説明

スピーカー用部材

【課題】優れた耐熱性および強度を有し、成形加工性に優れ、生産コストおよび環境負荷が少ないスピーカー用部材を提供すること。
【解決手段】本発明のスピーカー用部材は、ポリオレフィン系樹脂と穀物と無機系フィラーとを含有する成形用組成物で成形される。好ましくは、穀物が非食用の資源米である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスピーカー用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカー用部材に用いられる材料の代表例として、ポリプロピレン(PP)等の樹脂が挙げられる。このような樹脂は、単独では、厳しい環境(例えば、車載向け)に対応しきれないという問題がある。そこで、耐熱性および強度を向上させることを目的として、ポリプロピレン等の樹脂に、ガラス繊維、カーボン繊維、タルク、マイカ等の無機系フィラーを添加することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、上記無機系フィラーの添加により、樹脂の流動性が損なわれ、複雑な形状の成形が困難であるという問題がある。また、ポリプロピレンと無機系フィラーとを組み合わせる場合、無機系フィラーの接着性を良好にすることを目的として、例えば、無機系フィラーに表面処理を施す必要があり、生産コストの面で問題がある。さらに、ポリプロピレン等の樹脂は、石油製品であり、燃焼廃棄時に多量の二酸化炭素を発生するため、環境破壊につながるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−75290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、優れた耐熱性および強度を有し、成形加工性に優れ、生産コストおよび環境負荷が少ないスピーカー用部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスピーカー用部材は、ポリオレフィン系樹脂と穀物と無機系フィラーとを含有する成形用組成物で成形される。
好ましい実施形態においては、上記穀物が米である。
好ましい実施形態においては、上記穀物が非食用の資源米である。
好ましい実施形態においては、上記穀物の含有割合が25〜50重量%である。
好ましい実施形態においては、上記ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる群より選ばれた少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記無機系フィラーが、ガラス繊維、カーボン繊維、タルクおよびマイカからなる群より選ばれた少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記無機系フィラーが、繊維長さ0.1〜2mmのガラス繊維である。
好ましい実施形態においては、上記無機系フィラーの含有割合が5〜20重量%である。
好ましい実施形態においては、上記成形用組成物が消臭剤を含有し、消臭剤の含有割合が0.5〜1重量%である。
好ましい実施形態においては、上記成形用組成物が撥水剤を含有し、撥水剤の含有割合が0.2〜0.5重量%である。
本発明の別の局面によれば、スピーカー用部材の製造方法が提供される。この、スピーカー用部材の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂と穀物と無機系フィラーとを含む成形用組成物を成形する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、穀物を用いることにより、極めて優れた耐熱性および強度を有し、成形加工性に優れ、生産コストおよび環境負荷が少ないスピーカー用部材を提供することができる。
【0008】
穀物を含有する成形用組成物は、成形時に所定温度以上に加熱されることにより、穀物の澱粉粒が壊れて糊化しゲル状を示し得る。このため、ポリオレフィン系樹脂との混練時に微細に分割され、樹脂マトリックス中に澱粉質が均等に分散され、溶融粘度が低下して熱流動性に優れ得る。その結果、複雑な形状であっても良好な成形加工性を得ることができる。
【0009】
穀物は、加熱されると糊化してゲル状になり、優れた接着性を示し得る。したがって、無機系フィラーに表面処理を施す、相溶化剤を添加する等の処理を行わなくても、安価な穀物を用いることにより、無機系フィラーが強固に接合される。このように、生産コストを低減させながら、極めて優れた強度を有するスピーカー用部材を得ることができる。スピーカー用振動板を成形する場合、糊化した穀物がロス剤の働きをするため、大きな内部損失が得られて、ヤング率と内部損失とのバランスに優れた振動板を得ることができる。また、穀物を用いることにより、極めて優れた耐熱性を有するスピーカー用部材を得ることができる。
【0010】
さらに、穀物を用いることにより、化石燃料から製造されるポリオレフィン系樹脂の使用量を低減させることができ、環境負荷の低減につなげることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1で得られたスピーカー用フレームを用いたスピーカーの音圧周波数特性を示すグラフである。
【図2】比較例2で得られたスピーカー用フレームを用いたスピーカーの音圧周波数特性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例6で得られたスピーカー用振動板を用いたスピーカーの音圧周波数特性を示すグラフである。
