説明

スパッタ装置

【課題】 基板表面にダメージを与えずに高速成膜できると共に、異常放電が発生しにくいスパッタ装置を提供する。
【解決手段】 スパッタ装置10は、チャンバ内に離間して設置された第1、第2の円筒状スパッタターゲットと、第1、第2の円筒状スパッタターゲットにそれぞれ電圧を印加する電圧印加手段と、チャンバ内にスパッタガスを導入するガス導入系70と、第1の円筒状スパッタターゲットの内部に設けられ、第2の円筒状スパッタターゲットに対向する磁石を有する第1の磁石装置60Aと、第2の円筒状スパッタターゲットの内部に設けられ、第1の磁石装置の磁石に対向する磁石を有し、第1の磁石装置との間に磁場を形成する第2の磁石装置60Bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパッタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ターゲットをスパッタすることで成膜を行うスパッタ装置の一つである対向ターゲット型のスパッタ装置としては、第1、及び第2の平板ターゲットのスパッタ面が対向しており、各ターゲットに電圧を印加し放電させて、第1、及び第2のターゲット間においてプラズマを形成するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、ターゲット間に形成されたプラズマによりターゲットがスパッタされる。スパッタによりターゲットから飛び出したスパッタ粒子は、ターゲットとは交差する方向においてプラズマに対向するように設置された基板の表面に到達し、成膜を行う。このようなターゲット型のスパッタ装置は、2つの平板ターゲットを用いて成膜を行うことから、基板表面にダメージを与えずに高速成膜することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−13724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかるスパッタ装置では、基板に付着しなかったスパッタ粒子が、成膜室の内壁や、ターゲットの表面端部を保持する保持部材に堆積してしまう。この膜にチャージアップして長期的には異常放電が発生しやすく、成膜状態が不安定になってしまうことがあるという問題がある。特に、誘電体膜を形成する場合に、かかるスパッタ装置では異常放電が発生しやすい。
【0005】
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、基板表面にダメージを与えずに高速成膜できると共に、異常放電が発生しにくいスパッタ装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスパッタ装置は、チャンバ内に離間して設置された第1、第2の円筒状スパッタターゲットと、第1、第2の円筒状スパッタターゲットにそれぞれ電圧を印加する電圧印加手段と、チャンバ内にスパッタガスを導入するガス導入系と、前記第1の円筒状スパッタターゲットの内部に設けられ、前記第2の円筒状スパッタターゲットに対向する磁石を有する第1の磁石装置と、前記第2の円筒状スパッタターゲットの内部に設けられ、前記第1の磁石装置の磁石に対向する磁石を有し、前記第1の磁石装置との間に磁場を形成する第2の磁石装置とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のスパッタ装置は、第1の磁石装置と第2の磁石装置との間に磁場が形成され、スパッタ時にこれらの間でプラズマが形成されて第1、第2の円筒状スパッタターゲットがスパッタされることで、基板表面にダメージを与えずに高速成膜できる。かつ、円筒状スパッタターゲットを用いることで、保持部材がターゲット表面に存在しないので異常放電が発生しにくい。
【0008】
本発明の好ましい実施形態としては、前記第1、及び第2の磁石装置は、それぞれ、前記第1、第2の円筒状スパッタターゲットの長手方向に沿って設けられた直線状の磁石片と、この直線状の磁石片から離間させてその周縁部に亘って設けられた額縁状の磁石片と、該直線状の磁石片と該額縁状の磁石片とを保持する磁石保持部材とを備え、対向する磁石装置に向かっている前記直線状の磁石片の磁極と前記額縁状の磁石片の磁極とは同一方向を向いていることがあげられる。
【0009】
前記直線状の磁石片が、前記額縁状の磁石片よりも、幅狭であることが好ましい。このように構成されることで、環状磁場が抑制されて、第1の磁石装置から第2の磁石装置へと延びる磁場を形成でき、高密度なプラズマを形成することが可能である。
