説明

セルロース系エタノール生産システムおよび生産方法

【課題】リグノセルロース原料を用いたセルロース系エタノールの生産において、糖化反応の効率を低下させることなく、発酵エタノールの濃縮エネルギーを抑えることが可能なセルロース系エタノールの生産システムおよび生産方法を提供する
【解決手段】リグノセルロースを原料としてエタノールを生産するセルロース系エタノール生産システムであって、酵素を用いてリグノセルロースを糖に変換する糖化手段と、前記糖化手段により得られた糖液を濃縮する糖液濃縮手段と、前記濃縮された糖液を酵母を用いてエタノール発酵させる発酵手段と、前記発酵手段により得られたエタノール発酵液からエタノールを分離精製する手段とを含むことを特徴とするセルロース系エタノール生産システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグノセルロースを原料としたセルロース系エタノールの生産システムおよび生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化対策として世界的に大規模なバイオエタノール生産が進められている。バイオエタノールの生産量においては、トウモロコシやサトウキビなどの可食のバイオマスを原料としたエタノールが多くを占めるが、食糧と競合しない木材や草などのリグノセルロースからのエタノール生産の普及が求められている。このリグノセルロースからのエタノール生産においては、特に、稲わらなどの農業残渣、ストーバー(トウモロコシなどの葉茎)、草本などのリグノセルロースを利用することが望まれている。
【0003】
木材や草などのバイオマスに由来するリグノセルロース(林業残渣、廃材、農業残渣、水産業残渣など)からエタノールを製造するには、まずリグノセルロース中のセルロースおよびヘミセルロースを糖化酵素を用いて加水分解して遊離糖またはオリゴ糖に変換(糖化)し、その後その遊離糖またはオリゴ糖を発酵させてエタノールに変換し、さらに得られた発酵液からエタノールを回収し、所定の品質まで精製する。
【0004】
ここで、リグノセルロースに糖化酵素を作用させるためには前処理が必要であり、このような前処理技術として、酸処理法、蒸煮爆砕法、機械的粉砕法などが知られている。希硫酸など酸を前処理に用いる方法では、酸の中和や回収などに大規模な処理工程を必要とするため、糖化システムとしての効率性は低下する。特許文献1には、リグノセルロースを熱水処理に続き粉砕機処理することで、酵素糖化により効率よく糖類を生成するセルロースの処理方法が提案されている。
【0005】
また、発酵エタノールの濃縮・脱水には、一般に蒸留法が用いられてきたが、エタノール分離に要する消費エネルギーがエタノール発熱量のおおよそ半分にもなることが知られており、膜分離などの技術を導入した高効率のエタノール濃縮・脱水法の開発が行われている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
ところで、リグノセルロースのようなセルロース系原料を用いたエタノール製造では、酵素糖化により得た糖液の濃度は一般に3〜5%程度と低く、これに伴って発酵エタノール濃度も一般に3%以下となり、糖蜜やデンプンを原料としたエタノール生産に比べて発酵エタノールの濃縮プロセスでの消費エネルギーが過大となる。これに対処する方法として、非特許文献2には、酵素糖化プロセスの前のリグノセルロース原液を濃縮するプロセスが導入され糖化・発酵で得られる発酵エタノールの濃度を高める方法が提案されている。ところが、この方法では、酵素糖化プロセスでの糖濃度が高くなることから、糖化反応の進行が遅くなり糖化収率が低下する副作用を生じる可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−136263号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】H. Iwasaki, etc., Improvement of the Refinement Process for Bioethanol, Journal of the Japan Institute of Energy, 84, pp.852-860, 2005
【非特許文献2】S. Fujimoto, etc., Bioethanol Production from Lignocellulosic Biomass Requiring No Sulfuric Acid: Mechanochemical Pretreatment and Enzymic Saccharification, Journal of the Japan Petroleum Institute, 51-5, pp.264-273, 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、リグノセルロース原料を用いたセルロース系エタノールの生産において、糖化反応の効率を低下させることなく、発酵エタノールの濃縮プロセスでの消費エネルギーを抑えることが可能なセルロース系エタノールの生産システムおよび生産方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のセルロース系エタノール生産システムは、リグノセルロースを原料としてエタノールを生産するセルロース系エタノール生産システムであって、
