説明

ストリームデータ処理装置

【課題】 HDDや半導体フラッシュメモリ等の記録手段を備える民生及び産業用デジタル機器において、そのような記録手段に対してストリームデータを効率よく送受信し、機器構成の簡素化が可能なストリームデータ転送制御機構を提供することを目的とする
【解決手段】 ストリームデータ処理装置21は、ホスト部22と送受信バッファ26を利用しながらストリームデータを専用に入出力するためのストリームI/F部25のストリーム送信部(1)35やストリーム送信部(2)36に対して、非ストリームI/F部24を介して、ホスト部22との接続先デバイスに関する送信接続先情報をやり取りし、格納しておくための送信接続設定部29を設け、前記送信接続先情報を参照しながら、前記接続先デバイスが最も効率よく受信可能な送信ストリームサイズに変換してストリーム送信動作を行うストリームデータ転送制御部23を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、民生及び産業用デジタル機器であって、特にホスト部と記録媒体部との間で映像や音楽等のストリームデータを効率よく送受信し、機器構成を簡素化可能な転送制御機構を備えたストリームデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、HDD(Hard Disk Drive)はPC(Personal Computer)の周辺機器としてOS(Operating System)やアプリケーションプログラム、ユーザが作成した文書データを格納する記録手段として用いられてきたが、近年では大容量化、低価格化が進行し、映像や音声といったストリームデータを格納する記録手段としてDVD(Digital Versatile Disc)/HDDレコーダやSTB(Set Top Box)、カムコーダ、カーナビゲーションシステム等の様々なコンシューマ向けデジタル機器にも採用されるようになってきている。
【0003】
また他の記録手段として、特に携帯電話やモバイルプレーヤ等の携帯型デジタル機器や監視カメラ装置では、HDDに比べて耐衝撃性や低電力動作、静音性に優れた半導体フラッシュメモリが多く利用されるようになってきている。
【0004】
さらに特許文献1には、汎用的なデータを入出力する第1のインターフェイスとストリームデータのようなリアルタイムデータを専用に入出力する第2のインターフェイスを持ち、第2のインターフェイスでホスト部にあるエンコーダやデコーダと直接接続することによって、ホスト部との間で容易にストリームデータを送受信可能な記録手段が開示されている。
【0005】
特許文献1記載のデータ記録再生装置101は、図1に示すようにATA(Advanced Technology Attachment)仕様の汎用入出力インターフェイス部104と、専用入出力インターフェイス部105と、バッファメモリ103と、記録再生制御部106と、記録媒体107から構成され、専用入出力インターフェイス部105はホスト部102にあるAV(Audio/Video)圧縮機やAV伸張器と直接データ転送を行う。
【0006】
ところで、近年のコンシューマ向けデジタル機器は各種ネットワーク接続手段を備え、ネットワークを介して他のデジタル機器と映像や音声を共有することが可能である。そこで図2に、従来のデータ記録再生装置101を採用し、ホスト部2にネットワーク接続手段を備えたストリームデータ処理装置1の構成例を示す。尚、ストリームデータ処理装置1の具体的なデジタル機器としてはHDDレコーダがある。
【0007】
図2に示すように、ストリームデータ処理装置1は、デジタルチューナ3とデスクランブラ4とストリームスイッチ5とA/V(Audio/Video)デコーダ9とホストプロセッサ6とメモリ7とATA I/F8とネットワーク接続手段であるネットワークコントローラ11と1394コントローラ13と、ネットワークコントローラ11に接続するローカルバッファ(1)10と1394コントローラ13に接続するローカルバッファ(2)12からなるホスト部2と、データ記録再生装置101から構成され、デジタルチューナ3とデスクランブラ4とストリームスイッチ5とA/Vデコーダ9とホストプロセッサ6とメモリ7とATA I/F8とネットワークコントローラ11と1394コントローラ13は、バス14を介して相互に接続されており、必要なコマンドや各種データのやり取りが行えるようになっている。またストリームデータは図中太線で示すように、各部間でポイントツーポイントに接続され、デジタルチューナ3とデスクランブラ4、デスクランブラ4とストリームスイッチ5、ストリームスイッチ5とA/Vデコーダ9、ネットワークコントローラ11、1394コントローラ13、データ記録再生装置101が接続されている。
【0008】
