説明

セキュリティー機能を備えた記憶媒体のリモート・セキュリティー・システム

【課題】カード等の記憶媒体が盗難・紛失にあったとき、その使用を停止したり内容を消去でき、記憶媒体の内容を消去した場合であっても復元できるようにすること。
【解決手段】入力端末1と命令センタ2と、記憶部を有する無線通信装置(記憶媒体3)から構成されるリモート・セキュリティー・システムにおいて、入力端末1から暗証番号等の個人情報と、消去/復元/使用可否命令等のセキュリティー操作指示命令を入力すると、命令センタ2は入力された個人情報と記憶された個人識別情報を照合して確認を行い、照合結果が確認されたら、該当する無線通信装置に対して、装置を特定する番号と、該消去指示命令を送信する。無線通信装置は、受信した消去指示命令が自身に対する命令であるかを該命令センタから送信された該装置を特定する番号で確認し、確認されたら該消去指示命令に対応した処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
近年、ICカード、IDカード、メモリカード等の記憶媒体が種々の分野で利用されるようになってきている。
本発明は上記した記憶媒体のセキュリティーを保持することができるセキュリティー機能を備えた記憶媒体およびセキュリティー・システムに関し、特に本発明は、電波により記憶媒体の内容を消去したり使用不能にすることができ、また、記憶媒体の内容を消去したり使用不可とした場合であっても、直ちにその内容を復元したり使用可とすることができる、セキュリティー機能を備えた記憶媒体および記憶媒体のリモート・セキュリティー・システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICカード、メモリカード、IDカードが盗難にあったりこれらのカードを紛失した際、これらカードが管理センタに登録されているICカード、IDカード等の場合には、電話等により該カードの管理センタに連絡し、該カードの使用を停止する処置を行うことができる(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記方法では、所有者が届け出てから使用停止の状態になるまでに時間を要する場合があり、データベースに直ちにアクセスできない状況においては、カードが不正使用される危険性がある。
また、暗証番号、重要情報、プライベートな情報が格納されているIDカード、メモリカード等の場合には、カードを使用停止にしても、カードに記憶されている上記情報等が解読されて不正使用されたり、情報が外部に流出する危険性がある。
【特許文献1】特開平7−152834号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のように、従来においては、カード等の記憶媒体が盗難にあったり、紛失した場合、記憶媒体が不正使用されたり記憶媒体の内容が解読されて不正使用される危険性があり、これらのセキュリティーを充分に確保することができなかった。
また、従来においては、カード等の記憶媒体の内容を消去したり使用不可とした場合、その内容を復元したり使用可とすることができなかった。
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであって、カード等の記憶媒体が盗難にあったり記憶媒体を紛失したとき、直ちにその使用を停止したり、その内容を消去することができ、また、記憶媒体の内容を消去した場合であっても、カードの内容を直ちに復元することができるセキュリティー機能を備えた記憶媒体および記憶媒体のリモート・セキュリティー・システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図1は本発明の原理図である。同図において、1は電話、携帯電話、PHS、パソコン等の入力端末であり、入力端末1から暗証番号、パスワード等の個人情報、あるいは、音声、指紋等の各個人を同定するための個人識別情報と、消去/復元/使用可否命令等のセキュリティー操作指示命令を入力する。
2は上記入力端末1と公衆回線等を介して接続された命令センタであり、命令センタ2は上記入力端末11から入力された上記個人情報、セキュリティー操作指示命令等を受け付け、上記個人情報、セキュリティー操作指示命令等を電波により送信する。
3はICカード、IDカード、メモリカード等の記憶媒体(無線通信装置)であり、記憶媒体3は少なくとも上記命令センタ2が送信する電波を受信する手段を備えており、上記命令センタ2が送信する個人情報、セキュリティー操作指示命令等を受信し、上記命令内容に応じて当該記憶媒体3の記憶情報の消去/復元/再設定を行うとともに、当該記憶媒体3の使用を不可としたり使用可能とする。
【0005】
図1に示すように、本発明においては次のようにして前記課題を解決する。
