ステアリングメンバの取付け構造
【課題】
ステアリングメンバの有する本来の補強作用を備え、しかも助手席側に上部グローブボックスを設置することができるステアリングメンバの取付け構造の提供。
【解決手段】
運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体2から連続して迂回するように一体に屈曲するオフセット部5が前記助手席側インストルメントパネル内に形成され、オフセット部5の基部7、8の間にステアリングメンバ本体2よりも小径の補助ステアリングメンバ部材3が設けられている。
ステアリングメンバの有する本来の補強作用を備え、しかも助手席側に上部グローブボックスを設置することができるステアリングメンバの取付け構造の提供。
【解決手段】
運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体2から連続して迂回するように一体に屈曲するオフセット部5が前記助手席側インストルメントパネル内に形成され、オフセット部5の基部7、8の間にステアリングメンバ本体2よりも小径の補助ステアリングメンバ部材3が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のインストルメントパネルの内側に取付けられるステアリングメンバの取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ステアリングメンバ102は、図12に示すように、車両の前部座席のインストルメントパネル101の内側に車幅方向に真っ直ぐに取付けられている。
【0003】
このように、ステアリングメンバ102を車幅方向に真っ直ぐに取り付けることが車両の衝突時のフロントピラー内倒れを防止するために効果的な構造である。
【0004】
また、ステアリングメンバ102は、運転手席側のインストルメントパネル101内のステアリングホイール中心点(図示せず)に近い位置に取付けることが、ステアリング共振性能に最も効果的な位置である。
【0005】
図13は、上記の条件を考慮してインストルメントパネル内にステアリングメンバを取付けた従来例の側断面図である。
【0006】
インストルメントパネル101の内部にステアリングメンバ102が車幅方向に取付けられており、ステアリングメンバ102にはエアバッグ103が支持固定されると共に、その下方には下部グローブボックス104が設けられている。
【0007】
図14は、ステアリングメンバをインストルメントパネル内に取付ける他の従来例を示すもので、ステアリングメンバ112とエアコンケース113を一体にしてインストルメントパネル111の内部に収納したものである。
【0008】
この場合、ステアリングメンバ112は、エアコンケース113の外観形状に合うようにするため、複数の屈曲部114を設けた構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−156689号公報(0013段落〜0015段落。図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図12および図13に示したようにステアリングメンバ102を直線的に取付けたものでは、助手席側に上部グローブボックスを設置する空間を確保することは困難である。
【0010】
また、図14に示したように単に複数の屈曲部114を設けたステアリングメンバ112を用いた場合にも、上記と同様に助手席側に上部グローブボックスを設置する空間を確保することは困難である。
【0011】
そこで、本発明は、ステアリングメンバの有する本来の補強作用を備えた上で助手席側に上部グローブボックスを設置することができるステアリングメンバの取付け構造を提供することを目的としている。
【0012】
また、本発明は、車両衝突等で乗員の体の一部が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、車両前方向への荷重を吸収することができるステアリングメンバの取付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、車室前方のインストルメントパネルの内側に車幅に沿って延設され、運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体を有するステアリングメンバの取付け構造であって、前記ステアリングメンバ本体から連続して迂回するように一体に屈曲するオフセット部が前記助手席側インストルメントパネル内に形成されると共に、該オフセット部の基部の間に前記ステアリングメンバ本体よりも小径の補助ステアリングメンバ部材が設けられているステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0014】
また、請求項2に記載されたものは、前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とで囲まれてグローブボックスが設置される空間が形成される請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0015】
さらに、請求項3に記載されたものは、前記補助ステアリングメンバ部材は、車両前方向に所定以上の荷重が加わったとき車両前方向に移動して荷重を吸収するものである請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0016】
さらに、請求項4に記載のものは、前記補助ステアリングメンバ部材は、膝が突き当たったときの荷重を吸収するニープロテクタである請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0017】
さらに、請求項5に記載されたものは、前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とは、平面視で矩形状に配設されており、前記オフセット部の車両前後方向に沿って形成された二つの対向する辺に、前記補助ステアリングメンバ部材に作用する車両前方向への荷重を徐々に吸収する荷重吸収手段が設けられている請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0018】
さらに、請求項6記載のものは、前記荷重吸収手段は、車両前方向ほど板厚が薄くなる板状体よりなる請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0019】
さらに、請求項7に記載のものは、前記荷重吸収手段は、上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材とが、これらの間に前記補助ステアリングメンバ部材を挟持することにより上下に二分割可能とされて形成されている請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0020】
さらに、請求項8に記載のものは、前記補助ステアリングメンバ部材は断面五角形状を呈しており、その一頂点は、車両の前方向を向き、且つ前記上側ステアリングメンバ本体部材と前記下側ステアリングメンバ本体部材の二分割線上にある請求項7記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
このように構成された請求項1のものは、助手席側インストルメントパネル内でステアリングメンバ本体にオフセット部が形成され、このオフセット部の基部の間にステアリングメンバ本体よりも小径(外径が小さい)の補助ステアリングメンバ部材を取付けたものである。
【0022】
このため、外径の大なるステアリングメンバ本体を運転席側から助手席側の全体に亘って真っ直ぐに配設する場合に比べて、大きな空間を助手席側インストルメントパネル内に確保することができ、助手席側インストルメントパネル内により容量の大きなグローブボックスの設置または新たなグローブボックスの設置が可能となる。
【0023】
また、オフセット部の形成にともなう剛性の低下を抑制して所望の強度を保持することができる。
【0024】
また、請求項2に記載されたものは、オフセット部と補助ステアリングメンバ部材で囲まれた拡大された空間には、グローブボックス設置のための空間が形成されるものである。
【0025】
