説明

セフジニルカリウム塩の結晶形

本発明は、セフジニルカリウム塩の固体化学を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セフジニル・カリウム塩の固体化学に関する。
【0002】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2005年10月31に出願された米国仮特許出願第60/732,001号の優先権を主張し、当該出願は本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
セフジニルは経口投与用の第三世代セファロスポリン系抗生物質であり、そして経口投与用の他の抗生物質よりも広い一般的なグラム陽性細菌及びグラム陰性細菌にわたる抗菌スペクトルを有する。OMNICEF(登録商標)として現在市販されているセフジニルは、300mgの経口用カプセル又は125mg/5mlの懸濁液で処方された抗生物質である。OMNICEF(登録商標)は、呼吸器及び耳感染に対して処方される。セフジニルは、7-(Z)[2-(2-アミノチアゾール-4-イル)-2-ヒドロキシイミノアセトアミド]-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸であり、そして以下の構造:
【化1】

を有する。
【0004】
米国特許4,559,334号の実施例14及び16はセフジニルの合成を開示する。実施例14では、セフジニルは、ジクロロメタン及び酢酸中でベンズヒドリル7-(4-ブロモアセトアセトアミド)-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボキシレートを硝酸イソアミルと-3℃〜-5℃で反応させて、続いてアセチルアセトンを添加することにより得られる。チオウレアを加え、そしてベンズヒドリル(benzyhydryl)基をトリフルオロ酢酸で分解した。操作後に有機層を酸性にし、そして0℃で冷却して結晶セフジニルを得た。実施例2の化合物9は、セフジニルのナトリウム塩を開示する。
【0005】
米国特許第4,935,507号は、セフジニル結晶を得る2つの方法を開示する。結晶セフジニルは、メタノールから結晶化することができ、セフジニルA型結晶を得ることができる。或いは、当該結晶形は段階的に精製される。段階的な方法において、非晶形を水に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、酸性にし、カラムクロマトグラフィーに通し、そして活性炭で処理した。得られた溶液のpHを35℃で1.8に調節し、そして得られたセフジニルA型結晶を回収した。当該‘507特許は‘334特許との間で1人の共同発明者を共有し、そして譲受人が同一である。‘507特許は、‘334特許の実施例14及び16の生成物を結晶物質としてではなく、結晶様非晶物質として特徴決定している。‘507特許はさらに、「当該非晶物質は、体積が大きく(bulky)、精製度がそれほど良くなく、不安定であり、そしてろ過速度の点で不十分であるという欠点を有し、その結果、医薬品に適していないか、又は医薬品、その大規模製造若しくは貯蔵の取り扱いが簡単ではない。」と記載する。
【0006】
PCT公開WO98/45299号は、セフジニル・ジシクロヘキシルアミン塩を開示し、そしてセフジニルは、当該ジシクロヘキシルアミン塩を経て精製されうるということを開示する。
【0007】
PCT公開WO02/098884号によると、セフジニルは、セフジニル中間体をギ酸-硫酸混合物又はギ酸-メタンスルホン酸混合物で処理してセフジニルの塩の結晶を得ること、そして当該塩の結晶をある溶媒中で塩基と反応させることにより調製される。
【0008】
PCT公開WO03/050124号は、セフジニルカリウム二水和物の新規結晶を記載し、その製造方法、及びセフジニルの製造における当該結晶の使用を記載する。
【0009】
米国出願公開US2004/0242556号は、セフジニル、つまり7β-[(Z)-2-(2-アミノ-4-チアゾリル)-2-ヒドロキシイミノアセトアミド]-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸、の結晶形(B型結晶と名付ける)、その調製方法、及び医薬組成物中でのセフジニルB型結晶の使用を開示する。
【0010】
医薬として有用な化合物の新たな多形及び溶媒和物の発見は、医薬品の性能特性を改善するための新たな機会を提供する。また、セフジニル組成物は、しばしば多量の不純物を含む。所望される純度でセフジニルを調製する必要性が当該技術分野に存在している。
【発明の開示】
【0011】
一の実施態様では、本発明は、約11.5、12.3、23.9、24.6、及び27.0±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニル・カリウム塩の結晶形(E型)を包含する。
【0012】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルを水及びH3PO4と混合して溶液を得て、当該溶液と塩基及びカリウムイオンの供給源とを混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウム塩E型の製造方法を包含する。
【0013】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルを水、ピリジン、及び有機溶媒の混合物中に溶解し、塩基及びカリウムイオンの供給源をそれらと混合して沈殿を取得し、沈殿物を取得し、結晶形を回収し、そして当該結晶形を乾燥させることを含む、セフジニルカリウム塩E型の製造方法を包含する。
【0014】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルカリウム塩I型を乾燥させることを含む、セフジニル・カリウム塩E型の製造方法を包含する。
【0015】
別の実施態様では、本発明は、約8.5、11.5、16.7、及び18.4±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩の結晶形(I型)を包含する。
【0016】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルを水、ピリジン、及び有機溶媒の混合物中に溶解し、当該溶液を塩基及びカリウムイオンの供給源と混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収すること含む、セフジニルカリウム塩I型の製造方法を包含する。
【0017】
別の実施態様では、本発明は、約8.3、11.2、11.5、18.4、及び26.3±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩の結晶形(J型)を包含する。
【0018】
別の実施態様では、本発明は、セフジニル、水、及びピリジンを混合して反応混合物を得て、塩基及びカリウムイオンの供給源とそれらを混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウム塩J型の製造方法を包含する。
【0019】
別の実施態様では、本発明は、約8.2、11.1、22.4、23.7、24.2、及び26.3±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩の結晶形(K型)を包含する。
【0020】
別の実施態様では、本発明は、セフジニル、水、及び以下の:硫酸、ギ酸、pトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸(PTSA)からなる群から選ばれる酸を混合して溶液を取得し、塩基及びカリウムイオンの供給源とそれらを混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウム塩K型の製造方法を包含する。
【0021】
別の実施態様では、本発明は、セフジニル及び水を混合して懸濁液を得て、塩基及びカリウムイオンの供給源とそれらを混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含むセフジニルカリウム塩K型の製造方法を包含する。
【0022】
別の実施態様では、本発明は、約12.9、16.6、19.8、22.0、及び23.6±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩の結晶形(L型)を包含する。
【0023】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルカリウム塩K型を乾燥させることを含む、セフジニルカリウム塩Lが田の製造方法を包含する。
【0024】
別の実施態様では、本発明は、6.0、9.7、14.3、15.3、23.2、及び25.9±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩の結晶形(S型)を包含する。
【0025】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルカリウム塩をジメチルアセトアミド中に溶解し、得られた溶液を沈殿が形成されるまで維持し、そして結晶形を回収することを含むセフジニルカリウム塩S型を製造する方法を包含する。
【0026】
別の実施態様では、本発明は、6.0、9.8、14.4、及び21.1±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩(T型)の結晶形を包含する。
【0027】
別の実施態様では、本発明は、セフジニルカリウム塩K型をN-メチルピロリドンと混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウムT型の製造方法を包含する。
【0028】