酵素を用いてリグノセルロースを糖に変換する糖化手段と、前記糖化手段により得られた糖液を濃縮する糖液濃縮手段と、前記濃縮された糖液を酵母を用いてエタノール発酵させる発酵手段と、前記発酵手段により得られたエタノール発酵液からエタノールを分離精製する手段とを含むことを特徴とする。
また、本発明のセルロース系エタノールの生産方法は、リグノセルロースを原料としてエタノールを生産するセルロース系エタノールの生産方法であって、
酵素を用いてリグノセルロースを糖に変換する糖化工程と、前記糖化工程により得られた糖液を濃縮する糖液濃縮工程と、前記濃縮された糖液を酵母を用いてエタノール発酵させる発酵工程と、前記発酵工程により得られたエタノール発酵液からエタノールを分離精製する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセルロース系エタノール生産システムおよび生産方法によれば、リグノセルロース原料を用いたセルロース系エタノールの生産において、糖化反応の効率を低下させることなく、発酵エタノールの濃縮プロセスでの消費エネルギーを抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るセルロース系エタノール生産システムの一実施形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係るセルロース系エタノール生産システムの別の実施形態を示すフローチャートである。
【図3】残渣分級器による灰分の分離方法を説明する図である。
【図4】実施例1におけるセルロース系エタノール生産システムの構成を示す図である。
【図5】実施例2におけるセルロース系エタノール生産システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るセルロース系エタノール生産システムの実施の形態について説明する。
【0014】
本発明のセルロース系エタノール生産システムは、リグノセルロースを原料としてエタノールを生産するセルロース系エタノール生産システムであって、以下の(A)〜(D)の手段を順に有することを特徴とする。
【0015】
(A)酵素によるリグノセルロースの糖化手段
(B)糖液を濃縮する糖液濃縮手段
(C)濃縮糖液の酵母によるエタノール発酵手段
(D)エタノール発酵液からのエタノール分離精製手段
【0016】
本発明のセルロース系エタノール生産システムにおいては、(A)糖化手段の後に(B)糖液濃縮手段を設け、ここで糖液濃縮を行うことで、(A)糖化手段の糖化反応に影響を与えることなく、その後に設けた(D)エタノール分離精製手段において、エタノールの分離精製に係るエネルギー消費を軽減することを可能としている。これによりセルロース系エタノール生産システム全体におけるエネルギーの省力化が期待できる。
【0017】
本発明のセルロース系エタノール生産システムが適用されるリグノセルロース原料としては、リグノセルロースを含有する材料であれば、木本系バイオマスであっても草本系バイオマスであっても特に制限なく用いることができる。
リグノセルロースは、植物の細胞壁を構成する成分であり、多糖類のセルロースとヘミセルロースおよび芳香族高分子化合物のリグニンを主成分として構成され、結晶セルロースをヘミセルロースやリグニンが取り囲んだ複雑な構造を呈するものである。このような構造のままでは、セルロースとヘミセルロースの糖化反応を効率的に行えないため、リグノセルロースの糖化に際しては、セルロースとヘミセルロースをリグニンから切り離す前処理が一般的に行われる。ここで、木本系バイオマス由来のリグノセルロースと草本系バイオマス由来のリグノセルロースとでは、木本系のリグノセルロースの方がリグニン含有量が多いため、上記(A)糖化手段の前に設けられる前処理に係る手段に違いがある。なお、それに続く(A)〜(D)の各手段については、木本系、草本系の区別なく同様の手段とすることが可能である。
以下、本発明のセルロース系エタノール生産システムの実施の形態を木本系と草本系に分けて図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るセルロース系エタノール生産システムにおける一実施形態を示すフローチャートである。この実施形態は、木本系のリグノセルロース原料を用いた場合に好適な実施形態である。図2は、本発明に係るセルロース系エタノール生産システムの別の実施形態を示すフローチャートである。草本系のリグノセルロース原料を用いた場合に好適な実施形態である。
