説明

セキュリティペーパー及びセキュリティペーパーを有する物品

カレンシーノート(10)は、第1及び第2集積回路(1,3)を備え、それら第1及び第2集積回路(1,3)の各々はアンテナ(2,4)を有する。アンテナ(2,4)は、好適には、異なる周波数で動作する。集積回路(2,4)は、チップコード及び組み合わせコードが記憶されているメモリを有する。組み合わせコードは、カレンシーノート(10)と集積回路(2,4)の一体化後のみにプログラムされ、複数のカレンシーノート(10)が無線で一度読み取られるとき、第2集積回路(3)と同じカレンシーノートの一部である第1集積回路(1)の認識を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1チップ及び第2チップをユニット毎に有するカレンシーノート(Currency note)であって、それらのチップの各々は情報を記憶するためのメモリを有する、カレンシーノートに関する。
【0002】
本発明は更に、そのようなカレンシーノートを認識するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この種の物品については、欧州特許第A905657号明細書に記載されている。その物品は、紙幣、小切手、株券又は公債のようなカレンシーノートである。カレンシーノートの識別及び認証を改善するために、この従来の特許文献においては、カレンシーノートにおいて、1つ又はそれ以上のチップであって、集積回路と呼ばれるチップの組み合わせを提供している。紙幣当たり2つ以上の集積回路の一体化は、しかしながら、紙幣における多くの数の電気接続を確立する上での困難性のために、殆ど有利でないと考えられている。
【0004】
既知の紙幣についての集積回路は、一度だけプログラムされた不揮発性メモリにより、即ち、負可逆的物理作用により与えられることが可能である。代替の選択は、独自的な情報を記憶するための不揮発性メモリを有し、不揮発性メモリ(即ち、一回のみプログラム可能)を有するセキュリティ回路を有し、不揮発性メモリのコンテンツに関する不揮発性メモリのプログラミングを禁止するために有効である集積回路を与える。所望に応じて、メモリにおける情報の記録は、異なる段階において複数のエンティティにより影響されることが可能であり、各々のエンティティは、典型的には、それ自体のプロビンスの情報をエントリする。
【0005】
従来技術の特許文献において記載されているように、コストの論拠は、単一のカレンシーノートにおける2つ以上の集積回路の一体化についての問題である。
【特許文献1】欧州特許第A905657号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故、本発明の目的は、コストパフォーマンスの高い方法で2つ以上の集積回路を備えた、冒頭の段落で述べた種類のカレンシーノートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、各々のメモリに記憶されている情報が、チップコード及び組み合わせコードを有する識別コードを備えている点で、本発明により達成され、その組み合わせコードは、同じカレンシーノートの一部である第1チップ及び第2チップを識別する。更に、第1チップ及び第2チップは各々、リーダとの無線通信のための手段を備えている。
【0008】
本発明は、カレンシーノートにおける電気接続の必要性を伴わない解決方法を提供する。同時に、第1及び第2チップは、1つのみでなくても、同一のカレンシーノートに属するように識別されることが可能であり、カレンシーノートの山が1つの操作で、無線で読み取られるものである。実際には、第1及び第2チップの結合はカレンシーノートにおいては起こらないが、リーダを介して及び組み合わせコードの支援により起こる。
【0009】
本発明の第1有利点は、本発明がカレンシーノートのセキュリティレベルを改善することである。侵害は、チェーンの最も弱いリンクを常に用いる。集積回路を有するカレンシーノートのセキュリティにおける最も弱いリンクは、ICのリバースエンジニアリングでもないし、複数の有効なメモリの数でもないように思われる。それは、カレンシーノート用のチップの存在であるが、尚もカレンシーノートから分離されていることであるように思われる。そのようなチップは盗みのための容易な目的になるばかりでなく、それらは大きい量で存在し、多くのひとがそれらチップの製造及びデザインに関わっている。少なくとも2つのチップを用いることにより、それらのチップは異なるチップ製造メーカに注文されることが可能である。その結果、チップ製造メーカの従業員の誰も、両方のチップの製造、デザイン及びプログラミングを見抜けない。その結果、データが内部情報の盗み又はリークにより利用可能になるリスクは低減される。
【0010】
本発明の第2の有利点は、チップ製造メーカから完全に秘密にするように維持されることが可能である方法で、カレンシーノートの当局がチップを選択する又は情報を付加することを可能にすることである。それらの当局は、組み合わせコードのみを規定するばかりでなく、どのチップが単一のカレンシーノートに共に組み込まれるかをまた、選択することができる。
