説明

スライド操作型電気部品

【課題】操作部材の動作不良が起こりにくいスライド操作型電気部品を提供すること。
【解決手段】操作部材13を初期位置に自動的に復帰させる復帰手段が、操作部材13のスライド方向において弾性変形可能な弾性部材19と、ケース1に対して操作部材13と同方向にスライド可能に保持されその方向において弾性部材を挟んで対向し弾性部材19に連結された可動部材17,18とを有する。初期位置から一方向に操作部材13が操作されたとき、可動部材17が操作部材13により押圧されることで可動部材18に近づく方向に移動し、初期位置から一方向と相反する他方向に操作部材13が操作されたとき、可動部材18が操作部材13により押圧されることで可動部材17に近づく方向に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期位置から相反する2方向にスライド操作可能な操作部材を備え、初期位置からの操作部材の操作方向に対応する電気信号を生成し、操作部材が初期位置に自動的に復帰するように構成されたスライド操作型電気部品に関する。
【背景技術】
【0002】
スライド操作型電気部品としては、特許文献1で開示された従来技術がある。この従来技術は、ケースと、所定の初期位置から相反する2方向にスライド可能にケースに対し保持された操作部材と、操作部材を初期位置に自動的に復帰させる復帰手段と、初期位置からの操作部材の操作方向を検出する検出手段とを備えている。
【0003】
ケース内には、操作部材のスライド方向に並ぶ2つのリブが設けられている。操作部材には、操作部材のスライド方向に並ぶ切り溝が設けられている。これらの切り溝はそれぞれ2つのリブにスライド可能に嵌合している。
【0004】
復帰手段はコイルスプリングと、操作部材に形成されコイルスプリングが収納されるバネ室と、2つのリブの端部とから構成されている。コイルスプリングは2つのリブ間に配置されている。コイルスプリングの両端はそれぞれ2つのリブのそれぞれの端部に当接し、操作部材のスライド方向におけるコイルスプリングの移動が阻止されている。バネ室は2つの切り溝間に形成されていて、操作部材のスライド方向において対向するバネ室の壁面のそれぞれが、コイルスプリングのばね座となっている。
【0005】
つまり、復帰手段は、操作部材が初期位置から相反する2方向のうちの一方向にスライド操作されたとき、一方のバネ座と他方のリブとの間でコイルスプリングが圧縮されることによって操作部材を初期位置に復帰させる復帰力を発生させる。また、操作部材が初期位置から一方向と相反する他方向にスライド操作が行われたときに、他方のバネ座と一方のリブとの間でコイルスプリングが圧縮されることによって、操作部材を初期位置に復帰させる復帰力を発生させる。
【特許文献1】特開平8−115637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来技術では、操作部材の切り溝とリブとの間にクリアランスがある。このため、スライド操作型電気部品に衝撃等の過度の力が加わった際、コイルスプリングの位置がずれてコイルスプリングの端部がクリアランスに入り込み、動作不良を起こす、という懸念がある。
【0007】
本発明は、前述の実状を考慮してなされたものであり、その目的は、操作部材の動作不良が起こりにくいスライド操作型電気部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために本発明は次のように構成されている。
【0009】
〔1〕 本発明は、ケースと、所定の初期位置から相反する2方向にスライド操作可能に前記ケースに対し保持された操作部材と、前記操作部材を前記初期位置に自動的に復帰させる復帰手段と、前記初期位置からの前記操作部材の操作方向を検出する検出手段とを備えたスライド操作型電気部品であって、前記復帰手段が、前記操作部材のスライド方向において弾性変形可能な弾性部材と、前記ケースに対して前記操作部材と同方向にスライド可能に保持され、その方向において前記弾性部材を挟んで対向し、前記弾性部材を支持する第1,第2可動部材と、前記第1可動部材に近づく方向への前記第2可動部材の移動時に、前記第2可動部材から離れる方向への前記第1可動部材の移動を規制する第1規制手段と、前記第2可動部材に近づく方向への前記第1可動部材の移動時に、前記第1可動部材から離れる方向への前記第2可動部材の移動を規制する第2規制手段とを備え、前記初期位置から前記2方向のうちの一方向に前記操作部材が操作されたとき、前記第1可動部材が前記操作部材により押圧されることで前記第2可動部材に近づく方向に移動し、前記初期位置から前記一方向と相反する他方向に前記操作部材がスライド操作されたとき、前記第2可動部材が前記操作部材により押圧されることで前記第1可動部材に近づく方向に移動することを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明では、操作部材が初期位置から一方向にスライド操作されたとき、第1可動部材は操作部材により押圧されることで第2可動部材に近づく方向に移動し、このとき、第2可動部材は第2規制手段により移動を規制されるから、弾性部材は第1,第2可動部材の間で圧縮変形される。逆に、操作部材が初期位置から他方向に操作部材が操作されたとき、第2可動部材は操作部材により押圧されることで第1可動部材に近づく方向に移動し、このとき、第1可動部材は第1規制手段により移動を規制されるから、弾性部材が第1,第2可動部材の間で圧縮変形されることになる。圧縮変形した弾性部材の復帰力は、第1または第2可動部材を介して操作部材に作用する。したがって、操作部材に対する操作力が取り除かれると、弾性部材は第1または第2可動部材と、操作部材とを押し戻しながら復帰する。これにより、操作部材が初期位置に復帰する。
【0011】
