説明

ステロイドとβ模倣薬を含む吸入用薬剤

本発明は1つ以上、好ましくは1つのステロイド1と式(2)のβ模倣薬を含む新規な医薬組成物、その製法及び呼吸器系疾患の治療のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は1つ以上、好ましくは1つのステロイド1と下記式2
【0002】
【化1】

を有するβ模倣薬を含む新規な医薬組成物、その製法及び呼吸器系疾患の治療のための使用に関する。
【0003】
発明の説明
本発明は、1つ以上、好ましくは1つのステロイド1と下記式2
【0004】
【化2】

【0005】
のβ模倣薬を任意にジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、そのラセミ体又は生理的に許容しうる酸付加塩の形で、又は任意にその水和物又は溶媒和物の形で、任意に薬学的に許容しうる賦形剤と共に含む新規な医薬組成物に関する。
本発明のβ模倣薬2の薬理学的に許容しうる酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸、4-フェニルケイ皮酸又はマレイン酸の塩より選ばれる薬学的に許容しうる塩である。所望により、上記の酸の混合物は、2の塩を調製するために用いることもできる。
本発明によれば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩及びキシナホ酸塩より選ばれた2の塩が好ましい。2の塩酸塩が特に好ましい。
驚くべきことに、式2のβ模倣薬を1つ以上のステロイド1と用いた場合には呼吸器系の炎症性及び/又は閉塞性疾患の治療に予想外の有益な治療効果を認めることができる。
2つの活性物質を単一活性物質製剤として同時に投与した場合も個別製剤として連続して投与した場合も上記有益な治療効果を認めることができる。本発明によれば、2つの活性物質成分を単一製剤として同時に投与することが好ましい。
本発明によれば、単一製剤として同時に2つの活性物質成分を投与することが好ましい。
本発明によれば、任意にコルチコステロイドとも呼ばれる好ましいステロイド1は、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルトプロピオン酸、RPR-106541、フルニソリド、ベクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、ST-126、デキサメタゾン、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]−11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-フルオロメチルエステル、及び6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシアンドロスタ-1,4-ジエン-17α-カルボチオ酸(S)-(2-オキソテトラヒドロフラン-3S-イル)エステルより選ばれた化合物である。
【0006】
好ましくは、化合物1は、フルニソリド、ベクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、ST-126、デキサメタゾン、6α,9α-ジフルオロ-17β-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]−11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17α-カルボチオ酸(S)-フルオロメチルエステル、6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-(2-オキソテトラヒドロフラン-3S-イル)エステルより選ばれる。更に好ましくは、化合物1は、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、及び6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-フルオロメチルエステルより選ばれる。
例示的な好ましい組合わせは、例えば、a) 2-塩酸塩とブデソニド; b) 2-塩酸塩とフルチカゾン、特にフルチカゾンプロピオン酸エステル; c) 2-塩酸塩とモメタゾン、例えば、フロ酸エステルとして; d) 2-塩酸塩とシクレソニド; e) 2-塩酸塩と6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-フルオロメチルエステル; f) 2-塩酸塩と6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-(2-オキソテトラヒドロフラン-3S-イル)エステルである。
本発明の医薬組成物においては、化合物2は、そのラセミ体、エナンチオマー又はその混合物の形で存在することができる。ラセミ体からエナンチオマーの分離は、当該技術において既知である方法を用いて行うことができる(例えば、キラル相等によるクロマトグラフィによって)。化合物2がそれらのエナンチオマーの形で用いられる場合、C-OH基でR配置を有するエナンチオマーを用いることが特に好ましい。
下記式2-en
【0007】
【化3】

