説明

ストレージシステム、アクセス管理装置、データ転送方法およびプログラム

【課題】移動通信端末に通信網を提供する通信事業者以外の事業者であっても構築可能なストレージシステムを提供する。
【解決手段】ストレージシステム1000は、移動通信端末200、300とネットワーク400を介して通信接続する通信接続部130と、データファイル記憶部111に記憶されたデータファイルを、通信接続された移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付部121と、当該移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定部122と、送信要求により要求されたデータファイルを、機種特定部122によって特定された機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換部123と、形式変換部123によって変換されたデータファイルを、当該移動通信端末に送信する送信部124と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージシステム、アクセス管理装置、データ転送方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機が急速に進んでおり、一人のユーザが複数の携帯電話機を保有することも珍しくない。また、ユーザが携帯電話事業者との契約を続けながら、異なる携帯電話機に変更する、いわゆる機種変更をする頻度も増えている。
【0003】
このような背景に基づいて、外部ネットワークに設けられたストレージ装置にデータを保存し、保存したデータを複数の携帯電話機間(機種変更前の携帯電話機と機種変更後の携帯電話機との間)で共有できるサービスが考案されている。
【0004】
しかしながら、例え同じメーカであっても、携帯電話機は機種ごとに利用可能なデータの形式が異なる場合が多々ある。従って、上記サービスを実現するために、複数の携帯電話機間で共有されるデータの形式を変換することがある。
【0005】
この種の技術として、特許文献1(特開2002−291045号公報)には以下のようなシステムが記載されている。このシステムにおいて、携帯電話機がストレージ装置(メモリ装置)に保存したデータを取得するとき、当該ストレージ装置を管理するデータ管理サーバが当該携帯電話機から電話番号を取得し、取得した電話番号から当該携帯電話機の機種を特定する。そして、データ管理サーバは、特定した機種に応じてデータを変換し、携帯電話機に当該データを送信する。
【0006】
また、この種の技術として、特許文献2(特開2003−309669号公報)には以下のようなシステムが記載されている。このシステムは、一の携帯電話機から送信されたデータを保存するストレージ装置(ストレージサーバ)を備える。そして、このシステムは、他の携帯電話機から当該データの送信要求を受け付けるとともに、ユーザが手入力した当該データの変更後のデータフォーマットまたは自機の機種名を受け付け、受け付けた情報に基づいて当該データを変換し、変換したデータを他の携帯電話機に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−291045号公報
【特許文献2】特開2003−309669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記技術は、以下の点で改善の余地を有していた。特許文献1に記載されているシステムは、携帯電話機の機種を特定するために、電話番号と携帯電話機の機種が対応付けられているデータベースが必要不可欠である。また、上記システムにおいては、携帯電話機の機種を変更するごとに上記データベースが更新されなくては、上記システムは機能しない。しかし、この更新が可能である事業者は実質的には携帯電話事業者に限られ、他の事業者が特許文献1に記載のシステムを構築するには制約が大きい。
【0009】
また、特許文献2に記載されているシステムは、ユーザが変更後のデータフォーマットまたは携帯機器の機種名を手入力するので、携帯機器のユーザにとっては煩わしいシステムである。また、変更後のデータフォーマットを自動判別する手法は開示されているが、携帯機器の機種名を自動判別する手法は開示されていない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、移動通信端末のユーザにかかる操作負担を軽減し、かつ当該移動通信端末に通信網を提供する通信事業者以外の事業者であっても構築可能なストレージシステム、ストレージ装置、データ転送方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、データファイルを記憶するデータファイル記憶手段と、移動通信端末と通信接続する通信接続手段と、前記データファイル記憶手段に記憶された前記データファイルの一部または全部を、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付手段と、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定手段と、前記データファイル記憶手段に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを、前記機種特定手段によって特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換手段と、前記形式変換手段によって変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするストレージシステムが提供される。
【0012】
また、本発明によれば、移動通信端末と通信接続する通信接続手段と、ストレージ装置に記憶されたデータファイルの一部または全部を、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を、当該移動通信端末から受け付ける要求受付手段と、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を当該移動通信端末から取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定手段と、前記ストレージ装置に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを前記ストレージ装置から取得し、取得した前記データファイルを前記機種特定手段によって特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換手段と、前記形式変換手段によって変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするアクセス管理装置が提供される。
【0013】
さらに、本発明によれば、移動通信端末と通信接続する通信接続ステップと、ストレージ装置に記憶された前記データファイルの一部または全部を、前記通信接続ステップで通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付ステップと、前記通信接続ステップで通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定ステップと、前記ストレージ装置に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを、前記機種特定ステップで特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換ステップと、前記形式変換ステップで変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信ステップと、を備えることを特徴とするデータ転送方法が提供される。
【0014】