【0011】
本発明の第3有利点は、中央データベースにアクセスする必要性を伴うことなく、そのようなカレンシーノートの第1レベルの識別を与えることである。両方のチップが関連当局により入力される組み合わせコードを有することは、第1チップの組み合わせコードが第2チップの組み合わせコードのための参照コードとして用いられることを可能にする。これは、商店におけるセキュリティチェックのための時間消費の点からみて有利である。秘密を維持するために明らかに必要な何れの参照データベースへのアクセスを制限することはまた、有利である。
【0012】
幾つかの実施形態が、組み合わせコードのために可能である。最も単純には、同じコードを2回用いる。最も高性能な改善においては、組み合わせコードの一部のみが等しいものとなっている。同じコードは、更に、分割されることが可能であり、それ故、他の部分は、後続するコードの部分間で補間される。同じコードは、更に、逆の順序で存在することが可能である。他のバージョンにおいては、組み合わせコードは、全部まとめて隠しコードになり、何れの数であることが可能である。このことは、カレンシーノートに既に加えられた数であることさえ、可能である。更に、読み取り時に、1つの組み合わせコードは、他の組み合わせコードの読み取る方法又はチップコードの読み取る方法の命令を与えることが可能である。
【0013】
更なる実施形態においては、第1及び第2チップは技術的方法において異なっている。このことは、改竄者は2つのチップをまさにとることができないが、特有の技術を伴うチップを有する必要があり、それ故、そのカレンシーノート自体においてカレンシーノートを製造するように2つ以上のチップ製造メーカの設備にアクセスする必要がある。そのような技術の差は、勿論、そのような識別コードが読み取られる方法で識別コードに反映されている範囲のみに関連している。ここでの選択肢は、メモリセグメントの大きさ、チップとの通信のために必要な電力及び適切な動作を有するように送信される電力、並びにメモリのタイプである。
【0014】
好適な実施形態においては、第1チップ及び第2チップのメモリは読み取り専用セグメント及びプログラム可能セグメントを有する。チップコードは読み取り専用セグメントにおいてプログラム可能であり、組み合わせコードはプログラム可能セグメントにおいてプログラム可能である。この物理的実施形態は、チップ製造メーカにより非常に困難にプログラムされるチップコードを製造する。
【0015】
更なる実施形態においては、第1チップは、第2チップと異なる他の周波数における無線通信のための手段を有する。山積みのカレンシーノートを読み取ることについての要望は、データの読み取りのためのインテリジェントロジスティックを要求する。先ず、第1チップの全てを、そして第2チップの全てを個別にアドレス指定することは有効であるように思われる。第1チップ及び第2チップへのコンタクト間の分離は、ソフトウェアに基づいて、例えば、異なるプロトコルを用いることにより実施されることが可能である。これはかなり困難であるように思われる。より洗練された方法は異なる周波数を用いることであるように思われる。そのような周波数は非常に大きく異なる必要はない。明確化のために、集積回路とリーダとの間の通信自体の順序の決定については、例えば、米国特許第6597306号明細書に記載されている。
【0016】
他の実際的な問題は、カレンシーチップにおいて少なくとも2つのチップを一体化する方法に関連する。カレンシーノートにおけるチップはフレキシブルである必要があり、原価を低減するように小さくする必要がある。それらのチップが共にアセンブルされる場合、チップ製造の独立性は減少し、悪用を誘引する新しい環境が発生する。それらの要求を実現し且つそれらの問題点を軽減するように、本発明のカレンシーノートは、第1及び第2チップのために別個のスレッドを有する。金属のスレッドがセキュリティの特徴として従来の紙幣において用いられ、基板として及び集積回路のアンテナとしてそれらのスレッドを用いることが、特に国際公開第99/54842号パンフレットにおいて開示されている。そのようなスレッドは、アセンブリのための有効な手段と考えられている。フレキシブルなチップは、先ず、そのようなスレッドに取り付けられ、そのスレッドは、その後、効果的な搬送のために巻き上げられる。スレッドとセキュリティペーパーとの一体化自体については、更に知られている。集積回路とカレンシーノートとの有効な一体化は、セキュリティペーパーのみの製造の段階に行われる。しかしながら、兎に角、これはカレンシーノートのフィールドにおいて当局にリンクされていて、そのフィールドにおいて、セキュリティは非常に容易に制御されることができる。
【0017】
この明細書の記載において、表現‘セキュリティペーパー’は、カレンシーノートで用いるために適切であるプラスチック及び紙材料の両方を含むものであることが理解される必要がある。この‘セキュリティペーパー’は、カラープリントが適切に与えられる、当業者自体に知られているファイバー状の高品質材料である。
【0018】
