説明

スピーカ装置

【課題】音響特性の良好な小型の無指向性スピーカ装置を提供する。
【解決手段】開示されるスピーカ装置は、振動体2と、振動体2の外周部を支持する筐体1と、筐体1に対し対向するように配置される磁気回路3と、支持部11とを備えている。このスピーカ装置では、振動体2は、筐体1と磁気回路3との間に配置されている。また、筐体1と磁気回路3とが支持部11によって支持されている。そして、磁気回路3を構成するヨーク31、プレート32及び磁石33には、緩衝部材41が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射した音響を水平方向の四方八方に拡散する無指向性のスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスピーカ装置には、筐体(キャビネット)の開口部に、略中央に外方に隆起するコーン隆起部を有するコーン紙の外周縁をエッジを介して取り付けるとともに、上記コーン隆起部にボイスコイルボビン及びボイスコイルを取り付けたものがある。このスピーカ装置では、略ドーム状を呈し略中央に貫通孔が穿設されたフレームの外周縁を上記開口部に取り付けるとともに、上記貫通孔に、磁気ギャップが上記開口部側に向くように磁気回路を取り付けることにより、上記ボイスコイルボビン及び上記ボイスコイルが上記磁気ギャップに遊挿されるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
【0003】
また、従来のスピーカ装置には、フレームの中心部に取り付けたT字状を呈するセンターポールの先端にプレートを貼着し、プレートとボトムヨークとの間に磁石を介装しているものもある。ボトムヨークとプレートとの間の磁気ギャップ内には、外周にボイスコイルを巻回したボイスコイルボビンを遊挿している。プレート、ボトムヨーク及び磁石等は、磁気回路を構成している。ボイスコイルボビンは、いずれもフレームに固着されたダンパと振動板により支持されている(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
【0004】
さらに、従来のスピーカ装置には、上記した第2の従来例の構成に加えて、上記ボトムヨークの側面に突出部が形成され、この突出部にスピーカグリルの中心部に穿設された嵌合孔が嵌合されてスピーカグリルが係止されているものがある。スピーカグリルとボトムヨークとの間には、衝撃を吸収するためのゴムシートが介装されている。また、スピーカグリルの外周部先端が振動板とフレームのはりあわせ部と所定間隔をおいた状態で上記フレームのフランジ部に当接している(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第3の従来例と呼ぶ。
【0005】
【特許文献1】実開昭50−146535号公報(第5頁第8行目〜第12行目、第3図)
【特許文献2】特開平9−18983号公報([0002],[0016],[0019]、図2,図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
スピーカ装置は、音声信号(音声電流)がボイスコイルに供給されると、磁気回路からの磁束とボイスコイルに流された音声電流との間の電磁気力(ローレンツ力)に基づいて、スピーカ装置の中心軸方向の駆動力がボイスコイルに誘起される。この駆動力がボイスコイルボビンを介して振動体に伝達されるので、コーン紙等からなる振動体は、振動して音声電流に応じた音波(以下「音響」と称する。)を前面(音響放射方向)にある空間に向けて放射する。
【0007】
ボイスコイルに上記した駆動力が誘起されると、その反作用によって、磁気回路では、ボイスコイルに誘起された駆動力とは反対方向の力が作用する。その結果、磁気回路を構成するヨーク等の部材が振動又は共振し、磁気回路を構成する部材からは、振動体を構成するコーン紙等の振動板から放射される音響とは逆相の音響が放射されることになる。これにより、磁気回路を構成する部材から放射された音響が振動体から放射された音響を打ち消してしまう等の現象が生じ、本来放射すべき音響の音圧(再生音圧)を低下させるとともに、周波数特性を乱し、スピーカ装置の音響特性が低下してしまうという問題がある。
【0008】
上記した第1及び第2の従来例では、磁気回路自体の振動を抑止する方策は何らなされていない。また、上記した第3の従来例においても、スピーカグリルとボトムヨークの突起部の一部とはゴムシートを介さずに接触する部分があり、振動伝達の抑止は不充分である。また、上記した第1〜第3の従来例では、いずれも磁気回路が露出しており、磁気回路を構成する部材からの音響の放射を抑止することはできない。したがって、振動体から放射された音響を打ち消してしまう等により、スピーカ装置の音響特性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
また、上記した第1及び第3の従来例では、いずれも音響を放射するコーン紙等の振動板の周囲にフレームの一部が延在している。したがって、コーン紙等の振動板が振動することにより発生する空気圧は、コーン紙等の振動板の周囲に延在するフレームに作用するため、フレーム自体が振動して不要な音響を放射し、スピーカ装置の音響特性に悪影響を及ぼすおそれがあるという問題がある。また、フレームが音響の伝搬に対する障害物となっているため、指向性を生じさせ、全方位に向けて音響を放射するという、さらに具体的には、水平方向(ボイスコイルの振動方向に対し略垂直な方向)での音圧レベルが略等しく、水平方向における音圧レベルとボイスコイルの振動方向における音圧レベルとの間に大きな差が見られないという無指向性のスピーカ装置の機能を十分に発揮することができないという問題がある。さらに、上記した第1の従来例では、振動板の外周部を囲むようにフレームを配置する必要があるので、スピーカ装置全体を小型化することができないという問題がある。
【0010】
さらに、上記した第1〜第3の従来例では、いずれも、磁気ギャップ対向幅以上にボイスコイルが長いロング・ボイス方式が採用されている。したがって、外周にボイスコイルが巻回されるボイスコイルボビンの長さも長くなり、これらの通常より長いボイスコイル及びボイスコイルボビンを備えた振動体全体の重量が大きくなるため、ボイスコイルの振動が振動体に伝達されにくくなり、特に高域の再生帯域が低減するという問題がある。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題を解決することを課題の一例とするものであり、これらの課題を解決することができるスピーカ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係るスピーカ装置は、振動体と、前記振動体の外周部を支持する筐体と、前記筐体に対し対向するように配置される磁気回路と、支持部とを備え、前記振動体は、前記筐体と前記磁気回路との間に配置され、前記筐体と前記磁気回路とが前記支持部によって支持されており、前記磁気回路を構成する部材には、緩衝部材が取り付けられていることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。このスピーカ装置は、筐体1と、振動体2と、磁気回路3と、ディフューザ(diffuser)4とを有している。筐体1は、平面形状が略円形状を呈するとともに、断面形状が略鍋形状を呈している。筐体1は、スピーカ装置の土台としての機能を有している。
【0014】