さらに、本発明によれば、コンピュータが読み出し可能な記憶媒体に格納されたプログラムであって、移動通信端末と通信接続する通信接続処理と、ストレージ装置に記憶されたデータファイルの一部または全部を、前記通信接続処理で通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付処理と、前記通信接続処理で通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定処理と、前記ストレージ装置に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを、前記機種特定処理で特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換処理と、前記形式変換処理で変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信処理と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動通信端末のユーザにかかる操作負担を軽減し、かつ当該移動通信端末に通信網を提供する通信事業者以外の事業者であっても構築可能なストレージシステム、ストレージ装置、データ転送方法およびプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るストレージシステムの構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のデータファイル記憶部に記憶されたデータファイルの一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のストレージシステムに適用されるフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るストレージシステムの構成図である。
【図5】ストレージ装置が有するディレクトリと、それぞれに対応付けられているユーザ情報とを表すテーブルの一部である。
【図6】ストレージ装置が有するディレクトリに記憶されているデータファイルの一部を表すテーブルである。
【図7】本発明の第2の実施形態のストレージシステムに適用されるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0018】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るストレージシステム1000の構成図である。ストレージシステム1000は、ストレージ装置100と、移動通信端末200と、移動通信端末300と、を備え、それぞれがネットワーク400を介して通信接続が可能である。
【0019】
ここで、移動通信端末200と移動通信端末300とは、携帯電話機である。なお、本発明に用いる移動通信端末としては、携帯電話機の代わりにPDA(Personal Digital Assistant)やPHS(Personal Handy−phone System)等であっても構わない。
【0020】
ネットワーク400は、携帯電話事業者が運営する携帯電話網を含む。さらに、ネットワーク400は、インターネットやLAN等のネットワークシステムを含んでもよい。
【0021】
ストレージ装置100は、いわゆるネットワークストレージと呼ばれるファイルサーバである。ストレージ装置100は、ネットワーク400を介して接続可能な移動通信端末200または移動通信端末300に、自機内(データファイル記憶部111)に記憶されたデータファイルを送信することができる。また、ストレージ装置100は、ネットワーク400を介して接続可能な移動通信端末200または移動通信端末300から受信したデータファイルを、自機内(データファイル記憶部111)に記憶することができる。
【0022】
次に、ストレージ装置100に含まれる各種構成要素について説明する。ストレージ装置100は、記憶部110と、データ処理部120と、通信接続部130と、を含む。
【0023】
記憶部110は、データ処理部120が処理するプログラムやデータ等を記憶する。また、記憶部110の一部の記憶領域であるデータファイル記憶部111は、データファイルを記憶する。ここで、データファイル記憶部111に記憶されるデータファイルは特に制限されないが、一部の機種で利用可能なデータ形式のデータファイルをデータファイル記憶部111に記憶させることが本発明には好適である。なお、データファイル記憶部111に記憶されるデータファイルは、移動通信端末200または移動通信端末300から受信したデータファイルであってもよいし、図1には図示されない他の装置から受信したデータファイルであってもよい。
【0024】
図2は、本実施形態のデータファイル記憶部111に記憶されたデータファイルの一例を示す図である。No.1のデータファイルは携帯電話機の電子メールである。携帯電話機の電子メールは、機種ごとに本文の情報とその他の情報(ヘッダ情報等)の記述方法が異なる場合がある。また、携帯電話事業者が異なる場合、携帯電話機の電子メールはファイル構成が異なる場合もある。よって、電子メールのデータファイルを他の機種に転送する場合には、データ形式の変更が必要となる場合が多い。また、No.2のデータファイルは画像データである。携帯電話機は、機種ごとにディスプレイの解像度や表示可能な色調の制限が異なるため、画像データのデータファイルは他の機種に転送する場合に、データ形式の変更が必要となる場合がある。また、No.3のデータファイルは電話帳機能で用いるデータファイル、No.4のデータファイルはスケジュール機能で用いるデータファイルである。電話帳機能やスケジュール機能のデータファイルのデータ形式は、当該データファイルを読み込むアプリケーションソフトの仕様に依存するため機種ごとに異なる。
【0025】
なお、図2に記載しているデータファイルの拡張子は一例であり、これに限定される必要はない。
【0026】
通信接続部130は、移動通信端末200または移動通信端末300とネットワーク400を介して通信接続する。また、通信接続部130は、ネットワーク400を介して受信したデータをデータ処理部120に入力したり、データ処理部120から出力されたデータをネットワーク400を介して送信したりする。なお、通信接続部130は、データ処理部120に制御されて移動通信端末と通信接続してもよいし、自律的に移動通信端末と通信接続してもよい。
【0027】
データ処理部120は、要求受付部121と、機種特定部122と、形式変換部123と、送信部124と、を有する。
【0028】
要求受付部121は、データファイル記憶部111に記憶されたデータファイルの一部または全部を、通信接続部130によって通信接続された移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける。本実施形態において、要求受付部121は、通信接続部130によって通信接続された移動通信端末から送信された送信要求を受け付けてもよいし、図1に図示しない他の装置から送信された送信要求を受け付けてもよい。
【0029】
ここで、送信要求は、通信接続部130によって通信接続された移動通信端末によって生成されてもよい。このとき送信要求は、移動通信端末が受け付けたユーザの操作入力に応じて生成されてもよいし、移動通信端末で起動したアプリケーションソフトによって生成されてもよい。
【0030】
機種特定部122は、通信接続部130によって通信接続された移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する。ここで、端末特定情報は、通信接続部130によって通信接続された移動通信端末から取得してもよいし、図1に図示しない他の装置から取得してもよい。
【0031】
なお、本実施形態において端末特定情報は携帯電話機の製造番号である。ここで、製造番号とは、出荷された携帯電話機に付けられ、携帯電話機ごとに割り当てられた番号であり、シリアル番号と呼ばれることもある。また、製造番号は、数字に限らず他の文字(例えば英字、かな文字等)を含んでもよい。
【0032】
