説明

セグメント化された着脱可能な締結具

【課題】弾性ポリウレタンフォームで成形されるシート・クッション等の締結具(面ファスナー)を成形時に締結具をフォームから保護するカバー部材を破棄等の無駄にすることが無く、あらゆる形状に適用でき、確実に保護できるカバー部材の提供。
【解決手段】セグメント化されたフック・ループ式締結具10は、成形の形状に適合する様に、複数の締結セグメント12から構成され、ベース16部の締結面上には、フック形またはループ形のいずれかの複数の締結部材20が担持される。隣接する各一対の締結部材20の間に配され、かつこれらを接続するのが、二つまたは三つの直交する軸のまわりで撓むことができる締結セグメント12の幅よりも細い幅を有する可撓性ネックで連結され各セグメントは、モールド時に締結具を保護するバリヤを有する事で達成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に着脱可能な締結具に関し、特に、シート・クッション等の成形物に取り付けられる着脱可能な締結具に関する。
【背景技術】
【0002】
このような着脱可能な締結具の一部は、この着脱可能な締結具と対になる部分を担持するもう一つの物体に後で取り付けるため、成形プロセス中に、ポリウレタン・シーティングフォーム(polyurethane seating foam)等の成形された物体に通常組み込まれる。本発明の締結具は、締結具が取り付けられる箇所の成形方法を大幅に簡略化する。本明細書では、弾性ポリウレタンフォームまたは硬性プラスチック部品について特に言及しているが、本発明による締結具製品は、多様な材料(例えば、熱可塑性材料、熱硬化性材料、エラストマー、またはその他成形可能な組成物)から作られる複数の部分を使用することが可能であると理解される。
【0003】
本発明の譲受人によって、「ベルクロ」および「ウルトラメイト」の商標により販売されるもの等、着脱可能なフック・ループ締結具は周知であり、二つの部材を互いに着脱可能に接続するために用いられる。このタイプの締結具は、二つの構成要素を有している。各構成要素は、その表面上に締結システムの一つの構成要素を有する可撓性のある基板またはベースを有している。典型的には、一方の表面が弾性フックを担持し、他方の表面がループを担持している。この二つの表面が押し合わせられると、これらはかみ合って、取り外し可能な係合を形成する。
【0004】
このフックの形は、ステッキ形(cane-shaped)、ヤシの木形、およびマッシュルーム形を含むどのようなものであってもよく、これらはすべて、この分野では周知となっている。本出願中に使用される用語である「フック」、「フック形」および「フック状」は、ループ係合部材のあらゆる上記構造を意味するものとして解釈されるものとする。
【0005】
着脱可能な締結具は、自動車座席の製造において、布張りシートカバー(「トリム・カバー」)をポリウレタンフォームバンに取り付ける際に用いられる。この着脱可能な締結具の一部は、注入発泡成形プロセス中に、ポリウレタンシートバンの表面に組み込まれる。着脱可能な締結具の対になる部分は、シートカバーに取り付けられて、フォームシートバンに取り外し可能な取付を提供する。バンの表面に組み込むために注入発泡用モールド(foam mold)内で用いられる着脱可能な締結具アセンブリは一般的に、着脱可能な締結具システムのフック部分である。このフック部分は、一表面上に弾性フックを担持するベースを有する。フック担持面のベース表側である表面は、この技術分野で周知の様々な構造において、アンカー面として機能する。
【0006】
いくつかのアセンブリにおいては、磁気誘引材がベースに取り付けられて、磁石を備えたキャビティ壁のトラフ(trough)内にアセンブリを配置することを容易にする。また、締結具を作る際に用いられるプラスチック材料等、締結具の本体自体に磁気誘引材を組み込むことも可能である。この詳細は、1998年3月10日に発行された、「磁気誘引材付きタッチ締結具」(Touch Fastener with Magnetic Attractment)と題され、ベルクロ・インダストリーズ社(Velcro Industries B.V.)に譲渡された、米国特許第5,725,928号(発明者はブライアン・J・ルシアー氏、ランドル・B・ケニー氏、およびマーティン・I・ジェイコブス氏)に記載されている(同特許の開示内容はここに、本明細書中に参照として組み込まれる)。
【0007】
このような締結装置は、クラムシェルモールド(clamshell mold)の一表面に適用され、化学混合物(例えばジイソシアネートとポリオール)がモールドに注入され、モールドの上面が閉じられ、しっかりと締め付けられる間に、化学物質が反応し、ふくらんで、当技術分野で周知の可撓性フォームを形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
成形プロセス中にフォームがフックの中へ侵入しないようにするため、(弾性フックがモールド内に配される前に)弾性フック上に保護層(プラスチックフィルムの形状であることが多い)を配置してもよい。フックにフォームが著しく混入すると、フックが締結具の対になる部分と係合する係合力を弱めてしまうことになる。
【0009】
米国特許第4,673,542号(発明者はウィグナー氏等である)、米国特許第4,563,380号(発明者はブラック氏等である)、および米国特許第4,693,921号(発明者はビララント氏等である)に開示されるアセンブリを含む従来のアセンブリは、成形中にフォームが着脱可能な締結具の締結部材の中に侵入するのを防ぐために、薄い包囲フィルムを使用している。仏国特許第2,423,666号は、締結具の端部をモールドトラフの中へ押し込むことによって、モールドトラフ内にテープの端部を封止するシステムを開示している。
【0010】
本出願の譲受人に譲渡された二つの特許は、発泡材料による劣化および汚損から締結部材を保護するための他の配置を開示している。1994年2月15日にバンフィールド氏およびロカ氏に発行された、「挿入一体成形締結具を有する成形品(Molded Product Having Insert Mold-In Fastener)」と題された、米国特許第5,286,431号は、ベース部とベース部の一表面から突起する複数の係合部材とを有するフック・ループ式の締結具を開示している。個々の係合部材を密接に取り囲む可撓性のある(例えば、エラストマーまたはゴム製の)ケース(熱可塑性または熱硬化性のいずれかでよい)は、各係合部材のまわりの空間をほぼすべて埋め、係合部材が成形プロセスの厳しい環境にさらされた際に、これを保護する。締結具はモールド内に配置され、一体化部分として、成形部品に成形される。成形プロセス後は、係合部材を露出させるため、係合部材の性能を永久に変質または実質的に破壊することなく、ケースを係合部材から取り外すことができる。1996年7月30日にバンフィールド氏等に発行された、「打ち抜き一体成形(Die Cut Mold-In)」と題された、米国特許第5,540,970号は、フックの先端をわずかに露出するように可撓性カバーを提供する方法を開示している。本発明の他の変更も、同特許第5,540,970号に示されている。上記両特許の開示内容は、本明細書中に参照として完全に組み込まれる。
【0011】
成形品を装飾カバーまたは対になる部品に取り付けるために用いる、締結部材を覆うことを伴う上記の配置はすべて、成形作業において、保護カバー(フィルム状カバーであっても空間埋め包囲カバー(encasing cover)であってもよい)を取り外す工程が含まれることを要する。このことは、成形作業を行う者にとっては不便であった。さらに、一度取り外したカバーは、成形作業者がこれを保有することになり、これを処分しなければならかった。また、たとえこのカバーがリサイクル可能なものであったとしても、かかるカバーを再利用できるのは成形作業者ではなかった。(カバーを再利用するのに最も適した立場にあるのは、締結具の製造者である)。したがって、成形作業者の観点からすると、取り外し可能なカバーを必要としない締結部品を使用することができれば、非常に有益である。つまり、成形物に組み込む締結部品を製造する業務に携わる者は、成形作業者に対して、成形後に取り外しを要するカバーのない部品を提供することに関心を持っている。
【0012】
また、締結部材を配置するための単純で平坦な底面を備えたトレンチを有する従来のモールドと一緒に使用することができない装置を避けることが一般的に望ましい。さもなければ、成形作業者は、自身の通常の設備および業務のやり方を変更しなければならない。
