説明

セリンプロテアーゼ、とりわけHCVNS3−NS4Aプロテアーゼの阻害剤

本発明は、セリンプロテアーゼ活性、とりわけC型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性を阻害する、式I:
【化1】


の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。それら自体がC型肝炎ウイルスのライフサイクルに干渉するように作用し、そして抗ウイルス剤として有用である。本発明はさらに、生体外での使用のためのまたはHCV感染を有する患者に投与するための、前記化合物を含む薬学的に許容される組成物に、および前記化合物を製造するための方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬組成物を投与することによる、患者のHCV感染を処置する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は米国法典第35編119条に基づき、2003年9月18日出願、発明の名称「セリンプロテアーゼ、とりわけHCV NS3−NS4Aプロテアーゼの阻害剤」の米国仮出願の利益を主張し、当該出願の全内容を出典明示により本明細書の一部とする。
【技術分野】
【0002】
本発明はセリンプロテアーゼ活性、とりわけC型肝炎ウイルスNS3−NS4Aプロテアーゼの活性を阻害する化合物に関する。それら自体がC型肝炎ウイルスのライフサイクルに干渉するように作用し、そしてまた、抗ウイルス剤として有用である。本発明はさらに、生体外での使用のためのまたはHCV感染を有する患者に投与するための、これらの化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、前記化合物を製造する方法および本発明の化合物を含む医薬組成物を投与することによる、患者のHCV感染を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
C型肝炎ウイルス(“HCV”)による感染は、切実なヒト医療の問題である。HCVは非A型、非B型肝炎の最も多いケースの原因となる要因であると認識されており、世界中で3%のヒト血清有病率であると見積もられている[A. Alberti et al., “Natural History of Hepatitis C, ” J. Hepatology, 31., (Suppl. 1), pp. 17-24 (1999)]。 400万人近くの個体が米国のみにおいて感染しているかもしれない[M.J. Alter et al., “The Epidemiology of Viral Hepatitis in the United States, Gastroenterol. Clin. North Am., 23, pp. 437-455 (1994); M. J. Alter “Hepatitis C Virus Infection in the United States, ” J. Hepatology, 31., (Suppl. 1), pp. 88-91 (1999)]。
【0004】
HCVへの最初の暴露では、約20%の感染個体のみが急性臨床肝炎を発現し、一方でその他は自然に感染が緩解するようである。ほぼ70%の症例において、しかしながら、該ウイルスは長期間持続する慢性感染を確立する[S. Iwarson, “The Natural Course of Chronic Hepatitis, ” FEMS Microbiology Reviews, 14, pp. 201-204 (1994); D. Lavanchy, “Global Surveillance and Control of Hepatitis C, ” J. Viral Hepatitis, 6, pp. 35-47 (1999)]。これは通常、再発性の、そして徐々に悪化する肝臓の炎症をもたらし、これはしばしばより重篤な疾患、たとえば肝硬変や肝細胞癌腫へと至る [M.C. Kew, “Hepatitis C and Hepatocellular Carcinoma”, FEMS Microbiology Reviews, 14, pp. 211-220 (1994); I. Saito et. al., “Hepatitis C Virus Infection is Associated with the Development of Hepatocellular Carcinoma, ” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, pp. 6547-6549 (1990)]。不運なことに、消耗性の慢性HCVの進行のための広く有効な処置は存在しない。
【0005】
HCVゲノムは3010−3033アミノ酸のポリタンパク質をコード化する[Q.L. Choo, et. al., “Genetic Organization and Diversity of the Hepatitis C Virus.” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, pp. 2451-2455 (1991); N. Kato et al., “Molecular Cloning of the Human Hepatitis C Virus Genome From Japanese Patients with Non-A, Non-B Hepatitis, ” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, pp. 9524-9528 (1990); A. Takamizawa et. al., “Structure and Organization of the Hepatitis C Virus Genome Isolated From Human Carriers, ” J. Virol., 65, pp. 1105-1113 (1991)]。HCV非構造(NS)タンパク質は、ウイルスの複製の本質的な触媒機構を提供すると推測されている。NSタンパク質はポリタンパク質のタンパク質分解的切断によって得られる[R. Bartenschlager et. al., “Nonstructural Protein 3 of the Hepatitis C Virus Encodes a Serine-Type Proteinase Required for Cleavage at the NS3/4 and NS4/5 Junctions, ” J. Virol., 67, pp. 3835-3844 (1993); A. Grakoui et. al., “Characterization of the Hepatitis C Virus-Encoded Serine Proteinase: Determination of Proteinase-Dependent Polyprotein Cleavage Sites, ” J. Virol., 67, pp. 2832-2843 (1993); A. Grakoui et. al., “Expression and Identification of Hepatitis C Virus Polyprotein Cleavage Products, ” J. Virol., 67, pp. 1385-1395 (1993); L. Tomei et. al., “NS3 is a serine protease required for processing of Hepatitis C Virus polyprotein”, J. Virol., 67, pp. 4017-4026 (1993)]。
【0006】
HCV NSタンパク質3(NS3)はウイルス性酵素の大多数をプロセッシングするのを助けるセリンプロテアーゼ活性を含み、したがってウイルスの複製および感染に必須であると見なされている。黄熱ウイルスNS3プロテアーゼの変異がウイルスの感染性を減少させることは既知である[Chambers, T.J. et. al., “Evidence that the N-terminal Domain of Nonstructural Protein NS3 From Yellow Fever Virus is a Serine Protease Responsible for Site-Specific Cleavages in the Viral Polyprotein”, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87, pp. 8898-8902 (1990)]。NS3の最初の181アミノ酸(ウイルス性ポリタンパク質の1027−1207残基)は、HCVポリタンパク質の下流の4部位の全てをプロセッシングするNS3のセリンプロテアーゼドメインを含むことが見出された[C. Lin et al., “Hepatitis C Virus NS3 Serine Proteinase: Trans-Cleavage Requirements and Processing Kinetics”, J. Virol., 68, pp. 8147-8157 (1994)]。
【0007】
HCV NS3セリンプロテアーゼおよびその関連コファクターであるNS4Aは、全てのウイルス酵素のプロセッシングを助け、したがってウイルスの複製に必須であると見なされている。このプロセッシングは、ヒト免疫不全ウイルスのアスパルチルプロテアーゼによって引き起こされるものと類似するようであり、これもウイルスの酵素のプロセッシングに含まれる。ウイルスタンパク質のプロセッシングを阻害するHIVプロテアーゼ阻害剤は、ヒトにおいて強力な抗ウイルス剤であり、ウイルスのライフサイクルのこの段階を阻害することで治療的に活性な薬剤となることを示す。結果として、HCV NS3セリンプロテアーゼはまた、薬剤の発見に魅力的な標的である。
【0008】
現在のところ、満足な抗HCV薬剤または処置は全く存在しない。最近まで、HCV感染への確立された治療はインターフェロン処置のみであった。しかしながら、インターフェロンは重大な副作用を有し[M. A. Wlaker et al., “Hepatitis C Virus: An Overview of Current Approaches and Progress, ” DDT, 4, pp. 518-29 (1999); D. Moradpour et al., “Current and Evolving Therapies for Hepatitis C, ” Eur. J. Gastroenterol. Hepatol., 11, pp. 1199-1202 (1999); H. L. A. Janssen et al. “Suicide Associated with Alfa-Interferon Therapy for Cronic Viral Hepatitis, ” J. Hepatol., 21, pp. 241-243 (1994); P.F. Renault et al., “Side Effects of Alpha interferon, ” Seminars in Liver Disease, 9, pp. 273-277. (1989)]、そして症例の一部(〜25%)においてのみ長期の改善が生じる[O. Weiland, “Interferon Therapy in Chronic Hepatitis C Virus Infection”, FEMS Microbiol. Rev., 14, pp. 279-288 (1994)]。インターフェロンのペグ化された形態(PEG−Intron(登録商標)およびPegasys(登録商標))およびリバビリンとペグ化インターフェロンの組合せ治療(Rebetrol(登録商標))の近年の導入は、緩解率においてわずかな改善のみを、そして副作用の部分的軽減のみをもたらした。さらに、有効な抗HCVワクチンの見込みは不明のままである。
【0009】
したがって、より有効な抗HCV治療に対する必要が存在する。前記阻害剤はプロテアーゼ阻害剤として、とりわけセリンプロテアーゼ阻害剤として、そしてさらにとりわけHCV NS3プロテアーゼ阻害剤として、治療の可能性を有するであろう。特に、前記化合物は抗ウイルス剤として、とりわけ抗HCV薬剤として有用であり得る。
【0010】
発明の要約
本発明はこれらの必要性を、式I
【化1】

(式中、可変部は本明細書に定義のとおりである)
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供することによって解決する。
【0011】
本発明はまた、式I−1:
【化2】

(式中、可変部は本明細書に定義のとおりである)
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0012】
本発明はまた、上記化合物を含む組成物とその使用に関する。当該組成物は患者に挿入するための侵入性デバイスを前処置するため、患者への投与の前に血液のような生物学的サンプルを処置するため、そして患者へ直接投与するために使用され得る。各々の場合において、前記組成物はHCV複製を阻害し、そしてHCV感染の危険性または重篤度を低下させるために使用されるであろう。
【0013】
本発明はまた、式Iの化合物を製造するための方法に関する。
【発明の開示】
【0014】
本発明は式I:
【化3】

〔式中:
およびR’は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、RおよびR’の各々において3個までの脂肪族炭素原子がO、N、NH、S、SO、またはSOによって置換され得;
式中、RおよびR’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換され;
Jはハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
【0015】
式中;
R’は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換され;
式中、同じ原子と結合している2個のR’基は所望により、N、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し、ここで任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
から独立して選択される]
であり;
【0016】
10、R10’、R11、およびR11’は各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であるか;または
【0017】
10は−OR’であり、そしてR10’はHであるか;または
10およびR10’はいずれも−OR’またはSR’であるか;または
10およびR10’はいずれもフッ素であるか;または
10およびR10’はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員飽和または部分不飽和環を形成し;
(式中、炭素原子と結合しているR10およびR10’原子は独立してC(H)、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
式中、前記環はN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される4個までのヘテロ原子を含み得;
式中、任意の原子は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で1個または複数個置換され;そして
式中、前記環は(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、および(C3−C10)ヘテロシクリルから選択される第2の環と縮合し、ここで、当該第二の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
およびR10はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
10およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、10個までの原子を含む、架橋された二環式飽和もしくは部分不飽和炭素環式またはヘテロ環式環系を形成し;ここで、当該環系は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;ここで、ヘテロ環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOからなる群から選択される);
【0018】
およびRは独立して:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、RおよびRの各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、RおよびRの各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であり、
、R、およびRは各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R、R、およびRの各々において2個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R、R、およびRの各々は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり、
【0019】
およびR’は独立して水素または(C1−C12)−脂肪族
[式中、任意の水素は所望によりハロゲンで置換されており;
式中、Rの任意の末端炭素原子は所望によりスルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている]
であるか、または
はPhまたは−CHPhであり、そしてR’はH
[式中、前記PhまたはCHPh基は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であるか;または
およびR’はそれらが結合している原子と一緒になって、所望によりN、NH、O、SO、およびSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3〜6員飽和または部分不飽和環
[ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で置換されている]
を形成し;
【0020】
Wは:
【化4】

[式中、各Rは独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−
(式中、Rは所望により3個までの置換基Jで置換されているか;または
2個のR基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで、当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており、ここで、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
であり;
【0021】
式中、各Rは独立して−OR’であるか;または
前記R基はホウ素原子と一緒になって、所望によりホウ素に加えてN、NR’、O、SO、およびSOから選択される3個までのさらなるヘテロ原子を有する(C3−C10)−員ヘテロ環式環を形成する]
であり;
Xは−C(O)−、−S(O)−、または−S(O)−であり、
Vは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、または−N(R13)−;
[式中、R13は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R13において2個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R13は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であり;
【0022】
12およびR12’は独立して:
水素;
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R12またはR12’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R12またはR12’の各々は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
12およびR12’はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、(C3−C10)−ヘテロ環式環を形成し;
式中、当該(C3−C10)−ヘテロ環式環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0023】
本発明はまた、式I−1:
【化5】

〔式中:
zは0または1であり;
およびR’は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、RおよびR’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOによって置換され得;
式中、RおよびR’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換され;
Jはハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
【0024】
式中、
R’は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換され;
式中、同じ原子と結合しているR’基はN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで、当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており、ここで、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する);
から独立して選択され;
【0025】
10、R10’、R11、およびR11’は各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される)
であるか;または
10は−OR’であり、そしてR10’はHであるか;または
10およびR10’はいずれも−OR’またはSR’であるか;または
10およびR10’はいずれもフッ素であるか;または
10およびR10’はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、5〜7員飽和または部分不飽和環を形成し;
式中、炭素原子と結合しているR10およびR10’原子は独立してC(H)、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
式中、前記環はN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される4個までのヘテロ原子を含み得;
式中、任意の原子は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で1個または複数個置換され;そして
式中、前記環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、および(C3−C10)ヘテロシクリルから選択される第2の環と縮合しており、ここで、当該第2の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
であるか;または
【0026】
およびR10はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
10およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、10個までの原子を含む、架橋された二環式飽和もしくは部分不飽和炭素環式またはヘテロ環式環系を形成し;ここで、当該環系は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;ここで、ヘテロ環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOからなる群から選択される;
【0027】
(存在するならば)およびRは独立して:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R(存在するならば)およびRの各々において3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R(存在するならば)およびRの各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であり;
、R、およびR(存在するならば)は各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−
[式中、R、R、およびRの各々において2個までの脂肪族炭素原子は(存在するならば)、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R、R、およびRの各々は(存在するならば)、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり;
【0028】
およびR’は独立して水素または(C1−C12)−脂肪族
[式中、任意の水素は所望によりハロゲンで置換されており;
式中、Rの任意の末端炭素原子は所望によりスルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている]
であるか;または
はPhまたは−CHPhであり、そしてR’はHであり、式中、前記PhまたはCHPh基は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
およびR’はそれらが結合している原子と一緒になって、所望によりN、NH、O、SO、およびSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3〜6員飽和または部分不飽和環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で置換され;
【0029】
Wは:
【化6】