別の実施態様では、本発明はセフジニルカリウムをセフジニルへと変換することを含むセフジニルの製造方法を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、工業スケールでセフジニル・カリウムを製造する方法を提供する。本発明のカリウム塩は、結晶化過程のために不純物及び副生成物が取り除かれ、その後当該塩をセフジニルへと変換するので、所望される純度を有するセフジニルを取得することを可能にし、高純度のプロファイルが得られる。
【0030】
本発明は、本明細書でE型と定義されるセフジニルカリウム塩の結晶形であって、約11.5、12.3、23.9、24.6、及び27.0±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。当該結晶形は、さらに約8.5、15.6、18.5、19.5、21.0、22.8、26.6、27.5及び28.2±0.2度2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられてもよい。当該結晶形は、図5に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。当該結晶形は、LOD値及びTGAにより測定される約10%の水の含水量により特徴付けられるセフジニル2.5水和物(hemi-pentahydrate)であってもよい。
【0031】
本発明は、セフジニルを水及びH3PO4と混合して溶液を取得し、当該溶液と塩基及びカリウムイオンの供給源を混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウム塩E型の製造方法を包含する。好ましくは、当該塩基及びカリウムイオンの供給源と混合する前に、溶液を約30℃〜約50℃、より好ましくは約40℃の温度に熱する。好ましくは、約7〜約8のpH、より好ましくは約7〜約7.5のpHとなるまで塩基を加える。好ましくは、当該塩基は、カリウムイオンの供給源である。好ましくは、当該塩基は炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを含む水溶液である。好ましくは、塩基は滴下により加えられる。沈殿は水で洗浄されてもよい。沈殿は、ろ過などの慣用技術により回収されてもよい。
【0032】
本発明は、水、ピリジン、及び有機溶媒の混合物中にセフジニルを溶解させ、塩基及びカリウムイオンの供給源をそれらと混合して沈殿を取得し、結晶形を回収し、そして結晶形を乾燥することを含む、セフジニル・カリウム塩E型を製造する方法を包含する。好ましくは、有機溶媒は、C1-C4アルコールであり、より好ましくは当該有機溶媒はエタノールである。好ましくは、約7〜9のpH、より好ましくは約8のpHになるまで当該塩基を加える。好ましくは、当該塩基がカリウムイオンの供給源でもある。好ましくは、当該塩基は、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを含む水溶液である。好ましくは、当該塩基は滴下により加えられる。沈殿をろ過などの慣用技術により回収してもよい。沈殿を水で洗浄してもよい。乾燥過程を促進するために、乾燥を減圧下で行ってもよく及び/又は高温で行ってもよい。好ましくは、約100mmHg未満の圧力で乾燥を行う。好ましくは、乾燥は、少なくとも約30℃、より好ましくは約40℃の温度で行われる。
【0033】
本発明は、セフジニル・カリウム塩I型を乾燥させることを含むセフジニル・カリウム塩E型を調製する別の方法を包含する。好ましくは乾燥は少なくとも約30℃、より好ましくは約40度の温度で行われる。好ましくは、乾燥は、約100mmHg未満の圧力で行われる。
【0034】
本発明は、本明細書でI型と定義されるセフジニル・カリウム塩の結晶形であって、約8.5、11.5、16.7、及び18.4±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。当該結晶形は、さらに約8.3、24.9、28.0、及び30.1±0.2度2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられてもよい。当該結晶形は、図6に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。
【0035】
本発明は、セフジニルを水、ピリミジン、及び有機溶媒の混合物中に溶解し、当該溶液を塩基及びカリウムイオンの供給源と混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウム塩I型を調製する方法を包含する。好ましくは、当該有機溶媒は、C1-C4アルコールであり、そしてより好ましくは、当該有機溶媒はエタノールである。好ましくは、当該塩基は、約7〜約9のpH、より好ましくは約8のpHになるまで加えられる。好ましくは、当該塩基もカリウムイオンの供給源である。好ましくは、当該塩基は炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを含む水溶液である。当該沈殿は、ろ過などの慣用技術により回収されてもよい。沈殿は、水で洗浄されてもよい。
【0036】
本発明は、本明細書でJ型として定義されるセフジニルカリウム塩の結晶形であって、約8.3、11.2、11.5、18.4、及び26.3±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。結晶形は、約19.5、21.2、25.2、28.1、及び30.3±0.2度2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられてもよい。当該結晶形は、図4に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。
【0037】
本発明は、セフジニル、水及びピリジンを混合して反応混合物を取得し、塩基及びカリウムイオンの溶液とそれらを混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニル・カリウム塩J型の製造方法を包含する。好ましくは、当該塩基は上に記載される通りである。
【0038】
本発明は、本明細書でK型と定義されるセフジニル・カリウム塩の結晶形であって、約8.2、11.1、22.4、23.7、24.2、及び26.3±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。当該結晶形は、さらに約13.5、14.5、15.4、16.1、18.2、19.5、20.8、26.7、及び27.3±0.2度2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けされてもよい。当該結晶形は、図2及び3に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。当該結晶形は、以下の:813、1048、1134、1190、1428、1533、及び3299cm-1のピークのIRスペクトルによりさらに特徴付けることができる。当該結晶形は、以下の:690、739、759、792、866、946、983、1014、1069、1105、1280、1305、1349、1468、1667、1782、2975、及び3586cm-1のピークを有するIRスペクトルによりさらに特徴付けることができる。当該結晶形は、図1に示されるIRスペクトルにより実質的に同定されても良い。当該結晶形は、約10重量%〜約30重量%の含水量により特徴付けられてもよい。好ましくは、当該結晶形は、Karl Fisher分析により又はLODにより計測した際に、約13重量%〜約26重量%の含水量により、より好ましくは、約13%〜約15%の含水量、最も好ましくは約14.4重量%の含水量により特徴付けられてもよい。
【0039】
本発明は、セフジニル、水、及び以下の:硫酸、ギ酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸(PTSA)からなる群から選ばれる酸を混合して溶液を取得し、塩基及びカリウムイオンの供給源とこれらを混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含むセフジニル・カリウム塩K型を調製する方法を包含する。場合により、水不混和性溶媒が当該溶液に加えられる。好ましくは当該溶媒はアセトンである。好ましくは当該溶液は、約40℃の温度に熱せられる。好ましくは、当該塩基は、約6〜9のpH、より好ましくは約7.5〜約8.5のpHになるまで加えられる。好ましくは、当該塩基を伴う反応混合物を約4度未満の温度に冷却する。好ましくは、塩基は上に記載される通りである。沈殿は、ろ過などの慣用技術により回収されてもよい。沈殿は水で洗浄されてもよい。沈殿は乾燥されてもよい。圧力は、低減されるか、又は温度は乾燥過程を促進するために増加されてもよい。乾燥は約100mmHg未満の圧力及び0℃〜約50℃の温度で行われうる。
【0040】
本発明は、セフジニル及び水を混合して懸濁液を取得し、塩基及びカリウムイオン供給源をそれと混合して沈殿を取得し、そして結晶形を回収することを含むセフジニル・カリウム塩K型の製造方法を包含する。場合により、水不混和性溶媒を懸濁液に加える。好ましくは、水不混和性溶媒はアセトンである。好ましくは、当該懸濁液を少なくとも約40℃の温度に熱する。好ましくは、約6〜約9のpH、より好ましくは約7.5〜約8.5のpHになるように当該塩基を加える。好ましくは、当該塩基を伴う反応混合液を約4度未満の温度に冷却する。好ましくは、当該塩基は、上に記載される通りである。当該沈殿はろ過などの慣用技術により回収されてもよい。沈殿は水で洗浄されてもよい。沈殿は乾燥されてもよい。乾燥過程を促進するために圧力が低減されるか、又は温度は増加されてもよい。乾燥は、約100mmHg未満の圧力及び約30℃〜約50℃の温度未満の圧力で行われうる。
【0041】