このため、助手席側インストルメントパネル内には、従来からの下部グローブボックスに加えて新たな上部グローブボックスの設置が可能となる。
【0026】
さらに、請求項3に記載されたものは、補助ステアリングメンバ部材は、車両前方向に荷重が加わったときは、車両前方向に移動して当該荷重を吸収するようにしたものである。
【0027】
このため、車両衝突等で乗員の体の一部が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、補助ステアリングメンバ部材は、それ自身が変形すると共に車両前方向に移動することによって荷重を吸収することができる。
【0028】
さらに、請求項4に記載されたものは、補助ステアリングメンバ部材は、膝が突き当たったときの荷重を吸収するニープロテクタとしたものである。
【0029】
このため、車両衝突等で乗員の膝が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、補助ステアリングメンバ部材が車両前方向に移動することによって、大腿部に加わる荷重を吸収することができる。
【0030】
さらに、請求項5に記載されたものは、ステアリングメンバ本体に形成されたオフセット部と補助ステアリングメンバ部材とは、平面視で矩形状に配設され、オフセット部の車両前後方向に沿って形成された二つの対向する辺に、補助ステアリングメンバ部材に作用する車両前方向への荷重を徐々に吸収する荷重吸収手段が設けられている。
【0031】
このため、車両前方向に加わった荷重は極く短時間内ではあるが徐々に吸収されることによって、瞬時に荷重が吸収される場合に比して衝撃を小さくして荷重を吸収することができる。
【0032】
さらに、請求項6に記載されたものは、荷重吸収手段は、車両前方向ほど板厚が薄くなる板状体よりなる。
【0033】
このため、補助ステアリングメンバ部材に車両前方向への荷重が加わったときは、補助ステアリングメンバ部材は板状体を変形させながら車両前方向に移動するので、荷重は徐々に吸収され、衝撃を和らげることができる。
【0034】
さらに、請求項7に記載されたものは、前記荷重吸収手段は、上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材とが、これらの間に補助ステアリングメンバ部材を挟持することにより上下に二分割可能とされて形成されている。
【0035】
このため、補助ステアリングメンバ部材に車両前方向への荷重が加わったときは、補助ステアリングメンバ部材は上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の間をステアリングメンバ本体を変形させながら車両前方向に移動するので、荷重は徐々に吸収され、衝撃を和らげることができる。
【0036】
さらに、請求項8に記載されたものは、補助ステアリングメンバ部材は断面五角形状を呈しており、その一頂点は、車両の前方向を向き、且つ上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の二分割線上にある。
【0037】
このため、補助ステアリングメンバ部材は上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の間を接合を破りながら車両前方向に移動することができる。
【0038】
また、二分割線上にある一頂点の角度の大きさを選択することによって、補助ステアリングメンバ部材が上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の間で移動を開始する荷重を変えることができ、より適切な移動開始荷重の設定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の全体構成を示す斜視図である。なお、図1においてはインストルメントパネルおよび取付部品は省略してある。
【0040】
本実施の形態におけるステアリングメンバ1は、車室前方のインストルメントパネルの内側に車幅に沿って延設され、運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体2を有する。
【0041】
また、ステアリングメンバ1は、補助ステアリングメンバ部材3、ステアリングメンバ1をダッシュサイドパネル44,44に取付けるためのフランジ4,4、各種車装部品を取付けるためのブラケット(図示せず)等を有している。
【0042】
ここで、ダッシュサイドパネル44,44は、車両側部の左右内側面にフロントピラー45,45に連なるように配設されており、各々は互いに向き合っている。
【0043】
ステアリングメンバ本体2は、車両の運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通して取付けられ、助手席側インストルメントパネル内において、ステアリングメンバ本体2から連続して迂回するように一体に屈曲させてオフセット部5が設けられている。
【0044】
オフセット部5の基部6と6の間には補助ステアリングメンバ部材3が設けられている。
【0045】
補助ステアリングメンバ部材3は、ネジ止め、溶接、その他の手段により基部6と6の間に固定され、これによって、オフセット部5の形成に伴うステアリングメンバ本体2の車幅方向の剛性の低下を補償して所望の強度を保持することができる。
【0046】
また、補助ステアリングメンバ部材3は、ステアリングメンバ本体2の外径寸法よりも小なる外径寸法とすることにより、外径の大なるステアリングメンバ本体を運転席側から助手席側の全体に亘って真っ直ぐに配設する場合に比べて、大きな空間を助手席側インストルメントパネル内に確保することができ、助手席側インストルメントパネル内により容量の大きなグローブボックスの設置または新たなグローブボックスの設置が可能となる。
【0047】
図2は、図1のX−X線視断面図である。
【0048】
インストルメントパネル8内には、ステアリングメンバ本体2および補助ステアリングメンバ部材3が車幅方向に取付けられており、ステアリングメンバ本体2のオフセット部5と補助ステアリングメンバ部材3との間には空間7が形成されている。
【0049】
空間7には、エアバッグ9および上部グローブボックス10が設置され、空間7の下方には下部グローブボックス11が設置されている。
【0050】
そして、ステアリングメンバ本体2には、エアバッグ9および下部グローブボックス11が固定され、補助ステアリングメンバ部材3には、上部グローブボックス10が固定されている。
【0051】
上部グローブボックス10および下部グローブボックス11には、開閉のためのグローブボックスリッド(以下「リッド」という)12および13がそれぞれ設けられており、リッド12,13は支軸14,15を支点として回動自在に軸支されている。
【0052】
これらのリッド12,13の開閉操作手段を図3〜図5を参照して説明すると、図3に示すように、補助ステアリングメンバ部材3の横方向に上部切り抜き穴16および下部切り抜き穴17を設け、これらの切り抜き穴16および17にロック装置18および19をそれぞれ挿入し、ネジ20および21を用いて固定する。
【0053】
すると、図4に示すように、ロック装置18が上部グローブボックス10のリッド12のロック用として、また、ロック装置19が下部グローブボックス11のリッド13のロック用としてそれぞれ補助ステアリングメンバ部材3に固定保持される。
【0054】
ロック装置18,19は、図5に示すように、二本の対向するロックバー22,22を有し、リッド12,13側に取付けられた衝合部材24の突出部25をストライカ23に当接させると、突出部25がロックバー22と22の間に挟持された状態でロック装置18、19の内部に点線で示すように収納され、リッド12,13がロックされる。
【0055】
次に、ステアリングメンバ本体2の構成、およびステアリングメンバ本体2の基部6と6の間に補助ステアリングメンバ部材3を固定したステアリングメンバ1の構成について説明する。
【0056】
図6は、ステアリングメンバを分解した斜視図であり、図7は、ステアリングメンバを平面視した断面図(図1のY−Y線視断面図)であり、いずれもオフセット部を中心として図示している。
【0057】