ホストプロセッサ6は、各部の動作や使用リソース等を制御・管理するためのOS(Operating System)や、映像や音楽を一覧表示したりするためのビューワやGUI(Graphical User Interface)といったアプリケーションプログラムを実行するところであり、メモリ7はOSやアプリケーションプログラムのワークメモリや各種データのバッファメモリとして使用する。
【0009】
ストリームスイッチ5は、ストリームデータ処理装置1におけるコンテンツの視聴や録画、再生といった動作に応じて入力するストリームデータの出力先を制御するところである。
【0010】
このストリームデータ処理装置1において、アンテナで受信したデジタル放送を表示装置で視聴する視聴動作を行うには、まずデジタルチューナ3から出力されたTS(Transport Stream)のスクランブルをデマルチプレクス4で解除し、次にストリームスイッチ5を介してA/Vデコーダ9へ転送する。そしてA/Vデコーダ9では、TSとして供給される圧縮デジタルデータのエンコード方式、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)ー2やMPEG−4、AAC(Advanced Audio Coding)に従ってデコードし、表示装置に出力することによって達成される。
【0011】
また受信したデジタル放送コンテンツをデータ記録再生装置101に録画する録画動作を行うには、ホストプロセッサ6がATA I/F8経由で所定のコマンドをデータ記録再生装置101に発行し、一方、ストリームデータはストリームスイッチ5によってデスクランブラ4からデータ記録再生装置101に転送されることによって達成される。
【0012】
さらにデータ記録再生装置101に記録したストリームデータを再生したり、他のデジタル機器にネットワークコントローラ11や1394コントローラ13を介して配信したりする再生・配信動作を行うには、ホストプロセッサ6がATA I/F8経由で所定のコマンドをデータ記録再生装置101に発行し、一方、ストリームデータはストリームスイッチ5によってデータ記録再生装置101からA/Vデコーダ9や、ネットワークコントローラ11、1394コントローラ13に転送されることによって達成される。
【0013】
【特許文献1】特開2004−39129
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで従来のデータ記録再生装置101を採用したストリームデータ処理装置1が、ネットワークコントローラ11や1394コントローラ13を介して他のデジタル機器と映像や音楽を共有するには、それらネットワーク接続手段にローカルバッファ(1)10やローカルバッファ(2)12を設けなければならない。これは扱うデータ形式がネットワーク接続手段の規格に適合するように、ホストプロセッサ6によってストリームデータを成形し直す必要があるからである。
【0015】
例えば、前記再生・配信動作において、データ記録再生装置101がMPEG−2 TS(Transport Stream)フォーマットに準拠したストリームデータを扱う場合であって、それをホスト部2のネットワークコントローラ11から出力するには、ネットワークコントローラ11がイーサネット(登録商標)に準拠しているとすると、188バイト単位のパケットを1500バイト分受け取るまでカウントしながらバッファし、それから出力する必要がある。これは、イーサネット(登録商標)の最大フレームサイズである1500バイト単位で出力したほうがネットワークの転送効率がよいためである。
【0016】
このため、ホストプロセッサ6での処理負荷が増加するとともに、ネットワーク接続手段にはローカルバッファが必要となり、ホスト部2の実装面積が増加したり、ストリームデータ処理装置1のホストプロセッサ6を強化したりする必要があるため、コストが増加するという問題がある。
【0017】
また、ネットワークコントローラ11や1394コントローラ13から出力されたストリームデータをデータ記録再生装置103の記録媒体107に格納する際に、前記ストリームデータのデータサイズと記録媒体107が扱うデータサイズが異なる場合には、効率良く記録することができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そこで本発明は上記課題を解決するために、HDDや半導体フラッシュメモリ等の記録手段を備える民生及び産業用デジタル機器において、そのような記録手段に対してストリームデータを効率よく送受信し、機器構成の簡素化が可能なストリームデータ転送制御機構を備えたストリームデータ処理装置を提供することを目的とする。
【0019】
