説明

ステロイド性CYP17阻害剤/抗アンドロゲン剤の新しいプロドラッグ

改善された経口バイオアベイラビリティと薬物動態とを提供するC−17−複素環式ステロイド性薬物のプロドラッグが記載される。この薬物は、野生型のおよび突然変異体のアンドロゲン受容体(AR)の双方の強力なアンタゴニストと同様に、ヒトCYP17酵素の阻害剤であり、ヒト前立腺癌、乳癌、前立腺肥大などの、泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関係する癌、疾患および/または疾病の処置に役立つ。本開示は、癌治療においてプロドラッグを合成および使用する方法について記載している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2009年2月5日に出願された米国仮出願第61/150,031号の利益を主張する。該出願は、その全体を引用することによって本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、去勢耐性前立腺癌を含む、泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンが関連する癌、疾患および/または疾病の処置のためのステロイドCYP17阻害剤の新規プロドラッグと、これら新規化学成分の合成と、および、泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンが関連する癌、疾患および/または疾病の処置において同じものを使用する方法とを提供する。
【背景技術】
【0003】
前立腺癌(PCA)は、最も一般的な悪性腫瘍であり、世界中の癌による、死の年齢に関連した原因である。肺癌は別にして、PCAは、男性の癌の最も一般的な形態であり、アメリカの男性の第2の主要な死因である。2008年、アメリカでは推定で186,320の前立腺癌の新しい症例が診断されると予測され、約28860人の男性がこの疾患により死亡したと予測され、アフリカ系アメリカ人の男性とアフリカ系ジャマイカ人の男性が世界で最も前立腺癌の発病率が高い(非特許文献1)。
【0004】
アンドロゲンは、PCAの発症、成長、および、進行において重要な役割を果たし(非特許文献2)、これに関し、2つのもっとも重要なアンドロゲンは、テストステロン(90%が精巣で合成され、残り(10%)が副腎で合成される)と、より強力なアンドロゲンであるジヒドロテストステロン(DHT)(主として前立腺内にある酵素ステロイド、5α−還元酵素によってテストステロンが変換されるもの)である(非特許文献3)。
【0005】
Hugginsらは、1941年に進行型で転移性のPCAのための治療として、アンドロゲン誘導体を導入した (非特許文献4)。それ以来、アンドロゲンの切除治療は、PCA患者における多くの設定で最も有益な反応を起こすことが示されている(非特許文献5)。(外科的な、または、GnRHアゴニストを用いた内科的な、のいずれかによる)睾丸摘出は、ほとんどの前立腺癌患者に対する標準的な処置の選択肢であり、精巣によるアンドロゲンの生成を減少させるかまたは除外するが、副腎中のアンドロゲンの合成には影響を与えない。いくつかの研究は、副腎性アンドロゲンの作用を阻害する抗アンドロゲンと睾丸摘出との組み合わせ療法が、PCA患者の生存期間を著しく延長すると報告している(非特許文献6)。
【0006】
Mohlerとその同僚によって取り上げられた最近の記事において(非特許文献7)、テストステロンとジヒドロテストステロンがアンドロゲン受容体を活性化するのに十分なレベルで、再発性のPCA組織で生じるということが明らかに実証された。加えて、同質遺伝子のPCA異種移植モデルのマイクロアレイベースのプロファイリングを使用して、Sawyerとその同僚らは、アンドロゲン受容体mRNAの適度な増加が抗アンドロゲン療法に対する耐性の発現に一貫して関連した唯一の変化であることを明らかにした。したがって、精巣、副腎、および、他の組織中のアンドロゲンの合成を阻害する、強力で特異的な化合物は、PCAの処置にさらに有効であり得る(非特許文献8)。
【0007】
精巣と副腎では、テストステロンの生合成における最後の工程が、連続して生じる2つの重要な反応を含み、両方の反応とも単一の酵素、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ17α−ヒドロキシラーゼ/17,20−リアーゼ(CYP17)によって触媒される(非特許文献9)。P450酵素を同様に阻害する抗真菌剤であるケトコナゾールは、適度なCYP17阻害剤であり、PCAの処置に臨床的に使用されている(非特許文献10)。処置の慎重なスケジューリングは、さもなければ去勢耐性前立腺癌の患者において延長された反応を引き起こすことができるということが報告されている(非特許文献11)。さらに、ケトコナゾールは、フルタミドの退薬にもかかわらず、進行するにつれて、進行性のPCA患者内で活性を維持することが分かっており(非特許文献12)、および、この薬は、肝臓毒性および他の副作用のために、現在では使用が控えられているが、ケトコナゾールの結果は、さらに強力でかつ選択的なCYP17の阻害剤が、進行期にさえあるような、および、ホルモン耐性であると思われる患者の、この疾患を処置するための有用な薬剤を提供することができるということを示している。
【0008】
CYP17の様々な強力なステロイド性の、および、非ステロイド性の阻害剤については、そのうちのいくつかが、げっ歯類モデルにおけるテストステロン産生の強力な阻害剤であると示されている(非特許文献13)。近年では、Jarmanとその同僚らが、前立腺癌の患者における、その最も強力なCYP17阻害剤、アビラテロンのホルモンの影響について記載している(非特許文献14)。いくつかの強力なCYP17阻害剤は、同様に5α−還元酵素を阻害すること、および/または、動物モデルにおいて、強力な抗腫瘍活性を備えた強力な抗アンドロゲンであることが示されている(非特許文献15)。
【0009】
アビラテロンと、Barrie and Jarmanの関連出版物に加えて、Njarらは、特許文献1(メリーランド大学)で、一連の強力なCYP17阻害剤/抗アンドロゲン、17−ベンゾアゾール(benzoazoles)、17−ピリミジノアゾール(pyrimidinoazoles)、および、17−ジアジンを開示した。これらの化合物は、野生型および変異アンドロゲン受容体(AR)の両方の強力なアンタゴニストと同様に、ヒトCYP17酵素の強力な阻害剤である。特に強力なCYP17阻害剤は、それぞれ、300nM、915nM、および、500nMのIC50値を有する、3−β−ヒドロキシ−17−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)アンドロスタ(androsta)−5,16−ジエン(化合物5)、17−(1H−ベンズイミダゾール−1−イル)アンドロスタ−4,16−ジエン−3−オン(化合物6)、および、3−β−ヒドロキシ−17−(5’−ピリミジニル)アンドロスタ−5,16−ジエン(化合物15)を含んでいた。
【0010】
【化1】

【0011】
化合物5、6、および、15は、H−R1881(メチルトリエノロン、安定した合成アンドロゲン)の、変異LNCaP ARと野生型のARへの結合に競合するのに有効であった(後者に対して2.2−5倍の高結合効率を有する)。化合物5および6も、同様に強力な純粋なARアンタゴニストであることが示されており、細胞増殖研究は、化合物5と6が、低マイクロモル濃度領域(すなわち、<10μM)でIC50値を有する、DHTに刺激されたLNCaPおよびLAPC4前立腺癌細胞の成長を阻害するということを示している。それらの阻害能力は、カソデックスのそれに匹敵したが、フルタミドのそれよりは著しく優れていた。
【0012】
マウスにおける化合物5および6の薬物動態は、50mg/kgの化合物5および6の皮下注射投与後に、それぞれ16.82および5.15ng/mLのピーク血漿レベルが30〜60分後に生じ、両方の化合物とも血漿から急速に取り除かれ(それぞれ、44.17および39.93分の終末相半減期)、8時間後では検知できなかった。化合物5は、17−(1H−ベンズイミダゾル−1−イル)アンドロスタ−3−オンであると一時的に同定される代謝物質に急速に変換された。
【0013】
インビボで試験すると、化合物5は、アンドロゲン依存性のLAPC4ヒト前立腺異種移植片の増加の阻害に非常に有効であることが判明し、その一方で、化合物6は有効ではないことが判明した。化合物5投与(50mg/kg、一日2度)は、対照と比較して、平均的な最終の腫瘍容積の93.8%の減少(P=0.00065)をもたらし、それは同様に去勢よりも著しく有効であった。これは、アンドロゲン依存性の前立腺腫瘍成長の抑制において、去勢よりも著しく有効な、抗ホルモン剤(アンドロゲン合成の阻害剤(CYP17阻害剤)/抗アンドロゲン)の第1の実施例であった。これらの素晴らしい抗癌特性を考慮すると、化合物5および類似物は、乳癌、卵巣癌および他の泌尿生殖器癌、または、他のアンドロゲン関連の疾病または疾患と同様に、ヒト前立腺癌の処置に使用されてもよい。
【0014】
化合物の有効性に加えて、経口バイオアベイラビリティは、往々にして、治療薬としての分子の開発に関して考慮すべき重要なことでもある。化合物5の計算された物理的性質は、表1で化合物5について提示されたように、新しい薬物候補に関して、高い経口バイオアベイラビリティ、または、薬のような経口バイオアベイラビリティの可能性の改善を予測するために、例えば、リピンスキーの「ルールオブファイブ(rule of five」(非特許文献16)と、Veberらによって最近提唱された法則(非特許文献17)の両方を満たす。これらのデータは、化合物が経口で生物が利用可能なものでなければならず、そのようなものとして、強固な薬物候補でなければならないということを示す。
【0015】
【表1】