なお、上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとは、一部(ボルト穴36,36の部分)を除いては上下対称構造となっているので、上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとで同じ部分は同一符号を付して説明する。
【0058】
上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bのオフセット部5は、これら本体部材2a,2bの横メンバ部2c,2dに連続して車幅方向と直角方向に屈曲させて対向させた垂直メンバ部28,28と、これら垂直メンバ部28,28に連続して屈曲させて車幅方向に沿わせた平行メンバ部29とを有している。
【0059】
垂直メンバ部28,28の一端部が横メンバ部2c,2dの端部に溶接接続され、また、垂直メンバ部28,28の他端部が平行メンバ部29の各端部に溶接接続されることにより、横メンバ部2c,2d、垂直メンバ部28,28および平行メンバ部29は一体となり、そして、上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26と下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27とを溶接接続することにより、オフセット部5が一体形成されたステアリングメンバ本体2が得られる。
【0060】
垂直メンバ部28,28の車幅方向内側には、内側垂直辺部28a,28a(請求項5における二つの対向する辺)と所定距離を隔てて、ほぼ平行に、かつ一体に板状体30,30(請求項5における荷重吸収手段)が設けられている。
【0061】
本実施の形態においては、板状体30,30は、底面部30aと前端縁30bとがそれぞれ内側垂直辺部28a,28aと平行メンバ部29の後側面とにそれぞれ溶接接続されて一体に立設されている。
【0062】
この板状体30,30は、補助ステアリングメンバ部材3に加わった荷重を吸収する荷重吸収体として作用するものであり、板厚が車両前方に向かうにしたがい薄くなる板厚変化部31,31および一定板厚の薄肉部31a,31aを有している。
【0063】
なお、上側ステアリングメンバ部材2aには、前記板厚変化部および前記薄肉部は図示されていないが、下側ステアリングメンバ部材2bとほぼ同位置に板厚変化部および薄肉部が形成されている。
【0064】
板状体30,30には、補助ステアリングメンバ部材3の各端部を挟持固定する凹部32,32が設けられている。
【0065】
凹部32,32の車両前方側の辺33,33は、補助ステアリングメンバ部材3の先端部3aの角度に合わせて傾斜している。
【0066】
下側ステアリングメンバ本体部材2bにおける板状体30,30の凹部32,32の車両後方側部分37,37には、ワッシャ付の締結ボルト35,35(図7参照)を挿通させるボルト穴36,36が設けられている。
【0067】
下側ステアリングメンバ本体部材2bにおける前記車両後方側部分37,37は、ボルト穴36,36を設けた分だけ板状体30,30の他の部分よりも若干高く形成されており、この高さ分だけ上側ステアリングメンバ本体部材2aの車両後方側部分38,38は低く形成されている。
【0068】
補助ステアリングメンバ部材3には、その両端部に車両後方向に突き出た突出部39,39が設けられ、突出部39,39には、車両後方向に開口したボルト挿通溝40,40が形成されている。
【0069】
また、補助ステアリングメンバ部材3は、先端部3aが鋭角に形成されており、先端部3aは、上側ステアリングメンバ本体部材2aの板状体30と下側ステアリングメンバ本体部材2bの板状体30の境界部に位置して設けられる。
【0070】
上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26および下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27を溶接により接合することによって、補助ステアリングメンバ部材3は上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとの間に挟持される。
【0071】
次に、実施の形態1の作用について説明する。
【0072】
下側ステアリングメンバ本体部材2bの凹部32,32に補助ステアリングメンバ部材3を、ボルト挿通溝40,40の開口が車両後方向を向くようにして載置し、ワッシャ付の締結ボルト35,35(図7参照)をボルト穴36,36およびボルト挿通溝40,40に挿通させて締め付けることにより、補助ステアリングメンバ部材3を下側ステアリングメンバ本体部材2bに固定する。
【0073】
次いで、上側ステアリングメンバ本体部材2aを重ね合わせ、上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26と下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27とを、補助ステアリングメンバ部材3を挟持した状態で溶接により接合すると、図7に示すように、平行メンバ部29と補助ステアリングメンバ部材3とを対向辺とし、また、内側垂直辺部28aと28aを対向辺として周囲が囲まれた平面視略長方形状に形成され、かつ内側垂直辺部28a,28aに沿って板状体30,30が一体形成されたステアリングメンバ1が得られる。
【0074】
補助ステアリング部材3が車両前方向に移動を開始する荷重は、板状体30,30の厚さ、補助ステアリングメンバ部材3における先端部3aの角度の大きさ、および締結ボルト35,35の締め付け強さによって設定することができる。
【0075】
かかるステアリングメンバ1にあっては、車両衝突等で乗員の膝が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、その荷重が補助ステアリングメンバ部材3に伝わり、その荷重が所定以上であると、ワッシャ付の締結ボルト35,35による固定が解除され、図8に示すように、補助ステアリングメンバ部材3が板状体30,30の二分割線上(接合面)に沿って板状体30,30を変形させながら車両前方向に移動する。
【0076】
しかも、車両前方向への移動に際しては、板状体30,30の変形により荷重が徐々に吸収されるので、衝撃を小さくして荷重を吸収することができる。
【0077】
さらに、ステアリングメンバ本体2とは別体の板状体30,30を設けることにより、板状体に種々の加工を施してもステアリングメンバ本体2の機械的強度に及ぼす影響はない。
【0078】
このため、板状体にボルト穴36,36を設けて補助ステアリングメンバ部材3を確実に固定することができ、また、板状体30,30の板厚を自由に選ぶことによって、補助ステアリングメンバ部材3が移動する荷重を適切に設定することができるようになる。
【0079】
本実施の形態においては、板状体30,30を設けずに単にワッシャ付の締結ボルト35,35による固定のみとし、所定以上の荷重で固定が解除されることによって荷重を吸収することが可能であるが、板状体30,30を設けると、衝撃を小さくして荷重を吸収することができる。
【0080】
補助ステアリングメンバ部材3は、助手席側のインストルメントパネル内に取付けられるので、ニープロテクタとしての利用に供することができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、ステアリングメンバ本体2の内側垂直辺部28a,28aに平行に形成した板状体30,30に補助ステアリングメンバ部材3を取付け、締結ボルト35,35で固定したが、本実施の形態は、ステアリングメンバ本体2で補助ステアリングメンバ部材3を直接支持固定するものである。
【0081】
図9は、本実施の形態におけるステアリングメンバの分解斜視図、図10は、ステアリングメンバを紙面に向かって左方から右方を視た断面図、図11は、補助ステアリングメンバ部材に荷重が加わってステアリングメンバ本体が変形した状態を模式した断面図である。
【0082】
実施の形態1と同じ部分は同一符号を付して説明する。
【0083】
上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとは、上下対称構造であり、上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26と下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27を、溶接により接合することにより、ステアリングメンバ本体2が形成される。