筐体1の材料としては、例えば、PP(ポリプロピレン)などのオレフィン系、ABS(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)系などの熱可塑性樹脂に、補強用フィラーとしてガラス繊維が添加されたもの、上記熱可塑性樹脂にフィブリル化したサーモトロピック液晶ポリエステル樹脂が分散されたもの、オレフィン系等の熱可塑性樹脂にフィラーとして玄武岩繊維(バサルトファイバー)が添加されたものなどがある。
【0015】
また、筐体1の材料としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、真鍮等の金属材料が挙げられる。上記した筐体1の材料の詳細については、例えば、特開2006−303969号公報や特開2007−288258号公報を参照されたい。
【0016】
筐体1の上端1aは、略円環状を呈している。筐体1の上端1aは、上端面1aaの略外周縁近傍から内周縁にわたって、エッジ支持部1abが形成されている。一方、筐体1の底部1b下端略中央には、略円柱状を呈する凹部1baが形成されている。この凹部1baの略中央には、略円柱状を呈する貫通孔1cが穿設されている。貫通孔1cには、磁気回路3を支持するための支持部11を構成する第1の支持部材12の軸部12aが挿入されている。第1の支持部材12は、例えば、略六角形状を呈する頭部12bと略円柱状を呈する軸部12aとが一体に形成されたボルトで構成することができる。第1の支持部材12の頭部12bは、凹部1baに収容されている。
【0017】
第1の支持部材12の軸部12aは、支持部11を構成する略円筒状を呈する第2の支持部13の内部に挿入されている。軸部12aの外周には、その先端から頭部12bに向かって所定範囲まで、所定形状の雄ねじ(図示略)が螺旋状に所定ピッチで形成されている。第2の支持部材13の内径は、貫通孔1cの内径と略等しい。第1の支持部材12及び第2の支持部材13は、例えば、上記した筐体1とほぼ同じ材料から構成されている。
【0018】
第2の支持部材13の外周面には、略対称となる2箇所に、断面略L字状を呈する一対の端子14が取り付けられている。各端子14には、一対の錦糸線15の各一端がそれぞれ電気的に接続されているとともに、一対の外部接続線16の各一端がそれぞれ電気的に接続されている。各錦糸線15は、複数の細い電線を撚り合せて形成され、屈曲に強いものである。一対の錦糸線15の各他端は、後述するボイスコイルボビン23の外周に巻き回されたボイスコイル24の両端がそれぞれ電気的に接続されている。このボイスコイル24は、振動範囲が磁気ギャップの磁束密度が均一な部分に収まるショート・ボイス方式のボイスコイルである。一方、一対の外部接続線16は、筐体1に穿設された2つの貫通孔1dそれぞれ挿入され、外部に引き出されている。
【0019】
一方、磁気回路3を構成するヨーク31(後述)の本体部31aの略中央には、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径と略同一内径を有する貫通孔31aaが穿設されている。貫通孔31aaの内周には、第1の支持部材12の軸部12a外周に形成された雄ねじに螺合するための所定形状の雌ねじ(図示略)が螺旋状に所定ピッチで形成されている。したがって、筐体1の内底面に、筐体1の貫通孔1cの中心軸と、第2の支持部材13の中心軸と、ヨーク31の貫通孔31aaの中心軸とがいずれもほぼ一致するように第2の支持部材13及びヨーク31が順次載置された後、第1の支持部材12の軸部12aが貫通孔1c及び第2の支持部材13に順次挿入され、第1の支持部材12の雄ねじが貫通孔31aaの雌ねじに螺合されることにより、筐体1とヨーク31とが第1の支持部材12により締結されている。このように、支持部11は、筐体1とヨーク31を含めた磁気回路3が対向するように支持している。
【0020】
また、筐体1に穿設された貫通孔1c周辺には、貫通孔1cを囲むように、複数の貫通孔1dが穿設されている。各貫通孔1dは、筐体1と振動体2とにより形成されるスピーカ装置の内部空間とスピーカ装置の外部空間との間で、筐体1の底部1b側から空気を交換することにより、スピーカ装置の内部空間の温度上昇を抑止する通気孔としての機能を有している。さらに、各貫通孔1dは、スピーカ装置の内部空間の空気圧が上昇し、振動体2の振動を適切に制御できなくなることを抑止するための空気圧調整機能も有している。加えて、筐体1がキャビネットとして機能するバスレス型スピーカ装置では、筐体1に各貫通孔1dが形成されていることにより、低域共振周波数を小さくすることができる。なお、複数の貫通孔1dのうち、2個の貫通孔1dは、上記したように、各一端が一対の端子14にそれぞれ電気的に接続された一対の外部接続線16が挿入され、外部に引き出されるように構成されている。
【0021】
振動体2は、振動板21と、エッジ22と、ボイスコイルボビン23と、ボイスコイル24と、ダンパー25とを有している。振動板21は、平面形状が略円環状を呈している。振動板21の縦断面形状は、略円錐形(コーン状)を呈しており、筐体1を覆うように配置されている。
【0022】
振動板21の材料としては、例えば、紙、繊維を用いた織布、繊維を用いた編み物、不織布、繊維を用いた織布にシリコーン樹脂等からなる結合樹脂を含浸させたもの、金属材料、合成樹脂、アクリル発泡体、合成樹脂と金属とからなるハイブリッド材などがある。金属材料には、例えば、アルミニウムやチタニウム、ジュラルミン、ベリリウム、マグネシウム、あるいはこれらの合金等がある。合成樹脂には、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネイト、エポキシ樹脂等などがある。また、アクリル発泡体は、例えば、メタアクリル酸メチルと、メタアクリル酸と、スチレンと、無水マレイン酸と、メタアクリルアミドとを原料とする。
【0023】
本実施の形態1では、振動板21の外周縁には、エッジ22が振動板21と一体に形成されている。エッジ22は、適度なコンプライアンスと剛性を兼ね備えている。エッジ22は、平面形状が略円環形状を呈するとともに、縦断面形状がスピーカ装置の背面側(音響放射方向に対し反対側)に突き出た略ロール形状を呈している。エッジ22の外周縁(外周部)は、上記した筐体1の上端1aに形成されたエッジ支持部1abに接着剤等により固着されている。以上により、振動板21は、エッジ22を介して筐体1に連結されている。すなわち、エッジ22は、振動板21を筐体1に対し、弾性的に支持している。上記したように、エッジ22は振動板21と一体に形成されているので、エッジ22の材料は、上記した振動板21の材料と同一である。なお、本実施の形態1では、振動板21とエッジ22とが一体に形成されている例を示したが、これに限定されず、振動板21とエッジ22とが別部材にて形成されていても良い。
【0024】
振動板21の内周縁には、ボイスコイルボビン23の下端近傍外周面が接着剤等により固着されている。ボイスコイルボビン23の材料としては、例えば、金属材料又は樹脂を採用することができる。具体的には、例えば、アルミニウム、ジュラルミン等の金属、ポリイミド等の樹脂フィルム等をボイスコイルボビン23の材料として採用することができる。
【0025】
ボイスコイルボビン23は、略筒形状を呈している。本実施の形態1に係るボイスコイルボビン23は、後述する振動板21の内周部から上記磁気回路3へ延び、上記振動板21と上記磁気回路3との間に配置されている。ボイスコイルボビン23を、振動板21と磁気回路3との間に配置することで、ボイスコイルボビン23の長さを比較的小さくでき、振動体2の重量を低減することができる。また、ボイスコイルボビン23の長さを比較的小さくすることで、後述するボイスコイル24の振動が振動板21により比較的伝わりやすくなり、特に高域の再生帯域を拡大することが可能となる。また、ボイスコイルボビン23を後述する端子14と磁気回路3との間に配置することで、後述するボイスコイル24の振動に伴い、ボイスコイルボビン23が振動しても、後述する端子14に接触すること、後述する端子14に接触することで異音が生じることを抑止することが可能となる。