【0019】
図1に示す木本系のリグノセルロース原料を用いた場合の本発明に係るセルロース系エタノール生産システムにおける一実施形態を説明する。用いる木本系のリグノセルロース原料としては、木本系のバイオマスであれば特に制限されない。
【0020】
(前処理に係る手段)
本発明に係るセルロース系エタノール生産システムにおいて、木本系のリグノセルロース原料を用いる場合は、(A)糖化手段の前に前処理手段として、図1に示すように粗粉砕処理、水熱処理、微粉砕処理の各処理を行うための手段を設けることが好ましい。
粗粉砕処理は、それ以降に行われる各処理の速度を高めるために、リグノセルロース原料をあらかじめ数mmのサイズに粗粉砕する処理である。この粗粉砕処理は、具体的には、ボールミル、振動ミル、カッターミル、ハンマーミル、ウィレーミル、ジェットミルなど各種材料の粗粉砕に通常用いられている機械をその手段として用いて行うことができる。
【0021】
水熱処理は、セルロースやヘミセルロースからリグニンを取り外すために、上記得られた粗粉砕物を加圧熱水に曝す処理である。水熱処理における加圧熱水の条件は、圧力は、0.5〜1.5MPaが好ましく、温度については、当該圧力における飽和蒸気温度以下で、かつ140〜200℃が好ましく、とりわけ160〜180℃が好ましい。処理時間は30〜120分が好ましい。粗粉砕物を上記条件で水熱処理することにより、リグニンの一部は分離され、ヘミセルロースの一部は加水分解により低分子化して可溶性となる。なお、一般に上記140〜200℃の温度は、単糖への変換過程で過分解をほとんど生じない温度である。水熱処理は、具体的には、通常の加熱加圧手段により上記好ましい条件となるように温度、圧力が調整された耐圧耐熱容器内で行うことができる。
【0022】
糖化手段の前に設けられる前処理手段としては、さらに、上記粗粉砕処理、水熱処理に次いで行う微粉砕処理のための手段が挙げられる。微粉砕処理は、上記で得られた水熱処理物を微粉砕して、セルロースの結晶化度や重合度を低下させるとともに、メカノケミカル的に活性化して、(A)糖化手段における酵素反応を容易に受けやすくする処理である。この微粉砕は、水が残存したままの状態で行うのが好ましい。微粉砕処理は、例えば、振動ボールミル、回転ボールミル、遊星型ボールミル、ロールミル、デイスクミル、高速回転羽根型ミキサー、ホモミキサーなど一般的な微粉砕機をその手段として用いて行うことができる。微粉砕処理は、得られる処理物の平均粒径が数10μmオーダーになるまで行うことが好ましい。
【0023】
(A)糖化手段
上記前処理手段による前処理によって、木本系リグノセルロース原料からスラリー状の処理物(以下、「リグノセルローススラリー」という)が得られる。(A)糖化手段とは、このリグノセルローススラリー中のセルロースおよびヘミセルロースに糖化酵素、例えば、セルラーゼやヘミセルラーゼを作用させ加水分解させて、これらを糖に変換(糖化)する手段である。ここで、本明細書においてリグノセルロースを糖に変換(糖化)するとは、リグノセルロースに含まれる多糖類を糖に変換(糖化)することを意味する。
【0024】
セルラーゼはセルロースを加水分解する酵素の総称であり、具体的には、結晶セルロースの末端からセロビオースを遊離するエキソ型のセロビオハイドロラーゼ、結晶セルロースを分解でないが、非結晶セルロース鎖をランダムに切断するエンド型のエンドグルカナーゼ、およびセロビオースや短い鎖(セロオリゴ糖)の末端からグルコースを生成するエキソ型のβ−グルコシダーゼの3種を含む混合酵素からなるセルラーゼが一般的である。
【0025】
また、ヘミセルロースを加水分解するヘミセルラーゼは、ヘミセルロースにおける複数種類の糖の結合を分解する、例えば、エンドキシラナーゼ、エキソキシロシダーゼ、アセチル−キシランエステラーゼ、フェルラ酸エステラーゼ等の混合酵素である。
これら糖化酵素は、由来微生物により活性や各酵素の混合の割合も異なり様々な種類があるが、本発明においては、セルラーゼやヘミセルラーゼとして市販されている一般的な酵素を使用することができる。
【0026】
(A)糖化手段における糖化反応は、リグノセルローススラリーをセルラーゼやヘミセルラーゼを用いて糖化反応させる際に通常用いられている方法、条件と同様の方法、条件で行うことができる。糖化酵素は、上記のように複数酵素の混合物であるため、用いる糖化酵素により若干異なるが、用いる酵素の至適pH範囲になるように緩衝液を用いてリグノセルローススラリーを希釈し、酵素の至適温度範囲で糖化反応を行う。一般的な糖化酵素によれば、pHは3.5〜5.5程度、温度は40〜50℃程度であり、時間は48〜72時間程度である。この糖化処理は、回分式で行ってもよいし、また固定化酵素を含むバイオリアクターを用いる連続式で行ってもよい。
【0027】
