説明

スプレーノズルアッタチメント

【課題】爪に塗料を塗布する際、筆等で塗布すると塗布した跡を示す筋が付いたり、必要以上に厚く塗布したりする欠点があった。エアーブラシと呼ばれる吹き付け装置等があるが、業務用のものであり、高価であり素人が使用するのは難しい。そこで、簡単に噴霧でき種々の容器等が使用できるスプレーノズルアッタチメントを提供する。
【解決手段】噴射用気体発生スプレー缶と着脱可能な本体接続部及び被噴射液体容器と着脱可能な液体接続部の両方を有し、且つ該噴射用気体発生スプレー缶の噴射ノズル先端近傍に、該被噴射液体排出ノズルの出口が位置するものであって、該本体接続部は、該噴射用気体発生スプレー缶の上部カバー部に横方向から締め付け固定し、且つ該噴射用気体発生スプレー缶の上部押しボタンは覆わないもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーノズルアッタチメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプレーノズルとは、液体を噴霧するためのノズルである。
液体は、その用途によって、塗布、散布、注入その他いろいろな方法によって所定の場所に適用される。その1つの方法が噴霧であり、噴霧用気体に同伴させる霧状に散布する方法である。
【0003】
散布する液体として、今ここで爪に塗布する塗料(ネイルカラー)を例にとって説明するが、それらに限定されるものではない。
爪に塗料を塗布することは、勿論爪の保護もあるが現在では装飾目的が多い。よって、美麗に塗布することが求められる。
【0004】
爪にネイルカラーを塗着するには刷毛や筆で塗布する。しかし、筆等で塗布すると、どうしても薄く均一に塗布することができない。例えば、塗布した跡を示す筋が付いたり、必要以上に厚く塗布したりする欠点があった。
【0005】
この欠点を解消したものとしてエアーブラシと呼ばれる吹き付け装置が使用されている。これは、圧縮エアー等をホースで導き、ペンや筆のような形状の噴射器の上に設けられた塗料容器からの液体を噴霧するものである。これは綺麗に噴霧できるものであるが、業務用のものであり、高価であり素人が使用するのは難しい。
【0006】
また、エアゾール式の殺虫剤のようなタイプで噴霧式のネイルカラーも考案されている。これは、確かに簡単で便利である。
しかし、すべての色についてスプレー缶が必要であり、且つ噴射気体と混合するタイプではエマルジョン塗料は使用できない。混合しないタイプも考えられるがそれは一方が残ることがあり処理も面倒である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、噴射気体封入缶を多数持たなくてよく、且つ簡単に噴霧でき種々の容器等が使用できるスプレーノズルアッタチメントを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果本発明スプレーノズルアッタチメントを完成したものであり、その特徴とするところは、噴射用気体発生スプレー缶と着脱可能な本体接続部及び被噴射液体容器と着脱可能な液体接続部の両方を有し、且つ該噴射用気体発生スプレー缶の噴射ノズル先端近傍に、該被噴射液体排出ノズルの出口が位置するものであって、該本体接続部は、該噴射用気体発生スプレー缶の上部カバー部に横方向から締め付け固定し、且つ該噴射用気体発生スプレー缶の上部押しボタンは覆わないものである点にある。
【0009】
噴射用気体発生スプレー缶とは、種々の用途で使用されるものであって、上部の押しボタンを押すと気体が高圧で噴射されるものである。最も多く使用されているのは、エアーダスターと呼ばれる精密機械等のほこりを吹き飛ばすためのものである。
【0010】
スプレー缶から噴射される気体は何でもよく、種々のフロン、LPG、空気、その他の揮発性物質でよい。本発明自体この気体の種類とは直接関係はない。
この市販されているスプレー缶は、金属製の本体にプラスチック製のノズル部が固着されている。このノズル部は、上部カバー部、押しボタン及び噴射ノズルとから構成されている。この上部カバー部が金属製スプレー本体に強固にはめ込み固定される。この上部カバー部の外径や高さ、噴射ノズルの位置は、例外はあるが、どれもほぼ一定している。
【0011】
本発明でいう本体接続部とは、このスプレー缶の上部カバー部と着脱可能な部分をいう。