本発明は、本明細書でL型と定義されるセフジニル・カリウム塩の結晶形であって、約12.9、16.6、19.8、22.0、及び23.6±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。結晶形はさらに、約9.9、16.1、17.8、26.1、及び27.6±0.2度2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けらてもよい。結晶形は、図9に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。
【0042】
本発明は、セフジニル・カリウム塩K型を乾燥させることを含む、セフジニル・カリウム塩L型を調製する方法を包含する。好ましくは、乾燥は少なくとも約30℃、より好ましくは40℃の温度で行われる。好ましくは、乾燥は、約10mmHg未満の圧力で行われる。
【0043】
本発明は、本明細書でS型と定義されるセフジニル・カリウム塩の結晶形であって、約6.0、9.7、14.3、15.3、23.2、及び25.9±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。結晶形は、ジメチルアセトアミド(DMAC)溶媒和物であってもよい。S型は、約16.5、18.3、21.5、22.2、及び22.6±0.2度2θによりさらに特徴付けられてもよい。結晶形は、図7に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。
【0044】
本発明は、セフジニル・カリウム塩をジメチルアセトアミド中に溶解し、沈殿が形成するまで得られた溶液を維持し、そして結晶形を回収することを含むセフジニルカリウム塩S型の製造方法を包含する。好ましくは、反応混合物は、約25℃〜約30℃の温度で行われる。好ましくは、反応混合物は沈殿の形成に先立って攪拌される。当該沈殿をアセトンで洗浄してもよい。当該沈殿は乾燥されてもよい。乾燥過程を促進するために圧力が低減されるか、又は温度が増加されてもよい。乾燥は、約100mmHg未満の圧力及び約30℃〜約50℃の温度で行われてもよい。
【0045】
本発明は、本明細書中で結晶型Tと定義されるセフジニルカリウム塩の結晶形であって、6.0、9.8、14.4、及び21.1±0.2度2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる結晶形を包含する。結晶形は、N-メチルピロリドン(NMP)溶媒和物であってもよい。結晶形は、14.4、15.4、18.3、21.8、及び22.6±0.2度2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられてもよい。結晶形は、図8に記載されるPXRDパターンにより実質的に同定されてもよい。
【0046】
本発明は、セフジニルカリウム塩K型をN-メチルピロリドンと混合して沈澱を取得し、そして結晶形を回収することを含む、セフジニルカリウム塩T型を製造する方法を包含する。好ましくは、当該反応を約25℃〜約30℃の温度で行う。好ましくは、当該反応液を沈澱が形成する前に攪拌する。沈澱はアセトンで洗浄されてもよい。沈澱を乾燥してもよい。乾燥過程を促進するために圧力を低減するか又は温度を増加させてもよい。乾燥は、約100mmHg未満の圧力で及び約30℃〜約50℃の温度で行われてもよい。
【0047】
本発明の方法おいて用いられるセフジニルは、実施例において提供される方法により、又は任意の適切な方法により作成されるセフジニルを用いることにより調製されてもよい。開始物質として使用されるセフジニルは、例えば、米国特許第4,559,334号、第4,870,168号、第6,093,818号、第7,105,659号、又はWO 92/7840号に記載される方法により取得することができる。これらの参考文献は、本明細書に援用される。
【0048】
本発明の別の態様では、どのような多形相(polymorphic form)であっても、カリウム塩は、酸を用いることによりセフジニルへと変換されうる。カリウム塩溶液は、水中で、又は水と水不混和性有機溶媒の混合物中で調製することができる。好ましくは、カリウム塩の溶液は、水中で調製される。溶液の不純物は、活性炭、キレート剤、及びフィルターを用いることにより取り除かれうる。セフジニルの水への実質的な不溶性のため、溶液のpHは、遊離酸を得て、そしてセフジニルを沈殿させるように低下される。適切なpHは約1〜約4である。適切な酸は、塩酸及び硫酸を含む。好ましくは、当該酸は硫酸である。溶液の温度は、低下されてもよいし、又はさらに結晶を誘導するために種結晶を入れられてもよい。適切な温度は約5℃〜約15℃である。
【0049】
どのような多形相(polymorphic form)であっても、カリウム塩は、米国特許4,935,507号に記載されるセフジニルへと変換されうる。
【0050】
カリウム塩の形成は、セフジニルの製造用の工業的方法、特に7-アミノ-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸(7-AVNA、0.4419mol)をO-アセチルチオエステルと反応させる合成方法に組み込まれうる。
【0051】
一の態様では、本発明は、以下の式:
【化2】

[式中、Zは、オキシム保護基を表す]
で表される保護チオエステルである7-アミノ-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸、及び有機塩基を、水及び水混和性溶媒の存在下で反応させ;当該保護セフジニルをセフジニルカリウム及びセフジニルセシウムからなる群から選ばれるセフジニル塩へと変換し;そしてセフジニル塩をセフジニルへと変換することを含むセフジニルの製造方法を提供する。一の実施態様では、7-アミノ-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸を、テトラヒドロフラン及び水の混合物中でO-アセチル・チオエステルと反応させ、その間当該反応混合物を攪拌し、当該混合物を約15〜20℃に冷却し、トリメチルアミンを当該反応液に加えて約8.0〜8.2のpHにし、塩化メチレンを反応混合物に加え、その間温度を維持しそして攪拌し、当該反応混合液に水を加え、その間温度を維持しそして攪拌し、有機相と水相を分離し、塩化アンモニウムを水相に加えて、pHを約7.8〜約8.2に維持し、炭酸カリウム溶液を水相に加え、そして沈殿した結晶セフジニルカリウム塩を取得する。
【0052】
本発明は、本発明のセフジニル及び医薬として許容されるセフジニルを含む医薬製剤も包含しうる。
【0053】
哺乳動物に投与するための医薬組成物は、当該セフジニルを、少なくとも1の医薬として許容される賦形剤と混合することにより得られるセフジニルから調製することができる。医薬組成物は、好ましくは、感染、特に呼吸器及び耳感染の治療又は予防のために経口投与される。
【0054】
本発明は、医薬製剤を製造する方法であって、本発明のセフジニルを少なくとも1の医薬として許容される賦形剤と混合することを含む、方法をさらに包含する。
【0055】
本発明は、本発明のセフジニルを医薬組成物の製造のために使用することをさらに包含する。
【0056】
本発明の医薬組成物の投与方法は、患者の年齢、性別、及び症状に依存した様々なp製剤で投与することができる。当該医薬組成物は、例えば、錠剤、ピル、粉末、液体、懸濁液、乳濁液、顆粒、カプセル、座剤、注射製剤(溶液及び懸濁液)などとして投与することができる。
【0057】
本発明の医薬組成物は、場合により、セフジニルの異なる形態及び/又は他の活性成分と混合することもできる。さらに、本発明の医薬組成物は、希釈剤、担体、賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、崩壊阻害剤、吸収促進剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤、表面活性剤、香味剤などの不活性成分を含むことができる。
【0058】
希釈剤は、固体の医薬組成物のかさを増加させ、そして当該組成物を含む医薬投与形態の患者及び介護人による取り扱いをより簡単にする。固体組成物の希釈剤は、例えば、微結晶セルロース(例えば、AVICEL(登録商標))、微粒子セルロース、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストラート(dextrate)、デキストリン、デキストロース、リン酸二水素カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT(登録商標))、塩化カリウム、粉末セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール、及びタルクを含む。
【0059】
錠剤などの投与形態に成形される固体医薬組成物は、その機能が加圧後に活性成分と他の賦形剤との結合を手助けすることを含む賦形剤を含んでもよい。固体医薬組成物についての結合剤は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアガム、水素化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、KLUCEL(登録商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、METHOCEL(登録商標))、ブドウ糖液、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON(登録商標)、PLASDONE(登録商標))、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、及びデンプンを含む。
【0060】
