説明

セキュリティ表示アセンブリ

本発明は、表示画像を提供するためのディスプレイ12;52とホログラフィ画像を提供するためのホログラム14;54とを有するセキュリティ表示アセンブリ10;50に関する。このホログラムは、ディスプレイに一体化され、ディスプレイと略同じか又はこれより小さい領域を使う。ホログラムをディスプレイに一体化することにより、セキュリティ表示アセンブリが設けられる製品の偽造がより困難になる。また、セキュリティ表示アセンブリが設けられる製品の空間を節約する。本発明は、このようなセキュリティ表示アセンブリを有するスマートカード20にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティ表示アセンブリ及び当該セキュリティ表示アセンブリを有するスマートカードのようなセキュリティ製品に関する。
【背景技術】
【0002】
偽造を防止するために、機密保護の特徴を備えたクレジットカード、運転免許証、IDカードなどの物品を提供することはよく知られている。この機密保護の特徴は、例えば、ホログラフィ画像を提供する当該物品の表面に付与されたホログラムとすることができる。同時に、クレジットカード、運転免許証、IDカードなどに、スマートカード技術が益々用いられてきている。今日、スマートカードは、スマートカードの特定の使用に応じて幅の広い範囲の情報内容を表示するために用いられるディスプレイをさらに有することができる。
【0003】
しかしながら、マートカードでは、利用可能なスペースは非常に限られており、カードの物理的寸法は、大抵は標準化されている。したがって、ディスプレイの統合化は、現存の情報及びカードの設計と対立することになり、ディスプレイ、ディスプレイを制御するためのインターフェース、セキュリティの特徴、スマートカードチップ、ロゴ及び他のプリントされた情報などのような全ての必要なアイテムのためにスマートカード上の空間を見つけることがとても難しい。さらに、偽造製品を製造するため、IDカード又はクレジットカードのようなアイテムに対して表面実装ホログラムを付けたり取ったりすることは、誰もが比較的に容易なことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、こうした問題の少なくとも1つを克服し、特にスマートカードと関連した使用に適したものとなる改善されたセキュリティの特徴を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の説明から明らかとなるこの目的及びその他の目的は、組み合わされたセキュリティ特徴及びディスプレイ(「セキュリティ表示アセンブリ」)及び付随の請求項によるこのようなセキュリティ表示アセンブリを有するセキュリティ製品によって達成される。
【0006】
本発明の一態様によれば、セキュリティ表示アセンブリであって、表示画像を提供するディスプレイと、ホログラフィ画像を提供するホログラムと、を有し、前記ホログラムは、前記ディスプレイと統合され、前記ホログラムは、前記ディスプレイと略同等以下の領域を使う、アセンブリが提供される。
【0007】
ディスプレイの中にホログラムを統合させることは、ホログラム及び/又はディスプレイを損傷又は崩壊させることなくホログラムを除去することを難しくし、安全性が向上する。また、セキュリティ表示アセンブリが特に標準のクレジットカードサイズのスマートカード上に付けられる製品上の貴重な空間を節約する。さらに、偽造をより困難にする。これは単に、従来技術のように製品上の他の何らかの箇所にホログラムを配置するだけよりも、ホログラムをディスプレイに統合することがより難しいからである。
【0008】
ホログラムをディスプレイに統合する場合、ホログラムは、ディスプレイの光学的積層又は層構造において、ディスプレイ内部に位置付けられることが可能である。さらに、ホログラムは、基本的にディスプレイの全領域をカバーする、すなわちディスプレイと同じサイズを有するか、又はディスプレイ領域の一部をカバーすることができる。
【0009】
一実施例において、前記ディスプレイ及びホログラムは、位置合わせされて前記表示画像及びホログラフィ画像が合成画像を形成する。すなわち、観察者は、1つの完全な画像として表示画像及びホログラフィ画像を扱うことになる。本物のデバイスのユーザが当該ディスプレイにおいて表示画像及びホログラフィ画像の両方を見るはずなので、この合成画像は、高い安全性を提供する。また、位置合わせの品質も、セキュリティ表示アセンブリが設けられる製品の信憑性の確認をなすことになる。また、情報の提示に関しては、例えば表示画像の内容をホログラフィ画像の内容と整合させることができるという利点を奏する。
【0010】