【0010】
前記チャンバ内に、アノード電極が設置されていることが好ましい。アノード電極が設置されることで、プラズマの形成位置がずれずに、高密度なプラズマを形成することが可能である。
【0011】
基板表面に到達したスパッタ粒子と反応する反応性ガスを前記チャンバに導入する反応性ガス導入手段が設けられていることが好ましい。反応性ガスを導入するように構成することで、金属酸化物や金属窒化物などの絶縁体膜を形成することが可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスパッタ装置によれば、基板表面にダメージを与えずに高速成膜できると共に、異常放電が発生しにくいという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態のスパッタ装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図2】スパッタカソード機構の概略構成を示す模式的斜視図である。
【図3】磁石装置の説明をするための模式的断面図である。
【図4】本実施形態のスパッタ装置の磁石装置により形成される磁場を説明するための図である。
【図5】他の実施形態の磁石装置の説明をするための模式的断面図である。
【図6】他の実施形態の磁石装置により形成される磁場を説明するための図である。
【図7】他の実施形態の磁石装置の説明をするための模式的断面図である。
【図8】他の実施形態の磁石装置により形成される磁場を説明するための図である。
【図9】参考例の磁石装置の説明をするための模式的断面図である。
【図10】参考例の磁石装置により形成される磁場を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
図1は、スパッタ装置の概略構成を示す図である。本実施形態のスパッタ装置10は、絶縁膜である金属酸化膜をスパッタ法により形成するものである。図1に示すように、スパッタ装置10は、基板搬送室20及び成膜手段設置室30からなる。基板搬送室20及び成膜手段設置室30とは、開口11により連通していて、同一雰囲気になるように構成されている。基板搬送室20に搬送された基板に対して、開口11を介して成膜手段設置室30に設置された成膜手段により成膜が行われる。
【0015】
基板搬送室20には、基板搬入口21と、基板搬出口22とが基板搬送室の長手方向の端面に設けられている。基板搬入口21は、例えば加熱室にバルブ23を介して連通しており、基板搬出口22は、例えばアンロード室にバルブ23を介して連通している。基板搬送室20の基板搬入口21付近には、真空排気手段24が設けられており、真空排気手段24により、スパッタ装置10内の排気を行うことができる。
【0016】
また、基板搬送室20には、図示しない基板搬送手段が設けられて、スパッタ装置10、即ち基板搬送室20に基板搬入口21から搬入された被処理基板Sを基板搬出口22へ搬送する。被処理基板Sは、搬送中にその表面に成膜が行われる。
【0017】
成膜手段設置室30には、成膜手段として、一対のスパッタカソード機構40が設けられている。本実施形態では、図1中右側のスパッタカソード機構40を、第1スパッタカソード機構40Aとし、左側のスパッタカソード機構40を、第2スパッタカソード機構40Bとする。スパッタカソード機構40は、それぞれ、回転軸41に対して回転可能に支持された円筒状のターゲット50と、ターゲット50の内部に配される磁石装置60とを備えている。またスパッタカソード機構40は、ターゲット50に電力を供給するDC電源42を備える。DC電源42は、ターゲット50の裏面側にDC電源42の負電源側から電圧を印加するように構成されている。
【0018】
ターゲット50は、金属製のバッキングチューブ51の外周面に所定の材料からなるターゲット層52を均一に形成したものである。即ち、バッキングチューブ51の表面はターゲット層52により覆われており、ターゲット50の表面にバッキングチューブ51は露出していない。このようなターゲット層52の材料としては、Ti、Zr、Mo、Hf、Si、Al、Ta、Nbがあげられ、本実施形態では、Siである。
【0019】
