ステージ装置およびこれを用いた観察装置
【課題】観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、ピエゾステージの周期的な速度変動を抑制して、観察者がサンプルの移動を行う際の操作性と位置決め精度を向上する。
【解決手段】ピエゾステージ1のウォーキング形ピエゾモータ102を駆動する指令電圧標準データ304と、前記ウォーキング形ピエゾモータ102の出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データ305と、少なくとも前記指令電圧標準データ304および前記指令電圧出力タイミング補正データ305から前記ウォーキング形ピエゾモータ102を駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部302を有するステージ装置3が提供される。
【解決手段】ピエゾステージ1のウォーキング形ピエゾモータ102を駆動する指令電圧標準データ304と、前記ウォーキング形ピエゾモータ102の出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データ305と、少なくとも前記指令電圧標準データ304および前記指令電圧出力タイミング補正データ305から前記ウォーキング形ピエゾモータ102を駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部302を有するステージ装置3が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーキング型ピエゾモータを用いたステージ装置、およびこれを用いた電子顕微鏡または光学式顕微鏡等の観察装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
たとえば走査型電子顕微鏡(SEM)等の荷電粒子装置では、サンプルを高精度かつ超低速で駆動させながら観察を行うために、サンプルを載せる位置決め装置(ステージ)には、高い位置決め精度と速度安定性が必要とされている。
【0003】
例えば、半導体ウェハの検査に用いられるSEMでは、ウェハはステージに固定され、ステージはSEMの画像を観察しながら観察位置まで超低速で正確に移動位置決めされ、ウェハの画像が取得される。この際、ステージの速度安定性が悪化するとSEMによる観察位置を正確に決めることができない。このため、移動速度を安定させて位置決めすることが可能なステージ装置が要求される。
【0004】
従来のステージの位置決め機構としては、ステッピングモータによりボールネジを回転させ、ステージを移動する位置決め装置が広く使われている。しかし、この方式では順送り方向の速度安定性は高いが、ステージの移動方向を反転させた場合には、ボールネジとナットとの噛み合い誤差、ボールネジの弾性変形、ステッピングモータの回転誤差等により、反転直後に移動指令に対してステージが動かないか、或いは移動量が指令値より小さくなるバックラッシュが発生し、高精度位置決めができず、このことが操作性の阻害要因の一つとなっている。
【0005】
このような位置決め誤差を解決するために、例えば特許文献1には圧電素子(電歪素子)で構成される超音波モータを可動テーブル下面に直接取り付け、ステージを直接駆動する構成が開示されている。特許文献1ではステージ下面に駆動伝達面を設けて圧電素子を押し付け、電圧印荷時の圧電素子のせん断変形を利用して駆動伝達面をステージ移動方向に直線的に移動させることにより、ステージを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−288918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、複数のピエゾ素子から構成したピエゾ駆動体を2個用いて、各ピエゾ駆動体を交互に位置決め対象可動物に接触・離反させるウォーキング動作駆動ユニットを構成し、ウォーキング動作を用いて移動制御上の誤差をより正確に補正できるようにし、信頼性の高い極めて高精度な位置決めを実現できるアライメント装置の制御方法について記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1では高精度な位置決めを行うために停止時の位置決め誤差を補正するだけであり、速度安定性については保証していない。
【0009】
また、SEMにおいては、対物レンズ直下にXYステージを配置し、観察サンプルはXYステージ上の可動テーブルに固定される。ここで、高倍率に拡大された計測視野において、観察しながらXYステージ上の可動テーブルを駆動し観察サンプルを位置決めする。しかし、ステージ移動時の速度安定性が悪いと観察者が位置決めのアプローチを行う際に操作性が悪く、高精度な位置決めを行うことが困難であるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、ステージ制御装置は、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るステージ装置によれば、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準波形データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ制御装置を備えることにより、位置決めする際にステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示すステージ装置のシステム構成図。
【図2】本発明で用いるピエゾ素子の動作を示す説明図。
【図3】本発明で用いるウォーキング型ピエゾモータを示す説明図。
【図4】ウォーキング型ピエゾモータ速度応答波形を示すグラフ。
【図5】ウォーキング型ピエゾモータ指令電圧に対する速度応答を示すグラフ。
【図6】ウォーキング型ピエゾモータ指令電圧に対する変位応答を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例1における指令電圧出力タイミング補正データを求めるフローチャート。
