説明

スルホン酸の新規ストロンチウム塩、その製造法、およびそれを含有する薬学的組成物

【課題】骨関節炎予防のためのストロンチウム塩およびその製造方法。
【解決手段】式(I):A−B−SO3H[式中、Aは、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる基を表し、Bは、アリーレン基、または場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子、窒素原子またはSO2基で置換されている)を表す]で示されるスルホン酸のストロンチウム塩および医薬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン酸の新規なストロンチウム塩、その製造法、およびそれらを含有する薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ストロンチウムの非常に多くの無機および有機塩が、文献から既知である。スルホン酸の化合物のうちでも、ビス(アミノメタンスルホン酸)ストロンチウム、および写真用紙におけるその使用は、米国特許第4,419,433号明細書に既に記載されている。メタンジスルホン酸ストロンチウムは、刊行物「Recueil: Journal of the Royal Netherlands Chemical Society 1981, 100(12), 449-452」に記載されている。m−ベンゼンジスルホン酸ストロンチウムは、刊行物「J. Phys. Chem. 1963, 67, 337-339」に記載されている。6−スルホナトヘキサン酸ストロンチウムは、刊行物「Berichte 1897, 63, 1642-48」に記載されている。1,5−ナフタレンジスルホン酸ストロンチウムは、刊行物「Acta Cryst. 2001, 57(4), 520-530」に記載されている。1,6−ナフタレンジスルホン酸ストロンチウムは、刊行物「Helv. Chim. Acta 1923, 6(1), 1133-1146」に記載されている。ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸)ストロンチウムは、刊行物「Helv. Chim. Acta 1925, 8(1), 229-241」に記載されている。2−オキソ−1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウムは「Therm. Anal. 1980」第6版第2巻第425〜430ページに記載されている。ヒドロキシメタンスルホン酸ストロンチウムは、特開昭(37)006516号公報に記載されている。ビス(4−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウムは、刊行物「J. Applied Polymer Sc. 2000, 77(11), 2363-69」および「J. Prakt. Chem. 1934, 245-253」に記載されている。ビス(2−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウムおよびビス(3−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウムは、刊行物「J. Prakt. Chem. 1935, 6-10」に記載されている。1,2−エタンジスルホン酸ストロンチウムは、刊行物「Kristallogr. Kristallgeom. Kristallchem. 1913, 51, 502」に記載されている。3−アミノ−3−カルボキシ−1−プロパンスルホン酸ストロンチウム塩化物は、刊行物「Inorg. Chem. 2005, 44(11), 3890-95」に記載されている。
【0003】
治療目的にストロンチウム塩を用いることは、既に、刊行物および特許の主題を形成している。たとえば、米国特許第4,152,431号明細書は、炎症の処置に用いることができるアルカリ金属塩を記載している。国際公開第94/09798号公報(WO-94/09798)は、皮膚障害の処置に活性を有する様々な金属の硫酸錯体を提示している。Olle Svenssonらの論文[Acta Path. Microbiol. Immunol. Scand. Sect. A, 1985, 93, 115-120]は、くる病のいくつかの症例にストロンチウムが役割を果たすことを立証している。
【0004】
ラネリン酸ストロンチウム(strontium ranelate)、および骨粗鬆症の処置におけるその使用は、欧州特許出願公開第0 415 850号公報(EP 0 415 850)に記載されている。
【0005】
本発明は、スルホン酸から誘導される新規なストロンチウム塩、ならびに骨関節炎および骨粗鬆症の処置におけるその使用に関する。
【0006】
骨粗鬆症は、骨格中のカルシウムの石化の増大である。すべての生体組織と同様に、骨は、絶え間ない破壊−再建の過程:すなわち骨改造の下にある。それは、先ずもって、破骨細胞による古い骨基質の吸収相、次いで、骨芽細胞によるタンパク質基質(次いでこれが石化される)の形成による修復相を特徴とする。若年のヒトでは、骨平衡が均衡しているが、年齢とともに、骨吸収と骨形成との間に後者の損失の原因となる不均衡が生じる。
【0007】
骨関節炎は、65歳を越える人口の50%以上において関節軟骨に影響を及ぼす、変性性病理学である。それは、常に、軟骨細胞の周囲の軟骨基質の分解を特徴とする。非病理学的状態では、これらの細胞は、軟骨のホメオスタシスを確保する。一方、一定数の要因(生物力学的/生化学的)の影響下では、軟骨細胞は、そのような場合に、軟骨に特徴的な基質成分である、II型コラーゲンおよびプロテオグリカンを分解するメタロプロテアーゼを分泌するため、この周辺組織の分解の起源となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
より具体的には、本発明は、式(I):
【0009】
【化7】