上記目的を達成する本発明の第1の実施形態に関わるストリームデータ処理装置は、ホスト部と送受信バッファを利用しながらストリームデータを専用に入出力するためのストリームI/F部のストリーム送信手段に対して、ホスト部の接続先に関する送信接続先情報を、非ストリームデータを入出力するための非ストリームI/F部を介してやり取りし、取得した送信接続先情報を格納しておく送信接続設定部を設け、前記送信接続先情報を参照しながら、接続先のデバイスが最も効率よく受信可能なストリームサイズに変換してストリーム送信動作を行うストリームデータ転送制御部を設けたことを特徴とする。
【0020】
また第2の実施形態に関わるストリームデータ処理装置は、第1のストリームデータ転送制御部に加えて、ホスト部と受送信バッファを利用しながらストリームデータを専用に入出力するためのストリームI/F部のストリーム受信手段に対して、前記非ストリームI/F部を介して、ホスト部の接続元に関する受信接続元情報をやり取りし、取得した受信接続元情報格納しておく受信接続設定部を設け、前記受信接続元情報を参照しながら、接続元デバイスが送信する受信ストリームサイズを検知し、記録媒体部に適合する書込みデータサイズに変換してストリームデータを格納するストリーム受信動作を行ったり、前記受信接続元情報と前記送信接続先情報を参照しながら、受信ストリームサイズを送信ストリームサイズに変換してストリーム転送動作を行ったりするストリームデータ転送制御部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
第1の実施形態に関わるストリームデータ処理装置によれば、ホスト部から送信接続先情報を取得することによって、ホスト部の接続先に直接ストリームデータを送信できるとともに、接続先が最も好都合なデータサイズで受信することができる。
これによって、従来ホスト部で処理しなければならなかったストリームデータの転送先制御と、プロトコルに適合させるために必要なデータサイズ変換処理を削減、ホスト部のプロセッサ負荷を軽減できるとともに、前記データサイズ変換処理に必要なバッファメモリを削減することができる。
【0022】
第2の実施形態に関わるストリームデータ処理装置によれば、第1の実施形態に加えてホスト部から受信接続元情報を取得することによって、受信ストリームデータのデータサイズを検知することができる。
【0023】
これによって、記録媒体部が最も効率よく扱える書込みデータサイズに適合することができ、効率よく記録を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0025】
以下、図3を用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
図3は、ホスト部22と記録媒体部31との間に配置するストリームデータ転送制御部23を含むストリームデータ処理装置21を示している。ここでストリームデータ処理装置21は、PCや、DVD/HDDレコーダ、カムコーダ、携帯電話、携帯音楽プレーヤ、監視カメラ等の民生及び産業用デジタル機器である。
【0026】
ここでホスト部22は、図では記載を省略しているがストリームデータ処理装置21の主たる動作を制御するホストプロセッサや、デジタル放送を受信するデジタルチューナ、所定の圧縮方式によってエンコードされたデジタルデータを伸張するためのAVデコーダ、TV等の表示装置に映像を出力するためのディスプレイコントローラ、ネットワークに接続するための各種ネットワークコントローラ等から構成されている。
【0027】
さらに記録媒体部31は、映像や音楽、写真、テキスト等のユーザデータや、デジタル機器の各種リソースや動作を制御するためのOSやミドルウェア、更にはビューワやGUI(Graphical User Interface)といったアプリケーションプログラムを格納しておくための記録手段であり、例えばHDD等の磁気ディスクや、DVDやBlu−Ray Disc等の光磁気ディスク、CF(Compact Flash)カードやSDカードといった半導体フラッシュメモリである。
【0028】
このためストリームデータ処理装置21の実施形態によっては、ストリームデータ転送制御部23は、ホスト部22の一部や記録媒体部31の一部として構成することも可能である。
【0029】
ストリームデータ転送制御部23は、非ストリームI/F部24とストリームI/F部25とコントローラ部27とメモリ28と送信接続設定部29と記録媒体I/F部30から構成され、非ストリームI/F部24とストリームI/F部25とコントローラ部27とメモリ28と送信接続設定部29と記録媒体I/F部30は、バス32を介して必要なコマンドやデータがやり取りできるようになっている。
【0030】
そしてストリームデータ転送制御部23は、ホスト部22から非ストリームI/F部24を経由して与えられる様々な制御コマンドをコントローラ部27で解釈し、その結果、例えばホスト部22からストリームI/F部25を経由して入力されるストリームデータを記録媒体I/F部30を介して記録媒体部31に順次格納したり、ブリッジングしてそのままホスト部22に転送したり、また記録媒体部31に格納したストリームデータを順次読出し、ストリームI/F部25を介してホスト部22に出力したりといった動作を行う。