[式中、
Yは−COH、−COHの誘導体、または−COHの生物等量式であり;
各Rは独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(式中、Rは所望により3個までの置換基Jで置換されているか;または
2個のR基が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで、当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており、ここで、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
であり;
【0030】
式中、各Rは独立して−OR’であるか;または
前記R基はホウ素原子と一緒になって、所望によりホウ素に加えてN、NR’、O、SO、およびSOから選択される3個までのさらなるヘテロ原子を有する(C3−C10)−員ヘテロ環式環を形成する]
であり;
Xは−C(O)−、−S(O)−、または−S(O)−であり;
Vは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、または−N(R13)−
[式中、R13は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R13において2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R13は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される)
である]
であり;
【0031】
12およびR12’は独立して:
水素;
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R12またはR12’の各々において3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R12またはR12’の各々は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
12およびR12’はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、(C3−C10)−ヘテロ環式環を形成し;ここで、当該(C3−C10)−ヘテロ環式環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり;そして
【0032】
14およびR15は独立して:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)脂肪族−、
[式中、R14およびR15において3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R14およびR15の各々は、独立して、そして所望により各置換可能な位置でJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0033】
定義
“アリール”との用語は、本明細書において使用するとき、単環式または二環式炭素環式芳香環系を意味する。フェニルは単環式芳香環系の例である。二環式芳香環系には両方の環が芳香族性である系、たとえばナフチルと、2つの環のうち1つのみが芳香族性である系、たとえばテトラリンが含まれる。本明細書において使用するとき、“(C6−C10)−アリール−”との用語はC6、C7、C8、C9、およびC10単環式または二環式炭素環式芳香環系のいずれか1つを含むと理解される。
【0034】
“生物等量式”−COHとの用語は、本明細書において使用するとき、生物学的に活性な分子においてカルボン酸基と置換し得る化学基を意味する。かかる基の例はChristopher A. Lipinski, “Bioisosteres in Drug Design“ Annual Reports in Medicinal Chemistry, 21, pp. 286-88 (1986), and in C. W. Thornber, “Isosterism and Molecular Modification in Drug Design“ Chemical Society Reviews, pp. 563-580 (1979)において開示されている。当該基の例には、限定しないが、−COCHOH、−CONHOH、SONHR’、−SOH、−PO(OH)NH、−CONHCN、OSOH、−CONHSOR’、−PO(OH)、−PO(OH)(OR’)、−PO(OH)(R’)、OPO(OH)、−OPO(OH)(OR’)、−OPO(OH)(R’)、HNPO(OH)、NHPO(OH)(OR’)、−NHPO(OH)(R’)
【化7】

が含まれる。
【0035】
“ヘテロシクリル”との用語は、本明細書において使用するとき、化学的に安定な配置においてO、N、NH、S、SO、およびSOから選択される1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を各環に有する単環式または二環式非芳香環系を意味する。“ヘテロシクリル”の二環式非芳香環系態様において、1つまたは両方の環が前記ヘテロ原子またはヘテロ原子基を含み得る。本明細書において使用するとき、“(C5−C10)−ヘテロシクリル−”との用語には、化学的に安定な配置においてO、N、NH、S、SO、およびSOから選択される1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を各環に有する5、6、7、8、9、および10原子単環式または二環式非芳香環系のいずれか1つが含まれると理解される。
【0036】
ヘテロ環式環の例には、3−1H−ベンズイミダゾル−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンズイミダゾル−2−オン、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン、ベンゾジチアン、および1,3−ジヒドロ−イミダゾル−2−オンが含まれる。
【0037】
“ヘテロアリール”との用語は、本明細書において使用するとき、化学的に安定な配置においてO、N、NH、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を各環に有する単環式または二環式芳香環系を意味する。“ヘテロアリール”の前記二環式芳香環系態様において:
−1つまたは両方の環が芳香族性であり得;そして
−1つまたは両方の環が前記ヘテロ原子またはヘテロ原子基を含み得る。本明細書において使用するとき、“(C5−C10)−ヘテロアリール−”との用語には化学的に安定な配置においてO、N、NH、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子またはヘテロ原子基を各環に有する5、6、7、8、9、および10原子単環式または二環式芳香環系のいずれか1つが含まれることが理解される。
【0038】
ヘテロアリール環の例には2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(たとえば、3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(たとえば、5−テトラゾリル)、トリアゾリル(たとえば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(たとえば、2−インドリル)、ピラゾリル(たとえば、2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(たとえば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、およびイソキノリニル(たとえば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、または4−イソキノリニル)が含まれる。
【0039】
“脂肪族”との用語は、本明細書において使用するとき、直鎖または分枝鎖のアルキル、アルケニルまたはアルキニルを意味する。本明細書において使用するとき、“(C1−C12)−脂肪族−”との用語には炭素原子のC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、およびC12直鎖状または分枝アルキル鎖が含まれることが理解される。アルケニルまたはアルキニルの態様が少なくとも2個の炭素原子を脂肪鎖において必要とすることも理解される。“シクロアルキルまたはシクロアルケニル”との用語は、単環式または縮合もしくは架橋二環式炭素環式環系を意味し、これは芳香族性ではない。シクロアルケニル環は1以上の単位の不飽和を有する。本明細書において使用するとき、“(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−”との用語にはC3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、およびC10単環式または縮合もしくは架橋二環式炭素環式環が含まれることが理解される。好ましいシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、ノルボルニル、アダマンチルおよびデカリン−イルが含まれる。
【0040】
本明細書において使用するとき、炭素原子記号は指示された整数および任意の間の整数を有し得る。たとえば、(C1−C4)−アルキル基における炭素原子の数は、1、2、3、または4である。これらの記号が適当な基における原子の全数を意味することが理解されるべきである。たとえば、(C3−C10)−ヘテロシクリルにおいて炭素原子とヘテロ原子の総数は3(アジリジンのとき)、4、5、6(モルホリンのとき)、7、8、9、または10である。
【0041】
“化学的に安定な配置”との用語は、本明細書において使用するとき、化合物を製造および当該技術分野において既知の方法によって哺乳類に投与可能なほど十分安定にさせる化合物の構造を意味する。典型的には、かかる化合物は40℃またはそれ未満の温度にて、湿度もしくは他の化学的に反応性の条件の非存在下で、少なくとも1週間安定である。
【0042】
態様
式Iまたは式I−1の化合物についての1つの態様において、前記基
【化8】

は、:
【化9】

〔式中、R12、R12’およびR13は本明細書の態様のいずれかに定義のとおりである〕である。
【0043】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化10】

は、
【化11】

〔式中、:
12’は水素であり;
12は:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R12において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R12は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;そして
13は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである]
である〕
である。
【0044】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化12】

は、
【化13】

〔式中、
12’は水素であり;
12は:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−;
[式中、R12において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R12は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;そして
13は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである]
である〕
である。
【0045】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基:
【化14】

は、
【化15】

〔式中:
12’は水素であり;そして
12は:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−;
[式中、R12において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R12は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である〕
である。
【0046】
式Iおよび式I−1の化合物についての他の態様において、前記基:
【化16】

は、
【化17】

である。
【0047】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基:
【化18】

は、
【化19】

である。
【0048】
他の態様において、本発明は式IA:
【化20】

〔式中、R、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、z、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0049】
式IAの化合物についての1つの態様において、zは1であり、Wは
【化21】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0050】
式IAの化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化22】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0051】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化23】

は、
【化24】

〔式中、R12およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0052】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化25】

は、
【化26】

〔式中:
12’は水素であり;そして
12は:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−;
[式中、R12において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R12は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である〕
である。
【0053】
zが1であり、そして前記基
【化27】

がN(R)と結合している式Iのある態様において、Rは水素である。
【0054】
zが1であり、そして前記基
【化28】

がN(R)と結合している式I−1のある態様において、Rは水素である。
【0055】
zが0であり、そして前記基
【化29】

がN(R)と結合している式I−1のある態様において、Rは水素である。
【0056】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化30】

は、
【化31】

〔式中、
nは0、1、または2であり;
ZおよびZ’は独立してC(H)、N、NH、O、またはSであり;
、R’、R11、およびR11’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり;そして
ZおよびZ’を含むスピロ環式環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0057】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化32】

は、
【化33】

〔式中、
11およびR11’はいずれもHであり;
nは0、1、または2であり;
およびR’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり;そして
ZおよびZ’を含むスピロ環式環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0058】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化34】

は、
【化35】

〔式中、
nは0または1である〕
である。
【0059】
他の態様において、本発明は式IB
【化36】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R11、R11’、R12、z、Z、Z’、n、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0060】
他の態様において、本発明は式IB−1:
【化37】

〔式中、R、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R11、R11’、R12、R12’、X〜V、n、z、Z、Z’、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0061】
式IBまたは式IB−1の化合物についての他の態様において、zは1であり、Wは
【化38】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0062】
式IBまたは式IB−1の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化39】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0063】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化40】

は、
【化41】

〔式中、
ZおよびZ’は独立してC(H)、N、NH、O、またはSであり;
、R’、R11、およびR11’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり;そして
前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0064】
他の態様において、本発明は式IC
【化42】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R11、R11’、R12、z、Z、Z’、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり;そして
前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0065】
式ICの化合物についての他の態様において、zは1であり、ZおよびZ’はSであり、R、R’、R11、およびR11’はHであり、R、R、R、R、R、R’、R、R12、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そして前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0066】
式ICの化合物についての他の態様において、zは0であり、ZおよびZ’はSであり、R、R’、R11、およびR11’はHであり、R、R、R、R、R、R’、R、R12、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そして前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0067】
他の態様において、本発明は式IC−1
【化43】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R11、R11’、R12、R12’、X〜V、z、Z、Z’およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり;そして
前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0068】
式IC−1の化合物についての他の態様において、zは1であり、ZおよびZ’はSであり、R、R’、R11、およびR11’はHであり、R、R、R、R、R、R’、R、R12、R12’、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そして前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0069】
式IC−1の化合物についての他の態様において、zは0であり、ZおよびZ’はSであり、R、R’、R11、およびR11’はHであり、H、R、R、R、R、R、R’、R、R12、R12’、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そして前記縮合ベンゾ環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここでJは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0070】
式ICまたは式IC−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは1であり、Wは
【化44】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0071】
式ICまたは式IC−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは0であり、Wは
【化45】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0072】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化46】

は、
【化47】

〔式中、
、R’、R11、およびR11’はHであり;そして
R’は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換される]
から選択される〕
である。
【0073】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化48】

は、
【化49】

〔式中、
、R’、R11、およびR11’はHである〕
である。
【0074】
式Iまたは式I−1の化合物についてのさらに他の態様において、前記基
【化50】

は、
【化51】

〔式中、
、R’、R11、およびR11’はHである〕
である。
【0075】
他の態様において、本発明は式ID
【化52】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R11、R11’、R12、z、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0076】
他の態様において、本発明は式ID−1
【化53】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R11、R11’、R12、R12’、X〜V、z、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0077】
式IDまたは式ID−1の化合物についての他の態様において、zは1である。
【0078】
式IDまたは式ID−1の化合物についての他の態様において、zは0である。
【0079】
式IDまたは式ID−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは1であり、Wは
【化54】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0080】
式IDまたは式ID−1の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化55】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0081】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化56】

において、
、R10、R10’、R11、およびR11’はHであり;そして
’は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル、
(C6−C10)−アリール、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、または
(C5−C10)−ヘテロアリール;
[式中、R9’において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOによって置換され得;
式中、R’は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
である。
【0082】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化57】

は、
【化58】

である。
【0083】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化59】

において、
、R’、R10、R11、およびR11’はHであり;そして
10’は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、
[式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R10’において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R10’は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
である。
【0084】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化60】

は、
【化61】

〔式中、R10’基は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される〕
である。
【0085】
式Iまたは式I−1の化合物についてのさらに他の態様において、前記基
【化62】

において、
、R’、R10、R10’、およびR11はHであり;そして
11’は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、
[式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R11’において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R11’は、独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
である。
【0086】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化63】

は、
【化64】

である。
【0087】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化65】

において、
、R10、R11、およびR11’はHであり;そして
’およびR10’は:
(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル、
[式中、R’およびR10’において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R’およびR10’は、独立して、そして所望により、Jから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である。
【0088】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化66】