適切には、集積回路は集積アンテナを備えている。このことは、フリップチップボンディング又はワイヤボンディングのようなアセンブリレベルの特定のボンディング操作のための必要性を取り除く。そのような集積回路の製造のための適切な処理については、例えば、非公開の欧州特許第03102020.9号明細書に記載されている。代替として、アンテナは、上記のスレッドにおいて規定されることが可能である。この実施例においては、アンテナと集積回路との間の通信を、ガルバニック結合に代えて容量結合により得ることが可能である。
【0019】
リーダとの無線通信のための手段は、一般に、データの送信のためのアンテナを有する。そのようなアンテナは、コイル、ダイポールアンテナ等の何れの従来のアンテナであることが可能である。更に、その手段は、受信データの適切な処理のために必要な回路の一部を有し、増幅器と、フィルタと、通信プロトコルの処理のための処理器とを有することが可能である。代替として、リーダとチップとの間で光送信を用いることが可能である。他の有効性は容量結合であり、この場合、チップは、カレンシーノート内に埋め込まれ、コンタクトを与えている。読み取り中に、コンデンサは、チップのコンタクト及びリーダのコンタクトにより形成される一方、セキュリティペーパーは誘電体を有する。異なる手段が、互いに対して更に存在することが可能であることが理解できる。
【0020】
他の選択肢にしたがって、アンテナは、異なる周波数帯域における周波数の送信及び/又は受信のために適切である。この原理は、携帯電話に適用できる。この実施例においては、異なる周波数帯域が、異なる距離に対する通信のために、しかし、異なるアクセスを与えるために用いられ、ショップは、結果として得られる限定されたアクセス権利を伴って、1つの周波数帯域のみへのアクセスが与えられることが可能であり、銀行は、例えば、プログラム可能メモリセグメントからデータを読み取るばかりでなく、それにデータを書き込むことに関連する他のアクセス権利を有することが可能である。
【0021】
メモリのプログラム可能セグメントは、組み合わせコードのみより多いデータを有することが可能である。そのプログラム可能セグメントは、特定のカレンシーノートの使用時のデータの補正、有効性の決定等のために用いられることが可能である。
【0022】
チップコード及び組み合わせコードは、所望にしたがって及び当業者に既知であるように、暗号化されることが可能である。
【0023】
本発明の第2目的は、第1チップ及び第2チップを有するカレンシーノートを初期化する方法を提供することである。それらのチップの各々は情報を記憶するためのメモリを有し、そのメモリは読み取り専用セグメント及びプログラム可能セグメントを有し、その読み取り専用セグメントはチップコードを備え、リーダとの無線通信のための手段を備えている。
【0024】
それらのカレンシーノートを初期化するように、その方法は、第1チップにおいてチップコードを読み取り、第1チップのプログラム可能セグメントにおける組み合わせコードを与える段階と、第2チップについて同様に繰り返す段階と、カレンシーノートについての参照コードとして参照メモリにチップコード及び組み合わせコードを記憶する段階とを有する。
【0025】
本方法の初期化の結果、チップコード及び組み合わせコードを伴ってプログラムされた本発明にしたがったカレンシーノートが与えられ、次に、参照メモリにそれらのコードが登録される。この方法は、そのフィールドの関連当局により実行される。それ故、この方法は、他に隠して維持されることができる必要な情報を関連当局に与えることができる。
【0026】
本発明の第3目的は、請求項1に記載された複数のカレンシーノートを認識する方法を提供することである。この方法は:
− 複数のカレンシーノートの第1チップのメモリにおける組み合わせコードを読み取る段階と;
− 複数のカレンシーノートの第2チップのメモリにおける組み合わせコードを読み取る段階と;
− 組み合わせコードの比較により第1紙幣の第1チップ及び第2チップを識別する段階と;
− 組み合わせコードに基づいて第1レベルのカレンシーノートを認識する段階と;
を有する。
【0027】
本発明にしたがって、識別コードの両方が読み取られ、その後、第1及び第2チップは、組み合わせコードの比較により同じカレンシーノートに属するとして識別される。その認識は、互いに第1及び第2チップの組み合わせコードの比較により実行されることが可能であることが理解される。代替として又は付加的に、参照メモリにおける参照コードの比較がなされる。この第1レベルの識別は非常に進歩したものであるがまた、非常に基本的なものであり、実際には、認識されるべきものとしての必要性に依存している。
【0028】
更に広い認識を与えるように、次のような段階であって:
− 第1カレンシーノートの第1及び第2チップのチップコードを読み取る段階と;
− 第1カレンシーノートについての参照コードを第1カレンシーノートの第1及び第2チップのチップコードを比較する段階と;
− 前記チップコードが参照コードと適合する場合に、第1カレンシーノートを認識する段階と;
を実行する。
【0029】
前記認識処理がこの実施形態により実行される。これは、ランダム又は非ランダム選択に基づいて、選択されたカレンシーノートについて行われることが可能である。非ランダム選択のためのパラメータは、額面金額、年数、流通量等である。全認識処理が全てのカレンシーノートについて実行された場合、組み合わせコードが読み取られるのと同じ段階に、チップコードを読み取ることは好ましい。