当該位置合わせを全ての関連する視野角において最適に生じさせるため、ディスプレイのホログラムと「画像形成層」又は電気光学活性層(例えば電気的に駆動されると光学特性が変化する層)との間の距離が最小化されるのがよい。したがって、一実施例では、前記ホログラムは、前記ディスプレイの画像形成層の近くに位置付けられる、すなわちディスプレイの画像形成層に非常に近い箇所に位置付けられる。「画像形成層」は、例えば液晶ディスプレイにおける液晶層とすることができる。好ましくは、ホログラムと画像形成層との間の距離は、表示要素のサイズ以下とされる。この表示要素は、例えば、画素、セグメント、アイコンなどとすることができる。ホログラムと画像表示層との間の距離は、例えば表示要素のサイズの10%〜70%に等しいものとすることができる。
【0011】
他の実施例において、セキュリティ表示アセンブリは、所定の範囲及び方向において前記層に向かって到来する光を焦合させるよう適合されたホログラフィ層をさらに有する。その態様において、ディスプレイの輝度を或る方向において増加させることができる。好ましくは、ホログラフィ層は、限定された所定の視野角において表示の輝度を増加させるように適合させられる。なお、電気泳動ディスプレイにおいては、これは、当該ディスプレイからの回折光がホログラムを形成するための光として用いられるとき、すなわち透過性ホログラムが用いられるときにのみ可能である。これにより、この視野範囲内での表示の判読率が向上する。同時に、輝度は、当該視野範囲外の他の角度に対しては減少することになる。これにより、当該視野範囲の外からディスプレイを見る傍観者に対する表示の判読率が減り、もって、セキュリティ表示アセンブリの安全性が向上する(特に、電気泳動ディスプレイのようなランバーティアン型の視認を伴うディスプレイに対して重要な利点となる)。例えば、本人は、自分の近くに立っている傍観者がセキュリティ表示アセンブリ上の情報を見ることなくセキュリティ表示アセンブリが設けられた自分のバンキングスマートカード上の残高を確認することができる。好ましくは、ホログラフィ層は、ホログラフィ画像を提供するホログラムと統合されるのが良い。すなわち、セキュリティ表示アセンブリのホログラムは、ホログラフィ画像と輝度向上機能の双方を提供するのである。
【0012】
好ましくは、セキュリティ表示アセンブリの表示を反射型表示とするのが良い。スマートカードのような、セキュリティ表示アセンブリが有利に組み込まれる製品は、大抵、非常に低い電力の製品であり、反射型表示が適切なものとなる。反射型表示では、観察者側からの入射光(室内照明又は日光のような外部光)は、画像形成層を通じ観察者に向かって戻るよう反射器により反射され、又は電気泳動ディスプレイにおけるが如く電気光学層により散乱させられる。
【0013】
ホログラムは、ディスプレイの画像形成層の前部に配置可能である。すなわち、ディスプレイを見る観察者に向かうものとすることができる。或いは、ホログラムは、ディスプレイの画像形成層の背後に配置可能である。
【0014】
セキュリティ装置におけるディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ(例えばTN,STN,IPS,VAN,CTLC,双安定ネマチック,成層LCDなど)、電気泳動ディスプレイ(Eインクなど)、エレクトロクロミックディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイ(OLEDなど)又はエレクトロウェッティングディスプレイとすることができる。
【0015】
本発明の他の態様によれば、上述によるセキュリティ表示アセンブリを有するスマートカードのようなセキュリティ製品が提供される。このセキュリティ製品は、本発明の前述した態様によって得られるのと同様の利点を奏する。例えば、ホログラムがディスプレイに統合される場合、ディスプレイと実質的に同じセキュリティ製品上の領域においてホログラムが位置付けられ、製品の表面上の空間を少ししか使わない。
【0016】
以下、本発明のこれらの態様及びその他の態様を、本発明の現時点で好適な実施例を示す添付の図面を参照して詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施例によるセキュリティ表示アセンブリ10の正面図である。セキュリティ表示アセンブリ10は、ディスプレイ12及びホログラム14を有し、このホログラムは、ディスプレイに統合されている。ホログラム14は、ディスプレイ12の中に集積され、当該ディスプレイの領域外へは延びていないので、それが付与されている製品上の不要な空間を使わない。
【0018】
図1において、ディスプレイ12は、テキスト16を生成するとともに、ホログラム14は、ホログラフィ画像の形態でシンボル18を提供する。ディスプレイの画像形成層の近くにホログラムを配置しディスプレイのアクティブ領域に対してホログラムを位置合わせすることにより、図1に示されるような合成画像が形成される。すなわち、図1では、表示画像及びホログラフィ画像は重ね合わされている。
【0019】
例えば、テキスト及びシンボル双方を伴うロゴタイプの場合、表示画像及びホログラフィ画像は共に、図1におけるが如く完結したロゴタイプを形成する。但し、利用可能な表示画像及びホログラフィ画像の他の様々な組み合わせもある。例えば、ディスプレイにより表示されるアイコンを、対応するホログラフィ画像により強調することができる。