は、
【化67】

である。
【0089】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化68】

において、
、R’、R10’、R11、およびR11’はHであり;そして
R’は:
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、および
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換される]
から選択される。
【0090】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化69】

は、
【化70】

【化71】

〔式中、
R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換される〕
である。
【0091】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化72】

は、
【化73】

〔式中、
R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換される〕
である。
【0092】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基は
【化74】

である。
【0093】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化75】

において、
、R’、R10’、R11、およびR11’はHであり;そして
R’は:
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、および
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
〔式中、
R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換される〕
から選択される。
【0094】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化76】

は、
【化77】

〔式中、
R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換される〕
である。
【0095】
他の態様において、本発明は式IE
【化78】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R10’、R’、R11、R11’、R12、z、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0096】
他の態様において、本発明は式IE−1
【化79】

〔式中、R、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R10’、R’、R11、R11’、R12、R12’、z、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0097】
式IEまたは式IE−1の化合物についての1つの態様において、zは1である。
【0098】
式IEまたは式IE−1の化合物についての他の態様において、zは0である。
【0099】
式IEまたは式IE−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは1であり、Wは
【化80】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0100】
式IEまたは式IE−1の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化81】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0101】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化82】

は、
【化83】

〔式中、
環AはN、NH、O、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する5〜6員芳香族性または3〜6員非芳香環であり;
式中、前記環Aは所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており;
式中、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
、R’、R10’、およびR11’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0102】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化84】

は、
【化85】

である。
【0103】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化86】

は、
【化87】

である。
【0104】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化88】

は、
【化89】

である。
【0105】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化90】

は、
【化91】

である。
【0106】
他の態様において、本発明は式IF
【化92】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R10’、R11’、R12、z、W、および環Aは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0107】
他の態様において、本発明は式IF−1
【化93】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R’、R10’、R11’、R12、R12’、z、X〜V、W、および環Aは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0108】
他の態様において、本発明は式IF−2
【化94】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、z、X〜V、およびW、は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0109】
式IF、式IF−1、または式IF−2の化合物の1つの態様において、zは1である。
【0110】
式IF、式IF−1、または式IF−2の化合物の他の態様において、zは0である。
【0111】
式IF、式IF−1、または式IF−2の化合物の1つの態様において、zは1であり、Wは
【化95】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0112】
式IF、式IF−1、または式IF−2の化合物の他の態様において、zは0であり、Wは
【化96】

から選択されそしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0113】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化97】

は、
【化98】

〔式中、
環AはN、NH、O、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する5〜6員芳香族性または3〜6員非芳香環であり;
式中、前記環Aは所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており;
式中、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
、R’、R10’、およびR11’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0114】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化99】

は、
【化100】

である。
【0115】
式Iまたは式I−1の化合物についてのさらに他の態様において、前記基
【化101】

は、
【化102】

である。
【0116】
他の態様において、本発明は式IG
【化103】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R’、R10’、R11’、R12、z、W、および環Aは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0117】
他の態様において、本発明は式IG−1
【化104】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R’、R10’、R11’、R12、R12’、z、W、X〜V、および環Aは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0118】
式IGまたは式IG−1の化合物についての1つの態様において、zは1である。
【0119】
式IGまたは式IG−1の化合物についての他の態様において、zは0である。
【0120】
式IGまたは式IG−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは1であり、Wは
【化105】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0121】
式IGまたは式IG−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは0であり、Wは
【化106】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0122】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化107】

は、
【化108】

〔式中、
環Bは3〜20員炭素環式またはヘテロ環式環系を形成し;
式中、各環Bは芳香族性または非芳香族性であり;
式中、ヘテロ環式環系における各ヘテロ原子はN、NH、O、SO、またはSOであり;
式中、環Bは所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており;
式中、各環はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
’およびR11’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0123】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、前記基
【化109】

は、
【化110】

である。
【0124】
さらに他の態様において、本発明は式IH
【化111】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R’、R11’、R12、z、W、および環Bは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0125】
さらに他の態様において、本発明は式IH−1
【化112】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R’、R11’、R12、R12’、z、X〜V、W、および環Bは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0126】
式IHおよび式IH−1の化合物についての1つの態様において、zは1である。
【0127】
式IHおよび式IH−1の化合物についての他の態様において、zは0である。
【0128】
式IHまたは式IH−1の化合物についてのさらに他の態様において、zは1であり、Wは
【化113】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0129】
式IHまたは式IH−1の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化114】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0130】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物においてWは:
【化115】

〔式中、Wにおいて、前記NRはNH(C1−C6脂肪族)、NH(C3−C6シクロアルキル)、NHCH(CH)−アリール、またはNHCH(CH)ヘテロアリールから選択され、式中、前記アリールまたは前記ヘテロアリールは所望により3個までのハロゲンで置換されている〕
である。
【0131】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、W基における前記NR
【化116】

である。
【0132】
式Iまたは式IA−1の化合物についての他の態様において、W基における前記NR
【化117】

である。
【0133】
式Iまたは式I−1の化合物の他の態様において、Wにおける前記NR
【化118】

である。
【0134】
式Iまたは式I−1の化合物についてのさらに他の態様において、Wにおける前記NR
【化119】

である。
【0135】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、W基における前記NR
【化120】

である。
【0136】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、W基における前記NR
【化121】

である。
【0137】
式Iまたは式I−1の化合物についてのさらに他の態様において、Wにおける前記NR
【化122】

である。
【0138】
他の態様において、本発明は式IJ
【化123】

〔式中、
z、R、R、R、R、R、R’、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、およびR12、は本明細書の態様のいずれかに定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0139】
他の態様において、本発明は式IJ−1
【化124】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R11’、R12、z、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0140】
式IJおよび式IJ−1の化合物についての1つの態様において、zは1である。
【0141】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWは、
【化125】

〔式中、
は上記定義のとおりである〕
である。
【0142】
式Iまたは式I−1の化合物におけるWについての他の態様において、各Rはホウ素原子と共に、ホウ素および2個の酸素原子以外にさらなるヘテロ原子を有さない(C5−C10)員ヘテロ環式環である。1つの態様において、当該ヘテロ環式環は
【化126】

〔式中、
R’は(C1−C6)脂肪族である〕
である。他の態様において、R’はメチルである。
【0143】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWが
【化127】

〔式中、
は上記定義のとおりである〕
であるとき、zは1である。
【0144】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWは
【化128】

〔式中、
が本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0145】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWが
【化129】

〔式中、
が本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
であるとき、zは1である。
【0146】
さらに他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWは
【化130】

〔式中、
が本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0147】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWが
【化131】

〔式中、
が本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
であるとき、zは1である。
【0148】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWは
【化132】

〔式中、
が本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
である。
【0149】
他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物におけるWが
【化133】

〔式中、
は水素である〕
であるとき、zは1である。
【0150】
他の態様において、本発明は式Ij
【化134】

〔式中、
、R、R、R、R、R’、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、およびzは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0151】
式Ijの化合物についての1つの態様において、zは1である。
【0152】
式Ijの化合物についての他の態様において、R、およびR’は
【化135】

である。
【0153】
式Ijの化合物についての他の態様において、R、およびR’は
【化136】

である。
【0154】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R’は水素であり、そしてR
【化137】

である。
【0155】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R’は水素であり、そしてR
【化138】

である。
【0156】
他の態様において、本発明は式IK
【化139】

〔式中、
z、R、R、R、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、およびR12は、本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0157】
他の態様において、本発明は式IK−1
【化140】

〔式中、
、R、R、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、z、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0158】
式IKまたは式IK−1の化合物についての他の態様において、R、R、R、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、zは1であり、そしてNR
【化141】

である。
【0159】
式IKまたは式IK−1の化合物についての他の態様において、R、R、R、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そしてzは1である。
【0160】
他の態様において、本発明は式IK−2
【化142】

〔式中、
、R、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、z、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0161】
式IK−2の化合物についての他の態様において、zは1であり、Wは
【化143】


から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0162】
式IK−2の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化144】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0163】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R’およびR
【化145】

である。
【0164】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、Rは存在するならば、そしてR、R、およびR12’は各々独立してH、メチル、エチル、またはプロピルである。
【0165】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、Rは存在するならば、そしてRおよびRは各々Hである。
【0166】
他の態様において、本発明は式IL
【化146】

〔式中、
z、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、およびR12は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0167】
他の態様において、本発明は式IL−1
【化147】

〔式中、
、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、z、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0168】
式ILまたは式IL−1の化合物についての1つの態様において、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、z、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そしてNR
【化148】

である。
【0169】
式ILまたは式IL−2の化合物についての他の態様において、zは1であり、R、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そしてNR
【化149】

である。
【0170】
他の態様において、本発明は式IL−2
【化150】

〔式中、
、R、R、R’、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、z、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0171】
式IL−2の化合物についての他の態様において、zは1であり、Wは
【化151】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0172】
式IL−2の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化152】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0173】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R
【化153】

である。
【0174】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R
【化154】

である。
【0175】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R
【化155】

である。
【0176】
他の態様において、本発明は式IM
【化156】

〔式中、
zは1であり、そしてR、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’およびR12は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0177】
他の態様において、本発明は式IM−1
【化157】

〔式中、
zは1であり、そしてR、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、R12’、X、およびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0178】
他の態様において、本発明は式IM−2
【化158】

〔式中、
、R、R’、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、R12’、z、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0179】
他の態様において、本発明は式IM−3
【化159】

〔式中、
、R、R、R、R’、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、R12’、z、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0180】
式IM−2または式IM−3の化合物についての他の態様において、zは1であり、Wは
【化160】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0181】
式IM−2または式IM−3の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化161】

から選択され、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0182】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R
【化162】

である。
【0183】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R
【化163】

である。
【0184】
式Iまたは式I−1の化合物についてのさらに他の態様において、Rはシクロヘキシルである。
【0185】
他の態様において、本発明は式IN
【化164】

〔式中、
、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、およびR12は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0186】
他の態様において、本発明は式IN−1
【化165】

〔式中、
、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、XおよびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0187】
式INおよび式IN−1の化合物についての他の態様において、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、XおよびVは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりであり、そしてNR
【化166】

である。
【0188】
他の態様において、本発明は式IN−2
【化167】

〔式中、
、R、R’、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0189】
他の態様において、本発明は式IN−3
【化168】

〔式中、
、R、R、R、R’、R、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12’、R12、X〜V、およびWは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである〕
の化合物を提供する。
【0190】
式IN−2または式IN−3の化合物についての他の態様において、zは1であり、Wは
【化169】

から選択され、そしてRおよびRは本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0191】
式IN−2または式IN−3の化合物についての他の態様において、zは0であり、Wは
【化170】

であり、そしてR14およびR15は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。
【0192】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、任意の置換可能な窒素にある所望による置換基Jは、−R’、−N(R’)、−N(R’)SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(=NH)N(R’)、または−C(O)N(R’)から選択される。
【0193】
式Iまたは式I−1の化合物についての他の態様において、R、R、R、およびR’の炭素原子はN、NH、O、またはSで置換されていない。式Iまたは式I−1の化合物の他の態様において、これらのR、R、R、およびR’基は置換基Jを有さない。
【0194】
式Iの化合物についての他の態様において、当該化合物は
【化171】

【化172】

である。
【0195】
本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有し得、したがって、ラセミ体およびラセミ体混合物、単一の光学異性体、ジアステレオマー混合物、ならびに個々のジアステレオマーを生じ得る。これらの化合物の全てのかかる異性体は、明確に本発明に含まれる。各立体炭素はRまたはS立体配置であり得る。
【0196】
1つの態様において、本発明の化合物は化合物1〜12において示す構造および立体化学を有する。
【0197】
上記態様を含む本明細書に記載のいずれかの態様は、式Iまたは式I−1を個々に定義し得、または本発明の態様を成すために組み合わされ得る。
【0198】
下記スキーム、製造および実施例において使用される略語:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N,−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
NMM:N−メチルモルホリン
NMP:N−メチルピロリジノン
EtOH:エタノール
t−BuOH:tert−ブタノール
EtO:ジエチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
DCCA:ジクロロ酢酸
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
MeCN:アセトニトリル
TFA:トリフルオロ酢酸
DBU:1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
BocO:ジ−tert−ブチルジカルボネート
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Cbz−Cl:ベンジルクロロホルメート
Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Chg:シクロヘキシルグリシン
t−BG:tert−ブチルグリシン
mCBPA:3−クロロペルオキシ安息香酸
DAST:(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリド
TEMPO:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシフリーラジカル
PyBOP:トリス(ピロリジノ)ブロモホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
TBTUまたはHATU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
DMEM:Dulbecco最小必須培地
PBS:リン酸緩衝食塩水
rtまたはRT:室温
ON:一晩
ND:測定せず
MS:質量分析
LC:液体クロマトグラフィー
【0199】
一般的合成法
本発明の化合物は当業者に既知の方法によって一般的に製造され得る。下記スキーム1〜16は本発明の化合物への合成経路を図示する。有機化学の当業者には容易に明らかであろう他の同等のスキームは、下記一般スキームおよびそれに続く製造例によって説明されるとおり、様々な割合の分子を合成するために代替的に使用され得る。
スキーム1:
【化173】