上記(A)糖化手段により糖化処理を行うことによって、糖分の殆どを占めるセルロース由来のグルコース、ヘミセルロース由来のフルクトース、マンノース等のへキソースやヘミセルロース由来のキシロース、アラビノース等のペントース等の単糖類、あるいは少量のエタノール発酵が可能なオリゴ糖を含む糖分濃度が数%の糖液が得られる。
【0028】
次に、(B)糖濃縮手段によって、上記得られた糖分濃度数%の糖液を濃縮する糖濃縮が行われるが、(B)糖濃縮手段の前、すなわち(A)糖化手段の後に、糖液から糖化手段により糖化されなかったリグノセルロース残渣を分離する手段を設けることが好ましい。なお、ここで糖液から分離除去されたリグノセルロース残渣は、後述する方法でエネルギー源として使用される。
(A)糖化手段に供した後の反応液である糖液から分離除去されるリグノセルロース残渣は、主としてリグニンで構成される固形成分であり、これを分離除去する手段としては、液体から固体を除去する一般的な手段、例えば、濾過のような手段を特に制限なく適用できる。濾過による分離を行う場合、加圧濾過が好適な手段として用いられる。
【0029】
(B)糖液濃縮手段
(B)糖液濃縮手段は、上記(A)糖化手段で得られた数%濃度の糖液を、次の(C)エタノール発酵手段で好適な糖濃度にまで濃縮するための手段である。糖液の濃縮をどの程度まで行うかは、エタノール発酵に用いる酵母による。つまり用いる酵母の最適な発酵条件における糖濃度にあわせてこの手段により糖液濃縮を行う。このような糖液の好ましい糖濃度として、次の(C)エタノール発酵手段で好適に用いられる酵母のエタノール発酵能に合わせて、10〜22質量%の糖濃度を挙げることができる。また、同様の観点からより好ましい糖液濃度は14〜17質量%である。
【0030】
糖液を濃縮する具体的な手段としては、一般的に食品産業で使用される糖液濃縮の手段を特に制限なく用いることが可能である。より、具体的には、真空蒸発濃縮、凍結濃縮、膜濃縮等の各濃縮手段が挙げられるが、これらのなかでも、濃縮に係るエネルギー消費量が抑えられる観点から膜濃縮が好ましい。糖液の膜濃縮に用いる膜の種類は、上記条件すなわち数%の濃度から好ましくは22質量%の濃度までの糖液の濃縮が行えるものであれば特に限定されない。このような膜濃縮用の膜として、具体的には、逆浸透膜、限外濾過膜、ナノフィルトレーション膜等が挙げられる。また、このような膜としては、例えば、日東電工株式会社製:NTR−7250等の市販品を用いることが可能である。膜を用いて糖液濃縮を行う際には、各膜ごとに適性な条件を適宜選択して操作を行うことが可能である。
【0031】
(C)エタノール発酵手段
(C)エタノール発酵手段は、エタノール発酵能を有する酵母を用いて、上記(B)糖液濃縮手段により濃縮された糖液中の糖をエタノール発酵によりエタノールに変換させる手段である。用いる酵母としては、従来から、グルコースを主体とする糖のエタノール発酵に用いられてきた酵母を特に制限なく用いることが可能である。また、様々な用途に遺伝子工学的改質が行われ高機能性が付加された酵母も多く存在するので、これらから本発明の効果を高める機能を有する酵母を選択して、この(C)エタノール発酵手段に用いることも可能であり、好ましい。例えば、ペントース発酵能を付与した遺伝子組換え酵母を用いれば、セルロース由来のグルコースのみでなく、ヘミセルロース由来のキシロースやアラビノース等もエタノールに変換することが可能となり、エタノール発酵の効率を上げることが可能となる。
【0032】
(C)エタノール発酵手段におけるエタノール発酵の条件については、使用する酵母に合わせて適宜設定される。通常、発酵槽を用いて、発酵温度を30〜32℃程度として、時間にして48〜96時間程度の発酵を行う。
【0033】
(D)エタノール分離精製手段
(D)エタノール分離精製手段は、上記(C)エタノール発酵手段により得られたエタノール発酵液からエタノールを、好ましくは概ね99.5質量%以上の純度に、分離精製する手段である。通常、エタノール発酵液は主に水とエタノールから構成され、その他微少に含まれる成分として未発酵の糖分や酢酸、フルフラールなどの不純物等を含有する。このようなエタノール発酵液からエタノールを分離精製する具体的な手段として、(D)エタノール分離精製手段においては、従来公知の手段、具体的には、蒸留法あるいは蒸留法と膜分離法や吸着分離法とを組合わせた分離精製手段を用いることができる。エタノールと水の混合物は、エタノール濃度95質量%に共沸点を有するため、蒸留法でエタノールを高純度に精製するためには共沸蒸留を行うことが必要とされるが、この共沸蒸留には多くのエネルギーが必要とされるため好ましくない。そこで、まず蒸留法でエタノール濃度95質量%近くまでエタノール発酵液を精製し、次いで膜分離、吸着分離により高純度のエタノールに精製する手段が好ましく用いられる。なお、エタノール発酵液に微少に含まれる上記不純物は蒸留の段階で分離除去される。
【0034】