【0013】
従って、別個のカバーなしに締結具を保護する、いわゆる「カバーなし」製品が存在する。このような製品の一つは、1997年3月4日に発行され、「締結部材に囲まれたむき出し周辺リブを有する着脱可能な締結具(Separable Fastener Having a Bald Perimeter Rib Bounded by Fastening Elements)」と題され、本出願の譲受人に付与された、米国特許第5,606,781号(発明者はジョージ・プロヴォスト氏、ブライアン・J・ルシアー氏、およびマーティン・I・ジェイコブス氏である)に記載されている。この製品は、フックのない領域(ここに、モールドの対になる部分をはめ込んでもよい)によって囲まれた、締結部材の中央締結領域を有する締結具を備えている。そして、フックのない領域は、成形材料で汚れる可能性があるという意味で「犠牲的」な締結部材の輪によって囲まれており、この犠牲的な締結部材によって、成形材料が内部の締結領域に侵入するのを防ぐことができる。この米国特許第5,606,781号の開示内容はここに、本明細書中に参照として組み込まれる。
【0014】
1998年7月28日に本譲受人に発行され、「周辺カバーガスケットを有する着脱可能な締結具(Separable Fastener Having a Perimeter Cover Gasket)」と題された、米国特許第5,786,061号(発明者はドナルド・バンフィールド氏である)は、米国特許第5,286,431号または米国特許第5,540,970号のいずれかに関連して上述した、可撓性のある空間埋めカバーを有する締結具を開示しているが、ここでは、ガスケットは、周辺フックのみを覆い、内部領域はカバーなしとなる。このガスケットカバーは、成形作業が完了した後も締結部材上に残るようにしてもよく、これによって、取り外したカバーを処分する必要がなくなる。
【0015】
この問題に対してガスケット式のアプローチを開示している他の特許は、特許第4,726,975号および第4,814,036号を含む、ハッチ氏名義でベルクロ・インダストリーズ社に譲渡された特許である。これらの特許は、締結部材の細長い周縁端部に沿って適用される、可撓性シール・リップについて記載している。さらに、重要なものとしてクラレ社(Kuraray Company, Ltd.)に譲渡された、米国特許第4,842,916号(発明者は小川氏である)には、ファイバーおよび(場合によっては)フォームのガスケットを記載している。
【0016】
フォームまたはその他の成形品に関して上述したタイプの締結具を使用する他の課題は、締結具を、輪郭面、例えば三次元的にわたって湾曲した面に取り付けることが望ましい場合が多いということである。上述した締結具はすべて、その基本的構造において、細長い連続矩形シートとして作られており、通常そのまま使用するか、またはより細い帯に切断して使用されるが、これらはすべて基本的に直線的なままとなる。
【0017】
このような細い帯体は比較的容易に、帯の平面から外側に、二次元的にわたって曲げることができる。しかし、帯の平面上で曲げると、三次元の二つ以上の軸にわたって曲げた場合のように、ひだまたは皺を生じさせてしまう。上述したいくつかの被覆方法によって帯の曲げはさらに複雑化するが、それは、帯を曲げるとカバーがゆがむかまたは基板から外れる可能性があるからであり、よってカバーは本来の目的を果たせなくなってしまう。
【0018】
上述したデザインのすべてとはいかないが、いくつかのデザインにおいては、広域の平面シートを形成し、かつそれを所望の形に切断することが可能である。しかし、このやり方では通常、比較的大量の廃棄物が生じてしまう。その上、基本的に平坦な材料片を輪郭形状に適応させるために曲げなければならない、という問題も残る。他の可能な解決策としては、比較的小さい多数の個別の締結具を使用する方法があり、かかる各締結具はモールド内に個々に配置され固定されなければならない。この方法は、作業者による膨大な手作業または特殊機械を必要とするため、望ましくない。
【0019】
従って、本発明のいくつかの目的の中には、特別な形状に切断するかまたは個別の締結具を配置することを要せずに、かつ材料および時間を大量に無駄にすることなく、実質的にあらゆる輪郭を有する成形物の表面にも固定できる締結具を提供するという目的を含む。本発明の他の目的は、フォームの侵入に対して完全なバリヤを有する締結具を提供することであり、このバリヤは、発泡材料によって汚されないように、経済的かつ単純に締結部材をしっかりと保護する。本発明のさらに他の目的は、一方の問題に対する解決策が他方の問題に対する解決策の効果を制限することなく、同一の締結具に対し、輪郭適合性およびフォームバリヤ性の両方を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
概して、本発明によれば、セグメント化された締結具は成形輪郭(molding contours)に適合するように使用される。各セグメントはガスケットバリヤに取り囲まれるか、または、他の種類のカバーによって覆われるか、または保護されないままとされてもよい。
【0021】
本発明の好適実施態様は、着脱可能な相補締結部品と共に使用するための着脱可能な締結部品である。この着脱可能な締結部品は、複数の締結セグメントを備える。各締結セグメントは、呼び締結面と非締結面とを有するベース部と、ベース部の締結面上に担持される複数の締結部材(フック形またはループ形締結部材)とを備える。隣接する各一対の締結セグメントの間にあって、これらを接続するのは、可撓性ネックであり、このネックの幅は締結セグメントの幅よりも狭い。この可撓性ネック領域は、典型的には、二つまたは三つの直交する軸にわたって撓むことが可能である。
【0022】
各締結セグメントについて、締結部品を成形体の中に組み込む作業中に使用するためのバリヤが提供される。このバリヤは、締結部材をモールド壁に押し付けた状態で、締結部品がモールド内に配された場合に、液体発泡材料がいずれの締結部材の主要部分にも接触しないように防ぐ。このカバーは、包囲カバーか、または締結部材間のあらゆる空間を実質的に埋める、空間埋めカバーでもよい。あるいは、フック形の締結部材と一緒に使用する際には、このフックの先端のみを露出したままとしてもよい。空間埋めカバーは、エラストマー、熱可塑性物質、または熱硬化性物質を備えてもよく、空間埋めカバーは一般的に可撓性がある。
【0023】
各々のセグメント化された締結領域には、カバーではなく、このセグメント化された領域の周辺全体に沿って延在するガスケットがあってもよい。このガスケットは、締結部材と一体に形成されたか、または、締結部材とは別にベース部に適用された周辺リップであってもよい。締結部材が自由端を有するフック形部材を備える場合、ガスケットは、ベースから自由端よりもわずかに離れた位置まで延在する、可撓性リップを備えていると有利である。このガスケットは、締結セグメントの周辺領域にある締結部材を覆う、周辺空間埋めガスケットを備えてもよい。
【0024】
または、他の好適な実施態様によれば、締結セグメントは、締結部材を担持する内部領域と、締結部材を担持しない周辺領域とを備え、ガスケットは、締結部材を担持しない周辺領域を覆う周辺空間埋めガスケットを備える。
【0025】
ベースは、磁気誘引材を備えてもよい。
【0026】
他の実施態様によれば、本発明は、着脱可能な相補締結部品と共に使用するための着脱可能な締結部品を形成する方法である。この方法は、複数の締結セグメントを形成する工程を含む。各締結セグメントは、呼び締結面と非締結面を有するベース部と、このベース部の締結面上に担持される、フック形およびループ形部材から成る群の中から選択された、複数の締結部材とを備える。この方法はさらに、隣接する各一対の締結セグメントを、締結セグメントの幅よりもかなり狭い幅を有する可撓性ネックで接続する工程を含む。
【0027】
複数の締結セグメントを形成する工程は、締結セグメントを形成するように形作られた、間隔をおいて配される複数のキャビティと、この各締結セグメント用キャビティのそれぞれの間にあってそれらを接続する、可撓性ネックを形成するように形作られたキャビティとを、モールド本体上に提供する工程を含む。この方法は、さらに、成形材料をキャビティへ押し込むために十分に加圧しながら、成形材料をキャビティに供給する工程と、締結部品を形成するために、成形材料がネックによって接続される締結セグメントに成形された後で、成形材料をキャビティから取り外す工程を含む。
