説明

セルロースエステルの製造、パルプの予備処理からのアルカリおよび/または酸リサイクル

本発明は、セルロースエステルの製造方法であって、前記方法は、アルカリまたは酸のいずれかまたは両者による不純物除去のためにパルプを予備処理する工程、前記予備処理されたパルプをエステル化する工程、前記予備処理されたパルプをエステル化する工程、および前記予備処理工程から前記アルカリまたは酸のいずれかまたは両者をリサイクルする工程を含む方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースエステルの製造に使用されるパルプの予備処理からのアルカリおよび酸のリサイクルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、セルロースエステルの製造において、セルロースは開繊、活性化、エステル化され、および選択的にセルロースの100%未満のエステル化のレベルまで脱エステル化される。
【0003】
高級ウッドパルプは高い含有量のアルファセルロースと低不純物量を含むセルロース源を意味する。不純物としては、主として、ヘミセルロース(例えば、キシランおよびマナン)、リグニンおよび樹脂(有機溶媒抽出とも呼ばれ、例えば、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪エステル、ロジンおよびワックスがある)がある。例えば、典型的な「アセテート」級パルプは95%を超えるアルファセルロースおよび1〜3%のへミセルロースを含む。典型的な「ビスコース」級パルプは90〜95%アルファセルロースおよび4〜5%のヘミセルロースを含み、「紙/綿毛」級パルプは80%のアルファセルロースと15〜20%のへミセルロースを含む。もちろん、高級パルプは低級パルプより値段が高い。低級パルプを使用する要望があるが、低級パルプは製造上および得られるセルロースエステルの品質上有害である。
【0004】
セルロースエステルの開繊、活性化、エステル化および選択的に脱エステル化はセルロースエステルを引用し簡潔に述べるが、本発明はこれに限定されない。開繊および活性化はアセチル酸のような弱酸中における細かく切断されたパルプの湿潤または濡れを意味する。不純物の除去がこの工程の目的ではない。エステル化(アセチル化)は、活性化されたセルロースを無水酢酸で反応させることにより、セルロースの主鎖上の水酸(OH)基の実質的に100%を置換する(置換率、D.S.=3)ことを意味する。脱エステル化(または加水分解または熟成)は水との反応によってアセチル基のいくつかをOH基で置換すること(通常、置換率は2.1ないし2.7)を意味する。
【特許文献1】米国特許出願第11/155133号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2005年6月16日出願の米国特許出願第11/155133号において、低級木パルプによるセルロースエステルの製造プロセスが開示されている。このプロセスは、既知の開繊および活性化(しばしば予備処理と呼ばれる)工程を新しい処理、すなわち低級木パルプがアルカリ溶液で処理され、次いでエステル化の前に水および酸で洗浄される工程で置き換える。この新しいプロセスは、低級木パルプからのセルロースエステルの製造を可能にするが、従来低級パルプの使用により生じていた製造および品質の問題を回避する。この工程で使用されるアルカリおよび酸は十分なものであり、したがって廃棄されてはならず、工程の経済性を高めるためにリサイクルされなければならない。
【0006】
したがって、セルロースエステルの製造に使用される木パルプの予備処理からのアルカリおよび酸をリサイクルするプロセスの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のセルロースエステルの製造プロセスを記載する。このプロセスは、アルカリまたは酸のいずれかまたは両者による不純物除去のためにパルプを予備処理する工程、前記予備処理されたパルプをエステル化する工程、前記予備処理されたパルプをエステル化する工程、および前記予備処理工程から前記アルカリまたは酸をリサイクルする工程を含む。
【0008】
図1を参照すると、本発明の実施態様のフローチャート10が示される。10で示されるプロセスは3つの要素(工程)に分解される。すなわち、パルプ予備処理およびセルロース製造100、アルカリリサイクル200および酸リサイクル300である。これらの構成要素についてそれぞれ以下に詳細に説明する。
【0009】
本明細書で使用されるセルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロースプロピネート、セルロースブチレート、セルロースバレレート、セルロースフォーメートおよびこれらのコポリマーを意味するが、これに限定されない。コポリマーとしては、これに限られず、アセテート−プロピネートまたはブチレートまたはバレレートまたはフォーメートなどがある。本発明の次の説明においては、セルロースアセテートを参照して行われるが、本発明はこれに限定されない。
【0010】
予備処理およびセルロースエステルの製造100は、パルプ110が無水酢酸により処理されてセルロースアセテート120を形成するプロセスの一部を意味する。木パルプ110は任意の品質の木パルプを意味する。綿リンターおよび「アセテート」級パルプ以外の低級木パルプは、このプロセスにおいて最大の利点を有する。これらの等級としては、上述した「ビスコース」および「紙/綿毛」、または一般的に、アルファセルロース95%未満、5%超えて不純物を含有するパルプがある。セルロースアセテートは2.1ないし2.7の範囲の置換率を有するセルロースアセテートポリマーを意味する。
