説明

ストリーム同期装置、及びストリーム同期方法

【課題】チャンネルを切り替えるときの放送の再生速度を改善する。
【解決手段】トランスポートストリーム同期装置100では、第1バッファ10と第2バッファ20とのいずれか一方を再生用バッファ、他方をチャンネル切り替え用バッファに設定し、チャンネルの切り替えに応じて第1及び第2バッファ10,20の機能を相互に切り替える。データ量テーブル40は、チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリーム(TS)のデータ量を算出するデータ量算出情報を、チャンネル毎に保持する。バッファ量調整部50は、データ量算出情報を用いて算出したデータ量に応じて、チャンネル切り替え用バッファのトランスポートストリーム量を調整する。チャンネル切り替え制御部70は、チャンネルの切り替えを制御し、オーディオとビデオとの同期が確立すると、再生中のチャンネルのデータ量算出情の更新をテーブル管理部60へ指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送において配信されるトランスポートストリームの同期装置及びその方法に関し、特に、チャンネルを切り替えるときの再生速度改善に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送の再生において、再生の開始時や、チャンネルを切り替えるときに、オーディオ(Audio)とビデオ(Video)の再生タイミングを合わせる事、すなわちオーディオビデオ同期処理(AV同期処理)を行う。AV同期処理には、同期合わせに必要な情報、例えば、プログラムクロックリファレンス(PCR : Program Clock Reference)や再生タイムスタンプ(PTS : Presentation Time Stamp)の入力待ちや、これらの情報に基づいたオーディオやビデオのスキップ/リピート処理が必要となる。再生開始に時間を要すため、視聴者にとっては、チャンネルを切り替えたときに、放送の切り替えが遅いと感じることがあった。
【0003】
例えば、特許文献1には、視聴者がチャンネルを変更した際に、映像の切り替えを瞬時に実行し、待ち時間がなく、使い勝手を向上させた映像信号復号化装置が開示されている。特許文献1の映像信号復号化装置の構成を図6に示す。映像信号復号化装置では、第1のレートバッファ12pは衛星波等から受信したトランスポートストリーム(TS : Transport Stream)を一時保持し、設定のビットレートでTS一時保持手段15pおよびPIDプロセッサ14p双方に送出する。TS一時保持手段15pは一定の記憶量を持ち、少なくとも各チャンネルのGOP(Group of Picture)1つ分を記憶できる容量があり、上書き記録により、常に各チャンネルの最新の一定量のGOPを保持する。PID選択手段11pによりパケットID(PID : Packet Identifier)が切り替えられたとき、TS一時保持手段15pが保持している最新のGOPが第2のレートバッファ13pを介して設定のビットレートでPIDプロセッサ14pに送出され、切り替え後のチャンネルのGOPの復号に必要なデータが先頭から得られ、切り替え直後においても映像が復号できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−190617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、少なくとも各チャンネルのGOP1つ分を記憶できる容量があり、最新のGOPを保持する。しかしながら、トランスポートストリームによってはPTS−STC(System Time Clock:基準時刻)の時間差が5秒程度、開いている場合がある。このようなトランスポートストリームでは、例えば、1GOP=0.5秒換算とすると、結果として、10GOP分の映像がVideoバッファに貯まるまでに4.5秒程度の待ち時間が発生する。つまり同期合わせが完了して出画するまでに数秒の待ち時間が発生することになる。視聴者にはこの待ち時間が長いと感じられ、チャンネルを切り替えるときの放送の再生速度の改善が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るストリーム同期装置の一態様は、第1バッファ、第2バッファ、入力制御部、再生制御部、データ量テーブル、バッファ量調整部、テーブル管理部、及びチャンネル切り替え制御部を備える。第1及び第2バッファは、第1バッファが再生用バッファとして機能するときに、第2バッファがチャンネル切り替え用バッファとして機能し、第1バッファがチャンネル切り替え用バッファとして機能するときに、第2バッファが再生用バッファとして機能する。また、チャンネルの切り替えが通知されると、第1バッファ及び第2バッファの機能が相互に切り替えられる。入力制御部は、再生中のトランスポートストリームを再生用バッファへ転送し、切り替え先と予測されたチャンネルのトランスポートストリームをチャンネル切り替え用バッファへ転送する。再生制御部は、再生用バッファに格納されたトランスポートストリームの再生を制御する。データ量テーブルは、チャンネル切り替え用バッファに格納するデータ量を算出するデータ量算出情報を、チャンネル毎に保持する。バッファ量調整部は、データ量算出情報を用いて算出したデータ量に応じて、チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリーム量を調整する。テーブル管理部は、データ量算出情報をデータ量テーブルに格納する。チャンネル切り替え制御部は、チャンネルの切り替えを検出すると、再生制御部がオーディオとビデオとの同期をとって出力するように制御し、オーディオとビデオとの同期が確立すると、テーブル管理部へデータ量算出情報の更新を指示する。チャンネル切り替え用バッファに、切り替え先として予測されたチャンネルのトランスポートストリームを事前に格納しておくことにより、チャンネル切り替えが生じたときに、オーディオとビデオとの同期が確立するまでに要する時間を短縮する。これにより、視聴者がチャンネルの切り替えたときに、放送が再生するまでの時間を短縮することができる。加えて、データ量算出情報に基づいて、オーディオとビデオの同期の確立に必要なデータ量(バッファ貯まり量)を算出する。