【0084】
オフセット部5を形成する垂直メンバ部28,28の内側垂直辺部28a,28aには、補助ステアリングメンバ部材3の各端部を挟持する凹部32,32が形成されており、この凹部に補助ステアリングメンバ部材3の各端部が溶接41を介して挟持固定されている。
【0085】
補助ステアリングメンバ3は断面五角形状を呈しており、その一頂点43は、車両の前方向を向き、且つ上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの二分割線42上に位置している。
【0086】
補助ステアリングメンバ3を断面五角形状とし、その一頂点43を二分割線42(接合面)上に位置させることにより、補助ステアリングメンバ部材3は上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの間を接合を破りながら車両前方向に移動する。
【0087】
また、二分割線(接合面)42上にある一頂点43の角度の大きさを選択することによって、補助ステアリングメンバ部材3が上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの間で移動を開始する荷重を変えることができ、より適切な移動開始荷重の設定が可能となる。
【0088】
かかるステアリングメンバ1にあっては、車両衝突等で乗員の膝が助手席側のインストルメントパネルに突き当ったときは、その荷重が補助ステアリングメンバ部材3に伝わり、所定以上の荷重であると、補助ステアリングメンバ部材3の固定が解除され、図11に示すように、補助ステアリングメンバ部材3が上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの接合を破りながら車両前方向に移動する。
【0089】
しかも、車両前方向への移動に際しては、上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの変形により荷重が徐々に吸収されるので、効果的に衝撃を和らげることができる。
【0090】
他の構成および作用効果については、前記実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0091】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0092】
例えば、前記実施の形態では、ステアリングメンバの断面形状は四角形のものについて説明したが、これに限定されることなく他の形状、例えば丸形または四角形以外の多角形であっても差し支えない。
【0093】
また、オフセット部と補助ステアリングメンバ部材との間で形成される空間は平面視で長方形状のものについて説明したが、これに限定されることなく他の形状、例えば丸形または四角形以外の多角形であっても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1の全体の構成を説明する斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1の説明図であり、図1のX−X線視断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材にロック装置を取付ける方法を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材にロック装置を取付けた状態を示す助手席側における側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1の説明図であり、ロック装置の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の説明図であり、ステアリングメンバの分解斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態1の説明図であり、ステアリングメンバを平面視した断面図(図1のY−Y線視断面図)である。
【図8】本発明の実施の形態1の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材に荷重が加わって板状体が変形した状態を模式した断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2の説明図であり、ステアリングメンバの分解斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2の説明図であり、ステアリングメンバを紙面に向かって左方から右方を視た断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材に荷重が加わってステアリングメンバ本体が変形した状態を模式した断面図である。
【図12】従来例の説明図であり、インストルメントパネルとステアリングメンバの斜視図である。
【図13】従来例の説明図であり、ステアリングメンバをインストルメントパネル内に取付けた助手席側における側断面図である。
【図14】他の従来例の説明図であり、インストルメントパネル内にエアコンケースとステアリングメンバを一体に組込むものの斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1 ステアリングメンバ
2 ステアリングメンバ本体
2a 上側ステアリングメンバ本体部材
2b 下側ステアリングメンバ本体部材
3 補助ステアリングメンバ部材
5 オフセット部
6 基部
7 空間
8 インストルメントパネル
10 上部グローブボックス
28 垂直メンバ部
30 板状体
42 二分割線
43 頂点
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のインストルメントパネルの内側に取付けられるステアリングメンバの取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ステアリングメンバ102は、図12に示すように、車両の前部座席のインストルメントパネル101の内側に車幅方向に真っ直ぐに取付けられている。
【0003】
このように、ステアリングメンバ102を車幅方向に真っ直ぐに取り付けることが車両の衝突時のフロントピラー内倒れを防止するために効果的な構造である。
【0004】
また、ステアリングメンバ102は、運転手席側のインストルメントパネル101内のステアリングホイール中心点(図示せず)に近い位置に取付けることが、ステアリング共振性能に最も効果的な位置である。
【0005】
図13は、上記の条件を考慮してインストルメントパネル内にステアリングメンバを取付けた従来例の側断面図である。
【0006】
インストルメントパネル101の内部にステアリングメンバ102が車幅方向に取付けられており、ステアリングメンバ102にはエアバッグ103が支持固定されると共に、その下方には下部グローブボックス104が設けられている。
【0007】
図14は、ステアリングメンバをインストルメントパネル内に取付ける他の従来例を示すもので、ステアリングメンバ112とエアコンケース113を一体にしてインストルメントパネル111の内部に収納したものである。
【0008】
この場合、ステアリングメンバ112は、エアコンケース113の外観形状に合うようにするため、複数の屈曲部114を設けた構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−156689号公報(0013段落〜0015段落。図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図12および図13に示したようにステアリングメンバ102を直線的に取付けたものでは、助手席側に上部グローブボックスを設置する空間を確保することは困難である。
【0010】
また、図14に示したように単に複数の屈曲部114を設けたステアリングメンバ112を用いた場合にも、上記と同様に助手席側に上部グローブボックスを設置する空間を確保することは困難である。
【0011】