【0020】
図2は、本発明によるセキュリティ表示アセンブリ10を有するスマートカード20を示している。スマートカード20は、標準のクレジットカードサイズのものとするのが好ましく、セキュリティ表示アセンブリ10は、上述のようにディスプレイ及び一体化されるホログラムを有する。ホログラムがディスプレイに統合される場合、ホログラムは、スマートカードの表面上のディスプレイと実質的に同じ領域に位置付けられ、これにより、スマートカード上、貴重な空間が節約される。さらに、ホログラフィ画像と相互作用する表示画像又はテキストは、スマートカードプロセッサに安全に記憶されうる。スマートカードは、例えば、スマートカードの開始及び/又はシャットダウン、及び/又はボタン又はボタンの組み合わせの押圧により、ホログラフィ画像を補足する表示テキストが視認可能となるようにプログラム可能である。
【0021】
図3aは、STN液晶ディスプレイ12を有するセキュリティ表示アセンブリ10の概略的な断面図である。ディスプレイ12は、液晶層22を有しており、この層がディスプレイの主たる画像形成層を構成する。液晶層22は、表示基板24aと24bとの間に介在させられる。基板24bの後部には金属化された反射器26が設けられ、基板24aの前部にはリターダ28が設けられ、また、リターダ28の前には偏光子30が設けられる。これら要素は、当業者に知られた標準の反射型液晶ディスプレイの一部を形成する。
【0022】
セキュリティ表示アセンブリ10はさらに、ホログラム14を有する。ホログラム14は、ディスプレイの内部に配置され、リターダ28と表示基板24aとの間に介在させられる。したがって、図3aにおいて、ホログラム14は、液晶層22と観察者との間で液晶層22の前方に位置付けられる。図3aにおけるホログラム14は、反射型ホログラフィ再現情報、すなわち反射型ホログラムを有する透明なホログラフィフィルムである。
【0023】
セキュリティ表示アセンブリ10の動作により、ディスプレイに外部から入射する光の一部は、反射型ホログラム14により当該入射光と同じ側に向かって回折され、これにより、ホログラム14は、ホログラフィ視野錐体32により示されるようなホログラフィ画像を提供する。ホログラムにより回折されない入射光の一部は、ディスプレイ12の通常の光学経路の一部であり、これにより、ディスプレイ12は、主たる表示視野錐体34により示されるような表示画像を提供する。
【0024】
図3bは、本発明の他の実施例によるセキュリティ表示アセンブリ10の概略的断面図である。図3bのセキュリティ表示アセンブリは、ホログラムが液晶層22の後部において、すなわち、表示構造体の背後において、基板24bと金属化反射器26との間に位置付けられることを除き、図3aのものと同様である。なお、ホログラム及び反射器を一体化しホログラフィリフレクタを形成することもできる。
【0025】
さらに、ホログラフィ画像及び表示画像を、例えば図3bに示されるように重ね合わせることができる。但し、ホログラフィ画像は、特定の視野角において視認可能なように調整可能である。したがって、表示画像の主たる視野方向34とは異なる方向にホログラフィ画像32を方向付けることができる。これにより、ホログラフィ画像及び表示画像の視覚的分離が可能となり、その例が図3cに示される。
【0026】
それ故、ホログラムにより回折された光は、セキュリティ表示アセンブリにおける非回折光とは異なる経路を有する。図3aにおいて、かかる回折光は、液晶層22並びに基板24a及び24bに向かって入っていないのに対し、図3bでは、当該回折光は金属化反射器26において反射されない。
【0027】
したがって、回折光の偏光状態は、設計に応じて、非回折光の偏光状態とは、ディスプレイの上部における偏光子において異なるものとなりうる。結果として、ホログラフィ画像は、表示画像が黒(非回折光が偏光子により吸収された場合)であるときも常に視認可能である。ホログラフィ画像は、ディスプレイの暗状態において最も良好な視認性となる。例えば、ディスプレイがノーマリブラック(NB)である場合、ホログラムは、ディスプレイがオフとなったときに容易に視認可能となる。
【0028】
或いはホログラムとディスプレイにおける電気光学層の状態/スイッチング作用との組み合わせを調整することにより、ホログラムの視認性を、ディスプレイの暗状態において又はディスプレイの明状態において、より高い視認性又はより低い視認性となる作用に調整することができる。得られる変化は、最大の視認可能状態から(概ね)視認不可能状態まで調整されうる。
【0029】
例えば、偏光感知又は偏光選択性ホログラムは、液晶ディスプレイの光路の中で用いることができる。上述したように、暗状態においては、通常は反射される光がディスプレイの上部における偏光子により吸収されることになる。但し、偏光感知又は偏光選択性ホログラムを、ホログラムにより回折された光が当該ホログラムにより回折されない反射光とは異なる或る特定の偏光を有するように適応させることができる。したがって、この回折光は、偏光子によって吸収されず、ホログラフィ画像は、表示画像が暗いときに明瞭に視認することができるものとなる。一方、ディスプレイの明状態において、ホログラムに入射する光は、ディスプレイの暗状態においてホログラムにおける入射光とは異なる偏光方向を有する。偏光選択性ホログラムは、この光を回折しないように調整することができるので、偏光方向が変わらない。したがって、ディスプレイの明状態においてホログラフィ画像は形成されない。