【0016】
しかしながら、いくつかの初期の研究は、化合物5がラットにおいて低経口アベイラビリティ(〜10%)を有していることを示している。リピンスキーの法則に基づいて、化合物5は、より高いcLogP値(すなわち、>5)を有しており、このことが、多くのステロイドで典型的なように、経口バイオアベイラビリティに乏しい研究結果の主な理由とされる。薬物の経口投与は一般に好ましいので、WO2006/093993で示された他の化合物と同様に、化合物5によって例証されたステロイドの経口バイオアベイラビリティを改善する方法を見つけることが重要である。
【0017】
さらに、優れた投与計画と、単回投与での標的への薬物の一貫した送達とによって、血清の半減期を延長してCmaxを遅れさせるような化合物の構造の修飾が望ましい。
【0018】
本発明のさらなる背景は、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および、特許文献5に含まれる。
【0019】
本明細書で引用される全ての参考文献は、全体として参照することによって組み入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】公開国際特許出願WO2006/093993号
【特許文献2】米国特許第5,604,213号(Barrie et al)
【特許文献3】米国特許第5,994,335号(Brodie et al)
【特許文献4】米国特許第6,200,965号(Brodie et al)
【特許文献5】米国特許第6,444,683号(Brodie et al)
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】American Cancer Society − Cancer Facts and Figures 2008)
【非特許文献2】McConnell,J.D.,Urol.Clin.North Am.,1991,18: 1−13
【非特許文献3】Bruchovsky, N. et al.,J. Biol. Chem., 1968, 243,2012−2021
【非特許文献4】Huggins, C. et al., Arch. Surg., 1941, 43, 209−212
【非特許文献5】Denmeade, S. R. et al., Nature Rev. Cancer, 2002, 2:389−396
【非特許文献6】Crawford, E. D. et al., New Engl. J. Med., 1989, 321, 419−424; Crawford, E. D. et al., J. Urol., 1992, 147: 417a; and Denis, L., Prostate, 1994, 5 (Suppl.), 17s−22s
【非特許文献7】Mohler,J.L.et al.,Clin.Cancer Res., 2004, 10, 440−448
【非特許文献8】Njar, V.C.O.and Brodie,A.M.H.,Current Pharm.Design,1999,5:163−180
【非特許文献9】Hall,P.F.,J.Steroid Biochemmolec. Biol.,1991,40, 527−532
【非特許文献10】Trachtenberg, J. et al., J. Urol. 1983, 130, 152−153
【非特許文献11】Muscato, J. J. et al., Proc。 Am. Assoc. Cancer Res., 1994, 13:22 (Abstract)
【非特許文献12】Small, E. J. et al., J. Urol., 1997, 157, 1204−1207
【非特許文献13】Njar and Brodie, op. cit.
【非特許文献14】O‘Donnell, A. et al., Br. J. Cancer, 2004, 90:2317−2325
【非特許文献15】Njar and Brodie, op. cit., and Long, B. J. et al., Cancer Res.,2000, 60, 6630−6640
【非特許文献16】Lipinski,C.a.,J Pharmacol Toxicol Methods 2000,44,(1),235−49
【非特許文献17】Veber,D.F.et al.,J Med Chem 2002,45,(12),2615−23
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
幾つかの実施形態では、本発明は、以下の式Iの化合物を考慮し、
【0023】
【化2】

ここで、ABCの環状構造は、各位置において、独立的に随意に置換され、ABCの環状構造の隣接する炭素原子上の水素置換基が、随意に除去されるか、および、隣接する炭素原子間のπ結合と置き換えられ、
YはZ−L−C(=O)O−であり、
Xは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾール基である、随意に置換された複素環であり、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾール基は、複素環の5員環上の窒素原子を介してC17位置に結合され、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、または、ピリダジン基は、複素環の炭素原子を介してC17位置に結合され、
Lは、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールであり、そのいずれかは、随意に環式であるか、または、Zとともに環を形成し、Lは、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、および、メルカプタンの1つ以上によって随意に置換され、および、
Zは、正常な生理学的条件下で荷電される荷電基であり、荷電基はスルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシル基であるか、
または、
Xは随意に置換されたピリジン基であり、
Lは、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールであり、そのいずれかは、随意に環式であるか、または、Zとともに環を形成し、Lは、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルアミノ、および、メルカプタンの1つ以上によって随意に置換され、および
Zは正常な生理学的条件下で荷電される荷電基であり、荷電基は、式(R)−の第四級アンモニウム基であり、ここで、各々のR基は、独立してC−C−分枝アルキル、C−C直鎖アルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、ヘテロアリールであり、あるいは、2つ以上のR基がともに、環、スルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシル基、または、薬学的に許容可能なそれらの塩を形成するか、
のいずれかである。
【0024】
幾つかの実施形態では、本発明は、治療上有効な量の本発明の1つ以上の化合物と、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、充填剤、結合剤、フロー剤、離型剤、担体、または、希釈剤とを含む医薬組成物について考慮している。
【0025】
幾つかの実施形態では、本発明は、処置方法を必要としているか、または、それを欠いている被験体の癌または泌尿生殖器の疾患を処置する方法について考慮しており、該方法は、本発明の治療上有効な量の化合物を被験体に投与する工程を含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、本発明は、処置方法を必要としているか、または、それを欠いている被験体の癌または泌尿生殖器の疾患を処置する方法について考慮しており、該方法は、ホルモン療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、または、手術と組み合わせて、本発明の治療上有効な量の化合物を被験体に投与する工程を含む。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で用いられるように、以下の用語は、別段の定めがない限り、以下の定義を有する。
【0028】
アルキルは、C−C12−直鎖状の、C−C12−分枝状の、または、C−C12−環状の基であり、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、スルフヒドリル、メチルメルカプト、エチルメルカプト、フッ素、塩素、臭素、ヨード、アリール、および、ヘテロアリールの1つ以上によって各位置で独立的に随意に置換される。
【0029】
アリールは、単環式または多環式の芳香族系である。アリールの非限定的な例は、フェニル、ナフチル、インデニル、フルオレニル、フェナトレニル、および、アズレニルを含む。アリールは、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、スルフヒドリル、メチルメルカプト、エチルメルカプト、フッ素、塩素、臭素、ヨード、オキソ、および、ヘテロアリールの1つ以上によって、各位置で独立的に随意に置換される。幾つかの実施形態では、アリール基は5から10の環原子を含む。
【0030】
ヘテロアリールは、少なくとも1つの環状のヘテロ原子を有する少なくとも1つの芳香環を含む単環式または多環式の芳香族系であり、ヘテロ原子は、窒素、酸素または硫黄である。ヘテロアリールは、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、スルフヒドリル、メチルメルカプト、エチルメルカプト、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、オキソ、および、アリールによって、各位置で独立的に随意に置換される。ヘテロアリール基の非限定的な例は、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾール(pyrrazole)、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、インドール、カルバゾール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン(benzothiphene)、ベンズチアゾール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、シンノリン、および、フタラジンを含む。幾つかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5から12の環原子を含む。
【0031】
アルキルアリールは、アリール基(例えば、トリル)を介して遠位で付着するアルキル基である。
【0032】
アラルキルは、アルキル基(例えば、ベンジル)を介して遠位で付着するアリール基である。
【0033】
ポリアルコキシルは、ポリ(プロピレングリコール)またはポリ(エチレングリコール)であり、ここで、モノマーは2−100回繰り返され、ここで、そのようなポリアルコキシは、繰り返し単位の正確な範囲によって(例えば、35−40)、繰り返し単位の封筒型分布の標的ピークによって(例えば、PEG5000から114)、または、溶解度あるいは物理的性質のための選択によって、定義されてもよく、ここで、そのような基は、アルキル基(メトキシ−PEG5000に関してMPEG5000)またはフェニル(ポリアルコキシルアリールなどの)のアリール基によって随意に「キャッピングされる(capped)」。
【0034】
本明細書で使用されるようにステロイドコア(steroid core)のナンバリングは以下のようにする。
【0035】
【化3】