そこで、本発明は、ステアリングメンバの有する本来の補強作用を備えた上で助手席側に上部グローブボックスを設置することができるステアリングメンバの取付け構造を提供することを目的としている。
【0012】
また、本発明は、車両衝突等で乗員の体の一部が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、車両前方向への荷重を吸収することができるステアリングメンバの取付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、車室前方のインストルメントパネルの内側に車幅に沿って延設され、運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体を有するステアリングメンバの取付け構造であって、前記ステアリングメンバ本体から連続して迂回するように一体に屈曲するオフセット部が前記助手席側インストルメントパネル内に形成されると共に、該オフセット部の基部の間に前記ステアリングメンバ本体よりも小径の補助ステアリングメンバ部材が設けられているステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0014】
また、請求項2に記載されたものは、前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とで囲まれてグローブボックスが設置される空間が形成される請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0015】
さらに、請求項3に記載されたものは、前記補助ステアリングメンバ部材は、車両前方向に所定以上の荷重が加わったとき車両前方向に移動して荷重を吸収するものである請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0016】
さらに、請求項4に記載のものは、前記補助ステアリングメンバ部材は、膝が突き当たったときの荷重を吸収するニープロテクタである請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0017】
さらに、請求項5に記載されたものは、前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とは、平面視で矩形状に配設されており、前記オフセット部の車両前後方向に沿って形成された二つの対向する辺に、前記補助ステアリングメンバ部材に作用する車両前方向への荷重を徐々に吸収する荷重吸収手段が設けられている請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0018】
さらに、請求項6記載のものは、前記荷重吸収手段は、車両前方向ほど板厚が薄くなる板状体よりなる請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0019】
さらに、請求項7に記載のものは、前記荷重吸収手段は、上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材とが、これらの間に前記補助ステアリングメンバ部材を挟持することにより上下に二分割可能とされて形成されている請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【0020】
さらに、請求項8に記載のものは、前記補助ステアリングメンバ部材は断面五角形状を呈しており、その一頂点は、車両の前方向を向き、且つ前記上側ステアリングメンバ本体部材と前記下側ステアリングメンバ本体部材の二分割線上にある請求項7記載のステアリングメンバの取付け構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
このように構成された請求項1のものは、助手席側インストルメントパネル内でステアリングメンバ本体にオフセット部が形成され、このオフセット部の基部の間にステアリングメンバ本体よりも小径(外径が小さい)の補助ステアリングメンバ部材を取付けたものである。
【0022】
このため、外径の大なるステアリングメンバ本体を運転席側から助手席側の全体に亘って真っ直ぐに配設する場合に比べて、大きな空間を助手席側インストルメントパネル内に確保することができ、助手席側インストルメントパネル内により容量の大きなグローブボックスの設置または新たなグローブボックスの設置が可能となる。
【0023】
また、オフセット部の形成にともなう剛性の低下を抑制して所望の強度を保持することができる。
【0024】
また、請求項2に記載されたものは、オフセット部と補助ステアリングメンバ部材で囲まれた拡大された空間には、グローブボックス設置のための空間が形成されるものである。
【0025】
このため、助手席側インストルメントパネル内には、従来からの下部グローブボックスに加えて新たな上部グローブボックスの設置が可能となる。
【0026】
さらに、請求項3に記載されたものは、補助ステアリングメンバ部材は、車両前方向に荷重が加わったときは、車両前方向に移動して当該荷重を吸収するようにしたものである。
【0027】
このため、車両衝突等で乗員の体の一部が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、補助ステアリングメンバ部材は、それ自身が変形すると共に車両前方向に移動することによって荷重を吸収することができる。
【0028】
さらに、請求項4に記載されたものは、補助ステアリングメンバ部材は、膝が突き当たったときの荷重を吸収するニープロテクタとしたものである。
【0029】
このため、車両衝突等で乗員の膝が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、補助ステアリングメンバ部材が車両前方向に移動することによって、大腿部に加わる荷重を吸収することができる。
【0030】
さらに、請求項5に記載されたものは、ステアリングメンバ本体に形成されたオフセット部と補助ステアリングメンバ部材とは、平面視で矩形状に配設され、オフセット部の車両前後方向に沿って形成された二つの対向する辺に、補助ステアリングメンバ部材に作用する車両前方向への荷重を徐々に吸収する荷重吸収手段が設けられている。
【0031】
このため、車両前方向に加わった荷重は極く短時間内ではあるが徐々に吸収されることによって、瞬時に荷重が吸収される場合に比して衝撃を小さくして荷重を吸収することができる。
【0032】
さらに、請求項6に記載されたものは、荷重吸収手段は、車両前方向ほど板厚が薄くなる板状体よりなる。
【0033】
このため、補助ステアリングメンバ部材に車両前方向への荷重が加わったときは、補助ステアリングメンバ部材は板状体を変形させながら車両前方向に移動するので、荷重は徐々に吸収され、衝撃を和らげることができる。
【0034】
さらに、請求項7に記載されたものは、前記荷重吸収手段は、上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材とが、これらの間に補助ステアリングメンバ部材を挟持することにより上下に二分割可能とされて形成されている。
【0035】
このため、補助ステアリングメンバ部材に車両前方向への荷重が加わったときは、補助ステアリングメンバ部材は上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の間をステアリングメンバ本体を変形させながら車両前方向に移動するので、荷重は徐々に吸収され、衝撃を和らげることができる。
【0036】
さらに、請求項8に記載されたものは、補助ステアリングメンバ部材は断面五角形状を呈しており、その一頂点は、車両の前方向を向き、且つ上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の二分割線上にある。
【0037】
このため、補助ステアリングメンバ部材は上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の間を接合を破りながら車両前方向に移動することができる。
【0038】