【0030】
ホログラフィ画像18の表示画像16との相互作用のために、図1に示されるように、ホログラムのディスプレイとの位置合わせが必要となる。この位置合わせが全ての関連する視野角において最適に生じるようにするため、ホログラムと画像形成層(図3a及び図3bにおける液晶層22)との間の距離を最小化することが重要である。したがって、ホログラムは、画像形成層の近くに位置付けられるのがよい。好ましくは、ホログラムと画像形成層との間の距離は、ディスプレイの要素のサイズ以下とするのが良い。
【0031】
さらに、LCDのケースでは、表示画像、例えば図1におけるテキストが明るいと、ディスプレイの後部における反射器からこの光が到来するように見える。したがって、最良の位置合わせを達成するために、図3bにおけるが如く反射器の近くにホログラムが配されるのが良い。他方、テキストが白背景上で黒ならば、このテキストは、ディスプレイの上部における偏光子上に形成されるように見える。したがって、ホログラム14は、図3aにおけるが如く偏光子の近くに配されるのが良い。テキストが白背景上に着色されるか、着色された背景上で黒であるか、又は黒背景上に着色されるものである場合、ホログラムの最良の位置は、同様に得られる。
【0032】
図3a及び図3bにおけるが如き反射性ホログラフィ再現情報を有するホログラムの代替えとして、透過性ホログラフィ再現情報を有するホログラム、すなわち透過型ホログラムを用いることができる。ホログラムが透過型ホログラムである場合、回折光は、非回折光と同様に(他の角度をもってではあるが)ディスプレイを通じることになる。したがって、この回折光は、ディスプレイがその暗状態に切り換わるときにも吸収されることになる。これにより、これもホログラフィ画像を含む白背景上の暗いテキストの重ね合わせが可能となる。それ故、テキストの判読率(コントラスト)は、付加的なホログラフィ画像の影響を受けない。また、この特徴は、新しいホログラフィの(非ホログラフィの)画像形成を提供するようホログラフィ画像から情報を引き出すために用いることができる。
【0033】
図4は、電気泳動ディスプレイ52を有するセキュリティ表示アセンブリ50の概略的断面図である。ディスプレイ52は、電気泳動媒体層56を有し、これが当該ディスプレイの主要な画像形成層を構成する。電気泳動媒体層56は、表示基板58aと58bとの間に介在させられる。基板58aの前方には、電気泳動媒体層56並びに基板58a及び58bを保護するためのバリアフィルム60が設けられる。これら要素は、当業者に知られる標準の電気泳動ディスプレイの一部を形成する。
【0034】
セキュリティ表示アセンブリ50はさらに、ホログラム54を有する。このホログラム54は、バリアフィルム60と表示基板58aとの間に介在させられる。したがって、図5において、ホログラム54は、画像形成層(すなわち、電気泳動媒体層56)の観察者側に位置付けられる。電気泳動ディスプレイは大抵は反射型散乱装置であるので、図5におけるホログラム54は、ディスプレイから散乱される光につき作用する透過性ホログラムか又は反射性ホログラムである。
【0035】
セキュリティ表示アセンブリ50の動作により、ホログラム54により提供される局部的に回折された光は、ディスプレイ52により提供される(主要な表示視野錐体64により示されるような)表示画像上に重ねられる(ホログラフィ視野錐体62により示されるような)ホログラフィ画像として観察者により確認されることになる。
【0036】
必須ではないが、本発明によるセキュリティ表示アセンブリは、ホログラフィ輝度向上層を有することができる。このホログラフィ層又はフィルムは、全ての方向から光を集め、それを特定の範囲及び方向において焦点合わせし、もってこの範囲及び方向におけるディスプレイの輝度を増加する。本発明の実施例によれば、ホログラフィ輝度向上層は、ホログラフィ画像を提供するホログラムと一体化される。すなわち、ホログラムは、ホログラフィ画像及び輝度向上機能の双方を提供する。
【0037】
ホログラフィ層は、限定された所定の視野範囲においてディスプレイの輝度を増加しこの視野範囲内でディスプレイの判読率を向上させるものとするのが好ましい。同時に、この輝度は、視野範囲外の他の角度については減少させられ、当該視野範囲外からディスプレイを見る傍観者のためにディスプレイの判読率を低下させるようにしてもよい。これは、図5に概略的に示され、36が増加した輝度を伴う主要な表示視野錐体を指し、38がホログラフィ視野錐体を指し、40が低い輝度を伴う領域を指す。したがって、視野範囲36及び38の外側の傾斜角からディスプレイを見るいずれの傍観者も、情報を殆ど又は全く見ることがない。このようにしてホログラフィ層を用いることにより、広域視野範囲を有する表示に有利となり、セキュリティの理由のための視野範囲が限定されるのがよい。