【0010】
[式中、Aは、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる基を表し、
Bは、アリーレン基、またはヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子、窒素原子またはSO2基で置換されている)を表す]
で示されるが、
【0011】
ビス(アミノメタンスルホン酸)ストロンチウム、メタンジスルホン酸ストロンチウム、1,3−ベンゼンジスルホン酸ストロンチウム、6−スルホナトヘキサン酸ストロンチウム、1,5−ナフタレンジスルホン酸ストロンチウム、1,6−ナフタレンジスルホン酸ストロンチウム、ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸)ストロンチウム、2−オキソ−1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ストロンチウム、ビス(4−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウム、ビス(2−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウム、ビス(3−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウム、1,2−エタンジスルホン酸ストロンチウムおよび3−アミノ−3−カルボキシ−1−プロパンスルホン酸ストロンチウム塩化物を除く、スルホン酸のストロンチウム塩に関する。
【0012】
アリーレンは、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の同一であるか、もしくは異なる基で、それぞれ、場合により置換されているフェニレン、ビフェニリレンもしくはナフチレンであると解される。
【0013】
本発明の一実施態様は、AがNH2またはSO3Hを表す、式(I)の化合物のストロンチウム塩に関する。
【0014】
本発明のもう一つの実施態様は、Bが置換または非置換直鎖C1〜C6アルキレン鎖を表す、式(I)の化合物のストロンチウム塩に関する。
【0015】
本発明のもう一つの実施態様は、Bが置換または非置換直鎖C3〜C6アルキレン鎖を表す、式(I)の化合物のストロンチウム塩に関する。
【0016】
本発明のもう一つの実施態様は、式(I)のスルホン酸の特定の場合である、式(Ia):
【0017】
【化8】

【0018】
[式中、Aは、NH2およびSO3Hから選ばれる基を表し、Bは、非置換直鎖または分枝鎖C3〜C6アルキレン鎖を表す]
で示されるスルホン酸ストロンチウム塩に関する。
【0019】
本発明のもう一つの実施態様は、下記のストロンチウム塩:
・1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウム;
・ビス(3−アミノ−1−プロパンスルホン酸)ストロンチウム;
・スルホナト酢酸ストロンチウム;
・ビス(2−アミノ−1−エタンスルホン酸)ストロンチウム;
・1,4−ブタンジスルホン酸ストロンチウム;および
・1,2−ベンゼンジスルホン酸ストロンチウム
に関する。
【0020】
本発明は、本発明によるストロンチウム塩を製造する第一の方法であって、式(I):
【0021】
【化9】

【0022】
[式中、AおよびBは、上記に定義されたとおりである]
で示されるスルホン酸を水酸化ストロンチウムと反応させた後、そうして得られたストロンチウム塩を単離することによる方法にも関する。
【0023】
本発明は、本発明によるストロンチウム塩を製造する第二の方法であって、式(I):
【0024】
【化10】