本発明においては、弾性部材は第1可動部材と第2可動部材の間に支持され、第1,第2可動部材がスライド可能になっていることから、弾性部材の端部とケースとの間に前述の従来技術のようなクリアランスが無く、弾性部材の端部がどこかに入り込むということが防止される。これにより、操作部材の動作不良が起こりにくいスライド操作型電気部品を実現できる。
【0012】
〔2〕 本発明は、「〔1〕」に記載の発明において、前記第1規制手段が、前記第1可動部材に設けられ前記ケースに当接する第1当接部と、前記ケースに設けられ前記第1当接部を受け止める第1受け部とからなり、前記第2規制手段が、前記第2可動部材に設けられ前記ケースに当接する第2当接部と、前記ケースに設けられ前記第2当接部を受け止める第2受け部とからなることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
このように構成された本発明では、第1,第2可動部材の移動の規制を簡単な構造で確実に実現することができる。
【0014】
〔3〕 本発明は「〔1〕」または「〔2〕」に記載の発明において、前記検出手段が第1,第2スイッチ素子から構成され、前記第1スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第1可動接点と、前記第1可動部材のスライド時に前記第1可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第1固定接点とを含み、前記第2スイッチ素子が、前記第2可動部材に設けられた第2可動接点と、前記第2可動部材のスライド時に前記第2可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第2固定接点とを含むことを特徴とするものであってもよい。
【0015】
このように構成された本発明では、初期位置からの操作部材のスライド操作方向に対応する電気信号を確実に生成することができる。
【0016】
〔4〕 本発明は「〔3〕」に記載の発明において、前記操作部材と前記第1可動部材との接触個所が、前記操作部材のスライド操作時に前記弾性部材から前記第1可動部材に付与される弾性力を、前記第1可動接点が前記第1固定接点に押し付けられる方向の力として前記第1可動部材に付与可能に形成され、前記操作部材と前記第2可動部材との接触個所が、前記操作部材のスライド操作時に前記弾性部材から前記第2可動部材に付与される弾性力を、前記第2可動接点が前記第2固定接点に押し付けられ方向の力として前記第2可動部材に付与可能に形成されたことを特徴とするものであってもよい。
【0017】
このように構成された本発明では、操作部材と第1可動部材との接触個所が、操作部材のスライド操作時における弾性部材の弾性力を、第1可動接点が第1固定接点に押し付けられる方向の力として第1可動部材に付与するから、弾性部材の弾性力を利用して第1可動接点と第1固定接点の接触圧を確保することができる。また、操作部材と第2可動部材との接触個所が、操作部材のスライド操作時における弾性部材の弾性力を、第2可動接点が第2固定接点に押し付けられる方向の力として第2可動部材に付与するから、弾性部材の弾性力を利用して第2可動接点と第2固定接点の接触圧を確保することができる。また、それらの接触圧は操作部材のスライド操作時に発生するものであるから、第1,第2可動接点のへたりを防止することができる。
【0018】
〔5〕 本発明は「〔1〕」に記載の発明において、前記第1規制手段が、前記第1可動部材に設けられ前記ケースに当接する第1当接部と、前記ケースに設けられ前記第1当接部を受け止める第1受け部とからなり、前記第2規制手段が、前記第2可動部材に設けられ前記ケースに当接する第2当接部と、前記ケースに設けられ前記第2当接部を受け止める第2受け部とからなり、前記検出手段が第1,第2スイッチ素子から構成され、前記第1スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第1可動接点と、前記第1可動部材のスライド時に前記第1可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第1固定接点とを有し、前記第2スイッチ素子が、前記第2可動部材に設けられた第2可動接点と、前記第2可動部材のスライド時に前記第2可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第2固定接点とを有し、前記第1可動接点が前記第1当接部を兼ね、前記第1固定接点が前記第1受け部を兼ね、前記第2可動接点が前記第2当接部を兼ね、前記第2固定接点が前記第2受け部を兼ねることを特徴とするものであってもよい。
【0019】
このように構成された本発明では、第1可動接点が第1当接部を兼ね、第1固定接点が第1受け部を兼ね、第2可動接点が第2当接部を兼ね、第2固定接点が前記第2受け部を兼ねるので、第1,第2固定接点のそれぞれに対する第1,第2可動接点のそれぞれの接触圧を、弾性部材の弾性力を利用して確保することができる。
【0020】