【0036】
本発明は、有効な治療薬の経口バイオアベイラビリティおよび薬物動態を改善するために、プロドラッグ(送達特性を強化するため、および、身体中の親化合物に予測可能で一貫したやり方で変換するために設計された親化合物の修正版または前駆物質)の使用について考慮している。本発明は、ステロイド性のC−17複素環のプロドラッグと、泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関係する癌、疾患、および、疾病を処置するために、同プロドラッグを合成および使用する方法とを提供する。
【0037】
幾つかの実施形態では、本発明のプロドラッグは、化合物の「A」環上の3−炭素にプロドラッグ基を含む。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基はエステル結合を含む。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基はエステル結合によってA環に付着させられる。幾つかの実施形態において、プロドラッグ基は、荷電基を備える。荷電基は正常な生理学的条件下で荷電される基である。荷電基の非限定的な例は、トリアルキルアンモニウム基、第四級アンモニウム基、スルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシル基を含む。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は、近くの電子求引性基の反響および/または誘起効果によって酸性になる。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は、近くの電子求引性基の共鳴および/または誘起効果によって酸性にされ、酸性のヒドロキシル基は、近くの電子求引性基を欠く類似するヒドロキシル基よりも酸性である。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は水よりも酸性である。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基はフェノールである。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は水中で実質的な負電荷を有する。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は水中でアルコキシドとして実質的に存在する。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は生理液中で実質的な負電荷を有する。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は、正常な生理学的条件下で実質的な負電荷を有する。幾つかの実施形態では、酸性のヒドロキシル基は、正常な生理学的条件下でアルコキシドとして実質的に存在する。いくつかの実施形態では、正常な生理学的条件は、生物に固有の条件である。
【0038】
幾つかの実施形態では、荷電基は、連結基によってエステル結合に結合される。幾つかの実施形態では、連結基は、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールである。幾つかの実施形態では、連結基は環状である。幾つかの実施形態では、連結基は、荷電基とともに環を形成する。幾つかの実施形態では、連結基は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルアミノ、および、メルカプタンの1つ以上によって随意に置換される。
【0039】
幾つかの実施形態では、プロドラッグ基は、第四級アンモニウム種、例えば、ベタイン、カルニチン、および、コカミドプロピルベタイン(CAPB)である。いくつかの実施形態では、プロドラッグ基は、オキシカルボニルアルキルホスホネート(oxycarbonylalkylphosphonate)、オキシカルボニルアルキルスルフォナート、または、シリンガ酸、あるいは没食子酸などのフェノールカルボキシレート(phenolic carboxylate)、または、任意のそのような化合物の薬学的に許容可能な塩である。本発明は、同様に、これらの化合物の合成アナログについて熟考している。幾つかの実施形態では、合成アナログはバイオアベイラビリティを改善した。幾つかの実施形態では、合成アナログは薬物動態を改善した。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基は、薬物を提供するためにインビボで細分化する。
【0040】
幾つかの実施形態では、プロドラッグは一連の生理学的条件下で細分化する。幾つかの実施形態では、プロドラッグを細分化する一連の生理学的条件は一般的なものである。幾つかの実施形態では、プロドラッグを細分化する一連の生理学的条件は、プロドラッグを同定するために特異的である。幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件はpHを含む。
幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件は温度を含む。幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件は代謝を含む。幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件は加水分解を含む。幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件は触媒作用を含む。幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件は酵素活性を含む。幾つかの実施形態では、一連の生理学的条件は酸化または還元を含む。
【0041】
幾つかの実施形態では、ABCの環状構造のための随意の置換は、C−Cアルキル、ハロゲン化されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、ハロゲン化されたC−Cアルケニル、ハロゲン、アミノ、アミノアルキレン、ヒドロキシイミノ、または、ヒドロキシの1つ以上を含む。幾つかの実施形態では、アルケニル基はアルケニル基のsp炭素によってABCの環状構造に結合される。幾つかの実施形態では、アルケニル基はアルケニル基のsp炭素によってABCの環状構造に結合される。幾つかの実施形態では、ABCの環状構造の隣接する炭素原子上の水素置換基は、除去され、および、隣接する炭素原子間のπ結合によって置換される。
【0042】
幾つかの実施形態では、D環に付着した、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾールの官能基は、ハロゲン、アミノ、アミノアルキレン、ヒドロキシ、−SHおよび−SC−Cアルキル、C−Cアルキルおよびハロゲン化されたC−Cアルキルの1つ以上により随意に置換される。
【0043】
幾つかの実施形態では、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、および、ピリミジノトリアゾール基は、それぞれ以下の通りである。
【0044】
【化4】

【0045】
1つの実施形態では、C環置換はC13メチル基からなる。
【0046】
いくつかの実施形態において、化合物は、以下の1つである。
【0047】
【化5】

【0048】
CYP17およびステロイド5α−還元酵素を阻害する化合物5とアビラテロンの能力、アンドロゲン受容体との結合とアンドロゲン受容体のトランス活性化、および、2つのヒト前立腺癌株化細胞(LNCaPおよびLAPC−4)に対する抗増殖性効果について、研究され、国際公開公報WO2006/093993号、および、Potter et al.(Potter,G.a.,et al.,J.Med.Chem.,1995,38,2463−2471)で報告された。国際公開公報WO2006/093993号は、マウスにおける模式図1の化合物5および6の薬物動態と、マウスにおけるヒトLAPC−4前立腺癌に対するインビボの抗腫瘍活性の評価についても報告した。これらの参考文献は、全体として参照することによって組み入れられる。
【0049】
1つの実施形態では、この本発明のプロドラッグは、薬学的に許容可能なプロドラッグ基を含む。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基は、正常な生理学的条件下では不安定な1つ以上の結合によって薬物に付着する。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基は、薬物に対する改善された経口バイオアベイラビリティおよび薬物動態を与える。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基は式Iの化合物のY位置に組み込まれる。
【0050】
幾つかの実施形態では、 式Iの化合物は、以下のものである。即ち、
【0051】
【化6】

ここで、Rは、H、アルキル、アルキルアリール、メルカプトアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルカルボキシル、カルボキシアルキル、アルキルアミド、アミドアルキル、または、天然あるいは非天然のアミノ酸に由来する他の基であり;Rは、各々の発生時、独立して、C−Cアルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、ピリジル、ベンジルまたはアルコキシアルキルであり、ここで、各々のR基は環を形成するために別のR基とつながっていてもいなくてもよく、nは1から50であるか、または、その立体異性体、あるいは、薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施形態では、nに対する値は、改善された薬物動態の特性のために選択される。
【0052】
1つの実施形態では、式Iの化合物は、以下の通りである:
【0053】
【化7】

【0054】
幾つかの実施形態では、プロドラッグ基の置換はプロドラッグのpKaを調節するために修正される。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基の置換はプロドラッグが吸着、分布、代謝および/または排泄の所望の点で荷電状態で存在するように、プロドラッグのpKaを調節するために修正される。
【0055】
1つの実施形態では、 式Iの化合物は、以下のものである:
【0056】
【化8】