患者の胃の中における成形固体医薬組成物の崩壊比は、組成物に崩壊剤を加えることにより増加されうる。崩壊剤は、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC-DI-SOL(登録商標)、PRIMELLOSE(登録商標))、コロイド性二酸化ケイ素、クロスカルメロース・ナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON(登録商標)、POLYPLASDONE(登録商標))、グアガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリン・カリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウムスターチ(例えば、EXPLOTAB(登録商標))及びデンプンを含む。
【0061】
流動促進剤は、非成形固体組成物の流動性を改善し、そして用量の正確性を改善するために加えることができる。流動促進剤として機能しうる賦形剤は、コロイド性二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、及びリン酸カルシウムを含む。
【0062】
錠剤などの投与形態は、粉末化組成物の成形により作成される場合、当該組成物はパンチ(punch)及びダイ(dye)からの圧力にかけられる。幾つかの賦形剤及び活性成分は、パンチ及びダイの表面に付着する傾向を有し、これにより製品が孔及び他の表面の凹凸を有するようになる。付着を低減し、そしてダイからの製品の放出を容易にするために、潤滑剤が当該組成物に加えられうる。潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、パルミトステアリン酸グリセリル、水素添加ひまし油、水素添加植物油、ミネラルオイル、ポリエチレン・グリコール、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、及びステアリン酸亜鉛を含む。
【0063】
香味剤及び香味増強剤は、投与形態をより口当たりのよい物にする。本発明の組成物中に含まれる一般的な香味剤及び香味増強剤は、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、及び酒石酸を含む。
【0064】
任意の医薬として許容される着色剤を用いて固体及び液体組成物は着色されて、その外見を改善し、及び/又は患者による製品及び単位用量レベルの同定を容易にする。
【0065】
本発明の液体医薬組成物において、セフジニル及び他の任意の固体賦形剤は、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、又はグリセリンなどの液体担体中に溶解又は懸濁される。
【0066】
液体医薬組成物は、組成物中において液体担体中に溶解しない活性成分又は他の賦形剤を均一に分散させるために乳濁剤を含んでもよい。本発明の液体組成物において有用である乳濁剤は、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガント、コンドルス(chondrus)、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール、及びセチルアルコールを含む。
【0067】
本発明の液体医薬組成物は、製品の口当たりを改善するため及び/又は胃腸管のライニングを被膜するため、粘度増強剤を含んでもよい。このような物質は、アカシア、アルギン酸ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロース・カルシウム又はナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチングァガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、炭酸プロピレン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、デンプントラガント、及びキサンタンガムを含む。
【0068】
ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖などの甘味料が味を改善するために加えられてもよい。
【0069】
アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸などの保存剤及びキレート剤が貯蔵安定性を改善するために安全なレベルで加えられてもよい。
【0070】
本発明に従って、液体組成物は、グコン酸(guconic acid)、乳酸、クエン酸、又は酢酸、グコン酸ナトリウム(sodium guconate)、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムなどの緩衝剤を含んでもよい。使用される賦形剤及びその量の選択は、経験並びに当該技術分野における標準方法及び参考資料の考慮に基づいて、製剤科学の科学者によって容易に決定することができる。
【0071】
注射用(非経口)医薬組成物を製造する場合、溶液及び懸濁液は安定化され、そして好ましくは血液と等張にされる。注射製剤は、当該技術分野において一般的に知られた担体を用いることができる。例えば注射製剤要の担体は、非限定的に、水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシル化イソステアリルアルコール、及びポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステルを含む。当業者の一人は、注射製剤を等張とするために必要な塩化ナトリウム、グルコース、又はグリセリンの量を、少しの実験又は全く実験しないで容易に決定することができる。溶解剤、緩衝剤、及び鎮痛薬などの追加成分が加えられてもよい。
【0072】
本発明の固体組成物は、粉末、顆粒、凝集体、及び成形組成物を含む。当該投与形態は、経口、頬側、直腸、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内)、吸入、及び点眼投与に適した形態を含む。任意の所定の場合において最も適した経路は、治療される症状の性質及び重篤度に依存するであろうが、本発明の最も好ましい経路は経口である。用量は、単位用量で都合よく存在してもよく、そして製薬技術において周知の方法のいずれかにより調製されうる。
【0073】
投与形態は、錠剤、粉末、カプセル、懸濁液、サチェット、トローチ、及びロゼンジなどの固体投与形態、並びに液体シロップ、懸濁液及びエリクシルなどを含む。
【0074】
本発明の投与形態は、ハード又はソフトシェルのいずれかの中に組成物、好ましくは本発明の粉末又は顆粒の固体組成物を含むカプセルであってもよい。シェルは、ゼラチンから作られてもよく、そして場合によりグリセリン及びソルビトールなどの可塑剤、そして乳白剤又は着色剤を含んでもよい。
【0075】
活性成分及び賦形剤は、当該技術分野に知られている方法に従って組成物及び投与形態に剤形されうる。
【0076】
錠剤化又はカプセル充填のための組成物は、湿潤顆粒化により製造されうる。湿潤顆粒化において、粉末形態の活性成分及び賦形剤の幾つか又は全てが混合され、そしてさらに粉末を顆粒へと凝集させる液体、典型的に水の存在下で混合される。顆粒を選別し、及び/又は粉末化し、乾燥し、そして次に所望の粒子サイズへと選別し及び/又は粉末化した。顆粒を次に錠剤化し、又は他の賦形剤、例えば流動促進剤及び/又は潤滑剤などの賦形剤を錠剤化前に加えてもよい。
【0077】
錠剤組成物は、乾燥混合により慣用的に調製されてもよい。例えば、活性成分と賦形剤の混合組成物は、スラグ又はシートへと凝集され、次に小型顆粒に粉砕されてもよい。小型顆粒は、実質的に錠剤へと固められてもよい。
【0078】
乾燥顆粒の代わりとして、混合組成物は、直接加圧技術を用いて小型投与形態へと直接加圧されてもよい。直接加圧は、顆粒を伴わないさらに均一な錠剤を産生する。直接加圧錠剤化により適した賦形剤は、微結晶セルロース、スプレー乾燥ラクトース、第二リン酸カルシウム二水和物、及びコロイド状シリカを含む。直接加圧錠剤化におけるこれらの及び他の賦形剤の適切な使用は、特に直接加圧錠剤化の製剤化における経験及び技術を有する当業者に知られている。
【0079】
本発明を充填するカプセルは、錠剤化に関して記載された前述の混合物及び顆粒のいずれも含んでもよいが、それらは最終的な錠剤化ステップにかけられてない。
【0080】
本発明の固体組成物は、粉末、顆粒、凝集体、及び小型組成物を含む。投与形態は、経口、頬側、直腸、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内)吸入、及び点眼投与に適している投与形態を含む。任意の所定の場合における最も適した経路は、治療される症状の性質及び重篤度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は経口である。用量は、都合よく単位用量で存在してもよいし、そして製剤技術において周知の方法のいずれかにより調製することができる。
【0081】
本発明は、特定の実施例及び好ましい実施態様について記載される一方、本発明がこれらの実施例及び実施態様に限定されないということが理解される。特許請求される本発明は、その結果、当業者のうちの一人に明らかであるように、本明細書に記載される特定の実施例及び好ましい実施態様からのバリエーションを含む。
【実施例】
【0082】
図3〜6に記載されるX線粉末回折を、Philips X線粉末回折機、ジェネレーター・タイプ:PW1830、ゴニメーター・タイプ:PW3020、モノクロメーター・タイプ:1752/00で行い、Cu標的陽極LFFを用いた。スキャン・パラメーターは、2〜40°2θ、3°/分の速度であった。
【0083】
図2に記載されるX線粉末回折を、Siemens D 5000で行い、1.2KVで作動させ、Cuチューブを用い、スキャンパラメーターは2〜50°2θであり、ステップ時間:0.5秒であった。
【0084】
Thermoelectronにより製造されたNicolet、AVTAR、370DTGSによりFTIRを行った(カリウム塩のIRをKBrパラート(KBr palate)を調製した後に行った)。
【0085】
実施例1:結晶セフジニル・カリウム塩K型の製造