【図8】本発明の実施例1における変位応答を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例2における指令電圧補正波形データの生成方法を示す模式図。
【図10】本発明の実施例2における指令電圧補正波形データを備えたステージ装置のシステム構成図。
【図11】本発明の実施例3における荷電粒子装置の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施例を図面について説明する。
【実施例1】
【0014】
〔ステージ装置の構成〕
本発明の実施例1として、指令電圧の可変出力タイミング機能を持つピエゾモータを用いたステージ装置について説明する。
【0015】
図1において、ピエゾステージ1は、可動体であるウォーキング型ピエゾモータ102と、ピエゾモータに取り付けられる搬送部材である可動テーブル101とを備えている。10は観察サンプル、103は固定子である。ピエゾステージ1はステージ制御装置3によってモータ駆動部2を介して制御されている。
【0016】
ステージ制御装置3は、上位計算機6からの速度や移動距離のコマンドによって、指令値を出力する。ステージ制御装置3には、コマンド処理部301と、指令電圧生成部302と、指令電圧出力部303と、例えばメモリ等に保持された指令電圧標準波形データ304と指令電圧出力タイミング補正データ305とを備えている。指令電圧生成部302は、指令電圧標準波形データ304と指令電圧出力タイミング補正データ305から、ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する。この生成された指令電圧により、ピエゾモータのアナログ電圧出力タイミングを制御することにより、高い位置決め精度と速度安定性を持つ駆動を実現させる。Cは測定装置、5は測定データ処理部、4は補正データ生成部である。
〔ピエゾモータの駆動原理〕
次に、ウォーキング型ピエゾモータの動作原理について説明する。図2に示すように、ウォーキング型ピエゾモータは、貼り合わせた左右一対のピエゾ素子7への印加電圧差を利用して屈曲するバイモルフ型のピエゾ素子を2本以上用いたピエゾモータである。特に2足歩行動作を行う可動体ユニットについて説明する。
【0017】
図3はウォーキング型ピエゾモータの駆動における可動体のピエゾ素子と指令電圧波形の関係を示している。ウォーキング型ピエゾモータは、指令電圧によりピエゾ素子の左右の伸縮量を制御することにより左右方向の屈曲量を制御し、それによって地面を歩くように可動体9の移動を制御できる。例えば、ピエゾ素子Aが固定子8に接触して動いている間に可動体9は移動し、その間にピエゾ素子Bは振り戻り動作を行う。また、その指令電圧波形の周期を変えることで速度を制御する。
〔変位応答と速度応答〕
図4は、指令電圧生成部302から指令電圧波形を一定の出力タイミングで4周期分入力した際のピエゾモータの速度応答波形を示す。図4から可動体の速度が指令速度に対して変動が大きいことがわかる。その理由は、ピエゾ素子の角度や長さ、特に屈曲量にばらつきが生じるために速度安定性が悪化するためである。
【0018】
次に、図4の速度応答波形において、移動開始時と移動終了時の速度応答波形をそれぞれ半周期ずつ除いて3周期分を取り出し、1周期分毎に実測速度を重ねて表示したグラフを図5に示す。また、同様に1周期分毎に実測変位を重ねて表示したグラフを図6に示す。
【0019】
図5、図6から1周期目から3周期までの速度応答と変位応答の波形形状が、それぞれほぼ一致していることがわかる。すなわち、ピエゾモータの速度応答と変位応答には周期性があり、その周期は指令電圧波形の周期と一致している。このような周期性は、駆動位置や速度によらず確認できる。そこで、本発明ではこの周期性を利用して、事前に計測したピエゾモータの変位または速度から予め指令電圧出力タイミング補正データを求め、指令電圧出力タイミングを制御することにより、速度安定性が高い駆動を可能とする。特に、事前に計測したピエゾモータの変位または速度から予め指令電圧出力タイミング補正データを求め、指令電圧出力タイミングを可変制御する。例えば、ステージのモータを駆動する指令電圧標準データと、モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準データおよび指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有する。
〔指令電圧出力タイミングの補正〕
ここで、指令電圧標準波形データの分割数をn、指令電圧出力タイミング補正データの分割タイミング(D/A出力タイミング)をΔt、分割点iの計測変位をy
[i]、分割点iの計測速度をv[i]とする。速度安定性が高い駆動を実現するために、分割点iの速度が指令速度v(一定値)に一致するように、指令電圧出力タイミング補正データを次式により求める。
〔数1〕
Δt[i]=(y[i+1]−y[i])/v ・・・(1)
図7に、上記式(1)によって、1周期分の指令電圧出力タイミング補正データを求める方法のフローチャートを示す。指令電圧標準波形データを一定の出力タイミングで1周期分以上ピエゾステージに入力し、その変位または速度を計測器で測定し(ステップS10)、各分割点間での移動距離(y[i+1]−y[i])を求めて指令速度v(一定値)で除算し(S40)、各分割点での指令電圧出力タイミング補正データを求める。この計算を最初の分割点i=0から1周期分の分割点nまで求め(S20、S30、S50)、指令電圧出力タイミング補正データのテーブルを生成する(S60)。
【0020】
図8に、各分割点の指令電圧波形を、求めた指令電圧出力タイミング補正データによってD/A出力した場合の、指令電圧波形データ及び変位データの実測値を示す。図8に示したように、式(1)で示すとおり実測変位はほぼ一直線上に並んでおり、指令電圧出力タイミング補正データで出力タイミングを可変制御することで、高い速度安定性が得られている。
[本実施例に係る効果]
本実施例によれば、以下に記す(a)〜(c)のうちの一つ又は複数の効果を奏する。
(a)ステージ装置において、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準波形データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ制御装置を備えることにより、位置決めする際にステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができるステージ装置を提供することができる。