【図4】比較例8で得られたスピーカー用振動板を用いたスピーカーの音圧周波数特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のスピーカー部材は、ポリオレフィン系樹脂と穀物と無機系フィラーとを含有する成形用組成物で成形される。
【0013】
A.成形用組成物
上記ポリオレフィン系樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられる。好ましくは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる群より選ばれた少なくとも1種である。このような樹脂を用いることにより、内部損失に優れ、かつ軽量なスピーカー用部材を得ることができる。とりわけ好ましくは、ポリプロピレンである。強度、軽量性および汎用性のバランスに優れるからである。また、スピーカー用振動板を成形する場合、内部損失に優れるからである。
【0014】
上記穀物としては、任意の適切な穀物が用いられる。穀物の具体例としては、米、トウモロコシ、麦類(例えば、大麦、小麦、ライ麦等)、キビ、アワ、ヒエ、サトウキビ等が挙げられる。これらは、単独でまたは二種以上組み合わせて用いられ得る。これらの中でも、好ましくは、米である。米としては、食用のみならず、非食用の資源米も用いることができる。廃棄される余剰米である資源米を用いることで、生産コストおよび環境面においてさらに優れ得る。例えば、資源米を所定量以上用いて得られるスピーカー用部材は、エコマーク認定製品となり得る。
【0015】
穀物は、好ましくは、脱穀した状態で成形用組成物に含有される。穀物として米を用いる場合、好ましくは、籾殻が除去された玄米および/または精米が成形用組成物に含有される。また、穀物は、製粉された粉状の状態で用いてもよいし、製粉されない粒状の状態で用いてもよい。好ましくは、粉状の状態で成形用組成物に含有される。
【0016】
成形用組成物は無機系フィラーを含有する。無機系フィラーを含有させることにより、優れた耐熱性および強度を有するスピーカー用部材を得ることができる。無機系フィラーとしては、任意の適切な無機系フィラーが用いられる。好ましくは、ガラス繊維、カーボン繊維、タルクおよびマイカからなる群より選ばれた少なくとも1種である。とりわけ好ましくは、ガラス繊維である。ガラス繊維を用いることにより、少量添加でも優れた耐熱性および強度を有するスピーカー用部材を得ることができる。
【0017】
上記ガラス繊維は、好ましくは0.1〜2mmの繊維長さ、さらに好ましくは0.5〜1mmの繊維長さを有する。また、ガラス繊維は、好ましくは3〜24μmの繊維径、さらに好ましくは5〜10μmの繊維径を有する。
【0018】
成形用組成物における穀物の含有割合は、好ましくは25〜50重量%、さらに好ましくは25〜30重量%である。無機系フィラーの含有割合は、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。
【0019】
成形用組成物は、任意の適切な添加剤を含有し得る。添加剤としては、例えば、消臭剤、撥水剤が挙げられる。これらを用いることにより、成形時に生じる臭いや湿度によるカビの発生等の問題を解消することができる。消臭剤の含有割合は、好ましくは0.5〜1重量%である。撥水剤の含有割合は、好ましくは0.2〜0.5重量%である。
【0020】
B.成形
本発明のスピーカー用部材は、上記成形用組成物を成形(好ましくは、射出成形)して製造される。以下、スピーカー用部材の製造方法の一つの好ましい実施形態について、具体的に説明する。
【0021】
上記成形用組成物は、予め、混合機を用いて溶融混練される。ここで用いられる混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ユニバーサルミキサー等が挙げられる。溶融温度は、任意の適切な温度に設定することができる。好ましくは170〜190℃である。
【0022】
次に、溶融混練した成形用組成物を、所望のスピーカー用部材の形状を有したインジェクション金型に射出し、所望のスピーカー用部材を成形する。射出成形の条件は、任意の適切な条件に設定することができる。代表的には、成形温度は180〜190℃、金型温度は60〜90℃、射出圧力は50〜80kgf/cm、背圧は10〜20kgf/cm、冷却時間は30〜40秒である。
【0023】
C.スピーカー用部材
上記成形用組成物で成形されるスピーカー用部材の具体例としては、振動板、フレーム、ボックス(エンクロージャー)、エッジ、フィールドカバー、イコライザー等が挙げられる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0025】
[実施例1]
(成形用組成物の調製)
樹脂ペレットA、樹脂ペレットBおよび樹脂ペレットCを36:20:44の重量配合比(ポリオレフィン系樹脂:穀物:無機系フィラー=65:25:10)で、ヘンシェルミキサーを用いて180℃で溶融混練し、成形用組成物を調製した。用いた樹脂ペレットの詳細は以下のとおりである。
【0026】
樹脂ペレットA:ポリプロピレンと非食用の資源米を30:70の重量比でブレンドした樹脂ペレット(株式会社バイオテクノロジー製、BTペレット「SRP70−3F」)