【0008】
を有するR,R-エナンチオマーが本発明の範囲内で特に興味深い。
本発明の範囲内のβ模倣薬2は、おそらく、交感神経刺激薬又はベータ2-作動薬(β2-作動薬)と呼ぶこともできる。これらの用語は全て本発明のために同じ意味とみなされるべきである。
本発明の範囲内のステロイド1に対するいかなる指示にも、ステロイドから形成することができる塩又は誘導体に対する指示が含まれる。可能な塩又は誘導体の例としては、ナトリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、プロピオネート、ジヒドロジェンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートが含まれる。場合によっては式1の化合物は、また、それらの水和物の形で存在してもよい。本発明の範囲内のステロイド1に対するいかなる指示にも、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物の形で又はそのラセミ体の形の化合物1に対する指示が含まれる。
一態様においては、本発明は、12の治療的に有効な量に加えて、薬学的に許容しうる担体を含有する上記の医薬組成物に関する。他の態様においては、本発明は、12の治療的に有効な量に加えていかなる薬学的に許容しうる担体も含有しない上記の医薬組成物に関する。
本発明は、また、呼吸器系の炎症性又は閉塞性疾患を治療するステロイド1を含有する医薬組成物を調製するのに治療的に有効な量の式1の化合物の使用に関する。好ましくは、本発明は、喘息又はCOPDを治療する医薬組成物を調製するための上記の使用に関する。
本発明の範囲内の化合物12は、同時に又は連続して投与することができ、発明によれば化合物12を同時に投与することが好ましい。
本発明は、更に、炎症性又は閉塞性呼吸器系疾患、特に喘息又はCOPDを治療するための治療的に有効な量の式2の化合物とステロイド1の使用に関する。
活性物質12が本発明の活性物質の併用剤に用いることができる割合は可変である。活性物質12は、おそらくそれらの溶媒和物又は水和物の形で存在することができる。化合物12の選択によっては、本発明の範囲内で用いることができる質量比は、種々の化合物の異なる分子量やそれらの異なる効力に基づいて変動する。
【0009】
一般に、本発明の医薬併用剤は、ステロイド1と化合物2を1:250から250:1まで、好ましくは1:150から150:1までの範囲にある質量比で含有することができる。2に加えてステロイド1として、例えば、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン及びシクレソニドからなる群より選ばれた化合物を含有する特に好ましい医薬併用剤においては、2:1の質量比は、好ましくは約1:70から30:1まで、更に好ましくは1:35から15:1までの範囲にある。
例えば、本発明の範囲を制限せずに、本発明の活性物質の併用剤は、最も好ましいステロイド1ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニドの場合にはそのステロイドと式2(遊離塩基に基づく)の化合物を、例えば、以下の質量比: 1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1で含有することができる。
12との組合せを含有する本発明の医薬組成物は、特にステロイド1としてブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン又はシクレソニドの場合には、ステロイド12(遊離塩基に基づく値)が、好ましくは10から2000μgまで、更に好ましくは15から1000μgまで、なお更に好ましくは20から800μgまで、また、好ましくは本発明によれば、一回量につき30から750μgまで、好ましくは40から1700μgまでの用量で共に存在するように投与される。
例えば、本発明の12の併用剤は、12(遊離塩基に基づく値)の量を含有し、一回量につき全用量は約15μg、20μg、25μg、30μg、35μg、45μg、50μg、55μg、60μg、65μg、70μg、75μg、80μg、85μg、90μg、95μg、100μg、105μg、110μg、115μg、120μg、125μg、130μg、135μg、140μg、145μg、150μg、155μg、160μg、165μg、170μg、175μg、180μg、185μg、190μg、195μg、200μg、205μg、210μg、215μg、220μg、225μg、230μg、235μg、240μg、245μg、250μg、255μg、260μg、265μg、270μg、275μg、280μg、285μg、290μg、295μg、300μg、305μg、310μg、315μg、320μg、325μg、330μg、335μg、340μg、345μg、350μg、355μg、360μg、365μg、370μg、375μg、380μg、385μg、390μg、395μg、400μg、405μg、410μg、415μg、420μg、425μg、430μg、435μg、440μg、445μg、450μg、455μg、460μg、465μg、470μg、475μg、480μg、485μg、490μg、495μg、500μg、505μg、510μg、515μg、520μg、525μg、530μg、535μg、540μg、545μg、550μg、555μg、560μg、565μg、570μg、575μg、580μg、585μg、590μg、595μg、600μg、605μg、610μg、615μg、620μg、625μg、630μg、635μg、640μg、645μg、650μg、655μg、660μg、665μg、670μg、675μg、680μg、685μg、690μg、695μg、700μg等である。上で指定された一回量につき示された用量は、実際に明示された数値に制限されるとみなされるべきでないことは当業者に明らかである。当業者に明らかなように、特に少数範囲内で、約±2.5gの変動が含まれる。これらの用量範囲において、活性物質12は上で示された質量比で存在することができる。