チャンネル切り替え用バッファへ格納するトランスポートストリーム量を、算出したデータ量に基づいて調整することにより、適正なデータ量を保持する。その結果、使用するメモリ量を適正に設定し、過剰なメモリの確保を回避することが可能になる。
【0007】
また、本発明に係るストリーム同期方法の一態様は、第1バッファと、前記第1バッファが再生用バッファとして機能するときに、チャンネル切り替え用バッファとして機能し、前記第1バッファが前記チャンネル切り替え用バッファとして機能するときに、前記再生用バッファとして機能する第2バッファとを用いて、トランスポートストリームに含まれるオーディオとビデオとを同期させるストリーム同期方法である。ストリーム同期方法では、チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリームのデータ量を算出するデータ量算出情報を、チャンネル毎にデータ量テーブルに保持する。再生するトランスポートストリームを前記再生用バッファへ転送し、再生用バッファに格納されたトランスポートストリームの再生を制御する。切り替え先と予測されたチャンネルのトランスポートストリームを前記チャンネル切り替え用バッファへ転送し、データ量算出情報を用いて算出したデータ量に応じて、チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリーム量を調整する。チャンネルの切り替えが通知されると、第1バッファ及び第2バッファの機能を相互に切り替えるとともに、オーディオとビデオとの同期をとって出力するように制御する。オーディオとビデオとの同期が確立すると、再生中のチャンネルに関するデータ量算出情報の更新を指示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チャンネルを切り替えるときの放送の再生速度を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のトランスポートストリーム同期装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】チャンネルの切り替えが生じたときに放送を再生する処理の概略を示す図である。
【図3】チャンネルの切り替えが生じたときに放送を再生する手順を示すフローチャートである。
【図4】チャンネル切り替え用バッファへビデオ情報及びオーディオ情報を格納する処理の概略を示す図である。
【図5】チャンネル切り替え用バッファへビデオ情報及びオーディオ情報を格納する手順を示すフローチャートである。
【図6】特許文献1の映像信号復号化装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0011】
本発明に係るトランスポートストリーム同期装置(以下適宜、TS同期装置ともいう)の一態様は、再生中のトランスポートストリームを格納するバッファ(再生用バッファ)に加え、切り替えるチャンネル用のバッファ(チャンネル切り替え用バッファ)を用いる。トランスポートストリーム同期装置は、各チャンネルのトランスポートストリームからAudio(オーディオ、音声)とVideo(ビデオ、映像)のPTS−STC時間差とビットレート(符号ビットレート情報)から適切なバッファ貯まり量を算出して、切り替えるチャンネル用のバッファが適切なバッファ貯まり量になるように調整する。これにより、AV同期処理に要する時間を短縮し、PTS−STC時間差が大きいトランスポートストリームでも安定して高速なチャンネルチェンジを行う事を可能にする。
【0012】
トランスポートストリームは、例えば、アンテナを介して受信されたデジタル放送波から抽出されたデータストリームである。トランスポートストリームには、放送再生のため、オーディオ情報、ビデオ情報、及びPCRを含む。オーディオ情報は、符号化された音声データであり、ビデオ情報は、符号化された映像データである。オーディオ情報とビデオ情報とは、双方の同期をとるために、それぞれPTSが付加されている。
トランスポートストリーム同期装置は音声と映像とをそれぞれのPTSが一致するように同期をとって出力装置(スピーカ、表示装置)へ出力する。具体的には、オーディオ情報に付加されたPTSとビデオ情報に付加されたPTSとが、STCと一致するように制御される。このようにして、トランスポートストリームによって伝送された放送が再生される。
ここで、PTSは、トランスポートストリームに含まれる情報である。STCは、トランスポートストリームに含まれるPCRへ同期させることによって生成する時刻であり、トランスポートストリーム同期装置内の基準時刻となる。
【0013】
以降の説明では、符号化された映像・音声データを入力し、これらのデータの同期をとって復号して出力するトランスポートストリーム同期装置として、MEPG−2(Moving Picture Experts Group-2)システムを適用する場合を一例に説明する。しかしながら、これに限られるわけではなく、他の符号化システムに適用することも可能である。以降の説明では、トランスポートストリームは、MEPG−2システムで規格されたデータであることを前提とする。
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。
【0014】
実施形態1.