7-アミノ-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸(「7-AVNA」100g、0.4419mol)をテトラヒドロフラン(1000ml)に加え、続いて攪拌しながらO-アセチルチオエステル(180g、0.4793mol)及び水(500mL)を加えた。反応集合を15℃〜20℃に冷却した。当該反応混合液に、約8.0〜8.2のpHでトリエチルアミン(62ml)をゆっくり加えた。攪拌を続け、そして7-AVNAが1%未満になるまで反応の進行を定量的HPLCによりモニターした。この段階で塩化メチレン(1000ml)を加え、そして反応混合液を15分間20℃〜25℃で攪拌した。水(1000ml)を反応集合に加え、そして20℃〜25℃で15分間攪拌した。水相を分離し、そして塩化メチレン(500ml)で抽出した。その後、塩化アンモニウム(66g)を20〜25℃で1ロットの水性部分に加え、そして20%w/v水性炭酸カリウム溶液を加えることによりpHを8.0〜8.2に維持した。O-アセチルセフジニルが面積で0.5%未満となるまで、定量的HPLCによりモニターした。加水分解の完了後、結晶セフジニルカリウム塩が沈殿した。セフジニルカリウム塩を沈殿させるために種結晶が必要とされることもある。混合物を1時間攪拌し、その後5℃〜10℃に冷却し、そして1時間その温度に維持した。沈殿をろ過により回収し、そして結晶を1:1アセトン:水の溶液で洗浄した。水分が焼く14.7%w/wとなるまで大気圧下で生成物を乾燥させた。セフジニルカリウム塩K型(135.2g)を99.0%の純度(HPLC)で得た。
【0086】
実施例2:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
セフジニル(10g)を25℃〜30℃の温度で水(80ml)中に懸濁した。炭酸カリウム溶液(40%)をpHを8.0〜8.2に調節するために加えた。溶液を60〜180分間攪拌した後、結晶セフジニルカリウム塩を溶液から沈殿させた。必要がある場合、溶液に結晶セフジニルカリウム塩を撒いた。スラリーを5℃〜10℃に冷却し、そして60分間攪拌した。沈殿を回収し、アセトンで洗浄し、そして乾燥してセフジニルカリウム塩K型(7.5g)(HPLC純度99.0%超)を得た。
【0087】
実施例3:結晶セフジニル・カリウムからの結晶セフジニルの調製
A.米国特許第4,935,507号に従った結晶セフジニルA型の調製
上記実施例(1及び2)から取得したセフジニルカリウム(15g)を25℃〜30℃で水(450ml)に溶解した。溶液を活性炭(1.5g)及びEDTA(0.15g)で処理し、そして混合液を15〜30分間攪拌した。溶液をセライトに通してろ過し、そして希硫酸を加えることによりpHを1.8〜2.4に調節した。形成した沈殿物を回収し、そして結晶セフジニルA型と同定した(収量11.3g、HPLC99.5%)。
【0088】
B.US2003/204082及びUS2004/24556に記載の結晶セフジニルB型の調製
上記実施例(1及び2)から得られるセフジニル・カリウム(15g)を、25℃〜30℃で水(450ml)に溶解した。溶液を活性炭(1.5g)及びEDTA(0.15g)で処理し、そして混合物を15〜30分間攪拌した。溶液をセライトを通してろ過し、そして8℃〜12℃で希硫酸を加えることによりpHを1.8〜2.4に調節した。溶液を攪拌し、沈殿を回収し、そして結晶セフジニルB型と同定した(収量11.3g、HPLC99.5%)。
【0089】
実施例4:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムI型の調製
水(25ml)、ピリジン(10ml)、及びエタノール(25ml)をセフジニル(5g)に加えた。pHが8になるまで炭酸カリウム溶液(2.5ml、40%)を加えることによりpHを調節した。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいでセフジニルI型(2.5g)を得た。
【0090】
実施例5:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムJ型の調製
水(25ml)及びピリジン(10ml)をセフジニル(5g)に加えた。炭酸カリウム溶液(2.8ml、40%)を加えることによりpHを8.5に調節した。沈殿をろ過により回収し、水ですすぎ、そして乾燥させてウェットフォームのセフジニルJ型を得た。
【0091】
実施例6:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムK型の調製
水(75ml)及び濃硫酸(5ml)をセフジニル(5g)に加えた。炭酸カリウム溶液(33ml、40%)を加えることによりpHを7に調節した。沈殿をろ過により回収し、水ですすぎ、そして乾燥させてセフジニルK型(2.8g)をウェットフォームで得た。
【0092】
実施例7:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムK型の調製
75mlの水と5mlの濃硫酸を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。33mlの40%炭酸カリウム溶液を攪拌しながら加えた。得られたpHは7.5〜8であった。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0093】
実施例8:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
75mlの水及び5mlの濃硫酸を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。33mlの40%炭酸カリウム溶液を攪拌しながら加えた。得られたpHは8〜8.5であった。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすぎ、セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0094】
実施例9:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
10mlの水、25mlのアセトン、及び25mlのギ酸を5gのセフジニルに加えた。攪拌しながら溶液を連続して98mlの40%炭酸カリウム溶液を用いて滴定した。得られたpHは8.5であった。
生成された沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニル・カリウムK型を得た(ウェット)。
【0095】
実施例10:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
10mlの水、25mlのアセトン、及び25mlのギ酸を5gのセフジニルに加えた。攪拌しながら95mlの40%炭酸カリウム溶液で連続して溶液を滴定した。得られたpHは6.5〜7であった。混合液を冷蔵温度(4℃)に3日間維持した。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0096】
実施例11:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
10mlの水、25mlのアセトン、及び25mlのギ酸を5gのセフジニルに加えた。攪拌しながら94mlの40%炭酸カリウムで溶液を連続して滴定した。得られたpHは7.5〜8であった。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニ・カリウムK型を得た(ウェット)。
【0097】
実施例12:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び15mlのH3PO4を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。溶液を攪拌しながら59mlの40%炭酸カリウム溶液で滴定した。得られたpHは6.5〜7であった。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0098】
実施例13:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び15mlのH3PO4を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。攪拌しながら、溶液を89.2mlの40%炭酸カリウム溶液で滴定した。得られたpHは8.5〜9であった。生成した沈殿をろ過紙、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0099】
実施例14:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
5mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。25mlの50%p-トルエンスルホン酸の水溶液を完全な溶解が生じるまで加えた。溶液を10.6mlの40%炭酸カリウム水溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは8〜8.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0100】
実施例15:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
5mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。25mlの50%pトルエンスルホン酸の水溶液を完全に溶解するまで加えた。溶液を10.4mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは7.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過紙、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0101】