【0031】
ストリームI/F部25は、ホスト部22に対して送受信バッファ26を利用しながら映像や音楽等の複数のストリームデータを同時に入出力するためのインターフェイスを提供し、具体的には各ストリーム送信部や各ストリーム送信部において、ストリームデータの開始位置や有効期間を示すための制御線と、TSやPS(Program Stream)、タイムスタンプ付きTS形式の圧縮デジタルデータを入出力するためのデータ線を具備している。図3に示すストリームI/F部25は、例えばストリームデータを同時に2本受信し2本送信ができるように、ストリーム受信手段としてストリーム受信部(1)33とストリーム受信部(2)34、ストリーム送信手段としてストリーム送信部(1)35とストリーム送信部(2)36から構成している場合を示しており、送受信バッファ26を介して、ストリーム受信部(1)33からストリーム送信部(1)35やストリーム送信部(2)36、ストリーム受信部(2)34からストリーム送信部(1)35やストリーム送信部(2)36に転送することも可能である。
【0032】
非ストリームI/F部24は、ホスト部22に対して写真やテキストデータ、更にはこれらを記録媒体部31に記録するためのアドレスを含むリードやライト等の制御コマンドといった、ストリームデータ以外の非ストリームデータを入出力するためのインターフェイスを提供し、具体的にはATAや組込み機器向けATAのCE−ATA、USB(Universal Serial Bus)、PCI(Peripheral Componet Interconnect)等の汎用バス規格に準拠する。
【0033】
コントローラ部27は、非ストリームI/F部24から入力される各種制御コマンドを解析して、各機能部の動作を制御したり、ストリームI/F部25経由で入出力する、ストリームデータの作成日時やアクセス制御といった属性管理や記録媒体部31における配置箇所の決定を行ったり、さらには記録媒体部31から所定のストリームデータを取得する際、前記ストリームデータのビットレートを保証するように取得する読み出し制御を行ったりする。
【0034】
メモリ28は、コントローラ部27で動作するソフトウェアプログラムを格納したり、ホスト部22に対する非ストリームデータとストリームデータの入出力が競合した際に、ストリームデータを優先的に処理するために非ストリームデータを一旦バッファするために使用したりし、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性メモリやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成される。
【0035】
送信接続設定部29は、ストリームI/F部25のストリーム送信手段とホスト部22の接続先に関する送信接続先情報を格納するところであり、DRAM等の揮発性メモリやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成される。
【0036】
次にストリームデータ転送制御部23のストリーム送信動作について説明する。
【0037】
まずストリームデータ処理装置21の最初の起動時に、ストリームデータ転送制御部23は、ホスト部22から非ストリームI/F部24経由で与えられる前記送信接続先情報を含む送信設定コマンドを受信すると、コントローラ部27によって前記送信設定コマンドが解析、送信接続先情報を抽出され送信接続設定部29に格納される。
【0038】
次に、記録媒体部31に格納されたストリームデータをホスト部22で再生したりネットワークに配信したりするためのコマンドであって、ホスト部22から非ストリームI/F部24経由で与えられる再生コマンドやネットワーク配信コマンドを受け付けると、コントローラ部27は送信接続設定部29に格納した送信接続先情報を参照し、指定のストリーム送信手段を使用し、指定の送信ストリームサイズを送信単位としてストリーム送信動作を実施する。
【0039】
すなわち、コントローラ部27は、前記送信接続先情報に記載された接続先デバイス情報から、例えばストリーム送信部(1)35がホスト部22のデコーダと接続していることを検出すると、記録媒体部31から記録媒体I/F部30を介して取得したストリームデータを、送受信バッファ26を介してストリームI/F部25のストリーム送信部(1)33から送信を行うように制御する。
【0040】
またコントローラ部27は、前記送信接続先情報に付加されている他の情報である要求受信ストリームデータ単位情報から送信ストリームサイズを取得し、送受信バッファ26にその領域を確保するとともに、前記送信ストリームサイズを一単位として連続的にホスト部22へ送信するようにする。
【0041】
次に図4を用いて、前記送信接続先情報の構成を説明する。