【0028】
成形材料を供給する工程は、キャビティに近い距離をおいて配された押出ノズルを通して、成形材料をキャビティに直接供給する工程を含んでもよい。
【0029】
モールド本体は、外周稜上にキャビティを担持するモールドホイールを備えてもよい。成形材料を供給する工程は、第二ホイールを、その外周面がモールドホイールに近い距離だけ離した位置に提供して、両ホイール間にロール間隙を形成する工程と、このロール間隙に成形材料を供給し、成形ホイールと第二ホイールとの間のロール間隙で生じる圧力下において、成形材料をキャビティ内へ押し込む工程、とを含んでもよい。
【0030】
本発明の他の実施態様によれば、モールド本体は、互いに平行して配され、同様に湾曲した弓形稜を有する複数のモールドプレートを備えてもよく、キャビティはこの弓形稜内で形成される。モールドプレートは円形か、または円のセグメントであってよく、後者の場合、セグメントの弓形稜は円の一部分を備えており、モールドプレートのうちのいくつかは、弓形稜に対して半径方向に可動となるように支持され、これによって、成形された締結部品をキャビティから容易に取り外すことができる。成形材料をキャビティから取り外す工程は、可動プレートを半径方向内向きに動かして、成形された材料を解放する工程を備える。
本発明のさらに他の実施態様によれば、成形材料を供給する工程は、少なくとも二つの部分を有する射出成形用モールドを通して成形材料をキャビティに供給する工程を含む。
【0031】
本発明の他の実施態様は、成形高分子体を想定するものであり、この成形高分子体は、内部本体容積と、少なくとも一つの表面と、上述した実施態様のいずれかによれば、この表面に付着した着脱可能な締結部品とを備える。この締結部品は、締結セグメントのベース部によって画成された平面内において、締結部品のセグメントが互いに角度が付されるように配される。
【0032】
本発明の他の実施態様は、上述のセグメント化された着脱可能な締結部品を担持する、上述の成形高分子体を形成する方法である。この方法は、平面上で互いに角度を付された少なくとも二つの部分を有する経路に沿ったトレンチを有する少なくとも一つの表面を備えたモールドを提供する工程と、このトレンチ内に上述した着脱可能な締結部品を配する工程を含む。さらにこの方法は、トレンチが収まっているモールドの少なくとも表面を液体成形材料が実質的に覆うように、かつ成形材料が締結部品のベース部の大部分と接触するように、液体成形材料をモールド内に供給し、これと同時に、この液体成形材料が締結部材と接触するのを防ぐ工程を備える。この成形材料は、成形高分子体を形成するために固化させることにより、締結部品を成形体に固定させる。
【0033】
本発明は、他の実施態様においては、上述の着脱可能な締結部品の帯体を製造するための装置である。この装置は、同様の弓形稜を有する締結具形成ゾーンとして指定された、複数のモールドプレートを備える。この締結具形成ゾーンは、締結部材用キャビティを備え、これらは弓形稜およびモールドプレートの一つの面と交わり、複数のセグメント形成領域内に配置される。ガスケット用キャビティは各セグメント形成領域の周囲を囲み、ヒンジ形成領域は、隣接する各一対のセグメント形成領域の間にある。モールドプレートは、モールドプレートの弓形稜によって形成される環状面を有する円筒形モールドホイールを形成するように配され、これによって、円筒面の外周上において、セグメント形成領域が間隔を置いて配される。この装置はさらに、ダイを有する押出成形機を備え、成形可能な高分子材料をキャビティに供給して突起部材を形成するとともに、同高分子材料をダイの表面にも供給して、キャビティで形成された突起部材が一体に取り付けられる高分子ベース部帯体を形成するために、ダイの表面は、円筒面に近接して配置される。
【0034】
各プレートは、円形プレートを備えてもよい。もしくは、各プレートは、完全な円形ではないプレートを備えてもよい。また、この装置は、各締結具形成ゾーンについて、複数のプレートのグループを備え、このグループのプレートは、モールドホイールの円筒面を形成する弓形稜と共に配置される。この装置は、さらに、追加の複数の締結プレートを備えてもよく、この各追加された複数の締結プレートは、他の締結具形成ゾーンを備え、円筒形モールドホイールの軸に沿って配されて、並んだ締結具形成ゾーンを形成する。
【0035】
本発明のさらに他の実施態様は、締結具形成ゾーンとして指定されかつ同様に湾曲した稜を有する複数のモールドプレートを備える、上述の着脱可能な締結部品の帯体を製造する装置である。このモールドプレートは、これら湾曲稜およびモールドプレートの一つの面と交わる締結部材用キャビティを備え、このキャビティは、複数のセグメント形成領域内に配置される。ガスケット用キャビティは各セグメント形成領域の周囲を囲み、ヒンジ形成領域は、隣接する各一対のセグメント形成領域の間にある。モールドプレートは、その稜によって形成される表面を有するマルチピース射出成形アセンブリの一構成要素を形成するように配され、これによって、セグメント形成領域がこの表面に沿って間隔をおいて配される。射出成形アセンブリの第二構成要素は、第一構成要素の表面と対になり得る。このアセンブリの少なくとも一つの構成要素の中には、突起部材を形成するとともに、キャビティ内で形成されたこの突起部材が一体に取り付けられる高分子ベース部帯体とを形成するために、成形可能な高分子材料をキャビティに供給するための流路が配される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明の上記およびその他の特徴、態様、および利点は、上記の説明、添付の請求の範囲、および添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
【図1】一体に成形された周辺ガスケットと、ヤシの木形フック部材とを有する本発明の締結具の一対の連続するセグメントの斜視概略図である。
【図2】図1に示す本発明の締結具の平面略図である。
【図3A】図1に示す本発明の締結具の側面略図である。
【図3B】図3Aに示す締結具のB部分の拡大略図である。
【図4A】一平面上での、すなわち締結具の平面上での可撓性を示すために曲げられた、図2に示す締結具の略図である。
【図4B】締結具の平面の外側への可撓性を示すために曲げられ、ヒンジが曲がった状態にある、図2に示す締結具の図である。
【図4C】締結具の平面の外側への可撓性を示すために曲げられ、ヒンジがねじられた状態にある、図2に示した締結具の図である。
【図5】いくつかの生産方法による本発明の締結具の原型の略図であって、余分な材料を取り除く前の中間製造物を示している。
【図6】膜状の包囲カバーを有する締結具であって、このカバーの一部がセグメントの一つからはく離された状態にある、本発明の締結具の他の実施態様の斜視略図である。
【図7】空間埋めカバーを有する締結具であって、このカバーの一部がセグメントの一つからはく離された状態にある、本発明の締結具の他の実施態様の斜視略図である。
【図8】周辺のみに空間埋めカバーを有する、本発明の締結具のさらに他の実施態様の斜視略図である。
【図9】ホットメルト接着タイプの周辺ガスケットを有する、本発明の締結具の他の実施態様の斜視略図である。
【図10】三つの直交する辺の周りを通って、ある物体に成形された、上述した本発明の実施態様のいずれか一つの斜視略図である。
【図11】可撓性布カバーを図10に示した成形体に取り付けるために、このカバーの一角の内側に接着された、相補締結部品の斜視図である。
【図12】モールド内に配置された締結具の一部の断面略図であって、本発明のフックおよびガスケットの代表例の相対的なサイズを示す図である。
【図13A】成形材料がモールドに供給される前に、モールドに挿入された本発明の締結具の一部を示す、上面略図である。
【図13B】成形材料がモールドに供給される前に、モールドに挿入された本発明の締結具の一部を示す、側面略図である。
【図13C】締結具が取り付けられた、図13Aおよび図13Bのモールドから取り外された成形体の一部の断面図である。
【図13D】互いに角度を付された二つの部分を有する経路に沿ったトレンチを備えるモールドに挿入された本発明の締結具の一部を示す、図13Aと同様の上面略図である。
【図14】本発明の締結具形成装置の一部分である、二つのセグメント形成領域の略図である。
【図15】本発明の締結具形成装置の一部分である、七つの締結具形成ゾーンの一部の略図である。