本発明のセルロース系エタノール生産システムにおいては、上記(B)糖液濃縮手段により糖液濃縮が行われていることから、(C)エタノール発酵手段によるエタノール発酵で得られたエタノール発酵液におけるエタノール濃度が従来法で得られたものより高く、したがって(D)エタノール分離精製手段においてエタノールを分離精製するために必要とされるエネルギー量は従来法より低く抑えることが可能となる。なお、同程度の濃縮を行うために要するエネルギー量は、(D)エタノール分離精製手段のエタノール発酵液における蒸留を主体とする濃縮よりも(B)糖液濃縮手段の糖液濃縮における濃縮操作の方が小さいため、本発明によれば、セルロース系エタノール生産システム全体を通しての消費エネルギーが低減されていると言える。なお、エタノール発酵液と糖液で同程度の濃縮を行うために要するエネルギー量の差については、糖の分子構造がエタノールより大きいことにもよるが、糖液濃縮の濃縮操作自体にかかる消費エネルギーが小さいことによる要因の方が大きい。
【0035】
また、上記(B)糖液濃縮手段により糖液中の水の一部が除去されていることから、(C)エタノール発酵手段で処理する糖液と、(D)エタノール分離精製手段で処理するエタノール発酵液の体積はともに小さくなり、(C)エタノール発酵手段および(D)エタノール分離精製手段における装置の容量を小さく抑えることが可能である。
【0036】
ここで、上記(A)糖化手段の後に糖液から分離された主にリグニンで構成されるリグノセルロース残渣は、エネルギー源・燃料として用いることが可能である。リグノセルロース残渣を燃料として使用する好ましい態様としては、図1に示すように、上記で得られたリグノセルロース残渣を必要に応じて乾燥手段により乾燥して、火力発電プラントの燃料の一部または全部として用いるとともに、火力発電プラントが発生する中低圧の過熱蒸気または排ガスを、上記説明したセルロース系エタノール生産システム内の手段のいずれか、具体的には、エタノールの分離精製手段やリグノセルロース原料の水熱処理、リグノセルロース残渣の乾燥手段等に熱源として用いる態様が挙げられる。
また、上記(D)エタノール分離精製手段により、エタノールの分離精製の際に得られる蒸留残渣も必要に応じて乾燥し、火力発電プラントに燃料として使用することが可能である。
【0037】
このようにして、本発明のセルロース系エタノール生産システムにおいては、併設された火力発電プラントへのセルロース系エタノール生産システムからの発電用燃料の供給と、火力発電プラントの排熱のセルロース系エタノール生産システムでの利用を行うことで、エネルギー効率に優れたセルロース系エタノール生産システムを提供することができる。
【0038】
次に、図2に示す草本系のリグノセルロース原料を用いた場合の本発明に係るセルロース系エタノール生産システムにおける一実施形態を説明する。用いる、草本系のリグノセルロース原料としては、草本系であれば特に限定されないが、具体的には、イネ科植物、マメ科植物、およびこれらの作物残渣から選ばれるバイオマスが挙げられる。
【0039】
(前処理に係る手段)
本発明に係るセルロース系エタノール生産システムにおいて、草本系のリグノセルロース原料を用いる場合は、(A)糖化手段の前に前処理手段として、図2に示すように粗粉砕処理、水を加えた微粉砕処理の各処理を行うための手段を設けることが好ましい。草本系のリグノセルロース原料に含まれるリグノセルロースは、木本系に比べてリグニン含有量が少ないため、上記のような水熱処理を施さなくとも、セルロースやヘミセルロースを糖化できる状態にしやすい。粗粉砕処理、水を加えた微粉砕処理は、上記木本系のリグノセルロース原料を用いる場合の粗粉砕処理、および微粉砕処理と同様の手段により行うことができる。
【0040】
その後の(A)糖化手段、(B)糖液濃縮手段、(C)エタノール発酵手段、(D)エタノール分離精製手段は上記木本系のリグノセルロース原料を用いる場合と同様である。
【0041】
ここで、草本系のリグノセルロース原料を用いる場合のセルロース系エタノール生産システムにおいても、(B)糖濃縮手段の前、すなわち(A)糖化手段の後に、糖液から糖化手段により糖化されなかったリグノセルロース残渣を適当な分離手段により糖液から分離し、および/または、(D)エタノール分離精製手段でエタノールの分離精製の際に得られる蒸留残渣を適当な分離手段により発酵エタノールから分離し、これらを燃料として用いることができる。
ただし、草本系のバイオマスでは、一般に灰分(無機物)が多く含まれるため、それ自体を乾燥させた場合の灰分が10%を超えるものも多い。そのため、草本系バイオマスからのエタノール生産において、糖化手段に供した後の糖液から分離して得られるリグノセルロース残渣や発酵・蒸留手段に供した後のエタノール発酵液から蒸留分離して得られる蒸留残渣には30〜40%以上もの灰分が含まれる場合もあり、これらの残渣を燃料とする場合には、残渣から灰分を取り除くことが必要となる。
【0042】