機種特定部122が、取得した製造番号から携帯電話機の機種を特定する手法は様々考えられる。一般的に、携帯電話機の製造番号は、その一部の文字で当該携帯電話機の機種を示している。このような場合、機種特定部122は、通信接続された携帯電話機の製造番号を取得し、取得した製造番号に含まれる文字のうち当該携帯電話機の機種を示す文字を読み取り、読み取った文字から当該機種を特定してもよい。仮に、携帯電話機の製造番号に当該携帯電話機の機種を示す文字が含まれていない場合でも、当該携帯電話機が通信接続可能な携帯電話網を提供する携帯電話事業者と、当該携帯電話機の製造会社は特定できるようになっている。この場合、機種特定部122は、製造会社ごとに、当該製造会社における製造番号の振り方を記憶しておき、取得した製造番号から製造会社を特定し、特定した製造会社における製造番号の振り方に従って、対象の携帯電話機の機種を特定してもよい。または、機種特定部122は、携帯電話機の製造番号と携帯電話機の機種とを対応付けたデータベースを有し、取得した製造番号をデータベースから検索し、検索された製造番号に対応付けた携帯電話機の機種を対象の携帯電話機の機種として特定してもよい。
【0033】
形式変換部123は、データファイル記憶部111に記憶されたデータファイルのうち、送信要求により要求されたデータファイルを、機種特定部122によって特定された機種が利用可能なデータ形式に変換する。ここで、データファイルのデータ形式変換とは、データファイルの拡張子を変更することであってもよいし、複数のデータファイルを併合することであってもよいし、単一のデータファイルを分割することであってもよいし、機種特定部122によって特定された機種での利用に必要なコマンドや情報を対象のデータファイルに付加することであってもよい。また、データファイルのデータ形式変換とは、以上に列挙した方法を複数組み合わせた方法であってもよい。
【0034】
送信部124は、形式変換部123によって変換されたデータファイルを、当該移動通信端末(送信要求により指定された移動通信端末)に送信する。より詳細には、送信部124は変換されたデータファイルを通信接続部130に出力し、通信接続部130に当該データファイルを送信させる、または通信接続部130に当該データファイルの送信を要求する。
【0035】
上述したデータ処理部120に内包される構成の全部または一部は、ハードウェアで実現されてもよいし、あるいは、プロセッサに処理を実行させるプログラム(またはプログラムコード)で実現されてもよい。プロセッサは、不揮発性メモリなどの記録媒体からそのプログラムを読み出し実行する。
【0036】
データ処理部120に内包される構成がプログラムによって実施される場合、当該プログラムはプロセッサ(コンピュータ)が読み出し可能な記憶媒体に格納される。そして、当該プログラムは、移動通信端末200または移動通信端末300と通信接続する通信接続処理を、プロセッサに実行させる。また、当該プログラムは、ストレージ装置100に記憶されたデータファイルの一部または全部を、通信接続処理で通信接続された移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付処理を、プロセッサに実行させる。そして、当該プログラムは、通信接続処理によって通信接続された移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定処理を、プロセッサに実行させる。続いて、当該プログラムは、ストレージ装置100に記憶されたデータファイルのうち、送信要求により要求されたデータファイルを、機種特定処理で特定された機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換処理を、プロセッサに実行させる。さらに、当該プログラムは、形式変換処理で変換されたデータファイルを、当該移動通信端末に送信する送信処理をプロセッサに実行させる。
【0037】
図3は、本実施形態のストレージシステム1000に適用されるフローチャートである。まず、ストレージ装置100は、移動通信端末200または移動通信端末300と通信接続する(ステップS1)。そして、ストレージ装置100は、ストレージ装置100に記憶されたデータファイルの一部または全部を、ステップS1で通信接続された移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける(ステップS2)。次に、ストレージ装置100は、ステップS1で通信接続された移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する(ステップS3)。そして、ストレージ装置100は、ストレージ装置100に記憶されたデータファイルのうち、送信要求により要求されたデータファイルを、ステップS3で特定された機種が利用可能なデータ形式に変換する(ステップS4)。さらに、ストレージ装置100は、ステップS4で変換されたデータファイルを、当該移動通信端末に送信する(ステップS5)。
【0038】
ステップS1で通信接続された移動通信端末において、ストレージ装置100との通信を終了するとき(ステップS6のYES)、当該移動通信端末とアクセス管理装置500との間の通信接続を切断し(ステップS7)、このフローチャートは終了となる。
【0039】
ステップS1で通信接続された移動通信端末において、ストレージ装置100との通信を終了しないとき(ステップS6のNO)、再びステップS2に移行して処理を繰り返す。
【0040】
ここで、本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、ストレージ装置100に記憶されたデータファイルを、通信接続された移動通信端末の機種に応じて変換して送信する。よって、仮に移動通信端末200の機種と移動通信端末300の機種とが異なったとしても、双方でデータファイルを共有することができる。
【0041】
また、本実施形態は、携帯電話機の製造番号(端末特定情報)に基づいて当該移動通信端末の機種を特定し、特定した機種に応じてデータファイルを変換して送信する。携帯電話機の製造番号は一般的に公開可能な情報であり、かつ携帯電話機の製造番号から当該携帯電話機の機種を特定することは携帯電話事業者以外の事業者であっても可能である。従って、本実施形態のストレージシステム1000は、携帯電話事業者(移動通信端末に通信網を提供する通信事業者)以外の事業者であっても構築可能である。
【0042】
さらに、本実施形態は、端末特定情報として携帯電話機の製造番号を用いるので、仮に移動通信端末から携帯電話機の製造番号を取得するときであっても、一般的に携帯電話機は製造番号を自機内に記憶しているので、移動通信端末のユーザが手入力する煩わしさがない。
【0043】
さらに、本実施形態は、端末特定情報として携帯電話機の製造番号を用いるので、仮に二つの異なる移動通信端末にSIMをカード差し替えて使用する場合であっても、本実施形態のストレージシステムは適用可能である。
【0044】
〔第2の実施形態〕
図4は、本発明の第2の実施形態に係るストレージシステム2000の構成図である。ストレージシステム2000は、移動通信端末200と、移動通信端末300と、アクセス管理装置500と、ストレージ装置600と、を備え、それぞれがネットワーク400を介して通信接続が可能である。
【0045】
本実施形態における移動通信端末200または移動通信端末300は、第1の実施形態と同様の携帯電話機として説明する。また、移動通信端末200または移動通信端末300は、携帯電話機の代わりにPDAやPHS等であっても構わない。
【0046】
ネットワーク400も、第1の実施形態と同様に、携帯電話事業者が運営する携帯電話網を含み、インターネットやLAN等のネットワークシステムを更に含んでもよい。
【0047】
ストレージ装置600は、いわゆるネットワークストレージと呼ばれるファイルサーバである。ストレージ装置600は、アクセス管理装置500を中継して移動通信端末200または移動通信端末300と通信接続可能であり、この通信接続はアクセス管理装置500によって管理される。
【0048】