【0025】
[式中、AおよびBは、上記に定義されたとおりである]
で示されるスルホン酸のナトリウムまたはカリウム塩を塩化ストロンチウムと反応させた後、そうして得られたストロンチウム塩を単離することによる方法にも関する。
【0026】
本発明は、活性成分としての本発明によるストロンチウム塩を、適切な不活性で無害な一つまたはそれ以上の賦形剤、たとえば希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、吸収剤、着色剤、甘味料等々とともに含む薬学的組成物にも関する。
【0027】
例示のために、かついかなる限定も意味することなく、下記のものが列挙され得る:
・希釈剤のためには、乳糖、デキストロース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリセリン;
・潤滑剤のためには、シリカ、タルク、ステアリン酸、ならびにそのマグネシウムおよびカルシウム塩、ポリエチレングリコール:
・結合剤のためには、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、澱粉、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチル澱粉およびポリビニルピロリドン:
・崩壊剤のためには、寒天、アルギン酸およびそのナトリウム塩、発泡剤混合物。
【0028】
本発明による薬学的組成物のうちでは、より特別には、経口、非経口(静脈内または皮下)および経鼻投与に適切なもの、錠剤または糖衣錠、舌下錠、ゼラチンカプセル剤、トローチ剤、坐剤、クリーム剤、軟膏、経皮ゲル、注射可能製剤、内服用懸濁液が列挙され得る。
【0029】
有用な投与量は、患者の性別、年齢および体重、投与経路、障害および(あるとすれば)関連する処置の性質に従って変動し、24時間あたり5mg〜3g、たとえば24時間あたり100mg〜2gにわたる。
【実施例】
【0030】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
【0031】
例1:1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウム
水中70%の1,3−プロパンジスルホン酸222g(0.76mol)、および水200ml中の水酸化ストロンチウム八水和物200.4g(0.75mol)の混合物を、還流にて3時間加熱した。反応混合物を、熱間濾過し、次いで4℃に冷却した。形成された沈澱を、濾過によって除去し、96%エタノール500mlを濾液に加えた。沈澱を濾取し、エタノール/水の70/30混合物250mlで洗浄し、乾燥して、白色結晶生成物の1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウム塩139gを得た(収率:63%)。
融点:>250℃
元素の微量分析:
Cの% Hの% Sの% Srの%
理論値:12.43 2.09 22.13 30.23
実測値:12.56 3.44 22.76 26.88
【0032】
例2:ビス(3−アミノ−1−プロパンスルホン酸)ストロンチウム
3−アミノ−1−プロパンスルホン酸と水酸化ストロンチウム八水和物との例1の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0033】
例3:スルホナト酢酸ストロンチウム
スルホ酢酸と水酸化ストロンチウム八水和物との例1の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
融点:>270℃
元素の微量分析:
Cの% Hの% Sの%
理論値:10.64 0.89 14.21
実測値: 9.77 1.20 14.18
【0034】
例4:ビス(2−アミノ−1−エタンスルホン酸)ストロンチウム
2−アミノ−1−エタンスルホン酸と水酸化ストロンチウム八水和物との例1の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0035】
例5:1,4−ブタンジスルホン酸ストロンチウム
塩化ストロンチウム六水和物0.75mol、および1,4−ブタンジスルホン酸二ナトリウム0.75molを、水600mlに溶解した。1時間撹拌した後、96%エタノール1リットルを加えた。形成された沈澱を濾取し、エタノール/水の70/30混合物500mlで洗浄し、乾燥して、期待される生成物を得た。