樹脂ペレットB:ポリプロピレンとガラス繊維(繊維長:1〜2mm)を50:50の重量比でブレンドした樹脂ペレット(ダイセルポリマー株式会社製、プラストロン「PP−GF50−01」)
樹脂ペレットC:プロピレンのブロックコポリマー樹脂ペレット(株式会社プライムポリマー製、プライムポリプロ)
【0027】
(成形)
上記成形用組成物を射出成形することにより、口径16cmの車載用のスピーカー用フレームを得た。成形の条件は、成形温度190℃、金型温度90℃、射出圧力80kgf/cm、背圧20kgf/cm、冷却時間30秒であった。
【0028】
[実施例2]
上記樹脂ペレットA、樹脂ペレットBおよび樹脂ペレットCの重量配合比を36:40:24(ポリオレフィン系樹脂:穀物:無機系フィラー=55:25:20)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0029】
[実施例3]
上記樹脂ペレットA、樹脂ペレットBおよび樹脂ペレットCの重量配合比を72:10:18(ポリオレフィン系樹脂:穀物:無機系フィラー=45:50:5)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0030】
[実施例4]
上記樹脂ペレットA、樹脂ペレットBおよび樹脂ペレットCの重量配合比を72:20:8(ポリオレフィン系樹脂:穀物:無機系フィラー=40:50:10)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0031】
[実施例5]
上記樹脂ペレットA、樹脂ペレットB、樹脂ペレットC、ステアリン酸カルシウムを主成分とした消臭剤マスターバッチ(濃度10重量%、株式会社グランツ製、GK835)およびシリコンを主成分とした撥水剤マスターバッチ(濃度10重量%、株式会社グランツ製、PP シリコンマスターバッチ)を36:20:37:5:2(ポリオレフィン系樹脂:穀物:無機系フィラー:消臭剤:撥水剤=64.3:25:10:0.5:0.2)の重量比で配合したこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0032】
[比較例1]
ポリプロピレン(樹脂ペレットC)のみを用いて、実施例1と同様の成形条件で、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0033】
[比較例2]
樹脂ペレットAを用いずに、樹脂ペレットBと樹脂ペレットCとの重量配合比を40:60(ポリオレフィン系樹脂:無機系フィラー=80:20)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0034】
[比較例3]
樹脂ペレットAを用いずに、樹脂ペレットBと樹脂ペレットCとの重量配合比を20:80(ポリオレフィン系樹脂:無機系フィラー=90:10)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0035】
[比較例4]
ポリプロピレン(樹脂ペレットC)に天然鉱物である粒子径3〜20μmのマイカを20重量%となるように配合したこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0036】
[比較例5]
樹脂ペレットBを用いずに、樹脂ペレットAと樹脂ペレットCとの重合配合比を36:64(ポリオレフィン系樹脂:穀物=75:25)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0037】
[比較例6]
樹脂ペレットBを用いずに、樹脂ペレットAと樹脂ペレットCとの重合配合比を72:28(ポリオレフィン系樹脂:穀物=50:50)としたこと以外は、実施例1と同様にして、車載用のスピーカー用フレームを得た。
【0038】
<評価>
実施例1〜5および比較例1〜6で得られたスピーカー用フレームについて、比重、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強度および荷重たわみ温度を、通常の方法で測定した。また、各実施例および比較例の成形用組成物のメルトフロレート(MFR)を、通常の方法で測定した。測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表1から明らかなように、穀物も無機系フィラーも用いなかった比較例1は、曲げ弾性率および衝撃強度が小さく、荷重たわみ温度も低かった。無機系フィラーを用いた比較例2〜4は、曲げ弾性率、衝撃強度および荷重たわみ温度が改善されるものの、比較例1に比べて樹脂(成形用組成物)の流動性が悪く、成形加工性に劣っていた。これに対し、穀物および無機系フィラーを用いた実施例は、無機系フィラーの配合量において対応する比較例に比べて、全ての評価項目において上回っていた。
【0041】
実施例1および比較例2で得られたスピーカー用フレームを用いたスピーカーの音圧周波数特性を測定した。実施例1の結果を図1に、比較例2の結果を図2に示す。なお、それぞれのグラフには、音圧周波数特性とともに、音圧の2次および3次の高調波歪特性が示されている。
【0042】
図1と図2とを比較すると、2kHz以上の人間の聴覚が敏感な周波数帯域において、実施例1の方が比較例2よりも高調波歪が低減している。実際、実施例1のスピーカーと比較例2のスピーカーとを試聴によって比較すると、比較例2よりも実施例1のスピーカーの方がクリアに感じるという聴感上の音質の差を感じることができた。なお、汎用品(ABS樹脂製)と比較しても、聴感上の音質は改善されていた。