【図16】成形材料を加圧しながらモールドホイールに直接供給する押出成形機ヘッドを有する、本発明の締結具を製造する装置の部分断面略図である。
【図17】二つのロールの間に所望の成形圧力を生じさせる二つのロールのロール間隙に、成形材料を供給する押出成形機ヘッドを有する、本発明の締結具を製造する装置の部分断面略図である。
【図18】本発明の一実施態様を製造する二つの部分を有する射出成形用モールドの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1、図2および図3Aを用いて、本発明の好適な一般実施態様を示す。図1は製品の一部分の斜視図であり、図2および図3Aは、その平面図および側面図である。細長い締結具10は、ヒンジ14によって接続される、一連の隣接する締結セグメント12で構成される。各締結セグメント12は、締結面18と非締結面(図3Aの19)とを有するベース16を含む。このベースは、フック・ループ式締結具の締結面上に、複数の締結部材20を担持する。締結部材20は、フック式部材またはループ式部材でもよい。図1に示される締結部材は、ダブルフックのヤシの木形フック式部材であるが、その他にいかなるフック式またはループ式部材を使用してもよい。ガスケット22が、各セグメントを囲んでいる。図12に示すように、ガスケット22は、ベース16から、締結部材20の先端よりも少し離れた位置まで延在する。
【0038】
図2に示すように、締結具10は、多数の締結セグメントからなる長い帯体であってもよい。代表的な実施態様では、各セグメントの長さは29mm、幅は17mmであり、ヒンジ14の長さは5mmである。その他のサイズも当然可能である。長い帯体は、ヒンジ14において、色々な態様に曲げられてもよい。例えば、図4Aに示すように、締結セグメント12すべてが本質的に一平面上、つまり、締結具の平面上にあるように、帯体を曲げてもよい。最小曲げ半径は、主にヒンジ14の相対的な長さと締結セグメントの幅によって決まる。また、図4Bに示すように、締結具を、締結具平面から外側に、セグメントの帯体の長手方向の長さに対して垂直な軸にわたって曲げることも可能である。さらに、図4Cの端面図に示すように、一組の隣接するセグメントを長手方向軸に平行な軸のまわりで互いにねじることによって、締結具平面から外に締結具を曲げることもできる。なお、上述した三つの形態を組み合わせることによって締結具を曲げることも可能である。
【0039】
例えば、このような締結セグメントを十五個有するテープを作ることができ、その後、図10に示すように、直交する三つの辺34、36および38にわたって、フォーム・ブロック30にこのテープを固定することができる。締結具は、図4Bに示す態様で、辺34にわたって曲がる。締結具は、図4Aに示す態様で、ブロック面40上で曲がる。図10では、ねじれは示されていない。その後、フォーム・ブロック30のコーナーに、一つ以上の布製装飾カバーを取り付けることができる。当然のことであるが、締結具が、単一面上の波状の経路42に沿うようにさせることも可能であり、この場合、締結具は、締結セグメントのベース16の平面内において互いに角度を付された少なくとも二つの部分43および45を含む。可能性は、事実上、限りなくあると言ってよい。
【0040】
成形周辺ガスケット
好適な実施態様において、締結具は、フォームが侵入しないように締結部材20を取り囲む、一体に成形された周辺リップガスケット22を有する。締結部材20を保護する手段を、図13A、図13Bおよび図13Cを用いて示す。図13Aは、トレンチ54が内部に形成された、底面壁52を有するモールド50の一部の上面図である。このトレンチ54は、複数の締結セグメント12を備える締結帯体10を収容するための大きさで形成されている。図13Aは、一定の縮尺に従うものではなく、図示されるモールドの一部にある二つの締結セグメントのみを示す。実際に実施する際には、より大きなモールド内にさらに多くのセグメントが存在することになる。図13B(折れ線B−Bに沿って切断された、図示されるモールドの一部分の断面図)に示すように、締結セグメント12は、ガスケット22の自由端がトレンチ54の底面に接触するように、その一方で、ベース16の締結面18の周辺端部が、トレンチの端部にあるモールド壁52の底面54に接触するような大きさとされる。締結部材20の長さは、ガスケットの長さよりも短く、このため、締結部材20はトレンチ54の底面に接触しない。上述した米国特許第5,725,928号に記載のように、締結具は、締結具10を構成する磁気誘引材を誘引する磁石58によってトレンチの底面に向かってしっかりと引き付けられている。ガスケット22は、図12に拡大して示すように、わずかに撓み、締結部材20を保護する水密シールを形成する。
【0041】
液体発泡材料は、本技術分野で周知のように、例えば二つのコンポーネント56a、56bシステムによって、キャビティ60内に注がれる。いくらかの液体は、ベース16の端部周辺で漏れ、ガスケット22とトレンチ54の垂直壁64との間の空間62へと入ってしまう傾向がある。しかし、ガスケット22があるため、かつこのガスケット22をトレンチの底面に引き付ける磁力のおかげで、液体は締結部材のある場所まで到達し得ない。発泡材料はその後固化し、締結具10を中に埋め込んだフォームブロック全体65が取り外される。図示した単純なトレンチ54を使用して、締結部材およびガスケット22は、フォーム・ブロック65の表面66から外に向かって延在する。締結セグメントの周りには、空間62の中へ漏れた発泡材料によって形成された、発泡材料の小さな断片68があってもよい。しかし、これらの領域によって、締結部材20がその対になる物と締結すること、例えば、フック20が布製装飾カバー上のループに締結することが妨げられることはない。
【0042】
図13Dは図13Aと同様に、ヒンジ14によって互いに接続される締結セグメント12で構成された締結部品10の上面図を示す。図13Dにおいて、締結部品10は、モールド53のトラフ55内にあって、このトラフ55は、締結具の平面(つまり、締結セグメントのベース16によって大まかに画成される平面、これは、図3Bに示しかつ他の箇所でも説明したように、ベース16がわずかに丸みを帯びているため、締結セグメントのベース16によって大まかにのみ画成される平面である)において、互いに角度を付された二つの部分57および59を有する。二つのセグメント12′と12′′との間のヒンジ14′は、締結部品がトラフ55内の角度に従うように、曲げられている。簡潔にするため、ここでは一つの角度のみを示すが、様々な角度および経路パターンが可能であり、これらはヒンジの可撓性および締結セグメントの幅によって主に制限される。
【0043】
傾斜路や台座等、本技術分野で周知の技術を用いて、均一にまたは不均一に、締結部材の先端がフォーム・ブロックの表面66と同じ高さになるように、または、この先端をフォームブロックの表面66の高さよりも下の位置に沈むようにすることが可能である。
【0044】
締結具は、フォーム部品以外にも、非フォーム成形部品(熱可塑性であるか熱硬化性であるかを問わない)の中に組み込むことが可能である。
【0045】
締結具の製造
成形周辺ガスケットおよびセグメント化された締結具は、いずれかの適切な方法によって製造することができる。例えば、ベルクロ・インダストリーズ社に譲渡された、米国特許第3,752,619号(発明者はメンジン氏等である)を一般に参照して示される方法および装置によって、この締結具を作ることができる。一般的に、大きな円筒形ホイールは、その外周面に沿って分布されるフック形成セグメントを有する。このセグメントは、連動平板で構成され、そのプレートの端部にフック形成キャビティを備える。プラスチック材をこのキャビティに押し込み、その後引き抜いて、フック部材が形成される。同特許第3,752,619号によれば、所定の平板セグメントを半径方向内向側に、形成部分から離す方向に動かすことによって、形成されたフックを解放して、このフック部材を形成部分からより簡単に取り外せる場合がある。形成されたフックに対して、その形成箇所のちょうど下流で、裏当てを適用してもよい。
【0046】