図1は、本発明のトランスポートストリーム同期装置の構成例を示すブロック図である。トランスポートストリーム同期装置100は、第1バッファ10、第2バッファ20、再生制御部30、データ量テーブル40、バッファ量調整部50、テーブル管理部60、チャンネル切り替え制御部70、入力制御部80、及び出力装置90を備える。図1のトランスポートストリーム同期装置100では、トランスポートストリームが入力制御部80へ入力され、再生制御部30において放送再生用データ(オーディオ、ビデオ)に加工されて出力装置90へ出力される。図1中、各構成要素間のデータの流れを実線で示し、制御の流れを点線で示す。
【0015】
トランスポートストリーム同期装置では、第1バッファ10と第2バッファ20とのいずれか一方を再生用バッファ、他方をチャンネル切り替え用バッファとして機能させ、チャンネルの切り替えが通知されると、これらのバッファの機能を相互に切り替える。このため、第1バッファ10と第2バッファ20のうち、どちらが再生用バッファであるかを設定するバッファ設定情報を用いる。バッファ設定情報は、(1)バッファ設定情報を必要とする構成要素、例えば入力制御部80、再生制御部30、及びチャンネル切り替え制御部70がそれぞれ保持する、(2)これらの各構成要素が参照可能な場所へ格納されている、(3)チャンネル切り替えが通知されるときに、通知される、のいずれかの手段により、バッファ設定情報を必要とする構成要素が参照可能であることを前提とする。加えて、バッファ設定情報を必要とする構成要素が取得可能あるいは参照可能であれば、上述した(1)から(3)以外の方法でバッファ設定情報を供給する手段あってもよい。以下では、説明を容易にするため、バッファ設定情報を各構成要素で保持する場合を一例として説明する。
【0016】
入力制御部80、再生制御部30、及びチャンネル切り替え制御部70は、視聴者からチャンネル切り替えを受け付けると(チャンネルの切り替えが入力されると)、外部からチャンネルの切り替えが発生したことが通知される。ここでは、チャンネルの切り替えは、図1に示した装置の外部、具体的には、図1のトランスポートストリーム同期装置100を含む放送再生に係わる装置のうち、上位の構成要素によって視聴者からのチャンネル切り替えの指示を受け付け、トランスポートストリーム同期装置の構成要素へ制御信号等(図1に図示せず)により通知されることを前提とする。
チャンネルの切り替えが通知されると、バッファ設定情報に設定された再生用バッファとチャンネル切り替え用バッファとの設定を切り替える。例えば、バッファ設定情報として、第1バッファ10と第2バッファ20との記憶領域の位置を示すアドレス(先頭アドレス)を用いる。この場合、入力制御部80、再生制御部30、及びチャンネル切り替え制御部70それぞれがバッファ設定情報を保持している場合には、チャンネルの切り替えが通知されると、各構成要素が再生用バッファとして用いる記憶領域のアドレスを切り替えることによって、再生用バッファとチャンネル切り替え用バッファとを切り替える。各構成要素が参照可能な場所へバッファ設定情報を格納している場合には、いずれかの構成要素あるいは外部(例えば、チャンネルの切り替えを通知する構成要素など)がバッファ設定情報を切り替える。
【0017】
入力制御部80では、トランスポート入力部(TS入力部)81がトランスポートストリームを外部から受け取り、DEMUX82が入力されたトランスポートストリームをオーディオ情報とビデオ情報とに分割し、第1バッファ10と第2バッファ20とが備える、オーディオバッファ11、21とビデオバッファ12、22とに格納する。
DEMUX82は、第1バッファと第2バッファとのいずれか一方を再生用バッファ、他方をチャンネル切り替え用バッファに設定するバッファ設定情報を参照し、再生中のトランスポートストリームを再生用バッファへ転送し、再生中のトランスポートストリームとは異なるチャンネルのトランスポートストリームをチャンネル切り替え用バッファへ転送する。また、チャンネルの切り替えが外部から通知されると、バッファ設定情報に設定された再生用バッファとチャンネル用バッファとの設定を切り替える。
【0018】
第1バッファ10と第2バッファ20とは、再生中のトランスポートストリーム、チャンネル切り替え用のトランスポートストリームを格納する記憶領域であり、格納することが想定されるデータ量の領域が確保されている。第1バッファ10は、オーディオバッファ11とビデオバッファ12とを有し、第2バッファ20は、オーディオバッファ21とビデオバッファ22とを有する。
第1バッファと第2バッファとの一方が再生用バッファとして機能し、他方がチャンネル切り替え用バッファとして機能する。
再生用バッファは、現在再生中のトランスポートストリームを格納する記憶領域である。