【0010】
例えば、本発明の範囲を制限せずに、本発明の12の併用剤は、特にブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン又はシクレソニドの場合にはステロイド12(遊離塩基に基づく値)の量を含有し、各一回量について、例えば、25μgの1と5μgの2、25μgの1と10μgの2、25μgの1と15μgの2、25μgの1と25μgの2、25μgの1と50μgの2、25μgの1と100μgの2、50μgの1と5μgの2、50μgの1と10μgの2、50μgの1と15μgの2、50μgの1と25μgの2、50μgの1と50μgの2、50μgの1と100μgの2、75μgの1と5μgの2、75μgの1と10μgの2、75μgの1と15μgの2、75μgの1と25μgの2、75μgの1と50μgの2、75μgの1と100μgの2、100μgの1と5μgの2、100μgの1と10μgの2、100μgの1と15μgの2、100μgの1と25μgの2、100μgの1と50μgの2、100μgの1と100μgの2、125μgの1と5μgの2、125μgの1と10μgの2、125μgの1と15μgの2、125μgの1と25μgの2、125μgの1と50μgの2、125μgの1と100μgの2、150μgの1と5μgの2、150μgの1と10μgの2、150μgの1と15μgの2、150μgの1と25μgの2、150μgの1と50μgの2、150μgの1と100μgの2、175μgの1と5μgの2、175μgの1と10μgの2、175μgの1と15μgの2、175μgの1と25μgの2、175μgの1と50μgの2、175μgの1と100μgの2、200μgの1と5μgの2、200μgの1と10μgの2、200μgの1と15μgの2、200μgの1と25μgの2、200μgの1と50μgの2、200μgの1と100μgの2、250μgの1と5μgの2、250μgの1と10μgの2、250μgの1と15μgの2、250μgの1と25μgの2、250μgの1と50μgの2、250μgの1及び100μgの2が存在する。
本発明の併用剤を含有する12の適切な用量の上述の例から、2の好ましく用いられた酸付加塩の対応量は容易に計算可能である。
本発明の12の活性物質の併用剤は、吸入により投与することが好ましい。このために、成分12は吸入に適した形で役に立たなければならない。本発明の吸入用製剤としては、吸入用粉末、噴射剤含有定量エアゾール又は噴射剤を含有しない吸入用溶液が含まれる。活性物質12の併用を含有する本発明の吸入用粉末は、活性物質だけ又は活性物質と生理的に許容しうる賦形剤との混合物からなってもよい。本発明の範囲内の担体なる用語は、任意に賦形剤なる用語の代わりに用いられてもよい。本発明の範囲内の噴射剤を含有しない吸入用溶液なる用語には濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液が含まれる。本発明の製剤は、活性物質12の組合わせを1つの製剤で一緒にか又は2つの個別製剤で含有してもよい。本発明の範囲内で用いることができるこれらの製剤は、明細書の次のパートで更に詳述される。
【0011】
A) 本発明の活性物質12の併用を含有する吸入用粉末:
本発明の吸入用粉末は、12だけで又は適切な生理的に許容しうる賦形剤と混合して含有することができる。
活性物質12が生理的に許容しうる賦形剤と混合して存在する場合には、本発明の吸入用粉末を調製するために次の生理的に許容しうる賦形剤を用いることができる:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクロース、サッカロース、マルトース、トレハロース)、オリゴ糖類又は多糖類(例えば、デキストラン)、多価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、シクロデキストリン、(例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、χ-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤相互の混合物。好ましくは単糖類又は二糖類が用いられ、ラクトース、トレハロース又はグルコースの使用が好ましく、特に、全部ではないが水和物の形で用いられる。
本発明の吸入用粉末の範囲内の賦形剤の最大平均粒径は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmである。上記賦形剤に平均粒径が1〜9μmの微細な賦形剤部分を加えることがしばしば適切であると思われることがある。これらの微細な賦形剤は、可能な上記賦形剤の群より選ばれる。最後に、本発明の吸入用粉末を調製するために、平均粒径が、好ましくは0.5〜10μm、更に好ましくは1〜6μmの微粉化活性物質12が賦形剤混合物に添加される。粉砕し微粉化し、最後にそれらの成分を共に混合することにより、本発明の吸入用粉末を製造する方法は、従来技術から既知である。本発明の吸入用粉末は、12も含有する単一粉末混合物の形か又は1又は2のみを含む個別の吸入用粉末の形で調製し投与することができる。