(b)モータ駆動部に与えるアナログ電圧を可変タイミング出力することにより、位置決めする際に搬送部材のステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
(c)ステージ制御装置が、指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングでウォーキング形ピエゾモータに与えられモータ出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、指令電圧生成部は指令電圧標準波形データおよび指令電圧補正波形データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成することにより、位置決めする際に搬送部材のステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
【実施例2】
【0021】
〔指令電圧波形の補正〕
また、本発明において、図8に示したような直線的変位を得られるように補正された指令電圧波形(以下、指令電圧補正波形)でウォーキング型ピエゾモータを駆動すれば同じ効果が得られる。そこで、得られた指令電圧補正波形を一定の出力タイミングでD/A出力することによっても、速度安定性が高い駆動を実現できる。
【0022】
実施例2は上記の方式でピエゾモータを駆動制御する例を示す。すなわち、図9に示すように、補正データ生成部4において三角印で示す指令電圧出力タイミング補正データを基に、一定の出力タイミングの分割点での指令電圧を線形補間によって求め、丸印でしめす一定の出力タイミングで駆動可能な指令電圧補正波形データを生成することが可能である。
【0023】
ステージ装置における指令電圧補正波形データ306の利用方法を図10に示す。ステージ制御装置3において、図1に示す指令電圧出力タイミング補正データ305に替えて、図10では指令電圧補正波形データ306を用いる。
【0024】
なお、本発明の駆動方式は、事前にピエゾ素子の変位または速度を計測し、その計測結果を用いて、指令電圧出力タイミング補正データ、または指令電圧補正波形データを求め、オープンループ制御で制御を行う。従って、ピエゾ素子の角度や長さ、特に屈曲量のばらつきについて補償しているが、外乱や可動質量の変化には対応できない。そこで、その補償を行うためにリニアスケール等を用いてフィードバックループを構成することも可能である。このフィードバックループを構成することにより、可動質量変化若しくは、経時変化に基づき、指令電圧出力タイミング補正データ、または指令電圧補正波形データの更新をも行うことができる。
【0025】
さらに、この駆動方式は、周期的な変動を持つモータであれば、ウォーキング型ピエゾモータ以外にも適用可能である。例えば、ステッピングモータでも適用可能となる。ステッピングモータを適用する際には、好適にはボールねじステージを適応すると良い。ボールねじステージを適用することで、ピッチ誤差と呼ばれる、ボールねじ1回転の周期的な誤差に対して、補正することが可能となる。このときのモータを駆動する指令電圧標準データは、波形データではなく、パルスデータとなる。すなわち、指令電圧標準データとしては、指令電圧標準波形データのみならず、パルスデータのようなその他のデータでも適用可能となる。
なお、指令電圧標準データとして、指令電圧標準波形データを用いると、ステージ速度変動との対応がオシロスコープなどで測定することにより、対応させやすいなどの利点がある。
[本実施例に係る効果]
本実施例によれば、実施例1に記載の効果、又は、以下に記す(a)のうちの一つ又は複数の効果を奏する。
(a)ステージ装置において、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準波形データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ制御装置を備えることにより、位置決めする際にステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
【実施例3】
【0026】
次に、図11に示す実施例3において、本発明の制御方法を備えたステージ装置を適用した観察サンプルを観察する観察部を有する荷電粒子装置について説明する。
【0027】
図11において、荷電粒子装置の例として、観察サンプル10を高倍率で解析する観察装置としてSEM14について説明する。対物レンズ11直下に観察サンプル10をXYステージ12上の可動テーブル13に固定する。ここで、上記ステージ装置で駆動されるXYステージ12を計測視野に観察しながら移動させることにより、観察サンプル10を撮像または解析する。しかし、XYステージ12の速度安定性が悪化すると、SEM14による観察位置を正確に決めることができない。
【0028】
そこで、図1または図10に示した本発明の制御装置を備えたステージ装置を採用することで、高い速度安定性が確保でき、SEMの操作性向上が図れるとともに、高精度な位置決めを行うことができる。
【0029】
また、図1、または図10の制御装置を用いることで、高い速度安定性をオープンループ制御で実現するために、高価なサーボモータやセンサを使用せずにステージ装置の性能を最大限に引き出すことができ、装置コストの低減が可能となる。
【0030】
さらに、この制御装置の適用は上述した荷電粒子装置に限定されず、その他の荷電粒子装置や、光学式顕微鏡等の観察装置でも同様の効果が得られることは明らかである。
[本実施例に係る効果]
本実施例によれば、実施例1、実施例2に記載の効果、又は、以下に記す(a)のうちの一つ又は複数の効果を奏する。
(a)本発明のステージ装置を搭載した荷電粒子装置、光学式顕微鏡の操作性向上を図ることができる。
[本発明の好ましい態様]
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0031】
本発明の第1の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0032】