【0057】
幾つかの実施形態では、プロドラッグ基の置換は、プロドラッグのpKaを調節するために修正される。幾つかの実施形態では、プロドラッグ基の置換は、吸着、分布、代謝および/または排泄の所望の点にプロドラッグが荷電状態で存在するように、プロドラッグのpKaを調節するために修正される。
【0058】
幾つかの実施形態では、式Iの化合物は、以下の通りである。
【0059】
【化9】

ここで、nは0から50である。幾つかの実施形態では、フルオロアルカノールのpKaが生理学的な範囲内であるように、nの値が選ばれる。
【0060】
幾つかの実施形態では、式Iの化合物は、以下の通りである。
【0061】
【化10】

ここで、nは0から50である。幾つかの実施形態では、フルオロアルカノールのpKaが生理学的な範囲内であるように、nの値が選ばれる。
【0062】
いくつかの実施形態は、本発明の薬学的に許容可能な塩について熟考する。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、例えば、対応する塩形態を提供するために、酸、ヘミ酸(a hemi−acid)、または、塩で本発明の化合物を処理することによって、生成される。薬学的に許容可能な塩の非限定的な例は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、リン酸塩、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、ピコリン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メチレンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、テトラフルオロ硼酸塩、テトラフェニルホウ酸塩、および、ヘキサフルオロリン酸塩を含む。
【0063】
<典型的な化合物の調製>
17−ベンゾアゾール(benzazole)および17−ジアジンの調製は、本明細書に記載されている他のアナログに類似して適用可能なこれらの方法で、本明細書で概説される。
【0064】
17−ベンザゾール(benzazole),3β−アセトキシ−17−クロロ−16−ホルミルアンドロスタ(formylandtrosta)−5,16−ジエン(2)合成における鍵となる中間体は、事前に記載されたような通常の手順によって得られた(Njar, V. C. O. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett.,1996,6,2777−2782,and Njar, V. C. O. et al, J.Med.Chem.,1998,41,902−912)。約80℃のDMF中のKCOの存在下におけるベンズイミダゾールによる化合物2の処置は、定量的収率に近い、所望の3β−アセトキシ−17−1H−ベンズイミダゾール(3)を与えた。化合物3は、N−メチルピロリジノン内の活性炭上の10%パラジウムで穏やかに脱ホルミル化(deformylated)することによって、93%収率で化合物4を得て、該加工物から加水分解によって、必要とされる3β−ヒドロキシ−17−ベンズイミダゾール(5)を得る。
【0065】
【化11】

【0066】
化合物5の修正済のオッペナウアー酸化(Oppenauer oxidation)は、対応するΔ−3−オキソのアナログ(6)を与えた。
【0067】
約80℃のDMF中のKCOの存在下におけるベンゾトリアゾールによる化合物2の反応は、優れた収率で所望の3β−アセトキシ−17−ベンゾ−1H−1,2,3−トリアゾール(7b)を、約5%の収率で2H−1,2,3−トリアゾール位置異性体(7a)とともにもたらす。これらの2つの位置異性体は、シリカゲル上でフラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)によって容易に分離され、それぞれの陽子NMRスペクトルによって容易に確認された。したがって、対称の2H−1,2,3−トリアゾール(7a)の4つの芳香族陽子は、δ7.43、7.45、7.88、および、7.90で二組の二重線として現われた。その一方で、非対称の1H−1,2,3−トリアゾール(7B)の4つの芳香族陽子は、δ7.46(2H)で多重線として、および、δ7.57(1H)と8.15(1H)でそれぞれ二重線として現われた。加えて、化合物7a中の16のCHO陽子は、δ9.59での化合物7b中のそれと比較して、δ10.66へと著しく低磁場に移動した。キシレンを還流させる際のRh(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)Cl触媒[Rh(dppp)Cl]のインサイツでの生成による化合物7bの脱ホルミル化は、化合物8をもたらし、3β−アセトキシ基の加水分解は、90%の収率で標的の3β−ヒドロキシ−17−(ベンゾ−1H−1,2,3−トリアゾル−1−イル)アンドロスタ−5,16−ジエン(9)を提供した。
【0068】
【化12】

【0069】
Potterらによって記載されたように(Potter,G.A.et al.,Org.Prep.Proc.Int.,1997,29,123−1280)、17−ジアジン、17−ジアジン(14)、および、17−ピリミジン(15)の合成は、容易に利用可能なデヒドロエピアンドロステロン(化合物11)から始まり、これはヒドラジン水和物と硫酸ヒドラジンの処理によって対応する17−ヒドラゾン(12)に変換された。1,1,3,3−テトラメチルグアニジンの存在下でのヨウ素による化合物12の処理は、優れた収率でビニル17−ヨウ化物(13)を与えた。(2−トリブチルスタンニル)ピラジンまたは(5−トリブチルスタンニル)ピリミジンによる、化合物13のパラジウム触媒クロスカップリング反応(Choshi,T.et al.,J.Org.Chem.,1995,60,5899−5904)が進むことによって、3β−ヒドロキシ−17−(2−ピラジル)−アンドロスタ−5,16−ジエン(14)(15%)と3β−ヒドロキシ−17−(5−ピリミジニル)−アンドロスタ−5,16−ジエン(15)(10%)をそれぞれ得た。
【0070】
【化13】