実施例16:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
5mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。25mlの50%p-トルエンスルホン酸水溶液を完全に溶解するまで加えた。溶液を10.6mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは8であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過紙、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0102】
実施例17:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
5mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。25mlの50%p-トルエンスルホン酸水溶液を完全に溶解するまで加えた。溶液を9.4mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは4.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルA型及びセフジニルカリウムK型の混合物を得た(ウェット)。
【0103】
実施例18:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び4.5mlのトリフルオロ酢酸を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。溶液を10.5mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは3.9〜4.2であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルA型及びセフジニルカリウムK型の混合物を得た(ウェット)。
【0104】
実施例19:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び4mlのトリフルオロ酢酸を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。溶液を9.2mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは7.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型の混合物を得た(ウェット)。
【0105】
実施例20:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び4mlのトリフルオロ酢酸を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。溶液を10.6mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは8〜8.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、水ですすぎ、そして乾燥した。セフジニルカリウムK型を得た(ドライ)。
【0106】
実施例21:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。3mlのメタンスルホン酸を加えた。完全な溶解がもたらされた。溶液を9.9mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは8.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0107】
実施例22:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。3mlのメタンスルホン酸を加えた。完全な溶解がもたらされた。溶液を8.4mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは4.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た( ウェット)。
【0108】
実施例23:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。3mlのメタンスルホン酸を加えた。完全な溶解がもたらされた。溶液を10.2mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは8.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0109】
実施例24:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。3mlのメタンスルホン酸を加えた。完全な溶解がもたらされた。溶液を9.9mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは8.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0110】
実施例25:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び4.5mlのトリフルオロ酢酸を5gのセフジニルに加えた。溶液を8.4mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは5.5であった。混合液を2時間攪拌した。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0111】
実施例26:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
25mlの水及び3mlのメタンスルホン酸を5gのセフジニルに加えた。溶液を6.4mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは5.5であった。混合液を2時間攪拌した。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルA型及びセフジニルカリウムK型の混合物を得た(ウェット)。
【0112】
実施例27:セフジニルからの結晶セフジニルカリウム塩K型の調製
5mlの水及び38.5mlのPTSAを5gのセフジニルに50℃で加えた。溶液を9mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは6〜6.5であった。混合液を2時間攪拌し、そして一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムK型を得た(ウェット)。
【0113】
実施例28:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムK型及びL型の調製
5mlの水を5gのセフジニルに加えた。次に25mlのギ酸、さらに5mlの水、そして25mlのアセトンを加えた。溶液を65.1mlの40%炭酸カリウム溶液で滴定し、そして3時間攪拌した。得られたpHは5.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすぎ、そして高吸引下で40℃で乾燥した。セフジニルカリウムK型をウェット生成物として得た。セフジニルカリウムL型を乾燥生成物として得た。
【0114】
実施例29:セフジニルからのセフジニルカリウムK型及びL型の調製
25mlの水及び15mlのリン酸を40℃で5gのセフジニルに加えた。溶液を35.1mlの40%炭酸カリウム溶液を用いて滴定し、そして2時間攪拌した。得られたpHは5.5であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすぎ、そして高吸引下で40℃で乾燥させた。セフジニル・カリウムK型をウェット産物として得た。セフジニルカリウムL型を乾燥産物として得た。
【0115】
実施例30:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムL型の調製
12mlの85%ギ酸溶液を5gのセフジニルに加えた。透明な溶液を得た。12mlのアセトンを加えた。溶液を18.9mlの40%炭酸カリウム溶液で滴定した。得られたpHは4であった。混合液を冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、水ですすぎ、そして40℃で高吸引下で乾燥した。セフジニルカリウムL型を乾燥産物として得た。
【0116】
実施例31:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムL型の調製
10mlの水及び25mlの85%ギ酸溶液を5gのセフジニルに加えた。透明な溶液を得た。25mlのアセトンを加えた。溶液を75mlの40%炭酸カリウム溶液で滴定した。得られたpHは7であった。混合液を一晩冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすぎ、そして吸引下で40℃で乾燥した。セフジニルカリウムL型を乾燥産物として得た。
【0117】
実施例32:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムE型の調製
25mlの水及び15mlのH3PO4を5gのセフジニルに加えた。混合液を40℃に熱した。溶液を72.5mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは7〜7.5であった。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすいだ。セフジニルカリウムE型を得た(ウェット)。