また、本発明の第2の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0033】
また、本発明の第3の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0034】
好ましくは、前記ステージ制御装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記ウォーキング形ピエゾモータに与えられモータ出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する。
【0035】
さらに好ましくは、前記ステージ制御装置は、さらに前記指令電圧生成部からの指令電圧を出力する指令電圧出力部を有する。
【0036】
さらに好ましくは、前記ステージ制御装置は、さらに上位計算機からのコマンドを処理するコマンド処理部を有する。
【0037】
さらに好ましくは、前記ステージ装置は、前記観察サンプルの変位を測定する変位測定器と、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力を一定速度に補正する補正データ生成部を有する。
【0038】
さらに好ましくは、前記ステージ装置は、前記ピエゾステージと前記ステージ制御装置の間にフィードバック制御手段を設け、該フィードバック制御手段は、可動質量変化若しくは経年劣化に基づき、前記指令電圧出力タイミング補正データ、または前記指令電圧補正波形データを更新する。
【0039】
さらに好ましくは、前記観察サンプルを観察する観察部を有する荷電粒子装置又は光学顕微鏡からなる観察装置である。
【0040】
また、本発明の第4の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0041】
また、本発明の第5の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0042】
また、本発明の第5の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0043】
好ましくは、前記ステージ装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記モータに与えられ前記モータの出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する。
【符号の説明】
【0044】
1 ピエゾステージ
101 可動テーブル
102 ウォーキング型ピエゾモータ
103 固定子
2 モータ駆動部
3 ステージ制御装置
301 コマンド処理部
302 指令電圧生成部
303 指令電圧出力部
304 指令電圧標準波形データ
305 指令電圧出力タイミング補正データ
306 指令電圧補正波形データ
4 補正データ生成部
5 測定データ処理部
6 上位計算機
7 ピエゾ素子
8 固定子
10 観察サンプル
11 対物レンズ
12 XYステージ
13 可動テーブル
14 SEM
C 測定装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーキング型ピエゾモータを用いたステージ装置、およびこれを用いた電子顕微鏡または光学式顕微鏡等の観察装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
たとえば走査型電子顕微鏡(SEM)等の荷電粒子装置では、サンプルを高精度かつ超低速で駆動させながら観察を行うために、サンプルを載せる位置決め装置(ステージ)には、高い位置決め精度と速度安定性が必要とされている。
【0003】
例えば、半導体ウェハの検査に用いられるSEMでは、ウェハはステージに固定され、ステージはSEMの画像を観察しながら観察位置まで超低速で正確に移動位置決めされ、ウェハの画像が取得される。この際、ステージの速度安定性が悪化するとSEMによる観察位置を正確に決めることができない。このため、移動速度を安定させて位置決めすることが可能なステージ装置が要求される。
【0004】
従来のステージの位置決め機構としては、ステッピングモータによりボールネジを回転させ、ステージを移動する位置決め装置が広く使われている。しかし、この方式では順送り方向の速度安定性は高いが、ステージの移動方向を反転させた場合には、ボールネジとナットとの噛み合い誤差、ボールネジの弾性変形、ステッピングモータの回転誤差等により、反転直後に移動指令に対してステージが動かないか、或いは移動量が指令値より小さくなるバックラッシュが発生し、高精度位置決めができず、このことが操作性の阻害要因の一つとなっている。
【0005】
このような位置決め誤差を解決するために、例えば特許文献1には圧電素子(電歪素子)で構成される超音波モータを可動テーブル下面に直接取り付け、ステージを直接駆動する構成が開示されている。特許文献1ではステージ下面に駆動伝達面を設けて圧電素子を押し付け、電圧印荷時の圧電素子のせん断変形を利用して駆動伝達面をステージ移動方向に直線的に移動させることにより、ステージを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−288918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、複数のピエゾ素子から構成したピエゾ駆動体を2個用いて、各ピエゾ駆動体を交互に位置決め対象可動物に接触・離反させるウォーキング動作駆動ユニットを構成し、ウォーキング動作を用いて移動制御上の誤差をより正確に補正できるようにし、信頼性の高い極めて高精度な位置決めを実現できるアライメント装置の制御方法について記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1では高精度な位置決めを行うために停止時の位置決め誤差を補正するだけであり、速度安定性については保証していない。
【0009】