【0011】
このプロセス100は2つの工程に分解される。すなわち、パルプ予備処理工程とセルロースアセテートの製造工程140である。パルプ予備処理工程130は、パルプ110のアルカリ処理、およびこれに続く水およびアルカリ処理による不純物の除去を意味する。このプロセスは、2005年6月16日出願で本明細書に引用文献として組み込まれる米国特許出願第11/155133号において十分に検討されている。一般的に、予備処理工程は、これに限定されずに、木パルプをアルカリ溶液(例えば、NaOH、KOHおよびこれらの混合物)に混合する工程、前記溶液からパルプを分離してケーキを形成する工程、ケーキを水で洗浄する工程、および前記ケーキを酸溶液(例えば、酢酸溶液)で処理してエステル化に適したパルプを得る工程を含む。
【0012】
セルロースアセテートの製造140は、前述の予備処理工程130からのパルプと、
例えば、無水酢酸の反応(アセチル化またはより一般的にはエステル化)によりセルローストリアセテートを得る工程、および次いで、いくつかのアセチル基を除去して(加水分解またはより一般的には脱エステル化)セルロースアセテート(D.S.2.1−2.7)を形成する工程を意味する。この工程は、当業者にとって公知である。
【0013】
下記に説明するアルカリリサイクル200および酸リサイクル300において、ヘミセルロースは主として除去される不純物成分であり、他の不純物も除去される。
【0014】
アルカリリサイクル200は、アルカリ溶液が予備処理工程130に再度リサイクルできるように、予備処理130の過程でパルプから除去された溶解した化合物(すなわち、ヘミセルロース)を含むアルカリ溶液が不純物を除去するために処理されるプロセスの一部を意味する。
【0015】
アルカリ溶液は強アルカリ材料によって形成されるアルカリ溶液を含み、苛性ソーダまたは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムまたはこれらの混合物により形成される。アルカリ溶液はアルカリ重量で1〜50%の範囲を有し、他の実施態様において、アルカリ重量で1〜18%の範囲を有する。
【0016】
アルカリリサイクル200は2つの主要な要素に分解される。すなわち、ろ過工程210およびアルカリ回収工程220である。各工程については、下記に詳細に説明する。
【0017】
ろ過工程210は、1つの実施態様において、予備ろ過工程212およびナノろ過工程214を含む。どちらかの工程は選択的である。
【0018】
予備処理工程212は、次のナノろ過工程で有害となり得る不溶性セルロース微粒子および繊維を除去し、約5μ以上の大きさの粒子が通過するのを防ぐために設計されている。予備処理212は任意の従来のフィルターで、アルカリ条件に耐えられる材料で構成される。例示の予備処理ユニットとしては、これに限定されず、袋フィルター、リボンフィルター、圧力リーフフィルター、自己洗浄または裏フラッシャブルフィルター、および遠心分離のような他の液体/固体分離装置がある。
【0019】
ナノろ過工程214はアルカリ溶液からの不純物をより経済的な形で次の除去過程のために小容量の流れに濃縮する工程である。ナノろ過は、超ろ過領域と逆浸透領域の間の材料の分離技術である。ナノろ過は、分子量150〜500g/モルを超える有機化合物について良好な拒絶率を有する。これによってナノろ過は予備処理工程130からアルカリ溶液中に見つかるほとんどの不純物を除去する手段となっている。ナノろ過工程214(または浸透)により処理されたアルカリ溶液の80〜90%はアルカリ源132を経て予備処理工程130に直接リサイクルされる。
【0020】
ナノ過工程214は、1つの実施態様において、次のように特徴付けられる。従来技術として公知なナノろ過膜は、アルカリ溶液の上昇した温度に耐えられる限り使用できる。例示の膜は、例えば、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、フッ化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびこれらの混合物からなる。1つの実施態様における駆動温度は約70℃以上である。駆動圧力は膜の通過のための適切な流れができるに十分な高さを有しており、1つの実施態様において、流体静力学的駆動圧力は、約100psig〜約500psig、および他の実施態様において、約300psig〜450psigである。ナノろ過ユニットの形状は、渦巻き形状の膜、多孔性繊維の管状の配列などがある。
【0021】
アルカリ回収工程220は、アルカリが予備処理工程130にリサイクルできるように、ろ過工程210によって得られる濃縮物から不純物を除去するためのものである。ろ過工程に入るアルカリの約10〜20%を有するこの濃縮物は溶液および不純物から構成される。1つの実施態様において、不純物はアルカリ溶液216から沈殿される。
【0022】
沈殿工程216において、ろ過工程210からの不純物を含むアルカリ溶液はサプライ226からの沈殿剤に接触される。沈殿剤は、任意のアルコール、ケトンまたはこれらの混合物であり得る。最も適切なアルコールは1−3個の炭素を含むアルコール類からのものである。1つの態様において、メタノールおよび/またはエタノールが使用され得る。メタノールが使用される実施態様において、沈殿は大気圧下で64℃までの温度で行われる。メタノール/アルカリ溶液の重量比は0.8〜20:1、または他の実施態様では3:1、または他の実施態様では1:1である。ケトンとしては、これに限定されずに、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどがある。沈殿は攪拌を伴って、または伴わずに行われる。沈殿から得られる懸濁液は最大24時間保持されるが、1つの実施態様において、最大4時間保持される。1つの実施態様において、沈殿は凝集剤(例えば、Ca(OH))またはスラッジリサイクルの使用によって改良される(改良された核化によって加速される)。