【0071】
標的化合物14および15の同一性は、それらの陽子NMRスペクトルによって容易に同定された:化合物14中の17−ピラジン部分の3つの非等価な陽子は、δ8.35、8.48および8.70で3つの一重線として現われ、一方で、化合物15中の17−ピリミジン部分の3つの陽子は、δ8.73(2H)およびδ9.07(1H)で2つの一重線として現われる。さらに、化合物14と15の17−ジアジン基は、前駆物質Δ16−17−ヨウ化物13の化学シフトに対して、対応する16−オレフィン陽子の化学シフトへの異なる影響を示す:化合物14中の16−Hは、δ6.77で一重線として現われ、化合物13中の16−Hと比較して著しく反遮蔽であり(deshielded)(δ6.14)、化合物15中の16−Hは、δ6.11で現れ、化合物13に類似している。化合物15は、Haidarら(Haidar, S.et al., Arch.Pharm.Med.Chem.,2001,334,373−374)によって以前に報告されており、その生物活性と薬理活性についても記載されている(Haidar, S. et al.,J. Steroid Biochemmolec.Biol.,2003,84,555−562)。
【0072】
アビラテロンは文献(Potter, G.A. et al.,J.Med.Chem.,op.cit.)に記載のように準備されてもよい。
【0073】
開示されたプロドラッグの合成は、提供された実施例が本開示によって熟慮される全ての化合物に適用可能であるという了解のもとで本明細書に示されている。
【0074】
本発明は、同様に、薬学的に許容可能な担体と本明細書に開示された化合物の1以上とを含む医薬組成物を提供する。適切な薬学的に許容可能な担体は、例えば、ビヒクル、アジュバント、賦形剤、および、希釈剤を含む。
【0075】
本発明は、同様に、本発明の治療上有効な量の化合物を、それを必要としているまたは望んでいる被験体に投与することによって、泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関連する癌、疾患、および/または、疾病(乳癌、前立腺癌(例えば、前立腺腺癌)、他の泌尿生殖器癌、前立腺肥大(BPH)、および/または、他のアンドロゲン関連の疾患および/または疾病を制限なく含む)を処置する方法も提供する。その処置は予防的(細胞障害を間もなく示すと予測される被験体でのような、完全な抑制を含む、細胞障害の発症の抑制の任意の程度を指す)なものであってもよく、または、治療的(被験体(例えば、ヒト)の障害または疾病に対する抑制の任意の程度または有意な効果の任意の程度を指す(例えば、腫瘍または循環腫瘍細胞の成長または転移の抑制))なものであってもよい。疾患の症状または進行の継続的な抑制が化合物の継続投与によって達成される維持療法についても、この発明によって熟慮される。処置可能な前立腺疾患の実施例は、例えば、前立腺肥大(BPH)、または、前立腺癌(例えば、前立腺腺癌)を含む。
【0076】
癌の症状の非限定的な例は、以下のものを含む:腫瘍、持続性の咳、血の唾液、排便習慣の変化、血便、貧血、胸または睾丸のしこりを含むしこり、体の排泄物、排尿習慣の変化、放尿時の疼痛あるいはヒリヒリとした痛み(burning)、前立腺拡大、血尿、肥大した腺、疣贅、奇胎、性器出血、意図的でない体重増加または減少、持続性のかゆみ、持続的な皮膚の変色、治癒できない痛み、頭痛、背中または骨盤などの疼痛または不快感、腹部仙痛などの痙攣、脱力感、および、食欲不振である。
【0077】
被験体(例えば、ラット、ウサギ、イヌ、または、ヒトなどの哺乳動物)に、本発明の化合物を投与する方法は、当該技術分野で知られている。1以上の経路が特定の組成物を投与するために使用されてもよいが、特定の経路は別の経路よりも、即効性の有効な結果を与えることができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は経口投与のために処方される。幾つかの実施形態では、組成物は、適切なビヒクル中の化合物の懸濁剤を含む。経口投与のための非限定的なビヒクルの実施例は、リン酸緩衝食塩水(PBS)、水中の5%デキストロース(D5W)、1%カルボキシメチルセルロース(CMC)、および、シロップを含む。幾つかの実施形態では、組成物は、貯蔵と投与の期間にわたって投与量の一貫性を安定させるために処方される。幾つかの実施形態において、組成物は溶液を含む。幾つかの実施形態では、溶液は、希釈剤に溶解した有効な量の1以上の化合物を含む。希釈剤の非限定的な例は、水、生理食塩水、および、緩衝液を含む。幾つかの実施形態では、組成物は固形の剤形を含む。幾つかの実施形態では、固形の剤形は、カプセル、カプレット、トローチ(lozenge)、匂い袋(a sachet)、または、タブレットを含む。幾つかの実施形態では、固形の剤形は液体を充填した剤形である。幾つかの実施形態では、固形の剤形は固体を充填した剤形である。幾つかの実施形態では、固形の剤形は固体を充填したタブレット、カプセルまたはカプレットである。幾つかの実施形態では、固体を充填した剤形は粉末を充填した剤形である。幾つかの実施形態では、固形の剤形は、微粒子化した粒子状物質、固体または果粒剤の形状をしている化合物を含む。いくつかの実施形態において、組成物はエマルションである。幾つかの実施形態では、エマルションは、界面活性剤の特性によって特徴付けられる本発明の化合物を含む。
【0079】
幾つかの実施形態では、固形の剤形は、ラクトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、コーンスターチ、じゃが芋澱粉、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、薬学的に許容可能な賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、香味剤、担体、および、結合剤の1以上を含む。幾つかの実施形態では、固形の剤形は、固形の剤形の製造、処理、または、安定性を手助けする1以上の材料を含む。幾つかの実施形態では、トローチは香味剤を含む。本発明に役立つ賦形剤の非限定的な例は、スクロース、アカシアゴム、トラガカントゴム、菱型の錠剤(pastille)、不活性基剤、ゼラチン、グリセリン、スクロースエマルション、アカシアエマルション、および、ゲルを含む。幾つかの実施形態では、固形の剤形はコーティングされる。幾つかの実施形態では、コーティング剤は、消化管中の化合物の吸収を改善する。コーティングの非限定的な実施例は、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸フタル酸ポリビニル(CVAP)、および、修正されたそのコーティング剤を含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、組成物はエアロゾルである。幾つかの実施形態では、エアロゾルは、吸入を介して投与される。幾つかの実施形態において、エアロゾルは、1以上の噴霧剤(propellants)を含む。噴霧剤の非限定的な実施例は、ジクロロジフルオロメタン、ハイドロフルオロカーボン(HFC 134aおよび/または227など)、および、窒素を含む。
【0081】
幾つかの実施形態では、化合物は、経口、非経口、経腸、腹腔内、局所用、経皮的、眼用、鼻用、局在性、非経口、エアロゾル、噴霧、吸入、皮下、静脈内、筋肉内、頬側、舌下腺、直腸的、膣内、動脈内、または、鞘内の、経路によって投与される。幾つかの実施形態では、投与量は、経口、非経口、経腸、腹腔内、局所用、経皮的、眼用、鼻用、局在性、非経口、エアロゾル、噴霧、吸入、皮下、静脈内、筋肉内、頬側、舌下腺、直腸的、膣内、動脈内、または、鞘内の、経路によって投与される。幾つかの実施形態では、化合物は、PBS、D5W、または、炭水化物ベースのシロップ中の懸濁剤として投与される。
【0082】
幾つかの実施形態では、投与量は、PBS、D5W、または、炭水化物ベースのシロップ中の懸濁剤として投与される。
【0083】
幾つかの実施形態では、被験体に投与される投与量が有効量である。幾つかの実施形態では、有効量とは、治療上有用な時間枠内で被験体において治療効果を与えるものである。幾つかの実施形態では、有効量は、治療上有効な量の化合物を含む。幾つかの実施形態では、治療上有効な量とは、治療上有用な時間枠内で被験体の治療効果を与えるものである。特定の投与量レベルおよび投与頻度は、活性、代謝安定性、バイオアベイラビリティ、排泄速度、生物学的半減期、および、化合物の投与のモードと時間;被験体の年齢、体重、健康状態、性、食事、および、身体的な特性と健康的な特性;および、癌または他の疾患あるいは疾病の重症度、を含む様々な因子の影響を受ける。
【0084】
任意の有効な量の化合物が投与されてもよい。幾つかの実施形態では、投与量は有効な量の化合物を含む。幾つかの実施形態では、投与量は一日に一度投与される。幾つかの実施形態では、投与量は二度以上投与される。幾つかの実施形態では、投与量は約1mg/日より大きい。幾つかの実施形態では、投与量は約5mg/日より大きい。幾つかの実施形態では、投与量は約10mg/日より大きい。幾つかの実施形態では、投与量は約25mg/日より大きい。幾つかの実施形態では、投与量は約50mg/日より大きい。幾つかの実施形態では、投与量は約100mg/日より大きい。幾つかの実施形態では、投与量は約5000mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約4000mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約3000mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約2500mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約2000年mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約1500mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約1000mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は約500mg/日未満である。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約500mgから約1200mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約500mgから約1500mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約1mgから約5000mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約5mgから約4000mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約10mgから約3000mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約25mgから約2000mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約50mgから約2500mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約100mgから約2000mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約100mgから約1000mgまでである。幾つかの実施形態では、投与量は1日当たり約100mgから約500mgまでである。
【0085】
1つの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約0.01から100mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約0.05から約50mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約0.1から約40mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約0.25から約30mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約0.5から約20mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約0.75から約15mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約1から約10mg/kgである。幾つかの実施形態では、投与量は、1日当たり被験体の体重の約2から約5mg/kgである。
【0086】
幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.01%より大きな濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.025%より大きな濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.05%より大きな濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.075%より大きな濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.1%より大きな濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約25%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約20%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約15%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約10%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約7.5%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約5%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約3%未満の濃度をしている。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.01%から約25%の濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.025%から約20%の濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.05%から約15%の濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.02%から約5%の濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約0.1%から約3%の濃度である。幾つかの実施形態では、組成物は、化合物の質量の約10%から約80%の濃度である。
【0087】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物は単独で投与される。幾つかの実施形態では、化合物は、1つ以上の他の成分、例えば、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、希釈剤とともに投与される。幾つかの実施形態では、化合物は他の癌の処置と組み合わせて用いられる。幾つかの実施形態では、本発明の化合物は、例えば、ホルモン療法、化学療法、放射 線療法、免疫療法、および/または、手術などの既知の癌の処置の一部として、または、これらの癌の処置と組み合わせて使用される。1つの実施形態では、1以上の化合物が1以上の追加薬剤と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、追加薬剤は薬物である。いくつかの実施形態では、追加薬剤はホルモンである。本発明のプロドラッグと組み合わせて使用するための薬物および/またはホルモンの非限定的な実施例は、フルタミドとニルタミドなどの抗アンドロゲン;アビラテロンなどの別のCYP17阻害剤;ロイプロリド、ゴセレリン、および、ブセレリンなどの黄体ホルモン放出ホルモンアゴニスト;および、副腎がケトコナゾールやアミノグルテチミドなどのアンドロゲンを作るのを防ぐ薬物;および、エストロゲンを含む。抗癌剤の非限定的な実施例は、シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシル(5−FU)、ドキソルビシン、カルボプラチン、カルマスティン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、プロカルバジン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン・ミトキサントロン、クロロデオキシアデノシン、シタラビン、フルダラビン、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、6−チオグアニン、ペントスタチン、エトポシド、ゲムシタビン、ステロイドクリーム剤、コルチコステロイド、プレドニゾン、および、デキサメタゾンを含む。
【0088】
この発明の化合物は、処置を担当する医師によって決定されるように、いつでも被験体に投与されてもよい。幾つかの実施形態では、化合物は、癌のステージII、ステージIII、および、ステージIVの1以上の間に投与される。幾つかの実施形態では、化合物は、泌尿生殖器および/またはアンドロゲンに関連する疾患または疾病の進行期に投与される。
【0089】
本開示の実施形態は、制限なく説明のために与えられる。
【0090】
幾つかの実施形態では、本発明は、式Iの化合物を与える。
【0091】
【化14】