また、SEMにおいては、対物レンズ直下にXYステージを配置し、観察サンプルはXYステージ上の可動テーブルに固定される。ここで、高倍率に拡大された計測視野において、観察しながらXYステージ上の可動テーブルを駆動し観察サンプルを位置決めする。しかし、ステージ移動時の速度安定性が悪いと観察者が位置決めのアプローチを行う際に操作性が悪く、高精度な位置決めを行うことが困難であるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、ステージ制御装置は、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るステージ装置によれば、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準波形データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ制御装置を備えることにより、位置決めする際にステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1を示すステージ装置のシステム構成図。
【図2】本発明で用いるピエゾ素子の動作を示す説明図。
【図3】本発明で用いるウォーキング型ピエゾモータを示す説明図。
【図4】ウォーキング型ピエゾモータ速度応答波形を示すグラフ。
【図5】ウォーキング型ピエゾモータ指令電圧に対する速度応答を示すグラフ。
【図6】ウォーキング型ピエゾモータ指令電圧に対する変位応答を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例1における指令電圧出力タイミング補正データを求めるフローチャート。
【図8】本発明の実施例1における変位応答を示すグラフ。
【図9】本発明の実施例2における指令電圧補正波形データの生成方法を示す模式図。
【図10】本発明の実施例2における指令電圧補正波形データを備えたステージ装置のシステム構成図。
【図11】本発明の実施例3における荷電粒子装置の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施例を図面について説明する。
【実施例1】
【0014】
〔ステージ装置の構成〕
本発明の実施例1として、指令電圧の可変出力タイミング機能を持つピエゾモータを用いたステージ装置について説明する。
【0015】
図1において、ピエゾステージ1は、可動体であるウォーキング型ピエゾモータ102と、ピエゾモータに取り付けられる搬送部材である可動テーブル101とを備えている。10は観察サンプル、103は固定子である。ピエゾステージ1はステージ制御装置3によってモータ駆動部2を介して制御されている。
【0016】
ステージ制御装置3は、上位計算機6からの速度や移動距離のコマンドによって、指令値を出力する。ステージ制御装置3には、コマンド処理部301と、指令電圧生成部302と、指令電圧出力部303と、例えばメモリ等に保持された指令電圧標準波形データ304と指令電圧出力タイミング補正データ305とを備えている。指令電圧生成部302は、指令電圧標準波形データ304と指令電圧出力タイミング補正データ305から、ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する。この生成された指令電圧により、ピエゾモータのアナログ電圧出力タイミングを制御することにより、高い位置決め精度と速度安定性を持つ駆動を実現させる。Cは測定装置、5は測定データ処理部、4は補正データ生成部である。
〔ピエゾモータの駆動原理〕
次に、ウォーキング型ピエゾモータの動作原理について説明する。図2に示すように、ウォーキング型ピエゾモータは、貼り合わせた左右一対のピエゾ素子7への印加電圧差を利用して屈曲するバイモルフ型のピエゾ素子を2本以上用いたピエゾモータである。特に2足歩行動作を行う可動体ユニットについて説明する。
【0017】
図3はウォーキング型ピエゾモータの駆動における可動体のピエゾ素子と指令電圧波形の関係を示している。ウォーキング型ピエゾモータは、指令電圧によりピエゾ素子の左右の伸縮量を制御することにより左右方向の屈曲量を制御し、それによって地面を歩くように可動体9の移動を制御できる。例えば、ピエゾ素子Aが固定子8に接触して動いている間に可動体9は移動し、その間にピエゾ素子Bは振り戻り動作を行う。また、その指令電圧波形の周期を変えることで速度を制御する。
〔変位応答と速度応答〕
図4は、指令電圧生成部302から指令電圧波形を一定の出力タイミングで4周期分入力した際のピエゾモータの速度応答波形を示す。図4から可動体の速度が指令速度に対して変動が大きいことがわかる。その理由は、ピエゾ素子の角度や長さ、特に屈曲量にばらつきが生じるために速度安定性が悪化するためである。
【0018】
次に、図4の速度応答波形において、移動開始時と移動終了時の速度応答波形をそれぞれ半周期ずつ除いて3周期分を取り出し、1周期分毎に実測速度を重ねて表示したグラフを図5に示す。また、同様に1周期分毎に実測変位を重ねて表示したグラフを図6に示す。
【0019】
図5、図6から1周期目から3周期までの速度応答と変位応答の波形形状が、それぞれほぼ一致していることがわかる。すなわち、ピエゾモータの速度応答と変位応答には周期性があり、その周期は指令電圧波形の周期と一致している。このような周期性は、駆動位置や速度によらず確認できる。そこで、本発明ではこの周期性を利用して、事前に計測したピエゾモータの変位または速度から予め指令電圧出力タイミング補正データを求め、指令電圧出力タイミングを制御することにより、速度安定性が高い駆動を可能とする。特に、事前に計測したピエゾモータの変位または速度から予め指令電圧出力タイミング補正データを求め、指令電圧出力タイミングを可変制御する。例えば、ステージのモータを駆動する指令電圧標準データと、モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準データおよび指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有する。
〔指令電圧出力タイミングの補正〕
ここで、指令電圧標準波形データの分割数をn、指令電圧出力タイミング補正データの分割タイミング(D/A出力タイミング)をΔt、分割点iの計測変位をy
[i]、分割点iの計測速度をv[i]とする。速度安定性が高い駆動を実現するために、分割点iの速度が指令速度v(一定値)に一致するように、指令電圧出力タイミング補正データを次式により求める。