そこで、図2に示す上記草本系のリグノセルロース原料を用いる場合の実施形態においては、糖液からのリグノセルロース残渣を分離する分離手段の後に、さらに、分離されたリグノセルロース残渣を無機物(灰分)を主体とする成分と有機物を主体とする成分に分級する手段を設けている。リグノセルロース残渣の分級に用いる手段としては、リグノセルロース残渣を無機物主体の成分と有機物主体の成分とに効果的に分離できる手段であれば特に限定されないが、具体的には、遠心分級器を用いて行うことができる。ここで得られたリグノセルロース残渣の有機物、主にリグニンを主体とする成分が燃料として使用される。リグノセルロース残渣の有機物主体成分を燃料として用いる場合、通常は乾燥手段により乾燥して用いられるが、この乾燥は上記分級の前に行ってもよく、図2に示すように分級の後に行ってもよい。乾燥を分級の前に行う場合は、遠心分級器は乾式のものを使用する。乾燥を分級の後に行う場合は、遠心分級器は湿式のものを使用する。
【0043】
リグノセルロース残渣において有機物と無機物は、それぞれに特有の密度分布をもって存在し、それらが重なり合っていることから、密度差を利用した分離法を用いて、両者を完全に分離することは不可能であるが、図3に示すように、有機物と無機物との密度分布の差を利用することである程度までの分級は可能である。例えば、図3に示す破線の密度で分級することで斜線部の無機物を分離除去することができる。分離除去する無機物の割合は処理残渣の利用目的に合わせて決めるが、図2に示すように火力発電用のボイラ燃料とする場合には灰分が8%程度以下となるように分離することが望ましい。
【0044】
このようにして、リグノセルロース原料として灰分の多い草本系のバイオマスを用いたエタノール生産の糖化手段後のリグノセルロース残渣からも、発電用に適した燃料の回収が可能となる。図2には示されていないが、これと同様の処理は、発酵・蒸留手段後の蒸留残渣にも行うことが可能である。
【0045】
上記分級により得られたリグノセルロース残渣の有機物主体成分は、図2に示すように、必要に応じて乾燥手段により乾燥(乾燥はまたはリグノセルロース残渣の状態で分級の前に行われることもある)され、併設された火力発電プラントの燃料の一部または全部として用いることができる。また、この火力発電プラントが発生する中低圧の過熱蒸気または排ガスを、上記説明したセルロース系エタノール生産システム内の手段のいずれか、具体的には、エタノールの分離精製手段あるいは上記リグノセルロース残渣やその有機物主体成分の乾燥手段等に熱源として用いることで、このセルロース系エタノール生産システムにおけるエネルギー効率を上げることが可能である。
【0046】
ここで、従来のセルロース系エタノール生産システム、すなわち、(B)糖液濃縮手段を有さないセルロース系エタノール生産システムにおいても、併設した火力発電プラントにセルロース系エタノール生産システムから糖化手段後のリグノセルロース残渣を必要に応じて乾燥して発電用燃料として供給し、火力発電プラントの排熱をセルロース系エタノール生産システムで利用することで、エネルギー効率に優れたセルロース系エタノール生産システムを提供することができる。
【0047】
さらに、(B)糖液濃縮手段を有さない従来のセルロース系エタノール生産システムにより、リグノセルロース原料として灰分の多い草本系のバイオマスを用いたエタノール生産を行う場合においても、上記のようにして(B)糖化手段後のリグノセルロース残渣から灰分を除いた発電用に適したリグニン主体の有機物を主とする燃料を回収して利用すれば、火力発電プラントとセルロース系エタノール生産システムを組み合わせたエネルギー効率のよいセルロース系エタノールの生産が可能となる。
【0048】
また、本発明のリグノセルロースを原料としたセルロース系エタノールの生産方法は、酵素を用いてリグノセルロースを糖に変換する糖化工程と、前記糖化工程により得られた糖液を濃縮する糖液濃縮工程と、前記濃縮された糖液を酵母を用いてエタノール発酵させる発酵工程と、前記発酵工程により得られたエタノール発酵液からエタノールを分離精製する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のセルロース系エタノール生産方法における糖化工程は、具体的には、上記本発明のセルロース系エタノール生産システムにおける(A)糖化手段により行うことが可能である。同様に糖液濃縮工程は上記(B)糖液濃縮手段により、エタノール発酵工程は上記(C)エタノール発酵手段により、エタノール分離精製工程は上記(D)エタノール分離精製手段により実行することが可能である。
このように本発明のエタノール生産方法は、具体的には、上記本発明のエタノール生産システムを用いて行うことが可能であり、本発明のエタノール生産システムにより実行されることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図4を用いて実施例1を説明する。本実施例は、特に稲わらなどのイネ科植物あるいはマメ科植物を原料とする場合に適するセルロース系エタノール生産システムについて示している。