【化174】

【0200】
上記スキーム1は、式I、II、IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、IJ、IK、IL、IM、およびINの化合物(X〜Vは−C(O)C(O)であり、Wは−C(O)C(O)であり、N(R、R、R、およびRはHであり、そしてR、R、R、R’、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。当業者には認識されるとおり、他の好適な、そして商業的に入手可能なカップリング試薬を、中間体15、17、19、および22を製造するために使用することができる。さらに、たとえばCbz−P3−OHによって表される商業的に入手可能なCbz保護アミノ酸は、商業的に入手可能なt−Boc保護アミノ酸と代替的に置き換えることができると理解されるであろう。好適なBoc保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体22から式IIの化合物への酸化は当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。
スキーム2:
【化175】

【0201】
上記スキーム2は式26の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。ここで、商業的に入手可能なアミン23およびスルホニルクロリド24は濃縮され、次いで塩基性条件下で加水分解されて、中間体の酸26を提供する。あるいは、当業者は他の好適な試薬を中間体26の製造のために使用することができると認識するであろう。
スキーム3:
【化176】

【0202】
上記スキーム3は式IIおよび式Iの化合物を製造するための一般的な経路を提供する。ここで、アミド中間体27を得るための酸26とアミン20のカップリングは、記載した条件または当業者に既知のカップリング試薬を使用して達成することができる。続くケトアルコール27のDess Martinペルヨージナン(periodinane)での、または当業者に既知の酸化条件での酸化によって、式IIIまたは式I(式中、X〜Vは−C(O)S(O)1−2であり、Wは−C(O)C(O)−N(R、R、Rであり、そしてRはHであり、そしてR、R、R、R’、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである)の化合物を得る。
スキーム4:
【化177】

【0203】
上記スキーム4は式VIおよび式Iの化合物を製造するための一般的な経路を提供する。ここで、化合物28はKessler et al., J. Med. Chem., pp. 1918-1930 (2003)に記載の方法にしたがって製造される。Fmoc−オキサジアゾロンの適当な溶媒への添加によって、セミ−カルバジド29を得る。N−メチルピロリジノン中のピペリジンでのFmoc基の脱保護、その後のDess Martinペルヨージナンでの酸化によって、式IVの化合物を得る。他の既知の条件を化合物29の酸化により式IおよびIVの化合物を得るために使用することができるということを、当業者は理解するであろう。
スキーム:5
【化178】

【0204】
上記スキーム5は式Vおよび式Iの化合物を製造するための一般的な経路を提供する。ここで、商業的に入手可能なアミノ酸エステル30を対応するN−クロロスルホニルエステル31へと、Kempf, D.J. et al., J. Med. Chem., pp. 320-330 (1993)に記載の方法にしたがって変換する。商業的に入手可能なヒドラジン32と31のカップリング、続く加水分解によって、酸34を得る。アミド中間体35を得るための酸34とアミン18のカップリングは、記載の条件または当業者に既知のカップリング試薬を使用して達成することができる。続く35のDess Martinペルヨージナン、または当業者に既知の他の好適な条件での酸化によって、式Vおよび式Iの化合物を得る。
スキーム:6
【化179】

【0205】
上記スキーム6は式Iおよび式VI(式中、X〜Vは−S(O)1−2C(O)−であり、Wは−C(O)C(O)−N(Rであり、R、R、およびRはHであり、そしてR、R、R、R’、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。クロロエステル37をJ. Org. Chem., pp. 2624-2629 (1979)に記載の方法にしたがって製造する。商業的に入手可能なアミノt−ブチルエステル36とクロリド37のカップリングによってスルホンアミド38を得る。混合エステル38の塩基性加水分解、続く商業的に入手可能なアミン39とのカップリングによって、中間体エステル40を得る。1当量のmCBPAでの酸化によって、スルホキシド41(式中、Xは−S(O)である)を得る。あるいは、2当量のmCBPAでの酸化によって、スルホン41(式中、Xは−S(O)である)を得る。t−ブチルエステル40の酸性加水分解によって、酸41を得、これをアミン18とカップリングして(スキーム1において記載)、ケトアルコール42を得る。最後に、42のDess Martinペルヨージナン、または当業者に既知の他の好適な条件での酸化によって、式VIの化合物を得る。
スキーム7:
【化180】

【化181】

【0206】
上記スキーム7は式IB−1、式IB、および式IC(式中、X〜Vは−C(O)C(O)−であり、Wは−C(O)C(O)−N(Rであり、R、R、およびRはHであり、そしてn、Z、Z’、R、R、R、R’、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。当業者には理解されるとおり、他の好適なそして商業的に入手可能カップリング試薬を使用して、中間体47、49、51、および53を製造することができる。あるいは、たとえばBoc−P3−OHによって表される商業的に入手可能なBoc保護アミノ酸を、商業的に入手可能なCBz保護アミノ酸と代替的に置換することができることが理解されるであろう。前記Cbz保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体53の式IB−1の化合物への酸化は、当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。
スキーム8:
【化182】

【化183】

【0207】
上記スキーム8は式ID−1および式ID(式中、X〜Vは−C(O)C(O)であり、Wは−C(O)C(O)−N(Rであり、R、R、およびRはHであり、そしてR、R、R、R’、R、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。当業者には理解されるとおり、他の好適なそして商業的に入手可能なカップリング試薬を、中間体56、58、60、および62を製造するために使用することができる。あるいは、たとえばBoc−P3−OHによって表される商業的に入手可能なBoc保護アミノ酸を、商業的に入手可能なCBz保護アミノ酸と代替的に置換することができることが理解されるであろう。前記Cbz保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体62の式ID−1の化合物への酸化は、当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。
スキーム9:
【化184】

【0208】
上記スキーム9は式IE−1および式IE(式中、X〜Vは−C(O)C(O)−であり、Wは−C(O)C(O)−N(Rであり、R、R、およびRはHであり、そしてR’、R、R、R、R’、R、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。スキーム9において使用される工程は、たとえば、異なる試薬を使用して、または異なる順序で反応をおこなって、改変することができる。当業者には理解されるとおり、他の好適な、そして商業的に入手可能なカップリング試薬を、中間体66、67、69、および70を製造するために使用することができる。あるいは、たとえばCbz−P3−OHによって表される商業的に入手可能なt−Boc保護アミノ酸を、商業的に入手可能なCbz保護アミノ酸と代替的に置換することができることが理解されるであろう。前記Boc保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体70の式IE−1の化合物への酸化は、当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。
スキーム10:
【化185】

【0209】
上記スキーム10は、本発明の式IE−1およびIE(式中、X〜Vは−C(O)C(O)であり、WはC(O)C(O) N(Rであり、R、R、およびRはHであり、そしてR’、R、R、R、R’、R、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための別の方法を示す。この方法において、4−ヒドロキシプロリン誘導体71をR’−Xによって表される商業的に入手可能なR’−ハライド(たとえばアリールクロリド)と、好適な塩基(たとえばカリウムt−ブトキシド)の存在下で反応させて、化合物72を得る。当業者には理解されるとおり、化合物72は既知の方法によって式IE−1の化合物へと処理することができる。あるいは、他の好適な、そして商業的に入手可能なカップリング試薬を使用して、中間体74、75、76、および77を製造することができる。さらに、たとえばBoc−P3−OHによって表される商業的に入手可能なBoc保護アミノ酸を、商業的に入手可能なCBz保護アミノ酸と代替的に置換することができることが理解されるであろう。前記Cbz保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体77の式IE−1の化合物への酸化は、当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。
スキーム11:
【化186】

【0210】
上記スキーム11は、式IF−1および式IF(式中、X〜Vは−C(O)C(O)−であり、Wは−C(O)C(O)−N(Rであり、R、R、およびRはHであり、そして環A、R、R、R、R’、R、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。スキーム11において使用される工程は、たとえば、異なる試薬を使用して、または異なる順序で反応をおこなって、改変することができる。当業者には理解されるとおり、他の好適な、そして商業的に入手可能なカップリング試薬を、中間体79、80、81、および82を製造するために使用することができる。あるいは、たとえばCbz−P3−OHによって表される商業的に入手可能なt−Boc保護アミノ酸を、商業的に入手可能なCbz保護アミノ酸と代替的に置換することができることが理解されるであろう。前記Boc保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体82の式IF−1の化合物への酸化は、当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。
スキーム12:
【化187】

【0211】
上記スキーム12は化合物84の製造のための合成経路を提供する。スキーム12は化合物84へと到達するために当業者に既知の技術を使用して改変することができる。あるいは、他の商業的に入手可能なオキサルアミドエステルを、対応する酸へと上記と同様の経路によって変換することができる。
スキーム13:
【化188】

【0212】
スキーム13は商業的に入手可能でないオキサルアミドエステルまたは目的のオキサルアミド酸を製造するための合成経路を提供する。スキーム13は式88で表される化合物へと到達するために当業者に既知の技術を使用して改変することができる。
スキーム14:
【化189】

【0213】
上記スキーム14は化合物89(BOC保護オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸)から1を製造するための合成経路を提供する。中間体89は商業的に入手可能なオクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸(Bachem)から、PCT公開番号WO 03/087092(その内容の全体を出典明示により本明細書の一部とする)および当該公報で言及された文献に記載の方法にしたがって製造することができる。スキーム14は、化合物1へと到達するために当業者に既知の技術を使用して改変することができる。化合物1を製造するための例示的な方法は、さらに下記実施例2において例示されている。
スキーム15:
【化190】

【0214】
上記スキーム15はCbz保護アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸、化合物99および対応するt−ブチルエステル、化合物100を製造するための合成経路を提供する。遊離酸99をさらに、上記スキーム1において定義の経路によって合成して、式Iおよび式IHの化合物を製造することができる。あるいは、前記t−ブチルエステル100をさらに上記スキーム9または10の改変によって合成して、式IおよびIHの化合物を得ることができる。
スキーム16:
【化191】

【0215】
上記スキーム16は式IPおよび式I−1(式中、RはHであり、R’はn−プロピルであり、Wは−C(O)C(O)−NH−C(R14)−C(O)−NH−C(R15)−Yであり、R、R、およびRはHであり、そして環A、X〜V、R、R、R、R’、R、R、R’、R10、R10’、R11、R11’、R14、R15、Y、z、R12、およびR12’は本明細書の態様のいずれかにおいて記載のとおりである)の化合物を製造するための一般的な経路を提供する。スキーム16において使用される工程は、たとえば、異なる試薬を使用して、または異なる順序で反応をおこなって、改変することができる。当業者には理解されるとおり、他の好適な、そして商業的に入手可能なカップリング試薬を、中間体103、106、および108を製造するために使用することができる。あるいは、たとえばCbz−R14−COOHによって表される商業的に入手可能なCbz保護アミノ酸を、商業的に入手可能なt−Boc保護アミノ酸と代替的に置換することができることが理解されるであろう。前記Boc保護基を除去するための好適な脱保護条件は、当業者に既知である。同様に、中間体108の式IPの化合物への酸化は、当業者に既知の他の好適な条件を使用して達成することができる。中間体酸105をHarbeson, S. et al., J. Med. Chem., Vol. 37, No. 18, pp. 2918-2929 (1994)に記載の方法にしたがって製造した。
【0216】
式IおよびIGの化合物を上記スキーム1、9または10を介して製造するための様々な他の所望により置換された多環式アザヘテロシクリル中間体の製造を、PCT公開番号WO 02/18369(その内容の全体を出典明示により本明細書の一部とする)および当該公報で言及された文献に記載の方法にしたがって達成することができる。
【0217】
様々な3、4、および5−置換プロリンアナログを商業的に購入するかまたは公知文献の方法にしたがって製造することができる。たとえば、R’が(C1−C12)脂肪族−である式Iの化合物について、最初の3−置換プロリンアナログを、Holladay, M.W. et al., J. Med. Chem., 34, pp. 457-461 (1991)の方法にしたがって製造することができる。R’、R10’、またはR11’がシクロヘキシルであり、そしてR、R10、またはR11が水素である式Iの化合物について、シクロヘキシルプロリン中間体を商業的に入手可能なフェニル置換プロリンアナログの白金オキシド還元によって製造することができる。当該還元条件は当業者に既知である。R’が(C1−C12)脂肪族−であり、そしてR10’が(C1−C12)脂肪族−である式Iの化合物について、最初の3,4−二置換プロリンアナログをKanamasa, S. et al., J. Org. Chem, 56, pp. 2875-2883 (1991)の方法にしたがって製造することができる。3,4,もしくは5−置換プロリンまたは3,4−二置換プロリンを含む各合成において、前記中間体をさらに上記スキーム1、9、または10に定義の経路によって合成して、式Iの化合物を製造することができる。
【0218】
したがって、本発明の1つの態様は、本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりの式Iの化合物を製造するための方法であって、式VIIの化合物を式VIIIの化合物の存在下で反応させて、式IX
【化192】