〔数1〕
Δt[i]=(y[i+1]−y[i])/v ・・・(1)
図7に、上記式(1)によって、1周期分の指令電圧出力タイミング補正データを求める方法のフローチャートを示す。指令電圧標準波形データを一定の出力タイミングで1周期分以上ピエゾステージに入力し、その変位または速度を計測器で測定し(ステップS10)、各分割点間での移動距離(y[i+1]−y[i])を求めて指令速度v(一定値)で除算し(S40)、各分割点での指令電圧出力タイミング補正データを求める。この計算を最初の分割点i=0から1周期分の分割点nまで求め(S20、S30、S50)、指令電圧出力タイミング補正データのテーブルを生成する(S60)。
【0020】
図8に、各分割点の指令電圧波形を、求めた指令電圧出力タイミング補正データによってD/A出力した場合の、指令電圧波形データ及び変位データの実測値を示す。図8に示したように、式(1)で示すとおり実測変位はほぼ一直線上に並んでおり、指令電圧出力タイミング補正データで出力タイミングを可変制御することで、高い速度安定性が得られている。
[本実施例に係る効果]
本実施例によれば、以下に記す(a)〜(c)のうちの一つ又は複数の効果を奏する。
(a)ステージ装置において、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準波形データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ制御装置を備えることにより、位置決めする際にステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができるステージ装置を提供することができる。
(b)モータ駆動部に与えるアナログ電圧を可変タイミング出力することにより、位置決めする際に搬送部材のステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
(c)ステージ制御装置が、指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングでウォーキング形ピエゾモータに与えられモータ出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、指令電圧生成部は指令電圧標準波形データおよび指令電圧補正波形データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成することにより、位置決めする際に搬送部材のステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
【実施例2】
【0021】
〔指令電圧波形の補正〕
また、本発明において、図8に示したような直線的変位を得られるように補正された指令電圧波形(以下、指令電圧補正波形)でウォーキング型ピエゾモータを駆動すれば同じ効果が得られる。そこで、得られた指令電圧補正波形を一定の出力タイミングでD/A出力することによっても、速度安定性が高い駆動を実現できる。
【0022】
実施例2は上記の方式でピエゾモータを駆動制御する例を示す。すなわち、図9に示すように、補正データ生成部4において三角印で示す指令電圧出力タイミング補正データを基に、一定の出力タイミングの分割点での指令電圧を線形補間によって求め、丸印でしめす一定の出力タイミングで駆動可能な指令電圧補正波形データを生成することが可能である。
【0023】
ステージ装置における指令電圧補正波形データ306の利用方法を図10に示す。ステージ制御装置3において、図1に示す指令電圧出力タイミング補正データ305に替えて、図10では指令電圧補正波形データ306を用いる。
【0024】
なお、本発明の駆動方式は、事前にピエゾ素子の変位または速度を計測し、その計測結果を用いて、指令電圧出力タイミング補正データ、または指令電圧補正波形データを求め、オープンループ制御で制御を行う。従って、ピエゾ素子の角度や長さ、特に屈曲量のばらつきについて補償しているが、外乱や可動質量の変化には対応できない。そこで、その補償を行うためにリニアスケール等を用いてフィードバックループを構成することも可能である。このフィードバックループを構成することにより、可動質量変化若しくは、経時変化に基づき、指令電圧出力タイミング補正データ、または指令電圧補正波形データの更新をも行うことができる。
【0025】
さらに、この駆動方式は、周期的な変動を持つモータであれば、ウォーキング型ピエゾモータ以外にも適用可能である。例えば、ステッピングモータでも適用可能となる。ステッピングモータを適用する際には、好適にはボールねじステージを適応すると良い。ボールねじステージを適用することで、ピッチ誤差と呼ばれる、ボールねじ1回転の周期的な誤差に対して、補正することが可能となる。このときのモータを駆動する指令電圧標準データは、波形データではなく、パルスデータとなる。すなわち、指令電圧標準データとしては、指令電圧標準波形データのみならず、パルスデータのようなその他のデータでも適用可能となる。
なお、指令電圧標準データとして、指令電圧標準波形データを用いると、ステージ速度変動との対応がオシロスコープなどで測定することにより、対応させやすいなどの利点がある。
[本実施例に係る効果]
本実施例によれば、実施例1に記載の効果、又は、以下に記す(a)のうちの一つ又は複数の効果を奏する。
(a)ステージ装置において、ピエゾステージのウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも指令電圧標準波形データおよび指令電圧出力タイミング補正データからウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ制御装置を備えることにより、位置決めする際にステージの速度を一定に安定させ、高精度な位置決めを行うことができる。
【実施例3】
【0026】
次に、図11に示す実施例3において、本発明の制御方法を備えたステージ装置を適用した観察サンプルを観察する観察部を有する荷電粒子装置について説明する。
【0027】