(1)リモート・セキュリティー・システムにおける命令センタに、個人を識別する個人識別情報を記憶する手段と、入力端末から入力された個人情報と、記憶部を有する無線通信装置に対してデータの消去を指示するデータ消去指示命令を受信する手段と、受信した該個人情報と記憶している該個人識別情報と照合し、前記データ消去指示命令を実行する権限を有するものからの入力であるかを確認する手段と、前記確認手段によりデータ消去指示命令の権限を有するものからの入力であることが確認された場合に、該当する無線通信装置に対して、装置を特定する番号と、該データ消去指示命令を送信し、該無線通信装置の記憶部のデータ消去を指示する手段を設ける。
(2)リモート・セキュリティー・システムにおける無線通信装置に、個人情報とデータの消去指示命令を入力端末装置から受信した命令センタにて該個人情報の照合を行った後に、該命令センタから送信される装置を特定する情報とデータ消去指示命令を受信する受信手段と、該装置を特定する情報の照合を行うと共に、受信した該データ消去指示命令に対応して、記憶部に格納されたデータを消去する記憶部を設ける。
(3)リモート・セキュリティー・システムにおける無線通信装置に、個人情報とデータの復元/再設定指示命令を入力端末装置から受信した命令センタにて該個人情報の照合を行った後に、該命令センタから送信される装置を特定する情報と該データ復元/再設定指示命令を受信する受信手段と、該装置を特定する情報の照合を行うと共に、受信した該データ復元/再設定指示命令に対応して、記憶部に格納されたデータの復元/再設定を行う記憶部を設ける。
(4)リモート・セキュリティー・システムにおける無線通信装置に、個人情報と装置の使用可不可指示命令を入力端末装置から受信した命令センタにて該個人情報の照合を行った後に、該命令センタから送信される装置を特定する情報と該装置の使用可不可指示命令を受信する受信手段と、該装置を特定する情報の照合を行うと共に、受信した該使用可不可指示命令に対応した処理を実行する命令実行手段とを備え、受信した該使用可不可指示命令が、無線通信装置の使用不可命令であれば当該無線装置を使用不可状態にし、当該無線通信装置が使用不可状態で、受信した該無線装置の使用可不可指示命令が使用可能命令であれば当該無線通信装置を使用可能とする記憶部を設ける。
(5)個人を識別する個人情報と該当する無線通信装置に対するデータ消去指示命令を入力する入力端末と、該入力端末から入力された個人情報と消去指示命令を受け付ける受付手段と、該消去指示命令を無線通信装置に送出する送信手段とを備えた命令センタと、該命令センタから送信される消去指示命令を受信する受信手段と、受信した消去指示命令に対応した処理を実行する命令実行手段とを備えた記憶部を有する無線通信装置から構成されるリモート・セキュリティー・システムにおいて、該命令センタは、無線通信装置のデータの消去を行う権限を有するものを識別するための個人識別情報を記憶しており、該入力端末から消去指示命令とともに個人情報が入力されたとき、該命令センタは、前記入力された個人情報と前記記憶された個人識別情報を照合して確認を行い、照合結果が確認されたら、該当する無線通信装置に対して、装置を特定する番号と、該消去指示命令を送信し、該無線通信装置は、前記受信した消去指示命令が自身に対する命令であるかを該命令センタから送信された該装置を特定する番号で確認し、確認されたら該消去指示命令に対応した処理を実行する。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明においては以下の効果を得ることができる。
(1)記憶媒体が盗難・紛失した場合であっても、直ちに記憶媒体の内容を消去したり記憶媒体を使用不可とすることができ、記憶媒体のセキュリティーを確保することができるとともに、記憶媒体の内容を誤って消去あるいは使用不可としたり、記憶媒体の内容が消失した場合であっても、直ちにその内容を復元したり、再設定することができる。
(2)記憶媒体および/または命令センタにおいて、入力端末から入力された個人情報、個人識別情報と、記憶媒体および/または命令センタに格納された個人情報、個人識別情報を照合するようにしているので、セキュリティー操作を行う権限を持たないものによる操作を防ぐことができ、記憶媒体のセキュリティーを確保することが可能となる。
(3)記憶媒体側で当該記憶媒体を使用可/否とするともに、命令センタ側で記憶媒体の使用可否を設定できるようにすることにより、一層、記憶媒体のセキュリティーを確保することができる。
(4)記憶媒体に送信手段を設けることにより、記憶媒体3から命令センタ2に対して、セキュリティー操作指示命令やデータ等を送出することができる。
