説明

ストッパ構造

【課題】湿気や熱等による経時的な劣化を抑えることが可能なストッパ構造を提供する。
【解決手段】間隔を開けて対向配置した第1係止部6と第2係止部8との間に環状部材9を架け渡す。その環状部材9は、芯部材10の外周を被覆部材11で被覆して構成する。また、上記芯部材10の延在方向の少なくとも一部を、上記被覆部材11内で径方向に撓んだ撓み部10bとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを車体に弾性支持させるためのエンジンマウント装置など、対向する2つの部材を弾性体を介して連結してなる防振装置において、上記2つの部材の少なくとも対向方向への相対変位量を規制するためのストッパ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性体を介して連結した部材間の相対移動を規制する従来のストッパ構造としては、例えば特許文献1に記載される構造がある。この従来例では、防振装置として、車体に取り付けるロアプレートに対し、アッパプレートをゴム筒によって弾性支持する構成を例示している。そして、その防振装置にストッパ構造を設けたものである。
そのストッパ構造は、一対のフックと、その一対のフック間に架け渡した円環状のストッパ部材とからなる。すなわち、上記ロアプレートにフックを設ける。また、アッパプレートにも、上記フックに対向配置したフックを設ける。そして、上下で対向する一対のフック間に、上記ストッパ部材を架け渡している。
【0003】
上記ストッパ構造では、ストッパ部材によって、一対のフックが離れる方向への相対変位を規制する。すなわち、防振装置の上下方向の伸びに対し、所定の相対変位以上になると円環状のストッパ部材の姿勢を楕円状にして緩衝的に相対変位を規制することが、特許文献1には記載されている。
【特許文献1】実開昭59−141241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記環状ストッパは、湿気や熱等に曝される。すなわち、湿気や熱等に曝された分だけ環状ストッパは経時的に劣化するという課題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、湿気や熱等による経時的な劣化を抑えることが可能なストッパ構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のストッパ構造は、間隔を開けて対向配置する第1係止部と第2係止部との間に環状部材を架け渡す。その環状部材は、主として引張力を負担する芯部材の外周を被覆部材で被覆して構成する。また、上記芯部材の延在方向の少なくとも一部を、上記被覆部材内で径方向に撓んだ撓み部とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ストッパとして主に引張力を発生する芯部材を、被覆部材で被覆することによって、当該芯部材を湿気や熱などから保護する。
また、芯部材の剛性に加えて被覆部材の剛性分だけ環状部材の剛性が高くなる。しかし、芯部材に撓み部を設けることで、その分環状部材の剛性が低下する。この結果、微小振動に対する環状部材による振動伝達を抑える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(第1実施形態)
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のストッパ構造を適用した防振装置を示す斜視図である。
(構成)
防振装置は、図1に示すように、車体に取り付けるための車体側ブラケット1を有する。その車体側ブラケット1の上方にユニット側ブラケット2が対向配置する。車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2との間に、弾性体であるブッシュ3が介在する。そのブッシュ3を介して、車体側ブラケット1の上にユニット側ブラケット2を弾性支持する。そして、上記防振装置は、車体側ブラケット1を、ボルト4によって車体フレームなどの車体側部材に取り付ける。また、ユニット側ブラケット2の上にエンジン等のユニットを載置して固定する。
【0008】
上記車体側ブラケット1は、上記ブッシュ3を固定する車体側ブラケット本体5と、その車体側ブラケット本体5と一体になって左右に延在する一対の第1係止部6と、を備える。上記第1係止部6は、厚さ方向を上下に向けた板状部材である。同様に、ユニット側ブラケット2は、上記ブッシュ3の上部を固定するユニット側ブラケット本体7と、そのユニット側ブラケット本体7と一体になって左右に延在する一対の第2係止部8と、を備える。上記第2係止部8は、厚さ方向を上下に向けた板状部材である。
ここで、本実施形態のストッパ構造は、上記第1係止部6、及び第2係止部8と、後述の環状部材9と、から構成する場合の例である。そのストッパ構造について、次に説明する。