【0012】
本発明の吸入用粉末は、従来技術から既知の吸入器を用いて投与することができる。12に加えて生理的に許容しうる賦形剤を含有する本発明の吸入用粉末は、例えば、米国特許出願第4570630号に記載される計量チャンバを用いて又はドイツ特許出願第36 25 685A号に記載される他の手段によって供給部から一回量を送り出す吸入器によって投与することができる。12を任意に生理的に許容しうる賦形剤と共に含有する本発明の吸入可能な粉末は、例えば、名称Turbuhaler(登録商標)で知られる吸入器を用いて又は、例えば、欧州特許第237507A号に開示される吸入器を用いて投与することができる。好ましくは、12に加えて生理的に許容しうる賦形剤を含有する本発明の吸入用粉末は、例えば、国際出願第94/28958号に記載される吸入器に用いられるカプセル(いわゆるインハレットを製造するために)へ充填される。
インハレットにおいて本発明の薬剤の併用剤を用いるのに特に好ましい吸入器を図1に示す。
カプセルから粉末医薬組成物を吸入させるこの吸入器は、2つの窓2を有するハウジング1、空気注入口があり且つスクリーンハウジング4によって固定されたスクリーン5を備えているデッキ3と、2つの鋭いピン7とスプリング8に対して可動カウンタを備えた押しボタンがあるデッキ3に接続した吸入チャンバ6、及びハウジング1、デッキ3と、ぱっと開いたり閉じたりすることを可能にするスピンドル10によるカバー11に接続したマウスピース12、並びに流動抵抗を調整するエアスルーホール13を特徴とする。
本発明の吸入用粉末を上記好ましい使用のカプセル(吸入器)へ充填する場合には、各カプセルへ充填する量は、1カプセル当たり1〜30mgでなければならない。本発明によれば、これらのカプセルは共にか又は別個に各一回量について上述した12の投与量を含有する。
【0013】
B) 本発明の活性物質12の併用剤を含有する噴射剤ガス駆動吸入エアゾール:
本発明の噴射剤ガスを含有する吸入エアゾールは、噴射剤ガスに溶解した又は分散した形の物質12を含有することができる。12は、個別製剤又は単一製剤で存在することができ、12を両方溶解するか、両方分散させるか又は成分の一方だけを溶解し、もう一方を分散させる。本発明の吸入エアゾールを調製するために用いることができる噴射剤ガスは、従来技術から既知である。適切な噴射剤ガスは、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタンのような炭化水素又はメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロゲン炭化水素より選ばれる。上記噴射剤ガスは、それだけで又は混合物で用いることができる。特に好ましい噴射剤ガスは、TG11、TG12、TG134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)及びTG227(1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン)及びその混合物より選ばれたハロゲン化アルカン誘導体であり、噴射剤ガスTG134a、TG227及びその混合物が好ましい。
本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、補助溶媒、安定剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑沢剤又はpH調整剤のような他の成分を含むことができる。これらの成分はすべて当該技術において既知である。
本発明の噴射剤を含む吸入エアゾールは、5 wt.%までの活性物質1及び/又は2を含有することができる。本発明のエアゾールは、例えば、0.002〜5 wt.%、0.01〜3 wt.%、0.015〜2 wt.%、0.1〜2 wt.%、0.5〜2 wt.%又は0.5〜1 wt.%の活性物質1及び/又は2を含有する。
活性物質1及び/又は2が分散された形で存在する場合には、活性物質粒子の平均粒径は、10μmまで、好ましくは0.1〜5μm、更に好ましくは1〜5μmであることが好ましい。
上記本発明の噴射剤駆動吸入エアゾールは、当該技術において既知の吸入器(MDI = 定量吸入器)を用いて投与することができる。
従って、他の態様においては、本発明は、これらのエアゾールを投与するのに適した1種以上の吸入器と組合わせた上記噴射剤駆動エアゾールの形での医薬組成物に関する。更に、本発明は、本発明の上記噴射剤ガス含有エアゾールを含有することを特徴とする吸入器に関する。本発明は、また、適切な吸入器に用いることができる適切なバルブを備えるとともに本発明の上記噴射剤ガス含有吸入エアゾールの1つを含有するカートリッジに関する。適切なカートリッジ及びこれらのカートリッジを本発明の噴射剤ガスを含有する吸入用エアゾールで充填する方法は従来技術から既知である。
【0014】
C) 本発明の活性物質12の併用剤を含有する噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液:
