換する。また、この元画像の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、CPU41は、元画像から作成された階調画像と文字とが重なっている旨を液晶表示装置5に表示して、ユーザに階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生する可能性がある旨を報知する(S111〜S113)。
これにより、ユーザは、階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生する可能性があることを、製版用画像データの作成前に知ることが可能となる。
【実施例3】
【0057】
次に、実施例3に係るスタンプ製版システム111について説明する。尚、上記実施例1に係るスタンプ製版システム1と同一符号は、上記実施例1に係るスタンプ製版システム1と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0058】
この実施例3に係るスタンプ製版システム111の各全体構成は、実施例1に係るスタンプ製版システム1とほぼ同じ構成である。また、実施例3に係るスタンプ製版システム111の制御構成及び制御処理は、実施例1に係るスタンプ製版システム1の制御構成及び制御処理と同じ制御処理である。
【0059】
但し、実施例3に係るスタンプ製版システム111では、元画像を構成する階調数256の階調画像の明度とコントラストを変換する変換データが格納された変換データテーブル81(図10参照)がROM42に記憶されている点で実施例1に係るスタンプ製版システム1と異なっている。また、実施例3に係るスタンプ製版システム111は、スタンプを作成する際のコンピュータ装置2における製版用画像データの作成処理が実施例1に係るスタンプ製版システム1と異なっている。
【0060】
[変換データテーブル]
ここで、ROM42に記憶される変換データテーブル81の一例について図9に基づいて説明する。図9は実施例3に係る変換データテーブル81の一例を示す図である。
図9に示すように、変換データテーブル81は、元画像を構成する階調数256の階調画像の平均明度を表す「平均明度」と、各「平均明度」に対応する階調画像の明度とコントラストの変換の有・無を表す「変換」と、各「平均明度」に対応する階調画像の明度の変換値を表す「明度」と、各「平均明度」に対応する階調画像のコントラストの変換値を表す「コントラスト」とから構成されている。
【0061】
例えば、「平均明度」が「220以上」に対応する「変換」には、階調画像の明度とコントラストを変換しない「変換なし」が格納され、「平均明度」が「219以下」に対応する各「変換」には、「変換あり」が格納されている。従って、元画像を構成する階調数256の階調画像の平均明度が、219以下の場合には、後述のように、この階調画像の明度とコントラストが変換される(図10参照)。
【0062】
[製版用画像データ作成処理]
次に、実施例3に係るコンピュータ装置2のスタンプを作成する際の製版用画像データの作成処理について図10及び図11に基づいて説明する。図10は実施例3に係るコンピュータ装置2における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。図11は作成した製版用データの一例を示す図である。
【0063】
図10に示すように、S211及びS212において、CPU41は、上記S11及びS12の処理を実行する。尚、S211において、CPU41は、元画像に含まれる写真等を明度50%及びコントラスト50%の階調数256の階調画像に変換して(元画像に含まれる写真等がカラー画像の場合には、グレースケールに変換する。)、再度、元画像データ記憶領域43Aに記憶する。
そして、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていない場合には(S212:NO)、この階調数256の階調画像等を含む元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、CPU41は、後述のS215の処理に移行する。
【0064】
一方、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には(S212:YES)、CPU41は、S213の処理に移行する。S213において、CPU41は、元画像を構成する階調数256の階調画像の平均明度を算出する。
【0065】
そして、S214において、CPU41は、この算出した平均明度をROM42に記憶される変換データテーブル81の「平均明度」として、この「平均明度」に対応する変換データテーブル81の「変換」のデータを読み出す。そして、この「変換」のデータが「変換なし」の場合には、CPU41は、当該階調画像の明度とコントラストを変換しない。そして、CPU41は、この明度とコントラストを変換していない階調画像等を含む元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、後述のS215の処理に移行する。
【0066】
一方、この算出した平均明度に対応する「変換」のデータが「変換あり」の場合には、CPU41は、この算出した平均明度を変換データテーブル81の「平均明度」として、この「平均明度」に対応する変換データテーブル81の「明度」と「コントラスト」の各データを読み出す。そして、CPU41は、この読み出した「明度」と「コントラスト」の各データに対応するように元画像を構成する当該階調画像の明度とコントラストを変換する。続いて、CPU41は、この階調画像の明度とコントラストを変換した変換画像データ等を含む元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、後述のS215の処理に移行する。