上記左右の第1係止部6と第2係止部8とは、それぞれ上下方向に所定の間隔をあけて対向配置する。
【0009】
各第1係止部6の下面に、幅方向に延びる第1の溝6aを形成する。幅方向とは、第1係止部6の上記延在方向と交差する方向である。同様に、各第2係止部8の上面にも、幅方向に延びる第2の溝8aを形成する。この幅方向とは、第2係止部8の上記延在方向と交差する方向である。上記第2の溝8aは、対向配置する側の第1係止部6に形成した第1の溝6aと、上下で対向する位置に設定する。本実施形態では、上記第1の溝6a及び第2の溝8aは、第1係止部6及び第1係止部6を板厚方向に折り曲げ加工することで形成した場合を例示した。
【0010】
対向する左右の第1係止部6及び第2係止部8の組毎に、それぞれ無端環状の環状部材9を有する。その各環状部材9を、第1係止部6の一部及び第2係止部8の一部を環の内周側に含むように配置する。すなわち、上記環状部材9を、第1係止部6と第2係止部8との間に架け渡す。
このとき、環状部材9の上側部分9aは、第2係止部8の上面側を上記第2の溝8aに沿って横方向に延在する。環状部材9の下側部分9bは、第1係止部6の下面側を上記第1の溝6aに沿って横方向に延在する。更に、環状部材9は、上記環状部材9の上側部分9a及び下側部分9bの両端部間をそれぞれ連結する左右の側方部分9cを有する。その左右の側方部分9cは、それぞれ対向した第1係止部6及び第2係止部8の間を上下方向へ直線状に延在している。これによって、環状部材9は無端環状となる。また、環状部材9は矩形状の環形状となる。すなわち、図2に示すように、上側部分9aは、第2係止部8の上面(第2の溝8a)に倣うように横方向に延び、下側部分9bは、第1係止部6の下面(第1の水6a)に倣うように横方向に延び、左右の側方部分9cは、それぞれ直線状に延びている。
【0011】
上記環状部材9は、図3に示すように、芯部材10と被覆部材11とからなる。
芯部材10は、例えば、主として引張力を負担できるだけの剛性を有する部材からなる。例えば、鋼材や炭素繊維からなる複数の線材を束ね、図4に示すように、その両端部を接合して環状とする。その接合した部分が芯部材10の接合部10aとなる。その接合部10aは、図2のように、上記上側部分9aに位置するように配置する。
【0012】
その芯部材10の外周全周を、被覆部材11によって被覆してある。被覆部材11を、例えばゴム材や樹脂などから構成して、芯部材10の剛性よりも被覆部材11の剛性を低く設定する。
環状部材9の上側部分9a及び下側部分9bを形成する被覆部材11の肉厚は、図3のように、上記第1及び第2の溝8aの幅に収まる肉厚とする。環状部材9の側方部分9cを形成する被覆部材11の肉厚は、上記上側部分9a及び下側部分9bを形成する被覆部材11の肉厚よりも厚く形成する。すなわち、側方部分9cを形成する被覆部材11は肉厚が厚い。
【0013】
この被覆部材11は、環状部材9の軸方向、つまり延在方向に沿って延在して、環状部材9の外形を形成する。特に、被覆部材11は、側方部分9cにおいても直線状に延びている。
芯部材10は、上側部分9a及び下側部分9bでは、環状部材9の軸に沿って直線状に延在している。しかし、側方部分9cに位置する芯部材10は、被覆部材11の内部で、環状部材9の上下に延在する軸に対して径方向に撓んだ状態となっている。その撓んだ状態の部分が撓み部10bとなる。被覆部材内で径方向に撓むとは、例えば、被覆部材の軸に対して、径方向に偏心するように曲線を描いて延びることである。
【0014】
すなわち、環状部材9の外形を形成する被覆部材11は、側方部分9cにおいて、真っ直ぐ上下に延在している。一方、側方部分9cに位置する芯部材10は、被覆部材の中で、被覆部材11に対して径方向(横方向)に偏心するように撓んだ状態となっている。
本実施形態では、上記撓み部10bは、図2中破線で示すように、環状部材9の内周側に、つまり第1係止部6及び第2係止部8の間の空間側(ブッシュ3側)に撓んだ状態となっている。ここで、上述のように側方部分9cを形成する被覆部材11の肉厚を厚くすることで、その側方部分9cに位置する芯部材10を撓んだ形状に保持し易くなっている。
【0015】
なお、側方部分9cで芯部材10は撓んでいる。しかし、上述のように、被覆部材11によって、環状部材9の上側部分9a及び下側部分9bは、相対変位が発生していない初期状態では、対向する第1係止部6の下面及び第2係止部8の上面に線接触若しくは面接触している。
ここで、車体側ブラケット1は第1部材を、ユニット側ブラケット2は第2部材を、ブッシュ3は弾性体を構成する。
【0016】
(動作)
環状部材9を、第1係止部6の下面及び第2係止部8の上面に線接触若しくは面接触する構成としても、撓み部10bを有する。このため、相対変位が小さい状態では、芯部材の撓み部10bが撓んだ状態であって、環状部材9が突っ張らない。このため、相対変位が小さい微小振動状態では、環状部材9は、その相対変位を規制しない。若しくはその規制は、被覆部材11の剛性分の小さいものである。