【0026】
一方、ボイスコイルボビン23の上端(すなわち、磁気回路3側)近傍外周面には、ボイスコイル24が巻き回されている。ボイスコイル24の両端は、上記したように、一対の錦糸線15の各他端とそれぞれ電気的に接続されている。また、ボイスコイルボビン23の外周面略中央には、ダンパー25の内周縁が接着剤等により固着されている。
【0027】
ダンパー25は、平面形状が略円環形状を呈している。ダンパー25は、適度なコンプライアンスと剛性を兼ね備えている。ダンパー25には、振動板21の内周縁と同心円形状にコルゲーションが形成されている。すなわち、ダンパー25の断面形状は、複数の凸部及び凹部とを有している。ダンパー25は、例えば、布にフェノール系樹脂等又はフェノール系樹脂と有機溶媒とからなる溶液などを含浸し、加熱成形により形成されている。
【0028】
ダンパー25の外周縁は、緩衝部材41が取り付けられたディフューザ4の凹部4a内壁下端近傍に接着剤等により取り付けられている略円環状を呈するダンパー支持部材42の下面に、接着剤等により固着されている。以上により、振動板21は、ダンパー25及びダンパー支持部材42を介してディフューザ4に連結されている。すなわち、ダンパー25は、振動板21をディフューザ4に対し、弾性的に支持している。
【0029】
これにより、ダンパー25は、スピーカ装置の静止状態(スピーカ装置が駆動されない状態)において、エッジ22とともに、振動板21、ボイスコイルボビン23及びボイスコイル24をそれぞれスピーカ装置の所定位置に配置されるように、弾性的に支持している。ダンパー25及びエッジ22は、特に、ヨーク31を構成する本体部31aの外周壁と、プレート32の内周壁との間に形成された磁気ギャップ内にボイスコイル24が配置されるように、振動板21、ボイスコイルボビン23及びボイスコイル24を弾性的に支持している。この場合、ダンパー25は、ボイスコイルボビン23及びボイスコイル24をヨーク31、プレート32及び磁石33等に接触させない所定位置で弾性的に保持している。また、ダンパー25は、スピーカ装置の駆動状態においては、振動板21、ボイスコイルボビン23及びボイスコイル24を振動方向(図1に示すY方向)に沿って弾性的に支持する役目も担っている。
【0030】
支持部11の上部、すなわち、筐体1と反対側の端部には、磁気回路3が設けられている。磁気回路3は、ヨーク31とプレート32とにより磁石33を挟持する外磁型である。ヨーク31は、例えば、純鉄、無酸素鋼、ケイ素鋼等の磁性材料からなる。ヨーク31は、略円筒状を呈する本体部31aと、本体部31aの上端から外周方向へ延在する略円環状を呈するフランジ部(外輪部)31bとが一体に形成されて構成されている。本体部31aの略中央には、上記したように、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径と略同一内径を有する貫通孔31aaが穿設されている。貫通孔31aaの内周には、第1の支持部材12の軸部12a外周に形成された雄ねじに螺合するための所定形状の雌ねじ(図示略)が螺旋状に所定ピッチで形成されている。フランジ部31bは、外径がプレート32の外径と略等しい又はプレート32の外径より大きくなるように形成されている。図1の例では、フランジ部31bの外径は、プレート32の外径に略等しい。
【0031】
プレート32は、例えば、鉄等の磁性材料からなる。プレート32は、略円環状を呈している。磁石33は、例えば、希土類系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等からなる。磁石33は、略円環状を呈している。磁石33は、外径がヨーク31及びプレート32の外径より大きく、内径がヨーク31を構成する本体部31aの外径より大きい。磁石33の厚みは、プレート32の厚みと略等しい又はプレート32の厚みより大きくなるように形成されている。図1の例では、磁石33の厚みは、プレート32の厚みの約2倍である。ヨーク31と、プレート32と、磁石33とは、互いの厚み方向の中心軸が重なるように、例えば、接着剤等により固着されている。
【0032】
以上説明した磁気回路3は、ディフューザ4に形成され、表面に緩衝部材41が接着剤等により固着された凹部4a内に収容されている。すなわち、磁気回路3は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれている。ディフューザ4は、平面形状が略円形状を呈している。ディフューザ4の材料としては、例えば、金属材料、合成樹脂、合成樹脂と金属とからなるハイブリッド材などがある。金属材料には、例えば、亜鉛、アルミニウムやチタニウム、ジュラルミン、ベリリウム、マグネシウム、あるいはこれらの合金等がある。合成樹脂には、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等の硬質なものがある。ハイブリッド材に用いられる合成樹脂としては、例えば、上記した合成樹脂の他、ポリプロピレンなどがある。一方、ハイブリッド材に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、タングステンなどがある。なお、上記したダンパー支持部材42の材料は、上記したディフューザ4の材料と同じでも良い。
【0033】
緩衝部材41は、磁気回路3の振動がディフューザ4に伝達されて、音響としてスピーカ装置の外部に放射されることを抑止するためのものである。緩衝部材41の材料としては、振動を伝え難い素材、例えば、ゴム素材、フェルトなどの柔らかい繊維素材、エラストマ素材、シリコン系のゲル、ポリウレタン系樹脂やエポキシ系樹脂等をナイロン等不織布に含浸させたものなどがある。ゴム素材としては、例えば、シリコンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレンゴムなど、天然のもの又は合成されたもの、発泡されたもの又は非発泡のものがある。なお、緩衝部材41は、必ずしも音響的機能を有している必要はなく、磁気回路3の外周が直接空気に触れることを抑止するとともに、磁気回路3で発生した振動の伝達を遮断する機能及び構造を有しているものであれば、素材や形状はどのようなものでも良い。
【0034】
緩衝部材41は、吸音部材としての機能を有するものと、制振部材としての機能を有するものとがある。ここで、吸音部材には、音のエネルギーを空気の粘性抵抗や繊維の振動、摩擦などによって熱エネルギーに変えて消費し吸音するもの(多孔質形)、音圧の力で厚み方向に振動が生じ、材料の内部損失により音のエネルギーが消費されて吸音するもの(板振動形)、ヘルムホルツの共鳴器の原理を応用したもので、共鳴器の狭い入口の空気が共鳴周波数で激しく動き、その摩擦抵抗によって音のエネルギーが消費されるもの(共鳴形)の3種類がある。
【0035】
多孔質形の吸音部材としては、例えば、カーボン、ガラス、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド等の繊維から構成される不織布、又は当該不織布に樹脂が付与された基材、ポリウレタン系樹脂やゴム素材等から構成される発泡部材、ポリウレタンフォーム等などが挙げられる。また、板振動形の吸音部材としては、例えば、木材、樹脂、ゴム素材等にて形成された平板状の部材などが挙げられる。