〔6〕 本発明は「〔1〕」に記載の発明において、前記検出手段が第1,第2スイッチ素子から構成され、前記弾性部材が導電性を有し、前記第1スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第1可動接点と、前記一方向へのスライド操作時に前記第1可動接点に接触されるとともに前記他方向へのスライド操作時に前記第1可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第1固定接点と、前記第2可動部材に設けられ前記弾性部材を介して前記第1可動接点と導通した第2可動接点と、前記一方向へのスライド操作時に前記第2可動接点に接触されるとともに前記他方向へのスライド操作時に前記第2可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第2固定接点とを含み、前記第2スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第3可動接点と、前記他方向へのスライド操作時に前記第3可動接点に接触されるとともに前記一方向へのスライド操作時に前記第3可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第3固定接点と、前記第2可動部材に設けられ前記弾性部材を介して前記第3可動接点と導通した第4可動接点と、前記他方向へのスライド操作時に前記第4可動接点に接触されるとともに前記一方向へのスライド操作時に前記第4可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第4固定接点とを含むことを特徴とするものであってもよい。
【0021】
このように構成した本発明では、第1スイッチ素子において第1固定接点と第2固定接点が第1可動接点、弾性部材および第2可動接点を介して導通することによって、操作部材が一方向にスライド操作されたことに対応する電気信号を生成する。また、第2スイッチ素子において第3固定接点と第4固定接点が第3可動接点、弾性部材および第4可動接点を介して導通することによって、操作部材が他方向にスライド操作されたことに対応する電気信号が生成される。
【0022】
第1スイッチ素子において第1,第2固定接点の導通経路に弾性部材が含まれるので、ケースに設けられる第1,第2固定接点の形状を簡単にすることができる。第2スイッチ素子においても第3,第4固定接点の導通経路に弾性部材が含まれるので、ケースに設けられる第3,第4固定接点の形状を簡単にすることができる。また、第1,第2スイッチ素子が弾性部材を共有するので、第1,第2スイッチ素子を設けることに伴う回路の引き回しの複雑化を軽減できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、前述したように、弾性部材は第1可動部材と第2可動部材に連結されているから、これら第1,第2可動部材によってクリアランスに弾性部材が入り込むことを防止でき、これにより、操作部材の動作不良が起こりにくいスライド操作型電気部品を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の一実施形態について図を用いて説明する。
【0025】
図1は本実施形態の外観を示す4面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図、(e)は下面図である。図2は本実施形態を分解して正面側から見た場合の分解斜視図である。図3は本実施形態を分解して背面側から見た場合の分解斜視図である。図4は本実施形態からカバーを取り除いた状態の2面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図5は図2,3に示したケース本体の正面図である。図6は本実施形態の図4(b)のVI−VI断面を含む斜視図である。図7は図4(b)のVII−VII断面図である。なお、図1において本実施形態の正面、側面、上面および下面を定めてあるが、これは本実施形態の姿勢はこれに限定されない。
【0026】
本実施形態は、ケース1と操作部材13とを備えている。ケース1はケース本体2とカバー11とから構成されている。ケース本体2には、操作部材13等の後述する構成部品を収容するために凹んだ収納部3が形成されている。カバー11は収納部3を覆ってケース本体2に取付けられている。ケース本体2の上部2aには切欠き4が形成されていて、この切欠き4とカバー11とによって形成された開口部12に操作部材13が挿通されている。
【0027】
操作部材13には、ケース本体2の背部2cの方向に突出し、図1(a)および図4(a)における左右方向に延びた2つのガイド用突出部14,15が形成されている。ケース本体2の背部2cの内面には、操作部材13の方向に突出し左右方向に延びた3つのガイド用突出部5,6,7が形成されている。操作部材13のガイド用突出部14,15は、ケース本体2の上部2aとガイド用突出部5,6,7との間に摺動可能に嵌め込まれている。操作部材13が左右方向におけるケース本体2の中央に位置した状態において、操作部材13のガイド用突出部14,15は、それぞれケース本体2におけるガイド用突出部5,6間およびガイド用突出部6,7間のそれぞれを通過可能に形成されている。つまり、操作部材13のガイド用突出部14,15と、ケース本体2の上部2aと、ケース本体2のガイド用突出部5,6,7とによって、操作部材13は、ケース1に対して所定の初期位置(図1,4に示す位置)から異なる2方向、すなわち図1(a)および図4(a)における左右方向と上下方向に移動可能に保持されている。
【0028】
以下、操作部材13を初期位置から下方向に操作することをプッシュ操作といい、操作部材13を初期位置から右方向または左方向に操作することをスライド操作という。
【0029】
ケース1内には、操作部材13を初期位置に自動的に復帰させる復帰手段が設けられている。この復帰手段は、ケース1に対して操作部材13と同方向にスライド可能に保持され、間隔をあけ対向する第1,第2可動部材17,18と、これら第1,第2可動部材17,18間に保持され、操作部材13のスライド方向において弾性変形可能な弾性部材19、例えばコイルスプリングとを備えている。第1,第2可動部材17,18のそれぞれの背面には、ケース本体2の背部2cの方向に突出するガイド用突出部17a,18aのそれぞれと、ガイド用突出部17b,18bのそれぞれとが形成されている。ケース本体2には、左右方向に沿って延びガイド溝8A,8Bが形成されている。第1可動部材17はガイド用突出部17a,17bをガイド溝8A,8Bのそれぞれに摺動可能に嵌め込まれた状態で下部2bに載置されている。第2可動部材18もガイド用突出部18a,18bのそれぞれをガイド溝8A,8Bのそれぞれに摺動可能に嵌め込まれた状態で下部2bに載置されている。