【0023】
分離工程218において、沈殿工程216から得られた懸濁液は固体の流れおよび液体の流れ(アルカリ/アルコール)に分離される。固体の流れ222は、商業的使用のために回収されるか、または従来の任意の態様において処分される。液体の流れは下記に説明されるさらなるプロセスのために送られる。1つの態様において、分離工程218は任意の従来の固体/液体装置、例えば、遠心分離、真空ろ過および圧力ろ過の使用によって達成される。
【0024】
分離工程224において、工程218からのアルカリ/アルコールの流れはアルカリの流れとアルコールの流れに分離される。分離工程224は、1つの実施態様において、真空中または真空外の蒸留によって達成される。このような蒸留は従来のものであり、公知技術において理解されている。得られるアルコールの流れはアルコールサプライ226を経て沈殿工程216に直接リサイクルされる。得られるアルカリの流れは下記に説明される他の工程が施され得る。
【0025】
最後の不純物除去工程228において、分離工程224からにアルカリの流れ中の不純物が除去される。この最後の除去工程において、図に示される抽出技術または図示されない吸収技術(例えば、炭素系(例えば、活性炭素)またはポリマー系(例えば、わずかに架橋されたマクロ分子ポリスチレンおよびポリアクリル吸収剤)によって不純物が除去される。
【0026】
抽出技術において、サプライ230からの抽出剤はアルカリ溶液と混合されて抽出剤/不純物層およびアルカリ溶液層を形成する。前者は後者から上澄みする。例示の抽出剤としては、これに限定されずに、ヘキサン、ペンタンおよびこれらの混合物がある。アルカリに対する抽出剤の混合比は、1つの態様において0.2:1ないし10:1、他の態様において0.5〜5:1である。例示の混合条件としては、これに限定されずに、長時間の混合および最大69℃までにおける約10分間の混合がある。アルカリ溶液はアルカリサプライ132を経て予備処理工程130に直接リサイクルされる。必要ならば、抽出剤/不純物層は、例えば、蒸発および公知の方法による濃縮によって純化232(すなわち、0.2%以上のDME(ジクロロメタン)抽出に達するとき、不純物の除去)される。
【0027】
酸リサイクル300は酸のリサイクルを提供し、その一部は選択的であり、パルプ予備処理工程130のアルカリ洗浄工程において十分な不純物が除去されるならば、酸リサイクルは不必要であり得る。1つの実施態様において、酸溶液は酢酸および水から構成される。酸回収工程300は、他の実施態様において、溶媒による酸の抽出が続く固体除去であり、酸/溶媒混合物の分離である。後者の実施例は下記において詳細に検討する。
【0028】
酸リサイクル300は3つの主要な要素に分解される。すなわち、ろ過工程310(選択的)、酸ろ過回収工程320および酸濃縮回収工程330(選択的)である。各工程については下記に詳細に説明する。
【0029】
1つの実施態様において、ろ過工程310は、予備ろ過工程312およびナノろ過工程314から構成される。いすれかのろ過工程は選択的である。
【0030】
予備ろ過工程312は、次のナノろ過工程において有害である不溶性のセルロース微粒子および繊維を除去し、約5μ以上の大きさを有する粒子の通過を防止するために設計されている。予備ろ過工程312は任意の従来のフィルターであることができ、アルカリ条件に耐えるために適用される材料からなることができる。例示の予備ろ過ユニットとしては、これに限定されずに、袋フィルター、リボンフィルター、圧力リーフフィルター、自己洗浄または裏フラッシャブルフィルター、および遠心分離のような液体/固体分離装置が挙げられる。
【0031】
ナノろ過工程314は、より経済的な形での次の除去のために酸溶液からの不純物を小容量の流れに濃縮する工程である。ナノろ過は、超ろ過領域と逆浸透領域の間の材料の分離技術を意味する。ナノろ過は、分子量150〜500g/モルを超える有機化合物について良好な拒否率を有する。これによってナノろ過は予備処理工程130からアルカリ溶液中に見つかるほとんどの不純物を除去する手段となっている。
【0032】
非ろ過工程314は、1つの実施態様において、次のように特徴付けられる。従来技術として公知なナノろ過膜は、アルカリ溶液の上昇した温度に耐えられる限り使用できる。例示の膜は、例えば、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、フッ化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびこれらの混合物からなる。1つの実施態様における駆動温度は約70℃以上である。駆動圧力は膜の通過のための適切な流れができるに十分な高さを有しており、1つの実施態様において、流体静力学的駆動圧力は、約100psig〜約500psig、および他の実施態様において、約300psig〜450psigである。ナノろ過ユニットの形状は、渦巻き形状の膜、多孔性繊維の管状の配列などがある。
【0033】