図4に示すように、送信接続先情報は、送信チャネル41と、チャネル毎に前記接続先デバイス情報である接続先デバイス42と、前記要求受信ストリームデータ単位情報である要求受信ストリームデータ単位43から構成される。要求受信ストリームデータ単位とは、ホスト部22における接続先デバイス、例えばデコーダやネットワークコントローラが、そのデータ単位でストリームデータを受信すると最も効率よく動作できるデータサイズである。
【0042】
例えば、図4に示すようにストリーム送信部(2)の接続先デバイスがイーサネット(登録商標)ネットコントローラであれば、イーサネット(登録商標)の最大フレームサイズである1500バイトを送信ストリームサイズとし、その単位でストリーム送信動作を行う。またストリーム送信部(2)の接続先デバイスが1394コントローラであれば、ストリームデータのビットレートに応じて決定される各Isochronousパケットサイズ、例えば392バイトを送信ストリームサイズとし、その単位でストリーム送信動作を行う。
【0043】
第1の実施の形態では、送信接続先情報を送信接続設定部29に格納する場合を示したが、揮発性のメモリ28に格納して運用することも可能である。この場合、ホスト部22からストリームデータ処理装置21の電源を投入する等の初期化の度に送信接続先情報を含んだ送信設定コマンドを受信するようにすればよい。
【0044】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。
【実施例2】
【0045】
以下、図6を用いて本発明の第2の実施形態を説明する。
図6に示すストリームデータ処理装置51のストリームデータ転送制御部52は、図3に示す第1の実施形態のストリームデータ転送制御部23において、新たに受信接続設定部53を設けている。
【0046】
受信接続設定部53は、ストリームI/F部25のストリーム受信手段とホスト部22の接続元に関する受信接続元情報を格納するところであり、DRAM等の揮発性メモリやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリから構成される。
【0047】
次にストリームデータ転送制御部52のストリーム受信動作について説明する。
まずストリームデータ処理装置51の最初の起動時に、ストリームデータ転送制御部52は、ホスト部22から非ストリームI/F部24経由で与えられる前記受信接続元情報を含む受信設定コマンドを受信すると、コントローラ部27によって前記受信設定コマンドが解析、受信接続元情報を抽出され受信接続設定部53に格納される。
【0048】
次に、ホスト部22のチューナ等からのストリームデータを記録媒体部31に記録するためのコマンドであって、ホスト部22から非ストリームI/F部24経由で与えられる録画コマンドを受け付けると、コントローラ部27は受信接続設定部53の受信接続元情報を参照し、受信ストリームデータ単位情報から受信ストリームサイズを取得し、送受信バッファ26にその領域を確保するとともに、前記受信ストリームサイズを一単位として連続的にホスト部22から受信し、記録媒体I/F部30を介して記録媒体部31へと転送する。このとき、前記受信ストリームサイズが、記録媒体部31が最も効率よく扱える書込みデータサイズと異なる場合には、受信ストリームサイズから書込みデータサイズに変換して記録媒体部31へと転送する。
【0049】
次にストリームデータ転送制御部52のストリーム転送動作について説明する。
ホスト部22からストリーム受信部(1)33やストリーム受信部(2)34で受信したストリームデータをブリッジングして再びホスト部22に転送し、ホスト部22でデコードしたりネットワークに配信したりするためのコマンドであって、ホスト部22から非ストリームI/F部24経由で与えられるスルー再生コマンドやスルーネットワーク配信コマンドを受け付けると、コントローラ部27は、受信接続元情報と送信接続先情報から、例えばストリーム受信部(1)33から受信したストリームデータを送受信バッファ26経由でストリーム送信部(1)35に転送する。このとき、受信接続情報の受信ストリームデータ単位から取得した受信ストリームサイズと、送信接続先情報の要求受信ストリームデータ単位から取得した送信ストリームサイズが異なる場合には、送受信バッファ26を利用して受信ストリームサイズから送信ストリームサイズに変換し、送信ストリームサイズを一単位として連続的にホスト部22へ送信するようにする。
【0050】
次に図7を用いて、前記受信接続元情報の構成を説明する。
図7に示すように、受信接続元情報は、受信チャネル61と、チャネル毎に前記受信ストリームデータ単位情報である送信ストリームデータ単位62から構成される。送信ストリームデータ単位62とは、ホスト部22における接続元デバイス、例えばネットワークコントローラや1394コントローラが、そのデータ単位でストリームデータを送信してくるデータサイズである。例えば、図7に示すようにストリーム送信部(1)の接続先デバイスがイーサネット(登録商標)ネットコントローラであれば、イーサネット(登録商標)の最大フレームサイズである1500バイトを送信ストリームサイズとし、その単位でストリーム送信動作を行う。