【0030】
操作部材13には、プッシュ操作方向と反対方向に凹んだ凹部16が形成されている。この凹部16に対して第1,第2可動部材17,18が摺動可能に挿入されている。左右方向において対向する凹部16の内壁部のうちの一方(右側)の内壁部と第1可動部材17との接触個所20には、第1,第2伝達部21,24が形成されている。前記一方の内壁部に対向する他方の内壁部と第2可動部材18との接触個所27には、第1,第2伝達部28,31が形成されている。接触個所20,27は、操作部材13のスライド方向に直交する方向に広がる仮想平面50に関して面対象になっている。
【0031】
右側の第1伝達部21は、弾性部材19の復帰力をスライド操作後の復帰力として操作部材13に付与可能に形成されている。この第1伝達部21は、操作部材13に形成された平坦面22と、第1可動部材17に形成された平坦面23とから構成されている。操作部材13の平坦面22は、第1可動部材17を基準にした弾性部材19とは反対側に位置している。第1可動部材17の平坦面23は、第1可動部材17における弾性部材19とは反対側に位置している。これらの平坦面22,23は面接触している。左側の第1伝達部28は、操作部材13に形成された平坦面29と、第2可動部材18に形成された平坦面30とによって、右側の第1伝達部21と同様に構成されている。
【0032】
右側の第2伝達部24は、弾性部材19の復帰力をプッシュ操作方向と逆向き力に変換し、プッシュ操作後の復帰力として操作部材13に付与可能に形成されている。この第2伝達部24は、操作部材13に形成された平坦面25と、第1可動部材17に形成された平坦面26とから構成されている。正面視において、操作部材13の平坦面25は、第1伝達部21を構成する平坦面22からプッシュ操作方向と反対方向に延び、弾性部材19に近づく方向に傾斜している。第1可動部材17の平坦面26も、第1伝達部21を構成する平坦面23からプッシュ操作方向と反対方向に延び、弾性部材19に近づく方向に傾斜している。これら平坦面25,26は面接触している。左側の第2伝達部31は、操作部材13に形成された平坦面32と、第2可動部材18に形成された平坦面33とによって、右側の第2伝達部24と同様に構成されている。
【0033】
第1,第2可動部材17,18のそれぞれには、インサート成形により金属製の第1,第2導電部材34,38が設けられている。第1導電部材34には、第1可動部材17からケース本体2の右側部2dの方向に延びた可動接点35が形成されている。第2導電部材38には、第2可動部材18からケース本体2の左側部2eの方向に延びた可動接点39が形成されている。ケース本体2の右側部2dには、可動接点35に接触および離反される固定接点42が設けられている。ケース本体2の左側部2eには、可動接点39に接触および離反される固定接点44が設けられている。
【0034】
第1導電部材34には、第1可動部材17から弾性部材19側に突出し弾性部材19の一端(右側)が嵌め込まれる嵌め込み部36が形成されている。第2導電部材38には、第2可動部材18から弾性部材19側に突出し弾性部材19の他端(左側)が嵌め込まれる嵌め込み部40が形成されている。弾性部材19は、その両端のそれぞれが嵌め込み部36,40のそれぞれに嵌め込まれることによって、第1,第2可動部材17,18に支持されている。また、弾性部材19は導電性を有し、第1,第2導電部材34,38は弾性部材19を介して導通している。
【0035】
復帰手段はさらに、第1可動部材17に近づく方向への第2可動部材18の移動時に第2可動部材18から離れる方向への第1可動部材17の移動を規制する第1規制手段と、第2可動部材18に近づく方向への第1可動部材17の移動時に第1可動部材17から離れる方向への第2可動部材18の移動を規制する第2規制手段とを備えている。第1規制手段は、第1可動部材17に設けられケース本体2の右側部2dに当接する第1当接部としての可動接点35と、ケース本体2の右側部2dに設けられ第1当接部(可動接点35)を受け止める第1受け部としての固定接点42とから構成されている。第2規制手段は、第2可動部材18に設けられケース本体2の左側部2eに当接する第2当接部としての可動接点39と、ケース本体2の左側部2eに設けられ第2当接部(可動接点39)を受け止める第2受け部としての固定接点44とから構成されている。図において、42aは固定接点42から導出された端子であり、44aは固定接点44から導出された端子である。
【0036】
第1導電部材34には、可動接点35と平行して延び、ケース本体2の背部2cの方向に突起した突起部37aを含む可動接点37が形成されている。ケース本体2の背部2cの内面には、可動接点37の突起部37aに接触および離反される固定接点43が設けられている。第2導電部材38には、可動接点39と平行して延び、ケース本体2の背部2cの方向に突起した突起部41aを含む可動接点41が形成されている。ケース本体2の背部2cの内面には、可動接点41の突起部41aに接触および離反される固定接点45が設けられている。図において、43aは固定接点43から導出された端子であり、45aは固定接点45から導出された端子である。
【0037】