(5)記憶媒体に送出する電波として、携帯電話、ポケベル、PHS等の既存の電波網を利用することにより、新たに専用の電波網を設置する必要がなくコストの低減化等を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図2は本発明の実施例のリモート・セキュリティー・システムの全体構成を示す図である。同図において、11は携帯電話、PHS、あるいは公衆回線に接続された電話器、FAX、パソコン等の入力端末、12は上記入力端末11と公衆回線、専用回線等で接続された命令センタ、13は電波を受信する機能を備えた記憶媒体(以下、本実施例ではカードという)である。
命令センタ12は、入力端末11から送信されるセキュリティー操作指示命令等の情報を受け付ける機能と、受信したセキュリティー操作命令を命令センタ12の記憶手段に記憶された個人を識別するための個人情報等に基づき実行可能か否かを判断する機能と、カード13に対して電波で命令等を送出する機能を備えている。そして、入力端末11からセキュリティー操作指示命令を受け付けると、セキュリティー操作指示命令の内容を判断し、カードに対して電波によりセキュリティー操作指示命令送信したり、カード13の記憶情報のバックアップを行ったり、あるいは、カードの使用可否の判断等を行う。
【0008】
命令センタ12から送出される電波としては、携帯電話、ポケベル、PHS等の既存の電波網を利用したり、あるいは、新たに専用の電波網を整備することができ、上記既存の電波網を利用すれば、コスト、技術面で有利となる。
なお、入力端末11としては、上記電話等の他、イメージ読み取り機能を備えたパソコンあるいは専用の端末を用いることもでき、これらの入力端末を使用する場合には、個人を同定するための識別情報として、例えば、指紋、目の網膜の形状等を利用することもできる(以下の説明では、上記指紋、網膜の形状、あるいは音声等の個人を同定するための情報を個人識別情報といい、暗証番号、パスワード等を個人情報という)。
【0009】
図3は本実施例のカードの構成を示す図である。同図において、13は上記したカードであり、カード13は、入力端末11や命令センタ12等からの命令等を受信するアンテナ等を内蔵した受信部131と、命令実行部132と、記憶部133を備えている。
命令実行部132は、個人情報判断部132aと、命令判断・実行部132bを備えており、上記受信部131で受け付けた情報を比較処理したり、命令内容の判断・実行を行う。
また、記憶部133には、下記の情報が格納される。
(1) 個人情報
命令等を転送した側(例えばカードを紛失したカード所有者)が、カードの所有者本人等、カードに命令を発行する権限を有するものであることをカード側に認識させるための情報であり、例えば、暗証番号、パスワード等である。なお、カードに前記した音声、指紋等の個人識別情報を記憶させてもよい。
(2) 命令内容
転送された命令がどんな内容のものかを判断するための情報であり、本実施例における命令としては、例えば、カードの使用不能化命令、使用許可命令、データ消去命令等がある。
(3) データ
例えば、ICカード等の場合には、通帳の金額等、他人に知られたくない情報である。(4) 制御情報
カードが使用可能か使用不可能かを命令実行部132に判断させるための情報である。
【0010】
図4〜図9は命令センタ、カードにおける処理を説明する図であり、同図により本実施例を説明する。
(1)カードに記憶された情報の消去動作
カードが盗難にあったりカードを紛失すると、カードが不正使用されたり、場合によってはカードに記憶された暗証番号、重要情報、他人に知られたくない情報が解読され不正使用されたり流出する危険性がある。このような問題に対処するためには、カードに記憶された情報を直ちに消去することが望ましい。
この場合には、以下図4で説明するように、カードの本来の所有者など、カードの内容を消去する権限を有するものが電話等の入力端末11から消去命令を送出しカードの記憶内容を消去する。なお、前記したように、入力端末11としては、電話、パソコン、携帯電話等を使用することができるが、以下の説明では主として電話を用いて命令を送出する場合について説明する。
【0011】
図4において、例えばカードの所有者が命令送出専用の電話番号(命令センタの電話番号)により、命令センタ12を呼び出し、暗証番号等のカード所有者本人であることを確認するための個人情報(暗証番号、パスワード等)と、カード番号と、消去命令を送出する。上記操作は例えばポケベルに情報を送出するときと同様な操作で行うことができる。
命令センタ12は上記情報を命令受付部121で受け付け、命令判断部122で受け付けた個人情報を個人情報記憶部122に格納された情報と照合し、受け付けた命令が、所有者本人などの命令を発行する権限を有するものから送出された命令であり、命令が実行可能であることを確認する。そして、送信部124から電波によりカード13へ個人情報、命令、カード番号等を送出する。