チャンネル切り替え用バッファ(適宜、CH切り替え用バッファともいう)は、チャンネル切り替え指示を検出したときに、使用する記憶領域であり、どのチャンネルのトランスポートストリームを格納するかは、ユーザが次にチャンネルを切り替えときに選択される可能性が高いチャンネルを予測することによって決定する。切り替え先のチャンネルの予測には、例えば、PID(パケットID:Packet ID)フィルタリングの手法を用いる。別のチャンネルのPIDフィルタリングとは、利用者が次のチャンネル切り替えを実施する可能性が高いチャンネルを推測することを指す。例えば、リモートコントローラ(リモコン)のチャンネル切り替えのアップ側のPIDなどが相当する。本発明では、これらチャンネル切り替えの予測アルゴリズムについては公知の技術を用いることを前提とし、詳細な説明を省略する。
【0019】
再生制御部30は、再生用バッファが保持するトランスポートストリームをデコードして放送再生用データに加工し、出力回路を介して、出力装置90へ出力する。具体的には、オーディオデコーダ31がオーディオバッファ11またはオーディオバッファ21に格納されたオーディオ情報をデコードし、デコードされた放送再生用データのオーディオを音声出力回路33を介して、スピーカ91へ出力する。ビデオデコーダ32がビデオバッファ12またはビデオバッファ22に格納されたビデオ情報をデコードし、デコードされた放送再生用データのビデオを、映像出力回路34を介して、表示装置92へ出力する。
チャンネル切り替え制御部70によって、再生制御部30は、放送再生用データをSTCと同期させて出力装置90へ出力する。放送再生用データの同期についてはチャンネル切り替え制御部70の説明で述べる。
【0020】
データ量テーブル40は、チャンネル切り替え用バッファに格納するデータ量(バッファ貯まり量)を算出するデータ量算出情報をチャンネル毎に格納する。ここでは、データ量算出情報として、PTS、STC(PTS−STC時間差)、及びビットレートを、オーディオ情報及びビデオ情報それぞれについて格納する場合を一例として説明する。
【0021】
バッファ量調整部50は、データ量テーブル40が保持するデータ量算出情報を用いて、チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリームのデータ量を調整する。このとき、バッファ量調整部50は、切り替え先のチャンネルを予測した情報を取得し、予測されたチャンネルに関するデータ量算出情報に基づいて、データ量を算出し、算出したデータ量のトランスポートストリームがチャンネル切り替え用バッファに格納されるように調整する。
例えば、ビデオ情報のPTS−STCの時間差が4秒、ビットレートが8Mbps(すなわち、1Mbyte/秒)とした場合、1Mbyte×4秒=4Mbyteがデータ量(バッファ貯まり量)となる。
【0022】
テーブル管理部60は、再生用バッファからデータ量算出情報を抽出し、データ量テーブル40に格納する。テーブル管理部60は、再生用バッファに格納するビデオ情報とオーディオ情報とが同期したタイミングでデータ量テーブル40を抽出する。また、同期後、任意のタイミング若しくは定期的に新たなデータ量算出情報を抽出してデータ量テーブル40のデータ量算出情報を更新する。テーブル管理部60は、チャンネル切り替え時あるいは同期が外れた場合に、チャンネル切り替え制御部70からAV同期処理を通知される。
【0023】
チャンネル切り替え制御部70は、放送再生用データのオーディオとビデオとが同期をとって再生制御部30から出力装置90へ出力されるように制御する。具体的には、オーディオデコーダ31から出力されるオーディオと、ビデオデコーダ32から出力されるビデオとが、同期した状態で音声出力回路33または映像出力回路34を介して出力装置90へ出力されるように制御する。言い換えると、チャンネル切り替え制御部70は、オーディオ情報とビデオ情報に付加されているPTSそれぞれがSTCと一致するように放送再生用データのオーディオとビデオとの出力を、スキップ/リピート処理によって制御する。例えば、チャンネル切り替え制御部70は、同期をとるために、スキップ処理では、画像または音声の一部を出力しない処理をオーディオデコーダ31またはビデオデコーダ32へ指示し、それにより出力を早め、リピート処理では、画像または音声の一部を繰り返し出力する処理をオーディオデコーダ31へ指示し、それにより出力を遅らせることを行う。
チャンネル切り替え制御部70は、放送再生用のオーディオとビデオとの同期がとれたタイミング(AV同期処理完了、AV同期の確立)を検出すると、テーブル管理部60にAV同期処理完了を通知する。
【0024】