固定の方法はネジ式、ベルト式等いろいろ考えられる。しかし、本発明本体をある程度弾性のあるプラスチックで製造し、その弾性力で締め付ける(固定する)方法が、他の部材が不要であり便利である。即ち、本体接続部をスプレー缶の上部カバー部より少し小さく製造し、はめ込むときに少し広げてはめ込めばその復元力でスプレー缶の上部カバー部を締め付けるため十分固着できる。
【0012】
このような復元力を持たせるために特別なプラスチックで製造する必要はない。どのようなプラスチックでもある程度の復元力を有しているためである。材質としては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート等自由である。
【0013】
この本体接続部の構造は、スプレー缶の上部カバー部を横方向から締め付け固定する形状である。簡単な形状として輪の一部を切り欠いた形状である。そしてこの切り欠きを広げて上部カバー部を入れればよい。
【0014】
本発明のポイントの1つは、スプレーに固着されている押しボタンはそのまま使用するという点である。よって、本体はその押しボタンをカバーしないようにしなければならない。
前記した本体接続部だけでなく本発明全体がその押しボタン部はカバーしていないのである。
【0015】
被噴射液体とは、吹き付ける液体であり、上記の説明で言えばネイルカラーである。これは、溶剤タイプでもよいがエマルジョンタイプが好適である。最近では有機溶剤を使用しないエマルジョンタイプが好まれてきているが、前記した如く従来のエアゾール式スプレーではできなかったのである。本発明では気体と液体が別容器であるためエマルジョンが使用できる。
【0016】
また、ネイルカラーだけでなく、ボディーペイント、自動車車体用塗料、建築用塗料、その他どのような塗料でもよい。更に、塗料以外のものでもよい。例えば、化粧品、薬剤、その他である。要するに噴霧できる液体であれば何でもよいということである。
【0017】
被噴射液体容器とは、上記した液体が収納された容器である。通常その大きさや蓋のサイズ等は規格化されているものが多い。本発明では径が10〜20mmで高さが40〜60mm程度のものである。
【0018】
液体接続部とは、本体の上記噴射液体容器を固定する部分であり、通常はネジ山が切られている。勿論、ネジ以外の固着方法の場合にはそのように構成する。例えば、摩擦だけで固定する場合には、内面に柔らかいゴムを貼る。また、バンドで締め付けて固定する等の場合にはそのバンド固定具を設けておく。
要するに、固定方法は別にして、噴射液体容器を固定する部分である。
【0019】
また、本体には被噴射液体排出ノズルが設けられている。これは、液体が気体にベルヌーイの定理によって吸い上げられ容器から出るノズルである。前記した被噴射液体容器中の液体部とこのノズルが繋がっている必要がある。よって、このノズルには被噴射液体容器の底に届くホース等の管は設けられている。
このノズルは塗料が固化して詰まった時の掃除が容易なように金属製が好ましい。金属製の掃除具で掃除ができるためである。
【0020】
金属(ステンレスその他)製のノズルを本体に固定する方法は、接着、嵌着、強制押込その他の方法でよい。
【0021】
また、上記した被噴射液体排出ノズルの先端に、噴射気体が的確に位置するように、噴射用気体発生スプレー缶のノズルを強制的にその位置にさせるようにノズル固定部分を設けてもよい。この固定部分は単なるはめ込み溝(凹部)でよくその先端は気体が通過できよう当然開放(開口孔)である。
この開口孔は大きくてもよいが、上記した被噴射液体排出ノズルの先端との位置関係を厳密にするため、小さい孔でもよい。例えば、0.2〜1.5mm程度が好適である。
【発明の効果】
【0022】
本発明スプレーノズルアタッチメントには次のような大きな利点がある。
(1) そもそも、噴射用気体発生スプレーとも、被噴射液体容器とも着脱自在のアタッチメント自体存在しない新規なものである。どちらとも着脱自在であるため、どちらも市販品が使用でき、また専用品であっても交換可能である。
(2) 噴霧方式であるため、ハケ塗り等と比較して均一に薄く塗布できる。
(3) 塗布する液体を交換するだけで種々の用途に使用できる。
(4) 塗布する液体は噴霧用以外のものでも使用できるので、1つの塗料でハケ塗りや噴霧ができる。