【0017】
また防振装置が微小振動している状態では、側方部分9cの芯部材10に撓みを有する。このため、微小振動状態においては、車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2との間の、芯部材10を介した振動伝達が低減する。
一方、防振部材に大変位が入力されて、車体側ブラケット1に対しユニット側ブラケット2が上方に相対変位すると、環状部材9の少なくとも側方部分9cに上下への引張力が入力される。そして、所定の設定相対変位以上に相対変位しようとすると、撓んでいた芯部材10が突っ張る。この芯部材10の突っ張りによって、ユニット側ブラケット2が上方へ設定相対変位以上に相対変位することを規制する。
【0018】
(効果)
(1)芯部材10が被覆部材11で覆われている。このため、芯部材10が湿気や熱等で劣化することを抑えることが出来る。このことは、ストッパ構造の耐久性や寿命の向上に繋がる。
(2)環状部材9を芯部材10だけで構成する場合に比べて、被覆部材11の剛性分だけ、環状部材9の剛性は高くなる。そして、芯部材10の剛性が高いほど、芯部材10を通じて微小振動が伝達しやすくなる。
これに対し、芯部材10に撓み部10bを設けることにより、微小振動状態における芯部材10の剛性を低下させている。この結果、被覆部材11を設けても、環状部材9による変位規制が不要な微小変位領域において、芯部材10を介した振動伝達を抑えることができる。すなわち、被覆部材11を設けても、微小変位領域における防振性能が劣化することを回避している。
【0019】
(3)環状部材9は、防振装置の振動に応じた入力によって、撓み部10bを設けた部分が延在方向に伸縮する。この伸縮する撓み部10bを設けた部分を、他の部材と接触していない空間位置にある側方部分9cに設ける。これによって、その撓み部10bを、防振装置の振動に応じて、他の部材との干渉による抵抗が無く、比較的自由に伸縮させることが出来る。
なお、撓み部10bを、環状部材9の上側部分9aや下側部分9bに配置した場合には、第1係止部6や第2係止部8との摺動抵抗が上記伸縮分だけ大きくなる。その抵抗分だけ、撓み部10bを設けた環状部材9の部分での伸縮が阻害される可能性がある。
【0020】
(4)また、上述の環状部材9を介した車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2との間の微小振動の伝達は、主として側方部分9cを通じて行われる。従って、側方部分9cに撓み部10bを配置することで、その部分の剛性がより小さくなる。つまり、微小変位領域における芯部材10を介した振動伝達をより低減可能となる。
【0021】
(5)上記撓み部10bの撓んでいる方向を、図2のように、上記環状部材9の内周側、つまり車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2の対向する側に設定している。このため、防振装置に大変位が生じた際に、側方部分9cで撓んでいた芯部材10は、図5のように、突っ張って直線形状に変化する。すなわち、側方部分9cに位置する芯部材10は、環状部材9の外周側、つまり、車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2の対向する側から逃げる方向に変位する。また、その芯部材10の変位に伴い、その外周に位置する被覆部材11の部分も、少なくとも、被覆部材11の内周側が外周側に変位する。これによって、相対変位規制の際に、環状部材9の側方部分9cの変位がブッシュ3から逃げる方向となる。この結果、環状部材9とブッシュ3との干渉を回避することが出来る。つまり干渉による、環状部材9やブッシュ3の損傷、異音の発生を回避することができる。
【0022】
(6)また、上記撓み部10bの撓ませている方向を、上記環状部材9の内周側に設定することは、その外周を被覆する被覆部材11も内周側に膨らんだ状態とすることができる。側方部分9cの被覆部材11の内周側部分が、車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2の対向位置に入り込んでいると、それによって、環状部材9の延在方向の位置決めが行われる。この結果、振動に伴い、環状部材9が延在方向にずれることを低減することが出来る。つまり、撓み部10bを側方位置に保持可能となる。
【0023】
(7)車体側ブラケット1とユニット側ブラケット2には上下方向のみならず左右方向、回転方向の相対変位も発生する。このため、環状部材9の撓み部10bが配置されている側方部分9cには、引張または圧縮の軸方向荷重のみならず、ねじり方向の荷重も加わる。これに対して、上側部分9aや下側部分9bでは、軸方向荷重が支配的であり、ねじり方向の荷重は小さい。したがって、その上側部分9aや下側部分9bに対し、芯部材10の最弱部位である接合部10aを配置することにより、環状部材9の強度・耐久性能を向上することができる。