ストレージ装置600(データファイル記憶部611)は、ストレージ装置600が有する記憶部610の一部の記憶領域である。図4において、ストレージ装置600は記憶部610とストレージ装置600(データファイル記憶部611)とを含むことが図示されているが、その他の構成要素、例えばプロセッサやネットワーク400と通信接続するインターフェース回路等を更に含んでいる。
【0049】
ストレージ装置600(データファイル記憶部611)は、ユーザ情報が対応づけられた複数のディレクトリのいずれかにデータファイルを記憶する。各ディレクトリには、当該ディレクトリの中にデータファイルを利用が許可されているユーザを示すユーザ情報が割り当てられている。これにより、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)は、データファイルとユーザ情報とを対応付けて記憶することができる。なお、ユーザ情報は、移動通信端末のユーザの固有情報であればいずれでもよいが、ここでは移動通信端末(携帯電話機)に装着されるSIM(Subscriber Identity Module)カードの固有番号を用いる。具体的には、ユーザ情報は、一つまたは複数のSIMカードの固有番号である。また、複数のSIMカードの固有番号とデータファイルとを対応付けてストレージ装置600に記憶させるには、アクセス管理装置500がデータファイルをストレージ装置600に記憶させる際に、データファイルの提供元から複数の固有番号を取得し、取得した固有番号とデータファイルとを対応づけてもよい。もしくは、アクセス管理装置500は、当該提供元からその他のユーザを特定する情報、例えば氏名や電話番号を取得し、取得した氏名や電話番号に基づいて携帯電話事業者に対象の携帯電話機のSIMカードの固有番号を取得し、取得した固有番号をデータファイルと対応付けてストレージ装置600に記憶させてもよい。
【0050】
上記SIMカードは、UIMカード(User Identity Module Card)やUSIMカード(Universal Subscriber Identity Module Card)のことも含む。
【0051】
図5は、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)が有するディレクトリと、それぞれに対応付けられているユーザ情報とを表すテーブルの一部である。ストレージ装置600(データファイル記憶部611)は、ディレクトリごとに単一または複数のユーザ固有情報を対応付けて記憶している。例えば、ディレクトリAには、移動通信端末200に装着されたSIMカードの固有番号「xxxxxxxxxxxxxxxx」が割り当てられている。また、ディレクトリCには、移動通信端末300に装着されたSIMカードの固有番号「yyyyyyyyyyyyyyyy」が割り当てられている。さらに、ディレクトリBには、移動通信端末200および移動通信端末300それぞれのSIMカードの固有番号が割り当てられている。すなわち、移動通信端末200から利用可能なデータファイルは、ディレクトリAとディレクトリBに記憶されており、移動通信端末300から利用可能なデータファイルは、ディレクトリBとディレクトリCに記憶されている。なお、図5に記載されているSIMカードの固有番号の桁数は適宜変更可能である。
【0052】
図6は、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)が有するディレクトリに記憶されているデータファイルの一部を表すテーブルである。データファイルは、それぞれに当該データファイルを利用可能な移動通信端末の機種を示す機種情報が対応付けられている。
【0053】
アクセス管理装置500は、記憶部510と、データ処理部520と、通信接続部530と、を含む。記憶部510は、データ処理部520で処理されるデータやプログラムを記憶する。通信接続部530は、移動通信端末200または移動通信端末300と、ネットワーク400を介して通信接続することができる。
【0054】
データ処理部520は、ユーザ判定部521、データファイル一覧送信部522、要求受付部523、機種特定部524、機種判定部525、形式変換部526、データファイル登録部527、送信部528を含む。以下、データ処理部520に含まれる各構成要素について説明する。
【0055】
ユーザ判定部521は、通信接続部530によって通信接続された移動通信端末のユーザの固有情報であるユーザ固有情報を取得し、取得されたユーザ固有情報によって特定されるユーザが、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)に記憶されているユーザ情報に含まれるか否かを判定する。ここで、ユーザ固有情報は、移動通信端末に装着されるSIMカードの固有番号である。
【0056】
データファイル一覧送信部522は、ユーザ判定部521によって、ユーザ固有情報により特定されるユーザが、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)に記憶されているユーザ情報に含まれると判定されたとき、当該ユーザ情報と対応付けられたディレクトリに記憶されたデータファイルの一部または全部を示すディレクトリ情報を、通信接続部530によって接続された移動通信端末へ送信する。
【0057】
要求受付部523は、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)に記憶されたデータファイルの一部または全部を、通信接続部530によって通信接続された移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を、当該移動通信端末から受け付ける。より詳細には、要求受付部523は、ユーザ判定部521によってユーザ固有情報のユーザを含むと判定されたユーザ情報に対応するデータファイル(ディレクトリ情報が示すデータファイル)のうち、当該移動通信端末によって選択されたデータファイルを当該移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける。
【0058】
ここで、移動通信端末によってデータファイルを選択するとは、当該移動通信端末が受け付けたユーザの操作に応じて選択してもよいし、当該移動通信端末で実行されているアプリケーションソフトによって選択されてもよい。
【0059】
機種特定部524は、通信接続部530によって通信接続された移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を当該移動通信端末から取得し、取得した端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する。ここで、端末特定情報は、移動通信端末(携帯電話機)の製造番号である。また、機種特定部524が移動通信端末の機種を特定する方法については、第1の実施形態の機種特定部122で説明した方法のいずれを用いてもよい。例えば、機種特定部524は、通信接続部530によって通信接続された携帯電話機の製造番号を取得し、取得した製造番号に含まれる情報のうち当該携帯電話機の機種を示す情報を読み取り、読み取った情報から当該機種を特定してもよい。
【0060】
機種判定部525は、機種特定部524によって特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれるか否かを判定する。
【0061】
形式変換部526は、機種判定部525によって、機種特定部524によって特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれないと判定されたとき、以下の処理を実行する。形式変換部526は、ストレージ装置600(データファイル記憶部611)に記憶されたデータファイルのうち、送信要求により要求されたデータファイルをストレージ装置600から取得し、取得したデータファイルを機種特定部524によって特定された機種が利用可能なデータ形式に変換する。
【0062】