【0067】
例えば、図11の上図に示すように、元画像71が犬のカラー画像の上側に、「dog」の文字列データ73の約左半分が重なった画像データの場合には、CPU41は、先ず、犬のカラー画像を明度50%及びコントラスト50%の階調数256の犬の階調画像72に変換して、再度、元画像データ記憶領域43Aに記憶する。そして、CPU41は、この犬の階調画像72の平均明度を算出し、算出した平均明度が「180〜199」の場合には、変換データテーブル81から、この算出した平均明度「180〜199」に対応する「変換」のデータを読み出す。そして、この「変換」のデータが「変換あり」の場合には、CPU41は、変換データテーブル81から、この算出した平均明度に対応する「明度」と「コントラスト」の各データ「70%」と「30%」を読み出す。
【0068】
続いて、図11の下図に示すように、CPU41は、この読み出した「明度」と「コントラスト」の各データ「70%」と「30%」に対応するように、当該犬の階調画像72の画像データを明度「70%」及びコントラスト「30%」の犬の階調画像83の変換画像データに変換する。そして、CPU41は、この明度「70%」及びコントラスト「30%」に変換した犬の階調画像83の変換画像データ等を含む元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、後述のS215の処理に移行する。
【0069】
その後、図10に示すように、S215及びS216において、CPU41は、上記S14及びS15の処理を実行後、当該処理を終了する。
【0070】
ここで、CPU41、ROM42、RAM43は、製版用データ作成・編集手段、判定手段、算出手段、変換画像データ作成手段、製版用データ作成手段を構成する。また、ROM42は、記憶手段として機能する。
【0071】
以上詳細に説明した通り、実施例3に係るスタンプ製版システム111では、コンピュータ装置2のCPU41は、元画像に含まれる写真等を明度50%及びコントラスト50%の階調数256の階調画像に変換する。また、この元画像の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、CPU41は、階調画像の平均明度を算出する。そして、CPU41は、この算出した平均明度を変換データテーブル81の「平均明度」として、この「平均明度」に対応する変換データテーブル81の「変換」が「変換なし」の場合には、元画像の画像データの2値化処理を行いスタンプ用製版を作成するための製版用画像データ(2値画像)を作成し、スタンプ作成装置3に対して送信する。
【0072】
一方、この「平均明度」に対応する変換データテーブル81の「変換」が「変換あり」の場合には、CPU41は、この算出した平均明度を変換データテーブル81の「平均明度」として、この「平均明度」に対応する変換データテーブル81の「明度」と「コントラスト」の各データを読み出す。続いて、CPU41は、この読み出した「明度」と「コントラスト」の各データに対応するように元画像を構成する当該階調画像の明度とコントラストを変換する。そして、CPU41は、この階調画像の明度とコントラストを変換した変換画像データ等を含む元画像の画像データの2値化処理を行いスタンプ用製版を作成するための製版用画像データ(2値画像)を作成し、スタンプ作成装置3に対して送信する(S211〜S216)。
【0073】
これにより、CPU41は、元画像を構成する階調画像の算出した平均明度と変換データテーブル81に基づいて、この階調画像の画像データの明度とコントラストを自動的に変換して、階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生しない製版用画像データを作成することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用データを作成することが可能となる。
【0074】
尚、上記S214において、CPU41が、算出した平均明度を変換データテーブル81の「平均明度」として、この「平均明度」に対応する変換データテーブル81の「変換」、「明度」、「コントラスト」を選択している。これに替えて、CPU41は、算出した平均明度と変換データテーブル81とを液晶表示装置5にそれぞれ表示し、ユーザがマウス7又はキーボード6を介して変換データテーブル81の「明度」と「コントラスト」を選択するようにしてもよい。そして、CPU41は、この選択された「明度」及び「コントラスト」に対応するように当該階調画像の明度とコントラストを変換するようにしてもよい。
【実施例4】
【0075】
次に、実施例4に係るスタンプ製版システム121について説明する。尚、上記実施例1に係るスタンプ製版システム1と同一符号は、上記実施例1に係るスタンプ製版システム1と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0076】
この実施例4に係るスタンプ製版システム121の各全体構成は、実施例1に係るスタンプ製版システム1とほぼ同じ構成である。また、実施例4に係るスタンプ製版システム121の制御構成及び制御処理は、実施例1に係るスタンプ製版システム1の制御構成及び制御処理と同じ制御処理である。
但し、実施例4に係るスタンプ製版システム121は、スタンプを作成する際のコンピュータ装置2における製版用画像データの作成処理が実施例1に係るスタンプ製版システム1と異なっている。
【0077】
[製版用画像データ作成処理]
ここで、実施例4に係るコンピュータ装置2のスタンプを作成する際の製版用画像データの作成処理について図12及び図13に基づいて説明する。図12は実施例4に係るコンピュータ装置2における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。図13は作成した製版用データの一例を示す図である。