カード13においては、上記情報を受信部131で受信し、命令実行部132において、受信されたカード番号が自カードの番号であることを確認するとともに、カードの記憶部133に記憶された個人情報と照合する。
そして、ガードの本来の所有者など命令を発行する権限を有するものから送信された命令であることを確認すると、命令実行部132は、前記した記憶部133に格納された「命令内容」に基づき消去命令を実行する。これにより、記憶部133に記憶されたデータ等が消去される。
【0012】
なお、上記説明では、入力端末から入力された個人情報の照合を命令センタ12およびカード13の両方で行っているが、例えば、命令センタ12で個人情報を照合し、カード13側でカード番号を照合するようにしてもよい。
また、上記説明では、ポケベルに情報を送出するときと同様な操作で命令センタ12に個人情報、命令等を送出する場合について説明したが、入力端末11から音声により命令センタ12に情報を送出するようにしてもよい。
この場合には、命令センタ側に設けた音声認識手段を利用して個人情報、命令等を認識する。
その際、命令センタに個人識別情報としてカード所有者の音声の特徴を登録しておけば、上記入力端末11から送信された音声の特徴を、命令センタに登録された音声の特徴と照合し、入力端末11から命令等を送出したものが、所有者本人などのデータを消去する権限を持つものであるか否かを確認することができる。
さらに、前記したように、イメージ読み取り機能を備えたパソコンあるいは専用の入力端末を用いて命令等を送出する場合には、操作者の指紋あるいは網膜の形状等を命令センタ12に送出することができる。そして、これらの情報を命令センタ12、もしくはカード13に登録しておけば、上記と同様、入力端末11から命令等を送出した者がカード所有者本人等のデータを消去する権限を持つものであるか否かを確実に確認することができる。
【0013】
(2)消去したデータの復元、情報の再入力
上記(1)のようにカードの情報を消去したのち、カードが本来の所有者の所に戻った場合には、カードのデータを復元しカードを再利用できるようにすることが望ましい。また、なんらかの原因でカードの記憶内容が消失した場合にもカードに情報を再入力できるようすることが望ましい。
そこで、以下図5で説明するように、命令センタ12にカード13のバックアップ情報を記憶させておき、入力端末11からの指示により、上記バックアップ情報をカードに送信し、消去したデータの復元、情報の再入力を行う。
【0014】
図5において、入力端末11から命令センタ12を呼び出し、個人情報(暗証番号、パスワード等)と、カード番号と、復元命令、もしくは情報再入力命令を送出する。
命令センタ12は上記情報を命令受付部121で受け付け、命令判断部122で受け付けた個人情報を個人情報記憶部123に格納された情報と照合し、命令が実行可能であることを確認する。そして、予め命令センタ12のバックアップ情報記憶部125に格納されたバックアップ情報を読み出し、送信部124から電波によりカード13へ個人情報、命令、カード番号、バックアップ情報を送出する。
カード13においては、上記情報を受信部131で受信し、命令実行部132において、受信されたカード番号が自カードの番号であることを確認するとともに、カードの記憶部133に記憶された個人情報と照合する。
そして、実行可能な命令であることを確認すると、命令実行部132は、情報復元あるいは情報再入力命令を実行し、上記バックアップ情報をカード13に書き込む。
【0015】
なお、本実施例においても、(1)と同様、入力端末11から音声により命令センタ12に情報を送出したり、イメージ読み取り機能を備えたパソコンあるいは専用の入力端末を用いて命令等を送出することができ、これにより、前記したように、入力端末11から命令を送出したものが適切な権限を有するものであるか否かを確実に確認することができる。
【0016】
(3)カードの使用不可、使用可の設定
カードが盗難にあったり、紛失した場合、カードの不正使用を防ぐためカードを使用不可とし、また、カードが本来の所有者の元に戻った場合には、カードを使用可とすることが望ましい。
そこで、以下図6〜図8で説明するように、入力端末11から上記カードの使用不可、使用可命令を送出し、カードを使用不可/使用可とする。その場合、(1) カードのみを使用不可/使用可とする場合(図6)、(2) カードを使用不可/使用可にするとともに、そのカードを命令センタにおいて使用不可/使用可とする場合(図7)、あるいは、(3) そのカードを命令センタのみで使用不可、使用可とする場合(図8)の3通りを方法を用いることができる。
なお、上記(1) のようにカードのみを使用不可とした場合には、例えば、カードを取得したものが、カードの内容を解読し入力端末11から、個人情報等とともにカード使用可能命令を送出しカードを利用可能とする危険性がある。このような問題に対処するためには、上記(2) のように命令センタ12も含めてそのカードの使用を不可とし、命令センタで使用不可とされたカードは、入力端末11からでは使用可にできないようにすればよい。