ここで、ABCの環状構造は、各位置で独立して随意に置換され、ABCの環状構造の隣接した炭素原子上の水素置換基は、随意に除去され、隣接する炭素原子間のπ結合によって置き換えられ;
YはZ−L−C(=O)O−であり、および、
Xは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾール基である、随意に置換された複素環であり、ここで、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾール基は、複素環の5員環上の窒素原子を介してC17位置へ結合され、ピリジン、ピラジン、ピリミジンまたはピリダジン基は、複素環の炭素原子を介してC17位置へ結合され、
Lは、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールであり、そのいずれかは、随意に環式であるか、または、Zとともに環を形成し、ここで、Lは、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、および、メルカプタンの1以上によって随意に置換され;および、
Zは正常な生理学的条件下で荷電される荷電基であり、ここで、荷電基は式(R)−の第四級アンモニウム基であり、ここで、各々のR基は、独立してC−C−分枝アルキル、C−C直鎖アルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、ヘテロアリールであり、または、2以上のR基はともに、環、スルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシル基あるいはその薬学的に許容可能な塩を形成するか、
または、
Xは随意に置換されたピリジン基であり、
Lは、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールであり、そのいずれかは随意に環式であるか、または、Zとともに環を形成し、ここで、Lは、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルアミノ、および、メルカプタンの1以上により随意に置換され、および、
Zは、正常な生理学的条件下で荷電される荷電基であり、ここで、荷電基は式(R)−の第四級アンモニウム基であり、ここで、各々のR基は、独立してC−C−分枝アルキル、C−C直鎖アルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、ヘテロアリールであり、2つ以上のR基は、ともに、環、スルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシルあるいはその薬学的に許容可能な塩を形成するか、のいずれかである。
【0092】
幾つかの実施形態では、Xは、ハロゲン、アミノ、アミノアルキレン、ヒドロキシ、−SH、および、−SC−C−アルキル、C−C−アルキル、および、ハロゲン化されたC−C−アルキルの1以上によって随意に置換される。
【0093】
幾つかの実施形態では、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、および、ピリミジノトリアゾール基は、それぞれ以下の通りである。
【0094】
【化15】

【0095】
幾つかの実施形態では、ABCの環状構造は、C−Cアルキル、ハロゲン化されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、ハロゲン化されたC−Cアルケニル、ハロゲン、アミノ、アミノアルキレン、ヒドロキシイミノ、および、ヒドロキシルの1以上によって随意に置換される。
【0096】
幾つかの実施形態では、Zは第四級アンモニウム基であり、ここで、第四級アンモニウム基は、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリフェニルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、ベンジルジエチルアンモニウム、N−メチルピペリジニウム、N−エチルピペリジニウム、または、トリベンジルアンモニウムである。
【0097】
幾つかの実施形態では、Zはスルホン酸であり、LはC−Cアルキルである。
【0098】
幾つかの実施形態では、Zはホスホン酸であり、LはC−Cアルキルである。
【0099】
幾つかの実施形態では、化合物は、以下の通りである。
【0100】
【化16】

【0101】
幾つかの実施形態では、化合物は以下の通りである。
【0102】
【化17】

ここで、Rは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、または、アルキルアリールであり、Rは、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、または、アルキルヘテロアリールであり、nは1から49である。
【0103】
幾つかの実施形態では、本発明は、本発明の治療上有効な量の1以上の化合物と、1以上の薬学的に許容可能な賦形剤、充填剤、結合剤、フロー剤、離型剤、担体、または、希釈剤とを含む医薬組成物を与える。
【0104】
幾つかの実施形態では、組成物は経口剤形を含む。
【0105】
幾つかの実施形態では、経口剤形は、タブレット、カプレット、カプセル、または、液体懸濁液である。
【0106】
幾つかの実施形態では、化合物の量は、約1000mg未満である。幾つかの実施形態では、化合物の量は、約2000mg未満である。
【0107】
幾つかの実施形態では、化合物の量は、約100mg乃至約500mgである。幾つかの実施形態では、化合物の量は、約500mg乃至約1500mgである。
【0108】
幾つかの実施形態では、化合物は以下の通りである。
【0109】
【化18】

ここで、RはC−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、または、アルキルアリールであり、Rは、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、または、アルキルヘテロアリールであり、nは1から49である。
【0110】
幾つかの実施形態では、本発明は、処置を必要としているまたは望んでいる被験体の癌または泌尿生殖器の疾患を処置する方法を提供し、該方法は、本発明の治療上有効な量の化合物を、被験体に投与する工程を含む。
【0111】
幾つかの実施形態では、癌は泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関係する癌である。
【0112】
幾つかの実施形態では、癌または泌尿生殖器の疾患は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、他の泌尿生殖器の癌、または、前立腺肥大である。
【0113】
幾つかの実施形態では、該方法は、治療上有効な量の、抗アンドロゲン、CYP17阻害剤、黄体ホルモン放出ホルモンアゴニスト、アンドロゲン産生を防ぐ薬物、エストロゲン、および、化学療法剤の1以上を、被験体に投与する工程を含む。
【0114】
幾つかの実施形態では、その量は約1000mg未満である。幾つかの実施形態では、その量は約2000mg未満である。
【0115】
幾つかの実施形態では、その量は約100mgから約500mgである。幾つかの実施形態では、その量は約500mgから約1500mgである。
【0116】
幾つかの実施形態では、化合物は以下の通りである。
【0117】
【化19】

ここで、Rは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、または、アルキルアリールであり、および、Rは、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、または、アルキルヘテロアリールであり、nは、1から49である。
【0118】
幾つかの実施形態では、本発明は、処置を必要としているまたは望んでいる被験体の癌または泌尿生殖器の疾患を処置する方法を提供し、該方法は、ホルモン療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、または、手術と組み合わせて、本発明の治療上有効な量の化合物を被験体に投与する工程を含む。
【0119】
幾つかの実施形態では、癌は泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関係する癌を含む。
【0120】
幾つかの実施形態では、癌または泌尿生殖器の疾患は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、他の泌尿生殖器の癌、または、前立腺肥大である。
【0121】
幾つかの実施形態では、その量は約1000mg未満である。幾つかの実施形態では、その量は約2000mg未満である。
【0122】
幾つかの実施形態では、その量は約100mgから約500mgである。幾つかの実施形態では、その量は約500mgから約1500mgである。
【0123】
幾つかの実施形態では、化合物は、以下の通りである。
【0124】
【化20】

ここで、Rは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、および、Rは、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールであり、nは1から49である。
【0125】
(実施例)
実施例1 アビラテロンのベタインエステル
【0126】
【化21】