【0078】
図12に示すように、S311及びS312において、CPU41は、上記S11及びS12の処理を実行する。
そして、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっていない場合には(S312:NO)、この階調数256の階調画像等を含む元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、CPU41は、後述のS314の処理に移行する。
【0079】
一方、元画像を構成する階調数256の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には(S312:YES)、CPU41は、S313の処理に移行する。S313において、CPU41は、この文字列データの書体を、階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生しにくい書体に変更する。そして、CPU41は、この文字列データの書体を変更した元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、後述のS314の処理に移行する。
【0080】
例えば、文字列データの書体が、ボールドやゴシック体等の太い字体の場合には、CPU41は、明朝体等の細い字体に変更する。そして、CPU41は、この文字列データの書体を変更した元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、後述のS314の処理に移行する。
【0081】
また、例えば、図13の上図に示すように、元画像71が犬のカラー画像の上側に、「dog」のゴシック体の文字列データ73の約左半分が重なった画像データの場合には、CPU41は、先ず、犬のカラー画像を階調数256の犬の階調画像72に変換して、再度、元画像データ記憶領域43Aに記憶する。
【0082】
そして、図13の下図に示すように、犬の階調画像72の上側に約左半分が重なった「dog」のゴシック体の文字列データ73を縁取り文字の文字列データ85に変更する。そして、CPU41は、この縁取り文字の文字列データ85に変更した元画像の画像データを製版用画像データ記憶領域43Bに記憶後、後述のS314の処理に移行する。
【0083】
その後、図12に示すように、S314及びS315において、CPU41は、上記S14及びS15の処理を実行後、当該処理を終了する。
【0084】
ここで、CPU41、ROM42、RAM43は、製版用データ作成・編集手段、判定手段、変更文字列データ作成手段、製版用データ作成手段を構成する。
【0085】
以上詳細に説明した通り、実施例4に係るスタンプ製版システム121では、コンピュータ装置2のCPU41は、元画像に含まれる写真等を階調数256の階調画像に変換する。また、この元画像の階調画像の上にキーボード6等から入力された1乃至複数の文字データからなる文字列データが重なっている場合には、CPU41は、この文字列データの書体を、階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生しにくい書体に変更する。そして、CPU41は、この文字列データの書体を変更した元画像の画像データの2値化処理を行いスタンプ用製版を作成するための製版用画像データ(2値画像)を作成し、スタンプ作成装置3に対して送信する(S311〜S315)。
【0086】
これにより、CPU41は、文字列データを階調画像の押印時の滲みによって潰れ等が発生しにくい所定の書体に変換することによって、この階調画像の押印時の滲みによる捺印された文字の潰れ等を防止することが可能となり、捺印された文字の見栄えがよい製版用データを作成することが可能となる。
【0087】
尚、本発明は前記実施例1乃至実施例4に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【0088】
例えば、図14に示すように、上記S113において、CPU41は、元画像から作成された階調画像と文字とが重なっている画像データを液晶表示装置5の画面の上方に表示する。そして、CPU41は、この元画像の画像データをガウスぼかしによって上質紙(コピー用紙等)やクラフト紙(茶封筒など)にスタンプした状態の画像データ(イメージデータ)を作成し、それぞれ液晶表示装置5の画面の下方に表示するようにしてもよい。
【0089】
これにより、CPU41は、元画像から作成された階調画像と文字とが重なっている旨を液晶表示装置5に表示すると共に、この元画像から作成したスタンプを上質紙やクラフト紙に捺印した際に、この階調画像の押印時の滲みによって捺印された文字の潰れ等が発生する可能性がある旨をユーザに報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】実施例1に係るスタンプ製版システムの概略構成を示す斜視図である。
【図2】実施例1に係るスタンプ製版システムのスタンプ作成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1に係るスタンプ製版システムのコンピュータ装置の制御構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1に係るスタンプ製版システムのコンピュータ装置のRAMの構成を示すブロック図である。
【図5】実施例1に係るコンピュータ装置における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。
【図6】作成した製版用データの一例を示す図である。
【図7】実施例2に係るコンピュータ装置における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。
【図8】警告報知の一例を示す図である。