上述したように、実施形態1のストリーム同期装置は、チャンネル毎にオーディオ情報とビデオ情報とに関して、適切なバッファ貯まり量を算出するためのデータ量算出情報を保持しておく。これにより、チャンネル切り替え前に、再生用バッファとの別の、チャンネル切り替え用バッファに適切なバッファ貯まり量を保つように調整する。
予めチャンネル切り替え前から適切なバッファ貯まり量を調整しておくことで、チャンネルの切り替えが発生したときに、再生用バッファにビデオ情報及びオーディオ情報が貯まるまでの待ち時間の短縮化を可能とする。加えて、再生用バッファにビデオ情報及びオーディオ情報が貯まり過ぎることによる不要データ破棄の処理時間の短縮を可能とする。その結果、チャンネル切り替えたときの放送の再生を高速に実施することを可能とする。また、バッファサイズを常に適正データ量分だけ確保できるため、メモリ使用量の削減につながる。
【0025】
なお、チャンネル切り替え用バッファに格納されたビデオ情報及びオーディオ情報(トランスポートストリーム)のチャンネルと、切り替え先のチャンネルとが一致しない場合、事前に格納したビデオ情報及びオーディオ情報がない場合の手順に従って、ビデオ情報及びオーディオ情報が再生用バッファに格納され、チャンネル切り替え制御部70がビデオ情報とオーディオ情報との同期が確立するまで、オーディオデコーダ31及びビデオデコーダ32が音声・映像の出力を待つことになる。
【0026】
次に、チャンネルの切り替えが生じたときに放送を再生する手順と、チェンネル切り替え用バッファへビデオ情報及びオーディオ情報を格納する手順とを、図面を参照して説明する。図2は、チャンネルの切り替えが生じたときに放送を再生する処理の概略を示す図である。図3は、チャンネルの切り替えが生じたときに放送を再生する手順を示すフローチャートである。
図2では、説明を容易にするため、チャンネルの切り替えが通知された結果、第1バッファ10が再生用バッファ、第2バッファ20がチャンネルチェンジ用バッファとして設定されている状態を説明する。言い換えると、チャンネルの切り替えが通知される前に、第1バッファ10に切り替え先として予測されたチャンネルのビデオ情報及びオーディオ情報とが格納されている場合である。図2に示すように、チャンネル切り替えの通知がチャンネル切り替え制御部70に届くと、チャンネル切り替え制御部70は、AV同期処理、出音・出画制御を実施する。再生制御部30は、AV同期処理が完了すると、出音・出画開始の指示に応じて、オーディオ出力・ビデオ出力を開始する。また、チャンネル切り替え制御部70は、AV同期処理が完了すると、テーブル管理部60へデータ量テーブル40のデータ量設定情報の更新を指示する。テーブル管理部60は、AV同期完了時点のPTS、STC、ビットレートをオーディオ情報及びビデオ情報それぞれについてデータ量テーブルの情報を更新する。以下、図3を参照して具体的な手順を説明する。
【0027】
まず、チャンネルの切り替えが通知されると(S11)、入力制御部80、再生制御部30、及びチャンネル切り替え制御部70は、バッファ設定情報の再生用バッファとチャンネル切り替え用バッファとを切り替える(S12)。
チャンネル切り替え制御部70は、別チャンネルPIDフィルタリングにより予測したチャンネル(チャンネル切り替え用バッファに格納したオーディオ情報とビデオ情報とのチャンネル)が切り替え先のチャンネルと一致するかを確認する(S13)。
【0028】
一致する場合(S13でYES)、チャンネル切り替え制御部70は、チャンネル切り替えが通知されるまでに、チャンネル切り替え用バッファに格納されたオーディオ情報及びビデオ情報(バッファ切り替え後の再生用バッファの情報)を利用して、オーディオデコーダ31から出力されるオーディオとビデオデコーダ32から出力されるビデオとについて、PTSとSTCとが一致するように(同期合わせ)、オーディオデコーダ31とビデオデコーダ32とを制御する(S14)。オーディオデコーダ31とビデオデコーダ32とは、チャンネル切り替え制御部70の制御に応じて、リピート/スキップ処理を繰り返して、同期合わせを行う。同期処理が完了すると(S15でYES)、チャンネル切り替え制御部70は、オーディオデコーダ31とビデオデコーダ32に対して、オーディオまたはビデオの出力開始(データ供給開始)を指示する(S16)。オーディオデコーダ31とビデオデコーダ32とは、チャンネル切り替え制御部70の制御に応じて、オーディオまたはビデオの出力を開始し、スピーカ91と表示装置から出力され、放送が再生される(S17)。
【0029】