【0127】
ジクロルメタン(10mL)中のブロモ酢酸(3.0mmol、417mg)の溶液を攪拌し、その間に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.0mmol、619mg)、ジメチルアミノピリジン(0.5mmol、61mg)を、その後にジクロルメタン(3mL)中のアビラテロン溶液(2.9mmol、1.08g)を加える。その結果得られる混合物を、4時間室温で撹拌する。その混合物をろ過することで、沈殿したジシクロヘキシル尿素を取り除き、酢酸エチルに注ぎ込む。有機層を洗浄し(1N HCL、5%sat‘d NaHCO)、乾燥させ(ブライン、MgSO)、純粋なα−ハロエステルを提供するカラムクロマトグラフイーによる精製を用いて濃縮する。
【0128】
上記のように調製したブロモエステル(1.5mmol、743mg)をアセトン(10mL)に溶解させ、トリエチルアミン(2.5mmol、253mg、350μL)を加える。TLCによってステロイド出発物質が使い尽くされたと示されるまで、その混合物を撹拌する。その反応混合物を真空内で濃縮し、その残滓を逆相HPLCによって精製することで、アビラテロンの純粋なトリエチルアンモニウム酢酸を得る。
【0129】
代替的に、上記のように調製したブロモエステル(1.5mmol、743mg)を、アセトン(10mL)に溶解させ、トリメチルアミン(2.5mmol、148mg、232μL)を加える。TLCによってステロイド出発物質が使い尽くされたと示されるまで、その混合物を撹拌し、その後、真空内で濃縮し、その残滓を逆相HPLCによって精製することで、アビラテロンの純粋なトリエチルアンモニウム酢酸を得る。
【0130】
実施例2 アビラテロンのカルニチンエステル
【0131】
【化22】

【0132】
THF(40mL)中のR−ジメチルリンゴ酸溶液(10mmol、1.62g)を−78℃で冷却して攪拌し、その間に、THF中のボランジメチルスルフィド錯体(9.5mmol、2.0M溶液の4.75mL)を加える。その混合物を室温まで温め、攪拌し、その間に、開始ジエステルが出ないことがTLCによって示されるまで、還流で加熱する。THF水(1:1、10mL)をゆっくりと加えることでその反応混合物をクエンチし、結果として生じる混合物を、水酸化ナトリウム溶液(5M、10mL)に慎重に注ぎ入れ、一晩撹拌する。反応混合物を真空内で濃縮し、その残滓を酢酸エチル(50mL)に取り込ませる。有機層を洗浄し(1N、HCl、5%sat‘d aqNaHCO)、乾燥させ(ブライン、MgSO)、および、真空内で濃縮して、残滓を真空内で蒸留させることで精製されたメチルR−3,4−ジヒドロキシブチレートを得るか、または、残滓は以下の工程で直接使用されてもよい。
【0133】
乾燥したDMF(12mL)中のメチルR−3,4−ジヒドロキシブチレートの溶液(6mmol、804mg)を室温で攪拌し、その間に、tert−ブチルジメチルシリルクロライド(13.2mmol、996mg)とイミダゾール(16mmol、545mg)を部分的に交互に加えていく。その結果生じる混合物を3時間室温で撹拌し、酢酸エチル(100mL)と水の混合物に注ぎ入れる。水相を分離させて酢酸エチル(50mL)で抽出し、組み合わせた有機物を乾燥させ(ブライン、MgSO)、ろ過し、真空内で濃縮させることで、未精製のビス−シリルオキシエステルを得る。クーゲルロールオーブン(a kugelrohr oven)を使用する真空内での蒸留によって、純粋なメチルR−3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシルオキシ)ブチレートを得る。
【0134】
上記のように調製した保護エステル(5mmol、1.81g)を、THF:水(4:1、20mL)に溶解させ、水(4mL)中の水酸化リチウムの溶液(10mmol、239mg)を加える。TLCによって示されるようにエステルが使い尽くされるまで反応混合物を攪拌し、pHをHClで<5に調節する前に、水に注ぎ込む。その混合物を酢酸エチルで抽出し(3×50mL)、組み合わせた有機物を乾燥させ(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮することで、未精製の酸を得て、それを逆相HPLCまたはカラムクロマトグラフイーで精製することによって、所望のR−3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酪酸を得る。
【0135】
保護酸を、アビラテロンプロドラッグの調製で使用する。
【0136】
【化23】

【0137】
ジクロルメタン(10mL)中のR−3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)酪酸(1.0mmol、349mmol)とアビラテロン(1.0mmol、374mg)の溶液を、EDC−HCl(1.0mmol、192mg)およびDMAP(0.1mmol、12mg)で処理する。結果として生じる混合物を3時間室温で撹拌し、その後1N HClに注ぎ込む。水相を分離させ、ジクロルメタンで洗浄し(3×20mL)、組み合わせた有機物を洗浄し (3×50mL 1N HCl,1×50mL 5% aq.NaHCO)、乾燥させ(ブライン、MgSO)、濃縮して、その残滓がフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ(EtOAc/ヘキサン溶離))によって精製されることで、所望のビス−保護エステルを得る。
【0138】
ビス−シリル保護エステル(0.5mmol、358mg)を、THF(5mL)に溶解させ、TBAF(THF、1.1mL中1.0M)溶液を加える。その溶液を2.5時間攪拌して、水(10mL)に注ぎ込む。水相をEtOAcで抽出し(3×20mL)、組み合わせた有機物を乾燥させて(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮して、その残滓がフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ(EtOAc/ヘキサン溶離))によって精製されることで、所望のジヒドロキシエステルを得る。
【0139】
ピリジン中のアビラテロン(0.5mmol、238mg)のR−3,4−ジヒドロキシブチルエステルの溶液を、トルエンスルホニルクロライド(0.5mmol、95mg)で処理し、4℃で24時間攪拌する。その混合物を氷水(20mL)に注ぎ込み、ジクロルメタンで抽出する(3×50mL)。組み合わせた有機物を洗浄し(3×1N HCl(1×5%NaHCO))、乾燥させ(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮して(<20℃)、その残滓を以下の工程で直接使用する。
【0140】
先の工程からの未精製のトルエンスルフォナートエステルをトルエン(50 mL)に溶解させて攪拌し、その間に、トリメチルアミン(0.8mmol、47mg、74μL)を加える。その結果生じた混合物を3時間加熱するか、または、HPLCまたはTLC分析によってトルエンスルフォナートエステルが出ないと示されるまで加熱する。その結果生じた混合物をろ過して、その固体をトルエンで洗浄する。アビラテロンのR−3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニウムブチレート(trimethylammoniumbutyrate)エステルを逆相HPLCによって精製する。
【0141】
実施例3 アビラテロンの没食子酸エステル
【0142】
【化24】

【0143】
ジクロルメタン(10mL)中の、アビラテロン(2mmol、747mg)と、3、4、5−トリス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]安息香酸(2mmol、1.026g)と、4−ジメチルアミノピリジン(1.0mmol、122mg)の溶液を攪拌し、その間に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.0mmol、412mg)を加える。その結果生じた懸濁液を3時間攪拌し、その後、ろ過することで、沈殿したジシクロヘキシル尿素を取り除く。濾液を1N HClで洗浄し(2×50mL)、酸性の層をジクロルメタンで抽出する(1×100mL)。組み合わせた有機物を乾燥させ(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮することで固体を得た。その固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl−MeOH)で精製することで、純粋なトリス−シリル保護エステルを得る。
【0144】
上記のように調製したエステルをTHF(8mL)に溶解させ、TBAFをTHF溶液(1M、6mL、6mmol)として加え、その結果生じた溶液を室温で2時間攪拌する。その混合物を半飽和の水性の塩化ナトリウムに注ぎ込み、ジクロルメタンで抽出する(2×100mL)。組み合わせた有機物を洗浄し(1×1N HCl(1×水))、乾燥させ(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮して、未精製の没食子酸エステルを得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl−MeOH)で精製することで純粋な所望の材料を得る。
【0145】
実施例4 アビラテロンのホスホノ酢酸エステル
【0146】
【化25】