【0118】
実施例33:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムE型及びI型の調製
25mlの水、10mlのピリジン、及び25mlのC25OHを5gのセフジニルに加えた。溶液を攪拌しながら2.7mlの40%炭酸カリウム溶液で滴定した。得られたpHは8〜8.5であった。混合液を3日間冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、水ですすぎ、そして高吸引下で40℃で乾燥した。セフジニルカリウムI型をウェット産物として得た。セフジニルカリウムE型を乾燥産物として得た。
【0119】
実施例34:セフジニルからの結晶セフジニルカリウムE型及びI型の調製
25mlの水、10mlのピリミジン、及び25mlのC25OHを5gのセフジニルに加えた。溶液を2.4mlの40%炭酸カリウム溶液で攪拌しながら滴定した。得られたpHは7.5〜8であった。混合液を3日間冷蔵した(4℃)。生成した沈殿をろ過し、そして水ですすぎ、そして高吸引下で40℃で乾燥した。セフジニルカリウムI型を乾燥産物として得た。セフジニルカリウムE型を乾燥産物として得た。
【0120】
実施例35:セフジニルカリウム塩からのセフジニルカリウムジメチルアセトアミド溶媒和物S型の調製
実施例1から得たセフジニルカリウム塩(10gm)を攪拌しながらジメチルアセトン(80ml)中で25〜30℃にて溶解させた。結晶セフジニルカリウム塩溶媒和物を晶出させ、そして窒素雰囲気下でろ過した。生成物をアセトン(100ml)で洗浄し、そして減圧下で40〜45℃にて4〜5時間乾燥させた(水分:2.1%、収率0.92w/w)。
【0121】
実施例36:セフジニルカリウム塩からのセフジニルカリウムN-メチルピロリドン溶媒和物T型の調製
実施例1から得られたセフジニルカリウム塩(10gm)を攪拌しながら25℃〜30℃でN-メチルピロリドン(80ml)に溶解させた。結晶セフジニルカリウム塩溶媒和物を晶出させて、そして窒素雰囲気下でろ過した。生成物をアセトン(100ml)で洗浄し、そして減圧下で40〜45℃にて4〜5時間乾燥させた(水分:1.8%、収率0.75w/w)。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】図1は、実施例1に従って調製されたセフジニル・カリウム塩K型のIRスペクトルを示す。
【図2】図2は、実施例1に従って調製されたセフジニル・カリウム塩K型のPXRDパターンを示す。
【図3】図3は、実施例7に従って調製されたセフジニル・カリウムK型のPXRDパターンを示す。
【図4】図4は、セフジニル・カリウムJ型のPXRDパターンを示す。
【図5】図5は、セフジニル・カリウムE型のPXRDパターンを示す。
【図6】図6は、セフジニル・カリウムI型のPXRDパターンを示す。
【図7】図7は、セフジニル・カリウム塩S型のPXRDパターンを示す。
【図8】図8は、セフジニル・カリウム塩T型のPXRDパターンを示す。
【図9】図9は、セフジニル・カリウム塩L型のPXRDパターンを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約11.5、12.3、23.9、24.6、及び27.0±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられるセフジニルカリウム塩の結晶形(E型)。
【請求項2】
約8.5、15.6、18.5、19.5、21.0、22.8、26.6、27.5、及び28.2±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
図5において示されるPXRDパターンにより実質的に同定される、請求項1又は2に記載の結晶形。
【請求項4】
前記結晶形が、LOD値及びTGAにより測定される場合に約10%の水の含水量により特徴付けられる2.5水和物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項5】
セフジニルと水及びH3POを混合して溶液を得て、当該溶液を塩基及びカリウムイオンの供給源と混合して沈殿を得て、そして結晶形を回収することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項6】
前記塩基及びカリウムイオンの供給源と混合する前に、前記溶液を約30℃〜約50℃の温度に熱する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基を、約7〜約8のpHになるまで加える、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記塩基がまた、カリウムイオンの供給源である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記塩基が、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを含む水溶液である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
水、ピリジン、及び有機溶媒の混合液中にセフジニルを溶解し、塩基及びカリウムイオンの供給源をそれらと混合して沈殿を得て、結晶形を回収し、そして結晶形を乾燥させることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項11】
前記有機溶媒がC1-C4アルコールである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記有機溶媒がエタノールである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記塩基を約7〜約9のpHになるまで加える、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記pHが約8である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記塩基がカリウムイオンの供給源でもある、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記塩基が炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを含む水溶液である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記塩基を滴下して加える、請求項10〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
乾燥を減圧下で及び/又は高温で行い、乾燥過程を促進する、請求項10〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
乾燥を約100mmHg未満の圧力で行う、請求項10〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
乾燥を少なくとも約30℃の温度で行う、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
セフジニルカリウム塩I型を乾燥させることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項22】
前記乾燥が少なくとも約30℃の温度で行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
約8.5、11.5、16.7、及び18.4±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる、セフジニルカリウム塩の結晶形(I型)。
【請求項24】
約8.3、24.9、28.0、及び30.1±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる、請求項23に記載の結晶形。
【請求項25】
図6に示されるPXRDパターンにより実質的に同定される、請求項23に記載の結晶形。
【請求項26】
水、ピリジン、及び有機溶媒の混合液中にセフジニルを溶解させ、当該溶液を塩基及びカリウムイオンの供給源と混合して沈殿を得て、そして結晶形を回収することを含む、請求項23〜25のいずれか一項に記載の結晶形を製造する方法。
【請求項27】
前記有機溶媒がC1-C4アルコールである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記有機溶媒がエタノールである、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
約7〜約9のpHとなるまで前記塩基を加える、請求項26〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記塩基がカリウムイオンの供給源でもある、請求項26〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記塩基が、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウムを含む水溶液である、請求項26〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
約8.3、11.2、11.5、18.4、及び26.3±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる、セフジニルカリウム塩の結晶形(J型)。
【請求項33】
約19.5、21.2、25.2、28.1、及び30.3±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる、請求項32に記載の結晶形。
【請求項34】