【0017】
図6は上記(1) のように、カードのみを使用不可、使用可能とする場合を説明する図である。
図6において、入力端末11から命令センタ12を呼び出し、個人情報(暗証番号、パスワード等)と、カード番号と、使用不可、もしくは使用可能命令を送出すると、命令センタ12は上記情報を命令受付部121で受け付け、命令判断部122で受け付けた個人情報を個人情報記憶部122に格納された情報と照合し、命令が実行可能であることを確認する。そして、送信部124から電波によりカード13へ、個人情報、使用不可もしくは使用可能化命令、カード番号を送出する。
カード13においては、上記情報を受信部131で受信し、命令実行部132において、受信されたカード番号が自カードの番号であることを確認するとともに、カードの記憶部133に記憶された個人情報と照合する。そして使用の可否を判断し、実行部において、カードを使用不可もしくは使用可能とする。
【0018】
図7は上記(2) のように、カードおよび命令センタの両方において使用不可、使用可能とする場合を説明する図である。
図7において、入力端末11から命令センタ12を呼び出し、個人情報(暗証番号、パスワード等)と、カード番号と、使用不可もしくは使用可能命令を送出すると、命令センタ12は上記情報を命令受付部121で受け付け、命令判断部122で受け付けた個人情報を個人情報記憶部122に格納された情報と照合する。そして、使用可否を判断し、命令センタ12において、該当するカードを使用可もしくは使用不可とする。そして、送信部124から電波によりカード13へ個人情報、使用不可もしくは使用可能化命令、カード番号を送出する。
カード13においては、上記情報を受信部131で受信し、命令実行部132において、受信されたカード番号が自カードの番号であることを確認するとともに、カードの記憶部133に記憶された個人情報と照合して使用可否を判断し、実行部において、カードを使用不可、もしくは、使用可能とする。
【0019】
図8は上記(3) のように、カードを命令センタのみで使用不可、使用可能とする場合を説明する図である。
図8において、入力端末11から命令センタ12を呼び出し、個人情報(暗証番号、パスワード等)と、カード番号と、使用不可もしくは使用可能命令を送出すると、命令センタ12は上記情報を命令受付部121で受け付け、命令判断部122で受け付けた個人情報を個人情報記憶部122に格納された情報と照合する。そして使用可否を判断し、命令センタ12において、該当するカードの使用を可もしくは使用不可とする。この場合には、カード自体を使用不可とすることはできないが、命令センタ12で使用不可となっているので、IDカード等の場合には事実上カードを使用することはできない。
【0020】
なお、本実施例においても、(1)と同様、入力端末11から音声により命令センタ12に情報を送出したり、イメージ読み取り機能を備えたパソコンあるいは専用の入力端末を用いて命令等を送出することができ、これにより、前記したように、入力端末11から命令を送出したものが権限を有するものであるかを確実に確認することができる。
【0021】
上記実施例では、カード13に電波の受信機能のみを設けた場合について説明したが、カード13に電波を発信する機能を設け、図9に示すようにカード13から命令センタ12に命令等を送信するように構成することもできる。
このように構成すれば、例えば、盗難・紛失にあったカードを取得したものが、内部に記憶された情報を解読しようとしたとき、カード13から命令センタ12に電波により受付拒否の命令を発信し、命令センタ12側でカードの使用を不可とすることができる。
また、ガード13に記憶された情報が動的に変化する場合であっても、カード13に記憶された情報が変化する都度、命令センタ12側にカード13に記憶される情報を送信し、命令センタ12に記憶される情報とカード13に記憶された情報とを一致させることができる。
なお、上記実施例では命令センタとカード間で命令等を送受する場合について説明したが、中継施設等を介してカードと命令センタ間で送受信するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の実施例の全体構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例のカードの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例の消去動作を説明する図である。
【図5】本発明の実施例の復元/再設定動作を説明する図である。
【図6】本発明の実施例の使用可否設定動作を説明する図である。