〔式中、R17はアミン保護基、本明細書に記載のHCVプロテアーゼ阻害剤のP3−残基、または本明細書に記載のHCVプロテアーゼ阻害剤のP4−P3残基であり、そしてここで、前記P3およびP4−P3残基は所望によりアミノ末端キャッピング基で置換されており;
16はカルボキシ保護基または本明細書に記載のHCVプロテアーゼ阻害剤のP1残基であり、ここで、当該P1残基は所望によりカルボキシ末端保護基またはWで置換されている〕
の化合物を得る工程を含む方法を提供する。R’は本明細書の態様のいずれかにおいて定義のとおりである。Xは適当な脱離基である。当業者には理解されるとおり、適当な脱離基はインサイチュで生産され得る。
【0219】
別の態様において、式VIIの4−ヒドロキシ基は脱離基へと変換することができる。かかる態様において、XはVIIと反応してIXをもたらす求核酸素である。
【0220】
本明細書において使用するとき、P1、P3、P4は当該分野において定義の、そして当業者に既知のHCVプロテアーゼ阻害剤の残基を意味する。
【0221】
式IXの化合物は、本明細書に記載の方法にしたがって式Iの化合物へと処理することができる。
【0222】
ある態様が下記に描写および記載されているが、本発明の化合物が一般的に当業者に入手可能な好適な出発物質を使用して、一般的に上記のとおり製造することができると理解されるであろう。
【0223】
本発明の他の態様は式Iもしくは式I−1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。他の態様において、式Iまたは式I−1の化合物は、サンプルにおいて、または患者において、ウイルス負荷(当該ウイルスはウイルスのライフサイクルに必要なセリンプロプロテアーゼをコード化する)を減少させるのに有効な量で、薬学的に許容される担体とともに存在する。
【0224】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩がこれらの組成物において利用されるとき、これらの塩は好ましくは無機または有機酸および塩基に由来する。かかる酸性の塩には、下記のものが含まれる:アセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、サイトレート、カンフォレート、カンファースルホネート、シクロペンタン−プロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロアイオダイド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タータレート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノエート。塩基の塩には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、たとえばナトリウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基との塩、たとえばジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、およびアルギニン、リジンなどのようなアミノ酸との塩が含まれる。
【0225】
また、塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド、たとえばメチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルの硫酸エステルのようなジアルキルスルフェート、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような長鎖ハライド、ベンジルおよびフェネチルの臭化物のようなアラルキルハライド等のような試薬で、四級化することができる。水または油に可溶性または不溶性の産物をこれによって得る。
【0226】
本発明の組成物および方法において利用される化合物はまた、選択的な生物学的特性を高めるための適当な官能基を付加することによって改変することができる。当該改変は当業者に既知であり、そして所与の生物学的系(たとえば、血液、リンパ系、中枢神経系)へと生物学的浸透性を上昇させる、経口利用能を上昇させる、注射による投与を可能とするために可溶性を上昇させる、代謝を変化させる、そして排出速度を変化させるものが含まれる。
【0227】
それらの組成物において使用され得る薬学的に許容される担体には、限定されないが、イオン交換体、アルミナ、アルミニウムステアリン酸、レシチン、血清タンパク質、たとえばヒト血清アルブミン、緩衝物質、たとえばリン酸、グリシン、ソルビン酸、カリウムソルビン酸、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、たとえばアミンスルフェート、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛の塩、コロイド状シリカ、トリシリカマグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
【0228】
他の態様において、本発明の化合物は哺乳類への医薬的投与のために製剤される。1つの態様において前記哺乳類は、ヒトである。
【0229】
本発明の前記医薬組成物は経口的に、非経腸的に、吸入スプレーによって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、頬側的に、経膣的に、またはうめ込まれたリザーバーを介して、投与することができる。“非経腸”との用語は、本明細書において使用するとき、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または輸液技術を含む。他の態様において、前記組成物を経口的にまたは静脈内に投与する。
【0230】
本発明の化合物の滅菌注射可能形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、当業者に既知の技術にしたがって、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を使用して、製剤することができる。前記滅菌注射製剤はまた、たとえば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、毒性のない非経腸的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であり得る。使用することができる許容されるビークルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌、固定油は通常、溶媒または懸濁媒体として使用される。この目的のため、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無菌固定油を使用することができる。脂肪酸、たとえばオレイン酸およびそのグリセリド誘導体は注射液の製造において有用であり、たとえば天然の薬学的に許容される油、たとえばオリーブ油またはヒマシ油、とりわけそれらのポリオキシエチル化されたものである。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、たとえばカルボキシメチルセルロースまたはエマルジョンおよび懸濁液を含む薬学的に許容される投与形態の製剤において一般的に使用される同様の分散剤を含み得る。他の一般的に使用される界面活性剤、たとえばツイーン、スパン、および薬学的に許容される固体、液体、または他の投与形態の製造において一般的に使用される他の乳化剤またはバイオアベイラビリティー向上物質はまた、製剤の目的のために使用され得る。
【0231】
1つの態様において、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重の投与レベルの本明細書に記載のプロテアーゼ阻害化合物が、抗ウイルス性、とりわけ抗HCV介在疾患の予防および処置のための単独治療において有用である。他の態様において、一日あたり約0.5〜約75mg/kg体重の投与レベルの本明細書に記載のプロテアーゼ阻害化合物が、抗ウイルス性、とりわけ抗HCV介在疾患の予防および処置のための単独治療において有用である。典型的には、本発明の医薬組成物は一日あたり約1〜5回、あるいはその他で、連続輸液として投与されるであろう。当該投与は慢性または急性治療として使用することができる。単剤形態を生産するための担体物質と組み合わされ得る有効成分の量は、処置される宿主および特定の投与形態に依存して変化するであろう。典型的な製剤は、約5%〜約95%(w/w)の有効成分を含むであろう。1つの態様において、かかる製剤は約20%〜約80%の有効成分を含む。
【0232】
本発明の組成物が式Iまたは式I−1の化合物と1またはそれ以上のさらなる治療剤または予防剤を含むとき、前記化合物およびさらなる薬剤の両方が、単独治療レジメンにおいて通常投与される投与量の約10〜100%の投与レベルであるべきである。他の態様において、前記さらなる薬剤は単独治療レジメンにおいて通常投与される投与量の約10〜80%の投与レベルであるべきである。
【0233】
本発明の医薬組成物は、限定されないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁液または溶液を含む任意の経口的に許容され得る投与形態で投与され得る。経口的使用のための錠剤の場合において、一般的に使用される担体にはラクトースおよびコーンスターチが含まれる。滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウムはまた、典型的には加えられる。カプセル剤形態での経口投与のために、有用な希釈剤にはラクトースおよび乾燥コーンデンプンが含まれる。水性懸濁液が経口的使用のために必要であるとき、有効成分は乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。所望により、特定の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤も加えることができる。
【0234】
あるいは、本発明の医薬組成物を直腸投与のための座薬の形態で投与することができる。これらは室温では個体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸で溶融して薬剤を放出する、好適な刺激のない賦形剤と前記薬剤を混合して製造することができる。このような物質にはカカオバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0235】
本発明の医薬組成物はまた、典型的には、とりわけ処置の標的が、眼、皮膚または腸管下部の疾患を含む、局所適用によって容易に到達可能な領域または臓器を含むとき、局所的に投与され得る。好適な局所製剤はこれらの領域または臓器の各々について、容易に製造される。
【0236】
腸管下部への局所適用は、直腸座薬製剤(上記参照)または好適なかん腸製剤が有効であり得る。局所的な経皮パッチも使用することができる。
【0237】
局所適用のために、前記医薬組成物を、1またはそれ以上の担体に懸濁または溶解させた有効成分を含む好適な軟膏に製剤することができる。本発明の化合物の局所投与のための担体には、限定されないが、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水が含まれる。あるいは、前記医薬組成物は1またはそれ以上の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解させた有効成分を含む好適なローションまたはクリームに製剤することができる。好適な担体には、限定されないが、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
【0238】
眼への使用のために、前記医薬組成物を、等張、pH調節滅菌食塩水中の微小懸濁液として、または好ましくは、塩化ベンザルコニウムのような保存剤添加または無添加の、等張、pH調節滅菌食塩水中の水溶液として、製剤することができる。あるいは、眼への使用のために、前記医薬組成物をワセリンのような軟膏に製剤することができる。
【0239】
本発明の医薬組成物はまた、経鼻エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。当該組成物は医薬製剤の分野において既知の技術にしたがって製造され、そしてベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティーを上昇させるための吸収促進剤、フルオロ炭素、および/または他の常套の溶解剤または分散剤を使用して、食塩水中の水溶液として製造することができる。
【0240】
1つの態様において、前記医薬組成物を経口投与のために製剤する。
【0241】
他の態様において、本発明の組成物はさらに、他の抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を含む。当該抗ウイルス剤には、限定されないが、免疫調節剤、たとえばα−、β−、およびγ−インターフェロン、ペグ化誘導されたインターフェロン−α化合物およびチモシン;他の抗ウイルス剤、たとえばリバビリン、アマンタジン、およびテルビブジン;他のC型肝炎プロテアーゼの阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤s);ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害剤を含むHCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤;内部リボソーム侵入の阻害剤;広いスペクトルのウイルス阻害剤、たとえばIMPDH阻害剤(たとえば、米国特許5,807,876、6,498,178、6,344,465、6,054,472、WO 97/40028、WO 98/40381、WO 00/56331の化合物、およびミコフェノール酸およびその誘導体、ならびに限定されないが、VX−497、VX−148、および/またはVX−944を含む);または上記いずれかの組合せが含まれる。W. Markland et al., Antimicrobial & Antiviral Chemotherapy, 44, p. 859 (2000) and U.S. Patent 6, 541, 496も参照。
【化193】