アルカリ回収工程320は、酸がリサイクルできるように、水から酸を分離するために使用される。1つの実施態様において、酸は溶媒抽出316によって水から分離され、水/溶媒の流れの蒸留318および酸/溶媒の流れの蒸留322が続く。ろ過工程310からの酸/水ろ過物は溶媒源324からの溶媒と接触される。溶媒は酸と混合される任意の溶媒または溶媒の混合液でよいが、最小の水溶性を有する。例示の溶媒としては、これに限定されずに、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジブチルケトン、エチルアセテート、メチルアミルケトン、ジブチルケトン、エチルアセテート、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、C−6ヒドロカーボン、イソプロピルアセテート、イソブチルアセテート、イソプロピルエーテルがある。
【0034】
溶媒/水の流れの蒸留318は、混合物を水318aおよび溶媒に分解し、後者は溶媒サプライ324にリサイクルされる。この蒸留は従来技術である。
【0035】
溶媒/酸の流れの蒸留322は、混合物を酸および溶媒に分解し、前者は酸サプライ134にリサイクルされる。この蒸留は従来技術である。この溶媒は、また、残りの水を含み、サプライ324にリサイクルされる。
【0036】
酸濃縮回収330は、必要があれば、ろ過工程310からの溶液から不純物を分離するために使用される。酸濃縮回収330は、1つの実施態様において、2つの要素に分解される。すなわち、濃縮326からの不純物の第1の除去と濃縮328からの不純物の第2の除去である。
【0037】
不純物の第1の除去は不純物の溶媒の抽出326aを利用する。上記で説明したアルカリ回収の流れにおけるように、抽出剤326bは従来の態様で不純物を除去するために使用される。例示の抽出剤としては、これに限定されずに、ヘキサン、ペンタン、ヘプタンおよびこれらの混合物がある。アルカリに対する抽出剤の例示の混合比は、1つの実施態様では0.2:1〜10:1であり、他の実施態様では0.5〜5:1である。例示の混合条件は、これに限らず、大規模な攪拌であり、最大69℃までの温度で約10分間の攪拌である。次の抽出剤326cの回収は従来の態様で行われ得る。
【0038】
不純物328の第2の除去は蒸発または蒸留技術328aを利用することができる。除去工程328は、先行の工程によりすり抜けたヘミセルロースまたは他の不純物を除去することに向けられている。不純物を相対的に含まない流れは抽出工程316にリサイクルされることができる。他の流れも乾燥するまで蒸発されるかまたは化学的中和328bにさらされ、両者は従来の態様で行われる。化学的中和は、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムおよびこれらの混合物のような328cからの中和剤の使用によって達成される。中和によって生成される酢酸塩からの酢酸の開放は強酸の使用およびろ過328dによって達成される。このような強酸としては、これに限定されずに、硫酸、硝酸、塩酸およびこれらの組合せがある。
【0039】
本発明はその精神および本質的な帰結から逸脱しない他の形態で実施することができ、したがって、本発明の範囲については、明細書ではなく特許請求の範囲を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例を示す詳細なフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
110 パルプ
120 セルロースアセテート
130 パルプ予備処理
132 アルカリサプライ
134 酸サプライ
210 ろ過工程
212 予備ろ過工程
214 ナノろ過工程
216 沈殿工程
218 分離工程
220 アルカリ回収工程
222 固体の流れ
224 分離工程
226 アルコールサプライ
228 不純物除去工程
230 サプライ
300 酸回復工程
310 ろ過工程
312 予備ろ過工程
314 ナノろ過工程
316 溶媒抽出
318 蒸留
320 ろ過回収
322 蒸留
324 溶媒サプライ
326 濃縮物
328 濃縮物
330 酸濃縮回収


【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースエステルの製造方法であって、前記方法は、アルカリまたは酸のいずれかまたは両者による不純物除去のためにパルプを予備処理する工程、前記予備処理されたパルプをエステル化する工程、前記予備処理されたパルプをエステル化する工程、および前記予備処理工程から前記アルカリまたは酸のいずれかまたは両者をリサイクルする工程を含む方法。
【請求項2】
前記アルカリのリサイクル工程は、前記予備処理工程からアルカリの流れをろ過する工程、およびろ過濃縮を形成するためにアルカリを回収する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記リサイクル工程は、前記予備処理工程からアルカリの流れをろ過する工程、および前記パルプの予備処理に戻すためのろ過物および濃縮物を形成する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ろ過する工程は、前記アルカリの流れからの不純物をナノろ過する工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ろ過する工程は、前記アルカリの流れから既定の大きさを有する粒子を予備ろ過する工程、前記予備ろ過されたアルカリの流れから不純物をナノろ過する工程、および前記ナノろ過からのろ過物を前記パルプの予備処理工程に戻す工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記既定の大きさは、5μを超える大きさの粒子からなる群より選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