【0024】
(8)また、環状部材9の上側部分9a及び下側部分9bは、第1の溝6aや第2の溝8aに沿って配置している。このため、上側部分9a及び下側部分9bは、延在方向と交差する方向への移動が第1の溝6aや第2の溝8aによって規制されて、環状部材9の位置決めが成される。また、引張による、環状部材9の上側部分9a及び下側部分9bに位置する芯部材10への荷重を、より軸方向荷重が支配的となるようにすることが出来る。
【0025】
(9)初期状態で、環状部材9の上側部分9a及び下側部分9bは、第1係止部6及び第2係止部8に沿って配置して、当該上側部分9a及び下側部分9bは、延在方向に沿って第1係止部6及び第2係止部8に線接触又は面接触している。このため、環状部材9が、第1係止部6及び第2係止部8に当接する際の異音発生を低減することが可能となる。特に被覆部材11をゴム材等の弾性体とすることで、異音発生を抑えることが可能となる。
【0026】
(10)また、初期状態で、環状部材9が第1係止部6及び第2係止部8に接触していても、側方部分9cの被覆部材11の肉厚を厚くして変形可能な量を大きくしている。このため、撓んでいる芯部材10が突っ張る際に、被覆部材11もそれに追従して変形することが可能となる。また、被覆部材11を弾性体から構成することで、撓み部10bが元の位置に戻り易くなる。
【0027】
(11)また、上側部分9a及び下側部分9bは、延在方向に沿って第1係止部6及び第2係止部8に線接触又は面接触している。このことは、環状部材9が相対変位を規制する際に、上側部分9a及び下側部分9bと環状部材9との間の面圧を低減することに繋がる。
ここで、環状部材が円環状とした場合には、第1係止部6及び第2係止部8にそれぞれ2点で点接触して、接触する部位に大きな荷重が負荷されると共に、延在方向に移動し易くなる。
(12)なお、上記撓み部10bは、一対の側方部分9cを対称に設定することが好ましい。対称とすることで、第2係止部8の幅方向両側の相対変位量の最大値が同じ程度となる。もっとも、幅方向両側の相対変位量を積極的に変える場合には、対称としないことが好ましい。
【0028】
(変形例)
(1)被覆部材11は、芯部材10と接着していても良い。また、被覆部材11は、芯部材10と非接着状態であっても良い。すなわち、被覆部材11に延在方向に延びる空洞部を形成しても良い。
(2)上記撓み部10bを、内周側に撓ませる代わりに、外周側その他の他の径方向に撓ませても良い。防振装置の近くにある干渉物に応じて撓ませる方向を変更しても良い。
【0029】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。
ただし、図6及び図7に示すように、第2係止部8と板部材13で、環状部材9の上側部分9aの少なくとも一部を挟持する点が異なる。
【0030】
次に、その構成について説明する。
上記第2の溝8aの断面形状を、環状部材9の内周側に2点で接触し、且つ環状部材9の外周側が溝から突出する形状とする。
図7では、第2の溝8aの断面形状を、略三角形形状とした場合を例示している。断面形状をゴシックアーチ形状として環状部材9と2点接触にさせても良い。
更に、第2係止部8の上側から平板状の板部材13を取り付け、第2係止部8の第2の溝8aと板部材13とで、環状部材9の上側部分9aを挟み込で挟持した状態としている。環状部材9は、第2の溝8aから上方に突出している。したがって、板部材13を取り付けることで、環状部材9の被覆部材11は、圧縮変形した状態となっている。
なお、板部材13は、第2係止部8に溶接やボルト止めなどによって固定する。
その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0031】
(効果)
(1)環状部材9の上側部分9aを、被覆部材11が変形するように、第2係止部8と板部材13との間に挟持する。これによって、環状部材9の上側部分9aは、第2係止部8に対し、ずれることが無いかすれが低減する。
このことは、環状部材9の延在方向の位置決めをより確実に行うことに繋がる。
(2)また、上記挟持する部分に、芯部材10の接合部10aを配置すると、芯部材10で最弱部分となる接合部10aを補強することとなる。これは、環状部材9の強度・耐久性能を向上することに繋がる。
(3)その他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0032】
(応用例)
(1)第2の溝8aを、第2係止部8に設ける代わりに、板部材13側に設けて良い。