(5) ネイルカラーとして塗布する場合、爪の部分以外には造膜性のある物質を塗布してカバーしておきスプレー後、膜状になったものを除去する方法をとれば非常に簡単に綺麗に塗布できる。利き手以外の手でもスプレーならば簡単である。
(6) 用途を限定しないため、建築用、化粧用、医薬用等多くの用途に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下図面に示す実施の形態に従って本発明をより詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明スプレーノズルアタッチメント1を示す。図1(a)は側面図であり、図1(b)は平面図である。また、図2は図1の例を噴射用気体発生スプレーに取付け、ネイルカラー容器であるガラス容器Gを取付けた状態を示す。引き出し線が破線のものは噴射用気体発生スプレーの部材を示す。図2では本来見えないスプレーの部材も描いている。
本体は、本体接続部2、液体接続部3及び被噴射液体排出ノズル4を有している。本体接続部2は、一方が開いた円形であり弾性を有している。この本体接続部2は、該スプレー5の上部カバー部6を左右から挟持している。左右から挟持しているため、スプレー5の元から固着されている押しボタン7はカバーされず自由に押すことができる。
【0024】
液体接続部3は、内側に雌ネジが切られている。この雌ネジに合った雄ネジの容器がネジ止め固定できる。液体接続部3の上部には、被噴射液体排出ノズル4が設けられている。このノズル4の排出部(頂部)はスプレ−の気体通過経路にほぼあたっている。
ノズル4の下方に設けられた円形溝にホース8が差し込まれている。
【0025】
図3は図1の例にホース8を差し込んだものの一部断面図である。
気体噴射ノズル用凹部9が本体に形成されているのが分かる。このノズル用凹部9の前方に噴射用貫通孔10が設けられている。この凹部である程度気体噴射ノズルの位置を固定するため、液体噴霧が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は本発明スプレーノズルアタッチメント1を示し、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図2】図2は図1の使用例であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図3】図1の例にホース8を差し込んだものの一部断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 スプレーノズルアタッチメント
2 本体接続部
3 液体接続部
4 被噴射液体排出ノズル
5 噴射用気体発生スプレー
6 上部カバー部
7 押しボタン
8 ホース
9 気体噴射ノズル用凹部
10 噴射用貫通孔
G ガラス容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射用気体発生スプレー缶と着脱可能な本体接続部及び被噴射液体容器と着脱可能な液体接続部の両方を有し、且つ該噴射用気体発生スプレー缶の噴射ノズル先端近傍に、該被噴射液体排出ノズルの出口が位置するものであって、該本体接続部は、該噴射用気体発生スプレー缶の上部カバー部に横方向から締め付け固定し、且つ該噴射用気体発生スプレー缶の上部押しボタンは覆わないものであることを特徴とするスプレーノズルアタッチメント。
【請求項2】
該本体接続部はプラスチック製であり、その締め付け力はその材質が有する弾性力である請求項1記載のスプレーノズルアタッチメント。
【請求項3】
該被噴射液体排出ノズルは、金属製である請求項1又は2記載のスプレーノズルアタッチメント。
【請求項4】
該被噴射液体がネイルアート用塗料である請求項1〜3記載のスプレーノズルアタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−245112(P2007−245112A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76024(P2006−76024)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(390033248)丸十化成株式会社 (3)
【Fターム(参考)】