【0242】
下記定義は本明細書において使用される(本願出願日において入手可能な製品については商標と共に言及する)。
【0243】
“Peg−Intron”はPEG−Intron(登録商標)、ペグインターフェロンα−2bを意味し、Schering Corporation, Kenilworth, NJから入手可能である;
【0244】
“イントロン”はIntron−A(登録商標)、インターフェロンα−2bを意味し、Schering Corporation, Kenilworth, NJから入手可能である;
【0245】
“リバビリン”はリバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドを意味し、ICN Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CAから入手可能である;Merck Index、8365番、第12版に記載されている;また、Rebetol(登録商標)としてSchering Corporation, Kenilworth, NJから、またはCopegus(登録商標)としてHoffmann-La Roche, Nutley, NJから入手可能である;
【0246】
“Pagasys”はPegasys(登録商標)、ペグインターフェロンα−2aを意味し、Hoffmann-La Roche, Nutley, NJから入手可能である;
【0247】
“Roferon”はRoferon(登録商標)、組み換えインターフェロンα−2aを意味し、Hoffmann-La Roche, Nutley, NJから入手可能である;
【0248】
“Berefor”はBerefor(登録商標)、インターフェロンα2を意味し、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CTから入手可能である;
【0249】
Sumiferon(登録商標)、スミフェロンのような天然αインターフェロンの精製混合物、日本の住友から入手可能である;
【0250】
Wellferon(登録商標)、インターフェロンα n1、Glaxo_Wellcome LTd., Great Britainから入手可能である;
【0251】
Alferon(登録商標)、Interferon Sciencesによって製造された天然αインターフェロンの混合物、そしてPurdue Frederick Co., CTから入手可能である;
【0252】
“インターフェロン”との用語は、本明細書において使用するとき、ウイルスの複製および細胞増殖を阻害し、そして免疫応答を調節する、高い相同性を有する種特異的なタンパク質のファミリーのメンバーを意味し、たとえばインターフェロンα、インターフェロンβ、またはインターフェロンγである。Merck Index、5015番、12版。
【0253】
本発明の1つの態様において、前記インターフェロンはα−インターフェロンである。他の態様において、本発明の治療組合せは天然インターフェロン2aを利用する。あるいは、本発明の治療組合せは天然インターフェロン2bを利用する。他の態様において、本発明の治療組合せは組み換えαインターフェロン2aまたは2bを利用する。さらに他の態様において、前記インターフェロンはペグ化されたαインターフェロン2aまたは2bである。本発明に好適なインターフェロンには:
(a) Intron(インターフェロン−α2B、Schering Plough)、
(b) Peg−Intron、
(c) Pegasys、
(d) Roferon、
(e) Berefor、
(f) Sumiferon、
(g) Wellferon、
(h) コンセンサスαインターフェロン、 Amgen, Inc., Newbury Park, CAから入手可能、
(i) Alferon;
(j) Viraferon(登録商標);
(k) Infergen(登録商標)
が含まれる。
【0254】
当業者には理解される通り、プロテアーゼ阻害剤は好ましくは経口的に投与される。インターフェロンは典型的には経口的に投与されない。それにもかかわらず、本発明の方法または組合せには、いかなる具体的な投与形態またはレジメンにも限定されない。したがって、本発明に記載の組合せの各構成要素は、別々に、一緒に、またはその任意の組合せで、投与することができる。
【0255】
1つの態様において、前記プロテアーゼ阻害剤およびインターフェロンを別々の投与形態で投与する。1つの態様において、任意のさらなる薬剤を単剤形態の一部としてプロテアーゼ阻害剤と、または別々の投与形態として、投与する。本発明は化合物の組合せを含むので、各化合物の具体的な量は組合せにおける各他の化合物の具体的な量に依存し得る。当業者には理解される通り、インターフェロンの投与量は典型的にはIUで測定される(たとえば、約400万IUから約1200万IU)。
【0256】
したがって、本発明の化合物との組合せにおいて使用され得る薬剤(免疫調節剤として作用するものであれ他に作用するものであれ)には、限定されないが、インターフェロン−α2B(Intron A、Schering Plough);Rebatron(Schering Plough、インターフェロン−α2B+リバビリン);ペグ化インターフェロンα(Reddy, K.R. et al. “Efficacy and Safety of Pegylated (40-kd) Interferon alpha-2a compared with Interferon alpha-2a in noncirrhotic patients with chronic hepatitis C” (Hepatology, 33, pp. 433-438 (2001));コンセンサスインターフェロン(Kao, J. H., et al., “Efficacy of Consensus Interferon in the Treatement of Chronic Hepatitis” J. Gastroenterol. Hepatol. 15, pp. 1418-1423 (2000)、インターフェロン−α2A(Roferon A; Roche)、リンパ芽または“天然”インターフェロン;インターフェロンタウ(Clayette, P. et al., “IFN-tau, A New Interferon Type I with Antiretroviral activity“ Pathol. Biol. (Paris) 47, pp. 553-559 (1999);インターロイキン2(Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.“ Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999);インターロイキン6(Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.“ Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999);インターロイキン12(Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.“ Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999);リバビリン;および1型ヘルパーT細胞応答の進行を上昇させる化合物(Davis, G.L. et al., “Future Options for the Management of Hepatitis C.“ Seminars in Liver Disease, 19, pp. 103-112 (1999))が含まれる。インターフェロンは直接抗ウイルス性効果を発揮することで、および/または感染に対する免疫応答を調節することで、ウイルス感染を改善することができる。インターフェロンの抗ウイルス性効果はしばしば、ウイルスの侵入または脱殻、ウイルス性RNAの合成、ウイルス性タンパク質の翻訳、および/またはウイルスの集合と放出の阻害を介する。
【0257】
細胞におけるインターフェロンの合成を刺激する化合物(Tazulakhova, E.B. et al., “Russian Experience in Screening, analysis, and Clinical Application of Novel Interferon Inducers“ J. Interferon Cytokine Res., 21 pp. 65-73)には、限定されないが、2本鎖RNAの単独、またはトブラマイシンとの組合せ、およびイミキモド(Imiquimod)(3M Pharmaceuticals; Sauder, D.N. “Immunonodulatory and Pharmacologic Properties of Imiquimod“ J. Am. Acad. Dermatol., 43 pp. S6-11 (2000)を含む。
【0258】
本発明の化合物との組合せにおいて使用することができる他の非免疫調節または免疫調節化合物は、限定されないが、WO 02/18369(この出願の内容を出典明示により本明細書の一部とする(たとえば、273頁、9〜22行目および274頁、4行目〜276頁、11行目参照))において特定されるものを含む。
【0259】
本発明はまた、シトクロームP450モノオキシゲナーゼ阻害剤の投与を含み得る。CYP阻害剤はCYPによって阻害される化合物の肝臓濃度の上昇および/または血液レベルの上昇に有用である。
【0260】
本発明の態様にCYP阻害剤が含まれるとき、関連するNS3/4Aプロテアーゼの薬物動力学を改善する任意のCYP阻害剤を、本発明の方法に使用することができる。これらのCYP阻害剤には、限定されないが、リトナビル(WO 94/14436)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロムチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、インディナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、フォサンプレナビル、サキナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、およびVX−497が含まれる。好ましいCYP阻害剤には、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、およびクロムチアゾールが含まれる。リトナビルの好ましい投与形態については、米国特許6,037,157:米国特許5,484,801、米国出願08/402,690、および国際出願WO 95/07696およびWO 95/09614参照(これらの内容を出典明示により本明細書の一部とする)。
【0261】
シトクロームP50モノオキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の能力を測定する方法は既知である(US6,037,157およびYun, et al. Drug Metabolism & Disposition, vol. 21, pp. 403-407 (1993)参照)。
【0262】
患者の状態の改善によって、本発明の化合物、組成物または組合せの維持用量を、所望により、投与することができる。その後、投与の量もしくは頻度、またはその両方を、症状の関数、改善された状態が維持されるレベルへと減らすことができ、症状が望ましいレベルへと緩和されたとき、処置を中止すべきである。患者には、しかしながら、疾患の症状の何らかの再発によって、長期の断続的な処置が必要であり得る。
【0263】
いずれかの特定の患者に対する具体的な投与量および投与レジメンは、使用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与の時間、排出速度、薬剤の組合せ、そして処置している医師の判断と処置される具体的な疾患の重症度を含む様々な要因に依存するであろう。有効成分の量はまた、組成物における特記された化合物およびさらなる抗ウイルス剤の存在または性質に依存するであろう。
【0264】
他の態様において本発明は、本発明の薬学的に許容される医薬組成物を患者に投与することによる、ウイルスのライフサイクルに必須であるウイルスコード化セリンプロテアーゼを特徴とするウイルスに感染した患者を処置する方法を提供する。他の態様において本発明の方法は、HCV感染を有する患者を処置するために使用される。当該処置は、完全にウイルス感染を根絶し、またはその重症度を減少させることができる。1つの態様において、前記患者はヒトである。
【0265】
他の態様において、本発明の方法はさらに、前記患者に抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を投与することを含む。当該抗ウイルス剤には、限定されないが、免疫調節剤、たとえばα−、β−、およびγ−インターフェロン、ペグ化誘導体化インターフェロン−α化合物、およびチモシン;他の抗ウイルス剤、たとえばリバビリン、アマンタジン、およびテルビブジン;他のC型肝炎プロテアーゼの阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);ヘリカーゼおよびポリメラーゼ阻害剤を含む、HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤;内部リボソーム侵入の阻害剤;広いスペクトルのウイルス阻害剤、たとえばIMPDH阻害剤(たとえば、米国特許5,807,876、6,498,178、6,344,465、6,054,472、WO 97/40028、WO 98/40381、WO 00/56331の化合物、およびミコフェノール酸およびその誘導体);シトクロームP−450の阻害剤、たとえばリトナビル、または上記のいずれかの組合せが含まれる。
【0266】
かかるさらなる薬剤を、本発明の化合物とさらなる抗ウイルス剤の両方を含む単剤形態の一部として、前記患者に投与することができる。あるいは前記さらなる薬剤を、複数の投与形態の一部として、本発明の化合物とは別に投与することができ、ここで、前記さらなる薬剤は本発明の化合物を含む組成物の前に、一緒に、または後に投与される。
【0267】
さらに別の態様において本発明は、患者に投与するために生物学的物質を前処置する方法であって、当該生物学的物質を本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物と接触させることを含む方法を提供する。前記生物学的物質には、限定されないが、血液およびその内容物、たとえば血漿、血小板、血液細胞の亜集団等;組織、たとえば腎臓、肝臓、心臓、肺等;精子および卵子;骨髄およびその内容物、ならびに患者に注入する他の液体、たとえば食塩水、デキストロース等が含まれる。
【0268】
他の態様において本発明は、潜在的にウイルスのライフサイクルに必須であるウイルスコード化セリンプロテアーゼを特徴とするウイルスと接触してしまうことのある物質を処理するための方法を提供する。この方法は前記物質を本発明の化合物と接触させることを含む。前記物質には、限定されないが、手術用器具および衣類(たとえば服、手袋、エプロン、ガウン、マスク、メガネ、履き物等);実験室の器具および衣類(たとえば服、手袋、エプロン、ガウン、マスク、メガネ、履き物等);血液採取装置および材料;侵入性器具、たとえばシャント、ステント等が含まれる。
【0269】
他の態様において本発明の化合物を、研究ツールとしてウイルスコード化セリンプロテアーゼの単離における補助のために使用することができる。この方法は、固体支持体と接触させた本発明の化合物を提供すること;当該固体支持体をウイルスのセリンプロテアーゼと、当該セリンプロテアーゼと前記固体支持体とが結合する条件で接触させること;そして、前記セリンプロテアーゼを前記固体支持体から溶出させることを含む。好ましくは、この方法によって単離されたウイルスのセリンプロテアーゼは、HCV NS3−NS4Aプロテアーゼである。
【0270】
本発明がより十分に理解されるために、下記製造例および試験例を記す。これらの実施例は説明を目的としており、いかなる方法においても本発明の技術的範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【実施例】
【0271】
H−NMRスペクトルを500MHzで、Bruker AMX 500装置を使用して記録した。マススペクトル試料をMicroMass ZQ or Quattro II質量スペクトロメーターで、シングルMSモードで操作して、エレクトロスプレーイオン化で分析した。試料をフローインジェクション(FIA)またはクロマトグラフィーを使用して質量スペクトロメーターへと導入した。全マススペクトル分析の移動層は、調節剤として0.2%ギ酸を含むアセトニトリル−水混合物からなる。
【0272】
本明細書において使用するとき、“R(分)”との用語は、その化合物についての分でのHPLCの保持時間を意味する。列記したHPLC保持時間はマススペクトルデータまたは下記方法を使用して得た:
装置:Hewlett Packard HP−1050;
カラム:YMC C18(カタログ番号326289C46);
グラジエント/グラジエント時間:10〜90%CHCN/HOで9分間、次いで100%CHCNで2分;
流速:0.8ml/min;
検出波長:215nMおよび245nM。
【0273】
本明細書において選択された化合物の化学名は、CambridgeSoft Corporationsの ChemDraw Ultra(登録商標)、バージョン7.0.1から得た命名プログラムを使用して得た。
【0274】
実施例1
N−フェニルオキサラン酸(84)
12mLのTHF中のエチルオキサニレート83(Aldrich、1.0g、1.0当量)を、1NのNaOH溶液(5.70mL、1.1当量)で滴下して処理し、白色沈殿を得た。室温にて3時間撹拌後、0.5NのHClと酢酸エチルを加え、有機相を分離し、0.5NのHClと塩水で洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濃縮して712mg(68%)のN−フェニルオキサラン酸84を白色固体として、一致した分析データと共に得た。FIA M+H=166.0, M H=163.9; 1H NMR (DMSO-d6) δ 10.70 (s, 1H), 7.75 (m, 2H), 7.35 (m, 2H), 7.15 (m, 1H) ppm.
【0275】
実施例2
N−(シクロヘキシル−{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル}−N’−フェニル−オキサルアミド(1)
DMF(20mL)中のオクタヒドロ−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル89(Bachem、1.6g、1.0当量)をPyBOP(3.41g、1.1当量)とNMM(1.97mL、3.0当量)で処理した。これにDMF(3mL)中の3−アミノ−2−ヒドロキシ−ヘキサン酸シクロプロピルアミド90(1.22g、1.1当量、U. Schoellkogf et al., Justus Liebigs Ann. Chem. GE, pp. 183-202 (1976)およびJ. Semple et al., Org. Letters, 2, pp. 2769-2772 (2000)に記載の方法にしたがって製造)とNMM(1.97mL、3.0当量)を加え、そして当該混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物を真空下で蒸発させ、酢酸エチルで希釈し、有機相を0.5NのHCl、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮して、2−[1−シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル91を得、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (CDCl3) δ 6.92 (bs, 1H), 6.80 (bs, 1H), 3.80-4.20 (m, 3H), 2.75 (m, 1H), 2.25 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), 1.90-2.00 (m, 2H), 1.5-1.75 (m, 7H), 1.45 (s, 9H), 1.10-1.40 (m, 5H), 0.90 (m, 3H), 0.75 (m, 2H), 0.50 (m, 2H) ppm.
【0276】
粗Bocアミド91を酢酸エチル(0.5N)中で撹拌し、EtOAc中の無水2NのHClで処理し、そして当該混合物を2時間撹拌した。当該混合物を真空下で濃縮し、オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)ブチル]−アミド92を得、これをさらに精製することなく使用した。1H NMR (CDCl3) δ 7.10 (bs, 1H), 6.95 (bs, 1H), 4.60 (m, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 2.75 (m, 1H), 2.50 (m, 2H), 2.05 (m, 2H), 1.30-1.80 (m, 12H), 0.90 (m, 3H), 0.80 (m, 2H), 0.60 (m, 2H) ppm.
【0277】
DMF(20mL)中のCBz tert−ブチルグリシン(1.74g、1.1当量)、および粗アミン92(2.01g、1.0当量)をPyBOP(3.41g、1.1当量)とNMM(3.93mL、6.0当量)で処理し、そして当該混合物を一晩室温にて撹拌した。反応混合物を真空下で濃縮し、EtOAcで希釈し、そして有機相を0.5NのHCl、塩水、重炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、その後硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。グラジエント(20%EtOAc/ヘキサンから100%EtOAc)で溶出させるMerckシリカゲルでの精製によって、2.295g(66%)の(1−{2−[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピル)−カルバミン酸ベンジルエステル93を油状物として、一致した分析データと共に得た。LCMS ret time=4.09min, M+H=585.28, M-H=583.25; 1H NMR (CDCl3) δ 7.32 (m, 5H), 6.99 (d, 1H), 6.85 (m, 1H), 5.42 (d, 1H), 5.02-5.12 (m, 2H), 4.50 (t, 1H), 4.25 (d, 1H), 4.09 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.12-2.30 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.59-1.81 (m, 6H), 1.50 (m, 2H), 1.22-1.42 (m, 4H), 1.00 (s, 9H), 0.90 (m, 3H), 0.75 (m, 2H), 0.55 (m, 2H) ppm.
【0278】
EtOH(10mL)中のアミド93(1.10g、1.0当量)を10%Pd/C(100mg)で処理し、そして水素ガスを出発物質が消費されるまで(TLCで観察)黒色懸濁液へバブリングしながら入れた。触媒を濾過により除去し、そして濾液を真空下で濃縮して852mg(収率100%)の1−(2−アミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−オクタヒドロ−インドール−2−カルボン酸[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチル]−アミド94を白色固体として、一致したNMRデータと共に得た。1H NMR (CDCl3) δ 4.40 (m, 1H), 4.20 (m, 1H), 4.10 (d, 1H), 3.95 (m, 1H), 2.70 (m, 1H), 2.40 (m, 2H), 2.0 (m, 2H), 1.60-1.80 (m, 6H), 1.50 (m, 2H), 1.30 (m, 3H), 1.20 (m, 1H), 1.00 (s, 9H), 0.90 (m, 3H), 0.75 (m, 2H), 0.55 (m, 2H)ppm.
【0279】
DMF(5mL)中のCBz−シクロヘキシルグリシン(Bachem、747mg、1.05当量)をPyBOP(1.33g、1.05当量)とNMM(0.8ml、3.0当量)で処理した。これにDMF(20mL)中のアミン94(1.1g、1.0当量)とNMM(0.8mL、3.0当量)の溶液を加え、そして当該混合物を室温にて3時間撹拌後した。反応混合物を真空下で濃縮し、酢酸エチルで希釈し、有機相を0.5NのHCl、塩水、飽和重炭酸ナトリウム溶液、および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして真空下で濃縮した。75%EtOAc/ヘキサンで溶出させるMerckシリカゲルでの精製によって、1.18g(67%)の[シクロヘキシル−(1−{2−[1−シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)メチル]−カルバミン酸ベンジルエステル95を白色固体として、一致した分析データと共に得た。LCMS ret time=3.65, M+H=724.22, M-H=722.20;
1H NMR (CDCl3) δ 7.35 (m, 5H), 7.05 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.55 (m, 1H), 5.35 (dd, 1), 5.10 (m, 2H), 4.35-4.55 (m, 1H), 3.95-4.25 (3H), 2.75 (m, 1H), 2.20 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.65-1.80 (m, 7H), 1.55 (m, 2H), 1.05-1.45 (m, 7H), 1.00 (s, 9H), 0.85-1.00 (m, 7H), 0.80 (m, 2H), 0.55 (m, 2H) ppm.
【0280】
EtOH (12mL)中のCBzカルバメート95(1.76g、1.0当量)を10%Pd/C(175mg)で処理し、水素ガスを出発物質が消費されるまで(TLCで観察)懸濁液へバブルリングしながら入れた。触媒を濾過により除去し、そして濾液を真空下で濃縮して、1.43g(100%)の中間体オキサルアミドを白色固体として得、これをさらに精製することなく使用した。
【0281】
CHCl(1mL)中の酸84(20mg、1.4当量)をPyBOP(53mg、1.2当量)とNMM(0.028mL、3.0当量)で処理し、そして5分撹拌した。これにCHCl(1mL)中のオキサルアミド(50mg、1.0当量)とNMM(0.028mL、3.0当量)の溶液を加え、当該混合物を室温にて一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、有機相を0.5NのHCl、塩水、飽和ビカルボネート溶液、および塩水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。分取HPLCでの精製によって、24mg(38%)のN−[シクロヘキシル−(1−{2−[1−シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−ブチルカルバモイル]−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル)メチル]−N’−フェニル−オキサルアミド96を白色固体として、一致した分析データと共に得た。LCMS ret time=4.07, M+H=737.26, M-H=735.22.
【0282】
CHCl(1mL)中のオキサルアミド96(24mg、1.0当量)とt−BuOH(41uL)をDess Martinペルヨージナン(41mg、3.0当量)で処理し、そして当該懸濁液を室温にて3時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウムを加え、そして当該混合物を15分撹拌し、次いで、酢酸エチルで希釈し、有機相を重炭酸ナトリウム溶液と塩水で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして真空下で濃縮した。分取HPLCでの精製によって5.5mg(23%)のN−(シクロヘキシル−{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキサリル−ブチルカルバモイル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピルカルバモイル}−N’−フェニル−オキサルアミド1を白色固体として、一致した分析データと共に得た。LCMS ret time=4.51, M+H=735.23, M-H=733.39.
【0283】
実施例3
HCVレプリコン細胞アッセイプロトコル:
C型肝炎ウイルス(HCV)レプリコンを含む細胞を10%胎児ウシ血清(FBS)、1mlあたり0.25mgのG418を含むDMEM中で、適当な補助物質と共に維持した(培地A)。
【0284】
1日目に、レプリコン細胞の単一層を、トリプシン:EDTA混合物で処理し、除去し、次いで培地Aを1mLあたり100,000細胞の最終濃度へと希釈した。100μl中の10,000細胞を96ウェル組織培養プレートの各ウェルへと播種し、そして一晩組織培養インキュベーター中で37℃にて培養した。
【0285】
2日目に、化合物(100%DMSO中の)を、2%FBS、0.5%DMSOを含むDMEM中で、適当な補助物質と共に連続希釈した(培地B)。DMSOの最終濃度を希釈系列を通して0.5%で維持した。
【0286】
レプリコン細胞単一層の培地を除去し、次いで様々な濃度の化合物を含む培地Bを加えた。全く化合物を含まない培地Bを、化合物なしの対照として他のウェルに加えた。
【0287】
細胞を培地B中の化合物または0.5%DMSOと共に48時間、組織培養インキュベーター中で37℃にてインキュベーションした。48時間のインキュベーションが終わると、培地を除去し、そしてレプリコン細胞単一層をPBSで一度洗浄し、そしてRNA抽出まで−80℃にて貯蔵した。
【0288】
処理されたレプリコン細胞単一層を有する培養プレートを溶解させ、そして固定量の他のRNAウイルス、たとえばウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)を各ウェルの細胞に加えた。RNA抽出試薬(たとえばRNeasyキットからの試薬)をRNAの分解を避けるために即座に細胞へと加えた。全RNAを抽出効果と濃度(consistency)を改善するための改変を有する製造業者の指示書にしたがって抽出した。最終的に、HCVレプリコンRNAを含む全細胞性RNAを溶出し、そしてさらなる処理まで−80℃にて貯蔵した。
【0289】
Taqman実時間RT−PCR定量アッセイを2セットの特定のプライマーおよびプローブでおこなった。1つはHCVのためであり、そして他方はBVDVのためである。処理されたHCVレプリコン細胞に由来する全RNA抽出物を、HCVとBVDVの両方のRNAの定量のため、同じPCRウェルにおいて、PCR反応へ加えた。実験の失敗は各ウェルにおけるBVDVのRNAレベルに基づいて判断し、そして排除した。各ウェルにおけるHCVのRNAレベルを、同じPCRプレートにおいて標準曲線ランにしたがって計算した。化合物処理によるHCVのRNAレベルの阻害または減少のパーセンテージを、DMSOまたは化合物なしの対照を0%阻害として使用して、計算した。IC50(HCVのRNAレベルの50%阻害が観察される濃度)を、任意の所与の化合物の力価測定曲線から計算した。
【0290】
実施例4
HCV酵素アッセイプロトコル:
5AB基質と産物の分離のためのHPLC Microbore法
基質:
NH−Glu−Asp−Val−Val−(α)Abu−Cys−Ser−Met−Ser−Tyr−COOH
【0291】
20mMの5AB原液(または選択した濃度)をDMSO w/0.2M DTT中で作成した。これを等分して−20℃にて貯蔵した。
【0292】
バッファー:50mMのHEPES、pH7.8;20%グリセロール;100mMのNaCl
【0293】
全アッセイ体積は100μlであった。
【表1】