磁石装置60は、ターゲット層52の表面に磁場を発生させるためのものである。磁石装置60について、図2を用いて説明する。図2は、スパッタカソード機構の概略斜視図である。図2に示すように、スパッタカソード機構40を構成する磁石装置60は、ターゲット50の内部に配されている。磁石装置60では、中央磁石61は、回転軸41に沿って直線状に配置されている。即ち、中央磁石(直線状の磁石片)61は、ターゲット50の周方向に直交する長手方向に沿って設けられている。周囲磁石(額縁状の磁石片)62は、中央磁石61の周縁部から所定距離をおいて額縁状に配置されている。これら中央磁石61と周囲磁石62とがその表面が露出した状態でヨーク63に埋め込まれている。なお、以下説明のため、第1スパッタカソード機構40Aの内側に設けられた磁石装置60を第1磁石装置60Aとし、第2スパッタカソード機構40Bの内側に設けられた磁石装置60を第2磁石装置60Bとする。
【0020】
図3は、第1磁石装置60Aと第2磁石装置60Bのそれぞれ長手方向に直交する面での断面図である。図3に示すように、第1磁石装置60Aと第2磁石装置60Bとは、互いに向かい合う磁極が異なるものとなるように中央磁石61と周囲磁石62とが配されている。
【0021】
即ち、第1磁石装置60Aでは、中央磁石61及び周囲磁石62は、それぞれ露出面がN極となるように配置されていると共に、第2磁石装置60Bでは、中央磁石61及び周囲磁石62は、それぞれ露出面がS極となるように配置されている。このように配置されていることで、第1磁石装置60Aと第2磁石装置60Bとの間で、N極からS極に向かった磁場が形成される。
【0022】
この場合に、本実施形態では、磁石装置60の構成を最も好ましい構成とすることで、より環流磁場を抑制して、対向する第1磁石装置60Aと第2磁石装置60Bとの間に形成される磁場の強度を上げている。これにより、磁場に閉じこめられるプラズマの密度を上げると共に、プラズマの形成位置を固定することができるので、成膜効率がよく、かつ、異常放電を抑制できる。
【0023】
具体的には、磁石装置60では、中央磁石61は、周囲磁石62よりも幅狭となるように設けられている。より詳細には、磁石装置60では、例えばヨーク63は厚さ30mm×幅50mmの板状となっている。中央磁石61は、幅5mm、厚み5mmであり、周囲磁石62は、幅10mm、厚さ5mmとなっている。このような磁石装置60である第1磁石装置60Aと第2磁石装置60Bとにより形成される磁場は、図4に示すようになっている。図4は、本実施形態の磁石装置60による磁場を説明するために行ったシミュレーション結果を示す図である。図4に示すように、本実施形態の磁石装置60によれば、形成される磁場は、環流磁場が少なく、かつ、対向する磁石装置60に向かう磁場成分が多い。これにより、磁場に閉じこめられるプラズマの密度を上げると共に、プラズマの形成位置を固定することができるので、成膜効率がよく、かつ、異常放電を抑制できる。
【0024】
また、図1に示すように、成膜手段設置室30には、アノード電極33が設けられている。アノード電極33は、DC電源42の正電源側に接続されている。アノード電極33を設けることで、プラズマが基板側に引き込まれることを抑制でき、より長期的にプラズマ形成位置が安定する。これにより、ターゲットの成膜面が高効率でスパッタされることができ、より異常放電を抑制することができる。また、アノード電極33とスパッタカソード機構40との間には、シールド34が設けられている。シールド34が設けられていることで、スパッタ粒子はシールド34に付着してアノード電極33に付着しないので、アノード電極33の表面に薄膜が形成されることがない。このようなシールド34は、絶縁材料で構成してもよく、また、導電性材料で構成してもよい。導電性材料で構成した場合には、ターゲット50に印加されている電圧に近いが放電を妨げないような電圧を印加して、アノード電極として機能しないようにしておくことが好ましい。
【0025】
本実施形態のスパッタ装置においては、成膜手段設置室30に、スパッタの際に導入されるスパッタガス導入手段70を備えている。スパッタガス導入手段70は、スパッタガスを封入したガス封入部71と、バルブ72とを備える。バルブ72の開度を調整することにより、ガス封入部71に封入されたスパッタガスの成膜手段設置室30への導入量を調整することができる。スパッタガスとしては、Arガス、Xeガスなどを用いることができる。
【0026】
また、本実施形態では、スパッタ装置10には、基板搬送室20の中央部に、スパッタにより形成された薄膜と反応させる反応性ガスを導入するための反応性ガス導入手段80を備えている。反応性ガス導入手段80は、反応性ガスを封入した反応性ガス封入部81と、反応性ガスバルブ82とを備える。反応性ガスバルブ82の開度を調整することにより、反応性ガス封入部81に封入された反応性ガスの基板搬送室20への導入量を調整することができる。