また、チャンネル切り替え制御部70は、テーブル管理部60へ再生中のチャンネルに関するデータ量テーブル40のデータ量算出情報の更新を指示し、テーブル管理部60は、データ量算出情報を更新する(S18)。例えば、テーブル管理部60は、チャンネル切り替え制御部70の指示に応じて、オーディオ情報とビデオ情報それぞれについて、オーディオ/ビデオ同期が完了した時点のPTS、STC、及びビットレートを用いてデータ量テーブル40を更新する。
【0030】
これに対して、チャンネル切り替え制御部70は、別チャンネルPIDフィルタリングにより予測したチャンネルが切り替え先のチャンネルと一致しない場合(S13でNO)、事前にオーディオ情報とビデオ情報とを格納していない状態と同様のチャンネル切り替え・同期処理を実施する(S19)。この動作は通常の放送再生の処理であるが、例えば、次のような手順で実施する。チャンネル切り替え制御部70は、表示に必要なトランスポートストリームが再生用バッファに格納されたことを検出して、PTSとPCRとが再生用バッファへ入力されることを待ち合わせる。このとき、チャンネル切り替え制御部70は、スキップ処理、あるいはリピート処理をオーディオデコーダ31とビデオデコーダ32へ指示して、STCとPTSとの同期を合わせる。チャンネル切り替え制御部70は、同期がとれたときに(S20でYES)、ステップS16以降の処理を実施する。
【0031】
チャンネルの切り替え、同期処理が完了した後、チャンネル切り替え制御部70は、継続的に同期状態を監視し、同期がとれていない状態(同期外れの状態)であることを検出すると、スキップ処理、リピート処理を用いて同期合わせを行う。このとき、チャンネル切り替え制御部70は、テーブル管理部60へデータ量テーブル40のPTS、STC、及びビットレートを更新することを指示する。また、テーブル管理部60は、再生中のチャンネルについて、任意のタイミングまたは定期的に、オーディオ情報とビデオ情報とのビットレートを更新する。
なお、図2では、ステップS16と,S17に続いて、ステップS18を実施するように表しているが、同期処理が完了したときに(S15でYES、S20でYES)、チャンネル切り替え制御部70は、データ供給開始指示(S16)とデータ量算出情報の更新の指示とを並行して進めてもよい。
【0032】
次に、チェンネル切り替え用バッファへビデオ情報及びオーディオ情報を格納する手順を説明する。図4は、チェンネル切り替え用バッファへビデオ情報及びオーディオ情報を格納する処理の概略を示す図である。図5は、チャンネル切り替え用バッファへビデオ情報及びオーディオ情報を格納する手順を示すフローチャートである。
図4では、説明を容易にするため、図2と同様にチャンネルの切り替えが通知された結果、第1バッファ10が再生用バッファ、第2バッファ20がチャンネルチェンジ用バッファとして設定されている状態を説明する。言い換えると、チャンネルの切り替えが通知された後、第2バッファに、次の切り替え先として予測されたチャンネルのビデオ情報及びオーディオ情報を格納する場合である。図4に示すように、チャンネルPIDフィルタリングによって、新たに切り替え先のチャンネルとして予測されたチャンネルがバッファ量調整部50へ通知されると、バッファ量調整部50は、チャンネル切り替え用バッファとして設定された第2バッファ20のオーディオバッファ21へオーディオ情報が適正データ量となるように維持する。同様に、ビデオバッファ22へビデオ情報が適正データ量となるように維持する。また、バッファ量調整部50は、定期的または任意のタイミングで、オーディオ情報とビデオ情報とのビットレートを算出し、データ量テーブルのビットレートを更新する。以下、図5を参照して具体的な手順を説明する。
【0033】
チャンネルの切り替えが通知されると(S31)、入力制御部80は、バッファ設定情報の再生用バッファとチャンネル切り替え用バッファとを切り替える(S32)。
入力制御部80は、別チャンネルPIDフィルタリングにより予測したチャンネル(チャンネル切り替え用バッファのチャンネル)が切り替え先のチャンネルと一致するかを確認する(S33)。入力制御部80は、別チャンネルPIDフィルタリングにより予測したチャンネルが切り替え先のチャンネルと一致する場合(S33でYES)、切り替え先のチャンネルのトランスポートストリームを切り替え前と同様に第1バッファ10または第2バッファ20のいずれかに転送する動作を継続する(S34)。
【0034】