【0036】
一方、制振部材とは、音波の力で生じた床の振動や側壁の振動が材料の内部を伝播して、隣室の壁を振動させ、それが再び音波として放射される固定音を抑止する部材をいう。制振部材の具体例としては、ベニヤ板(合板)、樹脂と不織布にて構成される人工皮革(例えば、特開2006−271847号公報参照)、重量が大きい平板状の金属部材等が挙げられる。質量則(質量が大きい程、遮音効果が大きい)の点から、金属材料で形成された部材が好ましい。ただし、内部に空孔等が形成されておらず、連続的に形成されていることが必要である。
【0037】
上記構成を有するスピーカ装置は、音声信号(音声電流)が供給されると、音声電流が一対の外部接続線16、一対の端子14及び一対の錦糸線15を介してボイスコイル24に供給される。これにより、磁気回路3を構成する磁石33に基づく磁束とボイスコイル24に供給された音声電流との間の電磁気力(ローレンツ力)に基づいてスピーカ装置の中心軸方向(図1に示すY方向)の駆動力がボイスコイル24に誘起される。この駆動力は、ボイスコイルボビン23を介して振動板21に伝達される。振動板21は、この駆動力の作用を受けて、エッジ22及びダンパ25に弾性支持されつつ、図1に示すY方向に振動し、音声電流に応じた音響を前面(音響放射方向)にある空間に向けて放射する。
【0038】
ボイスコイル24に上記した駆動力が誘起されると、その反作用によって、磁気回路3では、ボイスコイル24に誘起された駆動力とは反対方向の力が作用する。しかし、磁気回路3は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路3からディフューザ4への振動の伝達経路は緩衝部材41により絶たれ、磁気回路3における振動を抑止することができるとともに、たとえ磁気回路3で振動が発生したとしても、その振動は、音響として外部に放射されることを抑止することができる。したがって、振動板21から放射された音響が磁気回路3から放射される音響で打ち消される等の現象が発生することを抑止することができる。この結果、本来放射すべき音響の再生音圧の低下を抑止できるとともに、周波数特性の乱れを抑止でき、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止でき、良好な音響特性を得ることができる。
【0039】
ここで、図2にスピーカ装置の音響特性の一例を示す。図2において、曲線aは、図1に示すスピーカ装置において緩衝部材41を設けなかった場合の特性曲線、曲線bは、図1に示すスピーカ装置において緩衝部材41として制振部材を用いた場合の特性曲線、曲線cは、図1に示すスピーカ装置において緩衝部材41として吸音部材を用いた場合の特性曲線である。図2からは、緩衝部材41を設けなかった場合にはピークディップが大きいが、緩衝部材41を設けた場合には、音圧が上がるとともに、ピークディップが小さくなり、音質が向上していることが分かる。
【0040】
また、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、振動体2を構成する振動板21の音響放射側には、上記した第1の従来例のように、フレームの一部が延在することなく、開放された空間が形成されている。したがって、フレームが振動することを抑止することができるとともに、フレーム自体が音響を放射すること等を抑止することができる。この結果、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止することができる。また、フレームが音響の伝搬に対する障害物とならないため、指向性を生じさせることなく、全方位に向けて音響を放射するという、さらに具体的には、水平方向(ボイスコイルの振動方向に対し略垂直な方向)での音圧レベルが略等しく、水平方向における音圧レベルとボイスコイルの振動方向における音圧レベルとの間に大きな差が見られないという無指向性のスピーカ装置の機能を十分に発揮することができる。さらに、振動板21の外周部を囲むようにフレームを配置する必要がないので、スピーカ装置全体を小型化することができる。
【0041】
さらに、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、ショート・ボイス方式が採用されているので、振動体2全体の重量を低減することができるとともに、ボイスコイルボビン23が磁気回路3の一部に接触するローリング現象等を抑止することができる。なお、上記したように、緩衝部材41によって磁気回路3を覆っているので、磁気回路3を構成する部材が振動することを抑止することができる。したがって、このことによっても、上記したボイスコイルボビン23と磁気回路3を構成する部材との接触を抑止することができる。
【0042】
また、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、磁気回路3と、振動板21の内周端とが近いので、振動体2の振動方向(矢印Y方向)におけるボイスコイルボビン23の長さを短くすることができる。これにより、振動体2の重量を減らし、感度を向上させることができる。
【0043】
また、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、振動板21の半頂角を小さくできるので、高域共振周波数を大きくすることができること、可聴域でかつ高域での共振の発生を抑止できること、高周波数領域での再生帯域を拡大できること、高周波数領域での音響特性を向上させること等ができる。なお、「振動板の半頂角」とは、振動板の軸方向と、振動板の傾斜面とのなす角を意味している。
【0044】
また、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、振動体2の内部には、一対の端子14が取り付けられている。したがって、振動板21から放射された音響が端子14において反射された反射波と干渉することなどを抑止できるとともに、振動板21から放射された音響と端子14からの反射波との干渉等により、振動板21から放射された音響が打ち消されることなどを抑止できる。この結果、本来放射すべき音響の再生音圧の低下を抑止できるとともに、周波数特性の乱れを抑止でき、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止でき、良好な音響特性を得ることができる。
【0045】
また、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、ディフューザ4と支持部11とが、異なる部材、特に異なる金属材料によって形成されている。例えば、ディフューザ4をアルミニウム(密度:2.7g/cm3)によって形成し、支持部11を真鍮(密度:8.4g/cm3)によって形成する。異なる金属材料にて、ディフューザ4と支持部11とを形成することで、共振周波数が互いに異なる。したがって、筐体1にて発生し、支持部11を介して伝達された振動によってディフューザ4が共振することを抑止することができる。
【0046】
また、本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置では、支持部11と磁気回路3を構成する部材(特に、ヨーク31)とが、異なる部材、特に異なる金属材料によって形成されている。例えば、支持部11を真鍮(密度:8.4g/cm3)によって形成し、磁気回路3(特に、ヨーク31)を鉄(密度:7.8g/cm3)によって形成する。異なる金属材料にて、支持部材11と磁気回路3を構成する部材とを形成することで、共振周波数が互いに異なる。したがって、筐体1にて発生し、支持部11を介して伝達された振動によって磁気回路3を構成する部材(特に、ヨーク31)が共振することを抑止することができる。