データファイル登録部527は、受け付けたデータファイルをストレージ装置600(データファイル記憶部611)に記憶させる。本実施形態においては、データファイル登録部527は、データファイルにユーザ情報と機種情報とを対応付けてストレージ装置600に記憶させる。特に、データファイル登録部527は、形式変換部526によって変換されたデータファイルを受け付けたとき、当該データファイルに機種情報を対応付けてストレージ装置600に記憶させる。更に、データファイル登録部527は、ディレクトリごとに単一または複数のユーザ固有情報を対応付けてストレージ装置600に記憶させる。
【0063】
送信部528は、機種判定部525の判定に応じてデータファイルを、通信接続部530によって通信接続した移動通信端末に送信する。より詳細には、機種判定部525によって、機種特定部524によって特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれないと判定された場合、送信部528は、形式変換部526によって変換されたデータファイルを当該移動通信端末に送信する。また、機種判定部525によって、機種特定部524によって特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれると判定された場合、送信部528は、当該データファイルをストレージ装置600から取得し、取得したデータファイルを当該移動通信端末に送信する。
【0064】
図7は、本実施形態のストレージシステム2000に適用されるフローチャートである。図7を用いてストレージシステム2000における処理の流れを説明する。
【0065】
まず、アクセス管理装置500は、移動通信端末200または移動通信端末300と通信接続する(ステップT1)。このとき、アクセス管理装置500と通信接続する移動通信端末は、通信接続を確立するために自機の製造番号(端末特定情報)と、自機が装着しているSIMカードの固有番号(ユーザ固有情報)と、をアクセス管理装置500に送信する。
【0066】
次に、アクセス管理装置500は、ステップT1で送信されたSIMカードの固有番号を取得し、取得されたSIMカードの固有番号により特定されるにより特定されるユーザが、ストレージ装置600に記憶されているユーザ情報に含まれるか否かを判定する(ステップT2)。
【0067】
ステップT2で、SIMカードの固有番号により特定されるユーザが、ストレージ装置600に記憶されているユーザ情報に含まれると判定されたとき(ステップT3のYES)、アクセス管理装置500は、ステップT1で送信された製造番号を取得し、取得した製造番号に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する(ステップT4)。
【0068】
ステップT2で、SIMカードの固有番号により特定されるユーザが、ストレージ装置600に記憶されているユーザ情報に含まれないと判定されたとき(ステップT3のNO)、ステップT1で通信接続された移動通信端末とアクセス管理装置500との間の通信接続を切断し(ステップT19)、このフローチャートは終了となる。
【0069】
そして、ステップT2の判定に用いたSIMカードの固有番号を含むユーザ情報と対応付けられたディレクトリに記憶されたデータファイルの一部または全部を示すディレクトリ情報を、ステップT1で接続された移動通信端末へ送信する(ステップT5)。
【0070】
ステップT5で送信されたディレクトリ情報を受信した移動通信端末が、当該ディレクトリ情報に係るディレクトリに、新たなデータファイルの登録を要求するとき(ステップT6のYES)、当該移動通信端末はデータファイルと、当該データファイルの登録要求を送信し(ステップT7)、アクセス管理装置500は、ステップT7で送信された当該データファイルと当該登録要求とを受け付ける(ステップT8)。そして、ステップT8で受け付けたデータファイルと機種情報とを対応付け、ステップT5で送信したディレクトリ情報に係るディレクトリに記憶させる(ステップT9)。
【0071】
なお、ステップT9でディレクトリ(ストレージ装置600)に記憶させるデータファイルに対応付ける機種情報は、当該データファイルに含まれる情報の一部(例えば、データファイルの拡張子やヘッダ情報等)または全部と、ステップT4で特定された移動通信端末の機種と、に基づいて求められてもよい。より具体的には、例えばデータファイルが携帯電話機の電子メールである場合、当該データファイルの拡張子からデータファイルの種別が「携帯電話機の電子メール」であることを判別し、「携帯電話機の電子メール」についてステップT4で特定された機種と互換性のある機種を示す機種情報を当該データファイルに対応づけてもよい。ここで、アクセス管理装置500は、互換性のある機種を検索するためのデータベースを有してもよいし、また外部のデータベースを利用して互換性のある機種を検索してもよい。
【0072】
ステップT5で送信されたディレクトリ情報を受信した移動通信端末が、当該ディレクトリ情報に係るディレクトリに、新たなデータファイルの登録を要求しないとき(ステップT6のNO)、ステップT7〜ステップT9の処理を実行せずに、ステップT10に移行する。
【0073】
ステップT5で送信されたディレクトリ情報を受信した移動通信端末が、当該ディレクトリ情報が示すデータファイルのいずれかを選択し、選択したデータファイルを当該移動通信端末へ送信することを要求するとき(ステップT10のYES)、当該移動通信端末は、その送信要求を送信し(ステップT11)、アクセス管理装置500は、ステップT12で送信された送信要求を受け付ける(ステップT12)。
【0074】
続いて、ステップT4で特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれるか否かを判定する(ステップT13)。ステップT13で、ステップT4で特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれると判定されたとき(ステップT14のYES)、当該データファイルをストレージ装置600から取得し、取得したデータファイルをステップT1で通信接続された移動通信端末に送信する(ステップT17)。
【0075】
また、ステップT13で、ステップT4で特定された機種が、送信要求により要求されたデータファイルに対応付けた機種情報に含まれると判定されたとき(ステップT14のYES)、送信要求により要求されたデータファイルを、ステップT4で特定された機種が利用可能なデータ形式に変換する(ステップT15)。ステップT15で変換されたデータファイルと、当該データファイルを利用可能な移動通信端末の機種を示す機種情報と、を対応付けてストレージ装置600に記憶させるとともに(ステップT16)、当該データファイルをステップT1で通信接続された移動通信端末に送信する(ステップT17)。
【0076】
ステップT5で送信されたディレクトリ情報を受信した移動通信端末が、当該ディレクトリ情報が示すデータファイルのいずれかを選択し、選択したデータファイルを当該移動通信端末へ送信することを要求しないとき(ステップT10のNO)、ステップT11〜ステップT17の処理を実行せずに、ステップT18に移行する。
【0077】
ステップT1で通信接続された移動通信端末において、アクセス管理装置500との通信を終了するとき(ステップT18のYES)、当該移動通信端末とアクセス管理装置500との間の通信接続を切断し(ステップT19)、このフローチャートは終了となる。
【0078】
ステップT1で通信接続された移動通信端末において、アクセス管理装置500との通信を終了しないとき(ステップT18のNO)、再びステップT6に移行して処理を繰り返す。
【0079】
ここで、本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、アクセス管理装置500を備えることによって、移動通信端末200または移動通信端末300からストレージ装置600へのアクセスを管理することができる。
【0080】