また、入力制御部80は、チャンネルの切り替えの通知に応じて、新たに別チャンネルPIDフィルタリングにより予測したチャンネルを取得する。取得したチャンネルが次に切り替えるチャンネルの候補となるチャンネルと取得する(S35)。切り替えの候補となるチャンネルについては、外部(例えば、上位の構成要素)で予測したチャンネルの候補が入力制御部80へ通知されてもよいし、入力制御部80内で候補となるチャンネルを予測してもよい。入力制御部80は、切り替えの候補となるチャンネルのトランスポートストリームを、チャンネル切り替え用バッファへ転送することを開始する(S36)。バッファ量調整部50は、データ量テーブル40のPTS、STC、ビットレート(データ量算出情報)を参照して、チャンネル切り替え用バッファの適正データ量を算出し、チャンネル切り替え用バッファのオーディオバッファ11または21、ビデオバッファ12または22が適正データ量を維持するように調整する(S37)。また、バッファ量調整部50は、任意のタイミングまたは定期的に、チャンネル切り替え用バッファのチャンネルのPTSを抽出し、データ量テーブル40を更新する。また、バッファ量調整部50は、チャンネル切り替え用バッファのチャンネルに関して、定期的にオーディオ情報及びビデオ情報のビットレートを算出し、データ量テーブル40を更新する。
【0035】
入力制御部80は、別チャンネルPIDフィルタリングにより予測したチャンネルが切り替え先のチャンネルと一致しない場合(S33でNO)、チャンネル切り替えの通知前にチャンネル切り替え用バッファに格納していたオーディオ情報とビデオ情報とを破棄し、再生するオーディオ情報とビデオ情報の転送を開始する(S38)。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のトランスポートストリーム同期装置100によれば、事前に切り替えが予測されるチャンネルのビデオ情報及びオーディオ情報を再生用バッファとは別の記憶領域である、チャンネル切り替え用バッファに格納する。これにより、チャンネルの切り替えた通知されたときに、AV同期処理が完了するまでの時間を短縮することができる。その結果、チャンネル切り替えが生じたときの、出音・出画が早くなる。加えて、各チャンネルについて、オーディ情報とビデオ情報とを事前に格納するバッファ貯まり量を、上述したバッファ量算出情報に基づいて算出する。バッファ貯まり量を最適化するため、記憶領域の使用量を削減することが可能になる。その理由として、チャンネル毎のトランスポートストリームの適切なバッファ貯まり量として、例えば、PTS−STCと符号ビットレート情報から適切なバッファ貯まり量を算出する。適切なバッファ貯まり量に調整しておくことによって、バッファ貯まり量のオーディオ情報及びビデオ情報が貯まるまでの待ち時間の短縮およびバッファ貯まり過ぎによる不要データ破棄の処理時間が短縮される。その結果、AV同期合わせ処理時間が短縮され出音、出画を速くすることができる。加えて、バッファサイズを適正データ量分だけ確保するため、不要なメモリ使用量を抑えられる。
【0037】
その他の実施形態
実施形態1では、データ量算出情報として、オーディオ情報及びビデオ情報のPCR、STC、及びビットレートを用いる場合を示したが、オーディオ情報とビデオ情報とのいずれか一方のPCR、STC、及びビットレートを用いる場合であってもよい。適正なバッファ貯まり量の精度を高めるには、オーディオ情報及びビデオ情報のデータ量算出情報を用いることが好ましいが、いずれか一方を用いることによって、データ量テーブル40のメモリ量を削減し、テーブル管理部60やバッファ量調整部50の処理を削減することができる。
また、オーディオ/ビデオ同期処理が完了した時点における、オーディオ/ビデオバッファ貯まり量を保持し、過去のバッファ貯まり量を利用する場合であってもよい。
【0038】
実施形態1では、バッファ量調整部50がチェンネル切り替え用バッファのチャンネルに関するデータ量算出情報を更新する場合を説明したが、テーブル管理部60が、再生用バッファとチャンネル切り替え用バッファとの両方のデータ量算出情報を更新してもよい。このような構成では、データ量テーブル40の更新をテーブル管理部60に集中させることができる。
【0039】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 第1バッファ
11、21 オーディオバッファ
12、22 ビデオバッファ
20 第2バッファ
31 オーディオデコーダ
32 ビデオデコーダ
33 音声出力回路
34 映像出力回路
30 再生制御部
40 データ量テーブル
50 バッファ量調整部
60 テーブル管理部
70 チャンネル切り替え制御部
80 入力制御部
81 トランスポート入力部(TS入力部)
82 DUMUX
90 出力装置
91 スピーカ
92 表示装置
100 トランスポートストリーム同期装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バッファと、
前記第1バッファが再生用バッファとして機能するときに、チャンネル切り替え用バッファとして機能し、前記第1バッファが前記チャンネル切り替え用バッファとして機能するときに、前記再生用バッファとして機能する第2バッファと、