本実施形態は、操作部材13が初期位置から右方向にスライド操作されたことを検出して電気信号を生成する検出手段を備えている。この検出手段は、固定接点42と、可動接点35と、弾性部材19と、可動接点41と、固定接点45とを含むスイッチ素子(以下「第1スライド操作用スイッチ素子」という)からなる。また、本実施形態は、操作部材13が初期位置から左方向にスライド操作されたことを検出して電気信号を生成する検出手段を備えている。この検出手段は、固定接点44と、可動接点39と、弾性部材19と、可動接点37と、固定接点43とを含むスイッチ素子(以下「第2スライド操作用スイッチ素子」という)からなる。
【0038】
本実施形態は、初期位置からのプッシュ操作を検出して電気信号を生成する検出手段を備えている。この検出手段は、固定接点43と、可動接点37と、弾性部材19と、可動接点41と、固定接点45とを含むスイッチ素子(以下「プッシュ操作用スイッチ素子」という)からなる。
【0039】
操作部材13の右側の平坦面22は、第1可動部材17を基準にした弾性部材19とは反対側に位置し、第1可動部材17の移動を規制する第1規制部を兼ねている。操作部材13の左側の平坦面29は、第2可動部材18を基準にした弾性部材19とは反対側に位置し、第2可動部材18の移動を規制する第2規制部を兼ねている。ケース本体2の下部2bには、プッシュ操作時に第1,第2規制部のそれぞれが挿入される逃げ部9,10が設けられている。
【0040】
右側の第1伝達部21において、操作部材13の平坦面22および第1可動部材17の平坦面23は、上面視においてケース本体2の背部2cに向かって延び、弾性部材19から離れる方向に傾斜している。つまり、第1伝達部21は、スライド操作に伴って発生する弾性部材19の弾性力を、第1スライド操作用スイッチ素子において可動接点37が固定接点43に押し付けられる方向の力として、第1可動部材17に付与可能に形成されている。
【0041】
左側の第1伝達部28においても、操作部材13の平坦面29および第2可動部材18の平坦面30は、上面視においてケース本体2の背部2cの向かって延び、弾性部材19から離れる方向に傾斜している。つまり、第1伝達部28は、スライド操作に伴って発生する弾性部材19の弾性力を、第2スライド操作用スイッチ素子において可動接点41が固定接点45に押し付けられる方向の力として、第2可動部材18に付与可能に形成されている。
【0042】
右側の第2伝達部24において、操作部材13の平坦面25および第1可動部材17の平坦面26は、上面視においてケース本体2の背部2cに向かって延び、弾性部材19から離れる方向に傾斜している。つまり、第2伝達部24は、プッシュ操作方向に伴って発生する弾性部材19の弾性力を、プッシュ操作用スイッチ素子において可動接点37が固定接点43に押し付けられる方向の力として、第1可動部材17に付与可能に形成されている。
【0043】
左側の第2伝達部31においても、操作部材13の平坦面32および第2可動部材18の平坦面33は、上面視においてケース本体2の背部2cの内面に向かって延び、弾性部材19から離れる方向に傾斜している。つまり、第2伝達部31は、プッシュ操作方向に伴って発生する弾性部材19の弾性力を、プッシュ操作用スイッチ素子において可動接点41が固定接点45に押し付けられる方向の力として、第2可動部材18に付与可能に形成されている。
【0044】
このように構成された本実施形態は次の「[1]」,「[2]」ように動作する。
【0045】
[1]スライド操作型スイッチ装置としての動作
図8は本実施形態に備えられた操作部材が左方向にスライド操作された状態を示す図4(a)に対応する正面図である。図9は図8に示した状態の図6に対応する斜視図である。図10は図8に示した状態の図7に対応する断面図である。
【0046】
操作部材13のスライド操作時の動作について、操作部材13が左方向にスライド操作される場合を例に挙げて説明する。操作部材13が右方向にスライド操作される場合については左方向の場合と同様なので省略する。
【0047】
初期位置にある操作部材13に対して左方向の操作力が付与されると、第2導電部材38に設けられた可動接点39と、ケース本体2に設けられた固定接点44とが第2規制手段として機能する。つまり、可動接点39が固定接点44に当接していることによって第2可動部材18の移動が阻止される。この状態で、操作部材13は第1可動部材17とともに弾性部材19を圧縮変形させながら移動し、第1可動部材17が第2可動部材18に当接することによって停止する。
【0048】
このとき、第1導電部材34の可動接点37は、ケース本体2に設けられた固定接点43に接触している。また、第2導電部材38の可動接点41は、ケース本体2に設けられた固定接点45から離反している。また、弾性部材19の弾性力が第1伝達部22によって、第2可動部材18を左方向に押圧する力と、ケース本体2の背部2cの方向に押圧する力とに分散されているので、第2導電部材38の可動接点39は固定接点44に押し付けられた状態であり、第1導電部材34の可動接点37は固定接点43に押し付けられた状態である。これらにより、固定接点44と固定接点43とは可動接点39、弾性部材19および可動接点37を介して安定した状態で導通し、操作部材13が左方向にスライド操作されたことに対応する電気信号が生成されることになる。
【0049】
操作部材13に対する左方向の操作力が取り除かれると、弾性部材19は第1可動部材17と操作部材13とを押し戻しながら復帰する。これに伴い、可動接点37が固定接点43から離反して、左方向へのスライド操作に対応する電気信号が生成されなくなる。また、第2可動部材18を左方向に押圧する力が除去されるとともに、第2可動部材18をケース本体2の背部2cの方向に押圧する力が除去される。また、操作部材13は初期位置に復帰する。
【0050】
[2]プッシュ操作型スイッチ装置としての動作
図11は本実施形態に備えられた操作部材がプッシュ操作された状態を示す図4に対応する正面図である。図12は図11に示した状態の図6に対応する斜視図である。図13は図11に示した状態の図7に対応する断面図である。図14は図11のXIV−XIV断面図である。