また、本実施形態は、ストレージ装置600に記憶させたデータファイルに対応づけた機種情報に、機種特定部524によって特定された機種が含まれるとき、当該データファイルを取得し、移動通信端末に送信するので、無用なデータファイルの変換を省くことができる。
【0081】
さらに、本実施形態は、形式変換部526によって変換されたデータファイルに、機種情報を対応づけて、ユーザ情報が割り当てられたディレクトリに記憶するので、次回以降同じ機種で当該データファイルを要求するときは、データファイルの変換をせずに、移動通信端末に当該データファイルを提供することができる。
【0082】
さらに、本実施形態は、移動通信端末のユーザのユーザ固有情報(SIMカードの固有番号)を取得し、当該ユーザが利用可能なデータファイルを当該移動通信端末に提供するので、利用を許可していない他のユーザに対してデータファイルを秘匿することができる。
【0083】
さらに、本実施形態は、単一のディレクトリに複数のユーザを対応づけることができるので、同一のディレクトリに記憶されたデータファイルを複数のユーザで共有することができる。
【0084】
さらに、本実施形態は、ユーザ固有情報としてSIMカードの固有番号を用いるので、移動通信端末からユーザ固有情報を取得するとき、一般的に携帯電話機が装着しているSIMカードに固有番号は記憶されているので、移動通信端末のユーザが手入力する煩わしさがない。
【0085】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0086】
上記の実施形態では、複数の移動通信端末(携帯電話機)でデータファイルを共有することを目的に説明したが、本発明は、機種変更前の携帯電話機と機種変更後の携帯電話機とでデータファイルを共有する(転送する)ことを目的に使用してもよい。
【0087】
第2の実施形態において、データファイルは、記憶されているディレクトリ単位でユーザ情報を割り当てられることを説明したが、データファイルごとにユーザ情報を割り当ててもよい。
【0088】
第2の実施形態において、アクセス管理装置500とストレージ装置600とは、異なる装置として説明したが、双方を一体化した装置であってもよい。また、アクセス管理装置500とストレージ装置600とは、ネットワーク400を介して接続可能なように説明したが、直接接続してもよい。
【0089】
さらに、本実施の形態ではデータ処理部120、520の各部がコンピュータプログラムにより各種機能として論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各部の各々を固有のハードウェアとして形成することもでき、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実現することもできる。
【0090】
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各構成要素の機能などを具体的に説明したが、その機能などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【0091】
また、本発明のデータ転送方法には複数のステップを順番に記載してあるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番を限定するものではない。このため、本発明のデータ転送方法を実行するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0092】
1000 ストレージシステム
2000 ストレージシステム
100 ストレージ装置
110 記憶部
111 データファイル記憶部
120 データ処理部
121 要求受付部
122 機種特定部
123 形式変換部
124 送信部
130 通信接続部
200 移動通信端末
300 移動通信端末
400 ネットワーク
500 アクセス管理装置
510 記憶部
520 データ処理部
521 ユーザ判定部
522 データファイル一覧送信部
523 要求受付部
524 機種特定部
525 機種判定部
526 形式変換部
527 データファイル登録部
528 送信部
530 通信接続部
600 ストレージ装置
610 記憶部
611 データファイル記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データファイルを記憶するデータファイル記憶手段と、
移動通信端末と通信接続する通信接続手段と、
前記データファイル記憶手段に記憶された前記データファイルの一部または全部を、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付手段と、
前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定手段と、
前記データファイル記憶手段に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを、前記機種特定手段によって特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換手段と、
前記形式変換手段によって変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするストレージシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のストレージシステムであって、
前記データファイル記憶手段は、前記データファイルと、当該データファイルを利用可能な前記移動通信端末の機種を示す機種情報と、を対応付けて記憶し、
更に、前記機種特定手段によって特定された前記機種が、前記送信要求により要求された前記データファイルに対応付けた前記機種情報に含まれるか否かを判定する機種判定手段を備え、
前記機種判定手段によって、前記機種特定手段によって特定された前記機種が、前記送信要求により要求された前記データファイルに対応付けた前記機種情報に含まれると判定されたとき、前記送信手段は、当該データファイルを前記データファイル記憶手段から取得し、取得した前記データファイルを前記移動通信端末に送信することを特徴とするストレージシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のストレージシステムであって、
前記データファイル記憶手段は、前記形式変換手段によって変換された前記データファイルと、当該データファイルを利用可能な前記移動通信端末の機種を示す前記機種情報と、を対応付けて記憶することを特徴とするストレージシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかに記載のストレージシステムであって、
前記移動通信端末は携帯電話機であり、かつ前記端末特定情報は前記携帯電話機の製造番号であることを特徴とするストレージシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のストレージシステムであって、
前記機種特定手段は、前記通信接続手段によって通信接続された前記携帯電話機の前記製造番号を取得し、取得した前記製造番号に含まれる情報のうち当該携帯電話機の機種を示す情報を読み取り、読み取った前記情報から当該機種を特定することを特徴とするストレージシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかに記載のストレージシステムであって、
前記データファイル記憶手段は、前記データファイルと、当該データファイルの利用が許可されているユーザを示すユーザ情報と、を対応付けて記憶し、
更に、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末のユーザの固有情報であるユーザ固有情報を取得し、取得された前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記データファイル記憶手段に記憶されている前記ユーザ情報に含まれるか否かを判定するユーザ判定手段を備え、