再生中のトランスポートストリームを前記再生用バッファへ転送し、切り替え先と予測されたチャンネルのトランスポートストリームを前記チャンネル切り替え用バッファへ転送し、チャンネルの切り替えが通知されると、前記第1バッファ及び前記第2バッファの機能を相互に切り替える入力制御部と、
前記再生用バッファに格納されたトランスポートストリームの再生を制御する再生制御部と、
前記チャンネル切り替え用バッファに格納するデータ量を算出するデータ量算出情報を、チャンネル毎に保持するデータ量テーブルと、
前記データ量算出情報を用いて算出したデータ量に応じて、前記チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリーム量を調整するバッファ量調整部と、
前記データ量算出情報を前記データ量テーブルに格納するテーブル管理部と、
チャンネルの切り替えを検出すると、前記再生制御部がオーディオとビデオとの同期をとって出力するように制御し、オーディオとビデオとの同期が確立すると、前記テーブル管理部へ前記データ量算出情報の更新を指示するチャンネル切り替え制御部と、を備えるストリーム同期装置。
【請求項2】
前記データ量算出情報は、トランスポートストリームに含まれるオーディオ情報またはビデオ情報に関する、再生タイムスタンプ、基準時刻、及び、転送速度を示すビットレートを含むことを特徴とする請求項1記載のストリーム同期装置。
【請求項3】
前記バッファ量調整部は、前記データ量算出情報を用いて、前記再生タイムスタンプと前記基準時刻との時間差の期間に再生するトランスポートストリーム量を前記データ量として算出することを特徴とする請求項2記載のストリーム同期装置。
【請求項4】
前記チャンネル切り替え制御部は、前記チャンネルの切り替えが通知されると、通知された切り替え先チャンネルと、前記切り替え先として予測されたチャンネルとが一致するか否かを判定し、一致する場合、前記チャンネル切り替え用バッファに格納されたトランスポートストリームを利用して前記同期の確立を検出し、一致しない場合、前記切り替え先チャンネルのトランスポートストリームが格納された後、前記同期の確立を検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のストリーム同期装置。
【請求項5】
前記テーブル部管理部は、再生中のチャンネルに関して、前記データ量テーブルの前記データ量算出情報を任意のタイミングで更新することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のストリーム同期装置。
【請求項6】
前記バッファ量調整部は、バッファ量を調整中のチャンネルに関して、前記データ量テーブルの前記データ量算出情報を任意のタイミングで更新することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のストリーム同期装置。
【請求項7】
第1バッファと、前記第1バッファが再生用バッファとして機能するときに、チャンネル切り替え用バッファとして機能し、前記第1バッファが前記チャンネル切り替え用バッファとして機能するときに、前記再生用バッファとして機能する第2バッファとを用いて、トランスポートストリームに含まれるオーディオとビデオとを同期させるストリーム同期方法であって、
前記チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリームのデータ量を算出するデータ量算出情報を、チャンネル毎にデータ量テーブルに保持し、
再生するトランスポートストリームを前記再生用バッファへ転送し、
前記再生用バッファに格納されたトランスポートストリームの再生を制御し、
切り替え先と予測されたチャンネルのトランスポートストリームを前記チャンネル切り替え用バッファへ転送し、
前記データ量算出情報を用いて算出したデータ量に応じて、前記チャンネル切り替え用バッファに格納するトランスポートストリーム量を調整し、
チャンネルの切り替えが通知されると、前記第1バッファ及び前記第2バッファの機能を相互に切り替えるとともに、オーディオとビデオとの同期をとって出力するように制御し、
オーディオとビデオとの同期が確立すると、再生中のチャンネルに関する前記データ量算出情報の更新を指示するストリーム同期方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−231213(P2012−231213A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96928(P2011−96928)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】