【0051】
第2の実施の形態では、送信接続先情報を送信接続設定部29に、受信接続元情報を受信接続設定部53に格納する場合を示したが、揮発性のメモリ28に格納して運用することも可能である。この場合、ホスト部22からストリームデータ処理装置51の電源を投入する等の初期化の度に送信接続先情報を含んだ送信設定コマンドや受信接続元情報を含んだ受信設定コマンドを受信するようにすればよい。
【0052】
以上、本発明の第2の実施形態について説明した。
【0053】
図7に図5に示すストリームデータ転送制御部52を採用したストリームデータ処理装置71の構成例を示す。尚、ストリームデータ処理装置1の具体的なデジタル機器としてはHDDレコーダがある。
【0054】
図7に示すようにストリームデータ処理装置71は、デジタルチューナ3とデスクランブラ4とA/Vデコーダ9とホストプロセッサ6とメモリ7とATA I/F8とネットワーク接続手段であるネットワークコントローラ73と1394コントローラ74からなるホスト部72と、ストリームデータ転送制御部51と記録媒体部31から構成され、デジタルチューナ3とデスクランブラ4とA/Vデコーダ9とホストプロセッサ6とメモリ7とATA I/F8とネットワークコントローラ73と1394コントローラ74は、バス14を介して相互に接続されており、必要なコマンドや各種データのやり取りが行えるようになっている。またストリームデータは図中太線で示すように各部間でポイントツーポイント接続され、デジタルチューナ3とデスクランブラ4、デスクランブラ4とA/Vデコーダ9とネットワークコントローラ73と1394コントローラ74はそれぞれストリームデータ転送制御部51と直接接続する構成となっている。
【0055】
このストリームデータ処理装置71において、アンテナで受信したデジタル放送を表示装置で視聴する視聴動作を行うには、まずデジタルチューナ3から出力されたTSのスクランブルをデマルチプレクス4で解除し、ストリームデータ転送制御部51を介してA/Vデコーダ9に転送することによって達成される。このときストリームデータ転送制御部51はストリーム転送動作を実施する。
【0056】
また受信したデジタル放送コンテンツを記録媒体部31に録画する録画動作を行うには、ホストプロセッサ6がATA I/F8経由で所定のコマンドをストリームデータ転送制御部51に発行し、一方ストリームデータはデスクランブラ4からストリームデータ転送制御部51に転送することによって達成される。このときストリームデータ転送制御部51はストリーム受信動作を実施する。
【0057】
さらに記録媒体部31に記録したストリームデータを再生したり、他のデジタル機器にネットワークコントローラ11を介して配信したりする再生・配信動作を行うには、ホストプロセッサ6がATA I/F8経由で所定のコマンドをストリームデータ転送制御部51に発行し、一方ストリームデータはストリームデータ転送制御部51からA/Vデコーダ9や、ネットワークコントローラ11に転送することによって達成される。このときストリームデータ転送制御部51はストリーム送信動作を実施する。
【0058】
以上、本発明のストリームデータ転送制御部51を採用したストリームデータ処理装置71によれば、ストリームデータ転送制御部51はホスト部51との接続先と、接続先が最も効率よく扱うことができる受信ストリームデータサイズや接続先が送信する送信ストリームデータサイズを把握し、転送先に応じてデータサイズ変換を行うため、従来ホスト部で行っていた処理をなくし、ホストプロセッサ6の負荷を軽減するとともに、ネットワーク手段に必要であったローカルバッファを削減することができ、ストリームデータ処理装置71の構成を簡素化することができる。さらにネットワークコントローラ73や1394コントローラ74は、受信ストリームデータに所定のヘッダのみを付加すればよいため、更にホストプロセッサ6の負荷を低減することができ、よりコストの低いプロセッサを採用することが可能になるため、ストリームデータ処理装置71のトータルコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来のデータ記録再生装置の構成図である。