【0047】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。図3において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図3に示すスピーカ装置が図1に示すスピーカ装置と異なる点は、外磁型の磁気回路3に換えて、内磁型の磁気回路51が新たに設けられている点である。
【0048】
磁気回路51は、ヨーク52とプレート53とにより磁石54を挟持する内磁型である。ヨーク52は、例えば、純鉄、無酸素鋼、ケイ素鋼等の磁性材料からなる。ヨーク52は、略円盤状を呈しており、外径がディフューザ4の凹部4aの内径に略等しい。ヨーク52の略中央には、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径と略同一内径を有する貫通孔52aが穿設されている。貫通孔52aの内周には、第1の支持部材12の軸部12a外周に形成された雄ねじに螺合するための所定形状の雌ねじ(図示略)が螺旋状に所定ピッチで形成されている。
【0049】
プレート53は、例えば、鉄等の磁性材料からなる。プレート53は、略円盤状を呈している。プレート53の略中央には、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径より僅かに大きい内径を有する貫通孔53aが穿設されている。プレート53の厚みは、ヨーク52の厚みと略等しい又はヨーク52の厚みより大きくなるように形成されている。図3の例では、プレート53の厚みは、ヨーク52の厚みと略等しい。
【0050】
磁石54は、例えば、希土類系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等からなる。磁石54は、略円盤状を呈している。磁石54の略中央には、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径より僅かに大きい内径を有する貫通孔54aが穿設されている。磁石54の外径は、プレート32の外径より僅かに小さいとともに、ボイスコイルボビン23の内径より小さい。磁石54の厚みは、プレート53の厚みと略等しい又はプレート53の厚みより大きくなるように形成されている。図1の例では、磁石54の厚みは、プレート53の厚みの約1.5倍である。ヨーク52と、プレート53と、磁石54とは、互いの厚み方向の中心軸が重なるように、例えば、接着剤等により固着されている。
【0051】
また、筐体1の内底面に、筐体1の貫通孔1cの中心軸と、第2の支持部材13の中心軸と、ヨーク52、プレート53及び磁石54のそれぞれの厚み方向の中心軸がいずれもほぼ一致するように、第2の支持部材13及び、固着されたヨーク52、プレート53及び磁石54が順次載置された後、第1の支持部材12の軸部12aが貫通孔1c及び第2の支持部材13に順次挿入され、第1の支持部材12の雄ねじがヨーク52の貫通孔52aの雌ねじに螺合されることにより、筐体1とヨーク52とが第1の支持部材12により締結されている。このように、支持部11は、筐体1とヨーク52を含めた磁気回路51とを対向するように支持している。さらに、磁気回路51は、ディフューザ4に形成され、表面に緩衝部材41が接着剤等により固着された凹部4a内に収容されている。すなわち、磁気回路51は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれている。
【0052】
本発明の実施の形態2に係るスピーカ装置によれば、内磁型の磁気回路51を有している場合であっても、上記した本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置と同様に、磁気回路51は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路51からディフューザ4への振動の伝達経路は緩衝部材41により絶たれ、磁気回路51における振動を抑止することができるとともに、たとえ磁気回路51で振動が発生したとしても、その振動は、音響として外部に放射されることを抑止できる。したがって、振動板21から放射された音響が磁気回路51から放射される音響で打ち消される等の現象が発生することを抑止することができる。この結果、本来放射すべき音響の再生音圧の低下を抑止できるとともに、周波数特性の乱れを抑止でき、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止でき、良好な音響特性を得ることができる。その他の点については、上記した本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の場合と同様である。
【0053】
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。図4において、図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図4に示すスピーカ装置が図3に示すスピーカ装置と異なる点は、磁気回路51に換えて、磁気回路61が新たに設けられている点である。
【0054】
磁気回路61が磁気回路51と異なる点は、ヨーク52に換えて、ヨーク62が新たに設けられている点である。ヨーク62は、例えば、純鉄、無酸素鋼、ケイ素鋼等の磁性材料からなる。ヨーク62は、外周部が筐体1へ向けて延在する、略截頭円錐形状であって、中空な形状を呈している。ヨーク62の外径は、ディフューザ4の凹部4aの内径より小さい。ヨーク62の略中央には、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径と略同一内径を有する貫通孔62aが穿設されている。貫通孔62aの内周には、第1の支持部材12の軸部12a外周に形成された雄ねじに螺合するための所定形状の雌ねじ(図示略)が螺旋状に所定ピッチで形成されている。ヨーク62と、プレート53と、磁石54とは、互いの厚み方向の中心軸が重なるように、例えば、接着剤等により固着されている。
【0055】
また、筐体1の内底面に、筐体1の貫通孔1cの中心軸と、第2の支持部材13の中心軸と、ヨーク62、プレート53及び磁石54のそれぞれの厚み方向の中心軸がいずれもほぼ一致するように、第2の支持部材13及び、固着されたヨーク62、プレート53及び磁石54が順次載置された後、第1の支持部材12の軸部12aが貫通孔1c及び第2の支持部材13に順次挿入され、第1の支持部材12の雄ねじがヨーク62の貫通孔62aの雌ねじに螺合されることにより、筐体1とヨーク62とが第1の支持部材12により締結されている。このように、支持部11は、筐体1とヨーク62を含めた磁気回路61とを対向するように支持している。さらに、磁気回路61は、ディフューザ4に形成され、表面に緩衝部材41が接着剤等により固着された凹部4a内に収容されている。すなわち、磁気回路61は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれている。
【0056】