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液や懸濁液は、例えば、水性又はアルコール溶媒、好ましエタノール溶媒、任意に水性溶媒と混合したエタノール溶媒を含有する。水/エタノール溶媒混合物を用いる場合には、水と比較したエタノールの相対割合は制限されず、最大が70容量%まで、特に60容量%までのエタノールである。残りの容量は水を利用する。12を別個に又は共に含有する溶液又は懸濁液は、適切な酸を用いてpH 2〜7、好ましくは2〜5に調整される。pHは無機又は有機酸より選ばれた酸を用いて調整することができる。特に適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に適切な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸が挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸や硫酸である。活性物質の1種と酸付加塩を既に形成した酸を用いることも可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸、クエン酸が好ましい。所望される場合には、特に酸化する性質のほかに他の性質を、例えば、香味剤、抗酸化剤又は錯化剤としてもつ酸、例えば、クエン酸又はアスコルビン酸の場合に上記酸の混合物を用いることができる。本発明によれば、pHを調整するために塩酸を用いることが特に好ましい。
本発明によれば、安定剤又は錯化剤としてエデト酸(EDTA)又はその既知の塩の1種、エデト酸ナトリウムの添加は本発明に不要である。他の実施態様は、この化合物又はこれらの化合物を含有することができる。好適実施態様においては、エデト酸ナトリウムに基づく含量は100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、更に好ましくは20mg/100ml未満である。一般的には、エデト酸ナトリウムの含量が0〜10mg/100mlである吸入可能な溶液が好ましい。
【0015】
補助溶媒及び/又は他の賦形剤は本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液に添加することができる。好ましい補助溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を有するもの、例えば、アルコール-特にイソプロピルアルコール、グリコール-特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール又はポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。これに関連した賦形剤や添加剤なる用語は、活性物質でなく、活性物質製剤の定性的性質を改善するために生理的に適切な溶媒中で1種又は複数種の物質と配合され得る薬理的に許容しうる物質を示している。好ましくは、これらの物質は、薬理作用がなく、所望の治療に関連して認知できる薬理作用がなく、少なくとも望ましくない薬理作用がない。賦形剤や添加剤としては、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート、ポリビニルピロリドンのような界面活性剤、他の安定剤、錯化剤、最終医薬製剤の寿命を保証又は延長する抗酸化剤及び/又は保存剤、香味剤、ビタミン及び/又は当該技術において既知の他の添加剤が含まれる。添加剤には、また、等張剤として塩化ナトリウムのような生理的に許容しうる塩が含まれる。好ましい賦形剤としては、pH、ビタミンA、ビタミンE、トコフェノロ−ル又はヒト体内で生じる同様のビタミン又はプロビタミンを調整するために既に用いられていなければ、例えば、アスコルビン酸のような抗酸化剤が含まれる。
保存剤は、病原体による汚染から製剤を保護するために用いることができる。適切な保存剤は、当該技術において既知のもの、特に塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸又は安息香酸ナトリウムのような安息香酸塩の従来技術より既知の濃度のものである。上記保存剤は、好ましくは50mg/100mlまで、更に好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在する。
好ましい製剤は、溶媒の水と活性物質12の組合わせに加えて、塩化ベンザルコニウムとエデト酸のみを含有する。他の好適実施態様においては、エデト酸ナトリウムは存在しない。
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液は、特に治療的吸入に適したエアゾールを生じる数秒以内で少量の液体製剤を治療的必要量で噴射させることができる種類の吸入器を用いて投与される。本発明の範囲内の好ましいネブライザは、エアゾールの吸入可能部分が治療的に有効な量に相当するようにして100μl未満、好ましくは50μl未満、更に好ましくは20〜30μlの活性物質溶液の量を、好ましくは1回の噴霧作用で平均粒径が20μm未満、好ましくは10μm未満のエアゾールを形成するように噴射させることができるものである。
【0016】
吸入用液体医薬組成物の定量の噴射剤を含まずに送り出すこの種類の装置は、例えば、国際出願第91/14468号や国際出願第97/12687号(特に図6aと図6bを参照のこと)に記載されている。その中に記載されているネブライザ(装置)はRespimat(登録商標)の名前で知られている。
このネブライザ(Respimat(登録商標))は、活性物質12の併用を含有する本発明の吸入用エアゾールを生じるように有利に用いることができる。形が円筒状であり、便利なサイズの長さが9cm未満から15cmまで、幅が2〜4cmであることから、患者がその装置をどこにでも運ぶことができる。ネブライザによって、吸入用エアゾールを生じるように小さなノズルを通って高圧を用いて一定量の医薬製剤がスプレーされる。
好ましいアトマイザは、本質的にハウジング上部と、ポンプハウジングと、ノズルと、ロッキングメカニズムと、スプリングハウジングと、スプリングと、貯蔵容器とからなり、