【図9】実施例3に係る変換データテーブル81の一例を示す図である。
【図10】実施例3に係るコンピュータ装置における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。
【図11】作成した製版用データの一例を示す図である。
【図12】実施例4に係るコンピュータ装置における製版用画像データの作成等の制御処理を示すフローチャートである。
【図13】作成した製版用データの一例を示す図である。
【図14】他の実施例の上質紙、クラフト紙にスタンプした状態を模式的に液晶表示装置に表示した一例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1、101、111、121 スタンプ製版システム
2 コンピュータ装置
3 スタンプ作成装置
5 液晶表示装置
6 キーボード
7 マウス
25、41 CPU
26、42 ROM
27、43 RAM
71 元画像
72、83 犬の階調画像
73、85 文字列データ
75 再配置画像
77 警告文

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段を備えたスタンプ製版用データ作成装置において、
前記製版用データ作成・編集手段は、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っているか否かを判定する判定手段と、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っていると判定された場合には、該階調画像の画像データと前記文字列データとを離して製版領域内に配置した再配置画像データを作成する再配置画像データ作成手段と、
前記再配置画像データに対して2値化処理を行って製版用データを作成する製版用
データ作成手段と、
を有することを特徴とするスタンプ製版用データ作成装置。
【請求項2】
熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段とを備えたスタンプ製版用データ作成装置において、
前記製版用データ作成・編集手段は、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っているか否かを判定する判定手段と、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っていると判定された場合には、該階調画像の画像データに前記文字列データが重なっていることを報知する報知手段と、
を有することを特徴とするスタンプ製版用データ作成装置。
【請求項3】
熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段を備えたスタンプ製版用データ作成装置において、
前記製版用データ作成・編集手段は、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っているか否かを判定する判定手段と、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っていると判定された場合には、該階調画像の画像データの平均明度を算出する算出手段と、
前記平均明度に対応する前記階調画像の画像データの明度とコントラストを変換す
る変換データを記憶する記憶手段と、
前記算出手段によって算出された平均明度と前記変換データとに基づいて前記階調
画像の画像データの明度とコントラストを変換した該階調画像の変換画像データを作成する変換画像データ作成手段と、
前記階調画像の変換画像データと前記文字列データに対して2値化処理を行って製
版用データを作成する製版用データ作成手段と、
を有することを特徴とするスタンプ製版用データ作成装置。
【請求項4】
熱可塑性多孔質材料から形成される印材に階調画像を含む印判を形成するための製版用データを作成・編集する製版用データ作成・編集手段を備えたスタンプ製版用データ作成装置において、
前記製版用データ作成・編集手段は、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っているか否かを判定する判定手段と、
前記階調画像の画像データに1乃至複数の文字データからなる文字列データが重な
っていると判定された場合には、前記文字列データを所定の書体に変更した変更文字列データを作成する変更文字列データ作成手段と、
前記階調画像の画像データと前記変更文字列データに対して2値化処理を行って製
版用データを作成する製版用データ作成手段と、
を有することを特徴とするスタンプ製版用データ作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスタンプ製版用データ作成装置の製版用データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスタンプ製版用データ作成装置の製版用データ作成・編集手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムが記録されてコンピュータで読み取り可能なことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図6】
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【図8】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−21842(P2009−21842A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183061(P2007−183061)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】