【0030】
必要に応じて、更なるデータ及びコードは、読み取られることが可能であるメモリのプログラム可能なセグメントに存在することが観測される。データのプログラム可能セグメントへの書き込みは実行されず、必要であると判断されない。
【0031】
カレンシーノートの上記の及び他の特徴並びに本発明の方法について、図1を参照して更に説明する。
【0032】
図は、スケーシングされて描かれていず、同じ番号は同じ構成要素に付けられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、カレンシーノート10を模式的に示している。そのカレンシーノートは、セキュリティペーパーとして当該技術分野で知られている繊維状材料を有し、そのカレンシーノートには額面金額が印刷されている。更に、カレンシーノート10は、集積アンテナ2を備えた第1集積回路1を有する。集積回路1はスレッド11に存在する。その第1集積回路は適切な接着剤でそのスレッドに取り付けられている。カレンシーノート10は、アンテナ4を備えた第2集積回路2を更に有する。
【0034】
この実施形態の集積回路1、3はシリコン基板に形成されていて、そのシリコン基板には、続いて、相互接続構造、例えばポリイミド等のポリマー層及び一時的担体が備えられている。アンテナは、主に集積回路の周りの領域において、相互接続の一部として定義される誘導子である。その後、シリコン基板は、集積回路がフレキシブルであり、アンテナがシリコン基板の代わりにポリイミド層により支持されているという結果を伴って、大部分が除去される、その結果として得られる厚さは、例えば、5乃至20μmのオーダーである。集積回路は、除去された基板の領域、例えば、メサにおいて存在する。所望に応じて、ボンドパッドが、基板が用いられる側に規定されることが可能である。付加的に又は代替として、この側は、第2ポリマー層を備えることが可能である。アンテナ2は、この実施例においては、2.5GHzの周波数を有し、アンテナ4は2.9GHzの周波数を有する。最も好適には、集積回路1、3は別個に製造される。集積回路1、3からリーダへの戻り信号については、主アンテナの周波数の半分で適切に動作する別個の戻りアンテナを用いることができる。チップにおいては基板損失がないため、それらのアンテナの効率は非常に高く、その結果、アンテナの面積は数mmに減少される。理解できるであろうように、正確な周波数は簡単なデザインの問題であり、仕様にしたがって選択されることが可能である。
【0035】
第1及び第2集積回路1、3各々はメモリを有する。メモリの一部は、スレッドへの個々の集積回路のアセンブリの前に、工場でプログラムされたROMメモリである。このROMメモリに記憶された情報はチップコードである。チップコードは、当業者自身に知られている方法で暗号化されている。好適には、そのチップコードは個別にデータベースに記憶されているが、このことは必要ない。更に、集積回路1、3は、プログラム可能メモリセグメントを有する。このプログラム可能メモリは、初期化の間に組み合わせコードと共にプログラムされる。プログラム可能メモリセグメントは、この場合、消去不能な埋め込み型メモリである。
【0036】
図2は、第1及び第2集積回路1、3を有するカレンシーノートを有し、更にリーダ100を有するシステムの断面図を示している。リーダ100は、第1アンテナ手段101及び第2アンテナ手段103を備えている。第1アンテナ手段101は、この実施例においては、2.5GHzの周波数における信号及び電力の送信のために、及び1.25GHzの周波数において信号を受信するために適切である。第2アンテナ手段103は、この実施例においては、2.9GHzの周波数における信号及び電力の送信のために及び1.45GHzの周波数において信号を受信するために適切である。所望に応じて、特に、集積回路1,3が互いに近くに位置付けられている場合、異なる周波数について適切である単一のアンテナを用いることが可能である。しかしながら、何れの場合において、異なる周波数について別個の振幅を用い、集積回路に送信される増幅信号と未だに増幅されていない受信信号についてのチャネルとの間に適切な分離を与えることが必要である。単一の受信器110は信号全てを処理し、接続120を介して参照メモリに接続される。識別タグのためのリーダ自体については、例えば、米国特許第6,445,743号明細書に記載されている。
【0037】
図3は、複数のカレンシーノートを識別するようにリーダ100が必要とする状態の断面図を示している。この状態においては、第1アンテナ手段101はカレンシーノートの情報を送信し、アンテナが送信信号の受信のために適切である第1集積回路1(図示せず)が反応する。組み合わせコード及び、任意に、それらの第1集積回路1のメモリにおけるチップコードは、リーダ100の一時メモリに記憶される。その後、第2アンテナ手段103が動作を開始する信号及び電力の送信後、要求に応じて、カレンシーノートの第2集積回路3は反応し、それらのメモリに情報を送り戻す。第1及び第2集積回路は、決して互いに相互接続されていないため、どちらの第1及び第2集積回路1、3が同じカレンシーノートの一部であるかが認識される必要がある。これは、組み合わせコードの支援により達成される。