二つのセグメントを形成するフック形成ホイールの一部を、図14に示す。図示された面は、比較的大きなホイールの円筒外周面である。このホイールは、例えば五十個を超えるセグメントを形成するための領域112を含む、締結具形成ゾーン111を備える。各領域は、複数の平行するプレート113からなり、このプレートのいくつかには、フックを形成するためのキャビティ116が形成されているが、キャビティを持たないプレートもあってもよい。セグメント12を形成する領域112と領域112との間には、キャビティ116のない領域118がある。この領域118で、ヒンジ14が形成される。ヒンジを形成するためには、浅いキャビティ114が設けられる。フックが形成される領域112の周囲全体には、ガスケット形成キャビティ122が形成される。このキャビティ122は、形成されるガスケット22に平坦な端部を形成するため、底面が平坦になっている。このキャビティは、ひとまとまりのプレートをそろえた後に、かかるプレート内にプランジ放電加工(plunge electro-discharge machining)を施すことによって形成してもよい。
【0047】
図14は、一つの締結具形成ゾーン111における二つのセグメント部分を示す。ホイールは、複数の締結具成形帯体域を、円筒の外周面全体にわたってその軸方向に間隔をあけて配することによって製造される。図15は、七つの締結具形成ゾーン111を備えたホイールの一部を示し、各締結具形成ゾーン111は、締結セグメントを形成する五つの締結セグメント領域112を示す。一般的には、ツーリングを設計するにあたり、形成領域を互いに近接させて配するための構成要素を作り、廃棄物を最小限に抑え、機械のサイズやその所要電力等を低減させることが目標である。
【0048】
図5は、このようなツール上に形成された一部分を示す。図5において、各セグメント12はヒンジ14によって互いに接続されている様子と、セグメント12とセグメント12との間の領域には余剰材料218が存在することが示されている。付加的な余剰材料によってセグメントを囲んでもよい。この余剰材料は、形成ホイールから帯体を取り外した後に取り除かれる。
【0049】
図3B(図3AのB部分の拡大図である)が示すように、比較的大きな半径R(図15に示す)を有する円形ホイール上に形成された結果として、ベース16はわずかに湾曲し、凹部が締結部材の自由端に向いている(図3B下方)。一方、ガスケットシール22の自由端26は、平坦または直線的である。これは、ガスケットが形成されるキャビティ122の底面が平坦だからである。
【0050】
セグメント化された締結具は、いずれかの適切な方法で形成されるが、その他の方法も可能である。また、ベルクロ・インダストリーズ社に譲渡された米国特許第4,794,028号(発明者はフィッシャー氏である)に記載される方法および装置によっても、この締結帯体を形成することが可能である。同特許第4,794,028号のプロセスによれば、上記のプレートと同様のフック形成プレートを使用しているが、これらは半径方向に自由に動くことがない。フックは、プレートを動かさずにモールドから取り外せるような態様で形作られている。同特許4,794,028号に記載される一実施態様において、二つのロールの間のロール間隙に、溶融材料が注入され、この一方のロールはその外周面にフック形成キャビティを有し、他方のロールは何も有しないかまたはおそらくアンカー形成キャビティを有する。ロール間隙の後すぐに、形成された帯体は、裏当てロールから引き剥がされる。この裏当てロールは、アンカーキャビティを含んでも、あるいは含まなくてもよい。帯体は、フック形成ロールの外周面の一部分(例えば、約20度〜270度の弧の間)に残り、その外周面の一部分において、帯体はフック形成ロールから引き剥がされる。このように、形成されたフックには冷却する時間があり、特にキャビティの形状を考えると、キャビティから引き抜かれる際にフックが変形することがない。
【0051】
形成ロールは、上記特許第3,752,619号に関連して上述した形成ホイールが有するのと同一のセグメント領域122と、ヒンジ領域114と、ガスケットキャビティ122とを有する。一般に、上記特許第4,794,028号のプロセスでは、まとめられた完全に円形のプレートからホイールが形成されるが、上記特許第3,752,619号のプロセスでは、プレートは、フックをモールドから解放するために、いくつかのプレートが半径方向内側に可動となるように、環状のパイ形のセクションとなっている。
【0052】
いずれのプロセスによっても、図15に示すように、ホイールの幅全体にわたって、多数の帯体を同時に製造することが可能である。例えば、典型的には、一度に一から三十の帯体または連鎖物が製造される。帯体は、(形成装置上において帯体と帯体との間にバリヤを設けて)個々に製造されるかまたは、形成された後に個々に分離させることによって製造される。
【0053】
締結部材を形成する材料は、いくつかの方法によってモールドへ供給されてもよい。ひとつの方法では、図16に示すように、押出成形機646の押出成形ダイ635が、モールドホイール626表面に接して配置されている。図16は、複数のプレート629のうちの一つのプレートの面で切断された断面図であり、キャビティはこのプレート内へ切り込んで形成されている。成形材料は、著しい圧力および温度条件の下で二つの流路637および638を通って移動し、これによって、キャビティ633内に完全に押し込まれる。図16は、二つの押出流路(extrusion channels)を示しており、上流の溝637からはフック621が形成され、溝638からはベース部644が形成される。この押出成形構造は、上記特許第3,752,619号(メンジン氏)が開示する移動プレート装置か、または上記特許第4,794,028号(フィッシャー氏)が開示する固定プレートのいずれかと共に使用してもよい。
【0054】
または、図17に示すように、二つのロールを配置してもよい。図17の上部に示す部分形成ロール726は、フック等の締結部材用のキャビティ733を担持する。その下に位置するロール716は、上部ロール726に近い距離だけをおいて配される。押出成形ヘッド735は、成形材料の流れEを二つのロール726と716との間のロール間隙720へ供給し、このロール間隙において成形材料をキャビティ733に押し込むための圧力が生じ、これによって締結部材721が形成される。締結部材の形成された帯体Fは、形成ロール726の外周面の一部(図では約180度の弧)に残り、この外周面の一部において引き剥がされて、次のはく離ロール730を通過する。
【0055】
この二つ以上のロールの実施態様において、上部の部分形成ロール726は、米国特許第3,752,619号(メンジン氏)が開示する移動プレート装置か、または、米国特許第4,794,028号(フィッシャー氏)が開示する固定プレートのいずれかであってよい。
【0056】
また、図18に示すように、セグメント化された締結具は、従来の二つ(またはそれ以上)の部品射出成形装置を用いて形成してもよい。形成モールド820は、上述したホイール上のものと同様の締結具形成ゾーン811を有し、各締結具形成ゾーン811は五つのセグメント形成領域812を含む。図18では四つの締結具形成ゾーン811が示されているが、四つ以上であっても以下であってもよい。上述したように、各セグメント形成領域は、フック形成キャビティ833と、ガスケット形成キャビティ834と、ヒンジ形成キャビティ835とを有するプレート829(可動か否かを問わない)からなる。(図18では、明確にするために、いくつかのプレート829だけを示している。同様に、フック形成キャビティ834も二つの締結具形成ゾーンのみで示されている。)また、この種類のツーリングは、一般的には、成形部分の周辺の選択された箇所に、形成部分をモールドから外す際の補助となるエジェクターピン836を有する(前記同様、わずかのピンだけを図示している)。従来どおり、対になるモールド部品839は、部品押出コンポーネント829に適合し、相互のキャビティによって形成部分を画成する。成形体839の中を通る多数の経路841(点線で示す)が設けられ、溶融材料はそこを通ってセグメント形成領域812へ供給される。経路841のネットワークは概略的にのみ図示されている。溶融材料に与圧する圧力源は示されていない。射出成形装置は、二つよりも多い移動モールド本体829および839を有してもよい。ここでは二つの移動モールド本体のみを示すが、これも簡潔に説明するためである。
【0057】
各成形サイクル後、形成部分が放り出され、矢印Sの方向に滑出されて、次に飛び出した形成部分が前に飛び出した形成部分に締結するようになる。これによって、連続する連鎖物が形成され、この連鎖物はリールに巻き取られてもよい。
【0058】
その他の種類のシール