【0036】
例6:1,2−ベンゼンジスルホン酸ストロンチウム
1,2−ベンゼンジスルホン酸二カリウムと塩化ストロンチウム六水和物との例6の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0037】
例7:ビス(2−ヒドロキシエタンスルホン酸)ストロンチウム
2−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムと塩化ストロンチウム六水和物との例6の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0038】
例8:2,2−ビス(スルホナトメチル)−1,3−プロパンジスルホン酸二ストロンチウム
2,2−ビス(スルホメチル)−1,3−プロパンジスルホン酸と水酸化ストロンチウム八水和物との例1の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0039】
例9:1,5−ペンタンジスルホン酸ストロンチウム
1,5−ペンタンジスルホン酸二ナトリウムと塩化ストロンチウム六水和物との例6の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0040】
例10:1,6−ヘキサンジスルホン酸ストロンチウム
1,6−ヘキサンジスルホン酸二ナトリウムと塩化ストロンチウム六水和物との例6の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0041】
例11:ビス(4−アミノ−1−ブタンスルホン酸)ストロンチウム
4−アミノ−1−ブタンスルホン酸と水酸化ストロンチウム八水和物との例1の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0042】
例12:ビス(1−アミノ−2−ベンゼンスルホン酸)ストロンチウム
1−アミノ−2−ベンゼンスルホン酸と水酸化ストロンチウム八水和物との例1の手順による反応によって、期待される生成物を得た。
【0043】
薬理学的研究
例13:例1の化合物によるウシ軟骨代謝の阻害に関するin vitro研究
プロトコル
この研究は、培地(96穴プレート)中でのウシ軟骨断片(その分解は、TNFαおよびオンコスタチンMの添加によって刺激される[Schaller, S., Henriksen, K., Hoegh-Andersen, P., Sondergaard, B.C., Sumer, E.U., Tanko, L.B., Qvist, P., Karsdal, M.A. "In vitro, ex vivo, and in vivo methodological approaches for studying therapeutic targets of osteoporosis and degenerative joint diseases: how biomarkers can assist?" Assay. Drug Dev. Technol. 3, 553-380 (2005)])に対して実施した。
【0044】
培養の継続期間は、21日(培地は2日ごとに交換した)であった。TNFαおよびオンコスタチンMで処理しなかった群が、対照群を構成した。刺激された軟骨断片5ロットを、例1の化合物で、それぞれ異なる用量、すなわち0.01、0.1、1、3および10mMにて処理し、各用量について5回の試験を実施した。D19(19日目)に、培地中のCTXII(II型コラーゲンの、メタロプロテアーゼによる分解から得られた断片)の濃度を、ELISAの手法を用いて測定した。そのパラメーターを、軟骨のng/ml/mgで表した。D21に、培養の終点で残存する軟骨中の下記の項目を測定した:
・タンパク質の量(Bioradが市販するキットを用いて)。例1の化合物で処理した群について、このパラメーターの結果を、非処理対照群の軟骨中のタンパク質分解阻害の百分率として表した。
・グリコサミノグリカン(GAG)の量(メチレンブルー(DMB)による比色分析的手法を用いて)。このパラメーターも、21日間の培養後の対照群で評価されたGAG分解阻害の百分率として表した。
【0045】
結果
例1の化合物による処理の結果は、
・培地中のCTXIIの塩析の有意(p<0.001)かつ用量依存性の阻害(IC50=3.5mM;
・1mMの用量から始まる、軟骨成分の分解に対する防護;
であった。
【0046】
【表1】