【0051】
初期位置にある操作部材13に対して下方向の操作力が付与されると、操作部材13は自身の平坦面25,32によって第1,第2可動部材17,18を、これらが弾性部材19の弾性力に抗して互いに近づく方向に移動させながら下方向に移動し、第1,第2可動部材17,18同士が当接することによって停止する。
【0052】
このとき、可動接点37が固定接点43に接触していて、可動接点41が固定接点45に接触している。また、弾性部材19の弾性力が第2伝達部24において第1可動部材17に伝達されることにより、第1可動部材17がケース本体2の背部2cの方向に押圧され、これによって可動接点37が固定接点43に押し付けられる。同様に、弾性部材19の弾性力が第2伝達部31において第2可動部材18に伝達されることにより、第2可動部材18がケース本体2の背部2cの方向に押圧され、これによって可動接点41が固定接点45に押し付けられる。これらの結果、固定接点43と固定接点45とは可動接点37、弾性部材19および可動接点41を介して安定した状態で導通し、操作部材13がプッシュ操作されたことに対応する電気信号が生成されることになる。
【0053】
操作部材13に対する下方向の操作力が取り除かれると、弾性部材19が第1,第2可動部材17,18と操作部材13とを押し戻しながら復帰する。これに伴い、可動接点37が固定接点43から離反し、可動接点41が固定接点45から離反して、プッシュ操作に対応する電気信号が生成されなくなる。また、第1可動部材17をケース本体2の背部2cの方向に押圧する力、および、第2可動部材18をケース本体2の背部2cの方向に押圧する力が除去される。また、操作部材13は初期位置に復帰する。
【0054】
本実施形態によれば次の効果を得られる。
【0055】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、第1,第2スライド操作用スイッチ素子のそれぞれがそれ自身を構成する回路に弾性部材19を含むので、それら第1,第2スライド操作用スイッチ素子のそれぞれを構成する回路の引き回しを簡単にすることができる。
【0056】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、第1伝達部21が、スライド操作に伴って発生する弾性部材19の弾性力を、第1スライド操作用スイッチ素子において可動接点37が固定接点43に押し付けられる方向の力として第1可動部材17に付与する。同様に、第1伝達部28が、スライド操作に伴って発生する弾性部材19の弾性力を、第2スライド操作用スイッチ素子において可動接点41が固定接点45に押し付けられる方向の力として第2可動部材18に付与する。これらにより、スライド操作時に、弾性部材19の弾性力を利用して可動接点37と固定接点43の接触圧、および、可動接点41と固定接点45の接触圧を確保することができる。
【0057】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、スライド操作時にのみ可動接点35,37,39,41に接触圧を付与することができるので、可動接点35,37,39,41のへたりを防止することができる。
【0058】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、弾性部材19は第1可動部材17と第2可動部材18との間に支持され、第1,第2可動部材17,18がスライド可能になっていることから、弾性部材19の端部とケース1との間に前述の従来技術のようなクリアランスが無く、弾性部材19の端部がどこかに入り込むということが防止される。これにより、操作部材13の動作不良が起こりにくくすることができる。
【0059】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、第1規制手段が、第1可動部材17に設けられケース本体2に当接する第1当接部(可動接点35)と、ケース本体2に設けられ第1当接部を受け止める第1受け部(固定接点42)とからなり、第2規制手段が、第2可動部材18に設けられケース本体2に当接する第2当接部(可動接点39)と、ケース本体2に設けられ第2当接部を受け止める第2受け部(固定接点44)とからなる。これにより、第1,第2可動部材17,18の移動の規制を簡単な構造で確実に実現することができる。
【0060】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、可動接点35が第1当接部を兼ね、固定接点42が第1受け部を兼ね、可動接点39が第2当接部を兼ね、第2固定接点が前記第2受け部を兼ねる。これにより、固定接点42,44のそれぞれに対する可動接点35,39のそれぞれの接触圧を、弾性部材19の弾性力を利用して確保することができる。
【0061】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、第1スライド操作用スイッチ素子における可動接点35,41が第1,第2可動部材17,18に設けられていて、これらの可動接点35,41に対応する固定接点42,45がケース本体2に設けられているので、初期位置からの操作部材13の右方向へのスライド操作に対応する電気信号を確実に生成することができる。同様に、第2スライド操作用スイッチ素子における可動接点39,37が第1,第2可動部材17,18に設けられていて、これらの可動接点39,37に対応する固定接点44,43がケース本体2に設けられているので、初期位置からの操作部材13の左方向へのスライド操作に対応する電気信号を確実に生成することができる。
【0062】