【0043】
[実施例6]
実施例5と同様の成形用組成物を射出成形することにより、口径2cmの小型スピーカー用振動板を得た。成形の条件は、成形温度190℃、金型温度90℃、射出圧力80kgf/cm、背圧20kgf/cm、冷却時間30秒であった。
【0044】
[比較例7]
ポリプロピレン(上記樹脂ペレットC)のみを用いて、実施例6と同様の成形条件で、小型スピーカー用振動板を得た。
【0045】
[比較例8]
ポリプロピレン(樹脂ペレットC)に天然鉱物である粒子径3〜20μmのマイカを20重量%となるように配合したこと以外は、実施例6と同様にして、小型スピーカー用振動板を得た。
【0046】
<評価>
得られたスピーカー用振動板について、比重、ヤング率(E)、内部損失(tanδ)および荷重たわみ温度を、通常の方法で測定した。得られた値を用いて、比弾性率(E/比重)を算出した。また、各実施例および比較例の成形用組成物のメルトフロレート(MFR)を、通常の方法で測定した。得られた結果を下記表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
表2から明らかなように、穀物も無機系フィラーも用いなかった比較例7は、比重は小さいものの、ヤング率も荷重たわみ温度も低かった。無機系フィラーを用いた比較例8は、ヤング率および荷重たわみ温度が改善される一方で、比較例7よりも内部損失が低下し、樹脂(成形用組成物)の流動性も悪く成形加工性に劣っていた。これに対し、穀物および無機系フィラーを用いた実施例6は、比較例7よりも比重はやや増加するものの、内部損失が非常に高く、ヤング率と内部損失とのバランスに優れていた。また、樹脂(成形用組成物)の流動性にも優れ、良好な成形加工性が得られた。
【0049】
実施例6および比較例8で得られたスピーカー用振動板を用いたスピーカーの音圧周波数特性を測定した。実施例6の結果を図3に、比較例8の結果を図4に示す。なお、それぞれのグラフには、音圧周波数特性とともに、音圧の2次および3次の高調波歪特性が示されている。
【0050】
音圧周波数特性に現れる高域限界周波数のピークが、比較例8の場合には約12kHzであるのに対して、実施例6の場合には約16kHzに上昇する。このように、実施例6のスピーカーでは、再生周波数帯域が広くなるという利点がある。また、2kHz以上の人間の聴覚が敏感な周波数帯域において、実施例6の方が比較例8よりも高調波歪が低減している。実施例6のスピーカー用振動板は、比較例8のスピーカー用振動板に比べて内部損失が大きく、実施例6のスピーカーと比較例8のスピーカーとを試聴によって比較すると、比較例8よりも実施例6のスピーカーの方がクリアに感じるという聴感上の音質の差を感じることができた。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のスピーカー用部材は、車載用等のあらゆる用途のスピーカーに、好適に用いられ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン系樹脂と穀物と無機系フィラーとを含有する成形用組成物で成形される、スピーカー用部材。
【請求項2】
前記穀物が米である、請求項1に記載のスピーカー用部材。
【請求項3】
前記穀物が非食用の資源米である、請求項1または2に記載のスピーカー用部材。
【請求項4】
前記穀物の含有割合が25〜50重量%である、請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項5】
前記ポリオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1から4のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項6】
前記無機系フィラーが、ガラス繊維、カーボン繊維、タルクおよびマイカからなる群より選ばれた少なくとも1種である、請求項1から5のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項7】
前記無機系フィラーが、繊維長さ0.1〜2mmのガラス繊維である、請求項1から6のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項8】
前記無機系フィラーの含有割合が5〜20重量%である、請求項1から7のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項9】
前記成形用組成物が消臭剤を含有し、該消臭剤の含有割合が0.5〜1重量%である、請求項1から8のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項10】
前記成形用組成物が撥水剤を含有し、該撥水剤の含有割合が0.2〜0.5重量%である、請求項1から9のいずれかに記載のスピーカー用部材。
【請求項11】
ポリオレフィン系樹脂と穀物と無機系フィラーとを含む成形用組成物を成形する、スピーカー用部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239264(P2011−239264A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110048(P2010−110048)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】