前記ユーザ判定手段によって、前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記データファイル記憶手段に記憶されている前記ユーザ情報に含まれると判定されたとき、前記要求受付手段は、当該ユーザ情報に対応する前記データファイルを、当該移動通信端末へ送信することを要求する前記送信要求を受け付けることを特徴とするストレージシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のストレージシステムであって、
前記データファイル記憶手段は、前記ユーザ情報が対応づけられた複数のディレクトリのいずれかに前記データファイルを記憶し、
更に、前記ユーザ判定手段によって、前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記データファイル記憶手段に記憶されている前記ユーザ情報に含まれると判定されたとき、当該ユーザ情報と対応付けられた前記ディレクトリに記憶された前記データファイルの一部または全部を示すディレクトリ情報を、前記通信接続手段によって接続された前記移動通信端末へ送信するデータファイル一覧送信手段を備え、
前記要求受付手段は、前記ディレクトリ情報が示す前記データファイルのうち、当該移動通信端末によって選択された前記データファイルを当該移動通信端末へ送信することを要求する前記送信要求を受け付けることを特徴とするストレージシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のストレージシステムであって、
前記データファイル記憶手段は、前記ディレクトリごとに単一または複数の前記ユーザ固有情報を対応付けて記憶することを特徴とするストレージシステム。
【請求項9】
請求項6乃至8いずれかに記載のストレージシステムであって、
前記ユーザ固有情報は、前記移動通信端末に装着されるSIM(Subscriber Identity Module)カードの固有番号であり、
かつ前記ユーザ情報は、少なくとも一つの前記SIMカードの固有番号からなることを特徴とするストレージシステム。
【請求項10】
移動通信端末と通信接続する通信接続手段と、
ストレージ装置に記憶されたデータファイルの一部または全部を、前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を、当該移動通信端末から受け付ける要求受付手段と、
前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を当該移動通信端末から取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定手段と、
前記ストレージ装置に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを前記ストレージ装置から取得し、取得した前記データファイルを前記機種特定手段によって特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換手段と、
前記形式変換手段によって変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項11】
請求項10に記載のアクセス管理装置であって、
前記データファイルと、当該データファイルを利用可能な前記移動通信端末の機種を示す機種情報と、を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させるデータファイル登録手段と、
前記機種特定手段によって特定された前記機種が、前記送信要求により要求された前記データファイルに対応付けた前記機種情報に含まれるか否かを判定する機種判定手段と、を備え、
前記機種判定手段によって、前記機種特定手段によって特定された前記機種が、前記送信要求により要求された前記データファイルに対応付けた前記機種情報に含まれると判定されたとき、前記送信手段は、当該データファイルを前記ストレージ装置から取得し、取得した前記データファイルを前記移動通信端末に送信することを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項12】
請求項11に記載のアクセス管理装置であって、
前記データファイル登録手段は、前記形式変換手段によって変換された前記データファイルと、当該データファイルを利用可能な前記移動通信端末の機種を示す前記機種情報と、を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載のアクセス管理装置であって、
前記データファイル登録手段は、前記ストレージ装置に記憶させる前記データファイルに含まれる情報の一部または全部と、前記機種特定手段によって特定された前記機種と、に基づいて当該データファイルに対応する前記機種情報を得ることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項14】
請求項11乃至13いずれかに記載のアクセス管理装置であって、
前記移動通信端末は携帯電話機であり、かつ前記端末特定情報は前記携帯電話機の製造番号であることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項15】
請求項14に記載のアクセス管理装置であって、
前記機種特定手段は、前記通信接続手段によって通信接続された前記携帯電話機の前記製造番号を取得し、取得した前記製造番号に含まれる情報のうち当該携帯電話機の機種を示す情報を読み取り、読み取った前記情報から当該機種を特定することを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項16】
請求項11乃至15いずれかに記載のアクセス管理装置であって、
前記データファイル登録手段は、前記データファイルと、当該データファイルの利用が許可されているユーザを示すユーザ情報と、を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させ、
前記通信接続手段によって通信接続された前記移動通信端末のユーザの固有情報であるユーザ固有情報を取得し、取得された前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記ストレージ装置に記憶されている前記ユーザ情報に含まれるか否かを判定するユーザ判定手段を、備え、
前記ユーザ判定手段によって、前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記ストレージ装置に記憶されている前記ユーザ情報に含まれると判定されたとき、前記要求受付手段は、当該ユーザ情報に対応する前記データファイルを、当該移動通信端末へ送信することを要求する前記送信要求を受け付けることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項17】
請求項16に記載のアクセス管理装置であって、
前記データファイル登録手段は、前記ストレージ装置に内包され、前記ユーザ情報が対応づけられた複数のディレクトリのいずれかに前記データファイルを記憶させ、
更に、前記ユーザ判定手段によって、前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記ストレージ装置に記憶されている前記ユーザ情報に含まれると判定されたとき、当該ユーザ情報と対応付けられた前記ディレクトリに記憶された前記データファイルの一部または全部を示すディレクトリ情報を、前記通信接続手段によって接続された前記移動通信端末へ送信するデータファイル一覧送信手段を備え、
前記要求受付手段は、前記ディレクトリ情報が示す前記データファイルのうち、当該移動通信端末によって選択された前記データファイルを当該移動通信端末へ送信することを要求する前記送信要求を受け付けることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項18】
請求項17に記載のアクセス管理装置であって、