本発明のひとつの利点は、上述したように、締結セグメントと、締結部材と、周辺ガスケット22とを、ほぼ同時に製造できることである。周辺ガスケット22を省略したり、あるいは周辺ガスケットの代わりに、他の種類のガスケット、シール、またはカバーを使用することも可能である。
【0059】
例えば、図6に示すように、個々の締結セグメント212を有する締結帯体210を提供する。この締結帯体は、その周囲にガスケット22がない以外は、上記のものと全く同一である。締結帯体は、ヒンジ14によって接続される複数のセグメント212を有し、このセグメントおよびヒンジは上述した通りに形成されてよい。この帯体は、締結部材20を担持する締結面18を有し、この締結部材20は図6ではフックとして示したが、上述したいかなる締結部材であってもよい。各セグメントはフィルムカバー222によって個々に覆われ、このフィルムカバー222は、締結部材20がある領域に発泡材料が侵入しないよう十分密に、ベース216をその周辺全体にわたってシールする。この締結帯体がフォーム部品として成形された後は、一般的にはシールを引き剥がし、カバー222を剥がして取り除く。
【0060】
これと同様のカバーをより大きい矩形の締結部品に適用した例が、文献に記載されている。例えば、米国特許第4,693,921号(ビララント氏等の名義)を参照のこと。
【0061】
1998年6月16日に発行された、「プルタブ付きダイ・カット保護カバーを有する着脱可能な締結具とその製造方法」(Separable Fastener Having Die-Cut Protective Cover with Pull Tab and Method of making Same)と題された、米国特許第5,766,385号(ポラード氏等の名義)には、包囲カバーを有する任意の形状の締結具を製造する方法が開示されている。この方法は、図6に示すセグメント化されたカバー付き締結具に適用することが可能であり、同特許の全開示内容は本明細書中に参照として組み込まれる。
【0062】
また他の例によれば、図7に示すように、個々の締結セグメント312を有する締結帯体310が提供される。この締結帯体は、その周囲にガスケット22がないこと以外は、上記のものと全く同一である。締結帯体は、ヒンジ14によって接続される複数のセグメント312を有し、このセグメントおよびヒンジは上述の方法によって形成されてよい。この帯体は締結部材20を担持する締結面18を有し、この締結部材は図7ではフックとして示されている。各セグメントは、空間埋めカバー322によって個々に覆われ、この空間埋めカバー322は、各締結部材20を密に取り囲み、締結部材間の空間を埋め、これによって、締結部材20がある領域に発泡材料が侵入したり、または、締結部材20にフォームが付着したりしないように防ぐ。締結帯体がフォーム部品として成形された後、このカバー322は、一般的には剥がして取り除かれる。
【0063】
これと同様のカバーを非セグメント化された締結部品に適用した例が文献に記載されている。例えば、米国特許第5,286,431号および第5,540,970号(いずれもバンフィールド氏等の名義)を参照されたい。同特許第5,286,431号によれば、空間埋めカバーは通常、締結部材を完全に封じ込めるものとして記載されている。同特許第5,540,970号によれば、カバーは、図7の右側のセグメントに示すように、カバーにあるピンホール324から締結部材の自由端の先端だけを露出させる場合があるとして記載されている。このピンホールによって、カバーが生じ得る真空度が減少し、カバーの取り外しを容易にし得る。この空間埋めカバーは、ベース16の締結面18に至るまで延在してもよく、あるいは締結面18から少しだけ空間をおいて配されてもよいが、この場合、フォームカバーとベースとの間に侵入するフォームの量が、締結部材の締結機能の遂行を妨げるほどの量とはならない限りとする。
【0064】
さらに他の実施態様では、図8に示すように、個々の締結セグメント412を有する締結帯体410が提供される。この締結帯体は、その周囲にガスケット22がない以外は、上述したものと全く同一である。この締結帯体は、ヒンジ14によって接続される複数のセグメント412を有し、このセグメントおよびヒンジは上述した方法において形成されてよい。この帯体は締結部材20を担持する締結面18を有し、この締結部材は図8ではフックとして示されている。各セグメントには、空間埋めカバー422の形状をした周辺ガスケットが個別に設けられ、この周辺ガスケットは、各締結部材20を密に取り囲み、カバーが配される領域内の締結部材間の空間を埋める。このカバーは、二つの態様で機能する。まず、このカバーはバリヤガスケットとして機能し、中央領域426にフォームが侵入するのを防ぐ。さらに、このカバーは、図7に示す完全被覆型空間埋めカバー322と同じ態様で、ガスケット422によって実際に覆われる、周囲の締結部材を保護する。この締結帯体がフォーム部品として成形された後、カバー422は一般的には締結具上に残され、中央領域内の締結具によって締結機能が果たされる。あるいは、このカバー422を、一般的には剥がして取り除いてもよい。
【0065】
これと同様のカバーを非セグメント化された締結部品に適用した例が、文献に記載されている。例えば、先に引用した米国特許第5,786,061号(発明者はバンフィールド氏である)を参照されたい。空間埋めカバーと同様に、周辺ガスケットカバーは、締結部材を完全に封じ込めてもよく、あるいは、締結部材の自由端の先端のみをピンホールを通して露出させてもよい。
【0066】
図9は、個々の締結セグメント512を備えた締結帯体510を有する周辺ガスケットの他の変形例を示している。この締結帯体は、その周囲にガスケット22がないこと以外は、上述したものとほぼ同一である。この締結帯体は、ヒンジ514によって接続されるセグメント512を有し、このセグメントおよびヒンジは上述の方法において形成されてよい。この締結帯体は、締結部材520を担持する締結面518を有し、この締結部材は図9ではフックとして示されている。各セグメントには、弾性ガスケットの形状を有した周辺ガスケットが個別に設けられ、この周辺ガスケットは締結部材自体は覆わず、どちらかと言えば、締結部材のないベースの周辺領域に適用される。このガスケットは、バリヤガスケットとして機能し、中央領域526にフォームが侵入するのを防ぐ。締結帯体がフォーム部品として成形された後、ガスケット522は一般的には締結具上に残され、中央領域内の締結具によって締結機能が果たされる。あるいは、ガスケット522を、一般的には剥がして取り除いてもよい。
【0067】
また、先に引用した米国特許第4,814,036号および第4,726,975号(発明者はハッチ氏である)が示すガスケットと同様の、各セグメントの周囲全体にわたってフィルム状帯体の形状をしたガスケットを適用することも可能である。このガスケットのまわりに適用できる別の種類のガスケットとは、クラレ社に譲渡された米国特許第4,842,916号(発明者は小川氏等である)に示されるようなアングルガスケットである。また、同特許第4,842,916号(小川氏)は、フェルトガスケットも示している。フォームガスケットシールは、1998年6月16日に発行された、米国特許第5,766,723号(発明者はオボーニー氏等である)で示されている。本段落で言及したすべての特許の開示内容は、本明細書中に参照として組み込まれる。
【0068】
上記の論考では主に、セグメント化された締結具が、周辺シールまたはカバー等の、発泡材料が締結部材の領域に入り込まないようにするための何らかの手段を有するであろうことを仮定している。しかし、本発明はこれに限定されず、かかるバリヤを持たないセグメント化された締結具自体のみであっても、本発明が想定する範囲に含む。このような締結具は、締結具をプラスチック体に組み込まない適用例において使用することができるであろう。例えば、図11に示すように、相補締結具の組み合わせのうち、対になる部分13は、好都合なことに、セグメント化された帯体から形成されてもよい。これによって、締結部品11(例えば、可撓性のある布製シート装飾カバー43に縫い合わせられたか、またはその他の方法により接着されたループ部品)が、ゆがむことなく、または、その配置に関してその他の制限なしに、シートカバーに円滑に接着される。この場合、シールは一般に必要とされない。個別のセグメント13はヒンジ15によって接続されることにより、セグメント13はカバーの形状に適合できる。図11は、三つの面に囲まれた角の内側の斜視図である。
【0069】
さらに、やや小さいフックを互いに近接して配置した場合は、フック自体が発泡成形材料の流入を防ぐため、ガスケットは必要でない。