本発明の実施の形態3に係るスピーカ装置によれば、上記した本発明の実施の形態1及び2に係るスピーカ装置と同様に、磁気回路61は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路61からディフューザ4への振動の伝達経路は緩衝部材41により絶たれ、磁気回路61における振動を抑止することができるとともに、たとえ磁気回路61で振動が発生したとしても、その振動は、音響として外部に放射されることを抑止できる。したがって、振動板21から放射された音響が磁気回路61から放射される音響で打ち消される等の現象が発生することを抑止することができる。この結果、本来放射すべき音響の再生音圧の低下を抑止できるとともに、周波数特性の乱れを抑止でき、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止でき、良好な音響特性を得ることができる。その他の点については、上記した本発明の実施の形態1及び2に係るスピーカ装置の場合と同様である。
【0057】
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態3に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。図5において、図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図5に示すスピーカ装置が図3に示すスピーカ装置と異なる点は、磁気回路51に換えて、磁気回路71が新たに設けられている点である。
【0058】
磁気回路71が磁気回路51と異なる点は、ヨーク52に換えて、ヨーク72が新たに設けられている点である。ヨーク72は、例えば、純鉄、無酸素鋼、ケイ素鋼等の磁性材料からなる。ヨーク72は、頭部72aと、側部72bと、底部72cとが一体に形成されて構成されている。頭部72aは、略円盤状を呈している。側部72bは、略円環状を呈しており、頭部72aの周縁下端に接続されている。底部72cは、略円環状を呈しており、側部72bの下端に接続されている。すなわち、ヨーク72は、頭部72aの周縁下端から垂下して側部72bをなした後、頭部72aの中心軸に向かって水平に延在して底部72cをなしている。
【0059】
ヨーク72の外径は、ディフューザ4の凹部4aの内径より小さい。ヨーク72を構成する頭部72aの略中央には、略円柱状を呈し、第1の支持部材12の軸部12aの外径と略同一内径を有する貫通孔72aaが穿設されている。貫通孔72aaの内周には、第1の支持部材12の軸部12a外周に形成された雄ねじに螺合するための所定形状の雌ねじ(図示略)が螺旋状に所定ピッチで形成されている。ヨーク72と、プレート53と、磁石54とは、互いの厚み方向の中心軸が重なるように、例えば、接着剤等により固着されている。
【0060】
また、筐体1の内底面に、筐体1の貫通孔1cの中心軸と、第2の支持部材13の中心軸と、ヨーク72、プレート53及び磁石54のそれぞれの厚み方向の中心軸がいずれもほぼ一致するように、第2の支持部材13及び、固着されたヨーク72、プレート53及び磁石54が順次載置された後、第1の支持部材12の軸部12aが貫通孔1c及び第2の支持部材13に順次挿入され、第1の支持部材12の雄ねじがヨーク72を構成する頭部72aの貫通孔72aaの雌ねじに螺合されることにより、筐体1とヨーク72とが第1の支持部材12により締結されている。このように、支持部11は、筐体1とヨーク72を含めた磁気回路71とを対向するように支持している。
【0061】
さらに、磁気回路71は、ディフューザ4に形成され、表面に緩衝部材41が接着剤等により固着された凹部4a内に収容されている。すなわち、磁気回路71は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれている。また、ヨーク72の側部72bと底部72cとの接続部は、ダンパー支持部材42の上面及び側面と当接している。そして、プレート53の外周面とヨーク72を構成する底部72cの内周面とが磁気ギャップを形成している。この磁気ギャップ内にボイスコイル24が配置されている。
【0062】
本発明の実施の形態4に係るスピーカ装置によれば、上記した本発明の実施の形態1乃至3に係るスピーカ装置と同様に、磁気回路71は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路71からディフューザ4への振動の伝達経路は緩衝部材41により絶たれ、磁気回路71における振動を抑止することができるとともに、たとえ磁気回路71で振動が発生したとしても、その振動は、音響として外部に放射されることを抑止できる。したがって、振動板21から放射された音響が磁気回路71から放射される音響で打ち消される等の現象が発生することを抑止することができる。この結果、本来放射すべき音響の再生音圧の低下を抑止できるとともに、周波数特性の乱れを抑止でき、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止でき、良好な音響特性を得ることができる。その他の点については、上記した本発明の実施の形態1乃至3に係るスピーカ装置の場合と同様である。
【0063】
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態5に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。図6において、図3の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図6に示すスピーカ装置が図3に示すスピーカ装置と異なる点は、支持部11及び磁気回路51に換えて、支持部81及び磁気回路82がそれぞれ新たに設けられている点である。
【0064】
支持部81が支持部11と異なる点は、第1の支持部材12に換えて、第1の支持部材83が新たに設けられている点である。第1の支持部材83は、例えば、上記した筐体1とほぼ同じ材料から構成されている。第1の支持部材83は、軸部83aと頭部83bとが一体に形成されて構成されている。頭部83bは、第1の支持部材12の頭部12bと同一形状である。軸部83aは、略円柱状を呈しており、第1の支持部材12の軸部12aの長さよりも短い。具体的には、軸部83aの長さは、後述するように、第1の支持部材83の軸部83aが筐体1の貫通孔1c及び第2の支持部材13に順次挿入された際に、軸部83aの先端が第2の支持部材13の先端と同一平面上に位置する長さである。また、軸部83aの外周は、軸部12aの外周とは異なり、雄ねじは形成されていない。
【0065】
磁気回路82は、ヨーク84とプレート85とにより磁石86を挟持する内磁型である。ヨーク84は、例えば、純鉄、無酸素鋼、ケイ素鋼等の磁性材料からなる。ヨーク84は、頭部84aと、側部84bとが一体に形成されて構成されている。頭部84aは、略円盤状を呈している。側部84bは、略円環状を呈しており、頭部84aの周縁下端に接続されている。ヨーク84は、外径がディフューザ4の凹部4aの内径より小さい。
【0066】
プレート85は、例えば、鉄等の磁性材料からなる。プレート85は、略円盤状を呈している。プレート85の厚みは、ヨーク84の厚みと略等しい又はヨーク84の厚みより薄くなるように形成されている。図6の例では、プレート85の厚みは、ヨーク84の厚みの約2分の1である。
【0067】
磁石86は、例えば、希土類系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系磁石等の永久磁石等からなる。磁石86は、略円盤状を呈している。磁石86の外径は、プレート85の外径と略等しいとともに、ボイスコイルボビン23の内径より小さい。磁石86の厚みは、プレート85の厚みと略等しい又はプレート85の厚みより大きくなるように形成されている。図6の例では、磁石86の厚みは、プレート85の厚みの約1.5倍である。ヨーク84と、プレート85と、磁石86とは、互いの厚み方向の中心軸が重なるように、例えば、接着剤等により固着されている。
【0068】