沈殿剤によって前記濃縮物から不純物を沈殿し、沈殿された不純物および沈殿剤とアルカリの混合物を形成する工程をさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記沈殿剤は、アルコール、ケトンおよびこれらの混合物からなる群より選択される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アルコールは、1〜4個の炭素を含むアルコールからなる群より選択される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ケトンはアセトンである請求項8に記載の方法。
【請求項11】
沈殿剤およびアルカリの混合物から沈殿した不純物を分離する工程をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
沈殿剤およびアルカリの混合物から沈殿した不純物を分離し、沈殿剤の流れとアルカリの流れを形成する工程をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記分離は、蒸留である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アルカリを前記予備処理工程に戻す前に、前記アルカリから不純物を除去する工程をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記除去する工程は、抽出および吸収からなる群より選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リサイクルする工程は、前記予備処理工程から酸を蒸留する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記リサイクルする工程は、前記予備処理工程からの酸をろ過し、ろ過物の流れおよび濃縮物の流れを形成する工程、前記ろ過物の流れから酸を分離する工程、前記濃縮物の流れから酸を分離する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記リサイクルする工程は、前記予備処理工程からの前記酸の流れから不純物をろ過する工程、およびろ過物と濃縮物を形成する工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ろ過する工程は、前記酸の流れから不純物をナノろ過する工程を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ろ過する工程は、前記酸の流れから既定の大きさを有する粒子を予備ろ過する工程、および前記予備ろ過された酸から不純物をナノろ過する工程を含む請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記既定の大きさは、5μを超える大きさの粒子からなる群より選択される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記リサイクルする工程は、前記ろ過物から酸を抽出する工程をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記抽出する工程は、前記酸の流れを溶媒に接触させる工程をさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溶媒は、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジイソブチルケトン、エチルアセテート、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、C−6炭化水素、イソプロピルアセテート、イソブチルアセテート、イソプロピルエーテルおよびこれらの混合物からなる群より選択される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
酸および溶媒の流れから酸を分離する工程をさらに含む請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記リサイクルする工程は、前記濃縮物から酸を抽出する工程をさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記抽出する工程は、前記酸の流れを溶媒に接触する工程をさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記溶媒は、ヘキサン、ペンタン、ヘプタンおよびこれらの混合物からなる群より選択される請求項27に記載の方法。
【請求項29】
任意の残渣不純物を除去する工程をさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記不純物は有機溶媒抽出物である請求項29に記載の方法。


【図1】
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【公表番号】特表2009−523857(P2009−523857A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550328(P2008−550328)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/062060
【国際公開番号】WO2007/087100
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(506099834)セラニーズ アセテート,エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】