【0038】
要約すれば、本発明のカレンシーノート10は、各々がアンテナ2、4を有する第1及び第2集積回路1、3を備えている。アンテナ2、4は、好適には、異なる周波数で動作する。集積回路2、4の各々は、チップコード及び組み合わせコードが記憶されているメモリを有する。組み合わせコードは、カレンシーノート10との集積回路2、4の一体化後のみにプログラムされ、複数のカレンシーノート10が一度に無線で読み取られるときに、第1集積回路1は、第2集積回路3と同じカレンシーノートの一部であることを認識することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】カレンシーノートの模式図である。
【図2】カレンシーノート及びリーダの断面図である。
【図3】リーダにおける複数のカレンシーノートの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チップ及び第2チップを有するカレンシーノートであって、前記第1チップ及び第2チップの各々は情報を記憶するためのメモリを有する、カレンシーノートであり:
各々のメモリにおいて記憶されている情報はチップコード及び組み合わせコードを有する識別コードを備え、前記組み合わせコードは、同じカレンシーノートの前記第1チップ及び第2チップを識別し;そして
前記第1チップ及び第2チップは、リーダとの無線通信のための手段を備えている;
カレンシーノート。
【請求項2】
請求項1に記載のカレンシーノートであって:
前記第1チップ及び前記第2チップの前記メモリは読み取り専用セグメント及びプログラム可能セグメントを有し;
前記チップコードは前記読み取り専用セグメントにおいてプログラムされ;そして
前記組み合わせコードは前記プログラム可能セグメントにおいてプログラムされている;
カレンシーノート。
【請求項3】
請求項1に記載のカレンシーノートであって、前記第1チップは、前記第2チップと異なる他の周波数における無線通信のための手段を有する、カレンシーノート。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のカレンシーノートであって、前記第1及び第2チップは別個のスレッドに備えられている、カレンシーノート。
【請求項5】
請求項4に記載のカレンシーノートであって、前記のスレッドの一は金属スレッドである、カレンシーノート。
【請求項6】
第1チップ及び第2チップを有するカレンシーノートを初期化する方法であって、前記第1チップ及び第2チップの各々は:
読み取り専用セグメント及びプログラム可能セグメントを有する情報を記憶するためのメモリを有し、前記読み取り専用セグメントはチップコードを備え;そして
前記リーダと無線通信するための手段を備えている;
方法であり、
前記第1チップにおける前記チップコードを読み取る段階;
前記第1チップの前記プログラム可能セグメントに組み合わせコードを与える段階;
前記第2チップにおける前記チップコードを読み取る段階;
前記第2チップの前記プログラム可能セグメントに組み合わせコードを与える段階;並びに
前記カレンシーノートについての参照コードとして参照メモリに前記チップコード及び前記組み合わせコードを記憶する段階;
を有する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の複数のカレンシーノートを認識する方法であって:
前記複数のカレンシーノートの第1チップのメモリにおけるコードを読み取る段階;
前記複数のカレンシーノートの第2チップのメモリにおけるコードを読み取る段階;
組み合わせコードの比較により第1紙幣の前記第1チップ及び前記第2チップを識別する段階;並びに
前記組み合わせコードに基づいて第1レベルのカレンシーノートを認識する段階;
を有する方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって:
前記第1カレンシーノートの前記第1及び第2チップの前記チップコードを読み取る段階;
前記第1カレンシーノートについての参照コードと前記第1カレンシーノートの前記第1及び第2チップの前記チップコードを比較する段階;並びに
前記チップコードが前記参照コードと適合する場合に、前記第1カレンシーノートを認識する段階;
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−506552(P2008−506552A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520955(P2007−520955)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052305
【国際公開番号】WO2006/008700
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】