図11において、荷電粒子装置の例として、観察サンプル10を高倍率で解析する観察装置としてSEM14について説明する。対物レンズ11直下に観察サンプル10をXYステージ12上の可動テーブル13に固定する。ここで、上記ステージ装置で駆動されるXYステージ12を計測視野に観察しながら移動させることにより、観察サンプル10を撮像または解析する。しかし、XYステージ12の速度安定性が悪化すると、SEM14による観察位置を正確に決めることができない。
【0028】
そこで、図1または図10に示した本発明の制御装置を備えたステージ装置を採用することで、高い速度安定性が確保でき、SEMの操作性向上が図れるとともに、高精度な位置決めを行うことができる。
【0029】
また、図1、または図10の制御装置を用いることで、高い速度安定性をオープンループ制御で実現するために、高価なサーボモータやセンサを使用せずにステージ装置の性能を最大限に引き出すことができ、装置コストの低減が可能となる。
【0030】
さらに、この制御装置の適用は上述した荷電粒子装置に限定されず、その他の荷電粒子装置や、光学式顕微鏡等の観察装置でも同様の効果が得られることは明らかである。
[本実施例に係る効果]
本実施例によれば、実施例1、実施例2に記載の効果、又は、以下に記す(a)のうちの一つ又は複数の効果を奏する。
(a)本発明のステージ装置を搭載した荷電粒子装置、光学式顕微鏡の操作性向上を図ることができる。
[本発明の好ましい態様]
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0031】
本発明の第1の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0032】
また、本発明の第2の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0033】
また、本発明の第3の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0034】
好ましくは、前記ステージ制御装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記ウォーキング形ピエゾモータに与えられモータ出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する。
【0035】
さらに好ましくは、前記ステージ制御装置は、さらに前記指令電圧生成部からの指令電圧を出力する指令電圧出力部を有する。
【0036】
さらに好ましくは、前記ステージ制御装置は、さらに上位計算機からのコマンドを処理するコマンド処理部を有する。
【0037】
さらに好ましくは、前記ステージ装置は、前記観察サンプルの変位を測定する変位測定器と、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力を一定速度に補正する補正データ生成部を有する。
【0038】
さらに好ましくは、前記ステージ装置は、前記ピエゾステージと前記ステージ制御装置の間にフィードバック制御手段を設け、該フィードバック制御手段は、可動質量変化若しくは経年劣化に基づき、前記指令電圧出力タイミング補正データ、または前記指令電圧補正波形データを更新する。
【0039】
さらに好ましくは、前記観察サンプルを観察する観察部を有する荷電粒子装置又は光学顕微鏡からなる観察装置である。
【0040】
また、本発明の第4の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0041】
また、本発明の第5の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0042】
また、本発明の第5の態様は、観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有するステージ装置である。
【0043】
好ましくは、前記ステージ装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記モータに与えられ前記モータの出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する。
【符号の説明】
【0044】
1 ピエゾステージ
101 可動テーブル
102 ウォーキング型ピエゾモータ
103 固定子
2 モータ駆動部
3 ステージ制御装置
301 コマンド処理部
302 指令電圧生成部
303 指令電圧出力部
304 指令電圧標準波形データ
305 指令電圧出力タイミング補正データ
306 指令電圧補正波形データ
4 補正データ生成部
5 測定データ処理部
6 上位計算機
7 ピエゾ素子
8 固定子
10 観察サンプル
11 対物レンズ
12 XYステージ
13 可動テーブル
14 SEM
C 測定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項3】
観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のステージ装置において、前記ステージ制御装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記ウォーキング形ピエゾモータに与えられモータ出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成することを特徴とするステージ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載のステージ装置において、前記ステージ制御装置は、さらに前記指令電圧生成部からの指令電圧を出力する指令電圧出力部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項6】