また、二分割線上にある一頂点の角度の大きさを選択することによって、補助ステアリングメンバ部材が上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材の間で移動を開始する荷重を変えることができ、より適切な移動開始荷重の設定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態の全体構成を示す斜視図である。なお、図1においてはインストルメントパネルおよび取付部品は省略してある。
【0040】
本実施の形態におけるステアリングメンバ1は、車室前方のインストルメントパネルの内側に車幅に沿って延設され、運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体2を有する。
【0041】
また、ステアリングメンバ1は、補助ステアリングメンバ部材3、ステアリングメンバ1をダッシュサイドパネル44,44に取付けるためのフランジ4,4、各種車装部品を取付けるためのブラケット(図示せず)等を有している。
【0042】
ここで、ダッシュサイドパネル44,44は、車両側部の左右内側面にフロントピラー45,45に連なるように配設されており、各々は互いに向き合っている。
【0043】
ステアリングメンバ本体2は、車両の運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通して取付けられ、助手席側インストルメントパネル内において、ステアリングメンバ本体2から連続して迂回するように一体に屈曲させてオフセット部5が設けられている。
【0044】
オフセット部5の基部6と6の間には補助ステアリングメンバ部材3が設けられている。
【0045】
補助ステアリングメンバ部材3は、ネジ止め、溶接、その他の手段により基部6と6の間に固定され、これによって、オフセット部5の形成に伴うステアリングメンバ本体2の車幅方向の剛性の低下を補償して所望の強度を保持することができる。
【0046】
また、補助ステアリングメンバ部材3は、ステアリングメンバ本体2の外径寸法よりも小なる外径寸法とすることにより、外径の大なるステアリングメンバ本体を運転席側から助手席側の全体に亘って真っ直ぐに配設する場合に比べて、大きな空間を助手席側インストルメントパネル内に確保することができ、助手席側インストルメントパネル内により容量の大きなグローブボックスの設置または新たなグローブボックスの設置が可能となる。
【0047】
図2は、図1のX−X線視断面図である。
【0048】
インストルメントパネル8内には、ステアリングメンバ本体2および補助ステアリングメンバ部材3が車幅方向に取付けられており、ステアリングメンバ本体2のオフセット部5と補助ステアリングメンバ部材3との間には空間7が形成されている。
【0049】
空間7には、エアバッグ9および上部グローブボックス10が設置され、空間7の下方には下部グローブボックス11が設置されている。
【0050】
そして、ステアリングメンバ本体2には、エアバッグ9および下部グローブボックス11が固定され、補助ステアリングメンバ部材3には、上部グローブボックス10が固定されている。
【0051】
上部グローブボックス10および下部グローブボックス11には、開閉のためのグローブボックスリッド(以下「リッド」という)12および13がそれぞれ設けられており、リッド12,13は支軸14,15を支点として回動自在に軸支されている。
【0052】
これらのリッド12,13の開閉操作手段を図3〜図5を参照して説明すると、図3に示すように、補助ステアリングメンバ部材3の横方向に上部切り抜き穴16および下部切り抜き穴17を設け、これらの切り抜き穴16および17にロック装置18および19をそれぞれ挿入し、ネジ20および21を用いて固定する。
【0053】
すると、図4に示すように、ロック装置18が上部グローブボックス10のリッド12のロック用として、また、ロック装置19が下部グローブボックス11のリッド13のロック用としてそれぞれ補助ステアリングメンバ部材3に固定保持される。
【0054】
ロック装置18,19は、図5に示すように、二本の対向するロックバー22,22を有し、リッド12,13側に取付けられた衝合部材24の突出部25をストライカ23に当接させると、突出部25がロックバー22と22の間に挟持された状態でロック装置18、19の内部に点線で示すように収納され、リッド12,13がロックされる。
【0055】
次に、ステアリングメンバ本体2の構成、およびステアリングメンバ本体2の基部6と6の間に補助ステアリングメンバ部材3を固定したステアリングメンバ1の構成について説明する。
【0056】
図6は、ステアリングメンバを分解した斜視図であり、図7は、ステアリングメンバを平面視した断面図(図1のY−Y線視断面図)であり、いずれもオフセット部を中心として図示している。
【0057】
なお、上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとは、一部(ボルト穴36,36の部分)を除いては上下対称構造となっているので、上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとで同じ部分は同一符号を付して説明する。
【0058】
上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bのオフセット部5は、これら本体部材2a,2bの横メンバ部2c,2dに連続して車幅方向と直角方向に屈曲させて対向させた垂直メンバ部28,28と、これら垂直メンバ部28,28に連続して屈曲させて車幅方向に沿わせた平行メンバ部29とを有している。
【0059】
垂直メンバ部28,28の一端部が横メンバ部2c,2dの端部に溶接接続され、また、垂直メンバ部28,28の他端部が平行メンバ部29の各端部に溶接接続されることにより、横メンバ部2c,2d、垂直メンバ部28,28および平行メンバ部29は一体となり、そして、上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26と下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27とを溶接接続することにより、オフセット部5が一体形成されたステアリングメンバ本体2が得られる。
【0060】
垂直メンバ部28,28の車幅方向内側には、内側垂直辺部28a,28a(請求項5における二つの対向する辺)と所定距離を隔てて、ほぼ平行に、かつ一体に板状体30,30(請求項5における荷重吸収手段)が設けられている。
【0061】
本実施の形態においては、板状体30,30は、底面部30aと前端縁30bとがそれぞれ内側垂直辺部28a,28aと平行メンバ部29の後側面とにそれぞれ溶接接続されて一体に立設されている。
【0062】
この板状体30,30は、補助ステアリングメンバ部材3に加わった荷重を吸収する荷重吸収体として作用するものであり、板厚が車両前方に向かうにしたがい薄くなる板厚変化部31,31および一定板厚の薄肉部31a,31aを有している。
【0063】
なお、上側ステアリングメンバ部材2aには、前記板厚変化部および前記薄肉部は図示されていないが、下側ステアリングメンバ部材2bとほぼ同位置に板厚変化部および薄肉部が形成されている。
【0064】
板状体30,30には、補助ステアリングメンバ部材3の各端部を挟持固定する凹部32,32が設けられている。
【0065】
凹部32,32の車両前方側の辺33,33は、補助ステアリングメンバ部材3の先端部3aの角度に合わせて傾斜している。
【0066】
下側ステアリングメンバ本体部材2bにおける板状体30,30の凹部32,32の車両後方側部分37,37には、ワッシャ付の締結ボルト35,35(図7参照)を挿通させるボルト穴36,36が設けられている。
【0067】
下側ステアリングメンバ本体部材2bにおける前記車両後方側部分37,37は、ボルト穴36,36を設けた分だけ板状体30,30の他の部分よりも若干高く形成されており、この高さ分だけ上側ステアリングメンバ本体部材2aの車両後方側部分38,38は低く形成されている。
【0068】
補助ステアリングメンバ部材3には、その両端部に車両後方向に突き出た突出部39,39が設けられ、突出部39,39には、車両後方向に開口したボルト挿通溝40,40が形成されている。
【0069】