【0027】
反応性ガスとしては、酸化膜を形成する場合には、Oガス等の酸素含有ガスがあげられる。窒化膜を形成する場合には、Nガスなどの窒素含有ガスがあげられる。
【0028】
かかるスパッタ装置10を用いた成膜方法について説明する。
【0029】
初めに、図示しない高真空排気手段によりスパッタ装置10内を高真空排気する。スパッタガス導入手段70からスパッタガスとしてArガスを導入しスパッタ装置10内の圧力を2〜10mTorrに維持する。スパッタガスは、真空排気手段24によりスパッタカソード機構40間を通って基板搬送室20側へ流れて、真空排気手段24から排気される。この状態で、円筒型のターゲット50を回転させながら、DC電源42によりターゲット50に電力密度1〜8w/cmの電力を投入する。また第1磁石装置60A及び第2磁石装置60Bによって第1スパッタカソード機構40Aと第2スパッタカソード機構40Bとの間のターゲット50の表面に磁場を発生させる。
【0030】
これにより、スパッタガスのプラズマが形成され、このプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、ターゲット層52に衝突して原子を飛び出させる。対向する第1スパッタカソード機構40Aと第2スパッタカソード機構40Bとから飛び出した原子は、衝突して、第1スパッタカソード機構40Aと第2スパッタカソード機構40Bとの隙間に対向する基板S上に付着する。
【0031】
さらに、基板搬送室20には、反応性ガス導入手段80から反応性ガス(Oガス)が導入される。これにより、基板S上に付着した粒子が反応性ガスと反応し、反応生成物からなる薄膜を形成することができる。この場合に、スパッタ装置10内に導入された反応性ガスは、真空排気手段24により基板Sの周囲を流れて排気されるので、成膜手段設置室30側へ流入することが防止されている。
【0032】
本実施形態では、このようにして金属酸化物である誘電体膜を、二つのスパッタカソード機構40を設けることで、基板表面にダメージを与えずに高速成膜できる。さらに、スパッタカソード機構40として、円筒状のスパッタカソード機構40を用いていることで、異常放電が発生しにくい。即ち、平板ターゲットを用いたスパッタカソード機構40を用いる場合には、平板ターゲットを保持するための保持部材が表面に露出してしまい、この保持部材がプラズマにさらされて誘電体膜形成時のパーティクルが付着して、異常放電の原因となる場合があった。しかし、本実施形態では、円筒状のターゲット50を用いていることで、ターゲットの表面に保持部材が露出することがない。従って、異常放電の発生が抑制される。
【0033】
また、本実施形態では、所定の磁石装置60を用いていることから、二つの磁石装置60間に磁石装置60の並設方向に対して垂直な磁場が形成され、かつ環流磁場の発生を抑制できる。これにより、プラズマの形成位置がずれないので、異常放電を抑制するだけでなくプラズマが高密度で形成され、スパッタの効率がよい。さらに、円筒状のターゲット50を用いたスパッタカソード機構40を用いていることで、ターゲットの使用効率を上昇させることができる。
【0034】
以下、本発明における磁石装置の異なる構成例について説明する。なお、以下の構成例において、磁石装置の長手方向に直交する方向での断面図を示している。図5に示すように、実施形態1の磁石装置60とは異なる構成で磁石装置60C、60Dを構成してもよい。即ち、図5に示す磁石装置の実施形態では、磁石装置60C、60Dは、ヨーク63に埋め込まれた中央磁石61と周囲磁石62との幅が同一である。この場合に発生する磁場を、図6に示す。
【0035】
図6に示すように、環流磁場が小さく、実施形態1に示すほどではなくが、互いに対向する磁石装置に向かって直線的な磁場成分が多かった。
【0036】
また、図7に示す磁石装置の実施形態では、磁石装置60E、60Fは、一枚の平板磁石64のみがヨーク63に埋め込まれ、その表面のみが露出しているものである。この場合に発生する磁場を、図8に示す。
【0037】
図8に示す磁場は、図6同様に、環流磁場が小さく、実施形態1に示すほどではないが、互いに対向する磁石装置に向かって直線的な磁場成分が多かった。
【0038】
図6及び図8から、磁石装置60C〜60Fによる磁場形状は、それぞれほとんど変化がなく、それぞれ環流磁場が小さく、実施形態1に示すほどではないが、互いに対向する磁石装置に向かって直線的な磁場成分が多かった。