【0070】
上記の論考は例証的なものとして理解されるべきであって、いかなる意味においても、本発明を制限するものとしてみなされるべきではない。本発明は、特にその好適な実施態様を参照してこれを示しかつ説明してきたが、本発明の特許請求の範囲で定義される本発明の精神およびその範囲から逸脱することなく、本発明において形式および詳細に様々な変更が可能であることが、当業者によって理解されるだろう。
【0071】
本発明の特許請求の範囲におけるすべての手段または工程および機能要素に対応する構造、材料、作用および同等物は、特に請求される他の請求要素と組み合わせて機能を果たすあらゆる構造、材料、または作用を含むものとして意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な相補締結部品と共に使用するための着脱可能な締結部品であって、
(a)(i)呼び締結面と、非締結面とを有するベース部と、
(ii)当該ベース部の当該締結面上に担持される、フック形およびループ形部材から成る群の中から選択された、複数の締結部材と
を備えた、複数の締結セグメントと、
(b)隣接する各一対の締結セグメントの間にあってこれらを接続し、当該締結セグメントの幅よりも狭い幅を有する、可撓性ネックと
を備える、着脱可能な締結部品。
【請求項2】
前記締結部品は、さらに、前記締結セグメントそれぞれについて、壁を有するモールドを用いて前記締結部品を成形体の中に組み込む作業中に使用するためのバリヤを備え、このバリヤは、前記締結部材を当該モールドの当該壁に押し付けた状態で、前記締結部品が当該モールド内に配された場合に、液体発泡材料が前記締結部材のいずれの主要部分にも接触しないように防ぐ、請求項1に記載の締結部品。
【請求項3】
前記各々のセグメント化された締結領域を実質的に覆う包囲カバーをさらに備える、請求項1に記載の締結部品。
【請求項4】
前記締結部材間のあらゆる空間を実質的に埋める、取外し可能な空間埋めカバーをさらに備える、請求項1に記載の締結部品。
【請求項5】
前記締結部材は、自由端を有するフック形部材であり、前記空間埋めカバーは、当該自由端のみを液体にさらすようにする、請求項4に記載の締結部品。
【請求項6】
前記空間埋めカバーは弾性カバーを備える、請求項4に記載の締結部品。
【請求項7】
前記空間埋めカバーは熱可塑性カバーを備える、請求項4に記載の締結部品。
【請求項8】
前記空間埋めカバーは熱硬化性カバーを備える、請求項4に記載の締結部品。
【請求項9】
前記空間埋めカバーは可撓性カバーを備える、請求項4に記載の締結部品。
【請求項10】
前記各々のセグメント化された締結領域について、前記セグメント化された領域の周辺全体にわたって延在するガスケットを備える、請求項1に記載の締結部品。
【請求項11】
前記ガスケットは、前記締結部材と一体に形成された周辺リップを備える、請求項10に記載の締結部品。
【請求項12】
前記ガスケットは、前記締結部材とは別に前記ベース部に適用された周辺リップを備える、請求項10に記載の締結部品。
【請求項13】
前記締結部材は、自由端を有するフック形部材を備え、前記ガスケットは、前記ベースから当該自由端よりもわずかに離れた位置まで延在する可撓性リップを備える、請求項10に記載の締結部品。
【請求項14】
前記ガスケットは、前記締結セグメントの周辺領域にある締結部材を被覆する周辺空間埋めガスケットを備える、請求項10に記載の締結部品。
【請求項15】
前記締結セグメントは、前記締結部材を担持する内部領域と、締結部材を担持しない周辺領域とを備え、前記ガスケットは、締結部材を担持しない当該周辺領域を覆う周辺空間埋めガスケットを備える、請求項10に記載の締結具。
【請求項16】
前記ベースは、磁気誘引材(magnetically attractive material)を備える、請求項2に記載の締結具。
【請求項17】
前記可撓性ネック領域は、三つの直交する軸にわたって撓むことができる、請求項1に記載の締結具。
【請求項18】
着脱可能な相補締結部品と共に使用するための着脱可能な締結部品を形成する方法であって、
(a)(i)呼び締結面と、非締結面と、を有するベース部と、
(ii)当該ベース部の当該締結面上に担持される、フック形およびループ形部材から成る群の中から選択された、複数の締結部材と
を備える、複数の締結セグメントを形成する工程と、
(b)隣接する各一対の締結セグメントを、当該締結セグメントの幅よりもかなり狭い幅を有する可撓性ネックで接続する工程と
を備える方法。
【請求項19】
前記複数の締結セグメントを形成する工程は、
(a)前記締結セグメントを形成するように形作られ、間隔をおいて配される複数のキャビティと、当該締結セグメント用キャビティのそれぞれの間にあってそれらを接続する、前記可撓性ネックを形成するように形作られたキャビティとを、モールド本体上に提供する工程と、
(b)成形材料を当該キャビティへ押し込むために十分に加圧しながら、当該成形材料を当該キャビティに供給する工程と、
(c)前記締結部品を形成するため、当該成形材料が当該ネックによって接続される前記締結セグメントに成形された後で、当該成形材料を当該キャビティから取り外す工程と
を備える、請求項18に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項20】
前記成形材料を供給する工程は、前記キャビティに近い距離をおいて配された押出ノズルを通して、成形材料を前記キャビティに直接提供する工程を備える、請求項19に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項21】
前記モールド本体は、外周稜上で前記キャビティを担持するモールドホイールを備え、前記成形材料を供給する工程は、
(a)第二ホイールを、その外周面が当該モールドホイールに近い距離だけ離した位置に提供して、両ホイール間にロール間隙を形成する工程と、
(b)当該ロール間隙に成形材料を提供し、当該成形ホイールと当該第二ホイールとの間の当該ロール間隙で生じる圧力下において、成形材料を前記キャビティ内へ押し込む工程と
を備える、請求項19に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項22】
前記モールド本体は、互いに平行して配され、同様に湾曲した弓形稜を有する、複数のモールドプレートを備え、前記キャビティは当該弓形稜内に形成される、請求項19に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項23】
前記モールドプレートは円形のモールドプレートを備える、請求項22に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項24】
前記モールドプレートは円のセグメントを備え、当該セグメントの前記弓形稜は円の一部分を備え、前記モールドプレートのうちのいくつかは前記弓形稜に対して半径方向に可動となるように支持され、これによって、成形された締結部品を前記キャビティから容易に取り外すことができ、成形材料を前記キャビティから取り外す当該工程は、当該可動プレートを半径方向内向きに動かして、当該成形された材料を解放する工程を備える、請求項22に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項25】
前記成形材料を供給する工程は、少なくとも二つの部分を有する射出成形用モールドを通して成形材料を前記キャビティに供給する工程を備える、請求項19に記載の着脱可能な締結部品を形成する方法。
【請求項26】
各締結セグメントは、前記セグメント化された領域の周辺全体にわたって、前記ベース部から少なくとも前記締結部材と同じくらいの位置まで延在するガスケットをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
各締結セグメントは、前記セグメント化された領域の周辺全体にわたって、前記ベース部から少なくとも前記締結部材と同じくらいの位置まで延在するガスケットをさらに備え、前記方法は、前記締結セグメントを形成するために形作られた前記複数の間隔をおいて配された各キャビティについて、前記周辺ガスケットを形成するように形作られたキャビティを前記モールド本体上に提供する工程と、前記成形材料を前記締結セグメント用キャビティに供給する工程とほぼ同時に、十分に加圧しながら成形材料を当該周辺ガスケット用キャビティに供給して、当該成形材料を当該周辺ガスケット用キャビティに押し込む工程とをさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