【0050】
セルロース系エタノール生産の原料となるリグノセルロース系バイオマスは、原料ホッパ10から供給されて、粗粉砕機12で数mm程度まで乾式で粗粉砕される。粗粉砕機12には、多数の刃を高速回転させることで植物繊維の破砕を可能とする剪断式のミルを用いる。
【0051】
粗粉砕機12で粗粉砕処理されたリグノセルロースは、約80〜90℃に予熱された高温給水と攪拌混合器14で混合されてスラリー化される(以下、リグノセルローススラリーと呼ぶ)。ここで給水量は、供給したリグノセルロースの乾燥重量に対して重量比で6〜8倍程度にする。適切な給水量はセルロース原料によって異なるが、主に微粉砕機19における粉砕の効率を考慮して決める。
【0052】
次にリグノセルローススラリーは、供給ポンプ15で微粉砕機19に送られ、微粉砕機19で数10μmオーダーまで湿式で粉砕される。微粉砕機19には、被粉砕物に強い剪断力を作用させる石臼型のミルが適する。
【0053】
微粉砕処理したリグノセルローススラリーは、酵素反応槽22に送られる。酵素反応槽22では、セルラーゼまたは、セルラーゼとヘミセルラーゼの混合酵素を投入し、酵素反応槽22内を攪拌しながら約40〜50℃で未分解のセルロースやヘミセルロースを酵素糖化反応させる。これによってグルコースなどのヘキソースやキシロースなどペントースを含む糖分濃度が数%の糖液と未反応の糖化残渣(リグノセルロース残渣)の混合スラリーを得る。
【0054】
酵素糖化処理された混合スラリーは、残渣分離器25で、主にリグニンなどの有機物や灰分(無機物)を含む糖化残渣(固形成分)と、グルコースやキシロースなどの糖液(液体成分)とに固液分離する。残渣分離器25はフィルタプレス式の分離器であり、混合スラリーは加圧ポンプ24で加圧して供給される。残渣成分の性状によりケーキ濾過性が低い場合は、ベルトプレス式の分離器の適用も有効である。
【0055】
残渣分離器25で分離された糖液は減圧することなく糖液濃縮膜32に送り、糖液濃縮膜32で膜分離により水分の一部を脱水し、糖液濃度が好ましくは10〜22重量%となるように、より好ましくは、14〜17重量%となるように濃縮する。
【0056】
次に、酵母発酵槽34において酵母の働きによって糖液のエタノール発酵が行われる。酵母発酵槽34は使用する酵母の適温を維持するよう必要により冷却する。近年ペントースのエタノール発酵を可能とする特殊な酵母も開発されており、このような酵母を用いることで糖液中のキシロースなどのペントースのエタノール発酵も可能である。
【0057】
発酵エタノールは、もろみ蒸留塔42、濃縮蒸留塔44に送られて、蒸留により濃縮される。ここで、脱水のほか、発酵エタノールに微少に含まれる未発酵の糖分やフルフラールなどの不純物も分離除去される。もろみ蒸留塔42、濃縮蒸留塔44を経て、発酵エタノールは90〜94重量%まで濃縮される。さらに脱水膜46にて蒸気透過分離膜で脱水されて99.5重量%以上の無水エタノールが精製される。
【0058】
一方、残渣分離器25で分離された糖化残渣は、遠心分級器52に送られる。遠心分級器52では、糖化残渣に含まれるリグニンなどの有機物と灰分(無機分)とを湿式で分離する。
【0059】
次にリグニンを含む有機物を残渣乾燥器54で乾燥することによって、発電用燃料として利用可能な糖化残渣の乾燥処理物を得る。
【0060】
さらに、図2に示すように、セルロース系エタノール生産システムは、残渣乾燥器54からの発電用燃料を、併設された火力発電プラントの燃料として供給する。火力発電プラントの150℃以下の低圧過熱蒸気を、もろみ蒸留塔42、濃縮蒸留塔44に供給して蒸留の加熱源に用いる。また、火力発電プラントの排熱を残渣乾燥器54に供給して、残渣乾燥の熱源に有効利用する。
【0061】
(実施例2)
次に、図5を用いて実施例2を説明する。本実施例は、特に灰分が少なく、リグニン含有量の多い木本系のリグノセルロースを原料とする場合に適するセルロース系エタノール生産システムについて示したものである。なお実施例1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0062】
粗粉砕機12には、ハンマーやブレードを高速回転させて衝撃や剪断力で粉砕する衝撃式ミルを用いる。これによって数mm程度の粒径まで乾式で粗粉砕する。
【0063】
得られたリグノセルローススラリーは、加圧供給ポンプ16で0.5〜1.5MPaまで加圧され、水熱反応器17に送られる。水熱反応器17において周囲から過熱蒸気で加熱することにより、水熱反応器17の出口付近でセルローススラリーは加圧水の飽和蒸気温度以下である約140〜200℃まで昇温される。とりわけ160〜180℃が適当である。水熱反応器17の内部の水スラリーは加圧熱水の状態となる。
【0064】