【0294】
バッファー、KK4A、DTT、およびtNS3を組合せ;各々78μLに96ウェルプレートのウェルへと分配した。これを30℃にて5〜10分インキュベーションした。
【0295】
2.5μLの適当な濃度の試験化合物をDMSO中に溶解させ(DMSOのみを対照とする)、そして各ウェルに加えた。これを室温にて15分、インキュベーションした。
【0296】
20μLの250μMの5AB基質の添加によって反応を開始させた(25μMの濃度は5ABについてのKmと同じかわずかに低い)。
20分、30℃にてインキュベーションした。
25μLの10%TFAの添加によって反応を終わらせた。
120μLのアリコートをHPLCバイアルへと移した。
【0297】
SMSY産物を基質とKK4Aから、下記の方法によって分離した:
Microbore分離法:
器具類: Agilent 1100
脱気器 G1322A
バイナリーポンプ G1312A
自動サンプラー G1313A
カラムサーモスタットチャンバー G1316A
ダイオードアレイ検出器 G1315A
カラム:
Phenomenex Jupiter;5ミクロンC18;300オングストローム;150×2mm;P/O 00F−4053−B0
カラムサーモスタット:40℃
注入体積:100μL
溶媒A=HPLCグレード水+0.1%TFA
溶媒B=HPLCグレードアセトニトリル+0.1%TFA
【表2】

停止時間:17分
実行後時間:10分。
【0298】
下記表1は本発明のある化合物についてのマススペクトル、HPLC、KiおよびIC50データを示す。
0.25μMから1μMのKiの範囲を有する化合物は、Aと表す。0.1μMから0.25μMのKiの範囲を有する化合物は、Bと表す。0.1μMより低いKiを有する化合物は、Cと表す。0.25μMから1μMのIC50を有する化合物はAと表す。0.1μMから0.25μMのIC50を有する化合物はBと表す。0.1μMより低いIC50を有する化合物はCと表す。
【表3】

【0299】
下記表2は本発明のある化合物についてのプロトンNMRデータを示す。H−NMRスペクトルを500MHzで、Bruker AMX 500装置を使用して記録した。
【表4】

【表5】

【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中:
およびR’は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、RおよびR’の各々において3個までの脂肪族炭素原子がO、N、NH、S、SO、またはSOによって置換され得;
式中、RおよびR’の各々は独立して、そして所望により、独立してJから選択される3個までの置換基で置換され;
Jはハロゲン、−OR’、−NO、CN、CF、OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
式中;
R’は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換され;
式中、同じ原子と結合している2個のR’基は所望により、N、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し、ここで任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
から独立して選択される]
であり;
10、R10’、R11、およびR11’は各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であるか;または
10は−OR’であり、そしてR10’はHであるか;または
10およびR10’はいずれも−OR’またはSR’であるか;または
10およびR10’はいずれもフッ素であるか;または
10およびR10’はそれらが結合している炭素原子と一緒になって5〜7員飽和または部分不飽和環を形成し;
(式中、炭素原子と結合しているR10およびR10’原子は独立してC(H)、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
式中、前記環はN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される4個までのヘテロ原子を含み得;
式中、任意の原子は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で1個または複数個置換され;そして
式中、前記環は(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、および(C3−C10)ヘテロシクリルから選択される第2の環と縮合し、ここで、当該第二の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有するか;または
およびR10はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
10およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、10個までの原子を含む、架橋された二環式飽和もしくは部分不飽和炭素環式またはヘテロ環式環系を形成し;ここで、当該環系は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;ここで、ヘテロ環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOからなる群から選択される);
およびRは独立して:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
または(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、RおよびRの各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、RおよびRの各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であり、
、R、およびRは各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R、R、およびRの各々において2個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R、R、およびRの各々は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり、
およびR’は独立して水素または(C1−C12)−脂肪族
[式中、任意の水素は所望によりハロゲンで置換されており;
式中、Rの任意の末端炭素原子は所望によりスルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている]
であるか、または
はPhまたは−CHPhであり、そしてR’はH
[式中、前記PhまたはCHPh基は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であるか;または
およびR’はそれらが結合している原子と一緒になって、所望によりN、NH、O、SO、およびSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3〜6員飽和または部分不飽和環
[ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で置換されている]
を形成し;
Wは:
【化2】

[式中、各Rは独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−
(式中、Rは所望により3個までの置換基Jで置換されているか;または
2個のR基は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、所望によりN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで、当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており、ここで、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
であり;
式中、各Rは独立して−OR’であるか;または
前記R基はホウ素原子と一緒になって、所望によりホウ素に加えてN、NR’、O、SO、およびSOから選択される3個までのさらなるヘテロ原子を有する(C3−C10)−員ヘテロ環式環を形成する]
であり;
Xは−C(O)−、−S(O)−、または−S(O)−であり、
Vは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、またはN(R13)−;
[式中、R13は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R13において2個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R13は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であり;
12およびR12’は独立して:
水素;
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R12またはR12’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R12またはR12’の各々は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
12およびR12’はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、(C3−C10)−ヘテロ環式環を形成し;
式中、当該(C3−C10)−ヘテロ環式環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式I−1:
【化3】