- 該ハウジング上部に固定されかつ一端に該ノズル又はノズル配置をもつノズルボディを含むポンプハウジング、
- バルブボディをもつ中空プランジャ、
- 該中空プランジャが固定され且つ該ハウジング上部内にあるパワーテイクオフフランジ、
- 該ハウジング上部内にあるロッキングメカニズム、
- 回転軸受によって該ハウジング上部に回転可能に取り付けられた、スプリングがその中にあるスプリングハウジング、
- スプリングハウジングに軸方向に取り付けられたハウジング下部
を特徴とする。
バルブボディをもつ中空プランジャは、国際出願第97/12687号に開示された装置に対応している。ポンプハウジングのシリンダの中に部分的に突出し、シリンダ内で軸方向に移動可能である。特に図1〜図4、特に図3と説明の関連部分に言及されている。スプリングが作動する時にバルブボディをもつ中空プランジャによって5〜60 Mpa(約50〜600 bar)、好ましくは10〜60 Mpa(約100〜600 bar)が液体、計量の活性物質溶液に高圧の最後に加えられる。1スプレーにつき10〜50μlの容量が好ましくは、10〜20μlの容量が更に好ましく、15μlの容量が最も好ましい。
【0017】
バルブボディは、ノズルボディに面した中空プランジャの端に取り付けられていることが好ましい。
ノズルボディ内のノズルは微細構造であること、即ち、マイクロテクノロジーによって製造されることが好ましい。微細構造バルブボディは、例えば、国際出願第94/07607号に開示され、その明細書の内容、特にその中の図1と、関連がある説明は本願明細書に含まれるものとする。
ノズルボディは、例えば、2枚のシートが一緒に固定されたガラス及び/又はシリコンからなり、少なくとも1枚はノズル入口端をノズル出口端に接続する1以上の微細構造チャンネルを有する。ノズル出口端に深さ2〜10μm(μ)、幅5〜15μm(μ)の少なくとも1つの丸い又は丸くない穴があり、深さ4.5〜6.5μm(μ)、長さ7〜9μm(μ)が好ましい。
ノズル穴が複数、好ましくは2つある場合には、ノズルボディのノズルの噴霧の向きは相互に平行してもよく、ノズル穴の向きに相互に傾斜してもよい。出口端に少なくとも2つのノズル穴をもつノズルボディにおいては、噴霧の向きは相互に20〜160oの角度、好ましくは60〜150oの角度、最も好ましくは80〜100oの角度であってもよい。ノズル穴は、好ましくは10〜200μm(μ)の間隔、更に好ましくは10〜100μm(μ)の間隔、最も好ましくは30〜70μm(μ)で配列している。50μm(μ)の間隔が最も好ましい。それ故、噴霧の向きはノズル穴の領域に適合する。
液体医薬製剤は600 barまで、好ましくは200〜300 barのエントリー圧でノズルボディに当たり、ノズル穴を通って吸入用エアゾールへ噴霧される。エアゾールの好ましい粒子径又は小滴は20μm(μ)まで、好ましくは3〜10μm(μ)である。
ロッキングメカニズムは、機械エネルギーの貯蔵としてスプリング、好ましくは円筒形圧縮コイルばねを有する。スプリングは、ロッキング部分の位置で決まる動きを作動部分としてのパワーテイクオフフランジに作用する。パワーテイクオフフランジの移動は上止め具と下止め具によって正確に制限される。スプリングは、好ましくは、パワーステップアップギア、例えば、ヘリカルスラストギアを介してハウジング上部がハウジング下部のスプリングハウジングに対して回転するときに生じる外部トルクによってバイアスがかかる。この場合、ハウジング上部とパワーテイクオフフランジは単一又は複数のV形ギアを有する。
【0018】
ロッキング面が係合しているロッキング部分は、パワーテイクオフフランジの周りにリングで配列している。例えば、固有に半径方向に弾性的に変形可能であるプラスチック又は金属のリングからなる。リングはアトマイザ軸に対して垂直な角度の面に配列している。スプリングにバイアスがかけられた後、ロッキング部分のロッキング面はパワーテイクオフフランジの通路に移動し、スプリングが緩むのを防止する。ロッキング部分はボタンによって作動する。作動ボタンはロッキング部分に接続又は結合している。ロッキングメカニズムを作動させるために、作動ボタンを環状面に平行に、好ましくはアトマイザの中に移動し、それにより変形可能リングが環状面で変形する。ロッキングメカニズムの構成の詳細は、国際出願第97/20590号に記載されている。
ハウジング下部は、スプリングハウジング上に軸方向に押され、取付部と、スピンドルの駆動部と、液体用貯蔵容器とを包含している。
アトマイザが作動したとき、ハウジングの上部はスプリングハウジングを保持している下部に相対して回転する。それによりスプリングが圧縮し、コイルスラストギアによってバイアスがかけられ、ロッキングメカニズムが自動的に係合する。回転角度は、好ましくは360度の整数部分、例えば、180度である。スプリングにバイアスがかかると同時に、ハウジング上部のパワーテイクオフ部分が一定距離だけ移動し、中空プランジャがポンプハウジングのシリンダー内に引っ張られ、結果として貯蔵容器から液体の一部がノズルの前の高圧チャンバへ吸引される。
所望される場合には噴霧させるべき液体を含有する多くの置換可能貯蔵容器をアトマイザへ次々に押入れ、続けて用いることができる。貯蔵容器は、本発明の水性エアゾール製剤を含有している。噴霧プロセスは、作動ボタンを弱く押圧することにより開始する。結果として、ロッキングメカニズムがパワーテイクオフ部分の通路を開放する。バイアスをかけたスプリングがプランジャを押してポンプハウジングのシリンダーへ入る。液体がアトマイザのノズルから噴霧の形で出る。
【0019】