【0039】
従って、これらの磁石装置を用いたとしても、実施形態1ほどではないが実施形態1と同様の効果を得ることができる。なお、参考例として、図9に示す磁石装置60G、60Hを用いた場合に発生する磁場を図10に示す。図9に示す磁石装置60G、60Hでは、ヨーク63は矩形の対向する角部を除去した6角形状である。また、3つの磁石65は、ターゲットの形状に沿った円弧状となるようにヨーク63の表面に配置されている。即ち、上述した実施形態では、磁石装置の磁石は、それぞれ断面視においてその表面(磁場形成面)が同一平面となるように構成したが、参考例においては、磁石装置の磁石65断面視において同一平面とならずに円弧状となるように、それぞれ異なる方向に向かって磁場を形成するように構成されている。図10に示すように、この場合には環流磁場の影響が大きく、プラズマを磁場内に高密度で形成することができない場合があることが分かった。
【0040】
上述した実施形態では、金属酸化物からなる誘電体膜を形成するために反応性ガスも導入するような装置構成としているがこれに限定されず、金属膜を形成するために反応性ガスを導入しない装置構成とすることも可能である。
【0041】
上述した実施形態では、アノード電極33は、スパッタカソード機構40の基板側とは反対側に設けているがこれに限定されない。例えば、アノード電極33を設けなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のスパッタ装置は、成膜に用いることができる。従って、例えば半導体製造産業分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 スパッタ装置
20 基板搬送室
21 基板搬入口
22 基板搬出口
23 バルブ
24 真空排気手段
30 成膜手段設置室
33 アノード電極
34 シールド
40、40A、40B スパッタカソード機構
41 回転軸
42 DC電源
50 ターゲット
51 バッキングチューブ
52 ターゲット層
60、60A〜60G 磁石装置
61 中央磁石
62 周囲磁石
63 ヨーク
64 平板磁石
65 磁石
70 スパッタガス導入手段
71 ガス封入部
72 バルブ
80 反応性ガス導入手段
81 反応性ガス封入部
82 反応性ガスバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ内に離間して設置された第1、第2の円筒状スパッタターゲットと、
第1、第2の円筒状スパッタターゲットにそれぞれ電圧を印加する電圧印加手段と、
チャンバ内にスパッタガスを導入するガス導入系と、
前記第1の円筒状スパッタターゲットの内部に設けられ、前記第2の円筒状スパッタターゲットに対向する磁石を有する第1の磁石装置と、
前記第2の円筒状スパッタターゲットの内部に設けられ、前記第1の磁石装置の磁石に対向する磁石を有し、前記第1の磁石装置との間に磁場を形成する第2の磁石装置とを備えたことを特徴とするスパッタ装置。
【請求項2】
前記第1、及び第2の磁石装置は、それぞれ、前記第1、第2の円筒状スパッタターゲットの長手方向に沿って設けられた直線状の磁石片と、
この直線状の磁石片から離間させてその周縁部に亘って設けられた額縁状の磁石片と、
該直線状の磁石片と該額縁状の磁石片とを保持する磁石保持部材とを備え、
対向する磁石装置に向かっている前記直線状の磁石片の磁極と前記額縁状の磁石片の磁極とは同一方向を向いていることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
【請求項3】
前記直線状の磁石片が、前記額縁状の磁石片よりも、幅狭であることを特徴とする請求項2記載のスパッタ装置。
【請求項4】
前記チャンバ内に、アノード電極が設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタ装置。
【請求項5】
基板表面に到達したスパッタ粒子と反応する反応性ガスを前記チャンバに導入する反応性ガス導入手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−52191(P2012−52191A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196170(P2010−196170)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】