〔式中:
zは0または1であり;
およびR’は独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、RおよびR’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOによって置換され得;
式中、RおよびR’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換され;
Jはハロゲン、−OR’、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R’、オキソ、チオキソ、=N(R’)、=N(OR’)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R’)、−SR’、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−SOR’、−C(O)R’、−C(O)C(O)R’、−C(O)C(O)OR’、−C(O)C(O)N(R’)、−C(O)CHC(O)R’、−C(S)R’、−C(S)OR’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−C(O)N(R’)、−OC(O)N(R’)、−C(S)N(R’)、−(CH0−2NHC(O)R’、−N(R’)N(R’)COR’、−N(R’)N(R’)C(O)OR’、−N(R’)N(R’)CON(R’)、−N(R’)SOR’、−N(R’)SON(R’)、−N(R’)C(O)OR’、−N(R’)C(O)R’、−N(R’)C(S)R’、−N(R’)C(O)N(R’)、−N(R’)C(S)N(R’)、−N(COR’)COR’、−N(OR’)R’、−C(=NH)N(R’)、−C(O)N(OR’)R’、−C(=NOR’)R’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(R’)、−P(O)(OR’)、または−P(O)(H)(OR’)であり;
式中、R’は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換され;
式中、同じ原子と結合しているR’基はN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで、当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており、ここで、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する);
から独立して選択され;
10、R10’、R11、およびR11’は各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R10、R10’、R11、およびR11’の各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される)
であるか;または
10は−OR’であり、そしてR10’はHであるか;または
10およびR10’はいずれも−OR’または−SR’であるか;または
10およびR10’はいずれもフッ素であるか;または
10およびR10’はそれらが結合している炭素原子と一緒になって、5〜7員飽和または部分不飽和環を形成し;
式中、炭素原子と結合しているR10およびR10’原子は独立してC(H)、N、NH、O、S、SO、またはSOであり;
式中、前記環はN、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される4個までのヘテロ原子を含み得;
式中、任意の原子は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で1個または複数個置換され;そして
式中、前記環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、および(C3−C10)ヘテロシクリルから選択される第2の環と縮合しており、ここで、当該第2の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
であるか;または
およびR10はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
10およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜6員芳香族または非芳香環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
およびR11はそれらが結合している環原子と一緒になって、10個までの原子を含む、架橋された二環式飽和もしくは部分不飽和炭素環式またはヘテロ環式環系を形成し;ここで、当該環系は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されており;ここで、ヘテロ環式環系における各ヘテロ原子は、N、NH、O、S、SO、またはSOからなる群から選択される;
(存在するならば)およびRは独立して:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R(存在するならば)およびRの各々において3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R(存在するならば)およびRの各々は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
であり;
、R、およびR(存在するならば)は各々独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−(C1−C12)−脂肪族−、または
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−
[式中、R、R、およびR(存在するならば)の各々において2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R、R、およびR(存在するならば)の各々は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり;
およびR’は独立して水素または(C1−C12)−脂肪族
[式中、任意の水素は所望によりハロゲンで置換されており;
式中、Rの任意の末端炭素原子は所望によりスルフヒドリルまたはヒドロキシで置換されている]
であるか;または
はPhまたは−CHPhであり、そしてR’はHであり、式中、前記PhまたはCHPh基は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
およびR’はそれらが結合している原子と一緒になって、所望によりN、NH、O、SO、およびSOから選択される2個までのヘテロ原子を有する3〜6員飽和または部分不飽和環を形成し;ここで、当該環は所望によりJから独立して選択される2個までの置換基で置換され;
Wは:
【化4】

[式中、
Yは−COH、−COHの誘導体、または−COHの生物等量式であり;
各Rは独立して:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−またはシクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(式中、Rは所望により3個までの置換基Jで置換されているか;または
2個のR基が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、N、NH、O、S、SO、およびSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する3〜10員芳香族または非芳香環を形成し、ここで、当該環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており、ここで、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する)
であり;
式中、各Rは独立して−OR’であるか;または
前記R基はホウ素原子と一緒になって、所望によりホウ素に加えてN、NR’、O、SO、およびSOから選択される3個までのさらなるヘテロ原子を有する(C3−C10)−員ヘテロ環式環を形成する]
であり;
Xは−C(O)−、−S(O)−、または−S(O)−であり;
Vは−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、またはN(R13)−
[式中、R13は:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
(式中、R13において2個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、およびSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R13は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される)
である]
であり;
12およびR12’は独立して:
水素;
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R12またはR12’の各々において3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R12またはR12’の各々は、所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されているか;または
12およびR12’はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、(C3−C10)−ヘテロ環式環を形成し;ここで、当該(C3−C10)−ヘテロ環式環は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり;そして
14およびR15は独立して:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキル−または−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)脂肪族−、
[式中、R14およびR15において3個までの脂肪族炭素原子は、O、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;
式中、R14およびR15の各々は、独立して、そして所望により各置換可能な位置でJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】

【化5】


【化6】

〔式中:
12、R12’、およびR13は請求項1または2に定義のとおりである〕
である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記基
【化7】

において、
12’が水素であり;
12が:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
[(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル]−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−
[式中、R12において3個までの脂肪族炭素原子がO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R12は所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり、そして
13が請求項1または2に定義のとおりである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
12が:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−
[式中、R12において3個までの脂肪族炭素原子がO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R12が所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
であり;そして
13が請求項1または2に定義のとおりである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
前記基が
【化8】

である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記基
【化9】

が、
【化10】

である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記基
【化11】


【化12】

〔式中、R12、R12’、およびR13は請求項1または2に定義のとおりである〕
である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項9】
12’が水素であり;そして
12が:
(C1−C12)−脂肪族−;
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、または
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−
[式中、
12において3個までの脂肪族炭素原子がO、N、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R12が所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記基
【化13】

が、
【化14】

〔式中、nは0、1、または2であり;
ZおよびZ’は独立してC(H)、N、NH、O、またはSであり;
、R’、R11、およびR11’は請求項1に定義のとおりであり;そして
ZおよびZ’を含むスピロ環式環は所望により3個までの置換基Jで置換されており、ここで、Jは請求項1に定義のとおりである〕
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
前記基が、
【化15】

〔式中:
、R’、R11、およびR11’がHであり;そして
nが0、1、または2である〕
である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記基
【化16】

が、
【化17】

〔式中:
nは0または1である〕
である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記基
【化18】

が、
【化19】

〔式中:
R’は:
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、
R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換され;そして
、R’、R10’、R11、およびR11’は請求項1に定義のとおりである]〕
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
前記基
【化20】

が、
【化21】

〔式中、
R’環が所望によりJから独立して選択される5個までの置換基で置換されている〕
である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記基が
【化22】

である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記基
【化23】

が、
【化24】

〔式中、
R’が:
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、および
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−;
[式中、R’において5個までの原子は所望により、そして独立してJで置換され
から選択され;そして
、R’、R10’、R11、およびR11’は請求項1に定義のとおりである〕
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項17】
前記基
【化25】

が、
【化26】

〔式中、
R’において5個までの原子が所望により、そして独立してJで置換されている〕
である、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
前記基
【化27】

において、
、R10、R10’、R11、およびR11’は請求項1に定義のとおりであり;そして
’は:
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、または
(C5−C10)−ヘテロアリール−;
[式中、R’において3個までの脂肪族炭素原子はO、N、NH、S、SO、またはSOによって置換され得;そして
式中、R’は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
前記基が
【化28】

〔式中、R’は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている〕
である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
前記基
【化29】

において;
、R’、R10、R11、およびR11’はHであり;そして
10’は:
(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル、
(C6−C10)−アリール、
[式中、任意の環は所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、R10’において3個までの脂肪族炭素原子はO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R10’は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される]
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
前記基が
【化30】

〔式中、
10’基は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換される〕
である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
前記基
【化31】

において、
、R10、R11、およびR11’がHであり;そして
’およびR10’が:
(C1−C12)−脂肪族、
(C3−C10)−シクロアルキルまたは−シクロアルケニル、
[式中、R’およびR10’において3個までの脂肪族炭素原子がO、NH、S、SO、またはSOから選択されるヘテロ原子によって化学的に安定な配置において置換され得;そして
式中、R’およびR10’は独立して、そして所望によりJから独立して選択される3個までの置換基で置換されている]
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
前記基が
【化32】

である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
前記基
【化33】

が、
【化34】

〔式中、
環AはN、NH、O、SO、またはSOから独立して選択される3個までのヘテロ原子を有する5〜6員芳香族または3〜6員非芳香族環であり;
式中、前記環Aは所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合しており;
式中、任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
、R’、R10’、およびR11’は請求項1に定義のとおりである〕
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
前記基が
【化35】

〔式中、
任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する〕
である、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
前記基が
【化36】

〔式中、
任意の環はJから独立して選択される3個までの置換基を有する〕
である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
前記基が
【化37】

である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
前記基
【化38】

が、
【化39】

〔式中、
環Bは3〜20員炭素環式またはヘテロ環式環系を形成し;
式中、各環Bは芳香属性または非芳香属性のいずれかであり、
式中、ヘテロ環式環系において各ヘテロ原子は、N、NH、O、SO、またはSOであり;
式中、環Bは所望により(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、または(C3−C10)ヘテロシクリルと縮合し;
式中、各環はJから独立して選択される3個までの置換基を有し;そして
’およびR11’は請求項1に定義のとおりである〕
である、請求項1〜9のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
前記基
【化40】

が、
【化41】

である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
Wが
【化42】

〔式中、
Wにおいて、NRはNH(C1−C6脂肪族)、NH(C3−C6シクロアルキル)、NHCH(CH)−アリール、またはNHCH(CH)ヘテロアリールから選択され、ここで、前記アリールまたは前記ヘテロアリールは所望により3個までのハロゲンで置換されている〕
である、請求項1〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
Wにおいて、NR
【化43】

である、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Wにおいて、NR
【化44】

である、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
Wにおいて、NR
【化45】

である、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
Wにおいて、NR
【化46】

である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
’が水素であり、そしてR
【化47】

である、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
’が水素であり、そしてR
【化48】

である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
、R、R、およびR12’が、存在するならば、各々独立してH、メチル、エチル、またはプロピルである、請求項1〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項38】
、R、R、およびR12’が、存在するならば、各々Hである、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】

【化49】

である、請求項1〜38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】

【化50】

である、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】

【化51】

である、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
が、存在するならば、
【化52】

である、請求項1〜41のいずれかに記載の化合物。
【請求項43】
が、存在するならば、
【化53】

である、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
が、存在するならば、シクロヘキシルである、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
前記化合物が
【化54】

【化55】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項46】
請求項1〜45のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の、セリンプロテアーゼを阻害するのに有効な量を;そして許容される担体、アジュバントまたはビークルを含んでなる、医薬組成物。
【請求項47】
前記組成物が患者に投与するために製剤される、請求項46に記載の化合物。
【請求項48】
前記組成物が免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2の阻害剤;HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤;およびシトクロームP−450阻害剤;またはそれらの組合せから選択されるさらなる薬剤を含んでなる、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記免疫調節剤がα−、β−、またはγ−インターフェロンまたはチモシンであるか;前記抗ウイルス剤がリバビリン、アマンタジン、またはテルビブジンであるか;または前記HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤がHCVヘリカーゼ、ポリメラーゼ、またはメタロプロテアーゼの阻害剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記シトクロームP−450阻害剤がリトナビルである、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
セリンプロテアーゼの活性を阻害する方法であって、当該セリンプロテアーゼを請求項1〜45のいずれかに記載の化合物と接触させる工程を含んでなる方法。
【請求項52】
前記プロテアーゼがHCV NS3プロテアーゼである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
患者においてHCV感染を処置する方法であって、当該患者に請求項47に記載の組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項54】
前記患者に、免疫調節剤;抗ウイルス剤;HCVプロテアーゼの第2の阻害剤;HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤;またはそれらの組合せから選択されるさらなる薬剤を投与することを含んでなる方法であって、当該さらなる薬剤が前記患者に請求項47に記載の組成物の一部として、または分離した投与形態として投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記免疫調節剤が、α−、β−またはγ−インターフェロンまたはチモシンであるか;前記抗ウイルス剤がリバビリン(ribavarin)またはアマンタジンであるか;または前記HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤がHCVヘリカーゼ、ポリメラーゼ、またはメタロプロテアーゼの阻害剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
生物学的試料、または医薬もしくは研究設備のHCV汚染を解消または減少する方法であって、前記生物学的試料または医薬もしくは研究設備を請求項46に記載の組成物と接触させることを含んでなる方法。
【請求項57】
前記試料または設備が、血液、他の体液、生物学的組織、手術用器具、手術用衣類、実験室の器具、実験室の衣類、血液または他の体液採取装置;血液または他の体液貯蔵材料から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記体液が血液である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
請求項1において定義の式Iの化合物、または請求項2において定義の式I−1の化合物を製造する方法であって、下記の工程:
式VIIの化合物を式VIIIの化合物の存在下で反応させて、式IX
【化56】

〔式中、
17はアミン保護基、本明細書に記載のHCVプロテアーゼ阻害剤のP3−残基、または本明細書に記載のHCVプロテアーゼ阻害剤のP4−P3−残基であり、そして
ここで、当該P3およびP4−P3残基は所望によりアミノ末端キャップ基で置換されており;
17はカルボキシ保護基または本明細書に記載のHCVプロテアーゼ阻害剤のP1残基であり、ここで、当該P1残基は所望によりカルボキシ末端保護基でまたはWで置換されており;
R’は請求項1において定義のとおりであり;そして
Xは適当な脱離基である〕
の化合物を入手する
を含んでなる方法。

【公表番号】特表2007−536204(P2007−536204A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527035(P2006−527035)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030428
【国際公開番号】WO2005/028502
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】