図4に示されるPXRDパターンにより実質的に同定される、請求項32又は33に記載の結晶形。
【請求項35】
セフジニル、水、及びピリジンを混合して反応混合液を得て、塩基及びカリウムイオンの供給源をそれらと混合して沈殿を得て、そして結晶形を回収することを含む、請求項32〜34のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩を製造する方法。
【請求項36】
約8.2、11.1、22.4、23.7、24.2、及び26.3±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる、セフジニルカリウム塩の結晶形(K型)。
【請求項37】
約13.5、14.5、15.4、16.1、18.2、19.5、20.8、26.7、及び27.3±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる、請求項36に記載の結晶形。
【請求項38】
前記結晶形が、図2及び3に示されるPXRDパターンにより実質的に同定される、請求項36又は37の結晶形。
【請求項39】
813、1048、1134、1190、1428、1533、及び3299cm-1でピークを有するIRスペクトルによりさらに特徴付けられる、請求項36〜38のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項40】
690、739、759、792、866、946、983、1014、1069、1105、1280、1305、1349、1468、1667、1782、2975及び3586cm-1でのピークを有するIRスペクトルによりさらに特徴付けられる、請求項36〜39のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項41】
図1に示されるIRスペクトルにより実質的に同定される、請求項36〜40のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項42】
約10重量%〜約30重量%の含水量により特徴付けられる、請求項36〜41のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項43】
セフジニル、水、及び以下の:硫酸、ギ酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、及びp-トルエンスルホン酸(PTSA)からなる群から選ばれる酸を混合して溶液を得て、塩基及びカリウムイオンの供給源をそれらと混合して沈殿を得て、そして結晶形を回収することを含む、請求項36〜42のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項44】
前記溶液に水不混和性溶媒を加える、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記溶媒がアセトンである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記溶液を少なくとも約40℃の温度に熱する、請求項43〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記塩基を約6〜約9のpHとなるように加える、請求項43〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記塩基を伴う反応混合液を約4℃未満の温度に冷却する、請求項43〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
約100mmHg未満の圧力、そして約30℃〜約50℃の温度で乾燥させることをさらに含む、請求項43〜48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
セフジニル及び水を混合して懸濁液を得て、塩基及びカリウムイオンの供給源をそれらと混合して沈殿を得て、そして結晶形を回収することを含む、請求項36〜42のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項51】
前記懸濁液に水不混和性溶媒を加える、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記水不混和性溶媒がアセトンである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記懸濁液を少なくとも約40℃の温度に熱する、請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記塩基を約6〜約9のpHとなるように加える、請求項50〜53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記塩基を伴う反応混合液を約4℃未満の温度に冷却する、請求項50〜54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
約100mmHg未満の圧力、そして約30℃〜約50℃の温度で乾燥を行う、請求項50〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
約12.9、16.6、19.8、22.0、及び23.6±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる、セフジニルカリウム塩の結晶形(L型)。
【請求項58】
約9.9、16.1、17.8、26.1、及び27.6±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる、請求項57に記載の結晶形。
【請求項59】
図9に示されるPXRDパターンにより実質的に同定される、請求項57又は58に記載の結晶形。
【請求項60】
セフジニルカリウム塩K型を乾燥させることを含む、請求項57〜59のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項61】
前記乾燥を少なくとも約30℃の温度で行う、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記乾燥を約10mmHg以下の圧力で行う、請求項60又は61に記載の方法。
【請求項63】
約6.0、9.7、14.3、15.3、23.2、及び25.9±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる、セフジニルカリウム塩の結晶形(S型)。
【請求項64】
前記結晶形が、ジメチルアセトアミド(DMAC)溶媒和物である、請求項63に記載の結晶形。
【請求項65】
約16.5、18.3、21.5、22.2、及び22.6±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる、請求項63又は64に記載の結晶形。
【請求項66】
図7に示されるPXRDパターンにより実質的に同定されるPXRDパターンを有する、請求項63〜65のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項67】
セフジニルカリウム塩をジメチルアセトアミドに溶解し、沈殿が生成されるまで得られた溶液を維持し、そして結晶形を回収する、請求項63〜66のいずれか一項に記載のセフジニルカリウム塩の製造方法。
【請求項68】
前記反応混合液が約25℃〜約30℃の温度である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
乾燥が、約100mmHg未満の圧力、そして約30℃〜約50℃の温度で行われる、請求項67又は68に記載の方法。
【請求項70】
6.0、9.8、14.4、及び21.1±0.2°2θでのX線粉末回折ピークにより特徴付けられる、セフジニルカリウム塩の結晶形(T型)。
【請求項71】
前記結晶形がN-メチルピロリドン(NMP)溶媒和物である、請求項70に記載の結晶形。
【請求項72】
14.4、15.4、18.3、21.8、及び22.6±0.2°2θでのX線粉末回折ピークによりさらに特徴付けられる、請求項70又は71に記載の結晶形。
【請求項73】
図8に示されるPXRDパターンにより実質的に同定される、請求項70〜72のいずれか一項に記載の結晶形。
【請求項74】
セフジニルカリウム塩K型をN-メチルピロリドンと混合して沈殿を得て、そして結晶形を回収することを含む、請求項70〜73のいずれか一項に記載のセフジニルカリウムの製造方法。
【請求項75】
セフジニルカリウムをセフジニルへと変換することを含む、セフジニルの製造方法。
【請求項76】
前記セフジニルカリウムが先の請求項に記載の結晶形のうちのいずれか一つであり、例えばE、I、J、K、L、S、又はT型結晶である、請求項75に記載の製造方法。
【請求項77】
前記セフジニルカリウムが、7-アミノ-3-ビニル-3-セフェム-4-カルボン酸を、O-アセチルチオエステルと反応させてセフジニルを得て、そして当該セフジニルを塩基及びカリウムの供給源と反応させてセフジニルを得ることにより製造される、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
前記セフジニルカリウムが酸との反応によりセフジニルへと変換される、請求項75〜77のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−525531(P2008−525531A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549739(P2007−549739)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/042749
【国際公開番号】WO2007/053724
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】