【図2】従来のデータ記録再生装置を適用したストリームデータ処理装置である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に関わるストリームデータ処理装置及びストリームデータ転送制御部の構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に関わる送信接続先情報の構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に関わるストリームデータ処理装置及びストリームデータ転送制御部の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に関わる受信接続先元情報の構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に関わるストリームデータ転送制御部を適用したストリームデータ処理装置である。
【符号の説明】
【0060】
1・・・・ストリームデータ処理装置
2・・・・ホスト部
3・・・・デジタルチューナ
4・・・・デスクランブラ
5・・・・ストリームスイッチ
6・・・・ホストプロセッサ
7・・・・メモリ
8・・・・ATA I/F
9・・・・A/Vデコーダ
10・・・・ローカルバッファ(1)
11・・・・ネットワークコントローラ
12・・・・ローカルバッファ(2)
13・・・・1394コントローラ
14・・・・バス
21・・・・ストリームデータ処理装置
22・・・・ホスト部
23・・・・ストリームデータ転送制御部
24・・・・非ストリームI/F部
25・・・・ストリームI/F部
26・・・・送受信バッファ
27・・・・コントローラ部
28・・・・メモリ
29・・・・送信接続設定部
30・・・・記録媒体I/F部
31・・・・記録媒体部
32・・・・バス
33・・・・ストリーム受信部(1)
34・・・・ストリーム受信部(2)
35・・・・ストリーム送信部(1)
36・・・・ストリーム送信部(2)
41・・・・送信チャネル
42・・・・接続先デバイス
43・・・・要求受信ストリームデータ単位
51・・・・ストリームデータ処理装置
52・・・・ストリームデータ転送制御部
53・・・・受信接続設定部
61・・・・受信チャネル
62・・・・受信ストリームデータ単位
71・・・・ストリームデータ処理装置
72・・・・ホスト部
73・・・・ネットワークコントローラ
74・・・・1394コントローラ
101・・・・データ記録再生装置
102・・・・ホスト部
103・・・・バッファメモリ
104・・・・汎用入出力インターフェイス部
105・・・・専用入出力インターフェイス部
106・・・・記録再生制御部
107・・・・記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト手段に対して映像や音声のストリームデータを専用に入出力するためのストリーム送信手段とストリーム受信手段からなる第1のインターフェイス手段と、
ホスト手段に対してアドレスやコマンド、写真やテキストデータの非ストリームデータを入出力するための第2のインターフェイス手段と、
記録媒体手段に対しストリームデータや非ストリームデータを入出力するための第3のインターフェイス手段を備え、前記第2のインターフェイス手段を経由してホスト手段から提供される、前記ストリーム送信手段とホスト手段が具備する受信デバイスとの接続方法を記載した送信接続先情報を保持する送信接続設定手段を備え、
前記送信接続先情報に基づいてストリームデータの送信サイズを調整して送信するストリームデータ転送制御機構を備えたことを特徴とするストリームデータ処理装置。
【請求項2】
前記第2のインターフェイス手段を経由してホスト手段から提供される、前記ストリーム受信手段とホスト手段が具備する送信デバイスとの接続方法を示す受信接続元情報を保持する受信接続設定手段を備え、前記受信接続元情報に基づいてストリーム受信を行い、さらにストリームデータの記録サイズを変更して記録媒体手段に転送したり、またホスト手段が具備する前記受信デバイスに送信サイズを調整して転送したりすることを特徴とする請求項1記載のストリームデータ処理装置。
【請求項3】
前記送信接続設定手段は、前記ストリーム受信手段に対応したホスト手段が具備する前記受信デバイスと、前記受信デバイスが最も効率よく受信できるストリームデータサイズから構成する送信接続先情報を保持することを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のストリームデータ処理装置。
【請求項4】
前記受信接続設定手段は、ホスト手段が具備する前記送信デバイスが送信するストリームデータ転送サイズを記載する構成する受信接続元情報を保持することを特徴とする請求項2もしくは請求項3記載のストリームデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−111796(P2009−111796A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282625(P2007−282625)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】