【0147】
ジクロルメタン(15mL)中のホスホノ酸(2mmol、280mg)、アビラテロン(746mg、2mmol)、および、4−ジメチルアミノピリジン(2.5eq、305mg)の混合物を攪拌し、その間に、EDC−HCl(384mg、2.0mmol)を加える。その結果生じた反応混合物を8時間室温で攪拌する。その混合物を1N HCl(100mL)に注ぎ込み、ジクロルメタンで抽出する(2×100mL)。有機層を組み合わせ、乾燥させ(ブライン、MgSO)、濃縮する。その残滓を逆相HPLCによって精製することで、アビラテロンの所望のホスホノ酢酸エステルを得る。
【0148】
実施例5 化合物5の没食子酸エステル
【0149】
【化26】

【0150】
ジクロルメタン(10mL)中の化合物5(2mmol、777mg)、3,4,5−トリス[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]安息香酸(2mmol、1.026g)、4−ジメチルアミノピリジン(1.0mmol、122mg)の溶液を攪拌し、その間に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.0mmol、412mg)を加える。その結果生じた懸濁液を3時間攪拌し、その後、ろ過することで、沈殿したジシクロヘキシル尿素を取り除く。濾液を1N HClで洗浄し(2×50mL)、酸性の層をジクロルメタンで抽出する(1×100mL)。組み合わせた有機物を乾燥させ(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮することで固体を得る。その固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl−MeOH)で精製することで、純粋なトリス−シリル保護エステルを得る。
【0151】
上記のように調製したエステルをTHF(8mL)に溶解させ、TBAFをTHF溶液(1M、6mL、6mmol)として加え、および、その結果生じた溶液を室温で2時間攪拌する。その混合物を半飽和の水性の塩化ナトリウムに注ぎ込み、ジクロルメタンで抽出する(2×100mL)。組み合わせた有機物を洗浄し(1×1N HCl(1×水))、乾燥させ(ブライン、MgSO)、真空内で濃縮することで、未精製の没食子酸エステルを得て、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl−MeOH)で精製することで純粋な所望の材料を得る。
【0152】
実施例6 化合物5のホスホノ酢酸エステル
【0153】
【化27】

【0154】
ジクロルメタン(15mL)中のホスホノ酢酸(2mmol、280mg)、化合物5(776mg、2mmol)、および、4−ジメチルアミノピリジン(2.5eq、305mg)の混合物を撹拌し、その間に、EDC−HCl(384mg、2.0mmol)を加える。その結果生じた反応混合物を8時間室温で攪拌する。その混合物を1N HCl(100mL)に注ぎ込み、ジクロルメタンで抽出する(2×100mL)。有機層を組み合わせ、乾燥させ(ブライン、MgSO)、濃縮する。その残滓を逆相HPLCで精製することで、化合物5の所望のホスホノ酢酸エステルを得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】


ここで、ABCの環状構造は、各位置において、独立的に随意に置換され、ABCの環状構造の隣接する炭素原子上の水素置換基が、随意に除去され、および、隣接する炭素原子間のπ結合と置き換えられ、
YはZ−L−C(=O)O−であり、
Xは、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾール基である、随意に置換された複素環であり、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、または、ピリミジノトリアゾール基は、複素環の5員環上の窒素原子を介してC17位置に結合され、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、または、ピリダジン基は、複素環の炭素原子を介してC17位置に結合され、
Lは、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールであり、そのいずれかは、随意に環式であるか、または、Zとともに環を形成し、Lは、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、および、メルカプタンの1つ以上によって随意に置換され、
Zは、正常な生理学的条件下で荷電される荷電基であり、荷電基はスルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシル基であるか、
または、
Xは随意に置換されたピリジン基であり、
Lは、C−C12アルキル、フルオロ−C−Cアルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、ポリアルコキシアルキル、または、ヘテロアリールであり、そのいずれかは、随意に環式であるか、または、Zとともに環を形成し、Lは、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルアミノ、および、メルカプタンの1つ以上によって随意に置換され、および、
Zは正常な生理学的条件下で荷電される荷電基であり、荷電基は、式(R)の第四級アンモニウム基であり、ここで、各々のR基は、独立してC−C−分枝アルキル、C−C直鎖アルキル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、ヘテロアリールであり、あるいは、2つ以上のR基がともに、環、スルホン酸、ホスホン酸、フルオロアルカノール、または、酸性のヒドロキシル基、または、その薬学的に許容可能な塩を形成するか、
のいずれかであることを特徴とする化合物。
【請求項2】
Xが、ハロゲン、アミノ、アミノアルキレン、ヒドロキシ、−SHおよび−SC−Cアルキル、C−Cアルキル、および、ハロゲン化されたC−Cアルキルの1つ以上により随意に置換されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピリミジノイミダゾール、および、ピリミジノトリアゾール基は、それぞれ以下の通りであることを特徴とする請求項2に記載の化合物。
【化2】

【請求項4】
ABCの環状構造は、C−Cアルキル、ハロゲン化されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、ハロゲン化されたC−Cアルケニル、ハロゲン、アミノ、アミノアルキレン、ヒドロキシイミノ、および、ヒドロキシルの1以上によって随意に置換されることを特徴とする請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Zは第四級アンモニウム基であり、ここで、第四級アンモニウム基は、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリフェニルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、ベンジルジエチルアンモニウム、N−メチルピペリジニウム、N−エチルピペリジニウム、または、トリベンジルアンモニウムであることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Zはスルホン酸であり、LはC−Cアルキルであることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
Zはホスホン酸であり、LはC−Cアルキルであることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が以下の通りであることを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【化3】

【請求項9】
前記化合物が以下のとおりであり、
【化4】

ここで、Rは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、または、アルキルアリールであり、Rは、H、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、または、アルキルヘテロアリールであり、nが1から49であることを特徴とする請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
請求項1の治療上有効な量の1以上の化合物と、1以上の薬学的に許容可能な賦形剤、充填剤、結合剤、フロー剤、離型剤、担体、または、希釈剤とを含む医薬組成物。
【請求項11】
前記組成物は経口剤形であることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記経口剤形は、タブレット、カプレット、または、カプセルであることを特徴とする請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記化合物の量が、約2000mg未満であることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記化合物の量が、約500mg乃至約1500mgであることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記化合物は、以下のとおりであり、
【化5】

RはC−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、または、アルキルアリールであり、Rは、H、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、または、アルキルヘテロアリールであり、nが1から49であることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項16】
処置を必要としているまたは望んでいる被験体の癌または泌尿生殖器の疾患を処置する方法であって、
前記方法は、治療上有効な量の請求項1の化合物を、被験体に投与する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記癌が泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関係する癌であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記癌または泌尿生殖器の疾患が、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、他の泌尿生殖器の癌、または、前立腺肥大であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
治療上有効な量の、抗アンドロゲン、CYP17阻害剤、黄体ホルモン放出ホルモンアゴニスト、アンドロゲン産生を防ぐ薬物、エストロゲン、および、化学療法剤の1以上を、被験体に投与する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記量が約2000mg未満であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記量が約500mg乃至約1500mgであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物は以下のとおりであり、
【化6】

Rは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、または、アルキルアリールであり、および、Rは、H、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、または、アルキルヘテロアリールであり、nが1から49であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項23】
処置を必要としているまたは望んでいる被験体の癌または泌尿生殖器の疾患を処置する方法であって、
前記方法は、ホルモン療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、または、手術と組み合わせて、治療上有効な量の請求項1の化合物を被験体に投与する工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記癌は、泌尿生殖器のおよび/またはアンドロゲンに関係する癌を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記癌または泌尿生殖器の疾患は、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、他の泌尿生殖器の癌、または、前立腺肥大であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記量が約2000mg未満であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記量が約500mg乃至約1500mgであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物が以下のとおりであり、
【化7】

Rは、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールであり、および、Rは、H、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリールまたはアルキルヘテロアリールであり、nが1から49であることを特徴とする請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2012−516900(P2012−516900A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549296(P2011−549296)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/023391
【国際公開番号】WO2010/091306
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511187720)トーカイ ファーマシューティカルズ,インク. (3)
【Fターム(参考)】