構成の詳細は、本願明細書に含まれるものとする国際出願第97/12683号と同第97/20590号に開示されている。
アトマイザ(ネブライザ)の部品は、その機能に適した材料から製造されている。アトマイザのハウジングと動作が可能である場合には他の部分もプラスチックから、例えば、射出成形によって製造されることが好ましい。医療用の場合、生理的に安全な材料が用いられる。
国際出願第97/12687号の図6a/bは、本発明の水性エアゾール製剤を吸入させるために有利に使用し得るRespimat(登録商標)ネブライザを示した図である。国際出願第97/12687号の図6aは、スプリングにバイアスがかけられたアトマイザの中の縦断面図であり、国際出願第97/12687号の図6bはスプリングが緩んだアトマイザの中の縦断面図である。
ハウジング上部(51)はポンプハウジング(52)を有し、その端にアトマイザノズルのためのホルダ(53)が取り付けられている。ホルダ内にノズルボディ(54)とフィルタ(55)がある。ロッキングメカニズムのパワーテイクオフフランジ(56)に固定された中空プランジャ(57)がポンプハウジングのシリンダの中に一部突出している。その端に中空プランジャがバルブボディ(58)を備えている。中空プランジャはシール(59)によって密封されている。スプリングが緩んだときにパワーテイクオフフランジが載っている止め具(60)はハウジング上部内側にある。スプリングのバイアスがかけられたときにパワーテイクオフフランジが載っている止め具(61)はパワーテイクオフフランジ上にある。スプリングにバイアスがかけられた後、ロッキング部分(62)は止め具(61)とハウジング上部の支持体(63)との間に移動する。作動ボタン(64)はロッキング部分に接続している。ハウジング上部の端は口金(65)であり、載置し得る保護カバー(66)によって密封されている。
圧縮スプリング(68)をもつスプリングハウジング(67)は、スナップインラグ(69)と回転軸受によってハウジング上部に回転可能に取り付けられている。ハウジング下部(70)は、スプリングハウジングの上に押される。スプリングハウジング内部に噴霧すべき液体(72)の取り替え可能な貯蔵容器(71)がある。貯蔵容器はストッパ(73)で密封され、中空プランジャが貯蔵容器の中に突出し、その端が液体(活性物質溶液の供給部)に浸漬している。
【0020】
機械的カウンタのスピンドル(74)はスプリングハウジングの外側に取り付けられている。駆動ピニオン(75)はハウジング上部に面したスピンドルの端にある。スピンドル上にスライダ(76)がある。
上記ネブライザは、吸入に適したエアゾールを生じる本発明のエアゾール製剤を噴霧させるのに適している。
本発明の製剤を上記方法(Respimat(登録商標))を用いて噴霧させる場合には、吸入器の全動作(スプレー動作)のすべての少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%で追い出される量は、許容する一定量がこの量の25%以下、好ましくは20%に対応しなければならない。好ましくは5〜30mg、最も好ましくは5〜20mgの製剤が各動作に対する一定質量として送り出される。
しかしながら、本発明の製剤は上記以外の吸入器、例えば、ジェットストリーム吸入器又は他の固定ネブライザを用いて噴霧させることもできる。
従って、他の態様においては、本発明は、上記噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形でこれらの製剤を投与するのに適した装置と、好ましくはRespimat(登録商標)と共に組合わせた医薬製剤に関する。好ましくは、本発明は、Respimat(登録商標)の名称で知られる装置と共に本発明の活性物質12の組合わせを特徴とする噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液に関する。更に、本発明は、上記本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液を含むことを特徴とする上記吸入用装置、好ましくはRespimat(登録商標)に関する。
本発明によれば、活性物質12を単一製剤で含有する吸入可能な溶液が好ましい。“単一製剤”なる用語には、例えば、国際出願第00/23037号に開示される2つの成分12を2室カートリッジで含有する製剤が含まれる。この引例の記載は全体で本願明細書に含まれるものとする。
本発明の噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液は、濃縮物又は用時調製吸入用滅菌溶液又は懸濁液、また、Respimat(登録商標)に用いられるように設計された上記溶液や懸濁液の形を取ることができる。用時調製製剤は、例えば、濃縮物から等張生理食塩水を添加することにより作ることができる。用時調製滅菌製剤は、ベンチュリ原理又は他の原理により超音波又は圧縮空気によって吸入用エアゾールを生じる自立型又は携帯型エネルギー作動ネブライザを用いて投与することができる。
従って、他の態様においては、本発明は、濃縮物又は用時調製滅菌製剤の形を取る上記噴射剤を含有しない吸入用溶液又は懸濁液の形で、これらの溶液を投与するのに適した装置と組合わせた医薬組成物であって、該装置がベンチュリ原理又は他の方法による超音波又は圧縮空気によって吸入用エアゾールを生じる自立型又は携帯型エネルギー作動ネブライザであることを特徴とする、前記医薬組成物に関する。
【0021】
製剤の実施例
当該技術において既知である方法に同様にして得ることができる、製剤の以下の実施例は、これらの実施例の内容に限定せずに更に十分に本発明を示すためのものである。
吸入用粉末:
1)