また、補助ステアリングメンバ部材3は、先端部3aが鋭角に形成されており、先端部3aは、上側ステアリングメンバ本体部材2aの板状体30と下側ステアリングメンバ本体部材2bの板状体30の境界部に位置して設けられる。
【0070】
上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26および下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27を溶接により接合することによって、補助ステアリングメンバ部材3は上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとの間に挟持される。
【0071】
次に、実施の形態1の作用について説明する。
【0072】
下側ステアリングメンバ本体部材2bの凹部32,32に補助ステアリングメンバ部材3を、ボルト挿通溝40,40の開口が車両後方向を向くようにして載置し、ワッシャ付の締結ボルト35,35(図7参照)をボルト穴36,36およびボルト挿通溝40,40に挿通させて締め付けることにより、補助ステアリングメンバ部材3を下側ステアリングメンバ本体部材2bに固定する。
【0073】
次いで、上側ステアリングメンバ本体部材2aを重ね合わせ、上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26と下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27とを、補助ステアリングメンバ部材3を挟持した状態で溶接により接合すると、図7に示すように、平行メンバ部29と補助ステアリングメンバ部材3とを対向辺とし、また、内側垂直辺部28aと28aを対向辺として周囲が囲まれた平面視略長方形状に形成され、かつ内側垂直辺部28a,28aに沿って板状体30,30が一体形成されたステアリングメンバ1が得られる。
【0074】
補助ステアリング部材3が車両前方向に移動を開始する荷重は、板状体30,30の厚さ、補助ステアリングメンバ部材3における先端部3aの角度の大きさ、および締結ボルト35,35の締め付け強さによって設定することができる。
【0075】
かかるステアリングメンバ1にあっては、車両衝突等で乗員の膝が助手席側のインストルメントパネルに突き当たったときは、その荷重が補助ステアリングメンバ部材3に伝わり、その荷重が所定以上であると、ワッシャ付の締結ボルト35,35による固定が解除され、図8に示すように、補助ステアリングメンバ部材3が板状体30,30の二分割線上(接合面)に沿って板状体30,30を変形させながら車両前方向に移動する。
【0076】
しかも、車両前方向への移動に際しては、板状体30,30の変形により荷重が徐々に吸収されるので、衝撃を小さくして荷重を吸収することができる。
【0077】
さらに、ステアリングメンバ本体2とは別体の板状体30,30を設けることにより、板状体に種々の加工を施してもステアリングメンバ本体2の機械的強度に及ぼす影響はない。
【0078】
このため、板状体にボルト穴36,36を設けて補助ステアリングメンバ部材3を確実に固定することができ、また、板状体30,30の板厚を自由に選ぶことによって、補助ステアリングメンバ部材3が移動する荷重を適切に設定することができるようになる。
【0079】
本実施の形態においては、板状体30,30を設けずに単にワッシャ付の締結ボルト35,35による固定のみとし、所定以上の荷重で固定が解除されることによって荷重を吸収することが可能であるが、板状体30,30を設けると、衝撃を小さくして荷重を吸収することができる。
【0080】
補助ステアリングメンバ部材3は、助手席側のインストルメントパネル内に取付けられるので、ニープロテクタとしての利用に供することができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、ステアリングメンバ本体2の内側垂直辺部28a,28aに平行に形成した板状体30,30に補助ステアリングメンバ部材3を取付け、締結ボルト35,35で固定したが、本実施の形態は、ステアリングメンバ本体2で補助ステアリングメンバ部材3を直接支持固定するものである。
【0081】
図9は、本実施の形態におけるステアリングメンバの分解斜視図、図10は、ステアリングメンバを紙面に向かって左方から右方を視た断面図、図11は、補助ステアリングメンバ部材に荷重が加わってステアリングメンバ本体が変形した状態を模式した断面図である。
【0082】
実施の形態1と同じ部分は同一符号を付して説明する。
【0083】
上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bとは、上下対称構造であり、上側ステアリングメンバ本体部材2aの下縁26と下側ステアリングメンバ本体部材2bの上縁27を、溶接により接合することにより、ステアリングメンバ本体2が形成される。
【0084】
オフセット部5を形成する垂直メンバ部28,28の内側垂直辺部28a,28aには、補助ステアリングメンバ部材3の各端部を挟持する凹部32,32が形成されており、この凹部に補助ステアリングメンバ部材3の各端部が溶接41を介して挟持固定されている。
【0085】
補助ステアリングメンバ3は断面五角形状を呈しており、その一頂点43は、車両の前方向を向き、且つ上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの二分割線42上に位置している。
【0086】
補助ステアリングメンバ3を断面五角形状とし、その一頂点43を二分割線42(接合面)上に位置させることにより、補助ステアリングメンバ部材3は上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの間を接合を破りながら車両前方向に移動する。
【0087】
また、二分割線(接合面)42上にある一頂点43の角度の大きさを選択することによって、補助ステアリングメンバ部材3が上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの間で移動を開始する荷重を変えることができ、より適切な移動開始荷重の設定が可能となる。
【0088】
かかるステアリングメンバ1にあっては、車両衝突等で乗員の膝が助手席側のインストルメントパネルに突き当ったときは、その荷重が補助ステアリングメンバ部材3に伝わり、所定以上の荷重であると、補助ステアリングメンバ部材3の固定が解除され、図11に示すように、補助ステアリングメンバ部材3が上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの接合を破りながら車両前方向に移動する。
【0089】
しかも、車両前方向への移動に際しては、上側ステアリングメンバ本体部材2aと下側ステアリングメンバ本体部材2bの変形により荷重が徐々に吸収されるので、効果的に衝撃を和らげることができる。
【0090】
他の構成および作用効果については、前記実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0091】
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0092】
例えば、前記実施の形態では、ステアリングメンバの断面形状は四角形のものについて説明したが、これに限定されることなく他の形状、例えば丸形または四角形以外の多角形であっても差し支えない。
【0093】
また、オフセット部と補助ステアリングメンバ部材との間で形成される空間は平面視で長方形状のものについて説明したが、これに限定されることなく他の形状、例えば丸形または四角形以外の多角形であっても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1の全体の構成を説明する斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1の説明図であり、図1のX−X線視断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材にロック装置を取付ける方法を説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材にロック装置を取付けた状態を示す助手席側における側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1の説明図であり、ロック装置の側面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の説明図であり、ステアリングメンバの分解斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態1の説明図であり、ステアリングメンバを平面視した断面図(図1のY−Y線視断面図)である。