また、筐体1の内底面に、筐体1の貫通孔1cの中心軸と、第2の支持部材13の中心軸と、ヨーク84、プレート85及び磁石86のそれぞれの厚み方向の中心軸がいずれもほぼ一致するように、第2の支持部材13及び、プレート85の下面に接着剤が塗布された、互いに固着されたヨーク84、プレート85及び磁石86が順次載置された後、第1の支持部材83の軸部83aが貫通孔1c及び第2の支持部材13に順次挿入されることにより、筐体1とプレート85を含めた磁気回路82とが第1の支持部材83及び第2の支持部材13により固定される。このように、支持部81は、筐体1とプレート85を含めた磁気回路82とを対向するように支持している。
【0069】
さらに、磁気回路82は、ディフューザ4に形成され、表面に緩衝部材41が接着剤等により固着された凹部4a内に収容されている。すなわち、磁気回路82は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれている。また、ヨーク84の側部84bは、ダンパー支持部材42の上面及び側面と当接している。そして、プレート85の外周面とヨーク84を構成する側部84bの内周面とが磁気ギャップを形成している。この磁気ギャップ内にボイスコイル24が配置されている。
【0070】
本発明の実施の形態5に係るスピーカ装置によれば、上記した本発明の実施の形態1乃至4に係るスピーカ装置と同様に、磁気回路82は、ディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路82からディフューザ4への振動の伝達経路は緩衝部材41により絶たれ、磁気回路82における振動を抑止することができるとともに、たとえ磁気回路82で振動が発生したとしても、その振動は、音響として外部に放射されることを抑止できる。したがって、振動板21から放射された音響が磁気回路82から放射される音響で打ち消される等の現象が発生することを抑止することができる。この結果、本来放射すべき音響の再生音圧の低下を抑止できるとともに、周波数特性の乱れを抑止でき、スピーカ装置の音響特性の低下を抑止でき、良好な音響特性を得ることができる。その他の点については、上記した本発明の実施の形態1乃至4に係るスピーカ装置の場合と同様である。
【0071】
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。図7において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図7に示すスピーカ装置が図1に示すスピーカ装置と異なる点は、ディフューザ4と筐体1との間の空間を覆うように、保護用ネット91が新たに設けられている点である。保護用ネット91は、断面形状が略台形状を呈している。すなわち、保護用ネット91の下端は、筐体1の上端1aに形成されたエッジ支持部1abに載置可能な外径を有している。一方、保護用ネット91の上端は、ディフューザ4の下端に接続可能な外径を有している。
【0072】
なお、保護用ネット91は、ディフューザ4と筐体1との間の空間の周方向に一様に形成されているので、保護用ネット91を振動板21の周囲に配置しても、スピーカ装置から放射される音響に指向性が生じさせることなく伝播させることができる。また、磁気回路3がディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路3で発生した振動がディフューザ4及び保護用ネット91へ伝播することを抑止し、不要な音響の発生を抑止し、良好な音響特性を得ることができる。その他の点については、上記した本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の場合と同様である。
【0073】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。図8において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。図8に示すスピーカ装置が図1に示すスピーカ装置と異なる点は、ディフューザ4と筐体1との間の空間を覆うように、複数の防護部材92が新たに設けられている点である。各防護部材92は、棒状の部材であり、ディフューザ4の周方向に等間隔で取り付けられている。各防護部材92の下端は、それぞれ筐体1の上端1a近傍まで延在している。
【0074】
なお、複数の防護部材92は、ディフューザ4と筐体1との間の空間の周方向に、音響特性に悪影響が生じない程度の厚みにて一様に形成されているので、防護部材92を振動板21の周囲に配置しても、スピーカ装置から放射される音響に指向性が生じさせることなく伝播させることができる。また、磁気回路3がディフューザ4及び緩衝部材41により取り囲まれているので、磁気回路3で発生した振動がディフューザ4及び防護部材92へ伝播することを抑止し、不要な音響の発生を抑止し、良好な音響特性を得ることができる。その他の点については、上記した本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の場合と同様である。
【0075】
ところで、本実施の形態7における防護部材92が、筐体1から磁気回路3まで延在し、筐体1及び磁気回路3又はディフューザ4の双方に支持されている場合には、下記のような問題点が挙げられる。すなわち、ボイスコイル24が振動する時、ダンパー25が振動板21の振動に追従して振動するので、ダンパー25の振動が防護部材92に伝達されて共振等が発生し、防護部材92が音波を発生するおそれがある。
【0076】
しかし、本実施の形態7では、防護部材92が図8に示す形状を呈していることにより、防護部材52が共振等にて音波を発生して音響特性に悪影響が生じることを抑止することができる。ここで、図9に防護部材92に関する実験を行ったスピーカ装置の音響特性の一例を示す。図9において、曲線aは、図8に示すように、スピーカ装置に防護部材92を設けた場合の特性曲線、曲線bは、スピーカ装置に防護部材92を設けなかった場合の特性曲線である。なお、いずれのスピーカ装置にも制振部材及び吸音部材等は設けられていない。図9からは、防護部材52を設けても音響特性にほとんど影響を与えていないことが分かる。
【0077】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0078】
例えば、上述の各実施の形態において、磁気回路と、ボイスコイルボビン又はボイスコイルとの間に磁性流体を設けても良い。このように磁性流体を設ければ、ボイスコイルに作用する電磁気力を大きくすること、ボイスコイルで生じる熱(ジュール熱)をプレートに伝達させて放熱すること、等が可能となる。
【0079】
また、上述の各実施の形態では、スピーカ装置の平面形状が略円形状を呈している例を示したが、これに限定されず、スピーカ装置の平面形状は略矩形状、略楕円状、あるいは、多角形状を呈していても良い。さらに、上述の各実施の形態では、スピーカ装置の平面形状が略円形状を呈しているため、ヨーク、プレート及び磁石は、略円盤状や略円環形状を呈している例を示したが、これに限定されない。例えば、スピーカ装置の平面形状が略矩形状を呈している場合には、ヨーク、プレート及び磁石は、略矩形状又は略角環形状を呈していても良い。
【0080】
また、上述の各実施の形態では、磁気回路は、1個の略環形状を呈しているプレートや磁石とにより構成されている例を示したが、これに限定されない。プレートや磁石のいずれか又はすべては、略円弧状又は略矩形状を呈している複数個のプレート用素材又は複数個の磁石で構成しても良い。
【0081】