2)

3)

4)




【0022】
5)

6)

7)

8)

【0023】
9)

10)







11)

12)

【0024】
B) 噴射剤含有吸入用エアゾール:
1)

2)

3)

4)

【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】インハレットにおいて本発明の薬剤の併用剤を用いるのに特に好ましい吸入器である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上、好ましくは1つのステロイド1と、下記式2
【化1】

のβ模倣薬とを含む医薬組成物であって、該ステロイド1がエナンチオマー、エナンチオマーの混合物の形で又はそのラセミ体の形でも、その溶媒和物又は水和物の形であってもよく、該式2のβ模倣薬がジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、そのラセミ体又は生理的に許容しうる酸付加塩の形でも、その水和物又は溶媒和物の形であってもよく、薬学的に許容しうる賦形剤を含有していても良い前記医薬組成物。
【請求項2】
活性物質12が共に単一製剤か又は2つの個別製剤で存在することを特徴とする、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
2の化合物が下記式2-en
【化2】

を有するエナンチオマーの形で存在することを特徴とする、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
2の化合物の薬学的に許容しうる塩が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、1-ヒドロキシ-2-ナフタレンカルボン酸、4-フェニルケイ皮酸、マレイン酸、又はその混合物の塩より選ばれることを特徴とする、請求項1、2又は3記載の医薬組成物。
【請求項5】
ステロイド1が、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルトプロピオネート、RPR-106541、フルニソリド、ベクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、ST-126、デキサメタゾン、6α,9α-ジフルオロ-17α-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]−11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-フルオロメチルエステル、及び6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニルオキシアンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸(S)-(2-オキソテトラヒドロフラン-3S-イル)エステルからなる群より選ばれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
化合物1が、ナトリウム塩、スルホベンゾエート、ホスフェート、イソニコチネート、アセテート、プロピオネート、ジヒドロジェンホスフェート、パルミテート、ピバレート又はフロエートの塩又は誘導体の形で存在することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
活性物質12との質量比が、約1:250〜250:1、好ましくは1:150〜150:1の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
吸入に適した製剤の形にあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
吸入用粉末、噴射剤含有定量エアゾール及び噴射剤を含有しない吸入用溶液より選ばれた製剤であることを特徴とする、請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
12を、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、多価アルコール類、塩類又はこれらの賦形剤の混合物より選ばれた生理的に許容しうる適切な賦形剤と共に含有する吸入用粉末であることを特徴とする、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
賦形剤の最大平均粒度が250μmまで、好ましくは10〜150μmであることを特徴とする、請求項10記載の吸入用粉末。
【請求項12】
成分として活性物質12だけを含有する吸入用粉末であることを特徴とする、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項13】
12を溶解又は分散した形で含有する噴射剤含有吸入用エアゾールであることを特徴とする、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項14】
噴射剤ガスとして、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタンのような炭化水素又はメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンの塩素化及び/又はフッ素化誘導体のようなハロゲン炭化水素を含有することを特徴とする、請求項13記載の噴射剤含有吸入用エアゾール。
【請求項15】
噴射剤ガスが、TG11、TG12、TG134a、TG227又はその混合物、好ましくはTG134a、TG227又はその混合物であることを特徴とする、請求項14記載の噴射剤含有吸入用エアゾール。
【請求項16】
5質量%までの活性物質1及び/又は2を含有することができることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1項に記載の噴射剤含有吸入用エアゾール。
【請求項17】
溶媒として水、エタノール又は水とエタノールの混合物を含有する噴射剤を含有しない吸入用溶液であることを特徴とする、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項18】
他の補助溶媒及び/又は賦形剤を含有していてもよいことを特徴とする、請求項17記載の吸入用溶液。
【請求項19】
補助溶媒として、ヒドロキシル基又は他の極性基、例えば、アルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含有する成分を含有することを特徴とする、請求項18記載の吸入用溶液。
【請求項20】
賦形剤として界面活性剤、安定剤、錯化剤、抗酸化剤及び/又は防腐剤、香味剤、薬理学的に許容しうる塩及び/又はビタミンを含有することを特徴とする、請求項18又は19記載の吸入用溶液。
【請求項21】
錯化剤としてエデト酸又はエデト酸の塩、好ましくはエデト酸ナトリウムを含有することを特徴とする、請求項20記載の吸入用溶液。
【請求項22】
炎症性又は閉塞性呼吸器系疾患、特に喘息又はCOPDの治療用薬剤を調製するための請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2007−501194(P2007−501194A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522264(P2006−522264)
【出願日】平成16年7月17日(2004.7.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008023
【国際公開番号】WO2005/013945
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】