(a)内部本体容積(internal body volume)と、
(b)少なくとも一つの表面と、
(c)当該表面に付着した着脱可能な締結部品と
を備える成形高分子体であって、
当該締結部品は、
(i)(A)呼び締結面と非締結面とを有するベース部と
(B)当該ベース部の当該締結面上に担持される、フック形およびループ形部材から成る群の中から選択された、当該本体容積(internal volume)から延在する複数の締結部材と
を備える、複数の締結セグメントと、
(ii)隣接する各一対の締結セグメントの間にあって、これらを接続し、当該締結セグメントの幅よりも狭い幅を有する、可撓性ネック、と
を備える、成形高分子体。
【請求項29】
前記着脱可能な締結部品は、前記各締結セグメントの前記締結部材を取り囲む、前記ベース部と一体化された周辺ガスケットをさらに備える、請求項28に記載の成形高分子体。
【請求項30】
前記ガスケットは、少なくとも前記締結部材が前記ベース部から離れた位置まで延在する距離と同じだけ、前記ベース部から離れた位置まで延在するリップを備える、請求項29に記載の成形高分子体。
【請求項31】
前記締結セグメントの前記ベース部によって画成される一平面内において、前記締結部品のセグメントが互いに角度を付されるように、前記締結部品が配置される、請求項29に記載の成形高分子体。
【請求項32】
セグメント化された着脱可能な締結部品を担持する成形高分子体を形成する方法であって、
(a)一平面上で互いに角度を付された少なくとも二つの部分を有する経路に沿ったトレンチを有する少なくとも一つの表面を備えたモールドを提供する工程と、
(b)(i)(A)呼び締結面と非締結面とを有するベース部と、
(B)当該ベース部の当該締結面上に担持される、フック形およびループ形部材から成る群の中から選択された、複数の締結部材であって、当該締結セグメントは、当該締結部材が当該モールド表面に向かって延在するように配置される、締結部材と
を備える、複数の締結セグメントと、
(ii)隣接する各一対の締結セグメントの間にあって、これらを接続し、当該締結セグメントの幅よりも狭い幅を有する可撓性ネックであって、当該着脱可能な締結部品は、当該ネックで曲がるように当該トレンチ内に配置されることにより、当該着脱可能な締結部品が、互いに角度を付された少なくとも二つの部分全体にわたって当該経路に沿って続くため、当該締結セグメントの当該ベース部によって画成される一平面内において、当該締結部品のセグメントが互いに角度を付されるようになされる可撓性ネックと
を備える、着脱可能な締結部品を前記トレンチ内に配する工程と、
(c)前記トレンチが収まっている前記モールドの少なくとも前記表面を、液体成形材料が実質的に覆うように、かつ当該成形材料が当該締結部品の当該ベース部の大部分と接触するように、当該液体成形材料を前記モールド内に供給し、これと同時に、当該液体成形材料が当該締結部材と接触するのを防ぐ工程と、
(d)前記成形高分子体を形成するために当該成形材料を固化させることにより、当該締結部品を当該成形体に固定させる工程と
を備える、形成方法。
【請求項33】
前記各々の締結セグメントが、前記セグメント化された領域の周辺全体にわたって延在するガスケットを備え、前記液体成形材料が前記締結部材に接触しないように防ぐ工程は、成形材料が前記締結部材に接触するのを阻止するために、前記ガスケットを前記モールド表面に対して押圧する工程を備える、請求項32に記載の成形体を形成する方法。
【請求項34】
前記ガスケットは、前記締結部材と一体に形成された周辺リップを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ガスケットは、前記締結部材とは別に前記ベース部に適用された周辺リップを備える、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
着脱可能な締結部品の帯体を製造する装置であって、当該装置は、
(a)締結具形成ゾーンとして指定された複数のモールドプレートであって、当該複数のモールドプレートは、同様の弓形稜を有し、
(i)これら弓形稜およびモールドプレートの一つの面と交わり、複数のセグメント形成領域内に配置される、締結部材用キャビティと、
(ii)当該各々のセグメント形成領域の周囲を囲むガスケット用キャビティと、
(iii)隣接する各一対のセグメント形成領域の間にある、ヒンジ形成領域と
を備え、
当該モールドドプレートは、その弓形稜によって形成される環状面(circular face)を有する円筒形モールドホイールを形成するように配置され、これによって、当該円筒面の外周上において、当該セグメント形成領域が間隔をおいて配される、複数のモールドプレートと、
(b)ダイを有する押出成形機であって、成形可能な高分子材料を前記キャビティに供給して突起部材を形成するとともに、当該高分子材料を当該円筒面にも供給して、キャビティで形成された当該突起部材が一体に取り付けられる高分子ベース部帯体を形成するため、当該ダイの表面は、前記円筒面に近接して配置される、押出成形機と
を備える装置。
【請求項37】
前記プレートはそれぞれ、円形プレートを備える、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記各々のプレートは、完全な円形ではないプレートを備え、前記装置は、各締結具形成ゾーンについて、前記複数のプレートのグループをさらに備え、当該グループのプレートは、前記モールドホイールの前記環状円筒面を形成する前記弓形稜と共に配置される、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
追加の複数の締結プレートをさらに備え、当該追加の複数の締結プレートは、他の締結具形成ゾーンを備え、並んだ締結具形成ゾーンを形成するように、前記円筒形モールドホイールの軸に沿って配置される、請求項36に記載の装置。
【請求項40】
着脱可能な締結部品の帯体を製造する装置であって、当該装置は、
(a)締結具形成ゾーンとして指定された複数のモールドプレートであって、当該複数のモールドプレートは、同様に湾曲した稜を有し、かつ
(i)これら湾曲稜およびモールドプレートの一つの面と交わり、複数のセグメント形成領域内に配置される、締結部材用キャビティと、
(ii)当該各々のセグメント形成領域の周囲を囲む、ガスケット用キャビティと、
(iii)隣接する各一対のセグメント形成領域の間にある、ヒンジ形成領域と
を備え、
当該モールドプレートは、その稜によって形成される表面を有するマルチピース射出成形アセンブリの一構成要素を形成するように配され、これによって、当該セグメント形成領域が当該表面に沿って間隔をおいて配される、複数のモールドプレートと、
(b)当該第一構成要素の当該表面と対になり得る、当該射出成形アセンブリの第二構成要素と、
(c)当該アセンブリの少なくとも一つの構成要素の中に配された流路であって、突起部材を形成するとともに、キャビティ内で形成されたこの突起部材が一体に取り付けられる高分子ベース部帯体を形成するために、成形可能な高分子材料を当該キャビティに供給するための流路と
を備える装置。
【請求項41】
前記第二構成要素は、前記ベース部を形成するとともに、前記ベース部帯体の稜を画成するための相補成形キャビティをさらに備える、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
成形物を前記成形アセンブリから取り外し、前記成形物を経路に沿って前進させた後、当該前進させた成形物を、前記モールドアセンブリ内で次に形成される他の成形物に接続する手段を備える、請求項40に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−143567(P2012−143567A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−13425(P2012−13425)
【出願日】平成24年1月25日(2012.1.25)
【分割の表示】特願2001−585588(P2001−585588)の分割
【原出願日】平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願人】(500090202)ベルクロ インダストリーズ ビー ヴィッ (4)
【Fターム(参考)】