スライド操作型スイッチ装置としての本実施形態では、第1スライド操作用スイッチ素子において固定接点42と固定接点45の導通経路に弾性部材19を含むので、ケース本体2に設けられる固定接点42,45の形状を簡単にすることができる。第2スライド操作用スイッチ素子においても固定接点44と固定接点43の導通経路に弾性部材19を含むので、ケース本体2に設けられる固定接点44,43の形状を簡単にすることができる。また、第1,第2スライド操作用スイッチ素子が弾性部材19を共有するので、第1,第2スライド操作用スイッチ素子を設けることに伴う回路の引き回しの複雑化を軽減できる。
【0063】
なお、本実施形態では、第1伝達部21,28も、第2伝達部24,31も面接触する2つの平坦面から構成されているが、第1,第2伝達部21,24は可動接点37が固定接点43に押し付けられる力を第1可動部材17に付与可能に形成されていればよく、第1,第2伝達部28,31は可動接点41が固定接点45に押し付けられる力を第2可動部材18に付与する形状でいればよい。つまり、本発明における第1,第2伝達部は平坦面で構成されるものに限定されず、操作部材に形成された凸曲面と、可動部材に設けられその凸曲面に摺接する凹曲面から構成されるものであってもよい。
【0064】
本実施形態では、可動接点37,41が第1,第2可動部材17,18の背面側に設けられていて、固定接点43,45がケース本体2の背部2cに設けられているが、本発明における第1,第2スライド操作用スイッチ素子の配置はそれに限定されるものではない。可動接点37,41に相応するものが第1,第2可動部材17,18の下面側に設けられていて、固定接点43,45に相応するものがケース本体2の下部2bに設けられていてもよい。
【0065】
本実施形態では、操作部材13のスライド操作が直線的であるが、本発明におけるスライド操作は直線的なものに制限されるものではなく、円弧状であってもよい。
【0066】
本実施形態では、初期位置からの操作部材13のスライド操作方向を検出する検出手段が、第1,第2スライド操作用スイッチ素子から構成されているが、本発明における検出手段はそれに限定されるものではなく、可変抵抗器であってもよい。
【0067】
本実施形態では、第1,第2可動部材17,18が操作部材13で直接押圧されることにより操作されるが、本発明における第1,第2可動部材と操作部材との関係はこれに限定されるものではなく、第1,第2可動部材のそれぞれと操作部材との間にゴム等の緩衝部材が設けられ、第1,第2可動部材が緩衝部材を介して間接的に操作部材で押圧される関係であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態の外観を示す4面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図、(e)は下面図である。
【図2】本実施形態を分解して正面側から見た場合の分解斜視図である。
【図3】本実施形態を分解して背面側から見た場合の分解斜視図である。
【図4】本実施形態からカバーを取り除いた状態の2面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】図2,3に示したケース本体の正面図である。
【図6】本実施形態の図4(b)のVI−VI断面を含む斜視図である。
【図7】図4(b)のVII−VII断面図である。
【図8】本実施形態に備えられた操作部材が左方向にスライド操作された状態を示す図4(a)に対応する正面図である。
【図9】図8に示した状態の図6に対応する斜視図である。
【図10】図8に示した状態の図7に対応する断面図である。
【図11】本実施形態に備えられた操作部材がプッシュ操作された状態を示す図4に対応する正面図である。
【図12】図11に示した状態の図6に対応する斜視図である。
【図13】図11に示した状態の図7に対応する断面図である。
【図14】図11のXIV−XIV断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 ケース
2 ケース本体
2a 上部
2b 下部
2c 背部
2d 右側部
2e 左側部
3 収納部
4 切欠き
5,6,7 ガイド用突出部
8A,8B ガイド溝
9,10 逃げ部
11 カバー
12 開口部
13 操作部材
14,15 ガイド用突出部
16 凹部
17 第1可動部材
17a,17b ガイド用突出部
18 第2可動部材
18a,18b ガイド用突出部
19 弾性部材
20 接触個所
21 第1伝達部
22 平坦面
23 平坦面
24 第2伝達部
25 平坦面
26 平坦面
27 接触個所
28 第1伝達部
29 平坦面
30 平坦面
31 第2伝達部
32 平坦面
33 平坦面
34 第1導電部材
35 可動接点
36 嵌め込み部
37 可動接点
37a 突起部
38 第2導電部材
39 可動接点
40 嵌め込み部
41 可動接点
41a 突起部
42〜45 固定接点
42a〜45a 端子
50 仮想平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、所定の初期位置から相反する2方向にスライド操作可能に前記ケースに対し保持された操作部材と、前記操作部材を前記初期位置に自動的に復帰させる復帰手段と、前記初期位置からの前記操作部材の操作方向を検出する検出手段とを備えたスライド操作型電気部品であって、
前記復帰手段が、
前記操作部材のスライド方向において弾性変形可能な弾性部材と、
前記ケースに対して前記操作部材と同方向にスライド可能に保持され、その方向において前記弾性部材を挟んで対向し、前記弾性部材を支持する第1,第2可動部材と、
前記第1可動部材に近づく方向への前記第2可動部材の移動時に、前記第2可動部材から離れる方向への前記第1可動部材の移動を規制する第1規制手段と、