残渣分離器25で分離された糖化残渣(リグノセルロース残渣)は、残渣乾燥器54で直接乾燥することによって、発電用燃料として利用可能な糖化残渣の乾燥処理物を得る。
【0065】
さらに、図1に示すように、セルロース系エタノール生産システムは、併設された火力発電プラントの200℃以下の低中圧過熱蒸気を、水熱反応器17の加熱源として用いる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のセルロース系エタノール生産システムは、リグノセルロースを原料としてエタノールをエネルギー効率よく生産するセルロース系エタノール生産システムとして有効に利用できる。
【符号の説明】
【0067】
10:原料ホッパ
12:粗粉砕機
13:給水弁
14:攪拌混合器
15:供給ポンプ
16:加圧供給ポンプ
17:水熱反応器
18:圧力調整弁
19:微粉砕機
22:酵素反応槽
24:加圧ポンプ
25:残渣分離器
32:糖液濃縮膜
32:酵母発酵槽
42:もろみ蒸留塔
44:濃縮蒸留塔
46:脱水膜
52:遠心分級器
54:残渣乾燥器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグノセルロースを原料としてエタノールを生産するセルロース系エタノール生産システムであって、
酵素を用いてリグノセルロースを糖に変換する糖化手段と、前記糖化手段により得られた糖液を濃縮する糖液濃縮手段と、前記濃縮された糖液を酵母を用いてエタノール発酵させる発酵手段と、前記発酵手段により得られたエタノール発酵液からエタノールを分離精製する手段とを含むことを特徴とするセルロース系エタノール生産システム。
【請求項2】
前記糖液濃縮手段における濃縮が、前記糖液の糖濃度を10〜22重量%とする濃縮であることを特徴とする請求項1記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項3】
前記糖液濃縮手段における濃縮が、膜濃縮である請求項1または2に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項4】
前記糖化手段の次に、前記糖液から前記糖化手段により糖化されなかったリグノセルロース残渣を分離する手段を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項5】
前記リグノセルロース残渣の分離手段の次に、さらに、分離されたリグノセルロース残渣を無機物(灰分)を主体とする成分と有機物を主体とする成分に分級する手段を含む請求項4に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項6】
前記リグノセルロース残渣の分級手段として、湿式または乾式の遠心分級器を用いることを特徴とする請求項5に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項7】
前記リグノセルロースがイネ科植物、マメ科植物、およびこれらの作物残渣から選ばれるバイオマス由来のリグノセルロースであることを特徴とする請求項5または6に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項8】
前記分離されたリグノセルロース残渣または前記分級されたリグノセルロース残渣の有機物主体成分を併設された火力発電プラントの燃料の一部または全部として用いるとともに、前記火力発電プラントが発生する中低圧の過熱蒸気または排ガスを前記エタノール生産システム内の手段のいずれかに用いることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項9】
さらに前記分離されたリグノセルロース残渣または前記分級されたリグノセルロース残渣の有機物主体成分を乾燥する手段を含み、前記火力発電プラントが発生する中低圧の過熱蒸気または排ガスを、前記エタノールの分離精製手段および/または前記乾燥手段に用いることを特徴とする請求項8に記載のセルロース系エタノール生産システム。
【請求項10】
リグノセルロースを原料としてエタノールを生産するセルロース系エタノールの生産方法であって、
酵素を用いてリグノセルロースを糖に変換する糖化工程と、前記糖化工程により得られた糖液を濃縮する糖液濃縮工程と、前記濃縮された糖液を酵母を用いてエタノール発酵させる発酵工程と、前記発酵工程により得られたエタノール発酵液からエタノールを分離精製する工程とを含むことを特徴とするセルロース系エタノールの生産方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−45277(P2011−45277A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195723(P2009−195723)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】