前記データファイル登録手段は、前記ディレクトリごとに単一または複数の前記ユーザ固有情報を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項19】
請求項16乃至18いずれかに記載のアクセス管理装置であって、
前記ユーザ固有情報は、前記移動通信端末に装着されるSIM(Subscriber Identity Module)カードの固有番号であり、
かつ前記ユーザ情報は、少なくとも一つの前記SIMカードの固有番号からなることを特徴とするアクセス管理装置。
【請求項20】
移動通信端末と通信接続する通信接続ステップと、
ストレージ装置に記憶された前記データファイルの一部または全部を、前記通信接続ステップで通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付ステップと、
前記通信接続ステップで通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定ステップと、
前記ストレージ装置に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを、前記機種特定ステップで特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換ステップと、
前記形式変換ステップで変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項21】
請求項20に記載のデータ転送方法であって、
前記データファイルと、当該データファイルを利用可能な前記移動通信端末の機種を示す機種情報と、を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させるデータファイル登録ステップと、
前記機種特定ステップで特定された前記機種が、前記送信要求により要求された前記データファイルに対応付けた前記機種情報に含まれるか否かを判定する機種判定ステップと、を備え、
前記機種判定ステップで、前記機種特定ステップで特定された前記機種が、前記送信要求により要求された前記データファイルに対応付けた前記機種情報に含まれると判定されたとき、
前記送信ステップでは、当該データファイルを前記ストレージ装置から取得し、取得した前記データファイルを前記移動通信端末に送信することを特徴とするデータ転送方法。
【請求項22】
請求項21に記載のデータ転送方法であって、
前記データファイル登録ステップでは、前記形式変換ステップで変換された前記データファイルと、当該データファイルを利用可能な前記移動通信端末の機種を示す前記機種情報と、を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項23】
請求項21または22に記載のデータ転送方法であって、
前記データファイル登録ステップでは、前記ストレージ装置に記憶させる前記データファイルに含まれる情報の一部または全部と、前記機種特定ステップで特定された前記機種と、に基づいて当該データファイルに対応する前記機種情報を得ることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項24】
請求項21乃至23いずれかに記載のデータ転送方法であって、
前記移動通信端末は携帯電話機であり、かつ前記端末特定情報は前記携帯電話機の製造番号であることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項25】
請求項24に記載のデータ転送方法であって、
前記機種特定ステップでは、前記通信接続ステップで通信接続された前記携帯電話機の前記製造番号を取得し、取得した前記製造番号に含まれる情報のうち当該携帯電話機の機種を示す情報を読み取り、読み取った前記情報から当該機種を特定することを特徴とするデータ転送方法。
【請求項26】
請求項21乃至24いずれかに記載のデータ転送方法であって、
前記データファイル登録ステップでは、前記データファイルと、当該データファイルの利用が許可されているユーザを示すユーザ情報と、を対応付けて前記ストレージ装置に記憶させ、
更に、前記通信接続ステップで通信接続した前記移動通信端末のユーザの固有情報であるユーザ固有情報を取得し、取得された前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記ストレージ装置に記憶されている前記ユーザ情報に含まれるか否かを判定するユーザ判定ステップを備え、
前記ユーザ判定ステップで、前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記ストレージ装置に記憶されている前記ユーザ情報に含まれると判定されたとき、
前記要求受付ステップでは、当該ユーザ情報に対応する前記データファイルを、当該移動通信端末へ送信することを要求する前記送信要求を受け付けることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項27】
請求項26に記載のデータ転送方法であって、
前記データファイル登録ステップでは、前記ストレージ装置に内包され、前記ユーザ情報が対応づけられた複数のディレクトリのいずれかに前記データファイルを記憶させ、
更に、前記ユーザ判定ステップで、前記ユーザ固有情報により特定される前記ユーザが、前記ストレージ装置に記憶されている前記ユーザ情報に含まれると判定されたとき、当該ユーザ情報と対応付けられた前記ディレクトリに記憶された前記データファイルの一部または全部を示すディレクトリ情報を、前記通信接続ステップで接続された前記ストレージ装置から前記移動通信端末へ送信するデータファイル一覧送信ステップと、
当該移動通信端末が、前記データファイル一覧送信ステップで送信された前記ディレクトリ情報が示す前記データファイルのいずれかを選択し、選択した前記データファイルを当該移動通信端末へ送信することを要求する前記送信要求を送信する送信要求ステップと、を備え、
前記要求受付ステップでは、前記送信要求ステップで送信された前記送信要求を受け付けることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項28】
請求項27に記載のデータ転送方法であって、
前記データファイル登録ステップでは、前記ディレクトリごとに単一または複数の前記ユーザ固有情報を対応付けて記憶させることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項29】
請求項26乃至28いずれかに記載のデータ転送方法であって、
前記ユーザ固有情報は、前記移動通信端末に装着されるSIM(Subscriber Identity Module)カードの固有番号であり、
かつ前記ユーザ情報は、少なくとも一つの前記SIMカードの固有番号からなることを特徴とするデータ転送方法。
【請求項30】
コンピュータが読み出し可能な記憶媒体に格納されたプログラムであって、
移動通信端末と通信接続する通信接続処理と、
ストレージ装置に記憶されたデータファイルの一部または全部を、前記通信接続処理で通信接続された前記移動通信端末へ送信することを要求する送信要求を受け付ける要求受付処理と、
前記通信接続処理で通信接続された前記移動通信端末の個体識別情報である端末特定情報を取得し、取得した前記端末特定情報に基づいて当該移動通信端末の機種を特定する機種特定処理と、
前記ストレージ装置に記憶された前記データファイルのうち、前記送信要求により要求された前記データファイルを、前記機種特定処理で特定された前記機種が利用可能なデータ形式に変換する形式変換処理と、
前記形式変換処理で変換された前記データファイルを、当該移動通信端末に送信する送信処理と、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−35811(P2011−35811A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182319(P2009−182319)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】