前記第2可動部材に近づく方向への前記第1可動部材の移動時に、前記第1可動部材から離れる方向への前記第2可動部材の移動を規制する第2規制手段とを備え、
前記初期位置から前記2方向のうちの一方向に前記操作部材が操作されたとき、前記第1可動部材が前記操作部材により押圧されることで前記第2可動部材に近づく方向に移動し、
前記初期位置から前記一方向と相反する他方向に前記操作部材がスライド操作されたとき、前記第2可動部材が前記操作部材により押圧されることで前記第1可動部材に近づく方向に移動することを特徴とするスライド操作型電気部品。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、
前記第1規制手段が、前記第1可動部材に設けられ前記ケースに当接する第1当接部と、前記ケースに設けられ前記第1当接部を受け止める第1受け部とからなり、
前記第2規制手段が、前記第2可動部材に設けられ前記ケースに当接する第2当接部と、前記ケースに設けられ前記第2当接部を受け止める第2受け部とからなることを特徴とするスライド操作型電気部品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発明において、
前記検出手段が第1,第2スイッチ素子から構成され、
前記第1スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第1可動接点と、前記第1可動部材のスライド時に前記第1可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第1固定接点とを含み、
前記第2スイッチ素子が、前記第2可動部材に設けられた第2可動接点と、前記第2可動部材のスライド時に前記第2可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第2固定接点とを含むことを特徴とするスライド操作型電気部品。
【請求項4】
請求項3に記載の発明において、
前記操作部材と前記第1可動部材との接触個所が、前記操作部材のスライド操作時に前記弾性部材から前記第1可動部材に付与される弾性力を、前記第1可動接点が前記第1固定接点に押し付けられる方向の力として前記第1可動部材に付与可能に形成され、
前記操作部材と前記第2可動部材との接触個所が、前記操作部材のスライド操作時に前記弾性部材から前記第2可動部材に付与される弾性力を、前記第2可動接点が前記第2固定接点に押し付けられ方向の力として前記第2可動部材に付与可能に形成されたことを特徴とするスライド操作型電気部品。
【請求項5】
請求項1に記載の発明において、
前記第1規制手段が、前記第1可動部材に設けられ前記ケースに当接する第1当接部と、前記ケースに設けられ前記第1当接部を受け止める第1受け部とからなり、
前記第2規制手段が、前記第2可動部材に設けられ前記ケースに当接する第2当接部と、前記ケースに設けられ前記第2当接部を受け止める第2受け部とからなり、
前記検出手段が第1,第2スイッチ素子から構成され、
前記第1スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第1可動接点と、前記第1可動部材のスライド時に前記第1可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第1固定接点とを有し、
前記第2スイッチ素子が、前記第2可動部材に設けられた第2可動接点と、前記第2可動部材のスライド時に前記第2可動接点に接触される、前記ケースに設けられた第2固定接点とを有し、
前記第1可動接点が前記第1当接部を兼ね、前記第1固定接点が前記第1受け部を兼ね、前記第2可動接点が前記第2当接部を兼ね、前記第2固定接点が前記第2受け部を兼ねることを特徴とするスライド操作型電気部品。
【請求項6】
請求項1に記載の発明において、
前記検出手段が第1,第2スイッチ素子から構成され、
前記弾性部材が導電性を有し、
前記第1スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第1可動接点と、前記一方向へのスライド操作時に前記第1可動接点に接触されるとともに前記他方向へのスライド操作時に前記第1可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第1固定接点と、前記第2可動部材に設けられ前記弾性部材を介して前記第1可動接点と導通した第2可動接点と、前記一方向へのスライド操作時に前記第2可動接点に接触されるとともに前記他方向へのスライド操作時に前記第2可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第2固定接点とを含み、
前記第2スイッチ素子が、前記第1可動部材に設けられた第3可動接点と、前記他方向へのスライド操作時に前記第3可動接点に接触されるとともに前記一方向へのスライド操作時に前記第3可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第3固定接点と、前記第2可動部材に設けられ前記弾性部材を介して前記第3可動接点と導通した第4可動接点と、前記他方向へのスライド操作時に前記第4可動接点に接触されるとともに前記一方向へのスライド操作時に前記第4可動接点に離反される、前記ケースに設けられた第4固定接点とを含むことを特徴とするスライド操作型電気部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−282684(P2008−282684A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126019(P2007−126019)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】