【図8】本発明の実施の形態1の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材に荷重が加わって板状体が変形した状態を模式した断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2の説明図であり、ステアリングメンバの分解斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2の説明図であり、ステアリングメンバを紙面に向かって左方から右方を視た断面図である。
【図11】本発明の実施の形態2の説明図であり、補助ステアリングメンバ部材に荷重が加わってステアリングメンバ本体が変形した状態を模式した断面図である。
【図12】従来例の説明図であり、インストルメントパネルとステアリングメンバの斜視図である。
【図13】従来例の説明図であり、ステアリングメンバをインストルメントパネル内に取付けた助手席側における側断面図である。
【図14】他の従来例の説明図であり、インストルメントパネル内にエアコンケースとステアリングメンバを一体に組込むものの斜視図である。
【符号の説明】
【0095】
1 ステアリングメンバ
2 ステアリングメンバ本体
2a 上側ステアリングメンバ本体部材
2b 下側ステアリングメンバ本体部材
3 補助ステアリングメンバ部材
5 オフセット部
6 基部
7 空間
8 インストルメントパネル
10 上部グローブボックス
28 垂直メンバ部
30 板状体
42 二分割線
43 頂点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室前方のインストルメントパネルの内側に車幅に沿って延設され、運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体を有するステアリングメンバの取付け構造であって、前記ステアリングメンバ本体から連続して迂回するように一体に屈曲するオフセット部が前記助手席側インストルメントパネル内に形成されると共に、該オフセット部の基部の間に前記ステアリングメンバ本体よりも小径の補助ステアリングメンバ部材が設けられていることを特徴とするステアリングメンバの取付け構造。
【請求項2】
前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とで囲まれてグローブボックスが設置される空間が形成されることを特徴とする請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項3】
前記補助ステアリングメンバ部材は、車両前方向に所定以上の荷重が加わったとき車両前方向に移動して荷重を吸収するものであることを特徴とする請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項4】
前記補助ステアリングメンバ部材は、膝が突き当たったときの荷重を吸収するニープロテクタであることを特徴とする請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項5】
前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とは、平面視で矩形状に配設されており、前記オフセット部の車両前後方向に沿って形成された二つの対向する辺に、前記補助ステアリングメンバ部材に作用する車両前方向への荷重を徐々に吸収する荷重吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項6】
前記荷重吸収手段は、車両前方向ほど板厚が薄くなる板状体よりなることを特徴とする請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項7】
前記荷重吸収手段は、上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材とが、これらの間に前記補助ステアリングメンバ部材を挟持することにより上下に二分割可能とされて形成されていることを特徴とする請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項8】
前記補助ステアリングメンバ部材は断面五角形状を呈しており、その一頂点は、車両の前方向を向き、且つ前記上側ステアリングメンバ本体部材と前記下側ステアリングメンバ本体部材の二分割線上にあることを特徴とする請求項7記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項1】
車室前方のインストルメントパネルの内側に車幅に沿って延設され、運転席側インストルメントパネル内から助手席側インストルメントパネル内に連通するステアリングメンバ本体を有するステアリングメンバの取付け構造であって、前記ステアリングメンバ本体から連続して迂回するように一体に屈曲するオフセット部が前記助手席側インストルメントパネル内に形成されると共に、該オフセット部の基部の間に前記ステアリングメンバ本体よりも小径の補助ステアリングメンバ部材が設けられていることを特徴とするステアリングメンバの取付け構造。
【請求項2】
前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とで囲まれてグローブボックスが設置される空間が形成されることを特徴とする請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項3】
前記補助ステアリングメンバ部材は、車両前方向に所定以上の荷重が加わったとき車両前方向に移動して荷重を吸収するものであることを特徴とする請求項1記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項4】
前記補助ステアリングメンバ部材は、膝が突き当たったときの荷重を吸収するニープロテクタであることを特徴とする請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項5】
前記オフセット部と前記補助ステアリングメンバ部材とは、平面視で矩形状に配設されており、前記オフセット部の車両前後方向に沿って形成された二つの対向する辺に、前記補助ステアリングメンバ部材に作用する車両前方向への荷重を徐々に吸収する荷重吸収手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項6】
前記荷重吸収手段は、車両前方向ほど板厚が薄くなる板状体よりなることを特徴とする請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項7】
前記荷重吸収手段は、上側ステアリングメンバ本体部材と下側ステアリングメンバ本体部材とが、これらの間に前記補助ステアリングメンバ部材を挟持することにより上下に二分割可能とされて形成されていることを特徴とする請求項5記載のステアリングメンバの取付け構造。
【請求項8】
前記補助ステアリングメンバ部材は断面五角形状を呈しており、その一頂点は、車両の前方向を向き、且つ前記上側ステアリングメンバ本体部材と前記下側ステアリングメンバ本体部材の二分割線上にあることを特徴とする請求項7記載のステアリングメンバの取付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−1333(P2006−1333A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177782(P2004−177782)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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