【図7】本発明の実施例の使用可否設定動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施例の使用可否設定動作を説明する図である。
【図9】記憶媒体に送信手段を設けた場合の動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0023】
1 入力端末
2 命令センタ
3 記憶媒体
11 入力端末
12 命令センタ
121 命令受付部
122 命令判断部
123 個人情報記憶部
124 送信部
125 バックアップ情報記憶部
13 カード
131 受信部
132 命令実行部
133 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人を識別する個人識別情報を記憶する手段と、
入力端末から入力された個人情報と、記憶部を有する無線通信装置に対してデータの消去を指示するデータ消去指示命令を受信する手段と、
受信した該個人情報と記憶している該個人識別情報と照合し、前記データ消去指示命令を実行する権限を有するものからの入力であるかを確認する手段と、
前記確認手段によりデータ消去指示命令の権限を有するものからの入力であることが確認された場合に、該当する無線通信装置に対して、装置を特定する番号と、該データ消去指示命令を送信し、該無線通信装置の記憶部のデータ消去を指示する手段とを有することを特徴とする命令センタ。
【請求項2】
個人情報とデータの消去指示命令を入力端末装置から受信した命令センタにて該個人情報の照合を行った後に、該命令センタから送信される装置を特定する情報とデータ消去指示命令を受信する受信手段と、
該装置を特定する情報の照合を行うと共に、受信した該データ消去指示命令に対応して、記憶部に格納されたデータを消去することを特徴とする記憶部を有する無線通信装置。
【請求項3】
個人情報とデータの復元/再設定指示命令を入力端末装置から受信した命令センタにて該個人情報の照合を行った後に、該命令センタから送信される装置を特定する情報と該データ復元/再設定指示命令を受信する受信手段と、
該装置を特定する情報の照合を行うと共に、受信した該データ復元/再設定指示命令に対応して、記憶部に格納されたデータの復元/再設定を行うことを特徴とする記憶部を有する無線通信装置。
【請求項4】
個人情報と装置の使用可不可指示命令を入力端末装置から受信した命令センタにて該個人情報の照合を行った後に、該命令センタから送信される装置を特定する情報と該装置の使用可不可指示命令を受信する受信手段と、
該装置を特定する情報の照合を行うと共に、受信した該使用可不可指示命令に対応した処理を実行する命令実行手段とを備え、
受信した該使用可不可指示命令が、無線通信装置の使用不可命令であれば当該無線装置を使用不可状態にし、
当該無線通信装置が使用不可状態で、受信した該無線装置の使用可不可指示命令が使用可能命令であれば当該無線通信装置を使用可能とすることを特徴とする記憶部を有する無線通信装置。
【請求項5】
個人を識別する個人情報と該当する無線通信装置に対するデータ消去指示命令を入力する入力端末と、
該入力端末から入力された個人情報と消去指示命令を受け付ける受付手段と、該消去指示命令を無線通信装置に送出する送信手段とを備えた命令センタと、
該命令センタから送信される消去指示命令を受信する受信手段と、受信した消去指示命令に対応した処理を実行する命令実行手段とを備えた記憶部を有する無線通信装置から構成されるリモート・セキュリティー・システムであって、
該命令センタは、無線通信装置のデータの消去を行う権限を有するものを識別するための個人識別情報を記憶しており、
該入力端末から消去指示命令とともに個人情報が入力されたとき、該命令センタは、前記入力された個人情報と前記記憶された個人識別情報を照合して確認を行い、照合結果が確認されたら、該当する無線通信装置に対して、装置を特定する番号と、該消去指示命令を送信し、
該無線通信装置は、前記受信した消去指示命令が自身に対する命令であるかを該命令センタから送信された該装置を特定する番号で確認し、確認されたら該消去指示命令に対応した処理を実行することを特徴とするリモート・セキュリティー・システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−179575(P2007−179575A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−91483(P2007−91483)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【分割の表示】特願平9−107150の分割
【原出願日】平成9年4月24日(1997.4.24)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】