【0038】
当業者ならば、本発明が上述した好適実施例に限定されないことが分かる。対照的に、添付の請求項の範囲内で数多くの改変及び変形が可能である。例えば、上記の例では液晶ディスプレイ及び電気泳動ディスプレイそれぞれを示すものであるが、数多くの他のタイプのディスプレイを本発明によるセキュリティ表示アセンブリに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施例によるセキュリティ表示アセンブリの正面図。
【図2】本発明によるセキュリティ表示アセンブリを有するスマートカードを示す図。
【図3a】液晶ディスプレイを有するセキュリティ表示アセンブリの断面を概略的に示す図。
【図3b】液晶ディスプレイを有するセキュリティ表示アセンブリの断面を概略的に示す図。
【図3c】液晶ディスプレイを有するセキュリティ表示アセンブリの断面を概略的に示す図。
【図4】電気泳動ディスプレイを有するセキュリティ表示アセンブリの概略的断面図。
【図5】本発明の他の実施例によるセキュリティ表示アセンブリの出力を概略的に示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティ表示アセンブリであって、
・電気的に駆動される画像形成層を有し、表示画像を提供するディスプレイと、
・ホログラフィ画像を提供するホログラムと、
を有し、前記ホログラムは、前記ディスプレイと統合され、前記ホログラムは、前記ディスプレイと略同等以下の領域を使い前記ディスプレイの前記画像形成層の前方に配される、
アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ディスプレイ及びホログラムは、位置合わせされ、前記表示画像及びホログラフィ画像は、合成画像を形成する、アセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ホログラムは、前記ディスプレイの画像形成層の近くに位置付けられる、アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ホログラムと前記ディスプレイの画像形成層との間の距離は、表示要素のサイズ以下である、アセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、所定の範囲及び方向において前記層に向かって到来する光を焦合させるよう適合されたホログラフィ層をさらに有するアセンブリ。
【請求項6】
請求項5に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ホログラフィ層は、前記ホログラムと一体化される、アセンブリ。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちいずれか1つに記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ディスプレイは、当該表示アセンブリにおける光に電気光学スイッチング層がどのように影響を与えるかに基づいて暗状態及び明状態を有し、前記ホログラムは、前記光と選択的に相互作用するよう適合させられ、これにより、前記ホログラムの視認性が、前記状態の一方においては増加し前記状態の他方においては減少する、アセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ホログラムは、偏光選択性のものである、アセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ディスプレイは、反射型ディスプレイである、アセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載のセキュリティ表示アセンブリであって、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイ及びエレクトロウェッティングディスプレイのグループから選択されたディスプレイである、アセンブリ。
【請求項11】
請求項1ないし10のうちいずれか1つに記載のセキュリティ表示アセンブリを有するセキュリティ製品。
【請求項12】
請求項11に記載のセキュリティ製品であって、スマートカードである製品。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−500653(P2009−500653A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519095(P2008−519095)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052157
【国際公開番号】WO2007/004140
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】