また、上述の各実施の形態では、ダンパー25は、振動板21の内周縁21aと同心円形状にコルゲーションが形成されている例を示したが、これに限定されず、ダンパー25にはコルゲーションを形成しなくても良い。
【0082】
また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すスピーカ装置の音響特性の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態4に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態5に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態6に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態7に係るスピーカ装置の概略構成を示す断面図である。
【図9】図8に示すスピーカ装置の音響特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1…筐体、1a…上端、1aa…上端面、1ab…エッジ支持部、1b…底部、1ba…凹部、1c,1d…貫通孔、2…振動体、3,51,61,71,82…磁気回路、4…ディフューザ、4a…凹部、11,81…支持部、12,83…第1の支持部材、12a,83a…軸部、12b,83b…頭部、13…第2の支持部、14…端子、15…錦糸線、16…外部接続線、21…振動板、22…エッジ、23…ボイスコイルボビン、24…ボイスコイル、25…ダンパー、31,52,62,72,84…ヨーク、31a…本体部、31aa…貫通孔、31b…フランジ部(外輪部)、32,53,85…プレート、33,54,86…磁石、41…緩衝部材、42…ダンパー支持部材、52a,53a,54a,62a,72aa…貫通孔、72a…頭部、72b…側部、72c…底部、84a…頭部、84b…側部、91…保護用ネット、92…防護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動体と、前記振動体の外周部を支持する筐体と、前記筐体に対し対向するように配置される磁気回路と、支持部とを備え、
前記振動体は、前記筐体と前記磁気回路との間に配置され、
前記筐体と前記磁気回路とが前記支持部によって支持されており、
前記磁気回路を構成する部材には、緩衝部材が取り付けられている
ことを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記緩衝部材は、前記磁気回路を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記振動体を構成する振動板の音響放射側には、開放された空間が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記振動体の内部を通り、かつ、前記筐体から前記磁気回路に向かって延在していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記緩衝部材は、制振部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記緩衝部材は、吸音部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項7】
前記振動体内部には、端子が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項8】
前記磁気回路は、磁石及びヨークを備える外磁型磁気回路であって、
前記支持部によって支持されている前記部材は、前記ヨークであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項9】
前記磁気回路は、ヨーク、磁石及び前記磁石の下面側に配置されたプレートを備える外磁型磁気回路であって、
前記支持部によって支持されている前記部材は、前記ヨークであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項10】
前記磁気回路は、ヨーク、磁石及び前記磁石の下面側に配置されたプレートを備える内磁型磁気回路であって、
前記支持部によって支持されている前記部材は、前記ヨークであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項11】
前記磁気回路は、ヨーク、磁石及び前記磁石の下面側に配置されたプレートを備える内磁型磁気回路であって、
前記支持部によって支持されている前記部材は、前記プレートであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項12】
前記筐体には、前記振動体の内部を外部へ通じさせるための貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項13】
前記磁気回路は、ディフューザを備えていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項14】
前記ディフューザと前記磁気回路との間に、前記緩衝部材が配置されていることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ装置。
【請求項15】
前記ディフューザと前記支持部とは、異なる部材によって形成されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のスピーカ装置。
【請求項16】
前記支持部と、前記支持部が支持する前記磁気回路を構成する部材とは、異なる部材によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項17】
前記振動体は、振動板と、エッジと、ボイスコイルボビンと、ダンパーと、を備え、
前記振動板の外周縁が前記エッジを介して前記筐体に支持され、
前記振動板の内周縁が前記ボイスコイルボビンの外周に接続され、
前記ボイルコイルボビンの外周に前記ダンパーの内周縁が接続され、
前記磁気回路を構成する部材に前記ダンパーの外周縁が接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項18】
前記振動板と前記エッジとが一体に形成されていることを特徴とする請求項17に記載のスピーカ装置。
【請求項19】
前記磁気回路は、ヨークと、磁石と、プレートと、前記プレートの下面側に配置されるダンパー支持部材と、を備える外磁型磁気回路であって、
前記ダンパーの外周縁が接続されている前記部材は、前記ダンパー支持部材である
ことを特徴とする請求項17又は18に記載のスピーカ装置。
【請求項20】
前記支持部は、複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のスピーカ装置。
【請求項21】
前記振動体を構成する振動板の周囲を囲むように、保護用ネット又は防護用部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のスピーカ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−141656(P2009−141656A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−315774(P2007−315774)
【出願日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000221926)東北パイオニア株式会社 (474)
【Fターム(参考)】