【0047】
処理は、培養の21日間の細胞によってはるかに充分に忍容された(用いた毒性試験:用量のいかんに関わらず、Alamar blueで陰性)。
【0048】
これらの結果は、例1の化合物が、コラーゲン分解活性の阻害によって、軟骨の特徴的な成分の分解に対する有意な防護を与えることを立証するものである。
【0049】
例14:薬学的組成物
500mgの用量を含有する1gの錠剤のための処方:
例1の化合物.......................500mg
ポビドンK30.......................24mg
セルロース(Avicel PM102)................417mg
カルボキシメチル澱粉(Primojel)..............21mg
ステアリン酸マグネシウム...................6mg
タルク...........................32mg

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、Aは、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる基を表し、
Bは、アリーレン基、またはヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子、窒素原子またはSO2基で置換されている)を表す]
で示されるが、
ビス(アミノメタンスルホン酸)ストロンチウム、メタンジスルホン酸ストロンチウム、1,3−ベンゼンジスルホン酸ストロンチウム、6−スルホナトヘキサン酸ストロンチウム、1,5−ナフタレンジスルホン酸ストロンチウム、1,6−ナフタレンジスルホン酸ストロンチウム、ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸)ストロンチウム、2−オキソ−1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウム、ヒドロキシメタンスルホン酸ストロンチウム、ビス(4−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウム、ビス(2−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウム、ビス(3−アミノベンゼンスルホン酸)ストロンチウム、1,2−エタンジスルホン酸ストロンチウムおよび3−アミノ−3−カルボキシ−1−プロパンスルホン酸ストロンチウム塩化物を除く、スルホン酸のストロンチウム塩であって、
アリーレンが、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の同一であるか、もしくは異なる基で、それぞれ、場合により置換されているフェニレン、ビフェニリレンもしくはナフチレンであると解されるストロンチウム塩。
【請求項2】
AがSO3HまたはNH2を表す、請求項1記載のストロンチウム塩。
【請求項3】
Bが、アリーレン基、またはヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子またはSO2基で置換されている)を表す、請求項1または2記載のストロンチウム塩。
【請求項4】
Bが、ヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖C1〜C6アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子またはSO2基で置換されている)を表す、請求項3記載のストロンチウム塩。
【請求項5】
Bが、ヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖C3〜C6アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子またはSO2基で置換されている)を表す、請求項4記載のストロンチウム塩。
【請求項6】
Aが、NH2およびSO3Hから選ばれる基を表し、Bが、非置換直鎖または分枝鎖C3〜C6アルキレン鎖を表す、請求項5記載のストロンチウム塩。
【請求項7】
1,3−プロパンジスルホン酸ストロンチウム、ビス(3−アミノ−1−プロパンスルホン酸)ストロンチウム、スルホナト酢酸ストロンチウム、ビス(2−アミノ−1−エタンスルホン酸)ストロンチウム、1,4−ブタンジスルホン酸ストロンチウムおよび1,2−ベンゼンジスルホン酸ストロンチウムから選ばれる、請求項1記載のストロンチウム塩。
【請求項8】
請求項1記載のストロンチウム塩を製造する方法であって、式(I):
【化2】


[式中、AおよびBは、上記に定義されたとおりである]
で示されるスルホン酸を水酸化ストロンチウムと反応させた後、そうして得られたストロンチウム塩を単離することによる方法。
【請求項9】
請求項1記載のストロンチウム塩を製造する方法であって、式(I):
【化3】


[式中、AおよびBは、上記に定義されたとおりである]
で示されるスルホン酸のナトリウムまたはカリウム塩を塩化ストロンチウムと反応させた後、そうして得られたストロンチウム塩を単離することによる方法。
【請求項10】
活性成分としての式(I):
【化4】


[式中、Aは、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれ、
Bは、アリーレン基、またはヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子、窒素原子またはSO2基で置換されている)を表す]
で示されるスルホン酸のストロンチウム塩を、薬学的に許容され得る、不活性で無害な一つまたはそれ以上の担体と併せて含む薬学的組成物であって、
アリーレンが、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の同一であるか、もしくは異なる基で、それぞれ、場合により置換されているフェニレン、ビフェニリレンもしくはナフチレンであると解される薬学的組成物。
【請求項11】
骨関節炎の予防または治療に用いるための医薬の製造における、式(I):
【化5】


[式中、Aは、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる基を表し、
Bは、アリーレン基、またはヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子、窒素原子またはSO2基で置換されている)を表す]
で示されるスルホン酸のストロンチウム塩の使用であって、
アリーレンが、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の同一であるか、もしくは異なる基で、それぞれ、場合により置換されているフェニレン、ビフェニリレンもしくはナフチレンであると解される使用。
【請求項12】
骨粗鬆症の予防または治療に用いるための医薬の製造における、式(I):
【化6】


[式中、Aは、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる基を表し、
Bは、アリーレン基、またはヒドロキシル、オキソ、アミノ、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の基で場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖C1〜C12アルキレン鎖(場合により、一つ以上の炭素原子が酸素原子、窒素原子またはSO2基で置換されている)を表す]
で示されるスルホン酸のストロンチウム塩の使用であって、
アリーレンが、直鎖または分枝鎖C1〜C6アルキル、OH、NH2、SO3HおよびCO2Hから選ばれる一つ以上の同一であるか、もしくは異なる基で、それぞれ、場合により置換されているフェニレン、ビフェニリレンもしくはナフチレンであると解される使用。

【公開番号】特開2007−302654(P2007−302654A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−104472(P2007−104472)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】