請求項1乃至4に記載のステージ装置において、前記ステージ制御装置は、さらに上位計算機からのコマンドを処理するコマンド処理部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のステージ装置において、前記ステージ装置は、前記観察サンプルの変位を測定する変位測定器と、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力を一定速度に補正する補正データ生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載のステージ装置において、前記ステージ装置は、前記ピエゾステージと前記ステージ制御装置の間にフィードバック制御手段を設け、該フィードバック制御手段は、可動質量変化若しくは経年劣化に基づき、前記指令電圧出力タイミング補正データ、または前記指令電圧補正波形データを更新することを特徴とするステージ装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載のステージ装置を備え、前記観察サンプルを観察する観察部を有することを特徴とする荷電粒子装置又は光学顕微鏡からなる観察装置。
【請求項10】
観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項11】
観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項12】
観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項13】
請求項12に記載のステージ装置において、前記ステージ装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記モータに与えられ前記モータの出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記モータを駆動する指令電圧を生成することを特徴とするステージ装置。
【請求項1】
観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項3】
観察サンプルを載置する可動テーブルをウォーキング形ピエゾモータにより駆動するピエゾステージと、前記ピエゾステージの移動を制御するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ピエゾステージの前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力に一定速度を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のステージ装置において、前記ステージ制御装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記ウォーキング形ピエゾモータに与えられモータ出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記ウォーキング形ピエゾモータを駆動する指令電圧を生成することを特徴とするステージ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載のステージ装置において、前記ステージ制御装置は、さらに前記指令電圧生成部からの指令電圧を出力する指令電圧出力部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項6】
請求項1乃至4に記載のステージ装置において、前記ステージ制御装置は、さらに上位計算機からのコマンドを処理するコマンド処理部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のステージ装置において、前記ステージ装置は、前記観察サンプルの変位を測定する変位測定器と、前記ウォーキング形ピエゾモータの出力を一定速度に補正する補正データ生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載のステージ装置において、前記ステージ装置は、前記ピエゾステージと前記ステージ制御装置の間にフィードバック制御手段を設け、該フィードバック制御手段は、可動質量変化若しくは経年劣化に基づき、前記指令電圧出力タイミング補正データ、または前記指令電圧補正波形データを更新することを特徴とするステージ装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載のステージ装置を備え、前記観察サンプルを観察する観察部を有することを特徴とする荷電粒子装置又は光学顕微鏡からなる観察装置。
【請求項10】
観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項11】
観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから指令電圧出力タイミングを変化させた、前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項12】
観察サンプルを載置する可動テーブルをモータにより駆動するステージと、前記ステージを駆動するステージ制御装置を有するステージ装置において、
前記ステージ制御装置は、前記ステージの前記モータを駆動する指令電圧標準波形データと、前記モータに一定速度の出力を与える様に予め測定した指令電圧出力タイミング補正データと、少なくとも前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧出力タイミング補正データから前記モータを駆動する指令電圧を生成する指令電圧生成部を有することを特徴とするステージ装置。
【請求項13】
請求項12に記載のステージ装置において、前記ステージ装置は、前記指令電圧出力タイミング補正データに基づいて、一定出力タイミングで前記モータに与えられ前記モータの出力を一定速度とする指令電圧補正波形データを生成し、前記指令電圧生成部は前記指令電圧標準波形データおよび前記指令電圧補正波形データから前記モータを駆動する指令電圧を生成することを特徴とするステージ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−20472(P2013−20472A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153631(P2011−153631)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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