(2)第1係止部6の下側から平板状の板部材13を取り付け、第1係止部6の第1の溝6aと板部材13で、環状部材9の下側部分9bを挟み込で挟持した状態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に基づく実施形態に係るストッパ構造を説明する斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る環状部材の断面図である。
【図3】環状部材の延在方向の形状を示す図である。
【図4】芯部材の接合部を示す模式図である。
【図5】環状部材が突っ張った状態を示す図である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係るストッパ構造を説明する斜視図である。
【図7】環状部材を挟持した状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0034】
1 車体側ブラケット(第1部材)
2 ユニット側ブラケット(第2部材)
3 ブッシュ(弾性体)
6 第1係止部
6a 第1の溝
8 第2係止部
8a 第2の溝
9 環状部材
9a 上側部分
9b 下側部分
9c 側方部分
10 芯部材
10a 接合部
10b 撓み部
11 被覆部材
13 板部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置し且つ弾性体を介して連結した第1部材と第2部材の少なくとも対向方向への相対変位量を規制するストッパ構造であって、
第1部材に設けた第1係止部と、第2部材に設け且つ上記第1係止部と上記対向方向に離して配置した第2係止部と、上記第1係止部の一部及び第2係止部の一部を環の内周側に含むように配置した環状部材と、とを備え、
上記環状部材は、環状の芯部材と、その芯部材よりも剛性が低く且つ上記芯部材の外周を覆う被覆部材と、を備え、
上記被覆部材は、環状部材の延在方向に沿って延在して環状部材の外形を構成し、
上記芯部材は、延在方向の少なくとも一部に、上記被覆部材内で径方向に撓んだ撓み部を備えることを特徴とするストッパ構造。
【請求項2】
少なくとも第1部材と第2部材との間に相対変位が発生していない状態では、第1係止部又は第2係止部の少なくとも一方と対向する上記環状部材の内周側は、その延在方向に沿って、第1係止部又は第2係止部と線接触若しくは面接触していることを特徴とする請求項1に記載したストッパ構造。
【請求項3】
上記撓み部を、上記第1係止部と第2係止部との間に位置する部分に配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したストッパ構造。
【請求項4】
上記撓み部は、上記環状部材の内周側に撓んでいることを特徴とする請求項3に記載したストッパ構造。
【請求項5】
上記第1係止部又は第2係止部に対して、環状部材の延在方向に沿って延びる溝部を設け、その溝部に沿って上記環状部材を配置したことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載したストッパ構造。
【請求項6】
上記芯部材は、延在方向の少なくとも1つの接続部で連結して環状に形成され、その接続部は、上記環状部材の対向部分に位置するように配置することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載したストッパ構造。
【請求項7】
上記被覆部材は、上記第1係止部と第2係止部との間に位置する部分の肉厚を、第1係止部若しくは第2係止部他と対向配置する部分よりも厚いことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載したストッパ構造。
【請求項8】
上記被覆部材を弾性体で構成したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載したストッパ構造。
【請求項9】
上記環状部材における上記第1係止部又は第2係止部と内周側が対向した対向部分を、当該第1係止部又は第2係止部に拘束する拘束手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載したストッパ構造。
【請求項10】
上記拘束手段は、上記環状部材の対向部分を挟んで第1係止部又は第2係止部と対向配置した板部材を備え、第1係止部又は第2係止部と上記板部材とで上記環状部材の対向部分の少なくとも一部を挟持することを特徴とする請求項9に記載したストッパ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−30688(P2009−30688A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−194247(P2007−194247)
【出願日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】